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特許7025938融資条件情報提供装置、融資条件情報提供方法、及びそのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】融資条件情報提供装置、融資条件情報提供方法、及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20220217BHJP
【FI】
G06Q40/02 300
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018006726
(22)【出願日】2018-01-18
(65)【公開番号】P2019125263
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2018-10-15
【審判番号】
【審判請求日】2020-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 拓也
【合議体】
【審判長】高瀬 勤
【審判官】相崎 裕恒
【審判官】溝本 安展
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-102616(JP,A)
【文献】特開2001-216403(JP,A)
【文献】特開2004-54353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00/-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事業者の会計情報を記憶する記憶部と、
前記会計情報に基づいて、複数の金融機関における前記事業者への融資条件に関する融資条件情報を算出する算出部と、
前記算出部で算出された前記融資条件情報を表示する画面を前記事業者が利用する事業者端末に提供する出力部と、
を備え、
前記算出部は、前記融資条件情報を、自動的に所定のタイミングで繰り返して算出し直し、
前記出力部は、前記算出部で算出し直された前記融資条件情報を、前記事業者端末に提供する、
融資条件情報提供システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記金融機関における前記融資条件情報に変動があった場合、変動があった前記融資条件情報を強調表示する、
請求項1に記載の融資条件情報提供システム。
【請求項3】
前記出力部は、前記金融機関における前記融資条件情報に変動があった場合、変動があった前記融資条件情報を優先的に表示する、
請求項1または請求項2に記載の融資条件情報提供システム。
【請求項4】
前記算出部において前記会計情報に基づき前記複数の金融機関のうち前記融資条件情報を算出できない金融機関があった場合、前記事業者に対して、前記融資条件情報を算出できない金融機関で前記融資条件情報を算出するために必要な情報を、登録するよう促す提案部、
をさらに備える請求項1乃至のいずれか一項に記載の融資条件情報提供システム。
【請求項5】
前記複数の金融機関から、少なくとも一以上の前記金融機関を選択するための入力を受け付ける入力部、
をさらに備える請求項1乃至のいずれか一項に記載の融資条件情報提供システム。
【請求項6】
前記出力部は、
複数の前記融資条件情報のうち、前記事業者が口座を開設している金融機関における融資条件情報を優先的に表示する、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の融資条件情報提供システム。
【請求項7】
前記出力部は、
前記複数の融資条件情報を、所定の優先順位に基づいて並び替える、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の融資条件情報提供システム。
【請求項8】
前記出力部は、
前記複数の融資条件情報を、所定の規則により判定される融資条件が良い順に並び替える、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の融資条件情報提供システム。
【請求項9】
事業者の会計情報を記憶する記憶部と、
複数の金融機関それぞれに関連する判定装置が備える算出部であって、前記記憶部に記憶されている前記会計情報に基づいて、前記複数の金融機関それぞれにおける前記事業者への融資条件に関する融資条件情報を算出する前記算出部と、
前記算出部で算出された前記融資条件情報を表示する画面を前記事業者が利用する事業者端末に提供する出力部と、
を備え、
前記算出部は、前記融資条件情報を、自動的に所定のタイミングで繰り返して算出し直し、
前記出力部は、前記算出部で算出し直された前記融資条件情報を、前記事業者端末に提供する、
融資条件情報提供システム。
【請求項10】
コンピュータが、
事業者の会計情報を記憶するステップと、
前記会計情報に基づいて、複数の金融機関における前記事業者への融資条件に関する融資条件情報を算出するステップと、
算出された前記融資条件情報を表示する画面を前記事業者が利用する事業者端末に提供するステップと、
前記融資条件情報を、自動的に所定のタイミングで繰り返して算出し直すステップと、
算出し直された前記融資条件情報を、前記事業者端末に提供するステップと、
を実行する融資条件情報提供方法。
【請求項11】
コンピュータを、
事業者の会計情報を記憶する手段、
前記会計情報に基づいて、複数の金融機関における前記事業者への融資条件に関する融資条件情報を算出する手段、
算出された前記融資条件情報を表示する画面を前記事業者が利用する事業者端末に提供する手段、
前記融資条件情報を、自動的に所定のタイミングで繰り返して算出し直す手段、及び
算出し直された前記融資条件情報を、前記事業者端末に提供する手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、融資条件情報提供装置、融資条件情報提供方法、及びそのプログラ等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、金融業界において、ICTを駆使することによって、新たな金融サービスの提供や既存のサービスの強化を行う、フィンテックと呼ばれる動きが活発化している。例えば、フィンテック関連技術の一例として、インターネットを介して融資取引の申し込みを受け付け、審査結果に基づき融資を行うシステムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-35583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の従来のシステムは、融資先が提供するものである。したがって、従来のシステムの利用者は、運営する融資先において審査した結果しか確認することができない。その結果このようなシステムの利用者は、複数の融資先の融資条件を比較しようとする場合、各融資先のシステムにおいて審査を受ける必要があり、手間がかかっていた。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、複数の融資先の情報を容易に比較可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、融資条件情報提供装置は、事業者の会計情報を記憶する記憶部と、会計情報を複数の金融機関それぞれの金融機関サーバへ提供する提供部と、複数の金融機関それぞれの金融機関サーバから、会計情報に基づいて評価された、事業者への融資条件に関する融資条件情報を取得する取得部と、複数の金融機関それぞれの金融機関サーバから取得された融資条件情報を表示する画面を事業者が利用する事業者端末に提供する出力部と、を備える。
【0007】
なお、本明細書等において、「部」とは、単に物理的構成を意味するものではなく、その構成が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、2つ以上の構成の機能が1つの物理的構成により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の融資先の情報を容易に比較可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態におけるシステムの構成の一例を示す構成図である。
図2A】本発明の一実施形態における判定装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図2B】本発明の一実施形態における融資条件情報提供装置の機能ブロックの一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態における事業所情報DBの一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態における出力部が出力する画面の一例を示す図である。
図5】本発明の一実施形態における出力部が出力する画面の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態における出力部が出力する画面の一例を示す図である。
図7】本発明の一実施形態における出力部が出力する画面の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態における出力部が出力する画面の一例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態における出力部が出力する画面の一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態におけるシステムの処理フローを示すシーケンス図である。
図11】本発明の一実施形態における端末装置、管理端末及びサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、本発明の実施の形態の1つについて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。また、以下においては、理解を容易にするべく、情報処理装置を利用して本発明が実現される実施の形態を例にとって説明するが、上述の如く、本発明はそれに限定されない。
【0011】
<1.システムの概要>
図1は、本実施形態に係る融資条件情報提供装置100を含むシステム10の構成の一例を示している。図1に示すように、システム10は、ネットワークNを介して、融資条件情報提供装置100と、端末装置200と、複数の判定装置(金融機関サーバの一例である)300とが互いに接続されて構成されている。
【0012】
本実施形態に係るシステム10では、融資条件情報提供装置100は、ユーザ(以下「事業者」ともいう。)に対して会計に関する情報を管理するサービスを提供する。システム10においてサービスの提供を受けたい事業者は、端末装置200を操作して、融資条件情報提供装置100にアクセスし、サービスへの登録を行う。事業者の情報が融資条件情報提供装置100に登録されると、融資条件情報提供装置100は、事業者が調達可能な資金額(融資額、与信枠)を事業者に提示する。なお、融資条件情報提供装置100は、融資額の他にも、例えば利率や信用度、返済期限等を提示してもよい。
【0013】
ネットワークNは、無線ネットワークや有線ネットワークにより構成される。通信ネットワークの一例としては、携帯電話網や、PHS(Personal Handy-phone System)網、無線LAN(Local Area Network)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation )、WiMax(登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、有線LAN、電話線、電灯線ネットワーク、IEEE1394等に準拠したネットワークがある。
【0014】
端末装置200は、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、ネットワークNを介して融資条件情報提供装置100と接続可能なあらゆる情報処理装置を利用することができる。端末装置200はプロセッサ、キーボードやマウス、各種操作ボタンやタッチパネルなどの入力装置、液晶ディスプレイなどの表示装置、通信ネットワークNに接続するための通信インタフェース、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)などの記憶資源を備えている。
【0015】
融資条件情報提供装置100は、汎用的なコンピュータである。融資条件情報提供装置100は1台のコンピュータである必要はなく、ネットワークNに分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。また、複数の判定装置300は、事業者に融資を行う資金調達先(例えば金融機関等である)と関連するサーバである。
【0016】
<2.機能構成>
<2-1.判定装置300>
図2Aを参照して判定装置300の機能構成を説明する。図2Aは判定装置300の機能ブロック図である。図2Aに示すように、判定装置300は取得部301と、算出部302と、提供部303とを備えている。
【0017】
取得部301は、融資条件情報提供装置100から事業所情報(詳細については後述するが、事業者の情報は例えば基本情報と明細データである。)を取得する。取得部301は、例えば融資条件情報提供装置100の記憶部から事業者情報を吸い上げる他、融資条件情報提供装置100から送信される事業者情報を受信する構成でもよい。また、取得部301は、所定の間隔(例えば1か月)で事業所情報を取得してもよいし、融資条件情報提供装置100において事業所情報が更新されるごとに事業所情報を取得してもよい。
【0018】
算出部302は、取得部301が取得した事業所情報(詳細については後述するが、事業者の情報は例えば基本情報と明細データである。)に基づいて、融資条件情報を算出する。融資条件情報は、融資可能額や年利、融資可能期間等の融資条件を少なくとも含む情報である。なお、算出部302は、例えばJICC(日本信用情報機構)やCIC(CREDIT INFORMATION CENTER)等の指定信用情報機関から取得した、事業者の信用度を表す情報に基づいて融資条件情報を算出してもよい。算出部302は、取得部301が事業所情報を取得するタイミングにあわせて融資条件情報を算出してもよいし、任意の間隔で融資条件情報を算出してもよい。
【0019】
提供部303は、算出部302が算出した融資条件情報を融資条件情報提供装置100に提供する。融資条件情報の提供方法として、提供部303が融資条件情報提供装置100に融資条件情報を送信する方法の他、融資条件情報提供装置100からアクセス可能なデータベースに融資条件情報を書き込む方法等、様々な方法を用いることができる。
【0020】
なお、判定装置300は、ASPサービスやクラウドサービス等による会計ソフトやPOSレジ機能、クレジットカード決済サービス、ECサービス、銀行口座、請求書作成サービス等を提供することも可能である。
【0021】
<2-2.融資条件情報提供装置100の機能構成>
図2Bを用いて、融資条件情報提供装置100の機能について説明する。図2Bは、融資条件情報提供装置100の機能を示すブロック図である。図2Bに示すように、融資条件情報提供装置100は、機能部として、記憶部130、登録受付部120、取得部121、提供部122及び出力部123を有している。
【0022】
記憶部130には、事業所情報DB131、及び融資条件情報DB132が保存されている。図3は事業所情報DB131の一例を示す図である。事業所情報DB131には、事業所IDと基本情報と、連携先情報と、明細データとが対応付けられて登録されている。以下の説明では、基本情報と、連携先情報と、明細データとをまとめて事業所情報ともいう。
【0023】
基本情報は、事業者に関する基本的な情報である。基本情報の一例として、法人情報(法人名、法人電話番号、及び法人住所等)、代表者情報(代表者氏名、代表者連絡先、及び代表者の生年月日等)、及び事業情報(所有口座の情報、事業書の区分、最寄駅、住所等)が挙げられる。なお、基本情報に含まれる情報は法人の情報に限らず、個人事業主に関する情報でもよい。また、詳細は後述するが、基本情報は、確定申告に必要な情報(申告区分等)を含んでもよい。
【0024】
連携先情報は、事業者の明細データを自動取得する連携先に関する情報である。連携先は、例えば、銀行や、ネットバンク、クレジットカード会社等の金融機関の他、POSレジや通販サイト等である。連携先情報として、例えばPOSレジや銀行口座、会計ソフトの識別子等の他、連携先に開設している口座の情報や、連携先のホームページにログインするためのログイン情報(ユーザIDやパスワード)、契約番号等が登録される。
【0025】
明細データ(会計情報の一例である。)は、事業者が行った取引の記録である。例えば、明細データには、取引日や取引金額、取引相手、取引の内容、勘定科目等が含まれる。
【0026】
なお、事業所情報DB131は、さらに申込み情報が登録される構成でもよい。申込み情報は、事業者が融資に申し込む際に必要な情報である。申込み情報の一例として、申込み日時、希望借入金額、融資期間、返済回数、及び資金使途等が挙げられる。
【0027】
融資条件情報DB132には、判定装置300から取得した融資条件情報が登録されている。融資条件情報は、上述のとおり、融資可能額や年利、融資可能期間等を少なくとも含む情報である。
【0028】
登録受付部120は、事業者からのサービスへの登録を受け付ける。具体的には、登録受付部120は、所定の登録画面(図4乃至図9参照)を端末装置200に提示させ、事業者から基本情報や連携先情報等の入力を受け付ける。登録受付部120は、受け付けた基本情報を事業所情報DB131に登録する。
【0029】
なお、登録受付部120は、端末装置200において撮影された本人確認資料や決算書、確定申告書、謄本等の画像の登録を受け付けてもよい。また、連携先から取引データを取得する際にアカウント情報(IDやパスワード)が必要な場合(例えば外部サービスがアカウント情報を必要とするものである場合等)、登録受付部120は、連携先の指定を受け付ける際に、アカウント情報も受け付けて事業所情報DB131に記憶しておくことができる。
【0030】
なお、登録受付部120は、資金調達先への融資の申し込みを受け付ける構成としてもよい。この場合、登録受付部120は、事業者から融資の申し込みに必要な情報(申込み情報)を受付け、受け付けた情報を、判定装置300に提供することができる。
【0031】
取得部121は、事業所情報DB131を参照して、連携先から明細データを取得する。取得部121は、所定の間隔(例えば1日1回等)で、複数の連携先をクロールすることで明細データを取得して、事業所情報DB131の対応するレコードを更新することができる。なお、取得部121は、端末装置200等の他の装置からの指示に応じて明細データを取得してもよい。
【0032】
提供部122は、事業所情報DB131に登録された事業所情報を判定装置300に提供する。例えば、事業所情報の提供方法として、提供部122が判定装置300に事業所情報を送信することができる。なお、判定装置300が事業所情報DB131にアクセス可能な場合には、判定装置300が事業所情報を吸い上げてもよい。
【0033】
出力部123は、複数の判定装置300それぞれから融資条件情報を取得し、ユーザの端末装置200に提示する。出力部123は、所定の間隔(例えば月1回等)で複数の判定装置300をクロールすることで、融資条件情報を取得してもよい(プル型)し、判定装置300が融資条件情報を送信する構成である場合には、送信された融資条件情報を受信して取得してもよい(プッシュ型)。出力部123は、受信した融資条件情報を融資条件情報DB132に記録する。なお、判定装置300が融資条件情報DB132に直接融資条件情報を書き込む形式でもよい。
【0034】
出力部123は、取得した融資条件情報について、複数の資金調達先からの融資条件情報を比較可能な画面を端末装置200に提示することが好ましい(図6参照)。一例として、出力部123は、複数の資金調達先からの融資条件情報を一覧表示することができる。このとき出力部123は、所定の優先順位に基づいて融資条件情報を表示させることが好ましい。例えば、出力部123は、融資条件が良い順(融資可能額が高い順、年利が安い順、融資可能期間が長い順等)に融資条件情報を表示させてもよい。また例えば、出力部123は、事業所情報DB131を参照して、事業者が口座を保有している資金調達先からの融資条件情報を優先的に表示させてもよい。
【0035】
さらに出力部123は、融資条件情報に変動があった資金調達先の融資条件情報を強調表示することが好ましい。このとき、出力部123は、融資条件情報に変動があった融資条件情報を優先的に表示させてもよい。
【0036】
提案部124は、ある事業者について、複数の資金調達先のうち融資条件情報を算出できないものがあった場合には、融資条件情報を算出するための情報の登録を当該事業者に促す。例えば、事業所情報DB131に評価に必要な期間(例えば2か月以上)の明細データが登録されていないことにより融資条件情報を算出できなかった資金調達先がある場合には、当該期間以上の明細データを登録するように事業者に促すことができる。
【0037】
<3.画面例>
図4乃至図9を参照して、本実施形態に係る融資条件情報提供装置100が提示する画面の一例について説明する。
【0038】
図4は、ホーム画面の一例である。ホーム画面は、表示エリアA1~A6を有している。表示エリアA1は、事業所情報が表示される領域である。図4の例では事業所情報がまだ登録されていないため、事業所情報の入力を促す画像と、事業所情報のうちの基本情報を登録する基本情報登録画面(図7)へと遷移するボタンB1とが表示されている。
【0039】
表示エリアA2はセットアップ、すなわちサービスの提供に必要な事業所情報の登録の進行状況が表示される領域である。表示エリアA2には、アカウント作成に対応するアイコンI1と、事業所情報の入力に対応するアイコンI2と、データ連携に対応するアイコンI3と、仕訳入力に対応するアイコンI4とが表示されている。図4のホーム画面の例では、アカウントは作成済みであるが、事業所情報の入力やデータ連携、仕訳の入力が未実施であるため、アイコンI2乃至I4がグレーアウトされて表示されている。
【0040】
アイコンI2を押下すると、基本情報を登録する画面(図7)へと遷移し、アイコンI3を押下するとデータの連携先を登録する画面(図8)へと遷移し、アイコンI4を押下すると仕訳の入力を行う画面(図9)へ遷移する。
【0041】
表示エリアA3は、データ連携を行った単数又は複数の口座の残高合計が表示される領域である。図4の例ではデータ連携が未実施であるため、合計金額には0が表示されている。表示エリアA3には、データ連携を行うためのデータ連携ボタンB2が表示されている。データ連携は、ユーザから例えば金融機関の指定を受け付け、当該金融機関で管理されている明細データを自動で取得する機能である。データ連携ボタンB2が押下されると、データの連携先を登録する画面(図8)へと遷移する。
【0042】
表示エリアA4は、ネットバンキングの口座を開設したり、クレジットカードを新規契約したりする領域である。図4の画面では、新規に口座を開設する銀行として「AA銀行」が、新規に契約するクレジットカードとして「BBカード」が表示されている。なお、表示エリアA4に表示される銀行やクレジットカード会社はユーザが任意に変更可能としてもよい。登録ボタンB4を押下すると、銀行やクレジットカード会社のHPに遷移し、口座の開設等の手続きをすることができる。
【0043】
表示エリアA5は、連携する資金調達先を設定する領域である。図4の例では、資金調達先はまだ設定されていない。表示エリアA5に表示されている連携ボタンB6を押下すると、資金調達先設定画面(図5)に遷移する。
【0044】
表示エリアA6は、お知らせ一覧を表示する領域である。なお、図4の例ではお知らせは表示されていない。
【0045】
図5は、資金調達先設定画面の一例である。資金調達先設定画面は、表示エリアA7、A8を有している。
【0046】
表示エリアA7は、資金調達先として選択可能な金融機関を一覧表示する領域である。なお資金調達先として選択可能なものは金融機関に限定されない。表示エリアA7には、金融機関の名称と、ロゴと、選択ボタンB7とが金融機関ごとに表示されている。選択ボタンB7において、「ON」を選択した金融機関が、ホーム画面の表示エリアA5において資金調達先として表示される。
【0047】
表示エリアA8は、表示エリアA7に表示されている金融機関(資金調達先)のうち、ユーザに対して融資可能だと判定した金融機関を一覧表示する領域である。表示リアA8には、金融機関の名称と、融資条件と、申込みボタンB9が表示されている。申込ボタンB9を押下することで、ユーザは借入の申込を行うことができる。具体的には申込みボタンB9を押下すると、ユーザに対して申込み情報の入力を求める画面が表示される。入力された申込情報は、判定装置300に送信される。判定装置300では、申込み情報に基づいて、再度、審査を行い、審査の結果に基づいて、実際にユーザに対して融資が実行される。
【0048】
図6は、資金調達先の金融機関を選択した後のホーム画面の一例である。画面の表示領域の関係上、図6において、表示エリアA6は表示されていないが、表示される構成でもよい。
【0049】
図6の表示エリアA5には、資金調達先設定画面において、ユーザが資金調達先として選択した金融機関について、金融機関の名称と、融資条件とが一覧表示されている。さらに表示エリアA5には、選択された金融機関に対して融資を申し込むための申込ボタンB9(図5の機能と同様である)が表示されている。図6の例では、資金調達先は融資額の高い順に表示されている。しかし、これに限定されず、年利の低い順に表示されてもよいし、ユーザが口座を所有している資金調達先を優先的に表示してもよい。また、図6の例では資金調達先設定画面において「ON」を選択した資金調達先がすべて表示されているがこれに限定されず、例えば融資条件の良い順番に所定の数の資金調達先が表示されてもよい。さらに、融資条件情報に変動があった場合には、変動した融資条件情報を優先的に表示してもよいし、強調表示してもよい。なお、融資条件情報の強調は、融資条件情報の全体でもよいし、融資条件情報のうち変動した項目(例えば、融資可能額、年利等)だけでもよい。
【0050】
図7は、基本情報登録画面の一例である。基本情報登録画面では、例えば以下の情報を登録することができる。
・事業所名。事業所名がない場合は、個人名を入力してもよい。
・代表者氏名
・事業所区分
・提出書類の申告区分。例えば、事業所得の申告をする場合には「一般」を、不動産所得の申告をする場合には「不動産」を、両方申告する場合には「一般・不動産」を選択することができる。
・申告区分。税務署に青色申告承認申請書を提出し、青色申告の届出が済んでいる場合には「青色申告」、それ以外の場合には「白色申告」を選択する。
・業種区分
・都道府県(事業所の所在地)
・製造原価科目の利用の要否。製造業などで、製造原価科目を使用したい場合に利用を選択する。利用を選択すると、製造原価専用の勘定科目が作成され、該当の科目を使って仕訳登録すると、青色申告決算書の「製造原価の計算」という箇所に内訳が反映される。
なお、基本情報登録画面では、これらの他、会計期間や消費税の申告の要否を選択することも可能である。
【0051】
図8は連携先登録画面の一例である。連携先登録画面では、銀行口座(例えばネットバンキングの口座)やクレジットカード、POSレジ、通販サイト、プリペイドカード、交通IC等の名称を指定することで、データを連携する金融機関等の連携先の情報を登録することができる。なお、このとき連携先から明細を自動取得するために必要な情報(ログイン情報や契約番号、パスワード等)も併せて登録することができる。
【0052】
図9は仕訳入力画面の一例である。仕訳入力画面では、連携先から自動取得した明細データに勘定項目を設定することで、明細データの仕分けを行う。本実施形態に係る融資条件情報提供装置100では、連携先から明細データを取得すると、明細の内容に基づいて自動で勘定項目を設定する。ユーザは設定された勘定項目に誤りがある場合には、仕訳入力画面から正しい勘定項目に変更することができる。
【0053】
<4.処理フロー>
図10を参照して、本実施形態に係る融資条件情報提供装置100の処理フローの一例について説明する。まず、本実施形態に係るサービスへの申込を希望する事業者は、端末装置200を操作して、融資条件情報提供装置100にアクセスし、会員登録を行う(S11)。このとき、融資条件情報提供装置100の登録受付部120は、事業所情報として、基本情報や連携先情報の登録を受け付ける。登録受付部120は受け付けた事業所情報を事業所情報DB131に登録する(S12)。
【0054】
送信部122は、事業所情報DB131に登録された事業所情報を判定装置300に送信する(S22)。判定装置300では、算出部302が送信された事業所情報を取得し、融資条件情報を算出する(S31)。さらに、判定装置300の提供部303は、算出した融資条件情報を融資条件情報提供装置100に提供する(S32)。
【0055】
出力部123は、提供された融資条件情報を取得し、融資条件情報DB132に登録する(S23)。出力部123は、複数の判定装置300から融資条件情報を取得し、端末装置200に対して、それぞれの融資条件情報を比較可能なように提示する(S24)。
【0056】
このように、本実施形態に係る融資条件情報提供装置100によると、複数の資金調達先からの融資条件情報を、比較可能なように事業者に対し提示することができる。これによって、事業者は自分にあった条件の資金調達先を容易に選択することができる。
【0057】
<ハードウェア構成>
以下、図11を参照しながら、上述してきた融資条件情報提供装置100、判定装置300及び端末装置200をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0058】
図11に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801、メモリ803、記憶装置805、入力I/F部807、データI/F部809、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0059】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、融資条件情報提供装置100の登録受付部120、取得部121、提供部122、出力部123及び提案部124、並びに判定装置300の取得部301、算出部302、及び提供部303などは、メモリ803に一時記憶された上で、主にプロセッサ801上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0060】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0061】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、事業所情報DB131や、融資条件情報DB132等を記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0062】
入力I/F部807は、管理者からの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0063】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0064】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0065】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。
【0066】
[その他の実施形態]
既述の実施形態においては、判定装置300は金融機関等の資金調達先が管理する装置として説明したがこれに限定されない。例えば金融機関等の資金調達先が管理する装置(金融機関サーバ)と判定装置300は別の装置でもよい。この場合、資金調達先では、金融機関サーバを用いて融資条件情報提供装置100から明細データを取得し、取得した明細データを判定装置300に提供することで融資条件情報を判定装置300に算出させてもよい。この場合、金融機関サーバは判定装置300が算出した融資条件情報を取得し、融資条件情報提供装置100へと提供する。
【0067】
また例えば、資金調達先では、金融機関サーバを用いて融資条件情報提供装置100から明細データを取得した後、判定装置300へ明細データを提供しなくてもよい。この場合、資金調達先の職員等が明細データ等に基づいて事業者に融資条件情報を手動で設定し、設定した融資条件情報を金融機関サーバを用いて融資条件情報提供装置100へ提供してもよい。
【0068】
また、例えば、既述の実施形態では、資金調達先は明細データに基づいて融資条件情報を算出する例について説明したがこれに限定されない。例えば、不動産や、有価証券等に基づいて算出してもよい。この場合には、例えば事業者が融資条件情報提供装置100へ不動産や有価証券等の保有状況を登録し、登録された保有状況を融資条件情報提供装置100が金融機関サーバに提供する構成でもよい。
【0069】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0070】
10 システム
100 融資条件情報提供装置
120 登録受付部
121 取得部
122 提供部
123 出力部
130 記憶部
131 事業所情報DB
132 融資条件情報DB
200 端末装置
300 判定装置
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11