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特許7025613液体飛散防止用カバーの製造方法及び液体飛散防止用カバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】液体飛散防止用カバーの製造方法及び液体飛散防止用カバー
(51)【国際特許分類】
   F16L 57/00 20060101AFI20220217BHJP
【FI】
F16L57/00 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017234233
(22)【出願日】2017-12-06
(65)【公開番号】P2019100494
(43)【公開日】2019-06-24
【審査請求日】2020-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】512243007
【氏名又は名称】株式会社 加島
(74)【代理人】
【識別番号】100143085
【弁理士】
【氏名又は名称】藤飯 章弘
(72)【発明者】
【氏名】森下 陽介
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3193303(JP,U)
【文献】登録実用新案第3201192(JP,U)
【文献】実開昭49-088905(JP,U)
【文献】実開昭51-016510(JP,U)
【文献】特開2006-000703(JP,A)
【文献】特開2005-027981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧ホースの表面を被覆する液体飛散防止用カバーの製造方法であって、
長尺状かつ平面視矩形状のシート材を、その長手方向に沿う側縁同士を重ねるように折り畳むことにより二重構造シート材を形成する工程と、
前記二重構造シート材に対して、重ね合わされた2つの側縁から所定長さ内側の個所を前記二重構造シート材の長手方向に沿って縫い合わせて縫製ラインを形成し、前記縫製ラインを軸として互いに開閉可能な前記シート材の一方の側縁を含む第1支持片と前記シート材の他方の側縁を含む第2支持片とを形成する工程と、
前記二重構造シート材の前記第1支持片及び前記第2支持片を除外した領域に対して、縫製を行い、二重に重ね合わされている前記二重構造シート材を縫い合わせて一体化する工程と、
前記第1支持片及び前記第2支持片の各対向面に、第1面ファスナー帯片及び第2面ファスナー帯片をそれぞれ固定する工程と、
前記第1支持片及び前記第2支持片が形成される前記二重構造シートの側縁部とは反対側の側縁部において、その表面側に前記第1面ファスナー帯片と係着可能な第3面ファスナー帯片を固定するとともに、その裏面側に前記第2面ファスナー帯片と係着可能な第4面ファスナー帯片を固定する工程とを備える液体飛散防止用カバーの製造方法。
【請求項2】
前記第1支持片及び前記第2支持片の長手方向長さは、同一となるように構成されている請求項1に記載の液体飛散防止用カバーの製造方法。
【請求項3】
前記第1面ファスナー帯片、前記第2面ファスナー帯片、前記第3面ファスナー帯片、及び、前記第4面ファスナー帯片のそれぞれの長手方向長さは、同一となるように構成されている請求項1又は2に記載の液体飛散防止用カバーの製造方法。
【請求項4】
高圧ホースの表面を被覆する液体飛散防止用カバーの製造方法であって、
長尺状かつ平面視矩形状のシート材を、その長手方向に沿う側縁同士を重ねるように折り畳むことにより二重構造シート材を形成する工程と、
前記二重構造シート材に対して、重ね合わされた2つの側縁から所定長さ内側の個所を、前記二重構造シート材の長手方向に沿って縫い合わせて第1縫製ラインを形成し、前記第1縫製ラインを軸として互いに開閉可能な前記シート材の一方の側縁を含む第1支持片と前記シート材の他方の側縁を含む第2支持片とを形成する工程と、
前記第1支持片及び前記第2支持片が形成される前記二重構造シートの側縁部とは反対側の側縁部において、該反対側の側縁部から所定長さ内側の個所を、前記二重構造シート材の長手方向に沿って縫い合わせて第2縫製ラインを形成する工程と、
前記反対側の側縁部を、前記二重構造シート材の長手方向に沿って切断することにより、前記第2縫製ラインを軸として互いに開閉可能な第3支持片と第4支持片とを形成する工程と、
前記二重構造シート材において、前記第1縫製ライン及び前記第2縫製ラインで挟まれる領域に対して、縫製を行い、二重に重ね合わされている前記二重構造シート材を縫い合わせて一体化する工程と、
前記第1支持片及び前記第2支持片の各対向面に、第1面ファスナー帯片及び第2面ファスナー帯片をそれぞれ固定する工程と、
前記第3支持片及び前記第4支持片の各対向面に、第3面ファスナー帯片及び第4面ファスナー帯片をそれぞれ固定する工程と、
前記第1支持片において前記第1面ファスナー帯片が設けられていない側の面に第5面ファスナー帯片を固定するとともに、前記第4支持片において前記第4面ファスナー帯片が設けられていない側の面に第6面ファスナー帯片をそれぞれ固定する工程とを備え、
前記第1面ファスナー帯片と前記第4面ファスナー帯片とが互いに係着可能に構成され、前記第2面ファスナー帯片と前記第6面ファスナー帯片とが互いに係着可能に構成され、前記第3面ファスナー帯片と前記第5面ファスナー帯片とが互いに係着可能に構成される液体飛散防止用カバーの製造方法。
【請求項5】
前記第1支持片、前記第2支持片、前記第3支持片及び前記第4支持片の長手方向長さは、同一となるように構成されている請求項4に記載の液体飛散防止用カバーの製造方法
【請求項6】
前記第1面ファスナー帯片、前記第2面ファスナー帯片、前記第3面ファスナー帯片、前記第4面ファスナー帯片、前記第5面ファスナー帯片、及び、前記第6面ファスナー帯片のそれぞれの長手方向長さは、前記二重構造シート材の長手方向長さと略同一となるように構成されている請求項4又は5に記載の液体飛散防止用カバーの製造方法。
【請求項7】
高圧ホースの表面を被覆する液体飛散防止用カバーであって、
前記高圧ホースの表面を被覆可能な長尺状のシート状基部と、
前記シート状基部の長手方向に沿う一方の側縁部に設けられる第1係着部と、
前記シート状基部の長手方向に沿う他方の側縁部に設けられる第2係着部と、備えており、
前記シート状基部は、シート材を上下に重ねて構成される二重構造シート材として形成されており、
前記第1係着部は、前記シート状基部の外側に延在し、前記シート状基部の長手方向に沿う一方の側縁部から所定長さ内側の個所に形成され、上下に重ねられる前記シート材同士を前記シート状基部の長手方向に沿って線状に接続する接続部分を軸として、互いに開閉可能な第1支持片及び第2支持片を備え、
前記第1支持片は、前記シート状基部を構成する前記二重構造シート材のうち上方側のシート材の側縁部により構成され、長尺なシート状に構成されており、
前記第2支持片は、前記シート状基部を構成する前記二重構造シート材のうち下方側のシート材の側縁部により構成され、長尺なシート状に構成されており、
前記第1支持片及び前記第2支持片の互いに対向する表面には、それぞれ第1面ファスナー帯片及び第2面ファスナー帯片が設けられており、
前記第2係着部は、前記シート状基部の長手方向に沿う前記他方の側縁部に沿ってその表面及び裏面にそれぞれ設けられる第3面ファスナー帯片及び第4面ファスナー帯片を備えており、
前記第1面ファスナー帯片及び前記第3面ファスナー帯片とが重なりあって係着した状態で、かつ、前記第2面ファスナー帯片及び前記第4面ファスナー帯片とが重なりあって係着した状態で、高圧ホースを囲繞して筒体を形成することを特徴とする液体飛散防止用カバー。
【請求項8】
前記第1支持片及び前記第2支持片の長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと同一となるように構成されている請求項7に記載の液体飛散防止用カバー。
【請求項9】
前記第1面ファスナー帯片、前記第2面ファスナー帯片、前記第3面ファスナー帯片、及び、前記第4面ファスナー帯片のそれぞれの長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと略同一となるように構成されている請求項7又は8に記載の液体飛散防止用カバー。
【請求項10】
高圧ホースの表面を被覆する液体飛散防止用カバーであって、
前記高圧ホースの表面を被覆可能な長尺状のシート状基部と、
前記シート状基部の長手方向に沿う一方の側縁部に設けられる第1係着部と、
前記シート状基部の長手方向に沿う他方の側縁部に設けられる第2係着部と、備えており、
前記シート状基部は、シート材を上下に重ねて構成される二重構造シート材として形成されており、
前記第1係着部は、前記シート状基部の外側に延在し、前記シート状基部の長手方向に沿う一方の側縁部から所定長さ内側の個所に形成され、上下に重ねられる前記シート材同士を前記シート状基部の長手方向に沿って線状に接続する接続部分を軸として、互いに開閉可能な第1支持片及び第2支持片を備え、
前記第2係着部は、前記シート状基部の外側に延在し、前記シート状基部の長手方向に沿う他方の側縁部から所定長さ内側の個所に形成され、上下に重ねられる前記シート材同士を前記シート状基部の長手方向に沿って線状に接続する接続部分を軸として、互いに開閉可能な第3支持片及び第4支持片を備え、
前記第1支持片及び前記第3支持片は、前記シート状基部を構成する前記二重構造シート材のうち上方側のシート材の互いに対向する一対の側縁部によりそれぞれ構成され、それぞれが長尺なシート状に構成されており、
前記第2支持片及び前記第4支持片は、前記シート状基部を構成する前記二重構造シート材のうち下方側のシート材の互いに対向する一対の側縁部によりそれぞれ構成され、それぞれが長尺なシート状に構成されており、
前記第1支持片と前記第2支持片との間に前記第4支持片を介在させた状態で、かつ、前記第3支持片と前記第4支持片との間に前記第1支持片を介在させた状態で、高圧ホースを囲繞して筒体を形成可能であり、
前記第1支持片と前記第4支持片との各対向面、前記第2支持片と前記第4支持片との各対向面、及び、前記第1支持片と前記第3支持片との各対向面には、互いに係着可能な雌雄一対の面ファスナー帯片がそれぞれ設けられていることを特徴とする液体飛散防止用カバー。
【請求項11】
前記第1支持片、前記第2支持片、前記第3支持片及び前記第4支持片の長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと同一となるように構成されている請求項10に記載の液体飛散防止用カバー。
【請求項12】
前記各雌雄一対の面ファスナー帯片の長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと略同一となるように構成されている請求項10又は11に記載の液体飛散防止用カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体飛散防止用カバーに関する。特に、油圧ホースや消防ホース等の高圧ホースを被覆し、当該高圧ホースから漏れ出る油や水が飛散することを防止する液体飛散防止用カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パワーショベルやフォークリフト等の建設用機械や、プレス機、加圧装置、荷物用エレベーター等において、油圧システムが使用されている。この油圧システムは、操作の動力として油圧を用いるものであり、油圧ポンプで作った高圧の液体を高圧ホースで送り出し、所定の場所に設置されたピストンや油圧モーター(一般的にはアクチュエーターと総称する)で仕事を行う動力方式である。
【0003】
このような油圧システムにおいては、使用される高圧ホースの経年劣化や、使用時に何らかの物体が高圧ホースに接触することにより、その一部に裂け目や穴といった損傷部が発生する場合があり、高圧の液体が高圧ホース外に飛散するおそれがある。このような油の飛散を防止するために、近年、高圧ホースの外周を被覆する液体飛散防止用カバーが使用されている。
【0004】
このような液体飛散防止用カバーとしては、例えば、長尺状のシート状基材の互いに対向する一対の側縁部において、当該各側縁部に沿ってそれぞれ設けられる帯状の雌型面ファスナー帯片及び雌型面ファスナー帯片を備えるものが知られている。このような液体飛散防止用カバーは、高圧ホースの周囲を筒状に被覆して、雌雄の面ファスナー帯片同士で固定されて使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から知られている液体飛散防止用カバーは、高圧ホースに生じた損傷部からの油や水等の液体の飛散を抑制する効果を発揮するものであるが、高圧の液体が高圧ホース外に飛散した際に、飛散した液体の力が大きい場合には、雌雄の面ファスナー帯片同士の接続箇所が外れることが懸念され、より一層強固に液体飛散防止用カバーを高圧ホースに固定可能な構成が望まれている。
【0006】
本発明は、このような要請に貢献すべくなされたものであって、高圧の液体(油や水等)が高圧ホース外に飛散した場合であっても、液体飛散防止用カバーが高圧ホースから外れることを効果的に防止することができる液体飛散防止用カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、高圧ホースの表面を被覆する液体飛散防止用カバーであって、前記高圧ホースの表面を被覆可能な長尺状のシート状基部と、前記シート状基部の長手方向に沿う一方の側縁部に設けられる第1係着部と、前記シート状基部の長手方向に沿う他方の側縁部に設けられる第2係着部と、備えており、前記第1係着部は、前記シート状基部の外側に延在する第1支持片及び第2支持片を備え、前記第1支持片及び前記第2支持片は、それぞれ長尺なシート状に構成され、前記第1支持片及び前記第2支持片における長手方向に沿う一方の側縁部は、前記シート状基部における前記一方の側縁部に接続しており、前記第1支持片及び前記第2支持片は対向配置され、かつ、前記シート状基部との接続部分を軸として開閉可能に構成され、前記第1支持片及び前記第2支持片の互いに対向する表面には、それぞれ第1面ファスナー帯片及び第2面ファスナー帯片が設けられており、前記第2係着部は、前記シート状基部の長手方向に沿う前記他方の側縁部に沿ってその表面及び裏面にそれぞれ設けられる第3面ファスナー帯片及び第4面ファスナー帯片を備えており、前記第1面ファスナー帯片及び前記第3面ファスナー帯片とが重なりあって係着した状態で、かつ、前記第2面ファスナー帯片及び前記第4面ファスナー帯片とが重なりあって係着した状態で、高圧ホースを囲繞して筒体を形成することを特徴とする液体飛散防止用カバーにより達成される。
【0008】
また、上記液体飛散防止用カバーにおいて、前記第1支持片及び前記第2支持片の長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと同一となるように構成されていることが好ましい。
【0009】
また、前記第1面ファスナー帯片、前記第2面ファスナー帯片、前記第3面ファスナー帯片、及び、前記第4面ファスナー帯片のそれぞれの長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと略同一となるように構成されていることが好ましい。
【0010】
また、本発明の上記目的は、高圧ホースの表面を被覆する液体飛散防止用カバーであって、前記高圧ホースの表面を被覆可能な長尺状のシート状基部と、前記シート状基部の長手方向に沿う一方の側縁部に設けられる第1係着部と、前記シート状基部の長手方向に沿う他方の側縁部に設けられる第2係着部と、備えており、前記第1係着部は、前記シート状基部の外側に延在する第1支持片及び第2支持片を備え、前記第2係着部は、前記シート状基部の外側に延在する第3支持片及び第4支持片を備え、前記第1支持片及び前記第2支持片は、それぞれ長尺なシート状に構成され、前記第3支持片及び前記第4支持片は、それぞれ長尺なシート状に構成され、前記第1支持片及び前記第2支持片における長手方向に沿う一方の側縁部は、前記シート状基部における前記一方の側縁部に接続しており、前記第3支持片及び前記第4支持片における長手方向に沿う一側縁部は、前記シート状基部における前記他方の側縁部に接続しており、前記第1支持片及び前記第2支持片は、対向配置され、かつ記シート状基部との接続部分を軸として開閉可能に構成され、前記第3支持片及び前記第4支持片は、対向配置され、かつ、前記シート状基部との接続部分を軸として開閉可能に構成され、前記第1支持片と前記第2支持片との間に前記第4支持片を介在させた状態で、かつ、前記第3支持片と前記第4支持片との間に前記第1支持片を介在させた状態で、高圧ホースを囲繞して筒体を形成可能であり、前記第1支持片と前記第4支持片との各対向面、前記第2支持片と前記第4支持片との各対向面、及び、前記第1支持片と前記第3支持片との各対向面には、互いに係着可能な雌雄一対の面ファスナー帯片がそれぞれ設けられていることを特徴とする液体飛散防止用カバーにより達成される。
【0011】
また、上記液体飛散防止用カバーにおいて、前記第1支持片、前記第2支持片、前記第3支持片及び前記第4支持片の長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと同一となるように構成されていることが好ましい。
【0012】
また、前記各雌雄一対の面ファスナー帯片の長手方向長さは、前記シート状基部の長手方向長さと略同一となるように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高圧の液体(油や水等)が高圧ホース外に飛散した場合であっても、液体飛散防止用カバーが高圧ホースから外れることを効果的に防止することができる液体飛散防止用カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る液体飛散防止用カバーの概略構成平面図である。
図2図1のA-A断面における概略構成断面図である。
図3図1に示す液体飛散防止用カバーを高圧ホースの表面に巻回被覆した状態を示す概略構成断面図である。
図4図3の要部拡大図である。
図5図1に示す液体飛散防止用カバーの製造方法を説明するための説明図である。
図6】本発明に係る液体飛散防止用カバーの変形例を示す概略構成断面図である。
図7図6に示す液体飛散防止用カバーを高圧ホースの表面に巻回被覆した状態を示す要部拡大概略構成断面図である。
図8図6に示す液体飛散防止用カバーの製造方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る液体飛散防止用カバー1について、添付図面を参照して説明する。なお、各図は、構成の理解を容易ならしめるために部分的に拡大・縮小している。図1は、本発明に係る液体飛散防止用カバー1の概略構成平面図であり、図2は、図1のA-A断面における概略構成断面図である。また、図3は、本発明に係る液体飛散防止用カバー1により高圧ホースZを巻回した状態を示す概略構成断面図であり、図4は、図3の要部拡大図である。この液体飛散防止用カバー1は、図1図2図3及び図4に示すように、高圧ホースZの表面を巻回被覆して使用され、高圧ホースZに裂け目や穴等の損傷部が発生した場合に、当該損傷部から油や水といった液体が外部に勢いよく流出してしまうこと(飛散すること)を防止すると共に、外部干渉から高圧ホースZを保護するための保護カバーとして機能するものである。
【0016】
この液体飛散防止用カバー1は、図1図4に示すように、シート状基部2と、第1係着部3と、第2係着部4とを備えている。シート状基部2は、高圧ホースZの表面を被覆可能な長尺状のシート状部材であり、可撓性を有している。このシート状基部2は、高圧ホースZの表面を筒状に巻回して設置されるものである。つまり、液体飛散防止用カバー1は、第1係着部3及び第2係着部4が重なり合った状態で高圧ホースZを囲繞する筒体が形成されるものである。シート状基部2は、例えば、長手軸に沿って複数配置される縦糸と、当該縦糸の長手方向に対して略垂直な方向に沿って複数配置される横糸とを製織して形成される。なお、縦糸は、シート状基部2における長手方向に沿って配置される糸であり、横糸は、シート状基部2の短手方向に沿って配置される糸である。シート状基部2を構成する糸状体は、種々の糸状部材を採用することができる。また、シート状基部2を形成する糸状体は、100℃以上の耐熱性を有する繊維材料から形成されることが形成好ましい。このような繊維材料としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン等の合成ポリマー、ケブラー(KEVLAR)等のアラミド、およびナイロンを例示することができる。耐熱性の繊維から形成した糸状体を用いてシート状基部2を構成する場合、例えば、70℃以上の使用環境でも液体飛散防止用カバー1を安定的に使用することが可能となり好ましい。
【0017】
第1係着部3は、シート状基部2の長手方向に沿う一方の側縁部2aに設けられるものであり、第2係着部4と分離可能に接続固定されるものである。この第1係着部3は、シート状基部2の外側に延在する第1支持片31及び第2支持片32を備えており、これら第1支持片31及び第2支持片32は、それぞれ長尺なシート状に構成されている。また、第1支持片31及び第2支持片32における長手方向に沿う一方の側縁部は、シート状基部2における一方の側縁部2a接続しており、これら第1支持片31及び第2支持片32の表面は互いに対向するように配置されており、かつ、シート状基部2との接続部分を軸として互いに開閉可能に構成されている。また、第1支持片31及び第2支持片32の長手方向長さは、適宜設定することができるが、例えば、シート状基部2の長手方向長さと同一となるように構成されることが好ましい。
【0018】
ここで、第1係着部3を構成する第1支持片31及び第2支持片32も、上述のシート状基部2と同様に、例えば、長手軸に沿って複数配置される縦糸と、当該縦糸の長手方向に対して略垂直な方向に沿って複数配置される横糸とを製織して形成することができる。また、第1支持片31及び第2支持片32を形成する糸状体についても、上記シート状基部2と同一のものを使用して形成することができる。
【0019】
第1支持片31及び第2支持片32の互いに対向する表面には、それぞれ第1面ファスナー帯片51及び第2面ファスナー帯片52が設けられている。これら第1面ファスナー帯片51及び第2面ファスナー帯片52は、第1支持片31及び第2支持片32の長手方向に沿う形態として構成することが好ましい。また、第1面ファスナー帯片51及び第2面ファスナー帯片52のそれぞれの長手方向長さは、第1支持片31及び第2支持片32の長手方向長さと略同一となるように(シート状基部2の長手方向長さと略同一となるように)構成することが好ましい。
【0020】
第2係着部4は、シート状基部2の長手方向に沿う他方の側縁部2bに沿ってその表面及び裏面にそれぞれ設けられる第3面ファスナー帯片53及び第4面ファスナー帯片54を備えている。また、第3面ファスナー帯片53及び第4面ファスナー帯片54のそれぞれの長手方向長さは、シート状基部2の長手方向長さと略同一となるように構成することが好ましい。この第2係着部4が設けられるシート状基部2の他方の側縁部2bは、液体飛散防止用カバー1によって高圧ホースZを巻回被覆する際に、第1係着部3における第1支持片31と第2支持片32との間に介在される(挟まれる)部位となる。
【0021】
ここで、本発明に係る液体飛散防止用カバー1は、第1面ファスナー帯片51及び第3面ファスナー帯片53とが重なりあって係着した状態で、かつ、第2面ファスナー帯片52及び第4面ファスナー帯片54とが重なりあって係着した状態で、高圧ホースZを囲繞して筒体を形成するものとなる。また、第1面ファスナー帯片51及び第3面ファスナー帯片53は、雌雄一対の面ファスナー帯片を構成する。つまり、第1面ファスナー帯片51を雄型として構成する場合には、第3面ファスナー帯片53を雌型として構成し、第1面ファスナー帯片51を雌型として構成する場合には、第3面ファスナー帯片53を雄型として構成する。同様に、第2面ファスナー帯片52及び第4面ファスナー帯片54は、雌雄一対の面ファスナー帯片を構成する。つまり、第2面ファスナー帯片52を雄型として構成する場合には、第4面ファスナー帯片54を雌型として構成し、第2面ファスナー帯片52を雌型として構成する場合には、第4面ファスナー帯片54を雄型として構成する。
【0022】
次に、上記液体飛散防止用カバー1の製造方法について説明する。まず、図5(a)の平面図に示すような長尺状のシート材10を準備する。このシート材10は、経糸と、縦糸の長手方向に対して略垂直な方向に沿って複数配置される横糸とを製織して形成される、平面視矩形状のシート材である。次いで、図5(b)の概略断面図に示すように、このシート材10をその長手方向に沿う側縁11,12同士を重ねるように折り畳み二重構造シート材13を形成する。その後、図5(c)に示すように、この二重構造シート材13に対して、重ね合わされた2つの側縁11,12から所定長さ内側の個所を、二重構造シート材13の長手方向に沿って縫製して縫製ライン14を形成して重ねられたシート材を縫い合わせる。この縫い合わせ工程によって、シート材の一方の側縁11を含む第1支持片31と、シート材の他方の側縁12を含む第2支持片32とが形成されることとなり、また、縫い合わせられたライン(縫製ライン14)を軸にして、第1支持片31及び第2支持片32が互いに開閉可能な構造となる。
【0023】
次に、二重構造シート材14の第1支持片31及び第2支持片32を除外した領域に対して、図5(d)において点線で示すように縦横の縫製を行い、二重に重ね合わされているシート材(上下のシート材)を縫い合わせて一体化する。ここで、二重構造シート材13の第1支持片31及び第2支持片32を除外した領域は、シート状基部2に対応する。
【0024】
その後、図5(e)に示すように、第1支持片31と第2支持片32のとの各対向面に、第1面ファスナー帯片51及び第2面ファスナー帯片52をそれぞれ縫製する。更に、第1支持片31及び第2支持片32とは反対側の二重構造シート材13の側縁部において、その表面及び裏面に第3面ファスナー帯片53及び第4面ファスナー帯片54を縫製することによって、図1~4に示す液体飛散防止用カバー1が完成する。
【0025】
ここで、第1面ファスナー帯片51、第2面ファスナー帯片52、第3面ファスナー帯片53、及び、第4面ファスナー帯片54は、平面視矩形状の細長い形態として構成され、これらの長手方向長さは、二重構造シート材13の長手方向長さと略同一となるように構成されている。なお第1面ファスナー帯片51、第2面ファスナー帯片52、第3面ファスナー帯片53、及び、第4面ファスナー帯片54を、第1支持片31、第2支持片32、二重構造シート材13の側縁部に固定する方法としては、縫製の代わりに、接着剤を用いて行ってもよい。
【0026】
本発明に係る液体飛散防止用カバー1は、上述のように、第1面ファスナー帯片51及び第3面ファスナー帯片53とが重なりあって係着した状態で、かつ、第2面ファスナー帯片52及び第4面ファスナー帯片54とが重なりあって係着した状態で、高圧ホースZを囲繞して固定されるため、従来の液体飛散防止用カバー1と比べて、2倍の強さで端部同士(側縁部同士)を接続固定することが可能となる。これにより、仮に、高圧の液体が高圧ホースZ外に飛散し、大きい力が液体飛散防止用カバー1に作用したとしても、液体飛散防止用カバー1の端部における雌雄の面ファスナー帯片同士の接続箇所が外れてしまい、当該液体飛散防止用カバー1が高圧ホースZから脱落するような事態が発生することを効果的に防止することが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る液体飛散防止用カバー1においては、第1面ファスナー帯片51と第3面ファスナー帯片53との係着部分、及び、第1支持片31の存在により、第2面ファスナー帯片52と第4面ファスナー帯片54との係着部分に対して、外部からの砂や埃、水、日光等が進入しにくい構成となっているため、第2面ファスナー帯片52と第4面ファスナー帯片54の劣化を効果的に抑制することが可能な構造となっており、シート状基部2の端部同士(側縁部同士)を接続固定する強度を長期間維持することができる。
【0028】
また、上述のような製造方法によって液体飛散防止用カバー1を製造する場合、該液体飛散防止用カバー1を極めて簡便に製造することができ、また、シート状基部2を二重構造として構成することができるため、液体飛散防止用カバー1の強度を向上させることが可能となる。
【0029】
以上、本発明に係る液体飛散防止用カバー1について説明したが、具体的構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、図6の断面図(図1のA-A断面に対応する断面図)に示すような構成として液体飛散防止用カバー1を構成してもよい。この図6に示す液体飛散防止用カバー1は、第2係着部4の構造が、上述の第1係着部3の構造と同様な構造を備えるように構成されている。具体的に説明すると、第2係着部4は、シート状基部2の外側に延在する第3支持片41及び第4支持片42を備えており、これら第3支持片41及び第4支持片42は、それぞれ長尺なシート状に構成されている。また、第3支持片41及び第4支持片42における長手方向に沿う一方の側縁部は、シート状基部2における他方の側縁部2bに接続しており、これら第3支持片41及び第4支持片42は互いに対向するように配置されており、かつ、シート状基部2との接続部分を軸として互いに開閉可能に構成されている。また、第3支持片41及び第4支持片42の長手方向長さは、適宜設定することができるが、例えば、シート状基部2の長手方向長さと同一となるように構成されることが好ましい。
【0030】
この図6に示す液体飛散防止用カバー1は、図7の使用状態を示す要部概略構成断面図に示すように、第1支持片31と第2支持片32との間に第4支持片42を介在させた状態で、かつ、第3支持片41と第4支持片42との間に第1支持片31を介在させた状態で、高圧ホースZを囲繞して筒体を形成可能に構成されている。
【0031】
また、第1支持片31と第2支持片32との間に第4支持片42を介在させた状態で、かつ、第3支持片41と第4支持片42との間に第1支持片31を介在させた状態で、第1支持片31と第4支持片42との各対向面、第2支持片32と第4支持片42との各対向面、及び、第1支持片31と第3支持片41との各対向面には、互いに係着可能な雌雄一対の面ファスナー帯片がそれぞれ設けられている。より具体的には、第1支持片31及び第2支持片32の互いに対向する表面には、それぞれ第1面ファスナー帯片51及び第2面ファスナー帯片52が設けられており、第1支持片31において第1面ファスナー帯片51が設けられていない側の面に第5面ファスナー帯片55が設けられている。また、第3支持片41及び第4支持片42の互いに対向する表面には、それぞれ第3面ファスナー帯片53及び第4面ファスナー帯片54が設けられており、第4支持片42において第4面ファスナー帯片54が設けられていない側の面に第6面ファスナー帯片56が設けられている。第1面ファスナー帯片51と第4面ファスナー帯片54とが雌雄一対の面ファスナー帯片を構成し、第2面ファスナー帯片52と第6面ファスナー帯片56とが雌雄一対の面ファスナー帯片を構成し、第3面ファスナー帯片53と第5面ファスナー帯片55とが雌雄一対の面ファスナー帯片を構成している。
【0032】
ここで、各雌雄一対の面ファスナー帯片の長手方向長さは、第1支持片31、第2支持片32、第3支持片41、及び第4支持片42の長手方向長さ(シート状基部2の長手方向長さ)と略同一となるように構成されることが好ましい。また、図6に係る液体飛散防止用カバー1は、雌雄一対の面ファスナー帯片をそれぞれ構成する第1面ファスナー帯片51と第4面ファスナー帯片54との組み合わせ、第2面ファスナー帯片52と第6面ファスナー帯片56との組み合わせ、第3面ファスナー帯片53と第5面ファスナー帯片55との組み合わせにおいて、第1面ファスナー帯片51及び第4面ファスナー帯片54とが重なりあって係着した状態で、かつ、第2面ファスナー帯片52及び第6面ファスナー帯片56とが重なりあって係着した状態で、更に、第3面ファスナー帯片53及び第5面ファスナー帯片55とが重なりあって係着した状態で、高圧ホースZを囲繞して筒体を形成するものであることから、第1面ファスナー帯片51を雄型として構成する場合には、第4面ファスナー帯片54を雌型として構成し、第1面ファスナー帯片51を雌型として構成する場合には、第4面ファスナー帯片54を雄型として構成する。同様に、第2面ファスナー帯片52を雄型として構成する場合には、第6面ファスナー帯片56を雌型として構成し、第1面ファスナー帯片51を雌型として構成する場合には、第6面ファスナー帯片56を雄型として構成し、第3面ファスナー帯片53を雄型として構成する場合には、第5面ファスナー帯片55を雌型として構成し、第3面ファスナー帯片53を雌型として構成する場合には、第5面ファスナー帯片55を雄型として構成する。
【0033】
上述の図6に係る液体飛散防止用カバー1によれば、第1面ファスナー帯片51及び第4面ファスナー帯片54とが重なりあって係着した状態で、かつ、第2面ファスナー帯片52及び第6面ファスナー帯片56とが重なりあって係着した状態で、更に、第3面ファスナー帯片53及び第5面ファスナー帯片55とが重なりあって係着した状態で高圧ホースZを囲繞して固定することができるため、従来の液体飛散防止用カバー1と比べて、3倍の強さで液体飛散防止用カバー1の端部同士(側縁部同士)を接続固定することが可能となる。これにより、仮に、高圧の液体が高圧ホースZ外に飛散し、大きい力が液体飛散防止用カバー1に作用したとしても、液体飛散防止用カバー1における雌雄の面ファスナー帯片同士の接続箇所が外れてしまい、液体飛散防止用カバー1が高圧ホースZから脱落するような事態が発生することをより一層効果的に防止することが可能となる。
【0034】
また、図6に係る液体飛散防止用カバー1においては、第3面ファスナー帯片53と第5面ファスナー帯片55との係着部分、及び、第2支持片32の存在により、第1面ファスナー帯片51と第4面ファスナー帯片54との係着部分、及び、第2面ファスナー帯片52と第6面ファスナー帯片56との係着部分に対して、外部からの砂や埃、水、日光等が進入しにくい構成となっているため、第1面ファスナー帯片51、第2面ファスナー帯片52、第4面ファスナー帯片54及び第6面ファスナー帯片56の劣化を効果的に抑制することが可能な構造となっており、シート状基部2の端部同士(側縁部同士)を接続固定する強度を長期間維持することができる。
【0035】
ここで、図6に示す液体飛散防止用カバー1の製造方法について、以下説明する。まず、図8(a)の平面図に示すような長尺状のシート材10を準備する。このシート材10は、経糸と、縦糸の長手方向に対して略垂直な方向に沿って複数配置される横糸とを製織して形成される、平面視矩形状のシート材である。次いで、図8(b)の断面図に示すように、このシート材10をその長手方向に沿う側縁11,12同士を重ねるように折り畳んで二重構造シート材13を形成する。その後、図8(c)の断面図に示すように、この二重構造シート材13に対して、重ね合わされた2つの側縁11,12から所定長さ内側の個所を、二重構造シート材13の長手方向に沿って縫製して第1縫製ライン14を形成して、重ねられたシート材を縫い合わせる。この縫い合わせ工程によって、シート材10の一方の側縁11を含む第1支持片31と、シート材10の他方の側縁12を含む第2支持片32とが形成されることとなり、また、縫い合わせられたライン(第1縫製ライン14)を軸にして、第1支持片31及び第2支持片32が互いに開閉可能な構造となる。
【0036】
次に、図8(d)の断面図に示すように、第1支持片31及び第2支持片32とは反対側の二重構造シート材13の側縁部(折り返し部15)から所定長さ内側の個所を、二重構造シート材13の長手方向に沿って縫製して第2縫製ライン16を形成して、重ねられたシート材を縫い合わせる。その後、図8(e)の断面図に示すように、二重構造シート材13の折り返し部16を、二重楮シート材13の長手方向に沿って切断する。この切断工程によって、第3支持片41と第4支持片42とが形成されることとなり、また、縫い合わせられたライン(第2縫製ライン16)を軸にして、第3支持片41及び第4支持片42が互いに開閉可能な構造となる。
【0037】
次に、二重構造シート材13において、第1縫製ライン14及び第2縫製ライン16で挟まれる領域に対して、図8(f)において点線で示すように縦横の縫製を行い、二重に重ね合わされているシート材(上下のシート材)を縫い合わせて一体化する。ここで、第1縫製ライン14及び第2縫製ライン16で挟まれる領域は、シート状基部2に対応する。なお、この第1縫製ライン14及び第2縫製ライン16で挟まれる領域に対して行う縫製工程は、上記切断工程の前段階で行ってもよい。
【0038】
その後、図8(g)に示すように、第1支持片31と第2支持片32との各対向面に、第1面ファスナー帯片51及び第2面ファスナー帯片52をそれぞれ縫製すると共に、第1支持片31において第1面ファスナー帯片51が設けられていない側の面に第5面ファスナー帯片55を縫製する。また、第3支持片41と第4支持片42との各対向面に、第3面ファスナー帯片53及び第4面ファスナー帯片54をそれぞれ縫製すると共に、第4支持片42において第4面ファスナー帯片54が設けられていない側の面に第6面ファスナー帯片56を縫製することによって、図6に示す液体飛散防止用カバー1が完成する。
【0039】
ここで、第1面ファスナー帯片51、第2面ファスナー帯片52、第3面ファスナー帯片53、第4面ファスナー帯片54、第5面ファスナー帯片55及び第6面ファスナー帯片56は、平面視矩形状の細長い形態として構成され、これらの長手方向長さは、二重構造シート材13の長手方向長さと略同一となるように構成されている。なお各面ファスナー帯片を、第1支持片31、第2支持片32等に固定する方法としては、縫製の代わりに、接着剤を用いて行ってもよい。
【0040】
また、上記実施形態においては、単一の高圧ホースZに巻回される液体飛散防止用カバー1について説明したが、このような構成に限定されず、例えば、複数の高圧ホースZを一纏まりに被覆できるように液体飛散防止用カバー1を構成してもよい。
【0041】
また、液体飛散防止用カバー1の製造方法は、上述した方法に特に限定されず、シート状基部2に対応するシート材10の一方の側縁11に、第1支持片31及び第2支持片32に対応するシート材を縫製等によって固定し、第1支持片31及び第2支持片32の対向面のそれぞれに第1面ファスナー帯片51及び第2面ファスナー帯片52を縫製によって縫い合わせると共に、シート状基部2に対応するシート材10の他方12の側縁部の表裏面のそれぞれに第3面ファスナー帯片53及び第4面ファスナー帯片54を縫製によって縫い合わせるという方法によって製造してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 液体飛散防止用カバー
2 シート状基部
25 シート状基部における一方の側縁部
26 シート状基部における他方の側縁部
3 第1係着部
31 第1支持片
32 第2支持片
4 第2係着部
41 第3支持片
42 第4支持片
51 第1面ファスナー帯片
52 第2面ファスナー帯片
53 第3面ファスナー帯片
54 第4面ファスナー帯片
55 第5面ファスナー帯片
56 第6面ファスナー帯片
Z 高圧ホース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8