(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】最外郭電極の構造及び集電体の材質により使用安全性が向上した電極組立体並びに前記電極組立体を有するリチウムイオン二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/54 20210101AFI20220217BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20220217BHJP
H01M 50/136 20210101ALI20220217BHJP
H01M 4/66 20060101ALI20220217BHJP
H01M 4/70 20060101ALI20220217BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20220217BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20220217BHJP
H01M 50/55 20210101ALN20220217BHJP
【FI】
H01M50/54
H01M50/105
H01M50/136
H01M4/66 A
H01M4/70 A
H01M10/052
H01M10/0585
H01M50/55 301
(21)【出願番号】P 2020546256
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(86)【国際出願番号】 KR2018013895
(87)【国際公開番号】W WO2019103393
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2017-0158097
(32)【優先日】2017-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518050539
【氏名又は名称】リベスト インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LIBEST INC.
【住所又は居所原語表記】(Munji-dong, KAIST Munji Campus) T306, 193 Munji-ro, Yusung-gu, Daejeon 34051, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュ ソン
(72)【発明者】
【氏名】ハ,ジン ホン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ギル ジュ
【審査官】浅野 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-141055(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1783703(KR,B1)
【文献】特開2000-235850(JP,A)
【文献】特開2000-231914(JP,A)
【文献】特表2021-503705(JP,A)
【文献】特開2017-117776(JP,A)
【文献】特開2013-012343(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0077480(US,A1)
【文献】特開2017-010857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00~55/198
H01M 50/50~50/598
H01M 10/05~10/0587
H01M 4/66
H01M 4/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル二次電池をなす電極組立体において、
前記電極組立体は、
分離膜を挟んで異なる極性を有する第1の電極板及び第2の電極板からなる一対の電極板を有する1つ以上の単位セルと、
前記電極板からそれぞれ突出する電極タブと、を含み、
前記電極タブは、電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを含み、
前記第1の電極板は、前記電極組立体の最外郭に配置され、前記電極並列連結用タブと
前記電極リード連結用タブとを含み、
前記第2の電極板の集電体は、前記第1の電極
板の集電体よりも高い引張応力を有することを特徴とする、電極組立体。
【請求項2】
前記第1の電極板の
前記集電体が銅である場合に、
前記第1の電極板と対面する前記第2の電極板の
前記集電体は、ステンレススチール材質であることを特徴とする、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記電極組立体をなす電極板のうち前記電極並列連結用タブと
前記電極リード連結用タブとを含む
前記第1の電極板及び
前記第2の電極板は、前記電極組立体内において単数で存在し、
単一の
前記第2の電極板は
、単一の
前記第1の電極板の内側に一体的に対面して配置される、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記電極組立体は、
前記電極組立体を構成する
前記電極タブのうち何れか1つの
前記電極リード連結用タブ上に溶着固定された補強タブをさらに含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記電極組立体は、
前記電極組立体を構成する
前記電極タブのうち何れか1つの
前記電極リード連結用タブ上に結合された電極リードは曲げ構造をさらに含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記電極リード連結用タブと電極リードを前記補強タブを利用して重ね当てた構造のタブリード結合部は、前記分離膜の内側に挿入整列された状態である、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記電極リード連結用タブと
前記曲げ構造の
前記電極リードが結合されたタブ-リード結合部は、前記分離膜の内側に挿入整列された状態である、請求項5に記載の電極組立体。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の前記電極組立体と、
前記電極組立体を包む外装材と、を含み、
前記外装
材は、前記電極組立体の外部を包むように上部押印部と下部押印部とが繰り返し押印加工された構造である
、リチウムイオン二次電池。
【請求項9】
複数の
前記上部押印部と
前記下部押印部とは、前記電極組立体及び
前記外装
材の幅と平行な方向に連続して形成される、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池。
【請求項10】
前記リチウム
イオン二次電池の曲がり角度の内角の範囲は10゜~180゜であることを特徴とする、請求項8又は9に記載のリチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルな環境において、外部からの繰り返し的な曲げやねじりなど、力により発生し得る電池の機械的な問題である外装材の破損及び内部短絡によって発生する発火乃至爆発の危険性を事前に防止するために、最外郭電極の構造と集電体の材質により、電池を構成する外装材の破損乃至内部短絡が発生する時点の前に、電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極の切断を誘導することにより、使用上の安全を確保する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電及び放電が可能な電池をいうものであって、セルラーフォン、ノートパソコン、カムコーダなどの先端電子機器分野で広く使用されている。上記した携帯型電子機器の軽量化と高機能化、及びモノのインターネット(Internet of things、IoT)の発展により、その駆動電源として使用される二次電池に関して多くの研究が行われている。
【0003】
特に、リチウム二次電池は、携帯用電子装備の電源として多く使用されているニッケル-カドミウム電池や、ニッケル-水素電池よりも電圧が高く、単位重量当たりのエネルギー密度も高いという長所があり、その需要が増加している傾向である。
【0004】
二次電池は、電解物質に陽極と陰極とを挿入した状態で、上記した陽極と陰極とを連結した際に電解物質と電極との間で生じる電気化学反応を利用した電池であり、既存の一次電池とは異なり、電気電子製品で消耗したエネルギーを充電器により再充電して繰り返し使用することのできる、充電と放電が可能な電池であるので、無線電気電子製品の大衆化と共に拡散している傾向である。
【0005】
通常、陽極板と陰極板との間に分離膜を挿入し、これらを共に螺旋状に巻き取ったゼリーロール状の巻取型電極組立体、あるいは分離膜を挟んで多数の陽極板と陰極板とを積層して形成されたフレキシブル積層型電極組立体をリチウム二次電池に多く使用している。例えば、円筒形電池は、巻取型電極組立体を円筒形の缶に収納し、電解質を注入してから密封するものであり、角形電池は、巻取型電極組立体や積層型電極組立体を圧迫して平らで扁平にした後、角形の缶に収納するものである。また、ポーチ型電池は、巻取型電極組立体や積層型電極組立体を電解質と共にポーチ型の外装材で包装したものである。このような電極組立体において、陽極板と陰極板からそれぞれ陽極タブと陰極タブが電極組立体の外部に引き出され、二次電池の陽極と陰極リードに連結されることができる。
【0006】
一方、既存のポーチ型のリチウム二次電池は、外部から与えられる意図的な力によってリチウム二次電池の外側をなす外装材が損傷することにより、外装材の内部に収容された電解液の液漏れ及び外部空気の流入が起こってしまう。このような電解液の液漏れは、電池保護回路のような周辺の部品を腐食させるなど、正常な作動を阻害する。また、外部空気の流入による発火などといった大きな安全性の問題をもたらす。
【0007】
リチウム二次電池の耐久性を向上させるための方案として、リチウム二次電池をなす外装材パターンの形成と端子の補強構造を適用することにより、電池の耐久性を向上させ、繰り返し的に与えられる力である曲げ、ねじりなどにも安定して電気化学駆動できるようにする。
【0008】
一方、フレキシブル環境においては、繰り返し的な曲げやねじりなどにより、外装材の破損及び内部電極の誤整列、ずれなどによる短絡が発生し、発火乃至爆発の危険性がある。内部短絡は陽極と陰極とが接触する面積と比例して電流が過多に流れ、多くの熱が発生するが、このような場合に2次短絡がさらに発生し、発火及び爆発の危険性がある。
【0009】
一般の電池構造を見ると、ワインディング方式や一般積層型電池の場合に全ての電極が外部に連結されており、外部からの衝撃による電極及び分離膜の損傷の際に内部短絡が起こる。
【0010】
上記のように内部短絡が発生した場合、電極組立体の何れか一部分であり得る内部電極又は最外郭電極が切れる場合も、単に容量が減少する問題はあるものの、電極組立体の外部に電流が流れるには問題がないので、電池の作動には異常がない。但し、前記内部短絡の状態で持続的に使用する際は安全性に問題となり得ることにその深刻性がある。
【0011】
韓国公開特許公報第10-2016-0090104号を参照すると、既存のポーチ型電池の内部に含まれる電極組立体において、外部から外力が与えられる場合における破損の発生及び耐電解液性不足という問題を克服するために、フレキシブル電池用の電極組立体の一面に補強部材を備えることにより、外力が与えられる場合も破損を防止するという内容が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国公開特許公報第10-2016-0090104号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、電極組立体をなす最外郭電極の構造と集電体の材質により、電池を構成する外装材の破損乃至内部短絡が発生する時点の前に、電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極の切断を誘導することにより、使用上の安全を確保するようにする構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような目的を達成するための本発明の一観点に係る電極組立体は、分離膜を挟んで異なる極性を有する第1の電極板及び第2の電極板からなる一対の電極板を有する1つ以上の単位セルと、前記電極板からそれぞれ突出する電極タブと、を含み、前記電極タブは、電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを含み、前記第1の電極板は、前記電極組立体の最外郭に配置され、前記電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを有し、前記第2の電極板の集電体は、第1の電極の集電体よりも高い引張応力を有することを特徴とする。
【0015】
前記第1の電極板の集電体が銅である場合に、前記第1の電極板と対面する前記第2の電極板の集電体は、ステンレススチール材質を有する。
【0016】
前記電極組立体をなす電極板のうち前記電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを全て含む第1の電極板及び第2の電極板は、前記電極組立体内において単数で存在し、前記単一の第2の電極板は、前記第1の電極板の内側に一体的に対面して配置される。
【0017】
前記電極組立体は、前記電極組立体を構成する電極タブのうち何れか1つの電極リード連結用タブ上に溶着固定された補強タブをさらに含む。
【0018】
前記電極組立体を構成する電極タブのうち何れか1つの電極リード連結用タブ上に結合された電極リードは、曲げ構造をさらに含む。
【0019】
前記電極リード連結用タブと電極リードを前記補強タブを利用して重ね当てた構造のタブリード結合部は、前記分離膜の内側に挿入整列された状態である。
【0020】
前記電極リード連結用タブと曲げ構造の電極リードが結合されたタブ-リード結合部は、前記分離膜の内側に挿入整列された状態である。
【0021】
上記のような目的を達成するための本発明の他の観点に係るリチウムイオン二次電池は、前記電極組立体と、前記電極組立体を包む外装材と、を含み、前記外装材部は、前記電極組立体の外部を包むように上部押印部と下部押印部とが繰り返し押印加工された構造である。
【0022】
前記複数の上部押印部と下部押印部とは、前記電極組立体及び外装材部の幅と平行な方向に連続して形成される。
【0023】
前記リチウム二次電池の最大曲がり角度の内角の範囲は10゜~180゜である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、電極組立体上に外部からの曲げによる引張応力と圧縮応力とが繰り返して与えられる場合、電極組立体内の電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極が相対的に最も先に切断されることで電流が遮断される構造により、電池の機能を喪失させ、使用上の安全性を確保することができる。
【0025】
つまり、電極リード連結用タブと並列連結用タブとが同時に備えられた最外郭電極が切断される場合に、活物質内の電子が外部と連結される唯一の通路が断たれることで電流が遮断される構造により、電池の機能を喪失させる過程を通じて、使用上の安全性を確保する。
【0026】
本発明に係る電極組立体をなす最外郭電極及び一般電極は、並列連結用タブで接続され、最外郭電極上には電極リード連結用タブ部分に端子が形成されているが、外部から曲げ及びねじりなどの外力が与えられる場合は、内部の一般電極よりは最外郭電極が優先的に損傷しながら切断される。このとき、電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極が切られると、並列連結用タブにより連結されていた一般電極は、電流が遮断された状態で閉鎖状態(shutdown)となって容量が急減し、電池が本来の機能を果たせなくなる。
【0027】
つまり、電極組立体をなす最外郭電極の構造及び集電体の材質を適切に活用し、外装材の破損乃至内部短絡が発生する時点の前に、電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極の切断を誘導することでなされる電流遮断構造により、電池の安全性を確保する。
【0028】
従って、本発明は、並列連結用タブと電極リード連結用タブとが同時に備えられた電極の形状と積層構造により、電池の柔軟性を向上させるだけでなく、外装材の破損乃至リチウムの析出による内部短絡の危険に至る前に、意図的に電極の切断を誘導することで電池機能を喪失させることにより、電池使用上の安全性までも確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明により、フレキシブル電池を構成する電極組立体の例示的な構成を示す。
【0030】
【
図2】本発明の実施例により、最外郭電極を陰極で配置した状態の電極組立体の分解図を示す。
【
図3】本発明の実施例により、最外郭電極を陰極で配置した状態の電極組立体の分解図を示す。
【0031】
【
図4】電極リード連結用タブを備えた最外郭電池上に切断が発生することにより、電極組立体をなす他の内部電極が閉鎖状態(シャットダウン、shutdown)に設定された状態を示す。
【0032】
【
図5】本発明の実施例に係る補強タブ及び電極集電体に対する引張応力試験を進行する方式を示す。
【0033】
【
図6】本発明の実施例に係る補強タブと電極集電体の材質及び固有の性質であるヤング率(Young’s Modulus)値を示す図表である。
【0034】
【
図7】電極組立体及び前記電極組立体を包む外装材部を有するフレキシブル電池を示す。
【0035】
【
図8】フレキシブル電池をなす外装材部において、前記外装材部の幅と平行な方向に上部押印部及び下部押印部などのパターンが形成された様子を示す。
【0036】
【
図9】外装材部に形成された上部押印部及び下部押印部の具体的な形態を説明する。
【0037】
【
図10】本発明の実施例に係る曲げ評価の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明に係るフレキシブル電池について説明することとする。
【0039】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるための詳細な説明であり、本発明の権利範囲を制限するものではないことは当然である。従って、本発明と同じ機能を果たす均等な発明も本発明の権利範囲に属するはずである。
【0040】
また、各図面の構成要素に参照符号を付け加えるにおいて、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されるとしてもなるべく同じ符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明するにおいて、関連した公知の構成又は機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を混乱させ得ると判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図1乃至
図3を参照しながら、本発明に係る電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極の切断を誘導することで電池使用上の安全性を向上させた電極組立体の一実施例を説明する。
【0042】
電極組立体は、分離膜30を挟んで陰極板10と陽極板20とに区分された単位セルAと、陰極板と陽極板との間でイオン伝達媒介体の役割をする電解液と、電極板から突出した状態で用途に応じて分離される電極並列連結用及び電極リード連結用に分けられる電極タブと、を含む。前記陰極板10と陽極板20とを含む電極板のうち何れか1つ以上の電極板は、電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを両側に離隔して配置することができる。例えば、電極組立体100の最下段に配置される任意の最外郭陰極板10は、陰極並列連結用タブ12と陰極リード連結用タブ14とを備え、前記最外郭陰極板の直上段に配置された任意の陽極板は、陽極並列連結用タブ22と陽極リード連結用タブ24とを備える。つまり、電極組立体の最下段には、電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを何れも有する陰極及び陽極が一体的に配置される。
【0043】
ここで、電極板は、電極合剤が電極集電体である電極板の断面又は両面に塗布され、前記電極並列連結用タブ及び電極リード連結用タブは前記電極板から突出している形態である。一方、前記電極並列連結用タブ及び電極リード連結用タブは、電極合剤が塗布されていない状態で露出している形態である。
【0044】
前記複数の電極板は、電極並列連結用電極タブを介して同じ極同士が連結される。つまり、複数の陰極板10及び複数の陽極板20は、それぞれ電極タブの間を連結するタブ-タブ結合部により電気的に並列連結される。
【0045】
一方、電極組立体は、電極リード連結用タブを通じて外装材の外部に露出している電極リードと電気的に連結される構造を有する。分離膜は、電極板を物理的に離隔するものの、電解液に含まれたイオンは通過させる機能をする。
【0046】
前記電極組立体の最上段及び最下段に配置される陰極板は、陰極合剤40が断面のみに塗布された状態であっても良い。
【0047】
陰極板10又は陽極板20上から突出している状態の電極並列連結用タブ12、22は、同じ極性の電極板は互いに電気的に並列連結させる。並列連結されたタブ-タブ結合部は、電極組立体の最上段又は最下段をなす最外郭電極板の外面を包んでいる分離膜上に位置して仕上げテーピング処理される。
【0048】
本発明において、電極板に形成された電極並列連結用タブ12、22が互いに並列連結されたタブ-タブ結合部、及び電極リード連結用タブ14、24と電極リードとが互いに連結されたタブ-リード結合部の間の連結及び接合は、スポット溶接、超音波溶接、レーザ溶接、及び導電性接着剤による結合を含む接合方式のうち何れか1つにより電気的に連結される。
【0049】
本発明に係る電極組立体は、電極組立体の一側に配置された電極リード連結用タブ14、24上には別途の補強タブを補強することができる。前記補強タブに電極リードを結合することにより、電極リード連結用タブ14、24と電極リードとを補強タブを利用して重ね当て構造のタブリード結合部を形成する。補強タブを利用して電極リード連結用タブ14、24と電極リードとを結合する補強接合方式は、陽極タブ及び陰極のうち少なくとも何れか1つに該当する。
【0050】
前記補強タブは、電極リード連結用タブ14、24と電極リードとの連結部分の強度を補強することで物理的に強化する。例えば、電極組立体の電極板から延びる電極リード連結用タブの上段に前記電極リード連結用タブよりも1倍~5倍厚い同種又は異種の金属補強タブを重ね当てることで補強して溶着する。重ね当てることで補強された補強タブ及び電極リード連結用タブは、同一又は異なる幅を有する。補強される補強タブの幅は3mm~5mm、長さは2mm~4mmであり得るが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0051】
重ね当てることで補強された補強タブ上に接合することによって電極リード連結用タブと結合する電極リードは、具体的に2mm~3mmの幅及び0.5mm~1mmの長さを有し得るが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。本発明において、電極板の集電体は、アルミニウム、ステンレススチール、及び銅を含むグループのうち何れか1つであっても良く、電極リードは、アルミニウム、ニッケル、及びニッケルがコーティングされた銅を含むグループのうち何れか1つの材質を有しても良い。電極リード連結用タブと電極リードのタブ-リード結合部上に重ね当てることで補強する補強タブは円形、楕円形、及び多角形を含むグループのうち1つの形状に形成される。
【0052】
一方、本発明に係る電極組立体は、電極リード連結用タブ14、24上に電極リード曲げ構造を結合する形態であっても良い。
【0053】
電極リードを電極リード連結用タブの上部に揃って配置した状態で、電極リードの末端一部を電極リード連結用タブの上段に溶着する。上記した状態において、電極リードを180゜曲げる過程により、電極リードが電極リード連結用タブから電極組立体の外側方向を向くようにする。これは、フレキシブルな環境で局所的な機械的負荷を最小化し、電極タブと電極リードとの間の結合補強構造の特徴を有する。電極リード連結用タブと電極リードの曲げによる接合方式は、陽極タブ及び陰極タブのうち少なくとも何れか1つに該当し得る。
【0054】
本発明の一実施例において、前記リチウム二次電池は、曲がる特性を有するフレキシブルリチウム二次電池であり、前記リチウム二次電池の最大曲がり角度の内角の範囲は10゜~180゜である。前記リチウム二次電池の曲げ動作のない一般的な状態を内角180゜に設定し、リチウム二次電池の中央部分を中心に内角の範囲を10゜まで曲げ動作を繰り返し、外部からの力によって作用する圧縮応力と引張応力においても正常な電気化学駆動が可能なフレキシブルバッテリーを具現する。
【0055】
つまり、本発明は、フレキシブル特性のリチウム二次電池において発生する応力の問題、特に厚さの厚い電極リード(例えばニッケル)も共に曲がる場合、厚さの薄い第1の電極の集電体(例えば銅)が破れたり、分離されてしまう問題を解決するために、金属タブを第1の電極タブと電極リードとの間に使用した。
【0056】
一方、電極リード連結用タブ14、24と電極リードとを補強タブを利用して結合したタブ-リード結合部、及び電極リード連結用タブと曲げタブ構造の電極リードとが結合したタブ-リード結合部は、分離膜の内側に挿入/整列された状態を有する。これにより、フレキシブル電池の最大の弱点である端子部分の外部露出を防止することで保護する。
【0057】
図4は、電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極上に切断が発生することにより、電極組立体をなす他の内部電極が閉鎖状態(シャットダウン、shutdown)に設定された状態を示す。
【0058】
具体的には、電極組立体をなす複数の電極は右側の並列連結用タブを介して連結されており、複数の電極のうち下段部最外郭に配置される極板には、電極リード連結用タブの部分に端子が形成されている。
【0059】
前記電極組立体をなす電極板のうち、前記電極並列連結用タブと電極リード連結用タブとを何れも含む第1の電極板及び第2の電極板は、前記電極組立体内において唯一単数で存在するので、上記した閉鎖状態(shutdown)への設定が可能である。前記単一の第1の電極板は、前記電極組立体の最外郭に配置され、前記単一の第2の電極板は、前記単一の第1の電極板の内側に一体的に対面して配置される。
【0060】
上記した状態において、電極組立体上に外部から曲げ及びねじりなどの外力が与えられる場合は、電極組立体の内部よりは下段部の最外郭にある電極が優先的に損傷し、切断される。
【0061】
このとき、電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極が切られると、並列連結用タブにより連結されていた電極は電流が遮断され、閉鎖状態となって容量が急減し、電池が本来の機能を果たせなくなる。これは、内部電極の損傷にもかかわらず持続的に使用する際に内部短絡へ繋がって発生し得る発火の危険性を有する既存の電池とは差別的に、予め防止する機能を提供する。
【0062】
そのために、本発明は、最外郭電極の形状及び集電体の材質を適切に活用し、外装材の破損乃至内部短絡が発生する時点の前に、電極リード連結用タブが備えられた電極の切断を誘導する。このような意図された構造は、ユーザの不注意や過度な曲げによる危険性から電池を安全にし、外部からの力による所定曲げ回数以上におけるフレキシブル電池の性能保障及び制御を必要とするデバイスに適用されることができる。
【0063】
図5は、本発明の実施例に係る金属タブ及び電極の集電体に対する引張応力試験を進行する方式を示す。電池材料の両末端に力を与えて引っ張る場合、電池材料の断面積は次第に減少していき、切断される。このとき、電池材料には外部からの力に抵抗しようとする耐力が生じ、この抵抗力を断面積値で除算したものを応力(stress)と定義する。引張応力(tensile stress)は、材料を引っ張る方向の引張力が作用して切断されるまで内部に作用する応力であり、言い換えれば、引張試験で測定される応力値である。また、同じ力が与えられたとしても、電池材料の大きさ、厚さ、形状に応じて内部に作用する引張応力は異なる。
【0064】
本発明は、分離膜を挟んで異なる極性を有する第1の電極板及び第2の電極板のうち、電極リード連結用タブを含む第1の電極板が曲げ及びねじり動作の際に第2の電極板よりも物理的に先に切断されるようにする。そのために、前記第1の電極板の集電体は、異なる極性の第2の電極板の集電体とは異なる材質を有する。
【0065】
他の一方では、前記第2の電極板の集電体は第1の電極の集電体よりも高い引張応力を有する。例えば、第1の電極板の集電体が銅である場合、第2の電極板の集電体はステンレススチール材質であっても良い。
【0066】
図6は、本発明の一実施例に係る補強タブ、電極の集電体、電極リードの材質及びヤング率をまとめた図表である。
【0067】
図6から分かるように、アルミニウム、銅、ステンレススチール、ニッケル、及び銅などを材質に構成要素を分類することができる。
【0068】
一方、ヤング率は、弾性を有するある物体が外部からの力(stress)に対して相対的な長さがどのように変化するかを示す係数である。これは物体の形状とは関係なく、単に物体を構成する材質とだけ関係がある。
【0069】
本発明は、分離膜を挟んで異なる極性を有する第1の電極板及び第2の電極板のうち、電極リード連結用タブを含む第1の電極板が曲げ及びねじり動作の際に第2の電極板よりも物理的に先に切断されるようにする。そのために、前記第1の電極板の集電体は、異なる極性の第2の電極板の集電体とは異なる材質を有する。
【0070】
他の一方では、前記第2の電極板の集電体は第1の電極の集電体よりも低いヤング率を有する。一実施例において、第1の電極板の集電体が銅である場合、第2の電極板の集電体はアルミニウム材質であり得るが、これに限定されるものではない。
【0071】
図7を参照すると、本発明に係る電極組立体は、前記電極組立体の外部を包むように上部押印部と下部押印部とが繰り返し押印加工された構造の外装材部200を配置する。
【0072】
図8を参照すると、外装材部上に繰り返し的に押印加工された複数の上部押印部と下部押印部とは、曲げ、ねじり又は皺み動作において電極組立体を有するフレキシブル電池の圧縮及び引張が可能なようにパターン及び形態が繰り返される。
【0073】
前記複数の上部押印部と下部押印部とは、前記電極組立体及び外装材部の幅と平行な方向に連続して形成される。
【0074】
前記複数の上部押印部と下部押印部とは、それぞれ上部及び下部の金型により押印される。
【0075】
電極組立体の外部を包む外装材部は、シーリング部230の赤い点線を基準にし、前記電極組立体上において上部外装材部210及び下部外装材部220を有する形態であっても良い。つまり、外装材部上に繰り返される複数の上部押印部212、222と下部押印部214、224とは、シーリング部を基準に対称する構造に形成され、上部外装材部210及び下部外装材部220上に対称的に押印される。上記した状態において、前記シーリング部を上下対称に折り曲げた後、前記外装材部の内部に前記電極組立体を収容する。
【0076】
前記上部外装材部210と下部外装材部220とを区分する基準であるシーリング部の幅は3mm~5mmであり、実際のシーリング幅は1mm~2mmであり得るが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0077】
図9を参照すると、前記外装材部上に繰り返される複数の上部押印部の高さhと下部押印部の高さh’とは同一(h=h’)であっても良い。
【0078】
前記外装材部上に繰り返される複数の上部押印部の高さhと下部押印部の高さh’は0.5mm~1mmであり、最適値は0.75mmであるが、これは一実施例に過ぎず、これに限定されるものではない。
【0079】
一方、前記外装材部上に隣接した複数の上部押印部の最高点間の幅aと複数の下部押印部の最低点間の幅bは同一(a=b)であり、波状パターンを形成する。
【0080】
本発明は、分離膜を介して上下に積層される複数の電極を有する電極組立体のうち最外郭電極を陰極で配置し、フレキシブル電池を曲げる際に電極端子が破損することを防止する。
【0081】
図10は、電極組立体をなす第1の電極板及び第2の電極板の構造、及び互いに異なる材質の集電体による本発明の実施例に係る曲げ評価の結果を示す。
【0082】
一つ目のグラフは、最下段に位置した第1の電極板の集電体として銅を採用し、最外郭電極に直ぐ隣接した第2の電極板の集電体としてヤング率の低いアルミニウムを採用した場合の曲げ評価であり、曲げ5,000~6,000回付近でノイズが発生し、作動電圧以下へと電圧が低減した。
【0083】
二つ目のグラフは、最下段に位置した第1の電極板の集電体として銅を採用し、最外郭電極に直ぐ隣接した第2の電極板の集電体として第1の電極の集電体よりも高い引張応力のステンレススチールを採用した場合の曲げ評価であり、曲げ5,000~6,000回付近で最外郭電極の銅が切断された。
【0084】
上記のような多数の実験結果、外装材が破損したり、リチウムの析出による内部短絡が発生する確率の高い曲げ回数である8,000回の前に意図的に電極の損傷及び切断を設計することで、バッテリー使用上の安全性を確保することができる。
【0085】
本発明は、電極組立体を、最外郭電極の構造及び集電体の材質の最適化により、外部からの繰り返し的なねじりと曲げによって電極リード連結用タブが備えられた最外郭電極が切断されることで電流が遮断される構造により、ユーザの不注意や過度な曲げによる危険性から電池の機能を喪失させ、使用上の安全性を確保することができる。
【0086】
積層される構造は、電極リード連結用タブ及び並列連結用タブが同時に備えられた陽極と陰極とを電極組立体の最外郭のうち一面に隣接して配置し、並列連結用タブのみが備えられた電極は、前記最外郭電極上に順次に積層される。
【0087】
一般の外装材パターンと補強された端子構造を有するフレキシブル電池は、繰り返し的な曲げ回数である8000回を前後にして外装材が破損したり、リチウムの析出による内部短絡が発生する確率が高い。
【0088】
上記した問題を克服するために、本発明は、5000回以上となる前に電極組立体をなす電極の種類と配置を調整することによって、意図的に5000回以下で先に電極が切られるように誘導する。
【0089】
上記のようにすることで、並列連結用タブのみが備えられた電極の連結された部分は、電流が遮断されると同時に無用の空間になるので、容量が急激に減少し、これ以上電池は本来の機能を果たせなくなる。