(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】操作装置及び水栓装置
(51)【国際特許分類】
E03C 1/042 20060101AFI20220217BHJP
E03C 1/10 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
E03C1/042 B
E03C1/10
(21)【出願番号】P 2018063892
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 建吾
(72)【発明者】
【氏名】近藤 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 亮佑
(72)【発明者】
【氏名】坂井 恵利
(72)【発明者】
【氏名】勝田 美樹
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-24363(JP,A)
【文献】特開平7-868(JP,A)
【文献】特開2014-64745(JP,A)
【文献】特開2007-32271(JP,A)
【文献】特開2008-231686(JP,A)
【文献】特開2008-256141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/00-1/10
A47K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水栓装置に用いられる操作装置であって、
押圧操作を受けて第1方向に可動な押圧操作体と、
前記押圧操作体が押圧操作を受ける毎に、前記第1方向での位置を切り替え可能に前記押圧操作体を保持する位置切替機構と、
前記押圧操作体が押圧される押圧方向での前記押圧操作体の動きに連動して移動可能な移動体と、
前記押圧操作体の前記押圧方向での動きに連動した前記移動体の移動方向とは反対側に前記移動体を付勢可能な第1付勢部材と、を備え、
前記移動体は、前記押圧操作体が押圧操作を受けていない状態のとき、前記位置切替機構により保持される前記押圧操作体の保持位置によらず、前記第1付勢部材により前記第1方向において定位置に保持される操作装置。
【請求項2】
前記移動体は、可動弁体を有し、
本操作装置は、前記可動弁体が着座可能な固定弁体を備え、
前記定位置は、前記可動弁体が前記固定弁体に着座する位置である請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記可動弁体は、自らが回転することによって、前記水栓装置の動作状態を変更可能であり、
前記位置切替機構は、前記押圧操作体が押圧操作を受ける毎に、前記固定弁体から離れる方向に移動させてから前記可動弁体を回転させることが可能である請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
回転操作を受けて回転可能な回転操作体を備え、
前記押圧操作体は、前記回転操作体の内部空間を前記回転操作体の回転軸方向の片側から覆う位置に設けられる請求項1から3のいずれかに記載の操作装置。
【請求項5】
前記回転操作体が設けられる筒状部を有する装置本体を備え、
前記押圧操作体は、前記押圧操作を受けて前記第1方向に動くことによって、前記水栓装置の動作状態を変更させることが可能であり、
前記回転操作体は、前記回転操作を受けて回転することによって、前記水栓装置の動作状態を変更させることが可能であり、
前記回転操作体及び前記筒状部の一方は、前記回転操作体により変更可能な前記水栓装置の動作状態を表示する状態表示部を有し、
前記回転操作体及び前記筒状部の他方は、前記状態表示部と協働して、前記回転操作体により選択されている前記水栓装置の動作状態を特定するための状態特定部を有する請求項4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記位置切替機構の構成部品と前記移動体の前記第1方向での相対位置は、前記押圧操作体の前記第1方向での保持位置に応じて変化する請求項1から5のいずれかに記載の操作装置。
【請求項7】
前記位置切替機構は、前記押圧操作体の保持位置を3段階以上に切り替え可能である請求項1から6のいずれかに記載の操作装置。
【請求項8】
前記移動体の押圧方向側の一部を収容する第1収容部と、前記押圧方向とは反対側の反押圧方向側の前記移動体の一部を収容する第2収容部と、を有する装置本体を備え、
前記第1付勢部材は、前記第1収容部内に配置される請求項1から7のいずれかに記載の操作装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の操作装置を備える水栓装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓装置に用いられる操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、水栓装置に用いられるボタン機構が記載されている。このボタン機構には、押しボタンが押圧操作を受ける毎に、押しボタンの位置を第1位置と第2位置とに切り替え可能に保持する位置切替機構が組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のボタン機構では、押圧操作体(押しボタン)が押圧される押圧方向での押圧操作体の動きに連動して、位置切替機構の構成部品である切替部材と一体的に軸部材が移動可能である。この軸部材は、位置切替機構により保持される押しボタンの保持位置に応じて変化する。本発明者は、このような位置切替機構を操作装置に組み込むうえで、設計上の自由度を高める観点から、改善の余地があるとの認識を得た。
【0005】
本発明のある態様は、このような課題に鑑みてなされ、その目的の1つは、押圧操作体の位置を切り替え可能な位置切替機構を組み込む場合に、設計上の自由度の向上を図れる操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の課題を解決するための本発明の第1態様は操作装置である。第1態様の操作装置は、水栓装置に用いられる操作装置であって、押圧操作を受けて第1方向に可動な押圧操作体と、前記押圧操作体が押圧操作を受ける毎に、前記第1方向での位置を切り替え可能に前記押圧操作体を保持する位置切替機構と、前記押圧操作体が押圧される押圧方向での前記押圧操作体の動きに連動して移動可能な移動体と、前記押圧操作体の前記押圧方向での動きに連動した前記移動体の移動方向とは反対側に付勢可能な第1付勢部材と、を備え、前記移動体は、前記押圧操作体が押圧操作を受けていない状態のとき、前記位置切替機構により保持される前記押圧操作体の保持位置によらず、前記第1付勢部材により前記第1方向において定位置に保持される。
【0007】
第1態様によれば、押圧操作体の保持位置を切り替え可能な位置切替機構を操作装置に組み込む場合に、押圧操作体の保持位置によらず移動体を定位置に保持できるようになるため、設計上の自由度の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の水栓装置を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の水栓装置の設置状態を示す平面図である。
【
図3】第1実施形態の水栓装置の一部の側面断面図である。
【
図5】第1実施形態の給水路の一部を模式的に示す説明図である。
【
図8】
図7の内部本体部品のA-A線断面図である。
【
図9】
図7の可動弁体、内部本体部品及びシャフトのA-A線断面図である。
【
図10】
図9の可動弁体及びシャフトのB-B線断面図である。
【
図11】
図9の可動弁体及びシャフトのC-C線断面図である。
【
図12】
図4の状態から押しボタンの保持位置が変化した状態を示す図である。
【
図13】第1実施形態の位置切替機構の一部の構成部品の分解図である。
【
図14】第1実施形態の受け部材の斜視断面図である。
【
図15】第1実施形態の受け部材の内周面の一部を平面上に展開した模式図である。
【
図16】
図6のD-D線断面の一部を示す図である。
【
図17】第1実施形態の位置保持機構の動作を示す説明図である。
【
図18】第1実施形態の押しボタンが押圧操作を受けている途中状態を示す図である。
【
図19】第1実施形態の回転ハンドルの動作の説明図である。
【
図20】第1実施形態の押しボタンの動作の説明図である。
【
図21】第1実施形態の押しボタンの保持位置と水栓装置の動作状態との関係を示す図である。
【
図22】第1実施形態の回転ハンドルの保持位置と水栓装置の動作状態との関係を示す図である。
【
図23】第2実施形態の位置切替機構の一部を
図15と同じ視点から見た図である。
【
図24】第3実施形態の位置切替機構の一部を
図15と同じ視点から見た図である。
【
図25】第4実施形態の押しボタンを
図21と同じ視点から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。図面は符号の向きに合わせて見るものとする。本明細書での「接触」とは、特に明示がない限り、言及している二者が直接的に接触する場合の他に、他の部材を介して間接的に接触する場合も含む。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、第1実施形態の操作装置10が用いられる水栓装置12を示す斜視図である。水栓装置12は、水栓装置12の構成部品を収容する水栓本体14と、下向きに水を吐き出し可能な吐水部16とを備える。水栓本体14は、先端側部分に吐水部16が設けられたスパウト部18を有する。水栓装置12は、ユーザにより操作される操作部材20と、操作部材20に対する操作を通じて吐水部16から吐き出される水の流量を調整可能な弁ユニット22とを備える。本実施形態において、操作部材20はシングルレバーであり、弁ユニット22は操作部材20に対する操作を通じて水の温度も調整可能である。
【0011】
図2は、水栓装置12の設置状態を示す平面図である。水栓装置12の水栓本体14は、たとえば、流し台、洗面台、洗面キャビネット等の基体24に設置される。本実施形態の基体24は、正面側(
図2の下側)に居るユーザの作業に用いられるカウンター26と、カウンター26に一体化された水受槽28と、を備える。水受槽28は、たとえば、キッチンシンク、洗面ボウル等である。
【0012】
図3は、水栓装置12の一部の側面断面図である。
図4は、
図3の拡大図である。本実施形態の水栓本体14は、スパウト部18を構成する外部本体部品43及び内部本体部品44を有する。本実施形態の外部本体部品43は、第1筒状部43aと、第1筒状部43aの外周部から突出する第2筒状部43bとを有する。第2筒状部43bには吐水部16が設けられる。本実施形態の吐水部16は、水栓本体14とは別体であり、第2筒状部43b内に配置される吐水部材が構成する。内部本体部品44は、外部本体部品43の第1筒状部43aに収容される。内部本体部品44は、基端側の筒状の第1本体部材46と、先端側の第2本体部材48とを有する。第1本体部材46にはカートリッジ34が収容される。
【0013】
吐水部16は、複数の異なる吐水態様で水を吐き出し可能である。この吐水態様には、第1吐水態様としての、単数の水流を吐き出すストレート吐水と、第2吐水態様としての、シャワー状の複数の水流を吐き出すシャワー吐水とが含まれる。吐水部16は、第1吐水態様で水を吐き出すためのストレート吐水穴16a(第1吐水穴)と、第2吐水態様で水を吐き出すための複数のシャワー吐水穴16b(第2吐水穴)とを有する。
【0014】
図5は、水栓本体14の内部に形成される給水路30の一部を模式的に示す説明図である。給水路30は、水源側から弁ユニット22を通して送られる水を吐水部16に供給するためのものである。給水路30は、弁ユニット22により流量の調整された水が供給される上流側水路30A、30Bと、上流側水路30A、30Bから水が供給される下流側水路32A、32Bとを有する。
【0015】
本実施形態の上流側水路30A、30Bには、下流側水路32A、32Bに原水を供給するための原水水路30A(第1上流側水路)と、下流側水路32A、32Bに改質水を供給するための改質水水路30B(第2上流側水路)とが含まれる。改質水は、カートリッジ34内の改質材により原水を改質することで生成される。本実施形態のカートリッジ34は、水栓本体14のスパウト部18内に収容される。本明細書での「改質」とは、物理変化や化学変化を経て、特定の成分を原水から除去又は原水に付与することをいう。本実施形態の改質材は活性炭であり、原水の残留塩素の除去により改質水として浄水を生成する。
【0016】
本実施形態の下流側水路32A、32Bには、ストレート吐水穴16aに水を供給するためのストレート用水路32A(第1下流側水路)と、シャワー吐水穴16bに水を供給するためのシャワー用水路32B(第2下流側水路)とが含まれる。
【0017】
給水路30には、上流側水路30A、30Bと下流側水路32A、32Bの間に可動弁体36が設けられる。本実施形態の可動弁体36は、複数の上流側水路30A、30Bのなかからいずれかの上流側水路30A、30Bに、水が流れる通水経路を切り替え可能である。また、本実施形態の可動弁体36は、複数の下流側水路32A、32Bのなかからいずれかの下流側水路32A、32Bに、水が流れる通水経路を切り替え可能である。
【0018】
図4に戻り、水栓装置12は、水栓装置12の動作状態を変更するための操作装置10を備える。操作装置10は、回転操作を受けて回転可能な回転ハンドル38(回転操作体)と、押圧操作を受けてX方向に可動な押しボタン40(押圧操作体)と、を備える。X方向は、押しボタン40が押圧操作を受けたときに押しボタン40が押圧される押圧方向Xpと平行な方向である。X方向は、回転ハンドル38の回転軸方向でもある。以下、X方向の押圧方向Xpを基端側ともいい、X方向で押圧方向Xpとは反対側の反押圧方向Xoを先端側ともいう。また、X方向の方向軸を中心とする円の円周方向、半径方向を単に「周方向」、「径方向」ともいう。
【0019】
操作装置10は、操作装置10の構成部品を収容する装置本体42を備える。本実施形態の装置本体42は、水栓本体14が兼ねている。
【0020】
第2本体部材48は、基端側の弁体収容部48a(第1収容部)と、先端側の機構収容部48b(第2収容部)と、弁体収容部48aと機構収容部48bの間に設けられる水路形成部48cとを有する。弁体収容部48aは、基端側に向かって開くとともに先端側に底部を有する有底筒状をなす。機構収容部48bは、先端側に向かって開くとともに基端側に底部を有する有底筒状をなす。水路形成部48cには、水路形成部48cをX方向に貫通する貫通孔48dと、前述の複数の下流側水路32A、32Bとが形成される。本図では、単数の下流側水路32Aの通水方向のみ示す。
【0021】
図6は、
図4の一部の拡大図である。回転ハンドル38は、後述の受け部材68を介して装置本体42に回転可能に支持される。回転ハンドル38の外周面には、ユーザの操作性を高めるために、他の箇所より摩擦抵抗を大きくするための滑り止め構造が設けられる。本実施形態の滑り止め構造は微小な凹凸構造である。
【0022】
押しボタン40は、後述の受け部材68を介して装置本体42にX方向に移動可能に支持される。押しボタン40は、装置本体42の第1筒状部43aの内部空間を外側から覆う位置に設けられる。押しボタン40は、回転ハンドル38の内部空間38aを反押圧方向Xoから覆う位置にも設けられる。本実施形態の押しボタン40は、回転ハンドル38とは別体であり、回転ハンドル38と独立して動作可能である。押しボタン40は、ユーザによる押圧操作を受ける円盤状の端面部40aと、端面部40aから基端側に延びる筒状の中空軸部40bとを有する。
【0023】
図7は、
図4の他の一部の拡大図である。操作装置10は、可動弁体36と、可動弁体36が着座可能な固定弁体50とを備える。本実施形態の可動弁体36は、X方向の方向軸周りに回転する回転弁体でもある。可動弁体36は、装置本体42の弁体収容部48aに収容される。本実施形態の固定弁体50は、第2本体部材48の弁体収容部48aの底面部が構成する。
【0024】
可動弁体36は、固定弁体50とX方向に対向する弁体対向部36aと、弁体対向部36aから基端側に延びる弁軸部36bとを有する。本実施形態の可動弁体36は、弁体対向部36aの一部と他の部位を構成する本体部材52と、弁体対向部36aの一部を構成するとともに本体部材52と一体化されたシール部材54とを有する。シール部材54は、ゴム等の弾性体が構成している。
【0025】
本実施形態の弁軸部36bは、基端側に向かって開くとともに先端側に底部を有する有底筒状をなす。弁軸部36bの外部には、装置本体42との間に原水水路30Aの一部が形成される。弁軸部36bの内部には、改質水水路30Bの一部が形成される。
【0026】
図8は、
図7の内部本体部品44のA-A線断面図である。可動弁体36が着座する固定弁体50の座面には複数の弁孔56A、56Bが開口する。複数の弁孔56A、56Bには、ストレート用水路32Aの上流側端部が構成するストレート用弁孔56A(第1下流側水路用弁孔)と、シャワー用水路32Bの上流側端部が構成するシャワー用弁孔56B(第2下流側水路用弁孔)とが含まれる。
【0027】
図9は、
図7の可動弁体36、内部本体部品44及びシャフト64のA-A線断面図である。本図では可動弁体36のハッチングを省略する。
図10は、
図9の可動弁体36及びシャフト64のB-B線断面図である。
図11は、
図9の可動弁体36及びシャフト64のC-C線断面図である。本実施形態の可動弁体36の弁体対向部36aは円盤状をなす。弁体対向部36aには、複数の上流側水路30A、30Bに個別に連通する複数種の通水孔58A、58Bが形成される。複数種の通水孔58A、58Bには、原水水路30Aに連通する原水通水孔58A(第1通水孔)と、改質水水路30Bに連通する改質水通水孔58B(第2通水孔)とが含まれる。複数種の通水孔58A、58Bは、所定の並び順で周方向に並べられる。本実施形態での並び順は原水通水孔58Aと改質水通水孔58Bが交互に位置することである。本実施形態の原水通水孔58Aは合計2つ形成され、改質水通水孔58Bは合計2つ形成される。
【0028】
弁体対向部36aは、弁孔56A、56BとX方向に重なる位置に通水孔58A、58Bが配置されるとき、その弁孔56A、56Bを開く。このとき、弁孔56A、56Bが構成する下流側水路32A、32Bと、通水孔58A、58Bに連通される上流側水路30A、30Bとが連通される。弁体対向部36aは、弁孔56A、56BとX方向に重なる位置に通水孔58A、58B以外の箇所が配置されるとき、その弁孔56A、56Bを閉じる。
図9では、ストレート用弁孔56Aが開き、シャワー用弁孔56Bが閉じている状態を示す。可動弁体36は、自らが回転することによって弁孔56A、56Bを開閉可能である。
【0029】
図7に戻り、弁体対向部36aは、固定弁体50に着座するシール面36cを有する。本実施形態のシール面36cはシール部材54が構成している。可動弁体36のシール面36cが固定弁体50に着座することで、可動弁体36と固定弁体50の間がシールされ、可動弁体36が閉じている弁孔56A、56Bと通水孔58A、58Bとの間の連通が断たれる。
【0030】
図4に戻り、操作装置10は、押しボタン40のX方向での動きに連動して、可動弁体36を作動させることが可能な連動機構60を備える。本実施形態の連動機構60は、回転ハンドル38の回転にも連動して、可動弁体36を作動させることが可能である。連動機構60は、位置切替機構62と、シャフト64と、第1付勢部材66と、を備える。
【0031】
図12は、
図4の状態から押しボタン40の保持位置が変化した状態を示す図である。
図4、
図12に示すように、位置切替機構62は、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、押しボタン40のX方向での位置を切り替え可能に押しボタン40を保持する。本実施形態の位置切替機構62は、スラストロック機構である。位置切替機構62により押しボタン40が保持される位置を保持位置という。
【0032】
図13は、位置切替機構62の一部の構成部品の分解図である。位置切替機構62は、
図6、
図13に示すように、受け部材68と、回転子70と、運動変換機構(不図示)と、第2付勢部材72と、を有する。
【0033】
受け部材68は、全体として筒状をなす。受け部材68は、装置本体42の機構収容部48bに先端側から基端側に向けて差し込まれている。受け部材68は、留め輪等の留め具を用いて、機構収容部48bからの反押圧方向Xoへの離脱が規制されるように装置本体42に取り付けられる。受け部材68は、機構収容部48bの外周壁部に対する摺動を伴い、装置本体42に回転可能に支持される。
【0034】
受け部材68は、回転ハンドル38を受け部材68に着脱可能に取り付けるための取付部68aを有する。本実施形態の取付部68aは、スナップフィット方式によって、回転ハンドル38を受け部材68に着脱可能に取り付ける弾性爪である。回転ハンドル38は、受け部材68に対して、一体的に回転可能、かつ、X方向に相対移動不能に取り付けられる。
【0035】
図14は、受け部材68の斜視断面図である。
図15は、受け部材68の内周面の一部を平面上に展開した模式図である。
図15(a)は、回転子70が回転規制位置にある状態を示し、
図15(b)は、回転子70が規制解除位置にある状態を示す。
【0036】
受け部材68の内周面部にはカム部68bが設けられる。本実施形態のカム部68bは、受け部材68の内周面から径方向に突き出る突起部であり、周方向に間を空けて複数設けられる。複数のカム部68bの間には基端側に向かって開放する複数のカム溝68cが形成される。
【0037】
受け部材68の内周面部には複数のガイド溝68dが形成される。押しボタン40の中空軸部40bにはガイド溝68dに嵌め込まれる凸状の被ガイド部40cが形成される(
図13参照)。押しボタン40は、ガイド溝68dに対する被ガイド部40cの摺動を伴いガイド溝68dによりX方向に移動可能にガイドされる。押しボタン40は、ガイド溝68dに対する被ガイド部40cの接触によって、受け部材68と一体的に回転可能に設けられる。
【0038】
図6、
図13に示すように、回転子70は、全体としてX方向に延びる軸体である。回転子70は、受け部材68の内側に挿通される。回転子70は、受け部材68の内周面に対する摺動を伴い、X方向に移動可能に受け部材68に支持される。回転子70は、有底筒状の回転軸部70aと、回転軸部70aの基端側端部から径方向外側に張り出す張出部70bとを有する。回転軸部70aは、押しボタン40の中空軸部40b内に基端側から差し込まれる。回転軸部70aは、中空軸部40bに対して、X方向に相対移動可能、かつ、相対回転可能に設けられる。
【0039】
図16は、
図6のD-D線断面の一部を示す図である。
図12、
図15、
図16に示すように、回転子70の張出部70bには外周面から径方向外側に突き出る被規制部70cが設けられる。本図では、回転子70は、受け部材68のカム溝68c内に被規制部70cが配置される例を示す。受け部材68のカム部68bは、回転子70の周方向両側への回転を規制するための回転規制凹部74A、74Bを有する。本実施形態の回転規制凹部74A、74Bは、カム溝68cが構成している。回転規制凹部74A、74Bは、周方向に所定の第2角度θ2を空けた箇所に位置するように複数設けられる。本実施形態の回転規制凹部74A、74Bには、基端側の入口から先端側の底部までの深さが第1深さである第1回転規制凹部74Aと、第1深さより大きい深さの第2回転規制凹部74Bとが含まれる。
【0040】
回転子70は、その被規制部70cが回転規制凹部74A、74Bと周方向に重なる回転規制位置(
図15(a)の位置)と、その被規制部70cが回転規制凹部74A、74Bと周方向に重ならない規制解除位置(
図15(b)の位置)との間を移動可能である。回転子70は、回転規制位置に配置されるとき、回転規制凹部74A、74Bの内側面と被規制部70cとの接触によって回転が規制される。回転子70は、規制解除位置に配置されるとき、回転規制凹部74A、74Bによる回転の規制が解除されることで回転可能となる。
【0041】
運動変換機構76は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きを回転子70の回転に変換可能である。本実施形態の運動変換機構76はカム機構である。運動変換機構76は、
図13~
図15に示すように、押しボタン40の中空軸部40bの基端側の端面に形成された内カム面76aと、受け部材68のカム部68bの基端側の端面に形成された外カム面76bと、回転子70の張出部70bの先端側の端面に形成されたカム受け面76cとを有する。
【0042】
内カム面76aは、複数の傾斜面を組み合わせて、X方向に高低差のある凹凸が周方向に交互に並ぶように形成される。外カム面76bは、周方向の一方側(以下、正転方向Prという)に向かうにつれて先端側に向かうように傾斜する傾斜面である。カム受け面76cは、正転方向Prに向かうにつれて先端側に向かうように傾斜する傾斜面である。カム受け面76cは、内カム面76a及び外カム面76bの両方とX方向に対向する位置に設けられる。
【0043】
図6に示すように、第2付勢部材72は、回転子70を反押圧方向Xoに付勢可能である。本実施形態の第2付勢部材72は、弾性体の一例となるコイルスプリングであり、回転子70とシャフト64の間に配置される。本実施形態の第2付勢部材72は、回転子70の回転軸部70a内に収容される。第2付勢部材72の先端側の端部は、回転軸部70aの内底面に形成された突部の外側に嵌められ、その内底面に座している。第2付勢部材72の基端側の端部は、シャフト64の小径部64aの外側に嵌められ、小径部64aの基端側に形成された段差面に座している。
【0044】
図4、
図6に示すように、シャフト64は、回転ハンドル38や押しボタン40に連動する位置切替機構62の構成部品(回転子70)の動きを、可動弁体36に伝達する伝達部材の一例となる。シャフト64は、装置本体42の貫通孔48dに挿通される。シャフト64の基端側の端部は、可動弁体36と一体的に回転可能、かつ、可動弁体36と一体的にX方向に移動可能に設けられる。シャフト64と可動弁体36は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動して、回転子70と一体的に移動可能な移動体78を構成している。この移動体78は、基端側の一部が装置本体42の弁体収容部48aに収容され、先端側の一部が装置本体42の機構収容部48bに収容される。本実施形態の移動体78は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動して押圧方向Xpに移動可能である。
【0045】
シャフト64は、先端側の端部を構成する小径部64aと、小径部64aより基端側に設けられるとともに小径部64aより外径が大きい大径部64bとを有する。大径部64bは、回転子70の回転軸部70aの内側に嵌め込まれる嵌込部64cを有する。シャフト64の嵌込部64cと回転子70の断面形状は、回転子70とシャフト64の間で回転を伝達可能な形状に設定される(
図16も参照)。これにより、シャフト64は、回転子70と一体的に回転可能に設けられる。また、シャフト64は、回転子70に対してX方向で互いに離れる方向に相対移動可能に設けられる。
【0046】
第1付勢部材66は、押しボタン40の押圧方向での動きに連動した移動体78の移動方向とは反対側に移動体78を付勢可能である。ここでの「移動体78の移動方向」とは、本実施形態では押圧方向Xpである。本実施形態の第1付勢部材66は、弾性体の一例となるコイルスプリングである。第1付勢部材66は、装置本体42の弁体収容部48aに収容され、可動弁体36の弁体対向部36aとカートリッジ34の間に配置される。
【0047】
以上の操作装置10の動作を説明する。
図17は、位置切替機構62の動作を示す説明図である。
図17(a)に示すように、押しボタン40が押圧操作を受けていないとき、回転子70は、第2付勢部材72により反押圧方向Xoに付勢されることで回転規制位置に保持され、受け部材68に対する相対回転が規制される。このとき、本実施形態の回転子70は、複数の回転規制凹部74A、74Bのうちのいずれかの回転規制凹部74A、74B内に配置される。
【0048】
このとき、受け部材68に対する回転子70の相対回転が規制されるため、回転ハンドル38が回転すると、回転ハンドル38と一体的に受け部材68、回転子70、シャフト64及び可動弁体36が回転する。連動機構60は、回転ハンドル38の回転に連動して、回転ハンドル38の回転量に応じた回転量で可動弁体36を回転させることになる。
【0049】
押しボタン40が押圧操作を受けると、押しボタン40により回転子70が押圧方向Xpに動かされる。このとき、
図17(b)に示すように、押しボタン40の内カム面76aがカム受け面76cに接触した状態で、第1付勢部材66や第2付勢部材72の付勢力に抗して、回転子70が押圧方向Xpに動かされる。回転子70が押圧方向Xpに動くと、回転子70が回転規制位置から規制解除位置に移動する。回転子70が規制解除位置まで移動すると、第1付勢部材66及び第2付勢部材72の付勢力により、回転子70のカム受け面76cが押しボタン40の内カム面76aを反押圧方向Xoに押圧する。これにより、
図17(c)に示すように、押しボタン40の内カム面76aにより案内されることで、回転子70が反押圧方向Xoに動きつつ正転方向Prに回転する。
【0050】
押しボタン40の押圧操作を解除すると、第1付勢部材66及び第2付勢部材72の付勢力により、回転子70のカム受け面76cが受け部材68の外カム面76bを反押圧方向Xoに押圧する。これにより、
図17(d)に示すように、受け部材68の内カム面76aにより案内されることで、回転子70が反押圧方向Xoに動きつつ正転方向Prに回転する。このように、運動変換機構76は、回転子70のX方向での動きを回転子70の回転に変換する。
【0051】
以上の動作を経ることで、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、回転子70は、前述の第2角度の分だけ回転する。回転子70が第2角度の分だけ回転する毎に、受け部材68の複数の回転規制凹部74A、74Bの周方向での並び順に応じた順番で、回転子70の被規制部70cが内側に配置される回転規制凹部74A、74Bが切り替わる。回転子70は、第2付勢部材72の付勢力によって、回転規制凹部74A、74Bの底部に被規制部70cが当たる位置で保持され、その回転規制凹部74A、74Bの深さに対応する保持位置で保持される。つまり、
図17(a)、(d)に示すように、回転子70が第2角度の分だけ回転する毎に、回転子70のX方向での保持位置が切り替わる。受け部材68は、第2付勢部材72と協働して、回転子70の回転位置に応じてX方向での異なる保持位置に回転子70を保持しているといえる。回転子70の保持位置の切り替えにより、押しボタン40のX方向での保持位置も切り替えられる。
【0052】
図18は、押しボタン40が押圧操作を受けている途中状態を示す図である。押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、回転子70と一体的に移動体78が押圧方向Xpに押圧される。これにより、移動体78の可動弁体36は固定弁体50から離れる方向である押圧方向Xpに動かされる。移動体78は、第1付勢部材66の付勢力に抗して押圧方向Xpに動かされる。
【0053】
押しボタン40の押圧操作に伴い回転子70が正転方向に回転すると、回転子70と一体的に移動体78が回転する。押しボタン40による押圧方向Xpでの押圧が解除されると、
図4に示すように、第1付勢部材66の付勢力により、移動体78が固定弁体50に近づく方向である反押圧方向Xoに動かされ、移動体78の可動弁体36が固定弁体50に着座する。これにより、後述のように、水栓装置12の動作状態が変更される。このように、位置切替機構62は、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、可動弁体36を固定弁体50から離れる方向に移動させてから回転させることが可能である。
【0054】
ここで、移動体78は、
図4、
図12に示すように、押しボタン40の保持位置によらず、第1付勢部材66によりX方向において定位置に保持される。これは、押しボタン40が押圧操作を受けていない状態のときに満たされる。本実施形態での定位置とは、移動体78の可動弁体36が固定弁体50に着座することで、固定弁体50との間を可動弁体36がシールする位置をいう。
【0055】
このような条件を満たすため、回転子70と移動体78のX方向での相対位置は、押しボタン40のX方向での保持位置に応じて変化する。詳しく説明する。押しボタン40は、
図4に示すような第1保持位置Pa1と、
図12に示すような第2保持位置Pa2との間を移動可能である。第1保持位置Pa1は、複数の保持位置Pa1、Pa2のなかで最も押圧方向Xpに位置している。第2保持位置Pa2は、第1保持位置Pa1にあるときより反押圧方向Xoに位置が変化する。
【0056】
このとき、押しボタン40の第1保持位置Pa1からの反押圧方向Xoでの保持位置の変化量が大きくなるほど、回転子70と移動体78のシャフト64のX方向での間隔が大きくなるように、それらの相対位置が変化する。これにより、押しボタン40の保持位置が変化したとき、回転子70と移動体78の相対位置が変化することで、移動体78を定位置に保持できる。
【0057】
本実施形態のように回転子70とシャフト64の間に第2付勢部材72を配置する場合、第2付勢部材72の押圧方向Xpへの付勢力が移動体78に伝達される。本実施形態では、第2付勢部材72の付勢力が第1付勢部材66の付勢力より小さくなるように設定している。これにより、押しボタン40が保持位置に保持されるとき、第2付勢部材72の押圧方向Xpの付勢力が第1付勢部材66の反押圧方向Xoの付勢力に打ち勝ってしまうことで、移動体78が押圧方向Xpに動く事態を避けられる。
【0058】
以上の操作装置10の効果を説明する。操作装置10は、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、X方向での位置を切り替え可能に押しボタン40を保持する位置切替機構62を備える。よって、後述のように、押しボタン40により選択されている押しボタン40による操作対象の動作状態を、押しボタン40の保持位置によって表示できる。
【0059】
また、押しボタン40の保持位置を切り替え可能な位置切替機構62を操作装置10に組み込む場合に、押しボタン40の保持位置によらず移動体78を定位置に保持できるようになるため、設計上の自由度の向上を図れる。
【0060】
移動体78の可動弁体36は、押しボタン40の保持位置によらず、固定弁体50に着座する位置に保持される。よって、押しボタン40の保持位置によって押しボタン40による操作対象(水栓装置12)の動作状態を表示しつつ、可動弁体36により固定弁体50との間をシールした状態を維持できる。
【0061】
また、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動して、可動弁体36を固定弁体50から離れる押圧方向Xpに動かすことが可能である。仮に、押しボタン40が押圧操作を受けたとき、固定弁体50に対する摺動を伴い可動弁体36を回転させると、固定弁体50と可動弁体36との間の摩擦抵抗の影響を受ける。この点、本実施形態によれば、押しボタン40が押圧操作を受けたときに、このような摩擦抵抗の影響を受けることなく、可動弁体36を固定弁体50から離すことができる。よって、可動弁体36が固定弁体50に固着したときでも、可動弁体36を固定弁体50から容易に引き離せる。
【0062】
位置切替機構62は、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、押圧方向Xpに移動させてから可動弁体36を回転させることが可能である。よって、水栓装置12の動作状態を変更する場合に、可動弁体36と固定弁体50の間の摩擦抵抗の影響を受けることなく、可動弁体36を回転させることができる。
【0063】
以上の操作装置10の他の動作を説明する。
図19は、回転ハンドル38の動作の説明図である。
図19(a)は、回転ハンドル38によりストレート吐水が選択されている状態を示し、
図19(b)は、回転ハンドル38によりシャワー吐水が選択されている状態を示す。
図19の上段は、吐水部16から吐き出される水を示し、
図19の下段は、可動弁体36と固定弁体50の位置関係を示す。
図20も同様である。本図では、可動弁体36の回転位置を示すために可動弁体36に原点Poを付す。
【0064】
本実施形態の連動機構60は、回転ハンドル38の回転に連動して、可動弁体36を第1回転態様で回転させる。可動弁体36は、回転ハンドル38の回転に連動して回転するとき、不図示の回転制限機構により、所定の第1角度θ1の範囲に回転可能範囲が制限されている。本実施形態の第1回転態様とは、このように所定の第1角度θ1の範囲に可動弁体36の回転可能範囲が制限されているもと、回転ハンドル38の回転量に応じた回転量で可動弁体36を回転させることである。本例では第1角度θ1=45°である。
【0065】
可動弁体36は、第1回転態様で回転することによって、複数の下流側水路32A、32Bのなかからいずれかの下流側水路32A、32Bに特定種の通水孔58A、58Bの連通先を切り替える。これにより、可動弁体36は、吐水部16から吐き出される水が、ストレート吐水とシャワー吐水の間で切り替わるように、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替える。このように、可動弁体36は、回転ハンドル38の回転に連動して、水栓装置12の動作状態を第1変更態様で変更させる。
【0066】
図20は、押しボタン40の動作の説明図である。
図20(a)は、押しボタン40により原水Waが選択されている状態を示し、
図20(b)は、押しボタン40により改質水Wbが選択されている状態を示す。
【0067】
本実施形態の連動機構60は、押しボタン40のX方向での動きに連動して、可動弁体36を第2回転態様で回転させる。本実施形態の第2回転態様とは、押しボタン40が押圧操作を受ける毎に、所定の第2角度θ2で周方向の一方側に可動弁体36を回転させることである。第2角度θ2は、円周をN等分する角度であって、第1角度θ1より大きい角度である。Nは2以上の自然数であり、本例ではN=4、第2角度θ2=90°である。
【0068】
この第2角度θ2は、複数種の通水孔58A、58Bの位置と対応している。詳しくは、複数種の通水孔58A、58Bは第2角度θ2を空けた箇所毎に位置するように並べられる。これにより、可動弁体36を角度θ2で回転させる毎に、複数種の通水孔58A、58Bの並び順に応じた順番で、複数の下流側水路32A、32Bのうち特定の下流側水路32A、32Bに連通する通水孔58A、58Bが切り替わる。
【0069】
可動弁体36は、第2回転態様で回転することによって、複数の上流側水路30A、30Bのなかからいずれかの上流側水路30A、30Bに、給水路30において水が流れる通水経路を切り替える。これにより、可動弁体36は、吐水部16から吐き出される水が、原水Waと改質水Wbとの間で切り替わるように、水栓装置12の動作状態を択一的に切り替える。このように、可動弁体36は、押しボタン40のX方向での動きに連動して、水栓装置12の動作状態を第1変更態様とは異なる第2変更態様で変更させる。
【0070】
以上の操作装置10の押しボタン40は、
図6に示すように、回転ハンドル38の内部空間38aを反押圧方向Xoから覆う位置に設けられる。よって、押しボタン40や回転ハンドル38による操作対象となる水栓装置12の動作状態を変更するにあたり、ユーザにより操作される箇所を回転ハンドル38の近くに集約できる。このため、ユーザが腕を大きく動かすことなく回転ハンドル38や押しボタン40を操作でき、ユーザの操作性が良好となる。
【0071】
水栓装置12の動作状態の第1変更態様による変更操作に用いる箇所と、第2変更態様による変更操作に用いる箇所とが、個別の操作体(回転ハンドル38、押しボタン40)に分けられている。よって、これらの変更操作に用いる箇所を単数の操作体に担わせる場合と比べ、ユーザにとって操作体により変更される対象が分かり易くなり、ユーザの操作性が良好となる。
【0072】
なお、前述のように、押しボタン40は、押圧操作を受けて前述の保持位置Pa1、Pa2から動作位置Pb(
図18参照)まで移動した後、押圧操作が解除されることによって、可動弁体36の回転を伴い水栓装置12の動作状態を変更可能である。ここでの動作位置Pbとは、回転子70が前述の規制解除位置にあるときに押しボタン40が位置する箇所をいう。
【0073】
押しボタン40は、このような動作位置Pbに位置するとき、回転ハンドル38の先端開口部38bから反押圧方向Xoの外側に少なくとも一部がはみ出すように設けられる。この利点を説明する。たとえば、ユーザの手のひらや手の甲等のような、回転ハンドル38の先端開口部38bより大きい操作箇所で押しボタン40を押圧操作する場合を考える。この場合に、押しボタン40を保持位置Pa1、Pa2から動作位置Pbに移動させるまでの間に、回転ハンドル38の先端開口部38bと前述の操作箇所の間で干渉が生じ難くなる。これに伴い、押しボタン40の操作性が良好となる。
【0074】
同様の効果を得る観点から、押しボタン40の反押圧方向Xoの先端40fは、前述の動作位置Pbに位置するとき、径方向から見て、回転ハンドル38の先端開口部38bと重なる位置に設けられていてもよい。押しボタン40は、回転ハンドル38の先端開口部38bからはみ出していなくともよいということである。
【0075】
また、
図6に示すように、本実施形態の押しボタン40の端面部40aは反押圧方向Xoに向かって凸となる曲面状をなす。詳しくは、本実施形態の端面部40aは反押圧方向Xoに向かって凸となる球面状をなす。端面部40aがなす曲面の反押圧方向Xoでの先端40fは端面部40aの中央部に設けられる。ここでの端面部40aの中央部40gとは、押しボタン40を押圧方向Xpに見たとき、端面部40aの中央に位置する箇所をいう。
【0076】
これにより、押しボタン40の端面部40aが押圧方向Xpに向かって凹となる曲面状をなす場合と比べ、その端面部40aの中央部40gを押圧方向Xpに沿って真っ直ぐに押圧し易くなる。これに伴い、押しボタン40から移動体78に荷重を伝達し易くなり、押しボタン40の操作性が良好となる。
【0077】
操作装置10の他の特徴を説明する。
図21は、押しボタン40の保持位置と操作対象(水栓装置12)の動作状態との関係を示す図である。
図21(a)は、水栓装置12の動作状態が原水Waの吐き出しである状態を示し、
図21(b)は、水栓装置12の動作状態が改質水Wbの吐き出しである状態を示す。押しボタン40は、
図21の上段は、吐水部16から吐き出される水を示し、
図21の下段は、押しボタン40や回転ハンドル38の平面視での位置を示す。
図22も同様である。
【0078】
位置切替機構62は、押しボタン40により変更される操作対象の動作状態に応じた複数の異なる保持位置に押しボタン40を保持する。本実施形態の押しボタン40は、原水Waの吐き出しと改質水Wbの吐き出しとの間で、水栓装置12の動作状態を変更する。押しボタン40は、水栓装置12が原水Waを吐き出している状態のときに第1保持位置Pa1に配置され、水栓装置12が改質水Wbを吐き出している状態のときに第2保持位置Pa2に配置される。
【0079】
押しボタン40は、第2保持位置Pa2にあるとき、第1保持位置Pa1にあるときより、回転ハンドル38の先端開口部38b(
図4も参照)からの突出量が大きくなる。これにより、押しボタン40の保持位置を用いて、押しボタン40により選択されている操作対象の動作状態を表示可能となる。
【0080】
図22は、回転ハンドル38の保持位置と操作対象(水栓装置12)の動作状態との関係を示す図である。
図22(a)は、水栓装置12の動作状態がストレート吐水であるときの回転ハンドル38を示し、
図22(b)は、水栓装置12の動作状態がシャワー吐水であるときの回転ハンドル38を示す。
【0081】
水栓本体14の第1筒状部43aは、回転ハンドル38により変更可能な水栓装置12の動作状態を表示する状態表示部80A、80Bを有する。状態表示部80A、80Bは、凹部や凸部の凹凸構造や、模様や色彩の違いを用いて、ピクトグラム、文字等の記号の表示態様により水栓装置12の動作状態を表示する。本実施形態の回転ハンドル38による変更対象は、水栓装置12の吐水部16の吐水態様である。状態表示部80A、80Bには、水栓装置12の動作状態がストレート吐水であることを示す第1状態表示部80Aと、水栓装置12の動作状態がシャワー吐水であることを示す第2状態表示部80Bとが含まれる。本実施形態の状態表示部80A、80Bは第1筒状部43aの外周面に設けられる。
【0082】
回転ハンドル38は、状態表示部80A、80Bと協働して、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を特定するための状態特定部82を有する。本実施形態の状態特定部82は、回転ハンドル38の外周面に設けられる。状態特定部82は、凹部や凸部の凹凸構造や、模様や色彩の違いを用いて構成される。本実施形態の状態特定部82は回転ハンドル38の外周面に設けられた滑り止め構造のない箇所により構成される。本実施形態の状態特定部82は、状態表示部80A、80BとX方向に重なる位置に配置されることで、複数の状態表示部80A、80Bのなかから一つの状態表示部80A、80Bを特定する機能を果たす。状態特定部82により特定される状態表示部80A、80Bは、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を示す。
【0083】
(A)これにより、回転ハンドル38の近くの押しボタン40の保持位置をみれば、押しボタン40により選択されている水栓装置12の動作状態を把握できる。また、回転ハンドル38の近くの状態特定部82をみれば、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を把握できる。つまり、回転ハンドルの近くをみるだけで、回転ハンドル38や押しボタン40により選択されている、回転ハンドル38や押しボタン40による操作対象となる水栓装置12の動作状態を容易に把握できる。
【0084】
図6に戻り、押しボタン40は、回転ハンドル38の内側に配置される内側部材84と、内側部材84に対して先端側に配置されて外部に露出する外側部材86とを有する。本実施形態において、前述の押しボタン40の端面部40aは内側部材84と外側部材86が構成し、中空軸部40bは内側部材84が構成する。内側部材84と外側部材86は、互いにX方向に対向する箇所に設けられた凹部と凸部の圧入を伴う嵌め合い等を用いて一体化される。内側部材84は、押しボタン40の保持位置によらず、回転ハンドル38により少なくとも一部が覆われている。外側部材86は、押しボタン40の保持位置によらず、その外周面や反押圧方向Xoの端面の少なくとも一部が外部に露出している。
【0085】
押しボタン40の外周壁部は、第1保持位置Pa1にあるとき、回転ハンドル38の内側に配置される内側意匠部40dと、回転ハンドル38の外側に露出する外側意匠部40eとを有する。内側意匠部40dは、
図21に示すように、第2保持位置Pa2にあるとき、回転ハンドル38の先端開口部38bからはみ出しており、回転ハンドル38の外側に露出する。本実施形態の内側意匠部40dは内側部材84が構成し、外側意匠部40eは外側部材86が構成する。内側意匠部40dと外側意匠部40eとは、形状、模様及び色彩の少なくとも一つが異なるように設けられる。本実施形態においては、外側意匠部40eにはステンレス調の銀色の色彩が設けられ、内側意匠部40dには青色の色彩が設けられる。これにより、押しボタン40の保持位置の違いを把握し易くなり、押しボタン40により選択されている水栓装置12の動作状態を把握し易くなる。
【0086】
(第2の実施の形態)
図23は、第2実施形態の位置切替機構62の一部を
図15と同じ視点から見た図である。本実施形態の回転規制凹部74A、74B、74Cには、第1回転規制凹部74A、第2回転規制凹部74Bの他に、基端側の入口から先端側の底部までの深さが第3深さの第3回転規制凹部74Cが含まれる。第3回転規制凹部74Cの第3深さは、第2回転規制凹部74Bの第2深さより大きくなる。これにより、位置切替機構62は、回転子70の回転位置に応じた押しボタン40のX方向での保持位置を3段階に切り替え可能となる。このため、押しボタン40による操作対象の動作状態の表示数を増やすことができる。
【0087】
このように、位置切替機構62による押しボタン40の保持位置の切り替え数は2段階以上であればよく、その具体的な切り替え数は特に限定されない。
【0088】
(第3の実施の形態)
図24は、第3実施形態の位置切替機構62の一部を
図15と同じ視点から見た図である。回転規制凹部74A、74Bは、
図15、
図23の例では、カム溝68cが構成する例を説明した。この他にも、
図24に示すように、回転規制凹部74Dは、外カム面76bの正転方向Pr側の端部から基端側に延びる段差面と外カム面76bが構成してもよい。
【0089】
なお、
図15の例のように、回転規制凹部はカム溝68cが構成する場合、カム溝68cの内側面に対して回転子70の被規制部70cがしっかりと接触でき、回転子70の回転を安定して規制できる利点がある。また、
図24の例のように、回転規制凹部は外カム面76bが構成する場合、回転子70のX方向でのストローク量を小さくでき、回転子70のX方向での寸法の小型化を図れる利点がある。
【0090】
(第4の実施の形態)
図25は、第4実施形態の押しボタン40を
図21と同じ視点から見た図である。
図25(a)は、水栓装置12の動作状態が原水Waの吐き出しである例を示し、
図25(b)は、水栓装置12の動作状態が改質水Wbの吐き出しである例を示す。
図21の押しボタン40の外側意匠部40eと内側意匠部40dとは色彩が異なるように設けられる例を説明した。
図25に示す例では、外側意匠部40eと内側意匠部40dとは形状が異なるように設けられる。詳しくは、外側意匠部40eは小外径部が構成し、内側意匠部40dは小外径部より外径が大きい大外径部が構成する。
【0091】
以上、実施形態をもとに本発明を説明した。次に、各構成要素の変形例を説明する。
【0092】
水栓本体14のスパウト部18は、単数の筒状部のみを有していてもよい。操作装置10の装置本体42は水栓本体14が兼ねる例を説明したが、水栓本体14とは別体に設けられていてもよい。この場合、装置本体42は、押しボタン40が内部空間を外側から覆う位置に設けられる第1筒状部43aを有していればよい。装置本体42には回転ハンドル38が設けられていなくともよい。
【0093】
可動弁体36を用いた水栓装置12の動作状態の変更態様は、吐水部16の吐水態様の切り替え、吐水部16から吐き出される水の切り替えを例に説明した。この変更態様は、水栓装置12の動作状態を変更させるものであればよく、これらの例に限定されない。たとえば、変更態様は、吐水部16から吐き出される水の流量や温度の変更でもよいし、吐水部16の吐水状態と止水状態の間での切り替えでもよい。また、変更態様は、水栓装置12が複数の吐水部16を備える場合、水を吐き出している吐水部16の切り替えでもよい。
【0094】
可動弁体36は、複数の水路のなかからいずれかの水路に通水経路を切り替えるのではなく、単数の水路の開度を変更することで、水栓装置12の動作状態を変更してもよい。これは、たとえば、水栓装置12の動作状態の変更態様が、吐水部16から吐き出される水の流量や温度の変更である場合である。
【0095】
可動弁体36は、押しボタン40の動きに連動して回転する例を説明した。押しボタン40に連動する可動弁体36の動き方は特に限定されない。可動弁体36は、たとえば、押しボタン40の動きに連動して直動してもよい。押しボタン40は、内側部材84と外側部材86を有する例を説明したが、一体成形品が構成していてもよい。
【0096】
位置切替機構62は、スラストロック機構を例に説明したが、その具体例は特に限定されない。位置切替機構62は、たとえば、ハートカム機構、回転カム機構、ラチェットカム機構等でもよい。運動変換機構76はカム機構に限定されず、ラックアンドピニオン等の歯車機構でもよい。
【0097】
第2付勢部材72は、回転子70とシャフト64の間に配置される例を説明したが、回転子70を反押圧方向Xoに付勢可能な位置に配置されていればよい。たとえば、第2付勢部材72は、内部本体部品44の機構収容部48bの底面部と回転子70との間に配置されていてもよい。
【0098】
移動体78は、可動弁体36とシャフト64を有する例を説明したが、その具体例は特に限定されない。移動体78は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動して押圧方向Xpに移動する例を説明したが、その移動方向は特に限定されない。たとえば、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動して移動体78は反押圧方向Xoに移動してもよい。この場合でも、移動体78の可動弁体36は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動して、位置切替機構62の構成部品と一体的に固定弁体50から離れる方向(反押圧方向Xo)に移動してもよい。この場合でも、第1付勢部材66は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動した移動体78の移動方向とは反対側(押圧方向Xp)に移動体78を付勢可能であればよい。いずれにしても、移動体78は、押しボタン40の押圧方向Xpでの動きに連動する移動方向とかかわりなく、押しボタン40の保持位置によらず、第1付勢部材66によりX方向で定位置に保持されていればよい。
【0099】
前述の効果(A)を得るうえで、装置本体42の第1筒状部43aではなく回転ハンドル38が状態表示部80A、80Bを有し、回転ハンドル38ではなく装置本体42の第1筒状部43aが状態特定部82を有していてもよい。また、状態表示部80A、80Bは複数ではなく単数でもよい。これは、可動弁体36が水の流量や温度を連続的に変更させる場合に、その流量や温度をレベルメータ等のメータを用いて表示する場合を想定している。いずれの場合でも、状態表示部80A、80Bと協働して、回転ハンドル38により選択されている水栓装置12の動作状態を特定できればよい。単数の状態表示部80A、80Bがメータの場合、状態特定部82はメータのレベルを特定する指針が構成してもよい。
【0100】
以上、本発明の実施形態や変形例について詳細に説明した。前述した実施形態や変形例は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものにすぎない。実施形態や変形例の内容は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、請求の範囲に規定された発明の思想を逸脱しない範囲において、構成要素の変更、追加、削除等の多くの設計変更が可能である。前述の実施形態では、このような設計変更が可能な内容に関して、「実施形態の」「実施形態では」等との表記を付して強調しているが、そのような表記のない内容でも設計変更が許容される。以上の構成要素の任意の組み合わせも、本発明の態様として有効である。図面の断面に付したハッチングは、ハッチングを付した対象の材質を限定するものではない。
【0101】
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
【0102】
第2態様の操作装置は、第1態様において、前記移動体は、可動弁体を有し、本操作装置は、前記可動弁体が着座可能な固定弁体を備え、前記定位置は、前記可動弁体が前記固定弁体に着座する位置であってもよい。
この態様によれば、押圧保持体の保持位置によって押圧保持体による操作対象の動作状態を表示しつつ、可動弁体により固定弁体との間をシールした状態を維持できる。
【0103】
第3態様の操作装置は、第2態様において、前記可動弁体は、自らが回転することによって、前記水栓装置の動作状態を変更可能であり、前記位置切替機構は、前記押圧操作体が押圧操作を受ける毎に、前記固定弁体から離れる方向に移動させてから前記可動弁体を回転させることが可能であってもよい。
この態様によれば、水栓装置の動作状態を変更する場合に、可動弁体と固定弁体との間の摩擦抵抗の影響を受けることなく、可動弁体を回転させることができる。
【0104】
第4態様の操作装置は、第1から第3態様のいずれかにおいて、回転操作を受けて回転可能な回転操作体を備え、前記押圧操作体は、前記回転操作体の内部空間を前記回転操作体の回転軸方向の片側から覆う位置に設けられてもよい。
この態様によれば、押圧操作体や回転操作体による操作対象の動作状態を変更するにあたり、ユーザにより操作される箇所を回転押圧体の近くに集約できる。このため、ユーザが腕を大きく動かすことなく回転操作体や押圧操作体を操作でき、ユーザの操作性が良好となる。
【0105】
第5態様の操作装置は、第4態様において、前記回転操作体が設けられる筒状部を有する装置本体を備え、前記押圧操作体は、前記押圧操作を受けて前記第1方向に動くことによって、前記水栓装置の動作状態を変更させることが可能であり、前記回転操作体は、前記回転操作を受けて回転することによって、前記水栓装置の動作状態を変更させることが可能であり、前記回転操作体及び前記筒状部の一方は、前記回転操作体により変更可能な前記水栓装置の動作状態を表示する状態表示部を有し、前記回転操作体及び前記筒状部の他方は、前記状態表示部と協働して、前記回転操作体により選択されている前記水栓装置の動作状態を特定するための状態特定部を有してもよい。
この態様によれば、回転操作体の近くをみるだけで、押圧操作体や回転操作体により選択されている操作対象の動作状態を容易に把握できる。
【0106】
第6態様の操作装置は、第1から第5態様のいずれかにおいて、前記構成部品と前記移動体の前記第1方向での相対位置は、前記押圧操作体の前記第1方向での保持位置に応じて変化してもよい。
この態様によれば、押圧保持体の保持位置が変化したとき、位置切替機構の構成部品と移動体の相対位置が変化することで、移動体を定位置に保持できる。
【0107】
第7態様の操作装置は、第1から第6態様のいずれかにおいて、前記位置切替機構は、前記押圧操作体の保持位置を3段階以上に切り替え可能であってもよい。
この態様によれば、押圧操作体による操作対象の動作状態の表示数を増やすことができる。
【0108】
第8態様の操作装置は、第1から第7態様のいずれかにおいて、前記移動体の押圧方向側の一部を収容する第1収容部と、前記押圧方向とは反対側の反押圧方向側の前記移動体の一部を収容する第2収容部と、を有する装置本体を備え、前記第1付勢部材は、前記第1収容部内に配置されてもよい。
【0109】
第9態様は、第1から第8態様のいずれかの操作装置を備える水栓装置である。
【符号の説明】
【0110】
10…操作装置、12…水栓装置、36…可動弁体、38…回転ハンドル(回転操作体)、38a…内部空間、40…押しボタン(押圧操作体)、42…装置本体、50…固定弁体、56A、56B…弁孔、62…位置切替機構、66…第1付勢部材、68…受け部材、78…移動体、80A、80B…状態表示部、82…状態特定部。