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特許7026064画像復号装置、画像復号方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】画像復号装置、画像復号方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/51 20140101AFI20220217BHJP
【FI】
H04N19/51
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019044305
(22)【出願日】2019-03-11
(65)【公開番号】P2020150342
(43)【公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】キュリーズ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】河村 圭
(72)【発明者】
【氏名】内藤 整
【審査官】岩井 健二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0070102(US,A1)
【文献】国際公開第2020/008334(WO,A1)
【文献】Kai Zhang et al.,Non-CE2: Interweaved Prediction for Affine Motion Compensation,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JVET-M0268-v3,13th Meeting: Marrakech, MA,2019年01月,pp.1-4
【文献】Kai Zhang et al.,CE4-related: Interweaved Prediction for Affine Motion Compensation,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11,JVET-K0102-v2,11th Meeting: Ljubljana, SI,2018年07月,pp.1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロックを取得して出力するように構成されている通常サブブロック分割部と、
前記第1分割位置から所定画素分だけずれた位置である第2分割位置で前記予測対象ブロックを分割することによって第2サブブロックを取得して出力するように構成されている追加サブブロック分割部と、
アフィン変換によって前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックに対応する動きベクトルを取得するように構成されている動きベクトル生成部と、
前記動きベクトルに基づいて、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックの予測画像を生成するように構成されている動き補償予測部と、
前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックの予測画像に基づいて、前記予測対象ブロックの予測画像を生成するように構成されている補間部とを有し、
前記追加サブブロック分割部は、前記第1サブブロックの個数の一定割合以下に限定して前記第2サブブロックを出力するように構成されていることを特徴とする画像復号装置。
【請求項2】
前記第2分割位置は、前記第1分割位置から前記第1サブブロックの半分の画素分だけ縦方向及び横方向にずれた位置であることを特徴とする請求項に記載の画像復号装置。
【請求項3】
第1分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロックを取得して出力する工程Aと、
前記第1分割位置から所定画素分だけずれた位置である第2分割位置で前記予測対象ブロックを分割することによって第2サブブロックを取得して出力する工程Bと、
前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックに対応するアフィン変換によって得られた動きベクトルを出力する工程と、
前記動きベクトルに基づいて、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックの予測画像を生成する工程と、
前記第1サブブロックの予測画像及び前記第2サブブロックの予測画像に基づいて、前記予測対象ブロックの予測画像を生成する工程とを有し、
前記工程Bにおいて、前記第1サブブロックの個数の一定割合以下に限定して前記第2サブブロックを出力することを特徴とする画像復号方法。
【請求項4】
コンピュータを、画像復号装置として機能させるプログラムであって、
前記画像復号装置は、
第1分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロック及び第2サブブロックを取得するように構成されている通常サブブロック分割部と、
前記第1分割位置から所定画素分だけずれた位置である第2分割位置で前記予測対象ブロックを分割することによって第2サブブロックを取得して出力するように構成されている追加サブブロック分割部と、
前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックに対応するアフィン変換によって得られた動きベクトルを出力するように構成されている動きベクトル生成部と、
前記動きベクトルに基づいて、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックの予測画像を生成するように構成されている動き補償予測部と、
前記第1サブブロックの予測画像及び前記第2サブブロックの予測画像に基づいて、前記予測対象ブロックの予測画像を生成するように構成されている補間部とを有し、
記追加サブブロック分割部は、前記第1サブブロックの個数の一定割合以下に限定して前記第2サブブロックを出力するように構成されていることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像復号装置、画像復号方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イントラ予測又はインター予測、予測残差信号の変換・量子化、エントロピー符号化を用いた画像符号化方式が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
また、インター予測方式の1つとして、アフィン動き補償予測方式が、次世代動画像符号化方式WCで提案されている(例えば、非特許文献2参照)。アフィン動き補償予測方式は、動き補償予測方式の一種であり、動きベクトル及び平行移動モデルにより予測画像を生成するように構成されている。
【0004】
図8に示すように、アフィン動き補償予測方式では、平行移動モデルを適用するブロックサイズを4×4画素のサブブロックとする一方で、アフィン変換によりサブブロックごとに異なる動きベクトルを導出する。
【0005】
ここで、アフィン変換のパラメータは、既存の画像符号化方式との整合性を取るため、アフィン動き補償予測を行う対象ブロックの頂点における動きベクトルとして表現する。なお、各頂点における動きベクトルを「制御点」と呼ぶ。
【0006】
図9(a)に示す4パラメータモデルの場合の任意の画素位置における動きベクトル(mv,mv)は、(式1)によって導出され、図9(b)に示す6パラメータモデルの場合の任意の画素位置における動きベクトル(mv,mv)は、(式2)によって導出される。
【0007】
【数1】
【0008】
【数2】
【0009】
ここで、(mv0x,mv0y)は、対象ブロック(サブブロック)の左上頂点の制御点(動きベクトル)であり、(mv1x,mv1y)は、対象ブロックの右上頂点の制御点であり、(mv2x,mv2y)は、対象ブロックの左下頂点の制御点である。また、Wは、対象ブロックの幅であり、Hは、対象ブロックの高さである。
【0010】
また、かかる動きベクトル(mv,mv)を導出する式は、任意の画素位置に適用可能だが、上述のように、4×4画素のサブブロックで1つの動きベクトルを共有する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【文献】ITU-T H.265 High Efficiency Video Coding
【文献】Versatile Video Coding(Draft 4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の技術では、既存の動き補償予測方式との整合性を優先するために、4×4画素のサブブロック単位でしかアフィン動き補償予測を行うことができず、予測性能が低いというという問題点があった。
【0013】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、サブブロック数の増加割合を一定に抑えつつ、予測性能を向上させることができる画像復号装置、画像復号方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の特徴は、画像復号装置であって、異なる分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロック及び第2サブブロックを取得するように構成されているサブブロック分割部と、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックに対応するアフィン変換によって得られた動きベクトルを出力するように構成されている動きベクトル生成部と、前記動きベクトルに基づいて、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックの予測画像を生成するように構成されている動き補償予測部と、前記第1サブブロックの予測画像及び前記第2サブブロックの予測画像に基づいて、前記予測対象ブロックの予測画像を生成するように構成されている補間部とを有することを要旨とする。
【0015】
本発明の第2の特徴は、画像復号方法であって、異なる分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロック及び第2サブブロックを取得する工程Aと、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックに対応するアフィン変換によって得られた動きベクトルを出力する工程Bと、前記動きベクトルに基づいて、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックの予測画像を生成する工程Cと、前記第1サブブロックの予測画像及び前記第2サブブロックの予測画像に基づいて、前記予測対象ブロックの予測画像を生成する工程Dとを有することを要旨とする。
【0016】
本発明の第3の特徴は、コンピュータを、画像復号装置として機能させるプログラムであって、前記画像復号装置は、 異なる分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロック及び第2サブブロックを取得するように構成されているサブブロック分割部と、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックに対応するアフィン変換によって得られた動きベクトルを出力するように構成されている動きベクトル生成部と、前記動きベクトルに基づいて、前記第1サブブロック及び前記第2サブブロックの予測画像を生成するように構成されている動き補償予測部と、前記第1サブブロックの予測画像及び前記第2サブブロックの予測画像に基づいて、前記予測対象ブロックの予測画像を生成するように構成されている補間部とを有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、サブブロック数の増加割合を一定に抑えつつ、予測性能を向上させることができる画像復号装置、画像復号方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態に係る画像処理システム100の構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態に係る画像符号化装置100の機能ブロックの一例を示す図である。
図3】一実施形態に係る画像復号装置200の機能ブロックの一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る画像符号化装置100のインター予測部101及び画像復号装置200のインター予測部203の機能ブロックの一例を示す図である。
図5】一実施形態に係る画像符号化装置100のインター予測部101及び画像復号装置200のインター予測部203の追加サブブロック分割部101Bによって分割されるサブブロック及び通常サブブロック分割部101Aによって分割されるサブブロックの一例を示す図である。
図6】一実施形態に係る画像復号装置200の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】一実施形態に係る画像符号化装置100のインター予測部101及び画像復号装置200のインター予測部203の追加サブブロック分割部101Bによって分割されるサブブロック及び通常サブブロック分割部101Aによって分割されるサブブロックの一例を示す図である。
図8】従来技術を説明するための図である。
図9】従来技術を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら、説明する。なお、以下の実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素などとの置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下の実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像処理システム1の機能ブロックの一例を示す図である。画像処理システム1は、動画像を符号化して符号化データを生成する画像符号化装置100と、画像符号化装置100により生成された符号化データを復号する画像復号装置200とを備える。画像符号化装置100と画像復号装置200との間では、上述の符号化データが、例えば、伝送路を介して送受信される。
【0021】
図2は、画像符号化装置100の機能ブロックの一例を示す図である。図2に示すように、画像符号化装置100は、インター予測部101と、イントラ予測部102と、変換・量子化部103と、エントロピー符号化部104と、逆変換・逆量子化部105と、インループフィルタ106と、フレームバッファ107とを備える。
【0022】
インター予測部101は、入力画像及びフレームバッファ109から入力されるフィルタ後局所復号画像(後述)を用いて、インター予測を行ってインター予測画像を生成して出力するように構成されている。
【0023】
イントラ予測部102は、入力画像及びフィルタ前局所復号画像(後述)を用いて、イントラ予測を行ってイントラ予測画像を生成して出力するように構成されている。
【0024】
変換・量子化部103は、減算部106から入力される残差信号に対して直交変換処理を行い、かかる直交変換処理により得られる変換係数に対して量子化処理を行って得られる量子化係数レベル値を出力するように構成されている。
【0025】
エントロピー符号化部104は、変換・量子化部103から入力される量子化係数レベル値、変換ユニットサイズ及び変換サイズ、動き補償方式等をエントロピー符号化して符号化データとして出力するように構成されている。
【0026】
逆変換・逆量子化部105は、変換・量子化部103から入力される量子化係数レベル値に対して逆量子化処理を行い、かかる逆量子化処理により得られた変換係数に対して逆直交変換処理を行って得られる残差信号を出力するように構成されている。
【0027】
減算部106は、入力画像とイントラ予測画像或いはインター予測画像との差分である残差信号を出力するように構成されている。
【0028】
加算部107は、逆変換・逆量子化部105から入力される残差信号とイントラ予測画像或いはインター予測画像とを加算して得られるフィルタ前局所復号画像を出力するように構成されている。
【0029】
インループフィルタ部108は、加算部107から入力されるフィルタ前局所復号画像に対して、デブロッキングフィルタ処理等のインループフィルタ処理を適用してフィルタ後局所復号画像を生成して出力するように構成されている。
【0030】
フレームバッファ109は、フィルタ後局所復号画像を蓄積し、適宜、フィルタ後局所復号画像としてインター予測部に供給する。
【0031】
図3は、画像復号装置200のブロック図である。図3に示すように、画像復号装置200は、エントロピー復号部201と、逆変換・逆量子化部202と、インター予測部203と、イントラ予測部204と、加算部205と、インループフィルタ206と、フレームバッファ207とを備える。
【0032】
エントロピー復号部201は、符号化データをエントロピー復号し、量子化係数レベル値、変換ユニットサイズ及び変換サイズ、動き補償方式等を導出して出力するように構成されている。
【0033】
逆変換・逆量子化部202は、エントロピー復号部201から入力される量子化係数レベル値に対して逆量子化処理を行い、かかる逆量子化処理により得られた結果に対して逆直交変換処理を行って残差信号として出力するように構成されている。
【0034】
インター予測部203は、フレームバッファ207から入力されるフィルタ後局所復号画像を用いて、インター予測を行ってインター予測画像を生成して出力するように構成されている。
【0035】
イントラ予測部204は、加算部205から入力されるフィルタ前局所復号画像を用いて、イントラ予測を行ってイントラ予測画像を生成して出力するように構成されている。
【0036】
加算部205は、逆変換・逆量子化部202から入力される残差信号と予測画像(インター予測部203から入力されるインター予測画像或いはイントラ予測部204から入力されるイントラ予測画像)とを加算して得られるフィルタ前局所復号画像を出力するように構成されている。
【0037】
ここで、予測画像とは、インター予測部203から入力されるインター予測画像及びイントラ予測部204から入力されるイントラ予測画像のうち、エントロピー復号により得られた最も高い符号化性能の期待される予測方法により算出された予測画像のことである。
【0038】
インループフィルタ206は、加算部205から入力されるフィルタ前局所復号画像に対してデブロックフィルタ処理等のインループフィルタ処理を適用してフィルタ後局所復号画像を生成して出力するように構成されている。
【0039】
フレームバッファ207は、インループフィルタ206から入力されるフィルタ後局所復号画像を蓄積し、適宜、フィルタ後局所復号画像としてインター予測部203に供給するとともに、復号済み画像として出力するように構成されている。
【0040】
図4図6を参照して、画像符号化装置100のインター予測部101及び画像復号装置200のインター予測部203について説明する。画像符号化装置100のインター予測部101の機能及び画像復号装置200のインター予測部203の機能は、基本的に同一であるため、以下、画像復号装置200のインター予測部203の機能を例に挙げて説明する。
【0041】
図4に示すように、画像復号装置200のインター予測部203は、通常サブブロック分割部101Aと、追加サブブロック分割部101Bと、動きベクトル生成部101Cと、アフィン動きベクトル生成部101D1/101D2と、フレームバッファ101Eと、動き補償予測部101F1~101F3と、加算部101Gと、選択部101Hとを備える。
【0042】
通常サブブロック分割部101Aは、第1分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロックを取得するように構成されている。
【0043】
具体的には、通常サブブロック分割部101Aは、入力された予測対象ブロックの座標及びブロックサイズに基づいて予測対象ブロックを分割して第1サブブロックを取得し、かかる第1サブブロックの座標及びブロックサイズを出力するように構成されている。
【0044】
例えば、図5(b)に示すように、通常サブブロック分割部101Aは、第1分割位置Xにおいて予測対象ブロックを分割し、16個のサブブロック(4×4の画素からなるブロック)B1を取得するように構成されていてもよい。
【0045】
追加サブブロック分割部101Bは、第1分割位置から所定画素分だけずれた位置である第2分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第2サブブロックを取得するように構成されている。
【0046】
具体的には、追加サブブロック分割部101Bは、入力された予測対象ブロックの座標及びブロックサイズから第1分割位置を把握し、かかる第1分割位置から所定画素分だけずらした位置である第2分割位置で予測対象ブロックを分割して第2サブブロックを取得し、かかる第2サブブロックの座標及びブロックサイズを出力するように構成されている。
【0047】
ここで、第2分割位置は、第1分割位置から第1サブブロックの半分の画素分だけ縦方向及び横方向にずれた位置であってもよい。
【0048】
例えば、図5(a)に示すように、追加サブブロック分割部101Bは、第1分割位置Xから2画素分だけ縦方向及び横方向にずらした第2分割位置Yで予測対象ブロックを分割し、9個の第2サブブロック(4×4の画素からなるブロック)B2を取得するように構成されていてもよい。
【0049】
アフィン動き補償予測は、4×4画素のサブブロック単位で行われるため、図5の例では、追加サブブロック分割部101Bは、4×4の画素からなる9個の第2サブブロックの座標及びブロックサイズを出力するように構成されている。
【0050】
ここで、通常サブブロック分割部101A及び追加サブブロック分割部101Bは、異なる分割位置で予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロック及び第2サブブロックを取得するように構成されているサブブロック分割部を構成する。
【0051】
動きベクトル生成部101Cは、入力された予測対象ブロックの座標及び制御点を取得し、かかる予測対象ブロックの右上の頂点の制御点を動きベクトルとして出力するように構成されている。
【0052】
アフィン動きベクトル生成部101D1は、第1サブブロックに対応するアフィン変換によって得られた動きベクトルを出力するように構成されている。同様に、アフィン動きベクトル生成部101D2は、第2サブブロックに対応するアフィン変換によって得られた動きベクトルを出力するように構成されている。
【0053】
具体的には、アフィン動きベクトル生成部101D1/101D2は、入力された第1サブブロック及び第2サブブロックの座標、ブロックサイズ及び制御点を用いてアフィン変換を行い、第1サブブロック及び第2サブブロックに対応する動きベクトルを出力するように構成されている。
【0054】
フレームバッファ101Eは、入力された参照画像添字及びブロック(又は、サブブロック)の動きベクトルに基づいて、かかる参照画素添字によって示される参照画素及び動きベクトルの小数部分を出力するように構成されている。なお、フレームバッファ101Eは、フレームバッファ109/207によって代用されてよい。
【0055】
動き補償予測部101F1/101F2は、上述の動きベクトルに基づいて、第1サブブロック及び第2サブブロックの予測画像(補間画像)を生成するように構成されている。
【0056】
具体的には、動き補償予測部101F1は、フレームバッファ101Eから出力される第2サブブロックに対応する動きベクトルに基づいて、第2サブブロックの予測画像を生成するように構成されている。
【0057】
より具体的には、動き補償予測部101F1は、フレームバッファ101Eから出力される参照画素及び第2サブブロックに対応する動きベクトルの小数部分から、第2サブブロックの予測画像を生成するように構成されている。
【0058】
また、動き補償予測部101F2は、フレームバッファ101Eから出力される第1サブブロックに対応する動きベクトルに基づいて、第1サブブロックの予測画像を生成するように構成されている。
【0059】
より具体的には、動き補償予測部101F2は、フレームバッファ101Eから出力される参照画素及び第1サブブロックに対応する動きベクトルの小数部分から、第1サブブロックの予測画像を生成するように構成されている。
【0060】
また、動き補償予測部101F3は、フレームバッファ101Eから出力される参照画素及び予測対象ブロックに対応する動きベクトルの小数部分から、予測対象ブロックの予測画像を生成するように構成されている。
【0061】
加算部101Gは、第1サブブロックの予測画像及び第2サブブロックの予測画像に基づいて、予測対象ブロックの予測画像を生成するように構成されている補間部を構成する。
【0062】
具体的には、加算部101Gは、第1サブブロックの予測画像と第2サブブロックの予測画像とを一定の比率で加重平均することによって、予測対象ブロックの予測画像を生成するように構成されている。
【0063】
選択部101Hは、加算部101Gから出力される予測対象ブロックの予測画像及び動き補償予測部101F3から出力される予測対象ブロックの予測画像(サブブロックを使わない場合)から、インター予測モードに応じた予測画像を選択して出力するように構成されている。なお、かかる選択は、図示しない制御部により判定され、動き補償方式として画像符号化装置100から画像復号装置200にシグナリングされる。
【0064】
図6を参照して、本実施形態に係る画像復号装置200の動作の一例について説明する。
【0065】
図6に示すように、ステップS101において、画像復号装置200は、予測対象ブロックを分割することによって第1サブブロック及び第2サブブロックを取得する。
【0066】
ステップS102において、画像復号装置200は、第1サブブロックに対応する動きベクトル、第2サブブロックに対応する動きベクトル及び予測対象サブブロックに対応する動きベクトルを生成する。
【0067】
ステップS103において、画像復号装置200は、第1サブブロックに対応する動きベクトルに基づいて第1サブブロックの予測画像を生成し、第2サブブロックに対応する動きベクトルに基づいて第2サブブロックの予測画像を生成し、予測対象ブロックに対応する動きベクトルに基づいて予測対象ブロックの予測画像(サブブロックを使用しない場合)を生成する。
【0068】
ステップS104において、画像復号装置200は、第1サブブロックの予測画像と第2サブブロックの予測画像とを一定の比率で加重平均することによって、予測対象ブロックの予測画像を生成する。
【0069】
ステップS105において、画像復号装置200は、ステップS104において生成された予測対象ブロックの予測画像及びステップS103において生成された予測対象ブロックの予測画像から、インター予測モードに応じた予測画像を選択する。
【0070】
本実施形態に係る画像処理システム1によれば、第2サブブロックの参照画素の領域は、第1サブブロックの参照画素の領域よりも広がらないため、メモリ帯域を増加させることなく、サブブロックごとの処理単位も維持しつつ、予測性能を向上することができる。
【0071】
(第2実施形態)
以下、図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る画像処理システム1について、上述の第1実施形態に係る画像処理システム1との相違点に着目して説明する。
【0072】
本実施形態において、追加サブブロック分割部101Bは、第2サブブロックの一部について出力するように構成されている。
【0073】
具体的には、追加サブブロック分割部101Bは、通常サブブロック分割部101Aによって取得される第1サブブロックの個数の一定割合(例えば、半分等)以下に限定して第2サブブロックを出力するように構成されている。
【0074】
例えば、図7(b)に示すように、通常サブブロック分割部101Aによって16個の第1サブブロックが生成され、図7(a)に示すように、追加サブブロック分割部101Bによって9個の第2サブブロックが生成される。
【0075】
追加サブブロック分割部101Bは、第2サブブロックの個数を第1サブブロックの個数の半分以下とする場合、図7(a)に示すように、第2サブブロックの一部を除く斜線部分の8個の第2サブブロックを出力するように構成されている。
【0076】
同様に、通常ブロック分割部101Aによって64個の第1サブブロックが出力される場合、追加サブブロック分割部101Bは、上述の第1実施形態では、49個の第2サブブロックを出力するが、本実施形態では、32個以下の第2サブブロックを出力するように構成されていてもよい。
【0077】
例えば、追加サブブロック分割部101Bは、市松模様となるように第2サブブロックを削減する場合、25個の第2サブブロックを出力するように構成されている。
【0078】
或いは、追加サブブロック分割部101Bは、任意の順序付けされたブロックのうち先頭n個の第2サブブロックを出力するように構成されている。ここで、nは整数であり、増加率を5割とする場合には「32」となる。
【0079】
本実施形態に係る画像処理システム1によれば、第2サブブロックの個数を一定割合に抑えているため、追加の演算コストもワーストケースにおいても一定割合の増加となるにもかかわらず、予測精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0080】
1…画像処理システム
100…画像符号化装置
101、203…インター予測部
101A…通常サブブロック分割部
101B…追加サブブロック分割部
101C…動きベクトル生成部
101D1、101D2…アフィン動きベクトル生成部
101F1~101F3…動き補償予測部
102、204…イントラ予測部
103…変換・量子化部
104…エントロピー符号化部
105、202…逆変換・逆量子化部
106…減算部
101G、107、205…加算部
108、206…インループフィルタ
101E、109、207…フレームバッファ
200…エントロピー復号部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9