IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新電元メカトロニクス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-比例ソレノイド 図1
  • 特許-比例ソレノイド 図2
  • 特許-比例ソレノイド 図3
  • 特許-比例ソレノイド 図4
  • 特許-比例ソレノイド 図5
  • 特許-比例ソレノイド 図6
  • 特許-比例ソレノイド 図7
  • 特許-比例ソレノイド 図8
  • 特許-比例ソレノイド 図9
  • 特許-比例ソレノイド 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】比例ソレノイド
(51)【国際特許分類】
   H01F 7/16 20060101AFI20220217BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
H01F7/16 C
H01F7/16 D
H01F7/16 E
F16K31/06 305J
F16K31/06 305E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017120470
(22)【出願日】2017-06-20
(65)【公開番号】P2019009150
(43)【公開日】2019-01-17
【審査請求日】2020-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】302038741
【氏名又は名称】新電元メカトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111899
【弁理士】
【氏名又は名称】永山 陽二
(72)【発明者】
【氏名】岩泉 裕司
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05407174(US,A)
【文献】特開昭59-177904(JP,A)
【文献】実開昭50-113849(JP,U)
【文献】特開2009-197953(JP,A)
【文献】特開2002-250461(JP,A)
【文献】特開2012-002252(JP,A)
【文献】特開2013-170600(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0348691(US,A1)
【文献】特開2016-021395(JP,A)
【文献】特開平07-260034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/16
F16K 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性材料からなると共に、先端側の端部近傍に他の部分よりも肉薄に形成された嵌合部を備えたケースと、
該ケースの内部に設けられたコイルと、
該コイルの内部に設けられると共に、先端側端面に凹陥部が形成され、中心軸に沿って貫通孔が形成され、かつ、該貫通孔の基端側の径が相対的に大きい径大部としてなされ、該貫通孔の先端側の径が相対的に小さい径小部としてなされ、該径大部と該径小部との境界となる段差部が前記中心軸に対して直交する平坦面になされ、該径小部が該凹陥部に開口している固定磁極と、
磁性材料からなり、前記ケースの内部に設けられると共に、前記固定磁極の前記貫通孔の基端側の内部に嵌合される突出部を備え、該突出部が前記スプリングを所定長さになるように押し縮めるようになされた構造部材と、
基端側部分が前記固定磁極の前記貫通孔の前記径大部の内部に摺動可能に設けられ、先端側部分が前記固定磁極の前記貫通孔の前記径小部の内部に摺動可能に設けられ、該基端側部分と該先端側部分との間に位置するように設けられた受け座部が前記固定磁極の前記貫通孔の前記段差部に当接することによって該基端側部分及び該先端側部分の先端側への摺動を規制するように設けられたスプリング受けと、
前記固定磁極の前記貫通孔の前記径大部の内部に設けられると共に、前記構造部材の前記突出部と前記スプリング受けの基端側とに接するように、かつ、弾発力によって前記スプリング受けを先端側に付勢するように設けられたスプリングと、
スプールと一体的に構成され、前記固定磁極の前記中心軸に沿って延在するように形成されると共に、基端側端部から前記固定磁極の前記凹陥部に向かって突出し、かつ、前記コイルへの通電によって前記固定磁極に吸引されたときに前記固定磁極の前記貫通孔の前記径小部に進入して前記スプリング受けの前記先端側部分を基端側に押し込むように設けられた補助磁極部を備えた可動磁極と、
前記ケースの前記嵌合部に嵌合されるフランジ部と、該フランジ部の基端側に前記中心軸に沿って延びると共に貫通孔が形成された内側突出部を備えた案内部材と、
前記固定磁極の前記径小部と前記案内部材の前記内側突出部とが挿入されて、前記固定磁極の前記径小部と前記案内部材の前記内側突出部とを接続するように設けられたフィラーリングを有し、
前記固定磁極の前記径小部及び前記案内部材の前記内側突出部と、前記フィラーリングとは、接着剤によって互いに接続されて、前記コイル側に作動油が漏出することを防止するようになされていることを特徴とする比例ソレノイド。
【請求項2】
さらに、前記固定磁極と前記構造部材との間に介在するように設けられたOリングとを有することを特徴とする請求項1に記載の比例ソレノイド。
【請求項3】
前記可動磁極は、前記基端側端部に孔が形成されると共に、前記補助磁極部が前記固定磁極の前記凹陥部に向かって突出する突出部分と、該孔に嵌合される圧入部分を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の比例ソレノイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比例ソレノイドに関し、特に、可動磁極を低速で摺動させることが可能な構成を有する比例ソレノイドに関する。
【背景技術】
【0002】
比例ソレノイドは、可動磁極の位置を任意に制御することができるソレノイドであり、可動磁極の位置はコイルに流れる電流の大きさによって制御される。すなわち、コイルで生成される磁界によって生じる可動磁極の推力と、固定磁極に吸引されている可動磁極を押し戻すように設けられたスプリングの弾発力との釣り合いが取れるところで可動磁極が停止するので、コイルに流れる電流の大きさを適宜変えることによって可動磁極の停止位置を変えることができる。
【0003】
ただし、可動磁極と固定磁極とが非常に近い位置にあるときと、最も離隔した位置又はその近傍にあるときには、安定的に制御することが難しくなる。特に、可動磁極と固定磁極とが最も離隔した位置又はその近傍にあるときには、可動磁極の推力、つまり可動磁極と固定磁極との間に働く吸引力が非常に小さい状態にあるので、スプリングの弾発力や、比例ソレノイドを装着した装置から加わる負荷などによって、摺動速度が想定を超えた低速になる、場合によっては、意図せずに停止してしまうことがある。そこで、可動磁極と固定磁極とが最も離隔した位置又はその近傍にあるときに、十分な推力を確保することが比例ソレノイドにおける主要な発明課題となっている。
【0004】
図10は、従来技術に係る比例ソレノイドを示す断面図である。図10において、100はスプール弁、101はバルブ部、102はリニアソレノイド、103はスリーブ、104はオイルポート、105はスプール、106はリターンスプリング、107はシャフト、108は磁気固定子、109は底部、110はプランジャ、111はアシストスプリング、112はコイルボビン、113はコイルである。
【0005】
図10は、特開2009-115291号公報に開示されたひれい可動磁極を低速で直動運動させる構成を示すものである。図10に示すように、スプール弁100は、バルブ部101とリニアソレノイド102を備えている。バルブ部101のスリーブ103の内部にはスプール105が設けられている。スプール105は、オイルポート104の開口面積を可変すると共に、オイルポート104の互いの連通状態を切り替えるものである。スプール105のリニアソレノイド102側の端部には、リニアソレノイド102の内部にまで延びるシャフト107が当接している。 リターンスプリング106は、スプール105をリニアソレノイド102側に付勢するスプリングであり、スリーブ103の内部に圧縮された状態で配置されている。リニアソレノイド102は、ケースと磁極を兼ねる磁気固定子108の内部に、コイルボビン112に巻回されたコイル113、プランジャ110、アシストスプリング111を備えている。プランジャ110は、コイル113に通電することによって磁気固定子108に吸引され、シャフト107をバルブ部101側に押し出す。また、プランジャ110は、スプール105側のリターンスプリング106の付勢力によってスプール105と共に、磁気固定子108の底部109側に付勢されている。また、アシストスプリング111は、プランジャ110と磁気固定子108が離隔して吸引力が低下しているときに、吸引力を補う特性を有するスプリングである。
【0006】
以上の構成において、コイル113に通電すると、コイル113の励磁によってプランジャ110が磁気固定子108に吸引されて、プランジャ110がバルブ部101側に摺動する。このとき、アシストスプリング111が励磁による吸引力を補うので、プランジャ110(可動磁極)の摺動速度が想定を超えた低速になる、場合によっては、意図せずに停止することが防止できる。
【0007】
しかしながら、上述の構成は、コイルに通電したときに、可動磁極がスプールを牽引するタイプのスプール弁には適用できない。すなわち、コイルに通電したときに、可動磁極に対して一体的に設けられたスプールがソレノイド側に摺動するタイプの場合には、この構成をそのまま適用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2009-115291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するために、コイルに通電したときに、可動磁極がスプールを牽引するタイプの比例ソレノイドにおいて、可動磁極と固定磁極とが最も離隔した位置又はその近傍にあるときに、摺動速度が想定を超えた低速になる、あるいは、意図せずに停止を提供することを防止可能な構成を有する比例ソレノイドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、磁性材料からなるケースと、該ケースの内部に設けられたコイルと、該コイルの内部に設けられると共に、先端側端面に凹陥部が形成され、中心軸に沿って貫通孔が形成され、かつ、該貫通孔の基端側の径が相対的に大きい径大部としてなされ、該貫通孔の先端側の径が相対的に小さい径小部としてなされ、該径大部と該径小部との境界となる段差部が前記中心軸に対して直交する平坦面になされ、該径小部が該凹陥部に開口している固定磁極と、基端側部分が前記固定磁極の前記貫通孔の前記径大部の内部に摺動可能に設けられ、先端側部分が前記固定磁極の前記貫通孔の前記径小部の内部に摺動可能に設けられ、該基端側部分と該先端側部分との間に位置するように設けられた受け座部が前記固定磁極の前記貫通孔の前記段差部に当接することによって該基端側部分及び該先端側部分の先端側への摺動を規制するように設けられたスプリング受けと、前記固定磁極の前記貫通孔の前記径大部の内部に設けられると共に、前記スプリング受けの基端側に接するように、かつ、弾発力によって前記スプリング受けを先端側に付勢するように設けられたスプリングと、前記固定磁極の前記中心軸に沿って延在するように形成されると共に、基端側端部から前記固定磁極の前記凹陥部に向かって突出し、かつ、前記コイルへの通電によって前記固定磁極に吸引されたときに前記固定磁極の前記貫通孔の前記径小部に進入して前記スプリング受けの前記先端側部分を基端側に押し込むように設けられた補助磁極部を備えた可動磁極とを有することを特徴とする比例ソレノイドである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、さらに、前記ケースの内部に設けられると共に、前記固定磁極の前記貫通孔の基端側の内部に嵌合される突出部を備え、該突出部が前記スプリングを所定長さになるように押し縮めるようになされた構造部材と、前記固定磁極と前記構造部材との間に介在するように設けられたOリングとを有することを特徴とする比例ソレノイドである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記可動磁極は、前記基端側端部に孔が形成される共に、前記補助磁極部が前記固定磁極の前記凹陥部に向かって突出する突出部分と、該孔に嵌合される圧入部分を備えていることを特徴とする比例ソレノイドである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、可動磁極に対して基端側端部から突出する補助磁極部を設け、この補助磁極部が固定磁極の貫通孔の径小部に進入して、スプリング受けを押し込むようにしたので、可動磁極と固定磁極とが最も離隔した位置又はその近傍にあるときには、補助磁極部から固定磁極の凹陥部に向かって磁束が流れるようになる。すなわち、補助磁極部が可動磁極の基端側端部よりも突出しているので、可動磁極と固定磁極とが最も離隔した位置又はその近傍にあるときでも、可動磁極と固定磁極との間を流れる磁束量を十分に確保することができ、摺動速度が想定を超えた低速になる、あるいは、意図せずに停止することを防止できる。また、可動磁極と固定磁極とが非常に接近したときには、補助磁極部が固定磁極の貫通孔の内部に進入するので、補助磁極と固定磁極との間に流れる磁束を提供において、推力に寄与しない摺動方向に直交する方向の成分が大幅に増大するようになる。すなわち、補助磁極を設けたことによる副次的な効果も併せて得ることが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、スプリングに当接するように設けられた構造部材の突出部が固定磁極の貫通孔の基端側に嵌合され、さらに固定磁極と構造部材との間にOリングを設けているので、可動磁極側から浸入した作動油が比例ソレノイドの外部に浸出することが防止できると共に、ケースと構造部材とが別体であるので、スプリングを固定磁極の貫通孔に押し込んだ状態で、比例ソレノイドを組み立てることが容易になる。くわえて、の突出部の長さを適宜変更することによって、スプリングの弾発力を簡単に調整することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、補助磁極部を可動磁極と別体にしているので、製品に求められる特性に応じて、多種多様な形状の補助磁極部を適宜選択して設けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイドの非通電状態を示す断面図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイドの通電状態を示す断面図である。
図3】本発明の第1の形態に係る比例ソレノイドの主要部品を示し、(a)はスプリング受けの正面図、(b)はスプール一体型可動磁極の正面図、(c)は固定磁極の断面図である。
図4】本発明の第1の形態に係る比例ソレノイドにおける動作を示す断面図(1)である。
図5】本発明の第1の形態に係る比例ソレノイドにおける動作を示す断面図(2)である。
図6】本発明の第1の形態に係る比例ソレノイドにおける動作を示す断面図(3)である。
図7】本発明の第2の実施の形態に係る比例ソレノイドの非通電状態を示す断面図である。
図8】本発明の第2の形態に係る比例ソレノイドにおける補助磁極及びその変形例を示す断面図である。
図9】本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイドの構成において補助磁極部の有無を比較する磁場解析結果を示すグラフである。
図10】従来技術に係る比例ソレノイドを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイドについて説明する。まず、本明細書において、「先端側」は「スプール一体型可動磁極30」を設けている側、つまり、図1乃至図8の下側と定義し、比例ソレノイドの「基端側」は「構造部材47」及び「エンドキャップ兼固定部材64」を設けている側、つまり、図1乃至図8の上側と定義する。特許請求の範囲においても、「先端側」は「可動磁極」を設けている側と定義し、「基端側」は「固定磁極」を設けている側と定義する。よって、本明細書と同様に、「先端側」は図1乃至図8の下側になり、「基端側」は図1乃至図8の上側になる。また、ここで述べた「下側」及び「上側」は、説明の便宜上、定義の対象となる「先端側」及び「基端側」に対して図面と関連付けるために用いたものであり、本発明を実施した比例ソレノイドの実際の装着方向を規定するものではない。さらに、本明細書において、「中心軸」は「固定磁極40」の中心軸と定義する。なお、この「中心軸」は、「スプール一体型可動磁極30」及び「スプリング受け20」の中心軸とも一致している。また、特許請求の範囲においても、「中心軸」は「固定磁極」の中心軸である。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイドの非通電状態を示す断面図である。図1において、10は比例ソレノイド、20はスプリング受け、21は受け座部、22は離脱防止部、24は突出部、30はスプール一体型可動磁極、31は補助磁極部、32は可動磁極部、40は固定磁極、43は凹陥部、47は構造部材、48は突出部、49は円板状部、50はスプリング、51はフィラーリング、52はケース、53は側壁部、54は嵌合部、55は案内部材、56はフランジ部、57は内側突出部、58は外側突出部、59は貫通孔、60はコイル、61はコイルボビン、62はリード線、63は樹脂ブッシュ、64はエンドキャップ兼固定部材、Oリング65である。また、本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイドの通電状態を示す断面図である。図2において用いた符号は、すべて図1と同じものを示す。
【0019】
まず、第1の実施の形態に係る比例ソレノイドの全体構成の概略について述べる。図1に示すように、比例ソレノイド10は、図示していないスプール弁を駆動させるためのものであり、油圧回路の一部としてスプール弁と一体的に設けられるものである。後述するように、比例ソレノイド10は、スプール一体型可動磁極30を介して図示していない別の比例ソレノイドに対向するように配置されており、単一のスプール一体型可動磁極30を共有している。さらに、スプール一体型可動磁極30は、その基端側端部から固定磁極40の凹陥部43に向かって突出するように補助磁極部31が設けられている。くわえて、固定磁極40の先端側端面に凹陥部が形成されており、ストローク長が長いソレノイドにおいてよく採用されているコニカル型(凹凸型)の構成を有している。
【0020】
また、図2に示すように、コイル60に通電すると、固定磁極40、構造部材47、エンドキャップ兼固定部材64、ケース52、案内部材55及びスプール一体型可動磁極30による磁気回路が生成され、スプール一体型可動磁極30が固定磁極40に吸引させる。スプール一体型可動磁極30が固定磁極40に所定距離まで接近すると、スプール一体型可動磁極30の基端側端部に設けた補助磁極部31がなお、比例ソレノイド10は、水圧など油圧回路以外の液圧回路に用いてもよい。また、比例ソレノイド10は、別の比例ソレノイドに対向させるのではなく、例えば図10の従来技術に示したように、別の比例ソレノイドを設けず、スプールを所定位置に復帰させるための他のスプリングに対向するように配置してもよい。
【0021】
さらに、比例ソレノイド10の細部の構成について説明する。図3は、本発明の第1の形態に係る比例ソレノイドの主要部品を示し、(a)はスプリング受けの正面図、(b)はスプール一体型可動磁極の正面図、(c)は固定磁極の断面図である。図3において、23はスプリング当接面、25は可動磁極当接面、33は補助磁極部、34は可動磁極部、35は径大部、36及び37は径小部、38はスプール部、41は径小部、42は径大部、44は径小貫通孔、45は径大貫通孔、46は段差面であり、その他の符号は図1と同じものを示す。
【0022】
比例ソレノイド10のスプール一体型可動磁極30は、図3(b)に示すように、可動磁極部32の基端側端部の中央から補助磁極部31が突出している。補助磁極部31は、中心軸に沿って円筒形状を呈するように突出し、さらに、図3(c)に示した固定磁極40の径小貫通孔44に進入可能とするために、径小貫通孔44よりも僅かに小さい径に形成されている。また、スプール一体型可動磁極30は、先端側端部に、図示していない別の比例ソレノイドの可動磁極部34及び補助磁極部33が可動磁極部32及び補助磁極部31に対して背向するように形成されている。したがって、比例ソレノイド10と別の比例ソレノイドとは、1つのスプール一体型可動磁極30を共有していると言える。また、補助磁極部31の基端側端面と補助磁極部33の先端側端面とは、中心軸に対して直交する面をなすように形成されている。
【0023】
くわえて、可動磁極部32との可動磁極部34との中間領域となるスプール部38には、図示していない作動油のポートを閉止する径大部35と、作動油のポート同士を連通させる径小部36及び37とを備えている。また、可動磁極部32、可動磁極部34及びスプール部38とは、単一の磁性母材を切削、研磨して形成されている。また、図1及び図2に示すように、補助磁極部31と可動磁極部32の基端側部分は、ケース52、案内部材55及びエンドキャップ兼固定部材64からなる筐体の内部に配置されているが、可動磁極部32の先端側部分から補助磁極部33までの部分は、筐体の外部に配置されている。なお、スプール部38は、図示していないスプール弁のスリーブ(管状部材)の内部に配置されている。
【0024】
さらに、図示していないが、コイル60への通電によってスプール一体型可動磁極30が所定位置まで到達したときに、スプール一体型可動磁極30の所定部位に当接して、スプール一体型可動磁極30を停止させるストッパが設けられている。ここで、所定位置とは、可動磁極部32の摺動可能な範囲において、可動磁極部32が固定磁極40に最も接近しているときの位置である。なお、以上に述べたスプール一体型可動磁極30は、あくまでも可動磁極の一例に過ぎず、他の構成であってもよい。例えば、可動磁極部32と可動磁極部34とが別々の磁性母材から、スプール部38が非磁性母材から形成され、可動磁極部32と可動磁極部34とをスプール部38に対して嵌合する構成、あるいは、可動磁極部32と可動磁極部34とをスプール部38に対してシャフトを介して接続する、つまり別体の可動磁極にしてもよい。くわえて、別の比例ソレノイドと可動磁極部34及び補助磁極部33とを設けず、可動磁極部34に対応する部位に別のスプリングに対するスプリング受けを設けてもよい。
【0025】
固定磁極40は、図1及び図2に示すように、ケース52、案内部材55及びエンドキャップ兼固定部材64からなる筐体の内部に配置されている。また、固定磁極40は、構造部材47を介してエンドキャップ兼固定部材64に保持されている。さらに、固定磁極40は、図3(c)に示すように、先端側端面に補助磁極部31と共にコニカル型の構成をなす凹陥部43が形成されている。なお、図2に示すように、前述したストッパによって、凹陥部43と可動磁極部32の基端側端面とが互いに接する前に可動磁極部32の摺動が規制される。また、固定磁極40は、図3(c)に示すように、中心軸に沿って延びるように径大貫通孔45と径小貫通孔44とが形成されている。径大貫通孔45は固定磁極40の基端側端部に開口し、固定磁極40の先端近くまで延びているので、固定磁極40は全体として基端側に開口した有底円筒形に近い形状を呈している。また、径大貫通孔45は、スプリング50及びスプリング受け20が収納されると共に、基端側の開口部から所定部位までの一部が構造部材47の突出部48の嵌合に供される。
【0026】
径小貫通孔44は、前述した有底円筒の底を貫通するように形成されており、凹陥部43の中央に開口している。また、径小貫通孔44は、コイル60に通電していないときには、スプリング受け20の突出部24が進入した状態になり、コイル60に通電したときには、スプール一体型可動磁極30の補助磁極部31が進入し、突出部24を基端側に押し込んで行く。よって、径小貫通孔44は、凹陥部43と共に、コイル60に通電したときに、磁束が通過する主要な経路となる。径大貫通孔45と径小貫通孔44との段差面46は、スプリング受け20の受け座部21に当接することによってスプリング受け20の摺動を規制する。また、固定磁極40の周側面は、基端側部分が先端側よりも僅かに径が大きい径大部42として形成され、先端側部分が径小部41に形成されている。径小部41は、図1及び図2に示すように、フィラーリング51に挿入される部分である。
【0027】
スプリング受け20は、スプリング50の先端側端部を受けるものであり、磁気回路を構成するものではないので、非磁性体から形成されている。また、図3(a)に示すように、スプリング受け20は、略円板状に形成されており、受け座部21の基端側から離脱防止部22が突出し、先端側から突出部24が中心軸に沿って延びるように形成されている。さらに、受け座部21の離脱防止部22の周辺面は、スプリング50の先端側端部が当接するスプリング当接面23となっている。離脱防止部22は、略円板状に形成されており、スプリング50の先端側に挿入され、スプリング50が伸縮する際にスプリング受け20から離脱するのを防止する。突出部24は、略円筒形状に形成されており、固定磁極40の径小貫通孔44を摺動する。突出部24の先端の可動磁極当接面25は、径小貫通孔44の内部に進入してきた補助磁極部31に当接する面である。なお、スプール一体型可動磁極30の摺動開始時の推力を大きくする必要がない場合には、突出部24の中心軸方向における長さを径小貫通孔44の同方向における長さよりも長くして、突出部24が径小貫通孔44の開口部から突出した川迫とすることも可能である。
【0028】
さらに、図1及び図2に戻って他の細部の構成について説明する。スプリング50は、径小貫通孔44の内部に進入してきた補助磁極部31に当接し、可動磁極部32に対して逆方向、つまり、先端方向の弾発力を生じる。この弾発力とスプール一体型可動磁極30の推力とが釣り合うと、スプール一体型可動磁極30が停止する。したがって、コイル60を流れる電流値を調整することによって、スプール一体型可動磁極30を任意の位置に呈させることが可能となり、この任意に制御可能な集合領域がコントロールストローク領域である。さらに、スプリング50は、コントロールストローク領域を得るためのものであるのと同時に、コイル60への通電を停止してときに、補助磁極部31を押し戻して、補助磁極部31をコイル60への通電前の位置又はその近傍に復帰させる機能も併せ持っている。また、スプリング50の弾発力は、構造部材47の突出部48の中心軸方向の長さによって任意に設定することが可能である。
【0029】
構造部材47は、磁性材から形成されており、コイル60に通電した際に磁気回路の一部となる。さらに、構造部材47は、スプール弁の油路から流入する作動油がコイル60の周辺や、比例ソレノイド10の外部へ流出することを防止する役割を果たす。構造部材47の突出部48は、固定磁極40の径大貫通孔45に嵌合される部分であり、略円筒状に形成されている。また、突出部48の外周面には、中心軸を周回する溝が形成され、この溝にOリング65が設けられている。また、前述したように、突出部48の長さによって、中心軸方向の長さによって任意に設定できる。構造部材47の円板状部49は、略円板状に形成されており、基端側部分がエンドキャップ兼固定部材64に保持されている。コイル60は、コイルボビン61にコイルワイヤを巻回することによって形成されている。また、このコイルワイヤの端部は、リード線62に接続されており、リード線62はエンドキャップ兼固定部材64に設けられた樹脂ブッシュ63を介して外部に導出されている。
【0030】
エンドキャップ兼固定部材64は、磁性材から形成されており、コイル60に通電した際に磁気回路の一部となり、さらに、ケース52及び案内部材55と共に比例ソレノイド10の筐体を構成する。ケース52は、磁性材から形成されており、先端側の端部近傍の嵌合部54が他の部分である側壁部53よりも肉薄に形成されている。嵌合部54には、案内部材55のフランジ部56が嵌合される。案内部材55は、フランジ部56の基端側に内側突出部57が中心軸に沿って延びており、先端側に外側突出部58が中心軸に沿って延びるように形成されている。内側突出部57と外側突出部58との内周面は、同じ径を持つ貫通孔59を形成している。内側突出部57は、固定磁極40の径小部41と共にフィラーリング51に挿入されており、互いに接着剤によって接続されている。フィラーリング51は、固定磁極40と案内部材55とを接続して、コイル60側に作動油が漏出することを防止する。
【0031】
続けて、比例ソレノイド10の動作について説明する。図4図6は、本発明の第1の形態に係る比例ソレノイドにおける動作を示す断面図(1)~(3)である。図4図6において用いた符号は、すべて図1と同じものを示す。なお、図4図6に記載した矢印付きの曲線は主な磁束の流れを示すものであるが、実際には、例えば可動磁極部32から凹陥部43の周囲にある環状部などにもある程度流れる。また、以下の説明においては、記述の都合上、スプール一体型可動磁極30の可動磁極部32を固定磁極40から最も離隔した位置から最も接近した位置まで連続的に摺動させることを前提に説明しているが、コイル60への電流値を調整することによってスプール一体型可動磁極30を任意の位置で停止させることが可能である。
【0032】
コイル60に通電する前においては、図4(a)に示すように、スプール一体型可動磁極30の可動磁極部32は、固定磁極40から最も離隔した位置にある。コイル60に通電すると、図4(b)に示すように、スプール一体型可動磁極30の補助磁極部31が可動磁極部32よりも固定磁極40に近い位置にあるので、磁束の大半が補助磁極部31の先端部付近と固定磁極40の凹陥部43との間を流れる。これに対して、可動磁極部32は、凹陥部43からかなり離隔しているので、磁束があまり流れない。すなわち、コイル60への通電開始から間もなく、可動磁極部32が凹陥部43からかなり離隔している状態においても、補助磁極部31を設けることによって、必要な推力(吸引力)が確保できるようになったと言える。言い換えると、補助磁極部31が存在しないと、磁束の流れが非常に小さくなり、スプール一体型可動磁極30を摺動させるのに十分な推力が得られないことになる。
【0033】
次に、図5(c)に示すように、スプール一体型可動磁極30が摺動して、補助磁極部31がスプリング受け20の突出部24に当接すると、補助磁極部31と固定磁極40とが非常に接近するので、これらの間を流れる磁束量がさらに増大し、スプール一体型可動磁極30の推力もさらに増大する。さらに、図5(d)に示すように、スプール一体型可動磁極30が摺動して突出部24を基端側に押し込んで行くと、補助磁極部31と固定磁極40との間を流れる磁束が中心軸方向又はこれに近い方向よりも中心軸に直交する方向又はこれに近い方向に対してより多く流れるようになる。これによって、補助磁極部31及び可動磁極部32の推力は、中心軸方向の成分よりも中心軸に直交する方向の成分の割合が大きくなる。すなわち、固定磁極40と補助磁極部31及び可動磁極部32とが相当に接近しても、いわゆるサイドフォースの割合が大きくなるので、補助磁極部31及び可動磁極部32の推力の急増を抑えることができる。
【0034】
さらに、スプール一体型可動磁極30が摺動すると、補助磁極部31及び可動磁極部32の推力がさらに増大するが、この推力とは逆方向に作用するスプリング50の弾発力によって、推力の一部が相殺されるようになる。さらに、スプール一体型可動磁極30摺動して図示していないストッパに当接すると摺動が規制されて、図6(e)に示すように、固定磁極40と補助磁極部31及び可動磁極部32とが最も接近した状態になる。コイル60への通電を停止すると、スプリング50との弾発力によって押し戻される。また、図示していない別の比例ソレノイドがスプール一体型可動磁極30を逆方向に吸引することで引き戻される場合もある。
【0035】
以上説明した比例ソレノイド10において、補助磁極部31が推力にどのような影響を与えるかについて述べる。図9は、本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイドの構成において補助磁極部の有無を比較する磁場解析結果を示すグラフである。図9は、コイルの電流値を0.3A、0.8A、1.15Aと変化させたときのストローク長0.0~6.0mmにおける推力を示すものである。太さの異なる3本の実線は、補助磁極部を備えた構成における各電流値での特性を示し、これらの近傍に描いた破線は、補助磁極部がない構成における各電流値での特性を示す。なお、補助磁極部以外の構成は、両者に共通している。
【0036】
図9から分かるように、コイルの電流値0.3A、0.8A、1.15Aのいずれにおいても、ストローク長6.0mm又はその近傍、つまり補助磁極部が固定磁極から最も遠い又はその近傍に位置している場合には、補助磁極部によって推力が増大していることが分かる。さらに、ストローク長0.0mm又はその近傍、つまり補助磁極部が固定磁極に最も近い又はその近傍に位置している場合には、補助磁極部によって推力が低減していることが分かる。なお、発明者は、上述の3つ以外の電流値においても解析したが、同様の結果が得られている。すなわち、コイルに通電したときに、可動磁極がスプールを引っ張るタイプの比例ソレノイドにおいて、可動磁極と固定磁極とが最も離隔した位置又はその近傍にあるときに、摺動速度が想定を超えた低速になる、あるいは、意図せずに停止を提供することを防止可能な構成を有する比例ソレノイドを提供するという本発明の課題を解決できていることが明確に分かる。さらに、可動磁極と固定磁極とが相当に接近した際に推力が急増し、過剰なほどの力になることを低減できるという副次的な効果を有することも分かる。
【0037】
以上のように、本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイド10は、スプール一体型可動磁極30の可動磁極部32と固定磁極40とが最も離隔した位置又はその近傍にあるときでも、補助磁極部31を設けたことによって、可動磁極部32と固定磁極40との間を流れる磁束量を十分に確保することができ、摺動速度が想定を超えた低速になる、あるいは、意図せずに停止することを防止できる。また、可動磁極部32と固定磁極40とが非常に接近したときには、補助磁極部31が固定磁極40の径小貫通孔44の内部に進入するので、補助磁極部31と固定磁極40との間に流れる磁束において、推力に寄与しない摺動方向に直交する方向の成分が大幅に増大するようになる。すなわち、補助磁極部31を設けたことによる副次的な効果も併せて得ることが可能となる。なお、以上の構成は、比例ソレノイドとして様々な用途に適用できるが、特に油圧バルブのスプールを作動させる直動型の比例ソレノイドに対して好ましく適用できる。
【0038】
また、スプリング50に当接するように設けられた構造部材47の突出部48が固定磁極40の径大貫通孔45の基端側に嵌合され、さらに固定磁極40と構造部材47との間にOリング65を設けているので、可動磁極部32側から浸入した作動油が比例ソレノイド10の外部に浸出することが防止できると共に、ケース52と構造部材47とが別体であるので、スプリング50を固定磁極40の径大貫通孔45に押し込んだ状態で、比例ソレノイド10を組み立てることが容易になる。くわえて、構造部材47の突出部48の長さを適宜変更することによって、スプリング50の弾発力を簡単に調整することができる。また、図10に示した従来技術のように、スプール一体型可動磁極30の摺動中に2つのスプリングを使う必要がないので、動作精度が高い比例ソレノイドを提供することができる。すなわち、スプリングは製品特性がばらつきやすいので、この従来技術のように複数のスプリングを同時に使用すると、比例ソレノイドの特性もばらつきやすくなる。比例ソレノイド10は、複数のスプリングを同時に使用しないので、このような副次的な課題を生じない。
【0039】
さらに、本発明の第2の実施の形態に係る比例ソレノイドについて説明する。図7は、本発明の第2の実施の形態に係る比例ソレノイドの非通電状態を示す断面図である。図7において、11は比例ソレノイド、70はスプール一体型可動磁極、71は可動磁極部、80は補助磁極部、81は突出部分、82は圧入部分であり、その他の符号は図1と同じものを示す。また、図8は、本発明の第2の形態に係る比例ソレノイドにおける補助磁極及びその変形例を示す断面図である。図8において、72は孔、83は補助磁極部、84は突出部分、85は圧入部分、86は補助磁極部、87は突出部分、88は圧入部分、89は補助磁極部、90は突出部分、91は圧入部分、92は補助磁極部、93は突出部分、94は圧入部分であり、その他の符号は図7と同じものを示す。
【0040】
この第2の実施の形態に係る比例ソレノイド11は、図7に示すように、スプール一体型可動磁極70において、可動磁極部71と補助磁極部80を異なる母材からなるものとしている。すなわち、図8に示すように、可動磁極部71の基端側端面を円筒状に掘り下げて孔72を形成している。さらに、スプール一体型可動磁極70とは、別の磁性材からなる基体から補助磁極部80を形成している。補助磁極部80は、円筒状に形成された突出部分81と、突出部分81よりも径が小さい圧入部分82からなる。なお、これらは同じ径であってもよい。突出部分81は、第1の実施の形態に係る比例ソレノイド10の補助磁極部31と同じ形状で、かつ、同じ大きさに形成されている。圧入部分82は、比例ソレノイド11の組立前に、可動磁極部71の孔72にあらかじめ圧入される。また、突出部分81は、図7に示すように、圧入部分82が孔72に嵌合された状態において、中心軸方向に沿って基端側に延びているので、コイル60に通電しているときには、図4図6に示した補助磁極部31と同様に作用する。
【0041】
さらに、補助磁極部80の変形例として、補助磁極部83、86、89及び92のような補助磁極部を設けることも可能である。補助磁極部83、86、89及び92は、それぞれ、中心軸方向に沿って基端側に延びている突出部分84、87、90及び93が形成されているが、突出部分81とは形状及び大きさが異なっている。したがって、補助磁極部83、86、89及び92は、補助磁極部80とは推力の特性が異なるものとなる。なお、圧入部分85、88、91及び94は、圧入部分82と同じ形状で、かつ、同じ大きさに形成されており、孔72に圧入するのに適した大きさである。
【0042】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る比例ソレノイド11によれば、第1の実施の形態に係る比例ソレノイド10と全く同様の効果を得ることができる。さらに、比例ソレノイド11では、補助磁極部80、83、86、89及び92をスプール一体型可動磁極70の可動磁極部71と別体にしているので、製品に求められる特性に応じて、多種多様な形状の補助磁極を適宜選択して設けることが可能となる。
【0043】
本発明は以上に説明した内容に限定されるものではなく、例えば、本発明の第1の実施の形態に係る比例ソレノイド10において、径大貫通孔45の内部にスプリング50と別のスプリングとを同時に収納した構成とし、比例ソレノイドとしての特性をさらに異なるものとするなど、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限りにおいて種々の比例ソレノイドに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 比例ソレノイド
11 比例ソレノイド
20 スプリング受け
21 受け座部
22 離脱防止部
23 スプリング当接面
24 突出部
25 可動磁極当接面
30 スプール一体型可動磁極
31 補助磁極部
32 可動磁極部
33 補助磁極部
34 可動磁極部
35 径大部
36 径小部
37 径小部
38 スプール部
40 固定磁極
41 径小部
42 径大部
43 凹陥部
44 径小貫通孔
45 径大貫通孔
46 段差面
47 構造部材
48 突出部
49 円板状部
50 スプリング
51 フィラーリング
52 ケース
53 側壁部
54 嵌合部
55 案内部材
56 フランジ部
57 内側突出部
58 外側突出部
59 貫通孔
60 コイル
61 コイルボビン
62 リード線
63 樹脂ブッシュ
64 エンドキャップ兼固定部材
65 Oリング
70 スプール一体型可動磁極
71 可動磁極部
72 孔
80 補助磁極部
81 突出部分
82 圧入部分
83 補助磁極部
84 突出部分
85 圧入部分
86 補助磁極部
87 突出部分
88 圧入部分
89 補助磁極部
90 突出部分
91 圧入部分
92 補助磁極部
93 突出部
94 圧入部
100 スプール弁
101 バルブ部
102 リニアソレノイド
103 リターンスプリング
104 オイルポート
105 シャフト
106 磁気固定子
107 ヨーク底部
108 プランジャ
109 アシストスプリング
110 コイルボビン
111 コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10