(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】アンテナおよび当該アンテナを含むアンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/36 20060101AFI20220217BHJP
H01Q 9/04 20060101ALI20220217BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
H01Q1/36
H01Q9/04
H01Q13/08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017034771
(22)【出願日】2017-02-27
【審査請求日】2020-02-21
(31)【優先権主張番号】10-2016-0024560
(32)【優先日】2016-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517068782
【氏名又は名称】タイコ・エレクトロニクス・エイエムピー・コリア・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Tyco Electronics AMP Korea Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】イ・チャンヒョン
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-188620(JP,A)
【文献】特開2004-356971(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0217910(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/36
H01Q 9/04
H01Q 13/00- 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面ラジエーター;および
前記平面ラジエーターに接続するように構成されている
3つ以上の導電性脚部、
を含むアンテナであって、
前記平面ラジエーターは、前記平面ラジエーターの中心を通り、前記平面ラジエーターに対して垂直に延びる単一仮想線に基づく360°の回転の間に2回以上、同一形状を示すように構成されており、
前記導電性脚部は、前記平面ラジエーターの外縁に接続され、前記導電性脚部のそれぞれは前記平面ラジエーターの外縁から曲がるように構成されている垂直部;および前記垂直部から内側に向けて曲がるように構成されている水平部を含み、
前記複数の導電性脚部は、前記単一仮想線に基づく前記360°の回転
の間に2回以上、同一形状を示
し、
前記3つ以上の導電性脚部は、前記3つ以上の導電性脚部の一つを介して電流が供給され、別の導電性脚部が接地されるように接続されるものである、
アンテナ。
【請求項2】
前記アンテナは点対称形状で設けられている、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記アンテナは、前記単一仮想線に基づく前記360°の回転
の間に3回以上、前記同一形状を示す、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記平面ラジエーターは、外側から前記単一仮想線に向かって凹ませた複数の溝を含む、請求項1に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記複数の溝のうち、2つ以上の溝のそれぞれは、幅よりも大きい長さのスリット形状で設けられている、請求項4に記載のアンテナ。
【請求項6】
前記平面ラジエーター、前記垂直部および前記水平部は一体的に形成されている、請求項
1に記載のアンテナ。
【請求項7】
単一仮想線に基づく360°の回転
の間に2回以上、同一形状を示すように構成されているアンテナであって、平面ラジエーターおよび前記平面ラジエーターに接続するように構成されている複数の導電性脚部を含むアンテナ;ならびに
前記複数の導電性脚部にそれぞれ対応する複数のパッドを含む基板
を含
み、
前記導電性脚部は、前記平面ラジエーターの外縁に接続され、前記導電性脚部のそれぞれは前記平面ラジエーターの外縁から曲がるように構成されている垂直部;および前記垂直部から内側に向けて曲がるように構成されている水平部を含み、
前記複数のパッドは、2つの行および3つの列を含む整列で配置されており、
前記1つ以上の接地パッドは、前記整列の第1行に位置付けられており、
前記1つ以上の信号パッドは、前記整列の第2行に位置付けられており、
前記整列の第1行の中央に位置付けられているパッドは、前記複数の導電性脚部の1つに半田付けにより固定されている固定パッドである、
アンテナモジュール。
【請求項8】
前記複数のパッドは、前記複数の導電性脚部のうち1つ以上の導電性脚部を通って電流を供給するように構成されている1つ以上の信号パッドを含む、請求項
7に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記複数のパッドは、前記複数の導電性脚部のうち前記1つ以上の導電性脚部に接続するように構成されている1つ以上の接地パッドをさらに含む、請求項
8に記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
前記1つ以上の信号パッドは、前記複数のパッドの中央に位置付けられる第1信号パッドを含み、
前記1つ以上の接地パッドは、前記第1信号パッドに基づく第1信号パッドの両側に対称的に配置される第1接地パッドおよび第2接地パッドを含む、請求項
9に記載のアンテナモジュール。
【請求項11】
前記複数のパッドは、前記複数の導電性脚部のうちの1つ以上の導電性脚部に半田付けにより固定するように構成されている固定パッドをさらに含む、請求項
8に記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、韓国特許庁に2016年2月29日に出願された韓国特許出願第10-2016-0024560号の優先権の利益を主張するものであり、その開示内容を本明細書中に組み込むものである。
【0002】
1.発明の技術分野
本発明の1つ以上の実施態様は、アンテナおよび当該アンテナを含むアンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
アンテナは、導体を用いて形成される部品であって、電波を別の場所に送信したり、または電波を当該場所から受信したりして、無線通信を行うものであり、様々な製品、例えば、無線電信、無線電話、無線、テレビ等に利用されている。アンテナモジュールは、基板および当該基板上に取り付けられる1以上のアンテナを含む。一般的には、アンテナは製品の目的および形状に適した特定の形態で製造される。
【0004】
韓国特許登録第10-0794788号は、アンテナモジュールの一例として、多重入力多重出力(multiple input multiple output)(MIMO)アンテナを開示する。当該アンテナモジュールはMIMOアンテナに関するものであり、多重周波数バンド(multi-frequency band)で動作し、かつ小型化された寸法を有するように設計されている。
【0005】
最近、無線モバイル通信技術を用いた高品質のマルチメディアサービスへの要求は、大容量のデータをより速く、より小さいエラー確率で送信するための次世代無線送信技術への要求を加速させている。このため、MIMOアンテナが提案されている。MIMOアンテナは、特定の構造において複数のアンテナデバイスを配置することによりMIMO動作を行う。MIMOアンテナは、複数のアンテナデバイスの放射電力(radiation power)および放射パターン(radiation pattern)を融合することにより、放射パターン全体をシャープな形状で形成し、かつ電磁波をさらなる場所に送信するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
その結果、データ送信速度を特定の範囲内で高めることができ、特定のデータ送信速度についてシステムレンジを増大させることができる。MIMOアンテナは、モバイル通信端末、リピーター(repeater)のための、広く利用可能な次世代モバイル通信技術であり、データ通信の拡大等により危機的な状況に近接している、モバイル通信の送信容量の限界を超える次世代技術として関心を得ている。
【0008】
その一方で、無線端末で利用可能な、様々な種類の無線通信サービス、例えば、グローバル・ポジショニング・システム(global positioning service)(GPS)、ワイヤレス・フィディリティ(wireless fidelity)(WiFi)、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(wireless local area network)(WLAN)、ワイヤレス・ブロードバンド・インターネット(wireless Broadband Internet)(WiBro)、ブルートゥース(Bluetooth)等が現在、発展している。単一無線端末を用いた各無線通信サービスを使用するために、再構成可能なアンテナモジュールが必要とされている。
【0009】
一般的なMIMOアンテナの場合には、複雑かつ対称的な形状の一対以上のアンテナが、放射パターンの最適化および干渉の防止(prevention of interference)、例えば、相互間の隔離(isolation)を考慮して、対称的に配置されることが必要である。
【0010】
1つ以上の実施態様は、周囲環境にかかわらず、対称的な放射パターン(radiation pattern)を達成し、かつ単一の金型(a single mold)を用いて製造されるアンテナ、および当該アンテナを含むアンテナモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つ以上の実施態様の1つの側面によれば、
単一仮想線に基づく360°の回転に応じて2回以上、同一形状を示すように構成されている平面ラジエーター(planar radiator);および前記平面ラジエーターに接続するように構成されている複数の導電性脚部(conductive legs)を含むアンテナ
を提供する。前記複数の導電性脚部は、前記単一仮想線に基づく前記360°の回転に応じて2回以上、同一形状を示す。
【0012】
前記アンテナは点対称形状で設けられている。
【0013】
前記アンテナは、前記単一仮想線に基づく前記360°の回転に応じて3回以上、前記同一形状を示す。
【0014】
前記平面ラジエーターは、外側から前記単一仮想線に向かって凹ませた複数の溝を含む。
【0015】
前記複数の溝のうち、2つ以上の溝のそれぞれは、幅よりも大きい長さのスリット形状で設けられている。
【0016】
前記複数の導電性脚部のうち、2つ以上の導電性脚部のそれぞれは、
前記平面ラジエーターの外縁から曲がるように構成されている垂直部;および
前記垂直部から内側に向けて曲がるように構成されている水平部
を含む。
【0017】
前記平面ラジエーター、前記垂直部および前記水平部は一体的に形成されている。
【0018】
1つ以上の実施態様の1つの側面によれば、
単一仮想線に基づく360°の回転に応じて2回以上、同一形状を示すように構成されているアンテナであって、平面ラジエーターおよび前記平面ラジエーターに接続するように構成されている複数の導電性脚部を含むアンテナ;ならびに
前記複数の導電性脚部にそれぞれ対応する複数のパッドを含む基板
を含む、アンテナモジュール
を提供する。
【0019】
前記複数のパッドは、前記複数の導電性脚部のうち1つ以上の導電性脚部を通って電流を供給するように構成されている1つ以上の信号パッド(signal pads)を含む。
【0020】
前記複数のパッドは、前記複数の導電性脚部のうち前記1つ以上の導電性脚部に接続するように構成されている1つ以上の接地パッド(ground pads)をさらに含む。
【0021】
前記1つ以上の信号パッドは、前記複数のパッドの中央に位置付けられる第1信号パッドを含み、
前記1つ以上の接地パッドは、前記第1信号パッドに基づく第1信号パッドの両側に対称的に配置される第1接地パッドおよび第2接地パッドを含む。
【0022】
前記複数のパッドは、2つの行および3つの列を含む整列で配置されている。前記1つ以上の接地パッドは、前記整列の第1行に位置付けられており、前記1つ以上の信号パッドは、前記整列の第2行に位置付けられており、前記整列の第1行の中央に位置付けられているパッドは、前記複数の導電性脚部の1つに半田付けにより固定されている固定パッド(fixing pad)である。
【0023】
前記複数のパッドは、前記複数の導電性脚部のうちの1つ以上の導電性脚部に半田付けにより固定するように構成されている固定パッドをさらに含む。
【発明の効果】
【0024】
幾つかの実施態様によれば、個々のアンテナは、当該個々のアンテナの対称的な形状により、対称的な放射パターンを形成してもよい。このため、複数のアンテナがアンテナモジュールに対称的に提供される場合、当該複数のアンテナは、同じ相互作用および干渉作用を有し、これにより、全体の放射パターンを容易に予見するのを可能にする。
【0025】
また幾つかの実施態様によれば、個々のアンテナは対称的な形状であるため、アンテナモジュールに使用される複数のアンテナは単一の金型を用いて製造され得る。
【0026】
また幾つかの実施態様によれば、アンテナモジュールの基板に設けられる信号パッド、接地パッドおよび固定パッドはスイッチされ、これにより、設計仕様に基づいて使用されてもよい。従って、複数の特性(または属性)(properties)を有するアンテナモジュールの生産性は、同じ基板の使用を可能にする。さらに、放射形状および特性(characteristic)は、電力供給脚部(power supplying leg)のために使用されるパッドに基づいて変化するので、単一アンテナモジュールは複数の目的のために使用されてもよい。
【0027】
また一般的なアンテナ構造は、所定の電力供給脚部および接地脚部(ground leg)を用いた標準条件に基づいて単一共鳴周波数特性(single resonance frequency characteristic)を示す。しかしながら、幾つかの実施態様によれば、アンテナモジュールに接続される回路を様々に変形することにより、多機能共鳴周波数(multifunctional resonance frequency)を提供してもよい。その結果、複数の不特定なバンドを支持する条件下において、形状が異なる複数のアンテナを用いることに由来する不都合を克服することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示内容における、このような側面および/または他の側面、特徴ならびに利点は、下記の添付の図面を併用して以下に説明する実施態様から、明らかになり、より容易に理解されるだろう:
【
図1】
図1は一実施態様に係るアンテナモジュールを示す。
【
図2】
図2は一実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【
図3】
図3は一実施態様に係るアンテナを示す上面図である。
【
図5】
図5は一実施態様に係るアンテナモジュールで電流が伝わる方向を示す。
【
図6】
図6は一実施態様に係るアンテナモジュールで放射パターンが広がる方向を示す。
【
図7】
図7は別の実施態様に係るアンテナモジュールで放射パターンが広がる方向を示す。
【
図8】
図8は一実施態様に係るアンテナのH-平面放射パターンを示す。
【
図9】
図9は一実施態様に係るアンテナのE-平面放射パターンを示す。
【
図10】
図10は、アンテナが1×2整列で配置されている、一実施態様に係るアンテナモジュールのH-平面放射パターンを示す。
【
図11】
図11は、アンテナが1×4整列で配置されている、一実施態様に係るアンテナモジュールのH-平面放射パターンを示す。
【
図12B】
図12Bは、一実施態様に係るアンテナモジュールのパワー・フィーダ(power feeder)への、
図12Aの第1整合回路の適用に応じて現れる共鳴周波数特性を示すグラフである。
【
図13B】
図13Bは、一実施態様に係るアンテナモジュールのパワー・フィーダへの、
図13Aの第2整合回路の適用に応じて現れる共鳴周波数特性を示すグラフである。
【
図14】
図14は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【
図15】
図15は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【
図16】
図16は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【
図17】
図17は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【
図18】
図18は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【
図19】
図19は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【
図20】
図20は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付の図面を参照しながら、幾つかの実施態様について詳しく説明する。図面において要素に付与されている参照番号について、同じ要素は、異なる図面で示される場合であっても、可能な限り同じ参照番号により示されていることに注意するべきである。また、実施態様の説明において、よく知られている関連構造または機能の詳細な説明は、当該説明が本開示内容の説明をあいまいにするようである場合、省略する。
【0030】
さらに、本明細書中、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語は、構成部品を類型化するために用いられてもよい。このような専門用語はそれぞれ、対応する構成部品の本質、順序または順番を明確にするために使用されているのではなく、対応する構成部品を他の構成部品と単に区別するために使用されている。本明細書中、1つの構成部品が別の構成部品に「接続」、「結合」または「接合」されていることが記載されている場合、第1構成部品が第2構成部品に直接的に接続、結合または接合されていてもよいが、第3構成部品が第1構成部品と第2構成部品との間で「接続」、「結合」または「接合」されていてもよいことに注意するべきである。
【0031】
一実施態様に含まれる構成部品と共通する機能を有する構成部品は、別の実施態様において同様の名称を用いて説明されている。特に別の説明がなければ、一実施態様においてなされた説明は別の実施態様に適用可能であってもよく、二重の詳細な説明は省略する。
【0032】
図1は一実施態様に係るアンテナモジュールを示し、
図2は一実施態様に係るアンテナを示す見取り図であり、
図3は一実施態様に係るアンテナを示す上面図であり、
図4は一実施態様に係る基板を示す。
【0033】
図1~
図4を参照すると、アンテナモジュール1はあらゆる種類の電子デバイス、例えば、モバイル・デバイス、乗り物(vehicle)、ウェアラブル・デバイス(wearable device)、インターネット・オブ・シングス(Internet of Things)(IoT)等に適用可能であってもよい。アンテナモジュール1は1つ以上のアンテナ、例えば、第1アンテナ11および第2アンテナ12、ならびに1つ以上のアンテナが取り付けられる基板15を含んでいてもよい。
【0034】
1つ以上のアンテナは、対称的な形状で整列して配置される第1アンテナ11および第2アンテナ12を含んでいてもよい。第1アンテナ11および第2アンテナ12のそれぞれは、対応するアンテナの対称的な形状により、対称的な放射パターンを形成する。このため、第1アンテナ11および第2アンテナ12を含む複数のアンテナが単一アンテナモジュール1において対称的に配置される場合、当該複数のアンテナは同じ相互作用(mutual effect)および干渉作用(interference effect)を有してもよい。第1アンテナ11および第2アンテナ12は、後述するように、対称的構造に起因して、単一の同一の金型を用いて製造されてもよい。明確に説明するために、第1アンテナ11はまた「アンテナ11」とも呼ばれる。特記しない限り、第1アンテナ11に関する説明は、第2アンテナ12に適用可能であってもよい。
【0035】
アンテナ11は、単一仮想線Vに基づく360°の回転に応じて2回以上、同一形状を示す対称的な形状で設けられていてもよい。例えば、
図1~
図3を参照すると、アンテナ11は、当該アンテナ11を単一仮想線Vに基づいて360°回転すると、同一形状を2回示す対称的な形状で設けられていてもよい。例えば、アンテナ11は点対称形状で設けられていてもよい。
【0036】
アンテナ11は平面ラジエーター111および当該平面ラジエーターに接続するように構成されている複数の導電性脚部を含んでもよい。
【0037】
平面ラジエーター111は、単一仮想線Vに基づく360°の回転に応じて2回以上、同一形状を示す対称的な形状で設けられていてもよい。
【0038】
複数の導電性脚部112は、単一仮想線Vに基づく360°の回転に応じて2回以上、同一形状を示す対称的な形状で設けられていてもよい。例えば、
図1~
図3を参照すると、複数の導電性脚部112は、当該複数の導電性脚部112を単一仮想線Vに基づいて360°回転すると、同一形状を2回以上示す対称的な形状で配置されていてもよい。ここで、複数の導電性脚部112のうち、2つ以上の導電性脚部のそれぞれは、平面ラジエーター111の外縁から曲がるように(屈曲するように)構成されている垂直部112a、および当該垂直部112aから内側に向けて曲がるように(屈曲するように)構成されている水平部112bを含んでもよい。例えば、垂直部112aおよび水平部112bは、平面材料を用いて形成されていてもよい。
【0039】
その一方で、平面ラジエーター111、垂直部112a、および水平部112bは、単一金型(single mold)を用いて製造されてもよいし、または単一平面導体(single planar conductor)を切削し(cutting)、曲げる(屈曲させる)(bending)方法により一体的に形成されてもよい。
【0040】
アンテナ11は、プレス機構(press scheme)を用いて、アンテナ形状、スロット等のアンテナ発展形状(antenna development shape)を切削および曲げる方法により形成されてもよい。またアンテナ11は、レーザー・ダイレクト・ストラクチャリング(laser direct structuring)(LDS)機構、モールディッド・インターコネクト・デバイス(a molded interconnect device)(MID)、フレキシブル印刷回路板(flexible printed circuit board)(FPCB)等を用いて形成されてもよい。
【0041】
アンテナ11は、多重入力多重出力(MIMO)アンテナ、モノポール・アンテナ(monopole antenna)、平面インバーテッドFアンテナ(planar inverted F antenna)(PIFA)等として使用されてもよい。例えば、アンテナ11に含まれる複数の導電性脚部112のうちの1つを電力供給脚部として使用する場合、当該アンテナ11はモノポール・アンテナとして機能する。別の例として、アンテナ11に含まれる複数の導電性脚部112のうちの1つを電力供給脚部として使用し、かつそれらのうちの別の1つを接地脚部として使用する場合、当該アンテナ11はPIFAとして機能する。上記した2つの場合においては、アンテナ11は対称的な構造であり、当該アンテナ11の対称的な形状に起因して対称的な放射パターンを形成してもよい。
【0042】
その一方で、一実施態様に係るアンテナ11は、以下のように、パッチ・アンテナ(patch antenna)と区別されてもよい。パッチ・アンテナは一般的には、マイクロ-ストリップ・アンテナ(micro-strip antenna)と呼ばれ、印刷回路板(PCB)、誘電体板、およびストリップライン(strip line)を用いて接地板に基づいて設計されている。しかしながら、一実施態様に係るアンテナ11は、平面ラジエーター111の整列位置が最大の放射効果を達成するように、グランド・フィル-カット状態(ground fill-cut condition)に基づいて構成されており、このため、対称的なラジエーター種に基づいて、モノポール・アンテナまたはPIFA等の種類を満足させることができるアンテナとして理解されてよく、マイクロ-ストリップ・アンテナとは相違している。詳しくは、パッチ・アンテナは、接地板、誘電体板、およびストリップラインに基づいて設計されているが、一般的なモノポール・アンテナ、PIFA等の一般的なアンテナは、50オーム・インピーダンス条件を満足し、かつグランド・フィル-カット状態に基づくアンテナ設計および整合成分(matching component)を用いて所望の共鳴周波数バンドの形成を促進するように、設計されている。
【0043】
基板(substrate)15は、接地のための接地部(ground portion)151、アンテナ11に電気的に接続するように構成されている複数のパッドP、当該複数のパッドPが配置されるアンテナ・レシーバー(antenna receiver)153、および当該複数のパッドPのうち1つ以上のパッドPに電力を供給するように構成されているパワー・フィーダー157を含んでもよい。
【0044】
接地効果を増大させるように構成されているビア-ホール(via-hole)152は接地部151に形成されてもよい。例えば、接地部151が3つの層を含む場合、キャパシタンス部品(capacitance component)が底部層と上部層との間に形成されてもよい。しかしながら、ビア-ホール152を用いて底部層と上部層を接続することにより、キャパシタンス成分が底部層と上部層との間に形成されるのを防止することができる。すなわち、ビア-ホール152は、望まれていないプラスチック成分を減少させるか、または別法として最小化してもよい。
【0045】
複数の導電性脚部112に対応する複数のパッドPはそれぞれ、アンテナ・レシーバー153に設けられていてもよい。例えば、
図1~
図4を参照すると、アンテナ11が6つの導電性脚部112を含む場合、アンテナ・レシーバー153に6つのパッドPが設けられていてもよい。
【0046】
複数のパッドPは、1つ以上の導電性脚部112を通って電流を供給するように構成されている1つ以上の信号パッド(SP1、SP2、SP3)を含んでもよい。信号パッド(SP1、SP2、SP3)はパワー・フィーダー157に接続され、平面ラジエーター111に電流を伝達する。信号パッド(SP1、SP2、SP3)に接続されている導電性脚部112は電力供給脚部と呼ばれてもよい。
【0047】
複数のパッドPは、複数の導電性脚部112のうち1つ以上の導電性脚部112に接続するように構成されている1つ以上の接地パッド(GP1、GP2)をさらに含んでもよい。接地パッド(GP1、GP2)は、接地部151に接続され、接地として機能してもよい。その一方で、接地パッド(GP1、GP2)に接続される導電性脚部112は接地コネクタと呼ばれてもよい。
【0048】
複数のパッドPは、複数の導電性脚部112のうちの1つ以上の導電性脚部112に半田付けにより固定するように構成されている固定パッドFPをさらに含んでもよい。固定パッドFPはアンテナ11の結合をさらに確保してもよい。
【0049】
図4は一例として提供されているだけのものであり、信号パッド(SP1、SP2、SP3)、接地パッド(GP1、GP2)および固定パッド(FP)はスイッチされ、これにより、設計仕様に基づいて使用されてもよい。信号パッド、接地パッドおよび固定パッドの部分を省略してもよく、数多くの信号パッド、数多くの接地パッドおよび数多くの固定パッドを変形してもよい。一実施態様によれば、複数の特性(または属性)を有するアンテナモジュールを、同じ基板を用いて、製造することができる。従って、アンテナモジュールの生産性を高めることができる。すなわち、放射の種類および特性(characteristic)は、パワー・フィーダー157に接続するように選択される信号パッドに基づいて変化するので、単一アンテナモジュールを複数の目的のために用いることができる。
【0050】
例えば、1つ以上の信号パッド(SP1、SP2、SP3)は、複数のパッドPの中央に位置付けられる第1信号パッドSP2を含んでもよい。1つ以上の接地パッド(GP1、GP2)は、第1信号パッドSP2に基づいて対称的に配置されている第1接地パッドGP1および第2接地パッドGP2を含んでもよい。
【0051】
詳しくは、複数のパッドPは、整列して配置されていてもよく、例えば、2つの行および3つの列を含む2×3整列で配置されていてもよい。ここで、1つ以上の接地パッド(GP1、GP2)は、前記整列の第1行に位置付けられていてもよく、1つ以上の信号パッド(SP1、SP2、SP3)は、前記整列の第2行に位置付けられていてもよく、前記整列の第1行の中央に位置付けられている固定パッドFPは、複数の導電性脚部112のうちの1つの単一導電性脚部112に半田付けにより固定されていてもよい。反対に、信号パッドは、前記整列の第1行に位置付けられていてもよく、接地パッドおよび固定パッドは、ユーザーの設計意図に基づいて、前記整列の第2行に位置付けられていてもよい。
【0052】
複数のパッドPは、受動部品(passive component)、例えば、インダクタ、キャパシタ、抵抗等を用いて、アンテナ11に接続されてもよい。その性能は、接続の有無および適用されるべき受動部品に基づいて、様々に変化してもよい。
【0053】
パワー・フィーダー157は、アンテナ11の信号パッドに電流を供給してもよい。パワー・フィーダー157は、受動部品の接触点として利用でき、かつ相互に離れている複数の小形端子(small terminals)であって、直列部品パッド(series component pad)と呼ばれてもよい端子を含んでいてもよい。直列部品パッドは、様々なシミュレーションのために4段階整合構造(four-stage matching structure)、例えば、アンテナ-直列-分路-直列-分路(antenna-series-shut-series-shut)を含んでいてもよく、また各端子で受動部品を適切に使用することによりインピーダンス整合(impedance matching)のために設計されていてもよい。その一方で、2つの直列は相互に接続されてもよく、分路はインピーダンス整合条件に基づいて、接続されないように処理されてもよい。
【0054】
例えば、パワー・フィーダー157は、アンテナ11に電流を供給するように構成されているソース154、当該ソース154からアンテナ11に電流を伝達する通路として機能するように構成されている直列部(series portion)156、および当該直列部156に接続するように構成されている分路部(shunt portion)155を含んでもよい。
【0055】
直列部156は、信号パッド(SP1、SP2、SP3)に近接して配置されている第1直列パッド(first series pad)1561、およびソース154に近接して配置されている第2直列パッド(second series pad)1562を含んでもよい。第1直列パッド1561の一端および第2直列パッド1562の一端は相互に電気的に接続されていてもよい。様々な種類の受動部品は、半田付け等を用いて、第1直列パッド1561および第2直列パッド1562に接続されていてもよい。このような方法においては、電流は直列部156全体に流れてもよい。
【0056】
分路部155の一端は直列部156に電気的に接続されていてもよく、分路部155の他端は接地部151に接続されていてもよい。設計された整合条件が満たされない場合、受動部品を分路部155に接続することにより、インピーダンス整合を行ってもよい。分路部155は、第1直列パッド1561の一端および第2直列パッド1562の一端に電気的に接続するように構成されている第1分路パッド(first shunt pad)1551、ならびに第2直列パッド1562の他端およびソース154の一端に電気的に接続するように構成されている第2分路パッド(second shunt pad)1552を含んでいてもよい。様々な受動部品は、半田付け等を用いて、第1分路パッド1551および/または第2分路パッド1552に接続されていてもよい。インピーダンス整合条件に基づいて、第1分路パッド1551または第2分路パッド1552は非接続に処理されてもよい。
【0057】
分路部155は、インピーダンス整合のための端子として使用されてもよい。接地パッドを使用する代わりに、パワー・フィーダー157のみを使用する場合においては、インダクタ部品を分路部155に接続することにより、PIFAアンテナにおける接地接続(ground connection)と同様の条件が提供されてもよい。上記構造物は半-PIFA(semi-PIFA)として理解されてもよい。
【0058】
図5は一実施態様に係るアンテナモジュールで電流が伝わる方向を示す。
【0059】
図5を参照すると、単一ペアを構成する第1アンテナ11および第2アンテナ12は、パワー・フィーダー157から伝わる電流の大きさおよび方向が同じであり、従来のアンテナとは相違する。従来のアンテナの場合においては、電流の大きさは当該アンテナの形状に基づいて変化する。例えば、当該アンテナの幅が相対的に広い領域で流れる電流の大きさは相対的に大きく、また当該アンテナの幅が相対的に狭い領域で流れる電流の大きさは小さい。単一ペアを構成する各アンテナで流れる電流の方向は、相互に向き合う反対方向をなす。
【0060】
図6は一実施態様に係るアンテナモジュールで放射パターンが広がる方向を示し、
図7は別の実施態様に係るアンテナモジュールで放射パターンが広がる方向を示す。
図6および
図7で示される電流の方向は、
図5で示される電流の方向と相違する。放射パターンは接地GNDから広がることが知られているため、放射パターンの広がり方向(propagation direction)を
図6および
図7に概念的に示す。
【0061】
図6および
図7を参照すると、一実施態様に係るアンテナモジュール1においては、アンテナ11の中央に位置付けられる導電性脚部112にパワー・フィーダー157が接続されているという条件に基づいて、アンテナ11の中央に位置付けられる導電性脚部112の左のものまたは右のもののいずれかに地面が接続されているが、アンテナモジュール1は同じインピーダンス特性を有していてもよく、アンテナ11は同じ性能を有するように維持されてもよい。
【0062】
従って、電流の流れは、所望の放射パターンに基づいて導電性脚部112に接続されている地面(接地)(ground)の方向を決定することにより、アンテナ11の左または右にスイッチされてもよい。すなわち、放射パターンの種類は、地面(接地)が接続される側を決定することにより決定される電流の流れ方向に基づいて変化してもよい。
【0063】
アンテナ11の対称的な形状に起因して、アンテナ11は、地面(接地)が導電性脚部112のうちの左のものに接続されているか、または右のものに接続されているかどうかに拘わらず、インピーダンスの変化を経験せず、従来のアンテナと相違する。従って、アンテナモジュール1において同じ形状を有する単一ペアのアンテナ、例えば第1アンテナ11および第2アンテナ12は、対称的に配置されて使用されてよく、接地の位置は所望の放射パターンの方向に基づいて変化してもよい。すなわち、ユーザーの設計意図に基づいて、接地パッドの位置を変化させることにより、放射方向を変化させてもよい。
【0064】
従来のアンテナの場合においては、パワー・フィーダーに接続される部分および地面(接地)に接続される部分は、相互に明確に区別されて決定される。従って、パワー・フィーダーおよび地面(接地)の一方の接続位置が変わると、対応するアンテナは、初期に意図された設計とは異なるインピーダンス特性を有し、アンテナ性能に変化をもたらす。このため、アンテナ性能を変化させることはほとんど不可能である。一実施態様に係るアンテナ11は、従来のアンテナで見つかった上記した事項について、性能が優れている。
【0065】
一方で、
図6および
図7を参照すると、アンテナモジュール1は基板15と平面ラジエーター111との間で誘電体として空気を用いる。しかしながら、空気は一例として提供されているだけである。基板15と平面ラジエーター111との間には、空気に加えて、プラスチック、セラミック、液体等が配置されてもよい。
【0066】
図8は、一実施態様に係るアンテナのH-平面放射パターン(H-plane radiation pattern)を示し、
図9は一実施態様に係るアンテナのE-平面放射パターン(E-plane radiation pattern)を示す。
図10は、アンテナが1×2整列で配置されている、一実施態様に係るアンテナモジュールのH-平面放射パターンを示し、
図11は、アンテナが1×4整列で配置されている、一実施態様に係るアンテナモジュールのH-平面放射パターンを示す。
【0067】
図8および
図9を参照すると、一実施態様に係るアンテナ11は当該アンテナ11の対称的な形状に起因して対称的な放射パターンを形成する。このことは、H-平面およびE-平面の両方から確かめることができる。
【0068】
上記特性を利用して、同じアンテナ11を複数列での整列となるように配置することにより、
図10および
図11に示す全方向式放射パターン(omni-directional radiation pattern)を形成してもよい。当該全方向式放射パターンを有するアンテナ11は、指向性放射パターンを有する従来のアンテナと区別される。
【0069】
図12Aは一実施態様に係る第1整合回路(first matching circuit)を示し、
図12Bは、一実施態様に係るアンテナモジュールのパワー・フィーダ(power feeder)への、
図12Aの第1整合回路の適用に応じて現れる共鳴周波数特性を示すグラフである。
図13Aは一実施態様に係る第2整合回路(second matching circuit)を示し、
図13Bは、一実施態様に係るアンテナモジュールのパワー・フィーダへの、
図13Aの第2整合回路の適用に応じて現れる共鳴周波数特性を示すグラフである。
【0070】
図12A、
図12B、
図13Aおよび
図13Bを参照すると、アンテナモジュール1は、整合回路を変えることに応じて、
図12Bに示すようなGPS共鳴周波数特性(GPS resonance frequency characteristic)を示してもよいし、または
図13Bに示すようなデュアルWiFi特性(dual WiFi characteristic)を示してもよい。アンテナモジュール1において、1.5GHz~6GHzの周波数バンドに対応する共鳴が形成されていることは、
図12Bおよび
図13Bから確かめることができる。アンテナ特性は最小1.5GHz~6GHzまたはそれ以上の周波数バンドの範囲内において可変(variable)であることを知見することができる。
【0071】
一般的なアンテナ構造は、所定の電力供給脚部または当該所定の電力供給脚部および接地脚部を用いた標準条件に基づいて単一共鳴周波数特性を示す。しかしながら、一実施態様に係るアンテナモジュール1は、信号パッドおよび/または接地パッドを変化させることにより、または整合回路を変えることにより、多機能共鳴周波数作用(multifunctional resonance frequency function)を提供する。多機能共鳴周波数作用は、同じアンテナモジュール1を用いて補助的条件(peripheral condition)を変えることにより、2つ以上の利用可能な周波数バンドを満足させる作用を示す。
図12A~
図13Bは、同じアンテナモジュールを用いて整合部品(matching component)を変えることにより、GPSバンドおよびデュアルWiFiバンドを満足させる例を示す。共鳴周波数インピーダンス(resonance frequency impedance)は、整合部品を変えることにより、.5GHz~6GHzのバンドの範囲内で調節できることを知見することができる。すなわち、一実施態様に係るアンテナモジュール1においては、周波数バンドを選択することができる。従って、不特定なマルチバンドを支持する条件下において、種類が異なる複数のアンテナを用いることに由来する不都合を克服することができる。例えば、製造に費やす時間、コスト、努力等を節約することができる。
【0072】
図14は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【0073】
図14を参照すると、別の実施態様に係るアンテナ21は平面ラジエーター211および複数の導電性脚部212を含んでもよい。1以上の導電性脚部212は平面ラジエーター211の各エッジ(edge)に設けられてもよい。
【0074】
図15は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【0075】
図15を参照すると、別の実施態様に係るアンテナ31は平面ラジエーター311および複数の導電性脚部312を含んでもよい。複数の導電性脚部312の数は変えてもよい。
【0076】
図16は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【0077】
図16を参照すると、別の実施態様に係るアンテナ41は平面ラジエーター411および複数の導電性脚部412を含んでもよい。アンテナ41は、単一仮想線Vに基づく360°の回転に応じて4回、同一形状を示してもよい。
【0078】
図17は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【0079】
図17を参照すると、別の実施態様に係るアンテナ51は平面ラジエーター511および複数の導電性脚部512を含んでもよい。平面ラジエーター511のコーナー部に面取り処理(Chamfering processing)を行ってもよい。
【0080】
図18は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【0081】
図18を参照すると、別の実施態様に係るアンテナ61は平面ラジエーター611および複数の導電性脚部612を含んでもよい。平面ラジエーター611は、当該平面ラジエーター611の外側から中央、すなわち
図18の仮想線Vに向かって凹ませた(設けられた)複数の溝611aを含んでもよい。複数の溝611aは、単一仮想線Vに基づく360°の回転に応じて2回以上、同一形状を示すように対称的に配置されてもよい。例えば、
図18を参照すると、複数の溝611aは、単一仮想線Vに基づく360°の回転に応じて4回、同一形状を示すように対称的に配置されてもよい。複数の溝611aのうち、2つ以上の溝611aのそれぞれは、幅よりも大きい長さのスリット形状で設けられていてもよい。スリット形状の溝611aは、アンテナ61に流れる電流の流れを引き延ばすことにより、アンテナ61により送信される電波の共鳴周波数を低周波数バンドに動かしてもよい。すなわち、アンテナ61により送信される電波の周波数は、複数の溝611aの長さを調節することにより、容易に調節されてもよい。
【0082】
図19は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【0083】
図19を参照すると、別の実施態様に係るアンテナ71は平面ラジエーター711および複数の導電性脚部712を含んでもよい。ここでアンテナ71は、単一仮想線Vに基づく360°の回転に応じて3回、同一形状を示してもよい。
【0084】
図20は別の実施態様に係るアンテナを示す見取り図である。
【0085】
図20を参照すると、別の実施態様に係るアンテナ81は、複数の溝811aを含む平面ラジエーター811および複数の導電性脚部812を含んでもよい。
【0086】
様々な実施態様によれば、アンテナ形状の相違にかかわらず、放射パターンは同様の結果を示してもよい。放射パターンの形状が完全に同じであることが示されているというよりも、例えば、
図5に示すように単一ペアのアンテナに流れる電流の大きさおよび方向が同じであるなど、同じ特徴または対応する特徴が得られ、すなわちアンテナの電力供給脚部が
図6および
図7等に示すように中央に位置付けられていることに基づいて、接地脚部の位置を変えることにより、放射パターンの広がり方向を変えることができる。
【0087】
幾つかの実施態様によれば、個々のアンテナは、当該個々のアンテナの対称的な形状により、対称的な放射パターンを形成してもよい。このため、複数のアンテナがアンテナモジュールに対して対称的に配置される場合、当該複数のアンテナは同じ相互作用および干渉作用を有し、これにより、全体の放射パターンを容易に予見するのを可能にする。また個々のアンテナは対称的な形状であるため、アンテナモジュールに使用される複数のアンテナは単一の金型を用いて製造され得る。アンテナモジュールの基板に設けられている信号パッド、接地パッドおよび固定パッドは、設計仕様に基づいて、スイッチされて使用されてもよい。従って、複数の特性(または属性)を有するアンテナモジュールの生産性は、同じ基板の使用を可能にする。さらに、放射形状および特性は、電力供給脚部のために使用されるパッドに基づいて変化するので、単一アンテナモジュールは複数の目的のために使用されてもよい。また一般的なアンテナ構造は、所定の電力供給脚部および接地脚部を用いた標準条件に基づいて単一共鳴周波数特性を示す。しかしながら、幾つかの実施態様によれば、アンテナモジュールに接続される回路を様々に変形することにより、多機能共鳴周波数を提供してもよい。その結果、複数の不特定なバンドを支持する条件下において、形状が異なる複数のアンテナを用いることに由来する不都合を克服することができる。
【0088】
数多くの実施態様を上記で説明した。それにもかかわらず、このような実施態様に対して、様々な変形を行ってもよいことを理解するべきである。例えば、仮に、記載の技術を異なる順序で実施しても、かつ/または記載されている系、構造、デバイスまたは回路における構成部品を、異なる方法で組み合わせたり、かつ/または他の構成部品またはそれらの等価物で置き換えまたは補足したりしても、適切な結果が得られる。従って、他の実施も以下の請求項の範囲内である。