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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】車両用荷物保持部材
(51)【国際特許分類】
   B60P 7/08 20060101AFI20220217BHJP
   B60R 7/08 20060101ALI20220217BHJP
   B60R 5/04 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
B60P7/08
B60R7/08
B60R5/04
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018117959
(22)【出願日】2018-06-21
(65)【公開番号】P2019217955
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2020-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100207653
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】清岡 里依子
(72)【発明者】
【氏名】松本 和也
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】特許第4177083(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 7/08
B60R 7/08
B60R 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられ、荷物を収納して保持する車両用荷物保持部材であって、
網目状に形成された本体と、
前記本体の縁部に沿って取り付けられた縁紐材と、
前記車両に取り付けられる係合具と、
前記縁紐材を束ねる結束部材とを備え、
前記縁紐材は、第一左縁紐材と第二左縁紐材とを有する左縁紐材と、第一右縁紐材と第二右縁紐材とを有する右縁紐材と、を有し、
前記結束部材は、筒状に形成された左結束部材と右結束部材とを有し、
前記本体は、前記第一左縁紐材と前記第二左縁紐材が重なり、前記第一右縁紐材と前記第二右縁紐材が重なるように折り畳まれ、
前記第一左縁紐材と前記第二左縁紐材が前記左結束部材に挿通され、前記第一右縁紐材と前記第二右縁紐材が前記右結束部材に挿通されることを特徴とする車両用荷物保持部材。
【請求項2】
前記結束部材と前記右結束部材が連結部材により連結されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用荷物保持部材。
【請求項3】
前記連結部材が前記本体に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用荷物保持部材。
【請求項4】
記縁紐材は前記本体の表面と裏面を交互に通るように網目に挿通されていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の車両用荷物保持部材。
【請求項5】
前記本体の縁部は、第一上縁部と、第二上縁部と、を有し、
前記第一上縁部の左端には左大係合具が設けられ、前記第一上縁部の右端には右大係合具が設けられ、
前記第二上縁部の左端には左大係合具が設けられ、前記第一上縁部の右端には右大係合具が設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の車両用荷物保持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の荷室に荷物を保持する車両用荷物保持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものとして、下辺で折り畳まれることにより上辺に開口部を有するネットと、ネットの下辺に沿って挿通され、且つ延在方向に伸縮自在な第1細帯体と、ネットの夫々の上辺に沿って挿通され、且つ延在方向に伸縮自在な第2細帯体と、ネットの左右両端部夫々の上下に亘ってネットの左右両端部を固持すると共に、両細帯体夫々の端末を固持してなる伸縮性を有しないテープ帯とを有する荷物固定装置(例えば特許文献1)がある。
【0003】
また、実質的に四角形の主組織と、主組織の対向する2つの縁を縁取る固定型縁材と、他の対向する2つの縁で網目に交互に挿通され両端が固定型縁材に固定された縁紐材を有し、非伸縮性の素材からなり、縁紐材には、縁紐材の見かけ長さを調節可能な縁紐長さ調節手段が取り付けられている自動車ラゲージネット(例えば特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許3264124号公報
【文献】特許4177083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の荷物固定装置では、ネットの開口部を介して荷物を袋状となったネット内部に収納することができ、荷物の出し入れを簡単にすることができる。
【0006】
また、上記特許文献2に記載の自動車ラゲージネットでは、縁紐長さ調節手段によって縁紐材の主組織の縁に沿った見かけ長さを調節することによって、この縁に沿ったラゲージネットの長さを調節することができる。これによって、ラゲージネットを各付設状態に適した長さにすることができる。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の荷物固定装置では、ネットの収納容量は収納される荷物に拘わらず一定であり、小さな荷物を収納した場合はネットの中を動き回り、またネットを揺らすことによって荷物自体や車両内装を傷付け、乗員に危険を及ぼす虞がある。また、ネットの収納容量を超える大きな荷物を収納することはできない。
【0008】
また、上記特許文献2に記載の自動車ラゲージネットでは荷物を覆うことはできても収納することはできないため、荷物を保持することができる場所が荷室の壁や床に接した箇所に限定され、荷室内部での荷物配置の自由度が制約される。
【0009】
そこで、本発明は上記した問題点に鑑み、本体の縁部に沿って取り付けられた縁紐材を結束部材で束ねることにより簡易にマチ部を設け袋状とすることができ、また本体の収納容量を簡易に変更することができる荷物保持部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、第1の観点は、車両に取り付けられ、荷物を収納して保持する車両用荷物保持部材である。これは、網目状に形成された本体と、本体の縁部に沿って取り付けられた縁紐材と、車両に取り付けられる係合具と、縁紐材を束ねる結束部材とを有する。縁紐材は、第一左縁紐材と第二左縁紐材とを有する左縁紐材と、第一右縁紐材と第二右縁紐材とを有する右縁紐材と、を有し、結束部材は、筒状に形成された左結束部材と右結束部材とを有する。この本体は第一左縁紐材と第二左縁紐材が重なり、第一右縁紐材と第二右縁紐材が重なるように折り畳まれる。第一左縁紐材と第二左縁紐材が左結束部材に挿通され、第一右縁紐材と第二右縁紐材が右結束部材に挿通されることで荷物の収納可能容量を変更可能であることを特徴とする。
【0011】
また、第2の観点は、上記の結束部材と前記右結束部材が連結部材により連結されていることを特徴とする。
【0012】
また、第3の観点は、上記の連結部材が本体に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
また、第4の観点は、縁紐材は本体の表面と裏面を交互に通るように網目に挿通されていることを特徴とする。
【0014】
また、第5の観点は、本体の縁部が第一上縁部と第二上縁部を有し、第一上縁部の左端には左大係合具が設けられ、第一上縁部の右端には右大係合具が設けられ、第二上縁部の左端には左大係合具が設けられ、第一上縁部の右端には右大係合具が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
第1の観点に記載の構成によれば、簡易にマチ部を設け袋状とすることができ、また本体の収納容量を簡易に変更することができる。
【0016】
第2の観点に記載の構成によれば、結束部材を本体と一体的に保持することができる。
【0017】
第3の観点に記載の構成によれば、連結部材により本体を補強することができる。
【0018】
第4の観点に記載の構成によれば、紐材を活用して本体を軽量化することができる。
ができる。
【0019】
第5の観点に記載の構成によれば、車両用荷物保持部材を車両の荷室に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例1を示す車両用荷物保持部材の斜視図である。
図2】同上、車両用荷物保持部材の正面図である。
図3】同上、車両用荷物保持部材の背面図である。
図4】同上、車両用荷物保持部材の表面の展開図である。
図5】同上、車両用荷物保持部材の裏面の展開図である。
図6】同上、車両用荷物保持部材のA-A断面図(右側面視)である。
図7】同上、車両用荷物保持部材の係合具部分(左側)の拡大図である。
図8】同上、車両用荷物保持部材の係合具部分(右側)の拡大図である。
図9】同上、車両用荷物保持部材のB-B断面図(平面視)である。
図10】同上、車両荷室への取付例1を示す斜視図である。
図11】同上、車両荷室への取付例2を示す斜視図である。
図12】同上、結束部材が中間位置にある状態の斜視図である。
図13】同上、結束部材を上方位置まで移動した状態の斜視図である。
図14】同上、結束部材を下方位置まで移動した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の車両用荷物保持部材の実施例について説明する。以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0022】
図1図14は本発明の実施例1を示し、図1図9は本発明の実施例1の車両用荷物保持部材を示す。図1図6に示すように、本体1は紐材からなる網目状のネットであり、略四角形状をなし、左辺と右辺には対向する一対の縁部である左縁部11と右縁部12とが形成され、これらとは異なる辺には他の対向する一対の縁部として第一上縁部13と第二上縁部14とが形成されている。本体1は正面側の本体第一表面1A及び背面側の本体第二表面1Bからなる本体表面1Xを表面とし、正面側の第一裏面1C及び背面側の本体第二裏面1Dからなる本体裏面1Yを裏面として、上側が開口部63となるように2つに折り畳まれている。具体的には、左縁部11の正面側に形成された第一左縁部11Aと背面側に形成された第二左縁部11Bとが重なり、右縁部12の正面側に形成された第一右縁部12Aと背面側に形成された第二右縁部12Bとが重なり、第一上縁部13と第二上縁部14とが重なるように折り畳まれている。
【0023】
図4及び図5に示すように、左縁部11、右縁部12、第一上縁部13及び第二上縁部14には、1本に繋がった紐材である縁紐材20が取り付けられている。すなわち図4に示すように、縁紐材20は、正面視で時計回りに、第一上縁紐材23、第一右小係合具32A、第一右縁紐材22A、第二右縁紐材22B、第二右小係合具32B、第二上縁紐材24、第二左小係合具31B、第二左縁紐材21B、第一左縁紐材21A、第一左小係合具31Aの順に形成され、1本の紐材からなり全て繋がっている。
【0024】
左縁部11には、左縁紐材21が挿通されている。すなわち、第一左縁部11Aに沿って第一左縁紐材21Aが、本体第一表面1Aと本体第一裏面1Cとを交互に通るように網目に挿通されている。また、第二左縁部11Bに沿って第二左縁紐材21Bが、本体第二表面1Bと本体第二裏面1Dとを交互に通るように網目に挿通されている。右縁部12には、右縁紐材22が挿通されている。すなわち、第一右縁部12Aに沿って第一右縁紐材22Aが、本体第一表面1Aと本体第一裏面1Cとを交互に通るように網目に挿通されている。また、第二右縁部12Bに沿って第二右縁紐材22Bが、本体第二表面1Bと本体第二裏面1Dとを交互に通るように網目に挿通されている。
【0025】
第一上縁部13には第一縁帯体61が、第二上縁部14には第二縁帯体62が、それぞれ設けられている。図6に示すように、第一縁帯体61及び第二縁帯体62は、細長い帯状の布材を折り曲げ、短手方向の両端を縫合することで細長い筒状に形成されている。第一縁帯体61の内側には第一上縁紐材23が、第二縁帯体62の内側には第二上縁紐材2
4が、それぞれ挿通されている。
【0026】
図1図5図7及び図8に示すように、第一上縁部13と第二上縁部14の左端には左小係合具31と左大係合具33とが、右端には右小係合具32と右大係合具34とが、それぞれ設けられている。左小係合具31は縁紐材20を環状に加工して形成されており、根元の結合部31U及び先端の環状部31Rとからなる。右小係合具32は縁紐材20を環状に加工して形成されており、根元の結合部32U及び先端の環状部32Rとからなる。左小係合具31、右小係合具32にはフック35が取り付けられている。フック35は略楕円環状のプラスチック材からなり、中央の爪が可動であり、環を開閉することができる。左大係合具33は1本の紐材を環状に加工して形成されており、根元の棒状部33S、中間の結合部33U及び先端の環状部33Rとからなる。右大係合具34は1本の紐材を環状に加工して形成されており、根元の棒状部34S、中間の結合部34U及び先端の環状部34Rとからなる。左小係合具31及び右小係合具32よりも、左大係合具33及び右大係合具34の方が、より長く形成されている。
【0027】
左小係合具31は、第一上縁部13の左端に設けられた第一左小係合具31Aと、第二上縁部14の左端に設けられた第二左小係合具31Bとからなる。図7に示すように、第一左小係合具31Aの根元の結合部31Uの2本の紐材は、1本は下方に延びて第一左縁紐材21Aの上端に繋がり、もう1本は右方に延びて第一縁帯体61の内側に挿通された第一上縁紐材23の左端に繋っている。同様に、第二左小係合具31Bの根元の結合部31Uの2本の紐材は、1本は下方に延びて第二左縁紐材21Bの上端に繋がり、もう1本は右方に延びて第二縁帯体62の内側に挿通された第二上縁紐材24の左端に繋っている。
【0028】
右小係合具32は、第一上縁部13の右端に設けられた第一右小係合具32Aと、第二上縁部14の右端に設けられた第二右小係合具32Bとからなる。図8に示すように、第一右小係合具32Aの根元の結合部32Uの2本の紐材は、1本は下方に延びて第一右縁紐材22Aの上端に繋がり、もう1本は左方に延びて第一縁帯体61の内側に挿通された第一上縁紐材23の右端に繋っている。同様に、第二右小係合具32Bの根元の結合部32Uの2本の紐材は、1本は下方に延びて第二右縁紐材22Bの上端に繋がり、もう1本は左方に延びて第二縁帯体62の内側に挿通された第二上縁紐材24の右端に繋っている。
【0029】
左大係合具33は、第一上縁部13の左端に設けられた第一左大係合具33Aと、第二上縁部14の左端に設けられた第二左大係合具33Bとからなる。図7に示すように、第一左大係合具33Aの根元の棒状部33Sの2本の紐材は、第一縁帯体61の内側の左端に取り付けられている。同様に、第二左大係合具33Bの根本の棒状部33Sの2本の紐材は、第二縁帯体62の内側の左端に取り付けられている。
【0030】
右大係合具34は、第一上縁部13の右端に設けられた第一右大係合具34Aと、第二上縁部14の右端に設けられた第二右大係合具34Bとからなる。図8に示すように、第一右大係合具34Aの根元の棒状部34Sの2本の紐材は、第一縁帯体61の内側の右端に取り付けられている。同様に、第二右大係合具34Bの根本の棒状部34Sの2本の紐材は、第二縁帯体62の内側の右端に取り付けられている。
【0031】
連結部材5は、細長い帯状の布材から形成された外連結部5Xと内連結部5Yとからなる。図6に示すように、連結部材5は本体正面側の上下方向中央やや下方に、本体第一表面1Aに外連結部5Xが、本体第一裏面1Cに内連結部5Yが、本体1を表面と裏面の両面から挟みつつ、第一上縁部13及び第二上縁部14と平行になるように取り付けられている。連結部材5の左端には左結束部材41が、右端には右結束部材42が、それぞれ形成されている。図9に示すように、左結束部材41は、外連結部5Xの布材を折り曲げて内連結部5Yに接合させ、上下に開口した極細長い筒状に形成されている。右結束部材42についても同様に形成されている。左結束部材41は第一左縁紐材21Aと第二左縁紐材21Bとを、右結束部材42は第一右縁紐材22Aと第二右縁紐材22Bとを、それぞれの極細長い筒に挿通することによって、それぞれ束ねている。これによって、本体1は左側に第一左縁部11Aと第二左縁部11Bとに挟まれた左マチ部15が、右側に第一右縁部12Aと第二右縁部12Bとに挟まれた右マチ部16が設けられ、また上側が第一上縁部13と第二上縁部14とに挟まれた開口部63となる袋状に折り畳まれているので、その袋の内側に荷物を収納して保持することができる。
【0032】
また、左結束部材41は、第一左縁紐材21A及び第二左縁紐材21Bに固定されていないので、左縁部11の上下方向に移動可能である。同様に、右結束部材42は、第一右縁紐材22A及び第二右縁紐材22Bに固定されていないので、右縁部12の上下方向に移動可能である。後述するように、これによって本体1を変形させて左マチ部15及び右マチ部16の大きさを調整することができ、荷物の収納容量を変更することができる。
【0033】
図10は本発明の実施例1の車両用荷物保持部材の車両荷室への取付例1を示す。同図に示すように、荷室71の左右には荷室フック72が設けられている。車両用荷物保持部材は第一上縁部13及び第二上縁部14を荷室左右へかけ渡すように荷室に取り付けられる。左小係合具31及び右小係合具32に取り付けられたフック35の爪を曲げることにより、フック35を荷室フック72へ係合して、車両用荷物保持部材を車両荷室へ固定することができる。荷室フック72は任意の場所に設けることができるので、荷室内部での荷物配置は自由に設定できる。
【0034】
図11は本発明の実施例1の車両用荷物保持部材の車両荷室への取付例2を示す。同図に示すように、荷室71の上面には荷室カバー73が取り付けられる。荷室カバー73の左右にはロッド74が設けられている。車両用荷物保持部材は荷室カバー73の下に吊り下げられ、第一上縁部13及び第二上縁部14を荷室左右へかけ渡すように荷室に取り付けられる。左大係合具33及び右大係合具34にロッド74を通すことによって左大係合具33及び右大係合具34をロッド74へ係合して、車両用荷物保持部材を荷室へ固定することができる。ロッド74は任意の場所に設けることができるので、荷室内部での荷物配置は自由に設定できる。
【0035】
図12は本発明の実施例1の車両用荷物保持部材の連結部材5、左結束部材41及び右結束部材42が上下方向において中間位置にある状態を示す。同図に示すように、左結束部材41が第一左縁部11Aと第二左縁部11Bの上下方向中央やや下方で、第一左縁紐材21Aと第二左縁紐材21Bとを束ねている。また、右結束部材42が第一右縁部12Aと第二右縁部12Bの上下方向中央やや下方で、第一右縁紐材22Aと第二右縁紐材22Bとを束ねている。これによって、本体1に左マチ部15及び右マチ部16が設けられ、袋状に折り畳まれるので、その内側に荷物を収納することができる。
【0036】
図13は本発明の実施例1の車両用荷物保持部材の連結部材5、左結束部材41及び右結束部材42を上方位置まで移動した状態を示す。同図に示すように、左結束部材41が第一左縁部11A及び第二左縁部11Bの上方まで、右結束部材42が第一右縁部12A及び第二右縁部12Bの上方まで、それぞれ移動され本体1の上半分が縮められている。これによって本体1の左マチ部15及び右マチ部16が縮められ、本体1の内側の収納容量が縮小しているので、小さな荷物を収納した場合でも動き回ったり揺らしたりする余地が少なく、安定かつ安全な荷物の保持を簡易に実現することができる。図13に示す状態では、左縁紐材21及び右縁紐材22は下方に垂れ下がるため、垂れ下がった部分を結んだり、フック35又はロッド74に係合したりすることで、連結部材5、左結束部材41及び右結束部材42が荷物の重さにより下方に移動することを防止できる。
【0037】
図14は本発明の実施例1の車両用荷物保持部材の連結部材5、左結束部材41及び右結束部材42を下方位置まで移動した状態を示す。同図に示すように、左結束部材41が第一左縁部11A及び第二左縁部11Bの下方まで、右結束部材42が第一右縁部12A及び第二右縁部12Bの下方まで、それぞれ移動されている。これによって本体1の左マチ部15及び右マチ部16が延ばされ、本体1の内側の収納容量が拡大しているので、大きな荷物であっても問題なく収納して保持することができる。
【0038】
以上のように、本実施例の車両用荷物保持部材は、車両に取り付けられ、荷物を収納して保持する車両用荷物保持部材であって、一対の左縁部11及び右縁部12を有する本体1と、左縁部11及び右縁部12に沿って取り付けられた左縁紐材21及び右縁紐材22と、車両に取り付けられる左小係合具31、右小係合具32、左大係合具33及び右大係合具34と、左縁紐材21を束ねる左結束部材41及び右縁紐材22を束ねる右結束部材42とを備え、本体1は上側が開口部63となるように折り畳まれ、左結束部材41が左縁紐材21を、右結束部材42が右縁紐材22を、それぞれ束ねた状態で移動可能であって、結束部材5を移動させることにより本体1が変形し、荷物の収納可能容量を変更可能である。
【0039】
また、本実施例の車両用荷物保持部材は、左結束部材41及び右結束部材42が連結部材5により連結されている。
【0040】
また、本実施例の車両用荷物保持部材は、連結部材5が本体1に取り付けられている。
【0041】
また、本実施例の車両用荷物保持部材は、本体1は紐材からなる網目状のネットであり、左縁紐材21及び右縁紐材22は本体1の本体表面1Xと本体裏面1Yを交互に通るように網目に挿通され、本体1は左縁部11及び右縁部12のそれぞれの一端と他端が重なるように折り畳まれている。
【0042】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、本体は紐材からなる網目状のネットに限定されず、布材であっても良く、プラスチック材であっても良い。紐材は伸縮性の素材であっても良く、非伸縮性の素材であっても良い。係止部は環状のものに限定されず、車両用荷物保持部材を着脱可能に係止するものであればフック状のものであっても良く、紐状のものであっても良い。
【符号の説明】
【0043】
1 本体
1A 本体第一表面
1B 本体第二表面
1C 本体第一裏面
1D 本体第二裏面
1X 本体表面
1Y 本体裏面
11 左縁部
11A 第一左縁部
11B 第二左縁部
12 右縁部
12A 第一右縁部
12B 第二右縁部
13 第一上縁部
14 第二上縁部
15 左マチ部
16 右マチ部
20 縁紐材
21 左縁紐材
21A 第一左縁紐材
21B 第二左縁紐材
22 右縁紐材
22A 第一右縁紐材
22B 第二右縁紐材
23 第一上縁紐材
24 第二上縁紐材
31 左小係合具
31A 第一左小係合具
31B 第二左小係合具
31R 環状部
31U 結合部
32 右小係合具
32A 第一右小係合具
32B 第二右小係合具
32R 環状部
32U 結合部
33 左大係合具
33A 第一左大係合具
33B 第二左大係合具
33R 環状部
33S 棒状部
33U 結合部
34 右大係合具
34A 第一右大係合具
34B 第二右大係合具
34R 環状部
34S 棒状部
34U 結合部
35 フック
41 左結束部材
42 右結束部材
5 連結部材
5X 外連結部
5Y 内連結部
61 第一縁帯体
62 第二縁帯体
63 開口部
71 荷室
72 荷室フック
73 荷室カバー
74 ロッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14