(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】高圧ガス筒の取り替え方法
(51)【国際特許分類】
F17C 13/00 20060101AFI20220217BHJP
F17C 13/08 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
F17C13/00 301Z
F17C13/08 301Z
(21)【出願番号】P 2020529685
(86)(22)【出願日】2018-12-19
(86)【国際出願番号】 KR2018016222
(87)【国際公開番号】W WO2019124966
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-03
(31)【優先権主張番号】10-2017-0174740
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0164682
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520023330
【氏名又は名称】エイエムティ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】チェ ウォンホ
【審査官】加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-524793(JP,A)
【文献】特開昭59-029896(JP,A)
【文献】特開平07-091598(JP,A)
【文献】特開平07-190298(JP,A)
【文献】特開2011-220512(JP,A)
【文献】特開2010-038238(JP,A)
【文献】米国特許第05497316(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/00
F17C 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット(100)に昇降自在に配設された一対のリフト(400)に第1及び第2の高圧ガス筒(201)(202)を
手動でローディングして第1の高圧ガス筒(201)のガスをガス供給ラインに
自動的に供給し、第2の高圧ガス筒(202)のバルブ連結具(211)はコネクタホルダ(310)に
自動的に連結して待機する第1のステップと、
前記第1の高圧ガス筒(201)からガスを供給する最中に、制御部(500)により第1の高圧ガス筒(201)の取り替え時期が検出されると、流路を切り換えて第1の高圧ガス筒(201)からのガスの供給を
自動的に中断し、第2の高圧ガス筒(202)からガスを
自動的に供給する第2のステップと、
前記第1の高圧ガス筒(201)のバルブハンドル(213)を自動的に閉める第3のステップと、
前記コネクタホルダ(310)への第1の高圧ガス筒(201)の連結状態を
自動的に解除した後、エンドキャップ(212)でバルブ連結具(211)を
自動的に閉める第4のステップと、
前記第1の高圧ガス筒(201)の載置されたダイ(410)を下死点まで
自動的に下降させる第5のステップと、
前記コネクタホルダ(310)から使用済みのガスケットを自動的に抜き外す第6のステップと、
前記ダイ(410)に載置された第1の高圧ガス筒(201)のクランプ状態を
半自動的に解除する第7のステップと、
前記キャビネット(100)の扉を
手動で開き、ダイ(410)から第1の高圧ガス筒(201)を
手動で取り外した後、ダイ(410)に第3の高圧ガス筒(203)を
手動で載置して扉を閉じる第8のステップと、
前記ダイ(410)に載置された第3の高圧ガス筒(203)を
半自動的にクランプする第9のステップと、
前記コネクタホルダ(310)に新たなガスケットを自動的に嵌入させる第10のステップと、
前記第3の高圧ガス筒(203)のローディングされたリフト(400)を上死点まで
自動的に上昇させた後、バルブ連結具(211)の中心とコネクタホルダ(310)の中心とを
自動的に合わせる第11のステップと、
前記第3の高圧ガス筒(203)からエンドキャップ(212)を
自動的に取り外した後、バルブ連結具(211)をコネクタホルダ(310)に
自動的に連結する第12のステップと、
前記第3の高圧ガス筒(203)のバルブハンドル(213)を
自動的に開いて待機する第13のステップと、
がこの順に行われることを特徴とする高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の高圧ガス筒(201)(202)の取り替え時期は、制御部(500)が高圧ガス筒(201)(202)の重さ又は圧力を検出して設定値以下である場合に判断することを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項3】
前記第1及び第2の高圧ガス筒(201)(202)のバルブハンドル(213)の開閉は、バルブハンドルユニット(600)を構成するバルブハンドルホルダ(610)の回転により行われることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項4】
前記第1及び第2の高圧ガス筒(201)(202)のバルブ連結具(211)にエンドキャップ(212)を
自動的に締めたり外したりする作業が、連結ユニット(300)のエンドキャップホルダ(320)により行われることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項5】
前記第6のステップにおいて、コネクタホルダ(310)からガスケットを抜き外す時
点は、ダイ(410)が下死点に達した時点であることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項6】
前記コネクタホルダ(310)から使用済みのガスケットを抜き外した後、ガスケットの残留有無を
自動的に確認するステップをさらに行うことを特徴とする請求項5に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項7】
前記第8のステップにおいて、ダイ(410)に載置された第3の高圧ガス筒(203)が定位置にあるか否かを判断するステップをさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項8】
前記コネクタホルダ(310)に新たなガスケットを嵌入させる前に、使用済みのガスケットが残留するか否かを
センサを用いて自動的に確認するステップをさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項9】
前記コネクタホルダ(310)への使用済みのガスケットの残留有無を確認する前に、コネクタホルダ(310)からガスケットを抜き外すステップをもう1回行うことを特徴とする請求項8に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項10】
前記第10のステップ後に、コネクタホルダ(310)に新たなガスケットが嵌入したか否かを
自動的に確認するステップをさらに行うことを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項11】
前記第1の高圧ガス筒(201)のクランプ解除は、作業者がクランプオープン確認ボタンを押下してストッパ(427)をオフ(off)にし、クランプ(420)を開くことにより行われることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項12】
前記第3の高圧ガス筒(203)のクランプは、作業者がクランプクロス確認ボタンを押下してストッパ(427)をオン(on)にし、クランプ(420)をクロスすることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項13】
前記第1の高圧ガス筒(201)のバルブハンドル(213)を
自動的に閉め終えると、配管内の残存ガスを取り除いた後に掃除を
自動的に行い、減圧試験及び加圧試験を
自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項14】
前記ダイ(410)に第3の高圧ガス筒(203)を載置し終えると、作業者が第3の高圧ガス筒(203)の情報をスクリーン(110)を介して制御部(500)に入力した後に扉を閉じることを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項15】
前記コネクタホルダ(310)への使用済みのガスケットの残留有無を確認するステップにおいて、ガスケットが検出されると、報知手段によりこの旨を作業者に報知してエラーを措置することを特徴とする請求項6、請求項8、請求項10のいずれか1項に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項16】
前記第3の高圧ガス筒(203)のバルブハンドル(213)を
自動的に開き終えると、配管内の減圧試験及び加圧試験をさらに
自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【請求項17】
前記第3の高圧ガス筒(203)のバルブハンドル(213)を開く前に、非常事態の際にバルブハンドル(213)が自動的に閉まるようにバルブハンドルユニット(600
)を構成するバルブハンドルホルダ(610)の軸にゼンマイを巻く動作をさらに
自動的に行うことを特徴とする請求項16に記載の高圧ガス筒
の取り替え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体のFAB工程(Fabrication Process)設備からウェーハの生産ラインへとガスを供給するようにキャビネット(cabinet)のリフトに高圧ガス筒をローディング(loading)すると、高圧ガス筒の取り替え時点でコネクタホルダから使用済みの高圧ガス筒を取り外した後、新たな高圧ガス筒をコネクタホルダに連結する高圧ガス筒の自動取り替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体を製造する製造工程には、用途に応じて多種多様なガスが供給されて用いられるが、これらのガスは、多くが人体に吸い込まれたり大気中に露出されたりする場合、安全事故および環境汚染などの甚だしい被害を蒙らせるため、細心の注意を必要とする。
【0003】
例えば、イオン注入工程に用いられるガスの種類としては、水素化ヒ素(AsH3:Arsine)、リン化水素(PH3:Phosphine)または三フルオロ化ホウ素(BF3:Boron Fluoride)などの有毒性ガスが挙げられるが、これらのガスは、毒性が非常に強いため、作業者が呼吸器で吸い込む場合に致命的な結果を招き、それ故に、生産ラインに供給する過程で漏出しないように細かく管理せねばならない。
【0004】
このような半導体の製造工程に用いられるガスは、その管理が非常に重要であるが、これらのガスは、ガス筒(以下、「高圧ガス筒」という。)に高圧にて充填された状態でキャビネットに取り付けられて、ガス供給ラインを介して生産ラインに供給され、ガスが約90%ほど使い尽くされれば、高圧ガス筒の内部に残留する異物がウェーハの加工工程に供給されないように作業者が新たな高圧ガス筒に取り替えることにより、ガスを供給し続ける。
【0005】
図1は、従来の技術による半導体装備のガス供給装置を概略的に示す斜視図であって、FAB 7の外部の所定の場所には、FAB 7内の色々な装備8において必要とするSiH
4、PH
3、NF
3、CF
4などの工程ガスがそれぞれ充填された複数の高圧ガス筒(図示略)を載置できるようにキャビネット1が位置しており、前記キャビネット1の一方の側には、前記高圧ガス筒にそれぞれ連結されたガス供給ライン3を案内できるようにダクト4が設けられている。
【0006】
前記ダクト4の他方の側には、ガス供給ライン3に沿って流れ込んだ工程ガスを供給できるように高圧ガス筒に対応する数でレギュレータボックス5が設けられており、前記それぞれのレギュレータボックス5の上端部には、FAB 7内の各装備8に対応して連結できるように装備8の数と同数の供給管9が連結されている。
【0007】
したがって、キャビネット1に載置されているそれぞれの高圧ガス筒から工程ガスが供給されれば、それぞれの工程ガスは、ダクト4の内部を通過するガス供給ライン3に沿ってそれぞれのレギュレータボックス5に流れ込む。
【0008】
次いで、それぞれのレギュレータボックス5の内部に流れ込んだそれぞれの工程ガスは、フィルタ(図示略)を介して浄化された後、FAB 7内の装備8に対応する数に分岐されて連結されているそれぞれの供給管9に沿って流れて供給されるので、ウェーハを加工することが可能になる。
【0009】
前述したように、ガスをガス供給ライン3に供給していて、ガスが使い尽くされて高圧ガス筒の取り替え時期が制御部(図示略)により検出されれば、作業者が使用済みの高圧ガス筒のバルブを閉めた後に、外部のガスラインから取り外す。
【0010】
次いで、作業者がガスラインから取り外された高圧ガス筒をキャビネット1からアンローディングした後、新たな高圧ガス筒に取り替えた後に前記高圧ガス筒を再び外部のガスラインに連結した後、ガス噴射ノズルを閉じているバルブハンドルを開けば(オープンすれば)、高圧ガス筒の取り替えが完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】大韓民国登録特許公報第10-0242982号公報(1998年11月15日付けで登録)
【文献】大韓民国登録特許公報第10-0649112号公報(2006年11月16日付けで登録)
【文献】大韓民国登録特許公報第10-0985575号公報(2010年09月29日付けで登録)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、かかる従来の高圧ガス筒の取り替えは、作業者がキャビネットに新たな高圧ガス筒をローディングした状態で、高圧ガス筒の取り替え時期が検出されると、マニュアルで使用済みの高圧ガス筒を取り外した後、新たな高圧ガス筒をガス配管のコネクタホルダに連結することを余儀なくされるため、高圧ガス筒の速やかな取り替えを行うことが不可能であったことはもとより、作業者の熟練度に応じてヒューマンエラー(Human Error)が生じていただけではなく、取り替えを行う作業の最中に不注意により高圧ガス筒からガスが漏れ出ると、ガスが爆発したり、作業者が漏れ出たガスに中毒されたりするという致命的な欠陥があった。
【0013】
本発明は、従来のこのような問題を解決するために案出されたものであり、キャビネットに配設されたリフトに高圧ガス筒をローディングさえすれば、高圧ガス筒の取り替え時点でコネクタホルダに連結されていた高圧ガス筒を取り外すとともに、新たな高圧ガス筒をコネクタホルダに自動的に連結できるようにして高圧ガス筒の取り替えの自動化が実現できるようにするところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための本発明の態様によれば、キャビネットに昇降自在に配設された一対のリフトに第1及び第2の高圧ガス筒をローディングして第1の高圧ガス筒のガスをガス供給ラインに供給し、第2の高圧ガス筒のバルブ連結具はコネクタホルダに連結して待機する第1のステップと、前記第1の高圧ガス筒からガスを供給する最中に、制御部により第1の高圧ガス筒の取り替え時期が検出されると、流路を切り換えて第1の高圧ガス筒からのガスの供給を中断し、第2の高圧ガス筒からガスを供給する第2のステップと、前記第1の高圧ガス筒のバルブハンドルを自動的に閉める第3のステップと、前記コネクタホルダへの第1の高圧ガス筒の連結状態を解除した後、エンドキャップでバルブ連結具を閉める第4のステップと、前記第1の高圧ガス筒の載置されたダイを下死点まで下降させる第5のステップと、前記コネクタホルダから使用済みのガスケットを自動的に抜き外す第6のステップと、前記ダイに載置された第1の高圧ガス筒のクランプ状態を解除する第7のステップと、前記キャビネットの扉を開き、ダイから第1の高圧ガス筒を取り外した後、ダイに第3の高圧ガス筒を載置して扉を閉じる第8のステップと、前記ダイに載置された第3の高圧ガス筒をクランプする第9のステップと、前記コネクタホルダに新たなガスケットを自動的に嵌入させる第10のステップと、前記第3の高圧ガス筒がローディングされたリフトを上死点まで上昇させた後、バルブ連結具の中心とコネクタホルダの中心とを合わせる第11のステップと、前記第3の高圧ガス筒からエンドキャップを取り外した後、バルブ連結具をコネクタホルダに連結する第12のステップと、前記第3の高圧ガス筒のバルブハンドルを開いて待機する第13のステップと、がこの順に行われることを特徴とする高圧ガス筒の自動取り替え方法が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、キャビネットに一対のリフトを昇降自在に配設していずれか一つの高圧ガス筒からガスをガス供給ラインへと供給していて、制御部により高圧ガス筒の取り替え時期が検出されると、待機していた他の高圧ガス筒のガスが供給されるように流路を切り換えた後、ガスを供給し終えた高圧ガス筒を自動的にアンローディングした後、リフトのダイに新たな高圧ガス筒をローディングして待機状態を保つことができるので、高圧ガス筒をマニュアルで取り替えていた従来とは異なり、高圧ガス筒の自動取り替えを行うことが可能になり、これにより、作業者によるヒューマンエラーを未然に防ぐことはもとより、高圧ガス筒の取り替えの自動化を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来の技術による半導体装備のガス供給装置を概略的に示す斜視図。
【
図2】本発明を説明するためのキャビネットの正面図。
【
図6】本発明において、クランプが高圧ガス筒をクランプした状態でストッパがクランプをオン(on)にした状態図。
【
図8】本発明において、第1の高圧ガス筒を昇降させるリフトが下死点に位置し、第2の高圧ガス筒がダイに載置されたリフトは上死点に位置している状態図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、種々の異なる形態に具体化でき、ここで説明する実施の形態に何ら限定されない。図面は概略的であり、縮尺に合うように示されていないことに留意されたい。図面にある部分の相対的な寸法および比率は、図面における明確性および便宜のために大きさにおいて誇張もしくは縮小されて示されており、任意の寸法は、単に例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。なお、2以上の図面に現れる同じ構造物、要素または部品には、同じ参照符号が同じ特徴を示すために用いられる。
【0018】
図2は、本発明を説明するためのキャビネットの正面図であり、
図3は、本発明の連結ユニットを示す斜視図であり、
図4は、本発明のリフト及びクランプを示す正面図であって、
図2は、キャビネット100の前面に開閉自在に配設される扉を省略して示している。
【0019】
本発明は、キャビネット100の内部の上部に配設されて高圧ガス筒200のバルブ連結具211をコネクタホルダ310に自動的に連結したり解除したりする連結ユニット300と、前記高圧ガス筒200が載置されるダイ410を備え、高圧ガス筒200を昇降させるリフト400と、前記リフト400に配備されて高圧ガス筒200をクランプし且つ回転させるクランプ420と、上記の構成要素を制御する制御部500と、を備えてなる。
【0020】
本発明は、キャビネット100に2つの高圧ガス筒200が内蔵されることにより、連結ユニット300及びクランプ420を備えるリフト400が一対で配設されていて、どちらか一方の高圧ガス筒200からガス供給ライン(図示略)へとガスを供給するとき、どちらか一方の高圧ガス筒202は、他方の連結ユニット300のコネクタホルダ310に連結されてガス供給を待機している。
【0021】
前記キャビネット100の上部には2つの高圧ガス筒200が内蔵されることにより、作業者がキャビネット100の扉(図示略)を開いたり、高圧ガス筒200のクランプ又はアンクランプの制御、及び高圧ガス筒200の情報を入力したりするスクリーン110が各連結ユニット300の上部に位置するキャビネット100に配備されている。
【0022】
前記クランプ420は、
図4に示すように、ムービングベース430に昇降自在に配設された各リフト400の上下部にそれぞれ配設されていて、リフト400のダイ410に載置された高圧ガス筒200をクランプしたりアンクランプしたりする役割を果たす。
【0023】
図5は、下クランプを示す斜視図であり、前記クランプ420は、第1のアクチュエータ421の駆動によりフレーム422が同時に拡開されたり縮んだりするように配設されており、前記各フレーム422には、2つのローラ423の配設されたグリッパ424が軸425を中心として回動自在に配設されており、フレーム422の上部又は下部には、一対のグリッパ424がダイ410に載置された高圧ガス筒200をクランプした状態で拡開されないように、
図6に示すように、グリッパ424に形成された位置決め孔424aにストッパ427を昇降させる第2のアクチュエータ426が配設されていて、ダイ410に高圧ガス筒200が載置された状態で、ストッパ427が位置決め孔424aに嵌入すれば、ダイ410に載置された高圧ガス筒200の位置が定位置から外れていても、第1のアクチュエータ421により一対のフレーム422が内側に縮むとき、ストッパ427が位置決め孔424aに嵌入していて、一対のグリッパ424が拡開されることなく、高圧ガス筒200をクランプする。
【0024】
したがって、高圧ガス筒200のクランプ又はアンクランプを行う前に第2のアクチュエータ421を駆動してストッパ427をオン(on)又はオフ(off)にしなければならない。
【0025】
前記グリッパ424に回転自在に配設された一対のローラ423は、タイミングベルト428により連結されていて、駆動手段429が駆動されてその動力が他のタイミングベルト441を介して伝えられて一方のローラ423が回転するとき、高圧ガス筒200にローラ423が緊密に接続されていて、反対側に位置するグリッパ424に配設された一対のローラ423には、駆動手段がなくても一緒に回転するような構造である。
【0026】
前記高圧ガス筒200がダイ410に載置される前に第1のアクチュエータ421が一対のフレーム422を拡開させた
図5に示す状態で、一対のグリッパ424が拡開された状態を保つことは、クランプ420を構成するフレーム422とグリッパ424との間にコイルばね440が連結されているために可能になる。
【0027】
図9a及び
図9bは、本発明を説明するためのフローチャートであり、初期にキャビネット100に昇降自在に配設された一対のリフト400に第1及び第2の高圧ガス筒201、202がローディング(loading)されて、
図2に示すように、前記第1の高圧ガス筒201のガスをガス供給ラインに供給し、第2の高圧ガス筒202はコネクタホルダ310に連結して待機する第1のステップから説明する。
【0028】
前述したように、前記第1の高圧ガス筒201からガスを供給する最中に、制御部500により第1の高圧ガス筒201の取り替え時期が検出されると、第2の高圧ガス筒202の取り替えの準備が完了したか否かを制御部500が判断して、取り替えの準備が完了したならば、ガス配管の流路を切り換えて第1の高圧ガス筒201からのガスの供給を中断し、第2の高圧ガス筒202からガスを供給する第2のステップを行う。
【0029】
前記第2の高圧ガス筒202の取り替え前に制御部500がこれを判断する理由は、第2の高圧ガス筒202があるか否か、それとも、第2の高圧ガス筒202のバルブ連結具211がコネクタホルダ310に正確に連結されているか否かを判断して正常であると判断すると、流路を切り換え、非正常であると判断すると、エラーを生じさせるとともに、第1の高圧ガス筒201からガスの供給を行い続けながら、作業者がこれを措置しなければならない。
【0030】
これは、ガス供給ラインへのガスの供給が一時的に中断されることにより、工程を行うウェーハに不良が生じないようにするための措置である。
【0031】
前記第1の高圧ガス筒201の取り替え時期は、加工工程に応じて供給されるガスの種類が異なるため、制御部500が第1の高圧ガス筒201の重さ又は圧力を検出して設定値以下である場合に判断する。
【0032】
前述したように、ガス配管の流路を切り換えて第1の高圧ガス筒201からのガスの供給を中断し終えると、前記第1の高圧ガス筒201のバルブハンドル213を自動的に閉める第3のステップを行う。
【0033】
前記第1の高圧ガス筒201のバルブハンドル213を自動的に閉めたり開いたりする動作は、バルブハンドルユニット600のバルブハンドルホルダ610により行われるが、その構成は、当該分野の専門家により種々の形態にして適用することが可能であるため、これについての具体的な説明は省略する。
【0034】
前記第1の高圧ガス筒201のバルブハンドル213を閉め終えると、第1の高圧ガス筒201が連結されていたガス供給ラインの配管内の残存ガスを取り除いた後、配管の内部を掃除した後、減圧試験及び加圧試験を行って、正常であると判断されると、前記コネクタホルダ310への第1の高圧ガス筒201の連結状態を解除した後、エンドキャップ212でバルブ連結具211を自動的に閉める第4のステップを経、非正常であると判断されると、エラーを生じさせて作業者がこれを措置するようにする。
【0035】
前記高圧ガス筒200のバルブ連結具211にエンドキャップ212を自動的に締めたり外したりする作業が連結ユニット300のエンドキャップホルダ320により行われるが、これもまた、当該分野の専門家により様々な形態にして適用することが可能であるということは理解できる筈である。
【0036】
前記第1の高圧ガス筒201のエンドキャップ212を閉め終えると、前記第1の高圧ガス筒201を新たな第3の高圧ガス筒203に取り替えるために、
図8に示すように、リフト400を下死点まで下降させる第5のステップを行う。
【0037】
前記リフト400を下死点まで下降させるステップにおいて、前記コネクタホルダ310から使用済みのガスケットをガスケット自動入れ替え手段700により自動的に抜き外す第6のステップを行う。
【0038】
前記コネクタホルダ310から使用済みのガスケットを自動的に抜き外す時点は、リフト400が下死点に達した後であってもよいが、リフト400の駆動とは別途の駆動により使用済みのガスケットを抜き外すため、リフト400が下降する最中に行ってもよいので、必ずしも限定する必要はない。
【0039】
前記コネクタホルダ310から使用済みのガスケットを抜き外し終えると、コネクタホルダ310にガスケットが残留するか否かをセンサ(図示略)を用いて確認した後、ガスケットが残留していると、エラーを生じさせて作業者がこれを措置するようにするが、残留するガスケットがなければ、前記ダイ410に載置された第1の高圧ガス筒201のクランプ状態を半自動的に解除する第7のステップを行う。
【0040】
前記第1の高圧ガス筒201のクランプを解除する動作は、
図5に示すように、作業者がキャビネット100の上部に位置する当該スクリーン110のクランプオープン確認ボタンをタッチすると、第2のアクチュエータ426が駆動されてグリッパ424の位置決め孔424aに嵌入していたストッパ427をオフ(off)にするとともに、第1のアクチュエータ421を駆動して一対のフレーム422を両側に拡開するため、第1の高圧ガス筒201のクランプ状態が解除される。
【0041】
前述したように、第1のアクチュエータ421の駆動により一対のフレーム422が拡開された状態では、グリッパ424がコイルばね440の復元力により拡開された状態を保つ。
【0042】
前述したような動作により第1の高圧ガス筒201のクランプ状態を解除し終えると、作業者がキャビネット100の扉を開いてダイ410から第1の高圧ガス筒201を取り外した後、ダイ410に新たな高圧ガス筒である第3の高圧ガス筒203を載置して扉を閉じる第8のステップを行う。
【0043】
前記ダイ410に第3の高圧ガス筒203を載置して高圧ガス筒の取り替えが完了すると、作業者がスクリーン110をタッチして新たな第3の高圧ガス筒203の情報であるガスの種類、バーコード、重さなどを入力した後、キャビネット100の扉を閉じ、高圧ガス筒の取り替えが完了したことを確認するボタンをタッチする。
【0044】
前述したような動作によりダイ410から使用済みの第1の高圧ガス筒201を取り外すとともに、新たな第3の高圧ガス筒203に取り替え終えると、ダイ410に新たに載置された第3の高圧ガス筒203の投入整列位置が正確であるか否かをセンサ(図示略)により確認して、正常であれば、次のステップを行い、投入整列位置がずれていて非正常であれば、エラーを生じさせて作業者が閉じた扉を開き、ダイ410から第3の高圧ガス筒203を取り出してから再投入した後、扉を閉じる作業を行う。
【0045】
したがって、ダイ410に載置された第3の高圧ガス筒203の投入整列位置が正常であれば、ダイ410に載置された第3の高圧ガス筒203をクランプする第9のステップを行う。
【0046】
前記第3の高圧ガス筒203のクランプは、高圧ガス筒のアンクランプとは逆に行われる。
【0047】
すなわち、ダイ410に第3の高圧ガス筒203が載置されるように作業者が第3の高圧ガス筒203を押し込むと、内側に位置するローラ423が第3の高圧ガス筒203により内側に押されるため、コイルばね440の復元力により拡開されていた一対のグリッパ424が同時に縮まりながら、グリッパ424に回転自在に配設されたローラ423が同時に第3の高圧ガス筒203を包み込む。
【0048】
このように、ローラ423が第3の高圧ガス筒203を包み込んだ状態で作業者がスクリーン110のクランプクロス確認ボタンをタッチすると、第2のアクチュエータ426が駆動されてグリッパ424の位置決め孔424aにストッパ427をオン(on)にして嵌入させるとともに、第1のアクチュエータ421を駆動して一対のフレーム422を内側に縮めるため、ローラ423が第3の高圧ガス筒203のクランプを完了する。
【0049】
前述した動作によりダイ410に載置された第3の高圧ガス筒203のクランプが完了すると、第3の高圧ガス筒203が連結されるコネクタホルダ310に新たなガスケットを自動的に嵌入させなければならないが、コネクタホルダ310に新たなガスケットを嵌入させる前に使用済みのガスケットがあるか否かを確認することが好ましい。
【0050】
しかし、使用済みのガスケットを確認する前にコネクタホルダ310から使用済みのガスケットを抜き外す動作をもう1回行った後、残留ガスケットがあるか否かを確認することがさらに好ましい。
【0051】
もし、コネクタホルダ310に残留ガスケットが存在すれば、制御部500によりエラーを生じさせて作業者がこれを措置するようにする。
【0052】
このように、使用済みのガスケットがコネクタホルダ310に残留するか否かを複数回にわたって行うことは、万が一、残留ガスケットが存在することにより、第3の高圧ガス筒203のバルブ連結具211をコネクタホルダ310に連結する際に連結不良が生じて有害ガスが漏れ出るという現象を根本的に遮断するためである。
【0053】
前述したように、コネクタホルダ310に使用済みのガスケットが存在しないことが確認されれば、ガスケット自動入れ替え手段700によりコネクタホルダ310に新たなガスケットを自動的に嵌入させる第10のステップを行う。
【0054】
前記コネクタホルダ310に新たなガスケットを自動的に嵌入させ終えると、センサ(図示略)によりコネクタホルダ310に新たなガスケットが嵌入されたか否かを確認するステップをさらに行う。
【0055】
これは、コネクタホルダ310に新たなガスケットを嵌入させることなく、第3の高圧ガス筒203のバルブ連結具211をコネクタホルダ310に連結することにより有害ガスが漏れ出るという現象を根本的に解消できるようにするためである。
【0056】
前記コネクタホルダ310に新たなガスケットが嵌入したことが制御部500により確認されれば、前記第3の高圧ガス筒203のローディングされたリフト400を上死点まで上昇させた後、バルブ連結具211の中心とコネクタホルダ310の中心とを合わせる第11のステップを行う。
【0057】
前述したように、バルブ連結具211の中心とコネクタホルダ310の中心とを合わせる動作は、リフト400にローディングされた第3の高圧ガス筒203を自動的に上昇、下降、及び回転させながら第3の高圧ガス筒203に結合されたバルブのエンドキャップ212の中心をガス配管と連結されたコネクタホルダ310の中心と一致させることにより行われる。
【0058】
前記第3の高圧ガス筒203に結合されたエンドキャップ212の中心をガス配管と連結されたコネクタホルダ310の中心と一致させ終えると、連結ユニット300のエンドキャップホルダ320を用いて、第3の高圧ガス筒203からエンドキャップ212を取り外した後、バルブ連結具211をコネクタホルダ310に連結する第12のステップを行う。
【0059】
前記第3の高圧ガス筒203からエンドキャップ212を取り外した後、バルブ連結具211をコネクタホルダ310に連結した後、前記第3の高圧ガス筒203のバルブハンドル213を開く前に、非常事態の際にバルブハンドル213が自動的に閉まるようにバルブハンドルユニット600の軸(図示略)にゼンマイを巻く動作をさらに行うことがさらに好ましい。
【0060】
これは、第3の高圧ガス筒203のガスをガス配管を介してガス供給ラインに供給する過程で、突然の振動や地震などによりガスが漏れ出たり、停電の際に第3の高圧ガス筒203のバルブハンドル213を自動的に閉めてガスの漏出による安全事故が起きるという現象を根本的に解消できるようにするためである。
【0061】
前記第3の高圧ガス筒203のバルブハンドル213が閉まるようにバルブハンドルユニット600の軸にゼンマイ(図示略)を巻き終えると、バルブハンドルユニット600のバルブハンドルホルダ610を回転させて前記第3の高圧ガス筒203のバルブハンドル213を開いて待機する第13ステップを行う。
【0062】
前記第3の高圧ガス筒203のバルブハンドル213を開き終えると、配管内の減圧試験及び加圧試験をさらに行うことがさらに好ましい。
【0063】
本発明の一実施形態においては、キャビネット100に2つの高圧ガス筒200を内蔵して、高圧ガス筒200内のガスが設定値以下である場合に自動的に取り替えを行うように説明しているが、キャビネット100に高圧ガス筒200を3~4個又はそれ以上内蔵して制御部500により高圧ガス筒200の取り替え時期が検出される度に高圧ガス筒200を順次に取り替えてもよいということは理解できる筈である。
【0064】
以上、添付図面に基づいて本発明の実施の形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態へと容易に変形できることが理解できる筈である。
【0065】
よって、上述した実施の形態は、あらゆる面において例示的なものに過ぎず、限定的ではないものと理解すべきであり、上記の詳細な説明の欄において述べられた本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって開示され、特許請求の範囲の意味および範囲並びにその等価概念から導き出されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0066】
100:キャビネット
110:スクリーン
200:高圧ガス筒
211:バルブ連結具
212:エンドキャップ
213:バルブハンドル
300:連結ユニット
310:コネクタホルダ
320:エンドキャップホルダ
400:リフト
410:ダイ
420:クランプ
421:第1のアクチュエータ
422:フレーム
423:ローラ
424:グリッパ
426:第2のアクチュエータ
427:ストッパ
500:制御部
610:バルブハンドルホルダ