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特許7025746薬液供給装置及び薬液供給装置の製造方法
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  • 特許-薬液供給装置及び薬液供給装置の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】薬液供給装置及び薬液供給装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/142 20060101AFI20220217BHJP
   A61M 5/152 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
A61M5/142 520
A61M5/152
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2017189389
(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公開番号】P2019063057
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】591129025
【氏名又は名称】株式会社塚田メディカル・リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】塚田 修
(72)【発明者】
【氏名】芳田 淳平
(72)【発明者】
【氏名】仲佐 昭彦
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-509004(JP,A)
【文献】特許第4486604(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/142
A61M 5/152
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のシートと、
第2のシートと、
前記第1のシートと前記第2のシートとが重ねられて互いに結合した結合部と、
前記第1のシートと前記第2のシートとが互いに結合していない非結合部と、
薬液の流量を制御する流量制御部と、を有し、
前記非結合部は、薬液が通過する薬液流路と、前記流量制御部と接続する接続部と、前記薬液を貯留するリザーバと、を構成し、
前記薬液流路は、薬液持続注入流路と、薬液断続注入流路と、を有し、
前記流量制御部は、前記薬液持続注入流路上の前記接続部に接続される第1流量制御部と、前記薬液断続注入流路上の前記接続部に接続される第2流量制御部と、を有し、
前記リザーバは、前記薬液断続注入流路上であって、前記第2流量制御部の下流に配置される、
液体供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載された液体供給装置において、
前記接続部は、前記流量制御部の流入口と接続する流入接続部と、前記流量制御部の流出口と接続する流出接続部と、を有する、液体供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された液体供給装置において、
前記液体供給装置は、さらに、前記リザーバの下流に配置され、前記リザーバへの薬液の逆流を阻止する逆止弁を有する、液体供給装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載された液体供給装置において、
前記第1のシートは、前記第2のシートよりも薄い、液体供給装置。
【請求項5】
液体供給装置の製造方法であって、
第1のシートと第2のシートとを重ねあわせる工程と、
前記第1のシートと前記第2のシートとを部分的に結合して、結合部と非結合部とを形成する工程と、を有し、
前記非結合部は、薬液が通過する薬液流路と、流量制御部と接続する接続部と、前記薬液を貯留するリザーバと、を含み、
前記薬液流路は、薬液持続注入流路と、薬液断続注入流路と、を有し、
前記流量制御部は、前記薬液持続注入流路上の前記接続部に接続される第1流量制御部と、前記薬液断続注入流路上の前記接続部に接続される第2流量制御部と、を有し、
前記製造方法は、さらに、前記リザーバを、前記薬液断続注入流路上であって、前記第2流量制御部の下流に配置することを含む、液体供給装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬液供給装置及び薬液供給装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の疼痛を鎮痛・緩和するために、定期的に鎮痛剤等の薬液を患者に投与していた。そのために患者は定期的に通院をするか、または長期間入院をしなければならない。鎮痛剤等の薬液を患者に定期的に注射することは、患者にとっても施術者にとっても負担が大きい。そこで、入院患者に対して、定期的に自動的に薬液を注射する自動注射装置も開発されてきたが、装置が大型で高価であること、患者の行動を相当に拘束することなどの問題があった。
【0003】
従来から、患者の行動を拘束せず、入院・通院・在宅患者のいずれに対しても適用できる簡便な自動注射装置が長く要請されてきた。そこで、本出願人はこの要請に応えるために、断続的に薬液を患者に投与することができる携帯鎮痛装置を提案した(特許文献1参照)。
【0004】
この携帯鎮痛装置においては、予め所定の容量および持続時間の薬液持続注入器を準備し、患者の症状に応じて所定の薬液を所定量注入器に注入する。その後、開閉弁を開いて所定の長時間にわたってリザーバ内に薬液を移し替える。この移し替えの時間、患者は装置を身体に装着したまま自由に行動できる。注入器からリザーバへの薬液の移替え時間は、薬液の効果が持続する時間とほぼ一致する。患者が疼痛を感じたとき、リザーバを患者自身が圧縮してリザーバ内の薬液を圧力一方弁を介して身体内に注入する。次の疼痛に備えて、患者は病院又は自宅にて有資格者によって注入器に薬液の補給を受けることができる。
【0005】
この装置は、患者の病状によっては非常に効果を発揮する。しかし、病状の悪化具合、患部の種類等によっては、定期的な長時間の薬液持続注入と並行して、不規則な疼痛時に所定量の薬液を体内に注入することが必要な場合もある。このような場合には、上述の携帯鎮痛装置と併用して、薬液持続注入器が使用される。このような薬液持続注入器としては、本出願人が開発した薬液持続注入器(特許文献2参照)が知られている。この注入器は、バルーンの収縮力を利用して薬液を持続的に投与することができる。
【0006】
しかし、携帯鎮痛装置と薬液持続注入器とを併用する場合には、2つの薬液注入器を患者の身体に取り付けることになる。これは施術者にとっては繁雑であり、また、患者にとっては煩わしい。そこで、本出願人は、薬液を長時間持続して患者の体内に注入するとともに、患者の判断で必要に応じて所定量の薬液を体内に不規則に注入することができる携帯鎮痛装置を開発した(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第95/27521号
【文献】特公昭61-5101号
【文献】特許第4486604号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上で説明した従来の携帯鎮痛装置等の薬液供給装置において、小型化、部材数の低減、設計自由度の向上、製造工数の低減等が要求されている。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、製作が容易な薬液供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1形態によれば、薬液供給装置が提供される。この薬液供給装置は、第1のシートと、第2のシートと、前記第1のシートと前記第2のシートとが重ねられて互いに結合した結合部と、前記第1のシートと前記第2のシートとが互いに結合していない非結合部と、薬液の流量を制御する流量制御部と、を有する。前記非結合部は、薬液が通過する薬液流路と、前記流量制御部と接続する接続部と、を構成する。
【0011】
第2形態によれば、第1形態の薬液供給装置において、前記接続部は、前記流量制御部の流入口と接続する流入接続部と、前記流量制御部の流出口と接続する流出接続部と、を有する。
【0012】
第3形態によれば、第2形態の薬液供給装置において、前記非結合部は、さらに、薬液を貯留するリザーバを構成する。
【0013】
第4形態によれば、第3形態の薬液供給装置において、前記薬液流路は、薬液持続注入流路と、薬液断続注入流路と、を有する。前記流量制御部は、前記薬液持続注入流路上の前記接続部に接続される第1流量制御部と、前記薬液断続注入流路上の前記接続部に接続される第2流量制御部と、を有する。前記リザーバは、前記薬液断続注入流路上であって、前記第2流量制御部の下流に配置される。前記薬液供給装置は、さらに、前記リザーバの下流に配置され、前記リザーバへの薬液の逆流を阻止する逆止弁を有する。
【0014】
第5形態によれば、第1形態から第4形態の薬液供給装置において、前記第1のシートは、前記第2のシートよりも薄い。
【0015】
第6形態によれば、薬液供給装置の製造方法が提供される。この製造方法は、第1のシートと第2のシートとを重ねあわせる工程と、前記第1のシートと前記第2のシートとを部分的に結合して、結合部と非結合部とを形成する工程と、を有し、前記非結合部は、薬液が通過する薬液流路と、流量制御部と接続する接続部と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る薬液供給装置の平面図である。
図2】流量制御部及び逆止弁を備えた薬液供給装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。図1は、本実施形態に係る薬液供給装置の平面図である。図2は、流量制御部及び逆止弁を備えた薬液供給装置の平面図である。本実施形態では、薬液供給装置の一例として、鎮痛剤を患者に投与するための携帯鎮痛装置について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る携帯鎮痛装置10は、第1のシート12と、第2のシート14と、を有する。第1のシート12及び第2のシート14は、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)等で形成される。ただし、第1のシート12及び第2のシート14は、これに限らず、耐水性及び可撓性を有する任意のシート材料で形成され得る。
【0018】
図1に示すように、第1のシート12と第2のシート14は、重ねられた状態で互いに部分的に結合した結合部30を有する。図中斜線で示される部分が結合部30を示す。結合部30は、例えば、第1のシート12と第2のシート14とを接着剤により接着すること、又は熱融着(ヒートシール)により結合すること等により形成され得る。また、第1のシート12と第2のシート14とが結合されない部分、即ち非結合部32が第1のシート12と第2のシート14とに形成される。図中、二点鎖線で囲まれ且つ斜線が付されていない部分が非結合部32を示す。後述するように、この非結合部32は、携帯鎮痛装置10の、薬液が通過する薬液流路、流量制御部が接続される接続部、及び薬液を貯留するリザーバを構成する。即ち、非結合部32は、第1のシート12と第2のシート14とが結合しないことにより形成される第1のシート12と第2のシート14との間の隙間を構成し、この隙間を薬液が通過し、又は後述する流量制御部を接続することができる。第1のシート12と第2のシート14は、上述したように貼り合わされて結合部30と非結合部32を形成した後、図1中二点鎖線に沿って打ち抜き加工等されることで、図1に示される外形に加工される。
【0019】
また、携帯鎮痛装置10は、流入口16と、第1接続部17と、第2接続部18と、第3接続部19と、リザーバ20と、流出口21と、を有する。これらは、非結合部32に含まれる。流入口16は、携帯鎮痛装置10に薬液を持続的に供給するための外部の図示しない薬液供給器と流体連通するように構成され、例えば薬液供給器と流体連通するコネクタ等を接続することができる。ここで、外部の薬液供給器とは、バルーンの収縮力を利用したポンプ、電動式のシリンジポンプ、又は真空式(陰圧式)駆動ポンプ等であり得る。流出口21は、患者の体内と連通するように構成され、例えばカテーテルと流体連通するコネクタ等を接続することができる。流出口21は、後述する第1流量制御部54(図2参照)、又はリザーバ20から排出されて後述する逆止弁56(図2参照)を通過した薬液を排出するように構成される。
【0020】
第1接続部17は、非結合部32によって構成される空洞であり、流入口16と流体連通する第1流入接続部17aと、流出口21と流体連通する第1流出接続部17bと、を有する。第1接続部17には、図2に示すように、第1流量制御部54が接続される。具体的には、第1流入接続部17aは第1流量制御部54の流入口54と接続し、第1流出接続部17bは第1流量制御部54の流出口54bと接続する。第1流量制御部54は、そこを通過する薬液の流量を制御するように構成される。
【0021】
第2接続部18は、非結合部32によって構成される空洞であり、流入口16と流体連通する第2流入接続部18aと、流出口21と流体連通する第2流出接続部18bと、を有する。第2接続部18には、図2に示すように、第2流量制御部52が接続される。具体的には、第2流入接続部18aには第2流量制御部52の流入口54aと接続し、第2流出接続部18bには第2流量制御部52の流出口54bと接続する。第2流量制御部52は、そこを通過する薬液の流量を制御するように構成される。
【0022】
第3接続部19は、非結合部32によって構成される空洞であり、リザーバ20と流体連通する第3流入接続部19aと、流出口21と流体連通する第3流出接続部19bと、を有する。第3接続部19には、図2に示すように、逆止弁56が接続される。具体的には、第3流入接続部19aは逆止弁56の流入口56aと接続し、第3流出接続部19bには逆止弁56の流出口56bと接続する。逆止弁56は、リザーバ20への薬液の逆流を阻止するとともに、リザーバ20からの圧力が所定の圧力を超えたときに開いて、リザーバ20から流出口21への薬液の通過を許容するように構成される。逆止弁56としては、例えばアンブレラバルブ等を採用することができる。リザーバ20は、第2流量制御部52の下流側であり且つ逆止弁56の上流側に配置され、第2流量制御部52を通過した薬液を貯留するように構成される。
【0023】
携帯鎮痛装置10は、薬液が通過する流路として、持続的に供給される薬液が通過する薬液持続注入流路40と、断続的に供給される薬液が通過する薬液断続注入流路50と、を有する。薬液持続注入流路40は、流入口16から始まり、流入管路16a、持続注入管路41、第1接続部17、及び流出管路21aを通過して、流出口21へ延びる。薬液断続注入流路50は、流入口16から始まり、流入管路16a、断続注入管路51、第2接続部18、リザーバ20、第3接続部19、及び流出管路21aを通過して、流出口21へ延びる。図1に示すように、流入管路16aと流出管路21aは、薬液断続注入流路50と共有され得るが、これに限らず、薬液持続注入流路40と薬液断続注入流路50のそれぞれに対して、流入口16及び流出口21と接続する管路を設けてもよい。
【0024】
また、携帯鎮痛装置10を使用する際は、使用者が使いやすいように図示しないハウジング又はケースに収納することができる。携帯鎮痛装置10は、携帯鎮痛装置10を収容する図示しないハウジング又はケースに、携帯鎮痛装置10を位置合わせするための複数の孔60及び切欠部62を有する。この複数の孔60及び切欠部62に、ハウジング又はケースに設けられたピン等を係合することにより、携帯鎮痛装置10をハウジング又はケースに固定することができる。
【0025】
次に、図2に示した携帯鎮痛装置10の使用方法について説明する。まず、図2に示した携帯鎮痛装置10の流入口16にコネクタ等を介して薬液供給器を流体接続し、流出口21にコネクタ等を介してカテーテル等を流体接続する。薬液供給器を駆動して、流入口16から薬液を持続的に供給する。この薬液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖液、抗生物質液、鎮静剤、鎮痛剤、ヘバリン、ニトログリセリン溶液等を使用することができるが、これらに限られない。このとき、薬液は、流入管路16aを通過して、持続注入管路41と断続注入管路51に供給される。持続注入管路41に供給された薬液は、第1流量制御部54によって流量が制御されながら、流出管路21aを介して流出口21から持続的に排出される。一方、断続注入管路51に供給された薬液は、第2流量制御部52によって流量が制御されながら、リザーバ20内に供給され、リザーバ20内が薬液で満たされる。リザーバ20内に供給された薬液は逆止弁56まで到達する。なお、逆止弁56は、このときのリザーバ20内の圧力では開かないように構成されることが好ましい。
【0026】
使用者が疼痛を感じ始めたとき等に、使用者は指等でリザーバ20を圧縮(押圧)する。これにより、リザーバ20内の圧力が上昇して逆止弁56が開き、リザーバ20内の薬液が逆止弁56を通過して流出口21へ排出される。リザーバ20内の薬液が排出されることでリザーバ20内の圧力が低下すると、流入口16、流入管路16a、断続注入管路51、及び第2流量制御部52を介して、薬液が再びリザーバ20内に補充される。
【0027】
次に、図1に示した携帯鎮痛装置10の製造方法について説明する。まず、第1のシート12を構成するPVC等のシートと、第2のシート14を構成するPVC等のシートとを重ねあわせる。これらのシートは、複数の携帯鎮痛装置10を形成することができるサイズであることが好ましい。重ね合わされた2枚のシートを、例えば熱溶着等により、部分的に結合して、結合部30と非結合部32とを形成する。その後、2枚のシートを図1の二点鎖線に従って打ち抜きを行う。これにより、携帯鎮痛装置10が製造される。なお、2枚のシートが複数の携帯鎮痛装置10を形成することができるサイズである場合は、2枚のシートから、図1に示す携帯鎮痛装置10の結合部30及び非結合部32を複数形成し、複数の携帯鎮痛装置10の打ち抜きを行うことができる。なお、2枚のシートの結合時に、2枚のシートのリザーバ20を形成する部分を加工して突出させ、リザーバ20の容量を調整することもできる。具体的には、例えば、重ね合わされた2枚のシートの一方の面から型を押し当ててリザーバ20を凹状に形成し、その状態でシートを結合する。その後、凹状に形成されたリザーバ20を構成する一方のシートを他方のシートから引き離すことで、リザーバ20の空間が形成される。また、例えば、重ね合わされた2枚のシートのリザーバ20を構成する部分を真空吸着等で互いに離間させながら、シートを結合することで、リザーバ20内の容積を大きくすることができる。
【0028】
以上で説明したように、図1に示した携帯鎮痛装置10は、2枚のシートを部分的に結合するだけで製造することができるので、その製作を容易にすることができる。また、携帯鎮痛装置10は、2枚のシートから薬液の管路、リザーバ20、第1接続部17、第2接続部18、第3接続部19等の全てを製造することができる。このため、携帯鎮痛装置10を小型化し、携帯鎮痛装置10を構成する部材数を低減し、製造工数を低減することができる。さらに、2枚のシートの結合部分及び打ち抜き部分を調整するだけで、様々な形状の携帯鎮痛装置10を製造することができるので、設計の自由度も向上する。
【0029】
携帯鎮痛装置10の製造において、2枚のシートのうち、例えば第1のシート12を構成するシートの厚さを、第2のシート14を構成するシートよりも薄くしてもよい。その場合、第1のシート12の方が、可撓性が大きくなるので、薬液を携帯鎮痛装置10に供給したときに、第1のシート12の方が膨らみやすくなる。その結果、リザーバ20を一方の面(第1のシート12側の面)が膨らむので、使用者がリザーバ20を押圧し易くなる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
【符号の説明】
【0031】
10…携帯鎮痛装置
12…第1のシート
14…第2のシート
16…流入口
17…第1接続部
17a…第1流入接続部
17b…第1流出接続部
18…第2接続部
18a…第2流入接続部
18b…第2流出接続部
19…第3接続部
19a…第3流入接続部
19b…第3流出接続部
20…リザーバ
21…流出口
30…結合部
32…非結合部
40…薬液持続注入流路
50…薬液断続注入流路
52…第2流量制御部
54…第1流量制御部
56…逆止弁
図1
図2