IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通フロンテック株式会社の特許一覧

特許7026073予測装置、予測プログラム、および予測方法
<>
  • 特許-予測装置、予測プログラム、および予測方法 図1
  • 特許-予測装置、予測プログラム、および予測方法 図2
  • 特許-予測装置、予測プログラム、および予測方法 図3
  • 特許-予測装置、予測プログラム、および予測方法 図4
  • 特許-予測装置、予測プログラム、および予測方法 図5
  • 特許-予測装置、予測プログラム、および予測方法 図6
  • 特許-予測装置、予測プログラム、および予測方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】予測装置、予測プログラム、および予測方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20220217BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20220217BHJP
【FI】
G06Q50/34
G06Q10/04
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019052605
(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2020154724
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 慶太
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-50281(JP,A)
【文献】特開2006-330775(JP,A)
【文献】特開平08-297575(JP,A)
【文献】特開平05-18995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、前記公営競技の開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数とを学習することにより生成されたモデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、前記予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する予測部
を備えることを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記第1データおよび前記第2データは、開催場、グレード、時間帯、開催日、天候、前記開催場におけるイベントの開催状況、前記出走表の設置場所、前記開催場の入場者数、他の開催場のレース実施状況、および併売の有無のうちの少なくとも一つを含む
ことを特徴とする請求項1記載の予測装置。
【請求項3】
過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、前記公営競技の開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数とを学習することにより生成されたモデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、前記予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する
処理をコンピュータに実行させるための予測プログラム。
【請求項4】
コンピュータが、
過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、前記公営競技の開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数とを学習することにより生成されたモデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、前記予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する
処理を実行することを特徴とする予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公営競技の出走表の使用枚数を予測する予測装置、予測プログラム、および予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技の競技場において、当日に開催されるレースの出場選手や出走馬などが記載された出走表が配布される。出走表は、例えば、公営競技場の所定の場所に、運営者により予め予測された枚数が置かれ、利用者が自由に取ることができる。
【0003】
関連する技術として、公営競技等への投票に用いられる投票システムであって、開催スケジュールを参照して、融資対象期間に行なわれる競技を特定するとともに、予測売上に基づいて融資額を決定する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
また、関連する技術として、自動取引装置における取引媒体の流出入量を予測し、イベント開催期間中の予測値を補正する技術が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-86058号公報
【文献】特開2015-187819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、公営競技の運営者が出走表の原版の作成を行い、その原版を基に配布用の出走表を印刷する。運営者は、例えば、当日開催のメインレースグレードや曜日などから入場者数を想定し、使用枚数を予測することにより、配布用の出走表の印刷枚数を決定することが考えられる。
【0007】
しかし、使用枚数の予測が運営者の勘や経験頼りになり、経験が少ない人が予測した場合、予測精度が低下してしまう。例えば、出走表が過剰である場合、印刷による余分なコストが発生していることとなる。また、出走表が不足した場合、再印刷および配布を行うこととなり、現場保守員の作業が増加してしまう。
【0008】
1つの側面として、本発明は、出走表の使用枚数の予測精度を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、予測装置は、過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、前記公営競技の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数とを学習することにより生成されたモデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、前記予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する予測部を含む。
【0010】
別の態様では、予測プログラムは、過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、前記公営競技の開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数とを学習することにより生成されたモデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、前記予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
別の態様では、予測方法において、コンピュータが、過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、前記公営競技の開催の開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数とを学習することにより生成されたモデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、前記予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する処理を実行する。
【発明の効果】
【0012】
1つの側面によれば、出走表の使用枚数の予測精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】競技場マップの一例を示す図である。
図2】予測装置および生成装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】予測装置の処理の概要を示す図である。
図4】予測対象の開催に関するデータの入力画面の一例を示す図である。
図5】出走表の適正印刷枚数を示す画面の一例を示す図である。
図6】実施形態の処理の一例を示すフローチャートである。
図7】予測装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、競技場マップの一例を示す図である。なお、図1に示す競技場は、競馬場であるが、本実施形態における公営競技は、他の競技(競輪、競艇、またはオートレース等)であってもよい。図1に示すように競技場には、レースが行われる馬場1と、パドック、売店、サービスカウンタ等の様々な施設が存在する多目的エリア2とが含まれる。
【0015】
多目的エリア2内には、複数の出走表置き場3a、3bが設置されている。出走表置き場3aは、正門付近に設置され、出走表置き場3bは、東門付近に設置されている。以下、複数の出走表置き場3a、3bを区別しない場合、出走表置き場3と記載する。
【0016】
競技場の運営者は、開催当日に、印刷した出走表を全ての出走表置き場3に置く。入場者は、いずれかの出走表置き場3に置かれた出走表を取り、レースの予想、チケット(例えば、馬券)の購入等を行う。例えば、出走表が不足した場合、運営者は、再印刷を行い、再印刷した出走表を出走表置き場3に置く。また、開催終了後に、出走表が余っている場合、運営者は、出走表を回収し破棄する。運営者は、例えば、現地保守員またはレースの開催者等である。
【0017】
図2は、予測装置10および生成装置20の機能構成の一例を示す図である。予測装置10は、例えば、公営競技の競技場内に設置されてもよいし、他の場所に設置されていてもよい。予測装置10は、クラウドサービスとして複数の利用者から利用可能であってもよい。予測装置10は、コンピュータの一例である。生成装置20は、例えば、システム開発者が使用する情報処理装置である。予測装置10と生成装置20は、ネットワークを介して通信を行うことが可能である。
【0018】
予測装置10は、予測部13と表示部16と記憶部18と通信部19とを含む。生成装置20は、取得部11と生成部12と更新部14と記憶部15と通信部17とを含む。
【0019】
取得部11は、過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、その公営競技の開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数を学習用データとして取得する。設置場所は、例えば、図1の出走表置き場3a、3bである。公営競技の開催に関する第1データは、開催場、グレード、時間帯、開催日、天候、開催場におけるイベントの開催状況、出走表の設置場所、開催場の入場者数、他の開催場のレース実施状況、および併売の有無を示す情報のうちの少なくとも一つを含む。開催日は、日付と曜日の両方を含んでいてもよい。出走表の使用枚数の代わりに、印刷枚数と残枚数を取得してもよい。
【0020】
生成部12は、学習用データの前処理として、データの欠損値や外れ値の除去、不要な項目については削除したり、複数の項目を集めて更に別な項目として変換したりする等の処理を行う。そして、生成部12は、前処理が行われた学習用データを学習し、設置場所毎の出走表の使用枚数の予測に用いる第1モデルを生成する。学習には、機械学習が用いられる。機械学習には、例えば、ディープラーニング、SVM(Support Vector Machine)、決定木などの手法が用いられる。取得部11が、印刷枚数と残枚数を取得した場合、生成部12は、印刷枚数から残枚数を減算して使用枚数を算出し、その使用枚数を学習用データとして用いてもよい。また、生成部12は、モデル生成後に、Hold-out(ホールドアウト法)、Cross Validation(クロスバリデーション法)、Leave One Out等の手法により、モデルの評価を行う。生成装置20は、取得部11によるデータ収集、生成部12によるデータ前処理、モデル生成、モデル評価を繰り返してモデルを生成する。
【0021】
通信部17は、生成された第1モデルを予測装置10に送信する。
予測部13は、生成された第1モデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する。予測対象の開催に関する第2データは、学習に用いた第1データと同じ種類のデータである。すなわち、予測対象の開催に関する第2データは、開催場、グレード、時間帯、開催日、天候、開催場におけるイベントの開催状況、出走表の設置場所、開催場の入場者数、他の開催場のレース実施状況、および併売の有無を示す情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0022】
表示部16は、予測対象の開催に関する第2データの入力画面を表示する。また、表示部16は、予測部13による予測が行われた後、予測された出走表の使用枚数を、適正な印刷枚数として表示する。表示部16は、例えば、予測された出走表の使用枚数に所定の余裕分枚数を加算した枚数を、適正な印刷枚数として表示してもよい。
【0023】
通信部19は、予測対象の開催に関する第2データと、予測対象の開催での設置場所毎の出走表の使用枚数を生成装置10に送信する。
【0024】
更新部14は、予測対象の開催後に、予測対象の開催に関する第2データと、予測対象の開催での設置場所毎の出走表の使用枚数を学習し、第1モデルを更新する。
【0025】
記憶部15は、生成装置20が実施する処理に関する各種データを記憶する。記憶部15は、例えば、取得部11が取得した第1データおよび出走表の使用枚数、生成部12が生成したモデル、予測対象の開催に関する第2データおよび出走表の使用枚数等を記憶する。
【0026】
記憶部18は、予測装置10が実施する処理に関する各種データを記憶する。記憶部18は、例えば、予測対象の開催に関する第2データおよび出走表の使用枚数等を記憶する。
【0027】
なお、生成部12は、取得部11が取得した公営競技の開催に関する第1データの一部のデータが未入力であった場合、未入力のデータを除く第1データと、設置場所毎の出走表の使用枚数を学習し、設置場所毎の出走表の使用枚数の予測に用いる第2モデルを生成してもよい。例えば、天候および他の開催場のレース実施状況は、当日まで分からないため、レース前日に予測が行われる場合、未入力となる可能性がある。予測部13は、予測対象の開催に関する第2データのうち、第2モデル生成時に未入力であった一部のデータに対応するデータが未入力であった場合、第2モデルに、第2データのうち未入力のデータを除くデータを入力して、予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する。例えば、予測部13は、天候および他の開催場のレース実施状況が未入力であった場合、天候および他の開催場のレース実施状況を除いたデータを用いて生成された第2モデルを用いて予測を行う。これにより、予測時に一部のデータが未入力であっても、予測部13が予測処理を迅速に行うことができる。
【0028】
なお、生成部12が使用するモデルは3つ以上であってもよい。生成部12は、全第1データを用いた第1モデルの他に、例えば、第1データのうち天候を除くデータを用いた第2モデル、第1データのうち他の開催場のレース実施状況を除くデータを用いた第2モデルをそれぞれ生成してもよい。
【0029】
図3は、予測装置10の処理の概要を示す図である。図3に示すモデルは、過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、その開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数に基づいて生成部12が生成した第1モデルであるとする。予測部13は、生成されたモデルに予測対象の開催に関する第2データを入力して、モデルから出力された設置場所毎の出走表の使用枚数を得る。なお、図3に示すモデルは、未入力のデータを除く第1データを用いて生成した第2モデルであってもよい。表示部16は、出力された出走表の使用枚数を、適正な印刷枚数として表示する。
【0030】
図4は、予測対象の開催に関するデータの入力画面の一例を示す図である。図4の例に示す入力画面は、表示部16が表示する画面である。図4に示すように、入力画面は、メッセージ21と入力部分22と適正印刷枚数を表示させるためのボタン23とを含む。メッセージ21は、入力部分22への各項目の入力と、ボタン23の押下を促すメッセージである。
【0031】
入力部分22には、ユーザの入力操作により、予測対象の開催に関するデータが入力される。入力部分22は、予測対象の開催の開催場、開催日付、メインレースグレード、時間(レースの開催時間帯)、天候(開催当日の天候)を含む。また、入力部分22は、予測対象の開催場で実施されるイベントが入力可能となっている。イベントが開催される場合、入場者数が増え、出走表の使用枚数が増加すると予想される。
【0032】
また、入力部分22は、他の開催場の実施状況が入力可能となっている。他の開催場でレースが開催される場合、その開催場に人が向かう影響で予測対象の開催場の入場者数が減り、出走表の使用枚数が減る可能性がある。また、他の開催場で行われるレースのチケットが予測対象の開催の開催場で併売される場合、入場者数が増加し、出走表の使用枚数が増える可能性がある。図4に示す例では、あお競馬場ときいろ競馬場で、あか競馬場と同日にレースが開催され、きいろ競馬場のレースのチケットがあか競馬場で併売されることを示している。
【0033】
入力部分22の各入力項目が入力され、ボタン23が押下されると、予測部13は、入力されたデータを、予め生成されたモデルに入力して、予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する。
【0034】
なお、入力部分22に含まれる一部のデータが未入力である状態で、ボタン23が押下された場合、予測部13は、入力されたデータを、そのデータに対応する第2モデルに入力して、予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測してもよい。例えば、天候は、レース当日まで分からないため、レース前日以前に図4の画面で入力を行う場合、未入力となる可能性がある。
【0035】
なお、入力部分22に含まれる項目は、図4に示す例に限られず、他の項目を含んでいてもよい。例えば、他の開催場に関して、当日のレース実施状況(開催または中止)の入力項目を含んでいてもよい。例えば、他の開催場のレースが中止になった場合、その開催場に行く予定であった人が来場することにより予測対象の開催場の入場者数が増加し、出走表の使用枚数が増加する可能性がある。
【0036】
図5は、出走表の適正印刷枚数を示す画面の一例を示す図である。図5の例に示す画面は、表示部16が表示する画面であり、予測対象の開催における設置場所毎の出走表の適正印刷枚数を示す。例えば、「正門」は正門付近の出走表置き場3a、「東門」は、東門付近の出走表置き場3bである。なお、開催場毎の設置場所に関する情報は、予め学習用データとして入力済みであるとする。本実施形態では、あか競馬場には、出走表の設置場所として正門と東門が存在することが予め入力されているとする。図4に示す画面で、ボタン23が押下され、予測部13による予測が行われた後、表示部16は、図5に示す画面を表示する。図5に示すように、出走表の適正印刷枚数を示す画面は、メッセージ31と適正印刷枚数表示部分32と開催情報を訂正するためのボタン33とを含む。開催情報は、図4の入力部分22で入力される情報である。メッセージ31は、適正印刷枚数表示部分32とボタン33に関する説明文である。
【0037】
適正印刷枚数表示部分32は、予測対象の開催場(本場)における設置場所毎の出走表の適正印刷枚数と、併売されるレースの出走表の適正印刷枚数とを示す。図4に示したように、予測対象の開催は、あか競馬場で行われ、本場はあか競馬場を示す。また、きいろ競馬場で開催されるレースのチケットを併売するため、きいろ競馬場における出走表も印刷される。そして、ボタン33が押下されると、図4に示す入力画面に戻り、再度、入力部分22のデータ入力が可能な状態となる。
【0038】
図6は、実施形態の処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS101、S102、S106、S107は、生成装置20の処理であり、ステップS103~S105は、予測装置10の処理である。
【0039】
生成装置20の取得部11は、過去に開催された公営競技の開催に関する第1データと、その公営競技の開催場における設置場所毎の出走表の使用枚数を学習用データとして取得する(ステップS101)。生成装置20の生成部12は、取得部11が取得した公営競技の開催に関する第1データと、設置場所毎の出走表の使用枚数を学習し、設置場所毎の出走表の使用枚数の予測に用いる第1モデルを生成する(ステップS102)。また、生成装置20の通信部17は、生成された第1モデルを予測装置10に送信する。なお、生成部12は、取得部11が取得した公営競技の開催に関する第1データの一部のデータが未入力であった場合、未入力のデータを除く第1データと、設置場所毎の出走表の使用枚数を学習し、設置場所毎の出走表の使用枚数の予測に用いる第2モデルを生成してもよい。
【0040】
予測装置10の予測部13は、予測対象の開催に関する第2データが入力され、適正印刷枚数の表示指示がされた場合(ステップS103でYES)、第1モデルに、予測対象の開催に関する第2データを入力して、予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測する(ステップS104)。予測部13は、例えば、図4の入力部分22の各項目が入力され、図4のボタン23が押下された場合、ステップS104の処理を実行する。なお、ステップ103は適正印刷枚数の表示指示が実行されるまで繰り返される(ステップS103のNO)。予測部13は、予測対象の開催に関する第2データのうち、第2モデル生成時に未入力であった一部のデータに対応するデータが未入力であった場合、第2モデルに、第2データのうち未入力のデータを除くデータを入力して、予測対象の開催における設置場所毎の出走表の使用枚数を予測してもよい。
【0041】
予測装置10の表示部16は、予測された出走表の使用枚数を、適正な印刷枚数として表示する(ステップS105)。表示部16は、例えば、予測された出走表の使用枚数に所定の余裕分枚数を加算した枚数を、適正な印刷枚数として表示してもよい。
【0042】
生成装置20の通信部17が、予測対象の開催終了後、予測対象の開催に関する第2データと、予測対象の開催での設置場所毎の出走表の使用枚数を予測装置10から受信した場合(S106でYES)、生成装置20の更新部14は、その第2データと使用枚数を学習し、第1モデルを更新する(ステップS107)。なお、ステップ106は使用枚数の受信が実行されるまで繰り返される(ステップS106のNO)。第2モデルが生成されている場合、更新部14は、第2モデルを更新してもよい。予測装置10は、ステップS107の処理の終了後、ステップS103に戻り、ステップS103~S107の処理を繰り返してもよい。
【0043】
以上のように、予測装置10は、過去に開催された公営競技の開催に関するデータを学習してモデルを生成し、そのモデルを用いて出走表の使用枚数を予測することにより、出走表の使用枚数の予測精度を向上することができる。これにより、予測装置10は、出走表を過剰に印刷することを防ぎ、消耗品(用紙、インク、印刷機マスタ等)の使用を減らすことができるため、コストを削減することができる。また、予測装置10は、出走表が不足することを防ぎ、再印刷および再配布を防ぐことができるため、現場保守員の作業工数、作業密度を削減することができる。
【0044】
次に、予測装置10のハードウェア構成の一例を説明する。図7は、予測装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図7の例に示すように、予測装置10において、バス100に、プロセッサ111とメモリ112と補助記憶装置113と通信インタフェース114と媒体接続部115と入力装置116と出力装置117とが接続される。
【0045】
プロセッサ111は、メモリ112に展開されたプログラムを実行する。実行されるプログラムには、実施形態における処理を行う予測プログラムが適用されてもよい。
【0046】
メモリ112は、例えば、Random Access Memory(RAM)である。補助記憶装置113は、種々の情報を記憶する記憶装置であり、例えばハードディスクドライブや半導体メモリ等が適用されてもよい。補助記憶装置113に実施形態の処理を行う予測プログラムが記憶されていてもよい。
【0047】
通信インタフェース114は、Local Area Network(LAN)、Wide Area Network(WAN)等の通信ネットワークに接続され、通信に伴うデータ変換等を行う。媒体接続部115は、可搬型記録媒体118が接続可能なインタフェースである。可搬型記録媒体118には、光学式ディスク、半導体メモリ等が適用されてもよい。可搬型記録媒体118に実施形態の処理を行う予測プログラムが記録されていてもよい。
【0048】
入力装置116は、例えば、キーボード、ポインティングデバイス等であり、ユーザからの指示及び情報等の入力を受け付ける。入力装置116は、例えば、図4の入力部分22に入力された情報を受け付ける。出力装置117は、例えば、表示装置、プリンタ、スピーカ等であり、ユーザへの問い合わせ又は指示、及び処理結果等を出力する。図2に示す表示部16には、図7に示す出力装置117が適用されてもよい。
【0049】
図2に示す記憶部18は、メモリ112、補助記憶装置113または可搬型記録媒体118等により実現されてもよい。図2に示す予測部13は、メモリ112に展開された予測プログラムをプロセッサ111が実行することにより実現されてもよい。
【0050】
メモリ112、補助記憶装置113および可搬型記録媒体118は、コンピュータが読み取り可能であって非一時的な有形の記憶媒体であり、信号搬送波のような一時的な媒体ではない。
【0051】
なお、予測装置10が図7に示す全ての構成要素を含んでいなくてもよく、一部の構成要素が省略されていてもよい。また、一部の構成要素が予測装置10の外部装置に存在し、予測装置10が外部装置に接続して、外部装置内の構成要素を利用してもよい。
【0052】
本実施形態は、以上に述べた実施の形態に限定されるものではなく、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変更、追加、省略が適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 馬場
2 多目的エリア
3,3a,3b, 出走表置き場
10 予測装置
11 取得部
12 生成部
13 予測部
14 更新部
15 記憶部
16 表示部
100 バス
111 プロセッサ
112 メモリ
113 補助記憶装置
114 通信インタフェース
115 媒体接続部
116 入力装置
117 出力装置
118 可搬型記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7