(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】モニタリングシステム及びモニタリングシステムに用いられる制御装置
(51)【国際特許分類】
G07C 9/00 20200101AFI20220217BHJP
【FI】
G07C9/00 Z
(21)【出願番号】P 2017018955
(22)【出願日】2017-02-03
【審査請求日】2020-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】515315325
【氏名又は名称】株式会社ジャルコ
(72)【発明者】
【氏名】安治 裕一
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-317055(JP,A)
【文献】特開2008-035070(JP,A)
【文献】特開2013-204233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定領域に進入する進入体をモニタリングするモニタリングシステムであって、
上記所定領域への進入体の入退を検出する検出装置と、
上記所定領域を撮像して上記所定領域の連続画像データを生成する撮像装置と、
上記進入体が付帯する個体識別情報伝達部材の個体識別情報を取得する取得装置と、
上記検出装置からの入退データ、上記撮像装置からの上記連続画像データ及び上記取得装置からの個体識別情報を受信する受信部を有する制御装置と
を備え、
上記制御装置が、
予め登録される複数の上記個体識別情報と、上記受信部が受信した上記連続画像データと、を記憶する記憶部と、
上記撮像装置が生成した連続画像データを上記記憶部に記憶させる処理部と
を有し、
上記処理部が、上記検出装置からの入退データを上記連続画像データに関連づける処理を行い、
上記処理部が、上記取得装置からの個体識別情報を上記連続画像データ及び入退データに関連付ける処理を行
い、
上記記憶部に記憶された上記連続画像データ、上記入退データ及び上記個体識別情報に関連する情報を表示可能な表示装置をさらに備え、
上記処理部は、上記連続画像データに基づく連続画像を上記表示装置に再生させる再生開始キーを上記表示装置に表示させ、
上記再生開始キーには、上記入退データ及び上記個体識別情報に基づく情報が表示され、
上記撮像装置が、上記所定領域を常時撮像し、
上記処理部が、上記記憶部に記憶する連続画像データに画像再生のためのトリガーを設定するモニタリングシステム。
【請求項2】
上記再生開始キーが選択された際には、上記処理部は、上記表示装置に上記入退データに基づく時刻からの連続画像を表示させる請求項
1に記載のモニタリングシステム。
【請求項3】
報知装置をさらに備え、
上記処理部が、上記入退データを受信し、かつ上記個体識別情報を受信しない場合、上記報知装置にアラーム報知させる請求項1
又は請求項2に記載のモニタリングシステム。
【請求項4】
上記検出装置は、上記撮像装置が撮像して生成した画像データに基づいて進入体を検出する請求項1
、請求項2又は請求項3に記載のモニタリングシステム。
【請求項5】
上記検出装置は、センサを有しており、上記センサの検出結果に基づいて進入体を検出する請求項1から
4のいずれかに記載のモニタリングシステム。
【請求項6】
上記処理部は、上記撮像装置が生成した連続画像データに基づいて同時に進入した進入体の数を検出すると共に、上記取得装置から同時に取得した個体識別情報の数を検出し、検出した進入体の数と取得した個体識別情報の数とが一致するか否かを判断する処理を行う請求項1から
5のいずれかに記載のモニタリングシステム。
【請求項7】
所定領域に進入する進入体をモニタリングするモニタリングシステムに用いられる制御装置であって、
上記所定領域に進入体が進入した入退データを検出装置から受信可能であり、上記所定領域を撮像する撮像装置から連続画像データを受信可能であり、上記進入体が付帯する個体識別情報伝達部材の個体識別情報を取得装置から受信可能な受信部と、
記憶装置に予め記憶された個体識別情報と取得装置から受信した個体識別情報とが一致するかを判断し、一致する場合には記憶装置に予め記憶された個体識別情報に関連する情報を入退データと関連付けて表示装置に表示させ、一致しない場合には入退データと不明者である旨の情報とを関連付けて表示装置に表示させる処理部と、
を備え
、
上記処理部は、上記撮像装置から受信した連続画像データを上記記憶装置に記憶させ、この連続画像データに基づく連続画像を上記表示装置に再生させる再生開始キーを上記表示装置に表示させ、
上記再生開始キーには、上記入退データ及び上記個体識別情報に基づく情報が表示され、
上記撮像装置が、上記所定領域を常時撮像し、
上記処理部が、上記記憶装置に記憶させる連続画像データに画像再生のためのトリガーを設定するモニタリングシステムに用いられる制御装置。
【請求項8】
所定領域に進入する進入体をモニタリングするモニタリングシステムに用いられる制御装置であって、
上記所定領域に進入体が進入した入退データを検出装置から受信可能であり、上記所定領域を撮像する撮像装置から連続画像データを受信可能であり、上記進入体が付帯する個体識別情報伝達部材の個体識別情報を取得装置から受信可能な受信部と、
上記撮像装置から受信した連続画像データを記憶装置に記憶させるための処理を行う処理部と
を備え、
上記処理部は、
上記検出装置からの入退データを上記連続画像データに関連づける処理を行い、
上記取得装置からの個体識別情報を上記連続画像データ及び入退データに関連付ける処理を行
い、
この連続画像データに基づく連続画像を上記表示装置に再生させる再生開始キーを上記表示装置に表示させる処理を行い、
上記再生開始キーには、上記入退データ及び上記個体識別情報に基づく情報が表示され、
上記撮像装置が、上記所定領域を常時撮像し、
上記処理部は、上記記憶装置に記憶させる連続画像データに画像再生のためのトリガーを設定する処理を行うモニタリングシステムに用いられる制御装置。
【請求項9】
上記処理部は、上記撮像装置が生成した連続画像データに基づいて同時に進入した進入体の数を検出すると共に、上記取得装置から同時に取得した個体識別情報の数を検出し、検出した進入体の数と取得した個体識別情報の数とが一致するか否かを判断する処理を行う請求項
7又は請求項
8に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定領域に進入した進入者を管理するシステムが知られている。例えば、特開2013-191051号公報所載のシステムにあっては、ゲートにリーダライタを設置し、RFIDタグを所持している進入者についてRFIDタグを検出する。そして、RFIDタグを奇数回検出している場合、その所持者が入室状態であると認識し、RFIDタグを偶数回検出している場合、その所持者が退室状態であると認識することで管理している。
【0003】
このシステムにあっては、RFIDタグを所持する者の入室及び退室は管理することはできるが、RFIDタグを所持していない者については管理を行うことができない。また、このシステムにあっては、所定領域で行われる行為についてはモニタリングすることができない。
【0004】
また、扉等の出入口において個人認証を求め、入室を許可するシステムも公知であるが、かかるシステムは、頻繁に出入りがなされる所定領域等においては採用することが現実的に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような不都合に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、所定領域における進入体の管理を容易かつ確実に行い得るモニタリングシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、
所定領域に進入する進入体をモニタリングするモニタリングシステムであって、
上記所定領域への進入体の入退を検出する検出装置と、
上記所定領域を撮像して上記所定領域の連続画像データを生成する撮像装置と、
上記進入体が付帯する個体識別情報伝達部材の個体識別情報を取得する取得装置と、
上記検出装置からの入退データ、上記撮像装置からの上記連続画像データ及び上記取得装置からの個体識別情報を受信する受信部を有する制御装置と
を備え、
上記制御装置が、
予め登録される複数の上記個体識別情報と、上記受信部が受信した上記連続画像データと、を記憶する記憶部と、
上記撮像装置が生成したデータを上記記憶部に記憶させる処理部と
を有し、
上記処理部が、上記検出装置からの入退データを上記連続画像データに関連づける処理を行い、
上記処理部が、上記取得装置からの個体識別情報を上記連続画像データ及び入退データに上記個体識別情報を関連づける処理を行うシステムである。
【0008】
当該モニタリングシステムは、所定領域に進入体が進入し、上記検出装置から入退データを上記制御装置が受信した場合、上記処理部が入退データを入退時の連続画像データに関連づける処理を行う。そして、上記制御装置が上記個体識別情報を上記取得装置から受信した場合、上記処理部が上記個体識別情報を上記連続画像データ及び入退データに関連づける処理を行う。このため、個体識別情報が関連づけられているか否かによって入退データに関連する箇所からの連続画像データが既知の者であるか不明者であるか判断することができる。これにより、所定領域で物品の紛失等のイレギュラーな状態が発生した場合、長時間の連続画像データの中から選別しつつ特定箇所からの連続画像データを確認することができ、進入体の管理を容易かつ確実に行い得る。
【0009】
当該モニタリングシステムは、上記記憶部に記憶された上記連続画像データ、上記入退データ及び上記個体識別情報に関連する情報を表示可能な表示装置をさらに備えるとよい。これにより表示装置に表示された入退データ及び個体識別情報を確認しつつ、所望の連続画像データを表示装置に表示させることができる。
【0010】
上記処理部は、上記連続画像データに基づく連続画像を上記表示装置に再生させる再生開始キーを上記表示装置に表示させ、上記再生開始キーには、上記入退データ及び上記個体識別情報に基づく情報が表示されるとよい。これにより表示装置に表示された再生開始キー、入退データ及び個体識別情報を確認しつつ、所望の連続画像データを表示装置に表示させることができる。さらに、上記再生開始キーを選択された際には、上記処理部は、上記表示装置に上記入退データに基づく時刻からの連続画像を表示させる構成を採用することで、容易に所望の連続画像データを表示再生できる。
【0011】
当該モニタリングシステムは、報知装置をさらに備え、上記処理部が、上記入退データを受信し、かつ上記個体識別情報を受信しない場合、上記報知装置にアラーム報知させるとよい。これにより、所定領域に不明者が進入した場合、報知装置にアラーム報知させることができる。
【0012】
上記検出装置は、上記撮像装置が撮像して生成された画像データに基づいて進入体を検出するとよい。これにより、撮像装置に基づいて画像データを利用して、進入体を検出することができる。
【0013】
上記検出装置がセンサを有し、上記センサの検出結果に基づいて進入体を検出するとよい。これにより、センサの検出結果によって進入体を検出することができる。
【0014】
上記処理部は、上記撮像装置が生成した連続画像データに基づいて同時に進入した進入体の数を検出すると共に、上記取得装置から同時に取得した個体識別情報の数を検出し、検出した進入体の数と取得した個体識別情報の数とが一致するか否かを判断する処理を行うとよい。これにより複数人が同時に所定領域に進入した場合であっても、連続画像データが既知の者であるか不明者であるか判断することができる。なお、「同時」とは完全に同じタイミングで出入口を通過する場合に限らず、検出装置が複数の進入者をそれぞれ検出できない程度に同時期に出入口を通過するような場合も含まれる。また「同時」とは、進入した時間が同一であることを要せず、進入した時間が異なっていても進入している時間を複数人が共有する場合を含む。
【0015】
また、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
所定領域への進入体をモニタリングするモニタリングシステムに用いられる制御装置であって、
上記所定領域に進入体が進入した入退データを検出装置から受信可能であり、上記所定領域を撮像する撮像装置から連続画像データを受信可能であり、上記進入体が付帯する個体識別情報伝達部材の個体識別情報を取得装置から受信可能な受信部と、
記憶装置に予め記憶された個体識別情報と取得装置から受信した個体識別情報とが一致するかを判断し、一致する場合には記憶装置に予め記憶された個体識別情報に関連する情報を入退データと関連付けて表示装置に表示させ、一致しない場合には入退データと不明者である旨の情報とを関連付けて表示装置に表示させる処理部と、
を備えたモニタリングシステムに用いられる制御装置である。
【0016】
当該モニタリングシステムに用いられる制御装置は、所定領域に進入体が進入し、上記検出装置から入退データを上記受信部が受信した場合、上記処理部は、記憶装置に予め記憶された個体識別情報と取得装置から受信した個体識別情報とが一致するかを判断し、一致する場合には記憶装置に予め記憶された個体識別情報に関連する情報を入退データと関連付けて表示装置に表示させ、一致しない場合には入退データと不明者である旨の情報を表示装置に表示させる。このため、個体識別情報が関連づけられているか否かによって進入者が既知の者であるか不明者であるか判断することができる。
【0017】
さらに、上記課題を解決するためになされた別の発明は、
所定領域に進入する進入体をモニタリングするモニタリングシステムに用いられる制御装置であって、
上記所定領域に進入体が進入した入退データを検出装置から受信可能であり、上記所定領域を撮像する撮像装置から連続画像データを受信可能であり、上記進入体が付帯する個体識別情報伝達部材の個体識別情報を取得装置から受信可能な受信部と、
上記撮像装置から受信した連続画像データを記憶装置に記憶させるための処理を行う処理部と
を備え、
上記処理部は、
上記検出装置からの入退データを上記連続画像データに関連づける処理を行い、
上記取得装置からの個体識別情報を上記連続画像データ及び入退データに関連づける処理を行うものである。
【0018】
当該モニタリングシステムに用いられる制御装置は、所定領域に進入体が進入し、上記検出装置から入退データを上記制御装置が受信した場合、上記処理部が入退データを入退時の連続画像データに関連づける処理を行う。そして、当該制御装置が上記個体識別情報を上記取得装置から受信した場合、上記処理部が上記個体識別情報を上記連続画像データ及び入退データに関連づける処理を行う。このため、個体識別情報が関連づけられているか否かによって入退データに関連する箇所からの連続画像データが既知の者であるか不明者であるか判断することができる。これにより、所定領域で物品の紛失等のイレギュラーな状態が発生した場合、長時間の連続画像データの中から選別しつつ特定箇所からの連続画像データを確認することができ、進入体の管理を容易かつ確実に行い得る。
【0019】
上述のような当該モニタリングシステムの制御装置にあっては、上記処理部は、上記撮像装置が生成した連続画像データに基づいて同時に進入した進入体の数を検出すると共に、上記取得装置から同時に取得した個体識別情報の数を検出し、検出した進入体の数と取得した個体識別情報の数とが一致するか否かを判断する処理を行うとよい。これにより複数人が同時に所定領域に進入した場合であっても、連続画像データが既知の者であるか不明者であるか判断することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明のモニタリングシステム及びそれに用いられる制御装置は、所定領域における進入体の管理を容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るモニタリングシステムの構成を説明する模式的説明図である。
【
図2】モニタリングシステムの構成を説明する模式的説明図である。
【
図3】モニタリングシステムの表示装置の表示画面の模式的説明図である。
【
図4】モニタリングシステムを用いたモニタリング方法のフローチャートである。
【
図5】連続画像データへの入退データ設定の模式的説明図である。
【
図6】本発明の他実施形態に係るモニタリングシステムの構成を説明する模式的説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳説するが、以下の実施形態の構成に本発明は限定されるものではない。
【0023】
<モニタリングシステム>
本発明の一実施形態に係るモニタリングシステムを
図1から3に示す。モニタリングシステム100(
図2参照)は、所定領域に進入した進入者(進入体)の行動等をモニタリングするためのシステムである。
【0024】
以下、
図1を参照して本発明に係るモニタリングシステム100を採用した倉庫10を例にとり説明するが、倉庫10に限られず、種々の領域に用いることができる。特に、本発明に係るモニタリングシステム100は、レストランの冷蔵庫、病院のミキシングルーム等、出入口に施錠などを施すのが困難であり(扉が存在しない場合も含む)、予め決められた人以外も出入りする可能性があり、しかも内部で行われていることを監視する必要がある環境で好適に採用できる。
【0025】
本実施形態において倉庫10は、1つの出入口1が設けられているが、頻繁に搬入及び搬出を行う必要がある際には一般的に解放されており、施錠されていない。このため、倉庫10では作業を行うスタッフだけでなく、それ以外のスタッフや第三者であっても進入可能となっている。また、倉庫10には、商品などを保管する棚2が設置されている。
【0026】
モニタリングシステム100は、
図1及び
図2に示すように、倉庫10に進入者が進入したことを検出するセンサ3(検出装置)と、倉庫10の中の状態を撮像するカメラ4(撮像装置)と、進入者が所持(付帯)するRFIDタグ(個体識別情報伝達部材)の個体識別情報を取得するRFIDリーダライタ6(取得装置)と、センサ3からの入退データ、カメラ4からの画像データ及びRFIDリーダライタ6からの個体識別情報を受信する受信部21(
図2参照)を有する制御装置20とを備えている。また、モニタリングシステム100は、制御装置20に接続される表示装置7及び報知装置8をさらに備えている。
【0027】
センサ3は出入口1に設けられたゲートに設置されている。センサ3は、出入口1から倉庫10への進入者や倉庫10からの退出者を検出する。つまり、センサ3は、倉庫10に進入者が進入したこと及び倉庫10から進入者が退出することを検出する。このセンサ3としては人感センサを用いることができる。センサ3は、進入者の進入及び退出を検出した際に、制御装置20に入退データを送信する。ここで、入退データには、進入者が出入口1を通過したことを示す情報が含まれる。入退データには、進入者の個体識別情報は含まれていない。
【0028】
カメラ4は、倉庫10の全域を撮像できるよう設置されている。本実施形態にあっては、カメラ4は、出入口1の近傍に設置されている。カメラ4は、倉庫10を常時撮像して
図5に示す連続した連続画像データを生成し、この連続画像データを制御装置20に送信する。カメラ4は、モニタリングする場所などに応じて複数台設置することも可能である。
【0029】
RFIDリーダライタ6は、倉庫10の天井に設置されている。RFIDリーダライタ6は、倉庫10の全域においてRFIDタグと通信可能であり、この通信によってRFIDタグの個体識別情報を取得する。RFIDリーダライタ6は、RFIDタグから個体識別情報を取得した場合、個体識別情報を制御装置20に送信する。なお、RFIDリーダライタ6の設置箇所は、特に限定されるものではなく、環境に応じて複数台設置することも可能である。
【0030】
ここで、RFIDタグとしては、RFIDリーダライタから電波信号を受信した場合に電波を送信することで個体識別情報の伝達を行うパッシブタイプのRFIDタグが好適に用いられる。なお、個体識別情報を保持する個体識別情報伝達部材としては、RFIDタグが好適に用いられるが、これに限られず、例えばビーコン等の無線によって個体識別情報を通信可能なものであれば採用可能である。なお、例えばRFIDタグは倉庫10内で作業を行う必要のあるスタッフや倉庫10内に立ち入ることが正式に認められた従業員等が所持している。
【0031】
図2を参照して、制御装置20としては受信部21、記憶部25及び処理部23を有するコンピュータを用いることができる。
【0032】
受信部21は、倉庫10に進入者が進入した入退データをセンサ3から受信する。受信部21は、倉庫10を撮像するカメラ4から連続画像データを受信する。受信部21は、進入者が所持するRFIDタグの個体識別情報をRFIDリーダライタ6から受信する。
【0033】
記憶部25は、予め登録される複数の個体識別情報及び受信部21が受信した連続画像データを記憶する。記憶部25は、個体識別情報と関連づけてそのRFIDタグを所持する者の個人データ(氏名、所属、顔写真、電話番号、メールアドレス等)も記憶する。なお、この記憶部25としては、従来公知のコンピュータ内の記憶手段等を用いることができる。
【0034】
処理部23は、カメラ4が撮像し、受信部21が受信した連続画像データを記憶部25に記憶させる処理を行う。なお、この処理部23としては、従来公知の中央演算処理装置(CPU)等を用いることができる。記憶部25は、連続画像データを逐次記憶する画像データ記憶領域を有する。
【0035】
処理部23は、上記連続画像データに基づいて同時に進入した進入者の数を検出する処理を行う。さらに、処理部23は、検出した進入者の数を記憶部25に記憶させる処理を行う。この進入者の数は、入退データに関連づけて記憶される。なお、「同時」とは完全に同じタイミングで出入口1を通過する場合に限らず、センサ3が複数の進入者をそれぞれ検出できない程度に同時期に出入口1を通過するような場合も含まれる。また「同時」とは、進入した時間(センサ3によって検出される入室時間)が同一であることを要せず、進入した時間が異なっていても入室している時間を複数人が共有する場合を含む。
【0036】
また、処理部23は、管理対象となる者が所有するRFIDタグの個体識別情報を、個人データに関連づけて記憶部25に記憶させる処理を行う。記憶部25は、個体識別情報及び個人データを関連づけて記憶する個体識別情報記憶領域を有する。
【0037】
処理部23は、センサ3からの入退データを入退時の画像データに関連づける処理を行う。具体的には、処理部23は、受信部21が入退データを受信した際に入退時の画像データに関連づけて入退データを記憶部25に記憶させる処理を行う。より具体的には、処理部23は、記憶部25に連続して記憶される連続画像データに対して画像再生のためのトリガーを設定する。例えば、
図5に示すように、個体識別情報を取得した進入者が倉庫10内に進入した際(A及びC)及び不明者と判断された者が倉庫10内に進入した際(B)に、記憶部25に記憶される連続画像データDにそれぞれトリガーが設定される。ここで、処理部23は、所定のタイミングで上述のような入退データの関連付けの処理を行う。この所定のタイミングは、入退データを取得したタイミングや、所定の操作がなされたタイミング等、用途や必要性に応じて設定することが考えられる。
【0038】
処理部23は、受信部21がRFIDリーダライタ6から個体識別情報を受信した際に記憶部25から対応する個人データを抽出する処理を行う。
【0039】
処理部23は、RFIDリーダライタ6から同時に取得した個体識別情報の数を検出する処理を行う。さらに、処理部23は、検出した個体識別情報の数を記憶部25に記憶させる処理を行う。この個体識別情報の数は、入退データに関連づけて記憶される。
【0040】
また、処理部23は、上述のように検出した進入者の数と、RFIDリーダライタ6から取得した個体識別情報の数とが一致するか否かを判断する処理を行う。処理部23は、判断結果を記憶部25に入退データに関連づけて記憶部25に記憶させる。
【0041】
また、処理部23は、RFIDリーダライタ6からの個体識別情報を入退データ及び連続画像データに関連づける処理を行う。具体的には、処理部23は、受信部21が個体識別情報を受信した際に入退データ及び連続画像データに関連づけて個体識別情報を記憶部25に記憶させる処理を行う。なお、処理部23によるこの処理は、個体識別情報を受信した時間と入退データを受信した時間とが所定の時間差内である場合になされる。ここで、所定の時間差は、設置される箇所等によって適宜設定することが可能である。また、処理部23は、所定のタイミングで上述のような個体識別情報の関連づけの処理を行う。この所定のタイミングは、個体識別情報を受信したタイミングや、所定の操作が行われるタイミングなど用途や必要性に応じて設定することが考えられる。
【0042】
一方、処理部23は、受信部21が入退データを受信した後、所定の時間経過前に個体識別情報を受信しない場合又は検出した進入者の数とRFIDリーダライタ6から受信した個体識別情報の数とが一致しない場合、進入体の個体識別情報を不明者として入退データ及び連続画像データに関連付けて記憶部25に記憶させる処理を行う。処理部23は、検出した進入者の数とRFIDリーダライタ6から受信した個体識別情報の数とが一致しない場合、RFIDリーダライタ6から受信した個体識別情報も入退データ及び連続画像データに関連づけて記憶部25に記憶させる。具体的には、三名の進入者があったが二名分の個体識別情報しか得られない場合、不明者であると認定して不明者情報を入退データ及び連続画像データに関連づけて記憶させると共に、二名分の個体識別情報も入退データ及び連続画像データに関連づけて記憶させる。なお、記憶部25は、入退データ、対応する入退時の時間データ、及び対応する個人データ又は不明者情報等を含む入退管理データを逐次記憶する入退管理データ記憶領域を有する。
【0043】
処理部23は、記憶部25に記憶された個体識別情報や進入者の入退時刻等の個体識別情報に関連する情報と共に、再生開始キー72を表示装置7に表示させる処理を行う。
図3に示すように、再生開始キー72は、画面に時系列順に並べて表示されており、列ごとにそれぞれ異なる再生開始キー72となっている。この再生開始キー72は所定の動作によって順番を変更(ソート処理)することができ、例えば特定の氏名の画像だけを表示させることもできる。なお、表示装置7としては、従来公知のモニタを用いることができる。
【0044】
ここで、表示装置7に表示される表示画面71は、
図3に示すように、現在の倉庫10の画像を表示する現在画像表示部73と、選択された画像を表示する選択画像表示部74とを有している。また、表示画面71においては、再生開始キー72と個体識別情報に関連する情報として、倉庫10への進入者の情報及びその進入した時間とを表示する。そして、所定の再生開始キー72が選択された場合、表示装置7にその再生開始キー72に基づいてトリガーが設定されたタイミングからの連続画像が再生される。ここで、
図3に示すように、再生開始キー72は、時系列に並べられた進入者の情報等の列(それぞれ列1、2及び3)が1つのキーとなっている。なお、この選択は、モニタリングを行う監視者の図示省略の操作部(例えばマウス)の操作によってなされる。なお、表示装置7及び制御装置20は、モニタリングルーム等の倉庫と異なる箇所に設置される。
【0045】
処理部23は、監視者による所定の動作、例えば操作部による不図示のソートボタンの選択等が行われると、記憶部25に記憶された画像再生キー22に対応するデータを、特定の個体識別情報ごと又は不明者情報ごとにソートする処理を行う。このため、表示装置7に不明者情報に関する画像再生キー22のみを表示させることや、特定人物に関連する画像再生キー22のみを表示させることができる。
【0046】
処理部23は、入退データを受信した場合、報知装置8に報知させる処理を行う。例えば、処理部23は、入退データを受信し、かつ入退データを受信した後から所定時間が経過する前までに個体識別情報を受信しない場合、報知装置8にアラーム報知させる処理を行う。報知装置8としては、例えば点灯ランプが用いられる。また、処理部23は、入退データを受信し、かつ入退データを受信した後から所定時間が経過する前に個体識別情報を受信した場合、報知装置8に通常報知させる処理を行う。具体的には、報知装置8は、アラーム報知のための赤色ランプと、通常報知のための青色ランプとを有するとよい。なお、この報知装置8は図示例では倉庫10内に設置されているが、例えばモニタリングを行う部屋に設置することも可能である。
【0047】
さらに、処理部23は、受信部21における入退データの受信と個体識別情報の受信とのタイミングによって進入者の入室か退出かを判断し、記憶部25に入退室データとして記憶させる。具体的には、例えば処理部23は、RFIDリーダライタの受信範囲が倉庫10外にまで及ぶモニタリングシステムにあっては、個体識別情報の受信の後に入退データを受信した場合には入室と判断し、入退データの受信の後に個体識別情報の受信がなくなった場合には退室と判断することが可能である。なお、この入退室の判断にあっては、センサを入口に進入方向に並べて二つ設置し、二つのセンサの検出のタイミングによって行うことも可能である。
【0048】
<動作>
次に、
図4を参照してモニタリングシステム100の動作(モニタリング方法)について説明する。撮像装置4は、倉庫10全体を常時連続して撮像しており、連続画像データを生成している。この撮像装置4が生成した連続画像データは、処理部23を介して記憶部25に記憶される。
【0049】
倉庫10の出入口1では、センサ3が進入者を検出しており(S100)、進入者が出入口1を通過しない状態では、進入者が通過するまで待機している(S100のNo)。出入口1を進入者が通過すると(S100のYes)、センサ3は進入者を検出し、入退データを制御装置20に送信する。センサ3から入退データが制御装置20に送信されると、記憶部25に記憶される連続画像データに入退データ受領の時刻に対応したトリガーが設定される(S200)。
【0050】
センサ3から入退データが制御装置20に送信されると、記憶部25に記憶される連続画像データに入退データ受領の時刻に対応したトリガーが設定される(S200)。具体的には、処理部23は、
図5に示すように、記憶部25の所定時刻の連続画像データDに対してトリガー(A、B及びC参照)を設定する。
【0051】
進入者が出入口1を通過して倉庫10内に進入すると、倉庫10内でRFIDリーダライタ6がRFIDタグと通信を行ったか否かが判断される(S300)。この際、進入者の数と、通信を行ったRFIDタグの数とが一致するかについても判断される。進入者が予め記憶部25に登録された個体識別情報のRFIDタグを所持していない場合又は進入者の数と通信を行ったRFIDタグの数とが一致しない場合(S300のNo)には、入退データを制御装置20が受信した後、所定時間が経過してもRFIDリーダライタ6が個体識別情報を受信できず、進入者は不明者であると判断される(S400)。進入者が不明者であると判断されると、報知装置8が赤色のランプを点灯し、アラーム報知がなされる(S410)。
【0052】
進入者の数と通信を行ったRFIDタグの数とが一致し、かつ進入者が予め記憶部25に登録された個体識別情報のRFIDタグを所持している場合(S300のYes)には、入退データを制御装置20が受信した後、RFIDリーダライタがRFIDタグと通信して個体識別情報を受信する。この個体識別情報を受信すると、個体識別情報から進入者の氏名が判断される(S500)。個体識別情報を受信した場合には、報知装置8が青色のランプを点灯し、通常報知がなされる(S510)。
【0053】
通常報知又はアラーム報知がなされた後、所定の時間が経過したか否かが判断される(S600)。所定時間が経過した場合(S600のYes)には、報知装置8を消灯させる(S700)。一方で所定時間が経過していない場合(S600のNo)には、所定時間が経過するまで待機する。
【0054】
<利点>
当該モニタリングシステム100では、RFIDリーダライタ6及びセンサ3を用いて進入者を検出する。このため、RFIDタグを所持する正当な進入者だけでなく、RFIDタグを所持していない不明者が倉庫に侵入したことも検出できる。
【0055】
このモニタリングシステム100では、進入者の個体識別情報又は進入者が不明という情報を入退時刻等と関連づけて記憶部25に記憶しており、表示装置8に再生開始キー72と関連付けて表示している。このため、氏名などの進入者の情報及び進入者が進入した時刻等を容易に確認することができる。このとき、進入者が進入した際に行ったことなどを確認したい場合には、再生開始キー72を選択することで、進入体が進入した時刻からの倉庫10内の連続画像を確認することができる。このため、倉庫10で物品の紛失等のイレギュラーな状態が発生した場合、多くの画像データの中から選別しつつ特定箇所からの連続画像データを確認することができ、進入体の管理を容易かつ確実に行い得る。
【0056】
さらに、表示装置に不明者である旨又は進入者の氏名が表示されており、再生開始キー72を選択して不明者又は特定の個人が映った画像を視認することで、全ての連続画像を連続して視認することなく、不明者又は特定の個人が映った箇所を容易に確認することができる。このため、このモニタリングシステム100では、誰が進入してどのような行動をとったのかを容易に確認することができる。
【0057】
従って、当該モニタリングシステム100では、出入口の入退室を厳密に制限することが困難な倉庫等においても容易かつ確実にモニタリングし、進入者の行為を管理することができる。
【0058】
また、報知装置8によって倉庫10内への進入者が予め登録された者か否かを判断して報知するため、誤って倉庫10内に侵入した第三者、例えばRFIDタグを所持していないスタッフ等に誤りを気づかせることができる。
【0059】
このモニタリングシステム100では、カメラ4が常時倉庫10内を撮像して1つの連続画像データを生成しており、進入者を検出した際には、入退データを受信した時点でその連続画像データにトリガーを設置して、再生開始キー72を設定する。このため、進入者の数が多く再生開始キー72が多数設定されたとしても画像データの容量は増加せず、記憶部25の容量の設定等行いやすく、大きな記憶容量の記憶部を用いる必要がない。
【0060】
進入体の進入を検出して入退データを取得し、個体識別情報の取得装置から個体識別情報を取得して、進入体が個体識別情報伝達部材を所持する者か否かを判断する構成であっても、進入体の数を検出する構成を備えていない場合には、個体識別情報伝達部材を所持する進入体と個体識別情報伝達部材を所持しない進入体とが同時に進入した場合には、個体識別情報を所持しない進入体の進入を検出することができない場合がある。
【0061】
この場合には、個体識別情報伝達部材を所持しない進入体が所定領域に進入したことを認識できず、このような進入体を十分に管理できない可能性がある。
【0062】
しかしながら、このモニタリングシステム100では、RFIDタグを所持する進入者とRFIDタグを所持しない進入者が含まれた複数の進入者が同時に出入口1を通過しようとした場合であっても、カメラ4で撮像した画像データから検出した進入体の数情報と、RFIDリーダライタ6が取得した個体識別情報とに基づいて、RFIDタグを所持しない進入者が通過したことを検出できる。このため、RFIDタグを所持しない進入者がRFIDタグを所持する進入者に紛れて進入しようとした場合であっても、RFIDタグを所持しない進入体が進入し、倉庫10内での行動を管理、モニタリングすることができる。
【0063】
[その他の実施形態]
上記実施形態は上記構成から上述の利点を奏するものであったが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
【0064】
つまり、上記実施形態においては、取得装置が個体識別情報を取得した際、その個体識別情報が記憶部に記憶されていることを前提に説明したが、取得した個体識別情報が記憶部に記憶されていない場合、不明者として取り扱うことが可能である。
【0065】
さらに、上記実施形態にあっては、進入体を検出する検出装置の一例としてセンサを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、検出装置は撮像装置が撮像して生成された画像データに基づいて進入体を検出することも可能である。具体的には、撮像装置によって撮像された画像データにおいて動作(進入体の進入動作)の有無を前後の画像データから処理部が判別し、動作があった場合に進入体が進入したと判断することも可能である。この場合には、連続画像データから進入体を検出する処理部が、検出装置として機能することとなる。なお、検出装置としてカメラを用いる場合にあっても、上記撮像装置のカメラと同一のカメラとすることを必ずしも要せず、別のカメラを用いることも可能である。
【0066】
また、上記検出装置としてセンサを用いる場合にあっても、人感センサに限られず、例えば赤外線センサ等を用いてもよい。さらには、出入口のみならず倉庫内全体の動作を検出するセンサを用いることも可能である。この場合には、センサで人体を検出したことをもって倉庫内に侵入したと判断し、センサで人体を検出できなくなると、進入者が倉庫から退出したと判断することができる。
【0067】
さらに、出入口の床面等に押圧式センサを設置し、この押圧式センサを検出装置として用いることも可能である。この場合、センサの検出と撮像データの画像データとから入室及び退出を判断することもできる。
【0068】
さらに、出入口に扉が存在する場合、扉の開閉を検知する開閉センサを設け、この開閉センサを検出装置として用いることも可能である。
【0069】
上記実施形態においては、人を進入体として判断するものについて説明したが、ロボット等の移動体についてモニタリングする場合であってもよい。
【0070】
さらに、制御装置としてコンピュータを用い、記憶部としてコンピュータの記憶手段を用いるものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。記憶装置として、制御装置とは別体の装置を用いてもよい。一方で制御装置と表示装置が一体となったノート型のPCやタブレット端末のような装置を用いることもできる。但し、記憶部としては、連続画像データを数日分記憶できるメモリ装置であることが好ましい。
【0071】
上記実施形態においては、一つの処理部が各種処理を行うものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の処理部によって各種処理を分担させることも可能である。さらに、上記実施形態においては、処理部が連続画像データに基づいて進入体の数を検出するものについて説明したが、進入体の数を検出しないものであってもよく、また進入体の数を検出する場合にあっても進入体の数の検出を行う処理部を他の処理を行う処理部と別に設けることも可能である。
【0072】
上記の実施形態では、連続画像データに基づいて判断した進入体の数とRFIDリーダライタ6が取得した個体識別情報の数とが一致しない場合に不明者であるとしたが、本発明はこれに限らない。状況や環境に応じて、例えば、個体識別情報を取得した進入体と同時に進入した場合には、個体識別情報を取得するスタッフの管理下にあるため、問題はないとして個体識別情報を所持する進入体と判断するようにしてもよく、RFIDタグを所持する進入者と不明者のグループと判断するようにしてもよい。
【0073】
また、上記実施形態においては、一つの記憶部において画像データ、個体識別情報及び入退管理データを記憶するものについて説明したが、本発明はこれに限定されず、複数の記憶部を設け、各記憶部に種々のデータを記憶させることも可能である。例えば、一方の記憶部には連続画像データを記憶させ、他方の記憶部にはトリガーに関連する情報を記憶させておいて、再生開始キーが選択された際に、処理部がトリガーと連続画像データを関連付けて連続画像データを表示装置に表示させるようにしてもよい。
【0074】
上記の実施形態では、連続画像データ、進入体の入退データ、進入者の数や個体識別情報等の関連付けを制御装置20が受信した際に関連付ける処理を行ったが、関連付けのタイミングはこれに限られない。すなわち、それぞれ別の記憶装置や記憶領域に記憶しておき、それぞれ必要に応じて適切なタイミング(例えば表示装置に表示するタイミングや画像を再生するタイミング)で関連付けるようにしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態においては、当該モニタリングシステムが表示装置及び報知装置を有するものについて説明したが、これらは本発明の必須の構成要件ではない。また、報知装置を有する場合であっても、上記実施形態のようなランプであることは必須ではなく、例えばアラーム音を発生する装置であってもよい。
【0076】
上記実施形態においては、RFIDタグは倉庫内で作業を行う必要性のあるスタッフが所持している構成を示したが、本発明はこれに限られない。RFIDタグは、モニタリングシステムの採用環境に応じて所持する者を選定するようにしてもよい。
【0077】
さらに、当該モニタリングシステムにあっては、他人である依頼者(例えば依頼会社)が設置する検出装置、撮像装置及び取得装置からネットワークシステム(例えばインターネット)を通じてデータを受け取ってモニタリングするシステムであってもよい。
【0078】
また、上記実施形態にあっては、制御装置20の記憶部25に各種情報を記憶させるものについて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図6に示すモニタリングシステム200のように、制御装置30とネットワークシステムを介して接続される他の記憶装置40に、連続画像データ、個体識別情報及び入退データの一部又は全てを、制御装置30の処理部33が記憶させる処理を行わせることも可能である。なお、
図6において、制御装置30は、受信部31を備えており、その他の構成については上記実施形態のものと同一符号を用いている。
【0079】
表示装置に表示させる条件を進入体の入室時及び退室時の双方に設定することも、いずれか一方のみに設定することも可能である。さらに、入室時及び/又は退室時の設定についてはユーザが条件設定できるように構成することも可能である。また、当該モニタリングシステムにあっては、制御装置が、所定領域における進入体の進入及び退出のいずれか一方のみのデータを処理することも双方を処理することも可能である。
【0080】
また、上記実施形態の倉庫では出入口が一つしか設けられていないものについて説明したが、複数の出入口が設けられた領域をモニタリングすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明のモニタリングシステムは、例えば倉庫等のように出入口に施錠などを施すのが困難な所定領域をモニタリングする際に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0082】
1 出入口
3 センサ
4 カメラ
6 RFIDリーダライタ
7 表示装置
8 報知装置
20,30 制御装置
21,31 受信部
23,33 処理部
25 制御部
40 記憶装置
71 表示画面
72 画像再生キー
100,200 モニタリングシステム