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特許7025827エアコン室内側の配線及び配管の化粧構造、並びに配管カバーと接続体との装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】エアコン室内側の配線及び配管の化粧構造、並びに配管カバーと接続体との装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20220217BHJP
   F16L 57/00 20060101ALI20220217BHJP
   F24F 1/0068 20190101ALI20220217BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F16L57/00 A
F24F1/0007 401D
F24F1/0068
H02G3/04 018
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018092644
(22)【出願日】2018-05-13
(65)【公開番号】P2019196893
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121429
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】川村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】堀 信夫
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛士
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-098514(JP,A)
【文献】特開2000-324649(JP,A)
【文献】特開平08-065851(JP,A)
【文献】特開2004-343944(JP,A)
【文献】特開2014-102003(JP,A)
【文献】実開平06-016799(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0044988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
F16L 57/00
F24F 1/0068
F24F 13/22
H02G 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコンの室内機に接続され壁孔を通して室外へと配管される冷媒管及びドレンホースの少なくとも一方を内部に収容する配管カバー内に配線されるとともに室内機と繋がるケーブルが、前記配管カバーにおける前記室内機と前記壁孔との間の経路途中から引き出されて室内のコンセントに接続され、
前記配管カバーから前記コンセントまでの前記ケーブルの室内側への露出箇所の全体が、前記ケーブルの配線経路を構成するケーブル化粧カバーと前記コンセントを覆うコンセントカバーとにより、覆い隠されている
ことを特徴とするエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造。
【請求項2】
前記ケーブルの余長部が前記配管カバー内に収められていることを特徴とする請求項1に記載のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造。
【請求項3】
前記配管カバーが構成する配管経路は、同一断面が連続する直状配管カバーと、該直状配管カバーと接続される配管カバー用付属カバーと、により構成され、
前記直状配管カバーは、壁面に固定される直状カバー基台と、該基台に組付けられて内部に前記配管経路を構成する直状カバー蓋体と、からなり、前記ケーブルの引出し箇所は、前記蓋体の前記壁面側の端縁から切欠かれて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造。
【請求項4】
前記ケーブルの引出し箇所は、前記ケーブル化粧カバーと接続される配管カバー側接続体によって覆い隠されていることを特徴とする請求項3に記載のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造。
【請求項5】
前記コンセントカバーは、前記コンセントに固定される固定部を有するとともに、前記コンセントの全体を取り囲む周壁及び該周壁の一端側を繋ぐ天壁を備え、前記コンセントに前記ケーブルを接続した状態でその全体を覆い隠す内部空間が形成されており、
前記周壁には、前記ケーブルが引き込まれる引込口が形成され、
該引込口は、前記ケーブル化粧カバーと接続されるコンセントカバー側接続体によって覆い隠されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造。
【請求項6】
請求項4に記載の配管カバー側接続体と前記コンセントカバー側接続体とは、同一形状に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造。
【請求項7】
固定部を有する板状部及び該板状部の両脇に立設する側壁を有した、壁面に固定される配管カバー基台と、該配管カバー基台の各側壁に形成された被嵌合部と嵌合する嵌合部を内側に有する一対の側板部及び該側板部を繋ぐ天板部を有し、前記配管カバー基台と互いに組付けられて内部に配線・配管経路を構成する配管カバー蓋体と、からなり、内部に冷媒管及びドレンホースの少なくとも一方が収容される配管カバーと、
前記配管カバーの途中から引き出されたケーブルを覆うケーブル化粧カバーと接続される接続口を一端に備えるとともに、他端に開口が形成され、前記ケーブルが通過可能な接続体と、
からなる配管カバーと接続体との装置であって、
前記配管カバー蓋体の側板部の先端は、該配管カバー蓋体が前記配管カバー基台に組付けられた状態で前記壁面に略接するよう形成され、
前記接続体の開口の高さは、前記配管カバー基台の側壁の高さより大きいことを特徴とする配管カバーと接続体との装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコンの室内機に接続される冷媒管等の配管、及び室内機と室内のコンセントとの間に接続されるケーブル等の配線を覆い、室内側のこれらの配管及び配線を化粧するエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造、並びに配管カバーと接続体との装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンの室内機には冷媒管及びドレンホースが接続され、これらの配管は室内の壁面を伝って壁孔から室外に通されて、冷媒管は室外機に接続され、ドレンホースは地面付近に配管される。また、室内機から引き出されたケーブルは、室内のコンセントに接続されている。ここで、冷媒管及びドレンホースについては、これらの室内外観あるいは保護の点から、特許文献1等にも記載されているように、室内機から壁孔に至る配管経路はダクト等からなる配管カバーで覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-102003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来は、室内側において冷媒管等の配管については、配管カバーで覆われてはいるものの、ケーブル等の配線については、室内機からコンセントに至る配線経路において何ら覆われておらず、露出したままの状態にあったので、室内外観としての見栄えが良くなかった。
【0005】
そこで、本発明は、エアコンの室内機から引き出された配管及び配線の室内側の見栄えを向上できる、エアコン室内側の配線及び配管の化粧構造、並びに配管カバーと接続体との装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造は、エアコンの室内機に接続され壁孔を通して室外へと配管される冷媒管及びドレンホースの少なくとも一方を内部に収容する配管カバー内に配線されるとともに室内機と繋がるケーブルが、前記配管カバーにおける前記室内機と前記壁孔との間の経路途中から引き出されて室内のコンセントに接続され、前記配管カバーから前記コンセントまでの前記ケーブルの室内側への露出箇所の全体が、前記ケーブルの配線経路を構成するケーブル化粧カバーと前記コンセントを覆うコンセントカバーとにより、覆い隠されたものである。
【0007】
請求項2のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造は、特に、ケーブルの余長部が前記配管カバー内に収められたものである。
請求項3のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造は、特に、配管カバーが構成する配管経路は、同一断面が連続する直状配管カバーと、該直状配管カバーと接続される配管カバー用付属カバーと、により形成され、前記直状配管カバーは、壁面に固定される直状カバー基台と、該基台に組付けられて内部に配管経路を構成する直状カバー蓋体と、からなり、前記ケーブルの引出し箇所は、前記蓋体の前記壁面側の端縁から切欠かれて構成されている。
【0008】
請求項4のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造は、特に、ケーブルの引出し箇所が、前記ケーブル化粧カバーと接続される配管カバー側接続体によって覆い隠されたものである。
請求項5のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造は、コンセントカバーが、前記コンセントに固定される固定部を有するとともに、前記コンセントの全体を取り囲む周壁及び該周壁の一端側を繋ぐ天壁を備え、前記コンセントに前記ケーブルを接続した状態でその全体を覆い隠す内部空間が形成されており、前記周壁には、前記ケーブルが引き込まれる引込口が形成され、前記引込口は、前記ケーブル化粧カバーと接続されるコンセントカバー側接続体によって覆われたものである。
請求項6のエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造は、請求項4に記載の配管カバー側接続体と前記コンセントカバー側接続体とが、同一形状に形成されたものである。
【0010】
請求項7の配管カバーと接続体との装置は、固定部を有する板状部及び該板状部の両脇に立設する側壁を有した、壁面に固定される配管カバー基台と、該配管カバー基台の各側壁に形成された被嵌合部と嵌合する嵌合部を内側に有する一対の側板部及び該側板部を繋ぐ天板部を有し、前記配管カバー基台と互いに組付けられて内部に配線・配管経路を構成する配管カバー蓋体と、からなり、内部に冷媒管及びドレンホースの少なくとも一方が収容される配管カバーと、
前記配管カバーの途中から引き出されたケーブルを覆うケーブル化粧カバーと接続される接続口を一端に備えるとともに、他端に開口が形成され、前記ケーブルが通過可能な接続体と、からなり、
前記配管カバー蓋体の側板部の先端は、該配管カバー蓋体が前記配管カバー基台に組付けられた状態で前記壁面に略接するよう形成され、前記接続体の開口の高さは、前記配管カバー基台の側壁の高さより大きいものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、エアコンの室内機に接続される冷媒管等の配管は、室内機から壁孔までの室内側への露出箇所の全体が配管カバーにより覆い隠されている。また、前記室内機と繋がるケーブルは、配管とともに配管カバー内に収容されるとともに、配管カバーにおける室内機と壁孔との間の経路途中から引き出されて室内のコンセントに接続され、配管カバーからコンセントまでの露出箇所の全体が、ケーブル化粧カバーとコンセントカバーとにより覆い隠されている。あるいは、前記ケーブルは、室内機からコンセントまでの露出箇所の全体が、ケーブル化粧カバーとコンセントカバーとにより覆い隠されている。したがって、エアコンの室内機から引き出された配管及び配線の室内側全体としての見栄えが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の配線及び配管の化粧構造の概略図である。
図2図1のケーブルを覆うカバー類の要部斜視図である。
図3図1のケーブルを覆うカバー類の要部正面図である。
図4図1の配管カバーを示し、(a)は分解斜視図、(b)はケーブルの引出し箇所を示す斜視図である。
図5図3のA-A切断線による断面図である。
図6図1のケーブル化粧カバーの直状ケーブルカバーを示す縦断面図である。
図7図1のケーブル化粧カバーの曲がり部ケーブルカバーを示す斜視図である。
図8図1の配管カバー側接続体を示し、(a)は平面図、(b)は斜視図、(c)は正面図、(d)は右側面図である。
図9図1のコンセントカバーの断面図である。
図10図2とは別のケーブルを覆うカバー類の要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態におけるエアコン室内側の配線及び配管の化粧構造、並びに配管カバーと接続体との装置を図に基づいて説明する。
【0014】
図1において、エアコンの室内機50からは、配管である冷媒管40及びドレンホース41が引き出されており、これらの配管は、室内の壁面51を伝って壁孔52から室外に通され、更に、図示しないが、冷媒管40は室外機に接続され、ドレンホース41は地面付近まで配管される。そして、冷媒管40及びドレンホース41は、図1に示すように、室内機50から壁孔52に至るまでの経路全体において配管カバー10の内部に収容され覆い隠されている。
【0015】
一方、室内機50と繋がるケーブル42は、図1に示すように、冷媒管40及びドレンホース41とともに室内機50から引き出された後、配管カバー10内に配線され、配管カバー10における室内機50と壁孔52との間の経路途中から冷媒管40等とは別個に引き出され、先端に取り付けられたプラグ43が差し込まれることにより室内の壁面51に設置されたコンセント60に下方側から接続されている。そして、ケーブル42は、配管カバー10からコンセント60までの室内側への露出箇所の全体が、図2及び図3に示す、ケーブル42の配線経路を構成するケーブル化粧カバー20と、コンセント60を覆うコンセントカバー30と、により覆い隠されている。ここで、コンセントカバー30により覆い隠されるケーブル42の部分は、コンセントカバー30内におけるプラグ43との接続部周辺部分である。
【0016】
これら全体の構成により、エアコン室内側の配線及び配管の化粧構造1が構成されている。また、配管カバー10と、配管カバー10の途中でケーブル42が引き出される引出し箇所15に接続される後述の配管カバー側接続体25と、により、配管カバーと接続体との装置が構成されている。
【0017】
以下、更に詳細に説明すれば、配管カバー10が構成する配管経路は、図1及び図5に示すように、同一断面が連続する直状配管カバー11と、直状配管カバー11と接続される配管カバー用付属カバー14と、により構成されている。なお、図5は、図3のA-A切断線による断面図であるが、見易くするため、上下反転して記載してある。直状配管カバー11は、壁面51に固定される直状カバー基台12と、直状カバー基台12に組付けられて内部に配管経路を構成する直状カバー蓋体13と、からなる。なお、直状カバー基台12は、配管カバー基台とも称する。また、直状カバー蓋体13は、配管カバー蓋体とも称する。直状カバー基台12は、壁面51に固定され、図示しないがビス孔からなる固定部を有する板状部12a及び板状部12aの両脇に立設する側壁12bを有している。
【0018】
直状カバー蓋体13は、一対の側板部13a,13a及び側板部13a,13aを繋ぐ天板部13bを有し、側板部13aは、直状カバー基台12の各側壁12bに形成された被嵌合部12cと嵌合する嵌合部13cを内側に有している。直状カバー蓋体13の側板部13aの先端13dは、直状カバー基台12に組付けられた状態で壁面51に略接するよう形成されている。直状カバー基台12と直状カバー蓋体13とは、互いに組付けられて内部に配線・配管経路を形成している。
【0019】
更に、配管カバー10の途中には、室内機50から引き出されたケーブル42を配管カバー10の側方に引き出す引出し箇所15が設けられており、その引出し箇所15は、直状カバー蓋体13の壁面51側の端縁13eから切欠かれて構成されている。
なお、ケーブル42に余長部が生じた場合は、配管カバー10内に収められる。
【0020】
一方、ケーブル42の配線経路を構成するケーブル化粧カバー20は、図3及び図5に示すように、同一断面が連続する直状ケーブルカバー21と、ケーブル42の配線経路の曲がり部に設けられ、両端部に直交二方向からの直状ケーブルカバー21が接続される曲がり部ケーブルカバー24と、からなり、これらの部材は合成樹脂により形成されている。
【0021】
直状ケーブルカバー21は、図6に示すように、断面が一定の四角枠状に形成され、壁面51に固定されるケーブルカバー基台22と、ケーブルカバー基台22に組付けられて内部に配線経路を構成するケーブルカバー蓋体23と、で形成されている。ケーブルカバー基台22は、図示しないがビス孔からなる固定部を有する板状部22a及び板状部22aの両脇に立設する側壁22bを有し、壁面51に固定される。ケーブルカバー蓋体23は、ケーブルカバー基台22の各側壁22bに形成された嵌合部22cと嵌合する被嵌合部23cを内側に有する一対の側板部23a,23a及び側板部23a,23aを繋ぐ天板部23bを有し、ケーブルカバー基台22と互いに組付けられて内部にケーブル42の配線経路を構成する。曲がり部ケーブルカバー24は、図7に示すように、エルボ状に屈曲した形状をなす。曲がり部ケーブルカバー24は、ケーブルカバー基台22に相当するものはなく、ケーブルカバー蓋体23に相当するもののみで構成されているが、両端側に接続されている直状ケーブルカバー21が壁面51に固定されることにより一定位置に配置される。
【0022】
ケーブル化粧カバー20の配管カバー10側の端部には、一端にケーブル化粧カバー20に接続される接続口25aを備え、他端に配管カバー10の引出し箇所15に接続される開口25bが形成され、ケーブル化粧カバー20と配管カバー10の引出し箇所15との間のケーブル42を覆い隠す配管カバー側接続体25が設けられている。配管カバー側接続体25は、図8に示すように、ケーブル化粧カバー20側の端部の接続口25aは、内面にケーブル化粧カバー20が嵌合する形状に形成され、配管カバー10の引出し箇所15側は、周壁が上方及び両側方に直線的に高さ及び幅が拡大していく形状に形成されている。
【0023】
そして、図5に示す、開口25bの高さL1すなわち壁面51に固定された状態での壁面51から開口25bの頂部までの高さL1は、配管カバー10の直状カバー基台12の側壁12bの高さL2より大きく形成されており、ケーブル42が開口25bにおける直状カバー基台12の側壁12bの上方の空間を挿通可能な大きさに形成されている。つまり、配管カバー側接続体25の実質的な開口25bは直状カバー基台12の側壁12bの上方に存在する。したがって、配管カバー10の直状カバー蓋体13を端縁13eから切り込み加工するのみで、配管カバー10内のケーブル42は直状カバー基台12の側壁12bを乗り越えてケーブル化粧カバー20内に配線可能となっている。なお、配管カバー側接続体25は、広義には、ケーブル化粧カバー20に含まれる。
【0024】
コンセントカバー30は、図9に示すように、コンセント60に固定される固定部を有するとともに、コンセント60全体を取り囲む周壁31及び周壁31の一端側を繋ぐ天壁32を備え、コンセント60にケーブル42を接続した状態でその全体を覆い隠す内部空間33が形成されている。より具体的には、コンセントカバー30は、合成樹脂製のベース34とカバー35とで構成されており、ベース34は、前記固定部を構成するものであり、全体がコ字板状に形成され、ビス61を壁裏のコンセント固定体62に取り付けることにより、コンセント60の取付枠63と壁面51とで挟持され、コンセント60に固定される。
【0025】
カバー35は、コンセント60、これに差し込まれたプラグ43及び取付枠63の前方からこれら全体に被せてベース34に嵌合あるいはビス止め等の手段により取り付けられる。コンセントカバー30の周壁31には、ケーブル42が引き込まれる引込口35aが形成されている。本実施形態において、引込口35aは、コ字状あるいはU字状に形成され、図9においてコンセントカバー30の底面部となる周壁31の中央部分に設けられている。引込口35aは、ニッパ等の工具を用いて切り欠いたり、ノックを打ち抜いたり、予め引込み開口に取り付けておいたキャップを取り外すなどして形成することができる。
【0026】
コンセントカバー30の引込口35aは、図9に示すように、他端がケーブル化粧カバー20と接続されるコンセントカバー側接続体26によって覆われている。コンセントカバー側接続体26は、配管カバー側接続体25と同一形状に形成されている。コンセントカバー側接続体26の開口26aは、コンセントカバー30のケーブル42が引き込まれる引込口35aより大きく形成されており、引込口35a全体はコンセントカバー側接続体26によって覆い隠されている。
【0027】
次に、上記のように構成された配線及び配管の化粧構造1において、冷媒管40、ドレンホース41及びケーブル42を一体に覆い隠す配管カバー10を壁面51に取り付けるには、ビスを使用して直状カバー基台12を壁面51に固定した後、その上方から直状カバー蓋体13を被せてそのまま押し付けることにより、一対の側板部13a,13aの嵌合部13c,13cを直状カバー基台12の一対の側壁12b,12bの被嵌合部12c,12cに弾性的に嵌合させればよい。
【0028】
配管カバー10における室内機50と壁孔52との間の経路途中から引き出されたケーブル42を覆い隠すケーブル化粧カバー20を壁面51に取り付けるには、ケーブル化粧カバー20の仮組み付けあるいは寸法出しによって直状ケーブルカバー21の固定位置を決め、この直状ケーブルカバー21を配管カバー10と同様にしてケーブルカバー基台22をビスを使用して壁面51に固定してからケーブルカバー蓋体23を被せて嵌合により取り付け、直状ケーブルカバー21を設置した後、直状ケーブルカバー21の両端部外面に接着剤を塗布し、曲がり部ケーブルカバー24、配管カバー側接続体25及びコンセントカバー側接続体26を上方から外嵌して組み付ける。但し、ケーブル化粧カバー20の取付方法はこれに限られるものではない。
【0029】
次に、本実施形態の配線及び配管の化粧構造の作用を説明する。
化粧構造1において、室内機50に接続されている冷媒管40等の配管は、配管カバー10の内部に収容されている。また、室内機50と繋がるケーブル42は、配管カバー10内に配線されるとともに、配管カバー10における室内機50と壁孔52との間の経路途中から引き出されて室内のコンセント60に接続され、配管カバー10からコンセント60までのケーブル42の室内側への露出箇所の全体は、ケーブル化粧カバー20とコンセントカバー30とにより覆い隠されている。したがって、エアコンの室内機50から引き出された配管及び配線の室内側全体としての見栄えが向上する。
【0030】
また、冷媒管40等の配管及びケーブル42は、これらのカバーにより、他の物体と干渉するのが防止され保護される。そして、ケーブル42は、途中までは冷媒管40等を収容する配管カバー10を利用して覆い隠され、保護されるので、部品点数が削減され、部品コストが低減する。
【0031】
なお、上記実施形態では、ケーブル42はコンセントカバー30の底面に下方側から接続されているが、コンセント60に対してプラグ43が横向きに差し込まれる場合は、ケーブル42は、コンセントカバー30の側方の周壁31から挿入される。この場合、図10に示すように、ケーブル化粧カバー20は、配管カバー10とコンセントカバー30との間に横方向に取り付けられ、一つの直状ケーブルカバー21と配管カバー側接続体25とコンセントカバー側接続体26とで構成される。
【0032】
ところで、上記実施形態の配管カバー10は、直状配管カバー11で説明したが、前述した配管カバー用付属カバー14のように、直状配管カバー11を接続する接続口を備えた、屈曲する配管経路を内部に構成する曲がりカバー(例えば、特許文献1に記載の、出入隅用化粧カバーBの第1カバー4とか第2カバー5)や、壁孔52を覆い隠す壁孔覆いカバー(例えば、特許文献1の段落36、図1に記載の、貫通孔1から室内側に導出された曲がり配管部分を覆う合成樹脂製のコーナー用化粧カバーC)などの、直状配管カバー11と接続される付属カバーも含まれる。そして、本発明を実施する場合は、ケーブル42の引き出される箇所は、付属カバーである場合も含まれる。
【0033】
また、上記実施形態において、ケーブル42の配線経路は、その途中まで配管カバー10内を配線経路として利用しているが、コンセント60の位置と壁孔52の位置とによっては、配管カバー10内を配線経路として利用することなく、ケーブル42を配線した方が美観に優れる場合がある。この場合は、室内機50から壁孔52までの間で室内に露出する冷媒管40を覆い隠す配管カバー10が構成する配管経路と、室内機50からコンセント60までの間で室内に露出するケーブル42を覆い隠すケーブル化粧カバー20が構成する配線経路とを、それぞれ独立して設置してもよい。
【0034】
加えて、上記実施形態のコンセントカバー30に接続されるコンセントカバー側接続体26は、配管カバー10に接続される配管カバー側接続体25と同一形状に形成されているが、配管カバー側接続体25と異なる形状に形成してもよい。
【0035】
また、上記実施形態の直状カバー基台12及びケーブルカバー基台22は、ビスを使用して壁面51に固定しているが、他の、接着剤や両面接着テープ等による接着手段、あるいは、先に壁面51に係合用のビスを取り付け、直状カバー基台12にだるま孔等の係止孔を形成し、この係止孔にビスの頭部を挿通させてから直状カバー基台12をスライド移動させて係止させる係止手段などにより固定してもよい。ケーブルカバー基台22についても同様である。
【0036】
更に、上記実施形態の配管カバー10の直状配管カバー11は、直状カバー基台12と直状カバー蓋体13とで構成されているが、直状カバー蓋体13のみで構成することも可能である。この場合、直状カバー蓋体13は、例えば、壁面51と当接する側に内部側に屈曲するフランジを設け、このフランジに両面接着テープを貼着するなどして壁面51に固定する。これは、ケーブル化粧カバー20のケーブルカバー基台22とケーブルカバー蓋体23とで構成される直状ケーブルカバー21についても同様である。
【0037】
そして、配管カバー10は、直状カバー蓋体13の側板部13aの先端13dが、直状カバー蓋体13が直状カバー基台12に組付けられた状態で、壁面51に略接するよう形成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、直状カバー蓋体13の側板部13aは、直状カバー基台12に組付けられた状態で先端13dが壁面51から所定距離離間したものとしてもよく、あるいは、直状カバー蓋体13は、天板部13bのみを有するものとしてもよい。これらの場合、配管カバー10におけるケーブル42の引出し箇所15は、直状カバー基台12に形成することができる。
【0038】
なお、上記実施形態の配管カバー10、ケーブル化粧カバー20等に収容されるケーブル42には、アース線も含まれる。また、本発明の配線は、ケーブル以外のものにも適用し得る。
更に、上記実施形態では、配管カバー10に冷媒管40及びドレンホース41を収容しているが、これらのいずれかのみを収容してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 配線及び配管の化粧構造 25a 接続口
2 配管カバーと接続体との装置 25b 開口
10 配管カバー 26 コンセントカバー側接続体
11 直状配管カバー 30 コンセントカバー
12 直状カバー基台 31 周壁
12a 板状部 32 天壁
12b 側壁 33 内部空間
12c 被嵌合部 34 ベース
13 直状カバー蓋体 35 カバー
13a 側板部 35a 引込口
13b 天板部 40 冷媒管
13c 嵌合部 41 ドレンホース
13d 先端 42 ケーブル
13e 端縁 50 室内機
14 配管カバー用付属カバー 51 壁面
15 引出し箇所 52 壁孔
20 ケーブル化粧カバー 60 コンセント
21 直状ケーブルカバー L1 配管カバー側接続体の開口の高さ
24 曲がり部ケーブルカバー L2 直状カバー基台の側壁の高さ
25 配管カバー側接続体
図1
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