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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】メディア再生システムの音声制御
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/02 20060101AFI20220217BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20220217BHJP
   G10L 15/22 20060101ALI20220217BHJP
   G10L 15/00 20130101ALI20220217BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
G10K15/02
H04R3/00 320
G10L15/22 453
G10L15/00 200G
G06F3/16 630
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019073349
(22)【出願日】2019-04-08
(62)【分割の表示】P 2018544254の分割
【原出願日】2017-02-21
(65)【公開番号】P2019168696
(43)【公開日】2019-10-03
【審査請求日】2019-07-12
(31)【優先権主張番号】62/298,418
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/298,425
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/298,350
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/298,388
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/298,410
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/298,433
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/298,439
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/298,393
(32)【優先日】2016-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/312,350
(32)【優先日】2016-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/098,718
(32)【優先日】2016-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/098,805
(32)【優先日】2016-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/131,776
(32)【優先日】2016-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/223,218
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】サイモン・ジャービス
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・エイ・ジェイ・ミリントン
(72)【発明者】
【氏名】キース・コービン
(72)【発明者】
【氏名】マーク・プラッグ
(72)【発明者】
【氏名】ロミ・カドリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・バッツ
(72)【発明者】
【氏名】イェアン-ニアン・ウィリー・チェン
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-250867(JP,A)
【文献】特開2003-223188(JP,A)
【文献】特表2015-527768(JP,A)
【文献】国際公開第2013/018138(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00-15/34
H04R 3/00
G06F 3/16
G10K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスが、メディア再生システムに第1再生ゾーンでメディアコンテンツを再生させるステップ、
コンピューティングデバイスが、第1再生ゾーンでメディアコンテンツが再生されている間に、コマンドワードと1つ又は複数のゾーン変数のインスタンスとを含む音声入力を受信するステップ、
コンピューティングデバイスが、(i)コマンドワードに対応するメディア再生システムコマンド、(ii)1つ又は複数のゾーン変数のインスタンスに基づく第2再生ゾーンでメディアコンテンツを再生する意図、を決定するステップ、
上記決定の後、コンピューティングデバイスが、メディア再生システムに第2再生ゾーンでメディアコンテンツを再生させるステップ、
上記決定に応じて、コンピューティングデバイスが、第1再生ゾーンと第2再生ゾーンとを含むゾーングループを形成するステップ、ここで、第2再生ゾーンは音声入力の受信前には当該ゾーングループのメンバーではない、
を含む、方法。
【請求項2】
メディア再生システムコマンドメディアコンテンツの再生を移動させるコマンドを含む場合、当該コマンドに応じて、コンピューティングデバイスが、第1再生デバイスに第1再生ゾーンでのメディアコンテンツの再生を停止させるステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記決定に応じて、コンピューティングデバイスが、メディア再生システムに第1再生ゾーンの再生キューの少なくとも一部を第2再生ゾーンの再生キューにコピーさせるステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
音声入力は第1音声入力であり、コマンドワードは第1コマンドワードであり、
さらに、
コンピューティングデバイスが、第2音声入力を受信するステップ、ここで、第2音声入力は、第2コマンドワードと1つ又は複数のメディア変数のインスタンスとを含む、
コンピューティングデバイスが、(i)第2コマンドワードに対応するメディア再生システムコマンド、(ii)1つ又は複数のメディア変数のインスタンスに基づくメディアコンテンツを再生する意図、を決定するステップ、
コンピューティングデバイスが、1つ又は複数のメディア変数のインスタンスに基づいて、メディアコンテンツを識別するステップ、ここで、メディア再生システムは、第2コマンドワードに対応するメディア再生システムコマンドに応じて、第1再生ゾーンでメディアコンテンツを再生する、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
音声入力はさらに、1つ又は複数のメディア変数のインスタンスを含み、
さらに、
コンピューティングデバイスが、1つ又は複数のメディア変数のインスタンスに基づいて、メディアコンテンツを識別するステップ、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
1つ又は複数のプロセッサ、及び
プロセッサによって実行されると、請求項1からのいずれか1つに記載の方法をコンピューティングデバイスに実行させる命令を格納しているメモリ、
を備える、コンピューティングデバイス。
【請求項7】
請求項1からのいずれか1つに記載の方法をコンピューティングデバイスに実行させる命令を記憶した、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項8】
請求項1からのいずれか1つに記載の方法をコンピューティングデバイスに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、特許協力条約第8条の下に(i)「メディア再生システムの音声制御(Voice Control of a Media Playback System)」と題する2016年7月29日に出願された米国非仮特許出願第15/223,218号明細書、(ii)「音楽配信サービスの選択(Music Service Selection)」と題する2016年4月14日に出願された米国非仮特許出願第15/098,718号明細書、(iii)「音声検出の部屋補正(Room-Corrected Voice Detection)」と題する2016年4月14日に出願された米国非仮特許出願第15/098,805号明細書、(iv)「ユーザIDに基づくアクション(Action based on User ID)」と題する2016年4月18日に出願された米国非仮特許出願第15/131,776号明細書、(v)「メディア再生システムの音声制御(Voice Control of a Media Playback System)」と題する2016年3月23日に出願された米国仮特許出願第62/312,350号明細書、(vi)「オーディオ応答の再生(Audio Response Playback)」と題する2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,418号明細書、(vii)「音楽配信サービスの選択(Music Service Selection)」と題する2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,425号明細書、(vii)「ネットワーク再生システム及びネットワークマイクロホンシステムを含むメタデータ交換(Metadata Exchange Involving a Networked Playback System and a Networked Microphone System)」と題する2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,350号明細書、(viii)「ネットワークデバイス間のペアリングロスの処理(Handling of Loss of Pairing Between Networked Devices)」と題する2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,388号明細書、(ix)「デフォルト再生デバイス(Default Playback Device(s))」と題する2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,410号明細書、(x)「音声検出の部屋補正(Room-Corrected Voice Detection)」と題する2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,433号明細書、(xi)「コンテンツの混合(Content Mixing)」とする2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,439号明細書、及び(xii)「ユーザIDに基づくアクション(Action based on User ID)」と題する2016年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/298,393号明細書に対する優先権の利益を主張するものである。これらの各出願の内容は、その全体を参照によって本明細書に引用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本願は、コンシューマ製品に関するものであり、特に、メディア再生に向けられた方法、システム、製品、機能、サービス、および他の要素に関するものや、それらのいくつかの態様に関する。
【背景技術】
【0003】
2003年に、ソノズ・インコーポレイテッドが最初の特許出願のうちの1つである「複数のネットワークデバイス間のオーディオ再生を同期する方法」と題する特許出願をし、2005年にメディア再生システムの販売を開始するまで、アウトラウド設定におけるデジタルオーディオへのアクセスおよび試聴のオプションは制限されていた。人々は、ソノズ無線HiFiシステムによって、1つ又は複数のネットワーク再生デバイスを介して多数のソースから音楽を体験できるようになっている。スマートフォン、タブレット、又はコンピュータにインストールされたソフトウェアコントロールアプリケーションを通じて、ネットワーク再生デバイスを備えたいずれの部屋においても、人々は自分が望む音楽を再生することができる。また、例えばコントローラを用いて、再生デバイスを備えた各部屋に異なる歌をストリーミングすることもできるし、同期再生のために複数の部屋をグループ化することもできるし、全ての部屋において同期して同じ歌を聞くこともできる。
【0004】
これまでのデジタルメディアに対する関心の高まりを考えると、試聴体験を更に向上させることができるコンシューマアクセス可能な技術を更に開発することにニーズがある。
【0005】
本明細書で開示されている技術の特徴、態様、および利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、および添付の図面を参照するとより理解しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ある実施形態で実施可能な例示的なメデイア再生システムの構成を示す図である。
図2】本明細書に記載の態様に係る例示的な再生デバイスの機能ブロック図である。
図3】本明細書に記載の態様に係る例示的な制御デバイスの機能ブロック図である。
図4】本明細書に記載の態様に係る例示的なコントローラインタフェースを示す図である。
図5】本明細書に記載の態様に係る例示的な複数のネットワークデバイスを示す図である。
図6】本明細書に記載の態様に係る例示的なネットワークマイクロホンデバイスの機能ブロック図である。
図7】ネットワークマイクロホンデバイスに周辺環境の音響特性を提供することに関連した例示的なフロー図である。
図8】ネットワークマイクロホンデバイスに周辺環境の音響特性を提供することに関連した、別の例示的なフロー図である。
図9】ネットワークマイクロホンデバイスによって受信された音声入力を解釈することに関連した例示的なフロー図である。
図10】周辺環境の音響特性を決定することに関連した例示的なフロー図である。
図11】再生デバイスによって再生されるオーディオコンテンツに指向性を付与することに関連した別の例示的なフロー図である。
図12】本明細書に記載の態様に係る音楽制御の例示的な方法のフロー図である。
図13A】本明細書に記載の態様に係る構成プロセスの例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図13B】本明細書に記載の態様に係る構成プロセスの例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図13C】本明細書に記載の態様に係る構成プロセスの例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図13D】本明細書に記載の態様に係る構成プロセスの例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図14】いくつかの実施形態に係る例示的な方法を示す図である。
図15】いくつかの実施形態に係る別の例示的な方法を示す図である。
図16】ネットワークマイクロホンデバイスを介して音楽ストリーミングサービスを識別することに関連した例示的なフロー図である。
図17】ネットワークマイクロホンデバイスを介して音楽ストリーミングサービスを識別することに関連した別の例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は、いくつかの例示的な実施形態を説明することを目的としているが、本発明が、図面に示した配置および手段に限定されるものではないことは理解される。
【0008】
I.概要
一般に、音声コマンドは、本明細書で述べているメディア再生システム制御のうちのいずれかの制御を命じるコマンドであってもよい。たとえば、音声コマンドはメディア再生システムに、メディア再生システムにおける1又は複数の再生デバイスを介したメディアコンテンツの再生を命じるコマンドであってもよい。別の実施例では、音声コマンドは、メディア再生システムにおける1又は複数のメディア再生デバイスの再生設定変更を命じるコマンドであってもよい。再生設定には、たとえば再生音量、再生トランスポートの制御、音楽ソースの選択、及びグループ化などが主として含まれ得る。
【0009】
1つの態様では、本明細書に記載の例は、ネットワークマイクロホンデバイス(NMD)が動作する周辺環境の音響特性をNMDに提供することに関する。NMDは、NMDによって受信される音声コマンドを解釈する際に周辺環境の音響特性を使用してもよい。
【0010】
NMDは、マイクロホンアレイを介してたとえばスピーチなどの音声入力を受信し、且つ音声入力に基づいて機能を実行するデバイスであってもよい。たとえば、NMDは音声コマンドを受信し、且つその受信した音声コマンドを解釈してもよい。次いで、NMDは、音声コマンドに基づいて機能を実行してもよい。NMDは、具体的には「ストリーミングサービス1」から「アーティスト1」による「トラック1」の「再生」を命じる音声コマンドを受信し、その音声入力がオーディオコンテンツの再生を命じるコマンドであると判定し、次いで「ストリーミングサービス1」から「アーティスト1」によるオーディオの要求された「トラック1」を再生するように促してもよい。他の構成も可能である。
【0011】
NMDが動作する周辺環境は特定の音響特性を有する可能性がある。この音響特性により、その周辺環境内で音声がどのように伝わるかが定義される。周辺環境の音響特性を様々な方法で決定してもよい。1つの例として、スピーカ及びマイクロホンを備える再生デバイスはスピーカを介してテストトーンを出力し、マイクロホンを介してそのテストトーンを受信し、且つ受信したテストトーンを解析してその周辺環境の音響特性を決定してもよい。別の例では、別のネットワークデバイス(制御デバイス、第1の再生デバイス、又はNMD自体でさえ)が、第2の再生デバイスのスピーカからテストトーンを受信し、且つ受信したテストトーンを解析して、その周辺環境の音響特性を決定するマイクロホンを備えていてもよい。このテストトーンは異なる周波数のオーディオ音であってもよい。これらの音響特性を、再生デバイス又は通信ネットワーク内のコンピューティングデバイスにおいて、オーディオコンテンツ再生時に再生デバイスが使用する目的で格納してもよい。
【0012】
いくつかの例では、部屋の大きさ、部屋の天井の高さ、部屋にある家具などの周辺環境に関する既知の特性に基づいて、音響特性を推定してもよい。異なる特徴を有する部屋の音響特性をデータベースに格納してもよい。データベースに格納される音響特性を、特定の特徴を有する部屋の以前の解析に基づいて決定していてもよい。ユーザは部屋の特徴を入力してもよく、またデータベースはその周辺環境の音響特性を出力してもよい。また、再生デバイスによる使用のために、再生デバイス自体、又はデータベース内にもこの音響特性を格納してもよい。
【0013】
また、「再生デバイスのキャリブレーション(Playback Device Calibration)」と題する米国非仮特許出願第14/481,511号明細書、「周辺環境に基づくオーディオ設定(Audio Settings Based on Environment)」と題する米国非仮特許出願第14/216,306号明細書、「移動マイクロホンを用いた空間平均化ルームオーディオキャリブレーションのためのハイブリッドテストトーン(Hybrid Test Tone for Space-Averaged Room Audio Calibration Using a Moving Microphone)」と題する米国非仮特許出願第14/805,140号明細書、「メディアシステムにおけるマルチチャネルペアリング(Multi-Channel Pairing in Media System)」と題する米国非仮特許出願第14/825,961号明細書、及び「デバイスの再生キャリブレーションのためのシステム及び方法(System and Method for Device Playback Calibration」と題する米国特許第9,106,192号明細書において、再生デバイスのキャリブレーションに関する様々な例が記載されており、それらの内容は、その全体を参照によって本明細書にそれぞれ引用するものとする。
【0014】
NMDは、通常マイクロホン応答を介して音声入力を処理することができる。マイクロホン応答は、周波数に対するマイクロホンの感度の指標である。いくつかの実施形態では、NMDはまた、周辺環境の音響特性を使用して音声入力を処理し、音声入力の歪みを補正してもよい。このようにして、音声入力をより良好に解釈することができる。
【0015】
再生デバイスは周辺環境の音響特性をNMDに提供してもよい。メディア再生システムは複数の再生デバイスを有していてもよいので、音響特性を提供する再生デバイスはNMDの直近にあるデバイスであってもよい。別の例として、音響特性を提供する再生デバイスは同じゾーンにある再生デバイスであってもよい。場合によっては、再生デバイスをNMDと結合(グループ化又はペアリング)してもよい。この結合は、再生デバイスとNMDとが同じ部屋又はゾーン内にあるか、及び/又はコンテンツを同期して再生しているなど、これらが互いに近接していることを示していてもよい。NMDを再生デバイスと結合している場合、結合された再生デバイスから周辺環境の音響特性を受信するように、NMDを配置してもよい。さらに、NMDを移動させて別の再生デバイスと結合する場合、結合先となる他の再生デバイスが、NMDを配置した周辺環境用の新たな音響特性を提供してもよい。
【0016】
NMDは、NMDが配置された周辺環境の音響特性を使用して、自身の動作を改善してもよい。たとえば、NMDは音響特性に基づいてフィルタを定義してもよい。NMDは、自身が受信した音声入力にフィルタを適用して、たとえば音声入力におけるスペクトル歪み、空間歪み、及び時間歪みなどの周辺環境の音響特性を補正してもよい。このようにして、音声入力をより良好に解釈することができる。
【0017】
多くの状況において、NMDをメディア再生システムに近接して配置することができる。メディア再生システムは、オーディオコンテンツを再生する複数の再生デバイスを備えていてもよい。これらの再生デバイスを家庭内の様々な場所に分散設置していてもよく、これらの場所は家庭における寝室やリビングルームなどのゾーンであってもよい。結果として、NMDは、メディア再生システムによって同時に再生される音楽などのオーディオコンテンツが流れる中で、音声入力を解釈する必要があり得る。
【0018】
いくつかの状況では、再生デバイスは、NMDが音声入力にフィルタを適用して周辺環境の音響特性を補正するだけでなく、再生中のオーディオコンテンツを使用して音声入力が良好に分離されるように、NMDに対して再生中のコンテンツに関する通知を提供してもよい。
【0019】
付加的に、又は代替的に、NMDは音声入力の指向性を決定することが可能であってもよい。この指向性により、音声入力の発信元の方向を定義してもよい。この指向性をメディア再生システムに提供してもよい。メディア再生システムは複数のスピーカを備える。メディア再生システムはこの指向性を使用して、複数のスピーカのオーディオ出力を調整してもよい。たとえば、メディア再生システムは、1又は複数の再生デバイスから発生させるオーディオ音を音声入力の発信元の方向に向けてもよい。これはリスナーが位置する方向であってもよい。他の構成も可能である。
【0020】
別の態様では、本明細書に記載のいくつかの例は音声入力を介してメディア再生システムを制御することを含む。本明細書で提供されるいくつかの例は、ある方法を含んでいてもよい。本方法は、コマンドワード及び1又は複数のメディア変数のインスタンスを含む音声入力を受信するステップ、その音声入力が音楽制御に対応していると判定するステップを含んでいてもよい。本方法は、コマンドワードに対応するコマンドを決定するステップ、音声入力を処理してそのインテントに対応するメディア再生システムのコマンドを識別するステップをさらに含んでいてもよい。音声入力を処理して、1又は複数の音楽変数のインスタンスに関連するメディアコンテンツを識別し、且つメディアコンテンツ内の1又は複数のメディアアイテムを決定してもよい。メディア再生システムに、1又は複数のメディアアイテムに対してコマンドを実行させるようにしてもよい。
【0021】
他の例では、非一時的なコンピュータ可読媒体を提供している。この非一時的なコンピュータ可読媒体は、コンピューティングデバイスによって実行可能であり、コンピューティングデバイスに機能を実行させる命令を格納している。この機能には、コマンドワード及び1又は複数のメディア変数のインスタンスを含む音声入力を受信すること、その音声入力が音楽制御に対応していると判定することが含まれる。この機能はさらに、コマンドワードに対応するコマンドを決定すること、音声入力を処理してそのインテントに対応するメディア再生システムコマンドを識別することをさらに含んでいてもよい。音声入力を処理して、1又は複数の音楽変数のインスタンスに関連するメディアコンテンツを識別し、且つメディアコンテンツ内の1又は複数のメディアアイテムを決定してもよい。メディア再生システムに、1又は複数のメディアアイテムに対してコマンドを実行させるようにしてもよい。
【0022】
さらに別の例では、あるシステムを提供している。本システムはプロセッサとメモリとを備える。このメモリは、装置によって実行可能であり、本システムに機能を実行させる命令を格納している。この機能には、コマンドワード及び1又は複数のメディア変数のインスタンスを含む音声入力を受信すること、その音声入力が音楽制御に対応していると判定することが含まれる。この機能はさらに、コマンドワードに対応するコマンドを決定すること、音声入力を処理してそのインテントに対応するメディア再生システムコマンドを識別することをさらに含んでいてもよい。音声入力を処理して、1又は複数の音楽変数のインスタンスに関連するメディアコンテンツを識別し、且つメディアコンテンツ内の1又は複数のメディアアイテムを決定してもよい。メディア再生システムに、1又は複数のメディアアイテムに対してコマンドを実行させるようにしてもよい。
【0023】
さらに別の態様では、本明細書に記載の例は、メディア再生システム(或いは、場合によってはその1又は複数のコンポーネント)が音声コマンドを受信すること、ユーザ識別に基づいてメディア再生システムが実行する適切なアクションを決定することを含む。
【0024】
大音量でメディアコンテンツを聴取することは、家族、友人、及びゲストが参加する団らんの機会となり得る。メディアコンテンツの一例として、トークラジオ、書籍、テレビからの音声、ローカルドライブに保存された音楽、メディアソース(たとえばPandora(登録商標)Radio、Spotify(登録商標)、Slacker(登録商標)、Radio、Google Play(商標)、iTunes Radio)からの音楽、及びその他の可聴素材を挙げることができる。たとえば、家庭では、人々はパーティーやその他の親睦会で音楽を大音量で再生する場合がある。このような環境では、人々は、各聴取ゾーンの音楽を可聴反響音又は可聴異常音を発生させることなく同期できるように、1つの聴取ゾーン又は複数の聴取ゾーンで同時に音楽を再生することを望む場合がある。人々がオーディオ再生デバイス又はシステムの制御を命じる音声コマンドを使用することができれば、そのような体験はさらに充実する可能性がある。たとえば、人々はオーディオコンテンツ、プレイリスト、又は聴取ゾーンを変更したり、プレイリスト若しくは再生キューに音楽トラックを追加したり、或いは再生設定(たとえば再生、一時停止、次のトラック、前のトラック、再生音量、及びイコライゼーションの設定など)を変更したりすることを望む場合がある。
【0025】
大音量でメディアコンテンツを聴取することはまた、個人的な体験となり得る。たとえば、個人は朝出勤前に、エクササイズ中に、夜夕食をとる間に、或いは他の時間において終日にわたり、自宅や職場で自ら大音量で音楽を再生することがある。このように個人で体験するために、個人は単一の聴取ゾーン又は範囲に対してオーディオコンテンツの再生を限定することを選択してもよい。個人が聴取ゾーン、オーディオコンテンツ、及び再生設定などの選択を主として命じる音声コマンドを使用できれば、そのような体験はさらに充実する可能性がある。
【0026】
音声コマンドを実行しようとしている人物を特定することも、このような体験の重要な要素となり得る。その人物が誰であるかと、その人物がメディア再生デバイス又はシステムにしてほしいことは何かとに基づいて音声コマンドを実行することが望ましい場合がある。例示として、家庭におけるパーティーや親睦会では、ホスト又は世帯主がオーディオコンテンツ、聴取ゾーン、又は再生設定の変更を命じる音声コマンドを特定のゲストが使用するのを禁止したい場合がある。場合によっては、ホスト又は世帯主がオーディオコンテンツ、聴取ゾーン、又は再生設定の変更を命じる音声コマンドの使用を特定のゲストに許可する一方で、他のゲストに対してはそのような変更の実施を禁止したい場合がある。ユーザプロファイル又は音声構成設定に基づくユーザ識別は、世帯主の音声とゲストの音声とを区別するのに役立つ可能性がある。
【0027】
別の例では、ユーザ識別を使用して、成人の音声と子供の音声とを区別することができる。場合によっては、世帯主が、子供にとって不適切なオーディオコンテンツの聴取を命じる音声コマンドを子供が使用するのを禁止したい可能性がある。他の場合には、世帯主が、聴取ゾーン又は再生設定を子供が変更するのを禁止したい可能性がある。たとえば、世帯主が特定の音量でオーディオコンテンツを聴取し、且つ子供がそのオーディオコンテンツの音量を変更するのを禁止したい場合がある。ユーザ識別は、子供が特定のコンテンツにアクセスしたり、聴取ゾーン又は再生設定を変更したりするのを禁止する、ペアレンタルコントロール設定や制限設定を設定するのに役立つ可能性がある。たとえば、ユーザプロファイル又は音声構成設定に基づくユーザ識別は、その子供が誰であるか、その子供が何を聴取できるか、或いはその子供がどの設定を変更できるかを判定するのに役立つ可能性がある。
【0028】
さらに別の例では、ユーザ識別を使用して意図しない音声コマンドを防止してもよい。たとえば、世帯主が、テレビ又は他の任意のオーディオコンテンツからの音声が意図せずに音声コマンドをトリガすることを防止したい場合がある。上記と類似しているが異なる、他の多くの例を本明細書に記載しており、音声認識に基づく様々なタイプのアクションを示している。
【0029】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、メディア再生システム(或いは、場合によってはその1又は複数のコンポーネント)が音声コマンドを受信すること、ユーザ識別に基づいてメディア再生システムが実行する適切なアクションを決定することを含む。
【0030】
例示的な構成では、メディア再生システムは単独の、或いはメディア再生システムサーバなどのコンピューティングデバイスと組み合わせた1又は複数のメディア再生デバイスを備える。別の例示的な構成では、メディア再生システムは、ネットワークマイクロホンシステムサーバ及び1又は複数のNMDを備えるか、又はそれらと通信してもよい。さらに別の例示的な構成では、メディア再生システムサーバ及び/又はネットワークマイクロホンシステムサーバは、クラウドベースのサーバシステムであってもよい。これらのデバイス及び/又はサーバの任意の1つ又は組み合わせは、メディア再生システムに対する音声コマンドを受信してもよい。
【0031】
例示的な動作においては、ネットワークマイクロホンシステム単独で、或いはメディア再生システムと共に1又は複数の機能を実行してもよい。たとえば、音声コマンドを受信することは、ネットワークマイクロホンシステムが1又は複数のNMDを介して音声コマンドを受信すること、その音声コマンドをさらなる処理のためにメディア再生システムに送信することを含んでいてもよい。次いで、メディア再生システムは音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。別の場合には、ネットワークマイクロホンシステムは音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドをメディア再生システムに送信してこれを解析し、且つコマンドを識別してもよい。
【0032】
音声コマンドは、本明細書に記載のメディア再生システム制御のうちのいずれかの制御を命じるコマンドであってもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、音声コマンドは、メディア再生システムにメディア再生システムの1又は複数の再生デバイスを介したメディアコンテンツの再生を命じるコマンドであってもよい。いくつかの実施形態では、音声コマンドは、メディア再生システムの1又は複数のメディア再生デバイスの再生設定変更を命じるコマンドであってもよい。再生設定には、たとえば再生音量、再生トランスポートの制御、音楽ソースの選択、及びグループ化などが主として含まれ得る。
【0033】
メディア再生システムのコンピューティングデバイスは、音声コマンドを受信した後、その音声コマンドをメディア再生システムの登録ユーザから受信したかどうかを判定してもよい。たとえば、メディア再生システムを家庭内の特定のユーザ若しくは1又は複数のユーザに対して登録してもよい。メディア再生システムのコンピューティングデバイスを、コンピューティングデバイスに格納されたユーザプロファイルに基づいて、音声コマンドを登録ユーザと関連付けるように構成してもよい。登録ユーザはユーザプロファイルを作成し、これをコンピューティングデバイスに格納するようにしてもよい。ユーザプロファイルはユーザ固有の情報を含んでいてもよい。たとえば、ユーザプロファイルはユーザの年齢、位置情報、好みの再生設定、好みのプレイリスト、好みのオーディオコンテンツ、及びそのユーザに設定されたアクセス制限に関する情報、並びにそのユーザの音声を識別する情報などを主として含んでいてもよい。
【0034】
メディア再生システムのコンピューティングデバイスを、ユーザによって設定された音声構成設定に基づいて、音声コマンドをあるユーザと関連付けるように構成してもよい。たとえば、メディア再生システムは、ユーザに音声入力又は一連の音声入力を提供するように要求してもよい。次いで、メディア再生システムのコンピューティングデバイスは音声入力を処理し、その音声入力をユーザと関連付け、且つ情報を格納し、これによってメディア再生システムがユーザからの音声コマンドを認識できるようにしてもよい。
【0035】
いくつかの例では、メディア再生システムのコンピューティングデバイスを、音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定するように構成してもよく、これは、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定するのにさらに役立つ可能性がある。ユーザ履歴及び位置情報に個別に基づいて、或いはユーザプロファイルで通常確認できる他の任意の情報と組み合わせたものに基づいて、信頼性レベルを決定してもよい。
【0036】
音声コマンドを登録ユーザから受信したと判定したことに応答して、メディア再生システムのコンピューティングデバイスはメディア再生システムに対する指示を構成してもよい。この指示は音声コマンドの内容と、登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいていてもよい。付加的に又は代替的に、この指示は音声コマンドの内容と、コンピューティングデバイスに格納された音声構成設定とに基づいていてもよい。
【0037】
本明細書の例に記載しているように、音声コマンドは様々な内容を含んでいてもよい。1つの例では、音声コマンドの内容は、1又は複数の再生デバイスにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドを含んでいてもよい。場合によっては、1又は複数の再生デバイスにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、メディア再生システムのコンピューティングデバイスは、1又は複数の再生デバイスに登録ユーザの好みのメディアソース(たとえば、音楽ストリーミングサービス)からメディアコンテンツを取得させる指示を構成してもよい。次いで、コンピューティングデバイスは、メディア再生システムに、メディア再生システムの1又は複数の再生デバイスを介してメディアコンテンツを再生させる指示を構成してもよい。さらに別の例では、1又は複数の再生デバイスにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイスは、(i)登録ユーザの好みの再生設定の1つ又は複数を用いて1又は複数の再生デバイスを構成し、且つ(ii)メディア再生システムを介し、登録ユーザの好みの再生設定を用いて1又は複数の再生デバイスにメディアコンテンツを再生させる指示を含んでいてもよい。
【0038】
別の例では、音声コマンドの内容は、1又は複数の再生デバイスにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドを含んでいてもよいが、メディア再生システムの特定の聴取ゾーン又は再生ゾーンを特定しない場合がある。音声コマンドの内容と登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイスは、1又は複数の再生デバイスを介し、メディア再生システムの特定の再生ゾーン内で1又は複数の再生デバイスにメディアコンテンツを再生させる指示を構成してもよい。
【0039】
さらに別の例では、音声コマンドの内容は、メディア再生システムに再生設定の変更を命じるコマンドを含んでいてもよい。音声コマンドの内容と登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイスは、メディア再生システムにおける1又は複数の再生デバイスの再生設定をメディア再生システムに変更させる指示を構成してもよい。
【0040】
さらに別の例は、異なるユーザから受信した音声コマンドの競合を解決するために、メディア再生システムが優先順位を決定することを含んでいてもよい。たとえば、メディア再生システムは、登録ゲストから受信した音声コマンドが未登録ゲストよりも高い優先度を有するような優先順位を割り当ててもよい。音声コマンドの競合にはたとえば、あるユーザから受信する曲の再生を命じる音声コマンドと、別のユーザから受信するその曲の再生中止を命じる後続の音声コマンドとが含まれ得る。上記と類似しているが異なる、他の多くの実施例を本明細書に記載している。
【0041】
別の例では、メディア再生システムは、登録ユーザ又は登録ゲストユーザと関連付けられた起動ワード又は起動フレーズを受信したことに基づいて作動してもよい。起動ワード又は起動フレーズ(たとえば、「ヘイSonos(Hey Sonos)」)を使用して、受信した起動ワードに基づいてユーザからの追加のコマンドをシステムが受け付ける時間枠をトリガしてもよい。たとえば、ホスト又は許可されたゲストは再生キューへの曲の追加を命じる音声コマンドを送信してもよく(たとえば、「ねえSonos、再生キューに曲を追加して(Hey Sonos, let’s queue up songs)」)、これにより、再生キューへの特定の曲の追加を命じる追加の音声コマンドをホスト又は許可されたゲストが送信できる時間枠(たとえば、5分)が開放されてもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの実施例を本明細書に記載している。
【0042】
コンピューティングデバイスのいくつかの実施形態では、メディア再生システムに対する指示又は指示一式を構成した後、その指示又は指示一式をメディア再生システムの1又は複数の再生デバイスに送信してもよい。
【0043】
さらに別の例では、メディア再生システムのコンピューティングデバイスは音声コマンドを子供から受信したかどうかを判定してもよい。ユーザプロファイル又はゲストプロファイル内の情報に基づいて成人と子供とを区別するように、コンピューティングデバイスを構成してもよい。特に、コンピューティングデバイスは、ユーザの音声のトーン又は周波数に基づいて成人と子供とを区別してもよい。
【0044】
音声コマンドを子供から受信したと判定したことに応答して、1又は複数の再生デバイスに対して、子供にとって不適切となる恐れのある所与のメディアコンテンツの再生を禁止してもよい。場合によっては、コンピューティングデバイス及び/又は1又は複数の再生デバイスに対して、子供による音声コマンドの内容に基づいた再生設定の変更を禁止してもよい。
【0045】
さらに別の例では、いくつかのアクションは、メディア再生システムの登録ユーザではなく、ゲストユーザからコマンドを受信したかどうかを判定することに基づいていてもよい。1つの例では、登録ユーザはゲストユーザ用のゲストプロファイルを作成していてもよい。このゲストプロファイルは、ユーザプロファイルに含まれる任意の情報を含んでいてもよい。別の例では、メディア再生システムのコンピューティングデバイスは、音声コマンドを登録ユーザから受信しなかったと判定し、次いで登録ユーザに対してその音声コマンドが登録ユーザ由来のものであるかを問い合わせてもよい。
【0046】
音声コマンドをゲストユーザから受信したと判定したことに応答して、メディア再生システムのコンピューティングデバイスは、(1)ゲストユーザに対して制限設定を割り当て、(2)音声コマンドの内容とそのゲストユーザに対して割り当てた制限設定とに基づいて、1又は複数の再生デバイスに対する指示を構成し、且つ(3)その指示を1又は複数の再生デバイスに送信してもよい。制限設定は、メディア再生システムの制御を制限する任意の設定であってもよい。
【0047】
さらに別の態様では、本明細書に記載の例は、コマンドに基づいて適切なストリーミングサービス(たとえばオーディオトラックをストリーミングする)を識別し、且つこれにアクセスすることに関する。
【0048】
ストリーミングサービスを、NMDによって提供される音声コマンドに基づいて識別し、且つこれにアクセスしてもよい。たとえば、NMDは「Pandora(登録商標)で70年代ロックのラジオを再生して(play Pandora(登録商標)70’s rock radio)」という音声コマンドを受信し、その発言が特定のストリーミングサービスからの特定のラジオ局の再生を命じるコマンドであると判定し、次いでそのサービスからの当該ラジオ局の再生を促してもよい。他の実装形態では、ストリーミングサービスの選択は、制御デバイスのユーザインタフェースを介して入力されるコマンド(たとえばテキスト入力)に基づいていてもよい。他のタイプのコマンドも可能である。
【0049】
別の例では、ユーザがアクセスを望むストリーミングサービスをコマンドがはっきりと指定しない場合がある。たとえば、ユーザは「クイーンの曲を再生して(play Queen)」又は「70年代ロックを再生して(play 70’s rock)」などのより包括的なコマンドを発行する場合がある。このような場合、既存のシステムでは、どのコンテンツタイプの再生をユーザが望んでいるのか(すなわちアーティストのクイーンなのか、又はアルバムの『クイーン(Queen)』なのか、或いは70年代ロックのラジオ局なのか、又は「ベストオブ」アルバムなのか)を区別する能力に限界がある。また、このようなシステムは、ユーザが意図したコンテンツタイプを各種ストリーミングサービスのコンテンツタイプの機能(すなわちどのサービスがラジオ局、アーティスト、及びアルバムを再生できるか)と合致させることができない。
【0050】
利用可能なコンテンツ量及びストリーミングサービスの数が絶えず増加していることを考慮すると、ユーザコマンドに基づいてユーザに提供するコンテンツタイプに合致した所望のストリーミングサービスをインテリジェントに選択できるシステムが必要とされている。
【0051】
1つの例では、ストリーミングサービスの選択を、複数のネットワーク対応デバイスを含むネットワーク構成によって遂行してもよい。このネットワーク構成はコマンドを受信し、処理し、且つ解析するNMD、再生デバイス、コンピューティングデバイス、及び/又は制御デバイス(たとえばタブレットやスマートフォン)を含んでいてもよい。この構成は、受信したコマンドの処理及び解析に基づいて、1又は複数の音楽コンテンツ配信サーバからのオーディオコンテンツを取得及び/又は要求することをさらに含んでいてもよい。その後、コマンドに基づいてオーディオ再生体験をもたらすために、オーディオコンテンツをNMD、制御デバイス、及び/又は任意の数の再生デバイスによって取得してもよい。また、ネットワーク構成は他の形態をとっていてもよい。
【0052】
別の例では、選択はいくつかの基準それぞれに基づいて、或いはこれらを組み合わせたものに基づいていてもよい。ある場合には、ストリーミングサービスの選択は、コマンドによって指定されるコンテンツタイプ(たとえば曲、ジャンル、ラジオ局)と特定のストリーミングサービスが指定されたコンテンツタイプをサポートしているかどうかに依存していてもよい。そのような場合、コンテンツタイプのロジックを使用して、コマンド又はコマンドの一部をコンテンツタイプと関連付けてもよい。次いで、ロジックを通じて識別されたコンテンツタイプを、利用可能なコンテンツタイプを有するストリーミングサービスにマッピングしてもよい。コマンドを通じて指定されるコンテンツタイプの解析を、他の様々な方法で実行してもよい。
【0053】
さらに別の例では、ストリーミングサービスの選択は、ユーザのストリーミングサービスの嗜好性を取り入れることができるユーザ履歴に一部基づいていてもよい。このユーザ嗜好性は、主としてゾーン毎の基準や再生回数が最も多いコンテンツタイプなどに基づいていてもよい。さらに、地理的データ、人口統計データ、及び気象タイプのデータを含むが、これらに限定されない様々な形態の「外部」データを引用してもよい。選択に影響する他のタイプの基準を設けていてもよい。
【0054】
ストリーミングサービスを選択することに加えて、ユーザコマンドの処理によって別の通知が出力されることがある。そのような場合、本システムは、コマンドによって指定されるコンテンツタイプを再生できるストリーミングサービスの提案を出力してもよい。別の例では、本システムは「コンテンツが利用できない」という通知を出力してもよい。そのような通知は、ネットワークマイクロホンデバイス、コントローラで出力されるか、又はNMD若しくはコントローラを介して1又は複数の再生デバイスで出力されてもよい。
【0055】
様々な選択基準は、各種ストリーミングサービスの信頼性メトリックを決定するためのアルゴリズムの入力として役立つ可能性がある。信頼性メトリックは、特定のストリーミングサービスがユーザが聴取したいと望むものであるかどうかを示すものであってもよい。たとえば、信頼性レベルは、ストリーミングサービスに対して割り当てられる確率値又はパーセンテージ(たとえば1~100)であってもよい。1つの実施例では、最高信頼性メトリックを有するストリーミングサービスをストリーミングのために指定してもよい。別の場合には、算出された最高信頼性メトリックが閾値信頼値を超えない場合、或いは上位N個の信頼性レベルが互いに特定の範囲内にある場合に、エラー状態をトリガしてもよい。そのような場合、エラー状態を受けてネットワークマイクロホンデバイスは、(1)「コンテンツが利用できない」という通知を出力し、(2)ユーザにコマンドを繰り返すか、又はこれを詳細指定するように要求し、且つ(3)主として好みのサービスパートナー又はデフォルトサービスなどによってオーディオを再生させてもよい。この信頼性メトリックを、他の多くの方法で各種使用してもよい。
【0056】
本明細書に記載の幾つかの例は、「ユーザ」及び/又は他の実体のような任意の主体によって行われる機能について言及するが、このことは単に例示目的であると理解されるべきである。特許請求の範囲は、特許請求の範囲自体の記載によって明示的に要請されない限り、そのような例示の主体の動作であることを要請するものと解釈されてはならない。当業者にとって、本開示には他の複数の実施形態が含まれることは理解されるであろう。
【0057】
II.動作環境の例
図1は、本明細書で開示されている1つ又は複数の実施形態で実施可能又は実装可能なメディア再生システム100の例示的な構成を示す。図示されるように、メディア再生システム100は、複数の部屋および空間、例えば、主寝室、オフィス、ダイニングルーム、およびリビングルームを有する例示的なホーム環境と関連付けられている。図1の例に示されるように、メディア再生システム100は、再生デバイス102-124、制御デバイス126および128、有線又は無線のネットワークルータ130を含む。
【0058】
更に、例示的なメディア再生システム100の異なる構成要素、および異なる構成要素がどのように作用してユーザにメディア体験を提供するかに関しての説明は、以下のセクションで述べられている。本明細書における説明は、概してメディア再生システム100を参照しているが、本明細書で述べられている技術は、図1に示されるホーム環境の用途に限定されるものではない。例えば、本明細書で述べられている技術は、マルチゾーンオーディオが望まれる環境、例えば、レストラン、モール、又は空港のような商業的環境、スポーツ用多目的車(SUV)、バス又は車のような車両、船、若しくはボード、飛行機などの環境において有益である。
【0059】
a.例示的な再生デバイス
図2は、図1のメディア再生システム100の再生デバイス102-124の1つ又は複数を構成する例示的な再生デバイス200の機能ブロック図を示す。再生デバイス200は、プロセッサ202、ソフトウェアコンポーネント204、メモリ206、オーディオ処理コンポーネント208、オーディオアンプ210、スピーカ212、ネットワークインタフェース214、およびマイクロホン220を含んでもよい。ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216および有線インタフェース218を含む。ある場合では、再生デバイス200は、スピーカ212を含まないが、再生デバイス200を外部スピーカに接続するためのスピーカインタフェースを含んでいてもよい。別の場合では、再生デバイス200は、スピーカ212もオーディオアンプ210も含まないが、再生デバイス200を外部オーディオアンプ又はオーディオビジュアルレシーバーに接続するためのオーディオインタフェースを含んでもよい。
【0060】
ある例では、プロセッサ202は、メモリ206に記憶された命令に基づいて、入力データを処理するように構成されたクロック駆動コンピュータコンポーネントであってもよい。メモリ206は、プロセッサ202によって実行可能な命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ可読記録媒体であってもよい。例えば、メモリ206は、ある機能を実行するためにプロセッサ202によって実行可能なソフトウェアコンポーネント204の1つ又は複数をロードすることができるデータストレージであってもよい。ある例では、機能は、再生デバイス200がオーディオソース又は別の再生デバイスからオーディオデータを読み出すステップを含んでもよい。別の例では、機能は、再生デバイス200がネットワーク上の別のデバイス又は再生デバイスにオーディオデータを送信するステップを含んでもよい。更に別の例では、機能は、マルチチャンネルオーディオ環境を作るために、再生デバイス200と1つ又は複数の再生デバイスとをペアリングするステップを含んでもよい。
【0061】
ある機能は、再生デバイス200が、1つ又は複数の他の再生デバイスと、オーディオコンテンツの再生を同期するステップを含む。再生を同期している間、再生デバイス200によるオーディオコンテンツの再生と1つ又は複数の他の再生デバイスによる再生との間の遅延を、リスナーが気づかないことが好ましい。「複数の独立クロックデジタルデータ処理デバイス間の動作を同期するシステムおよび方法」と題する米国特許第8,234,395号が本明細書に参照として援用されており、それは再生デバイス間のオーディオ再生を同期することが述べられたより詳細な例を提供している。
【0062】
更に、メモリ206は、データを記憶するように構成されていてもよい。データは、例えば、1つ又は複数のゾーンおよび/又はゾーングループに一部として含まれる再生デバイス200などの再生デバイス200、再生デバイス200によりアクセス可能なオーディオソース、又は再生デバイス200(又は他の再生デバイス)と関連付け可能な再生キュー、に関連付けられている。データは、定期的に更新され、再生デバイス200の状態を示す1つ又は複数の状態変数として記憶されてもよい。また、メモリ206は、メディアシステムの他のデバイスの状態と関連付けられたデータを含んでもよく、デバイス間で随時共有することによって、1つ又は複数のデバイスが、システムと関連するほぼ直近のデータを有してもよい。他の実施形態も可能である。
【0063】
オーディオ処理コンポーネント208は、とりわけ、1つ又は複数のデジタル-アナログ変換器(DAC)、オーディオ処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント、又はデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などを含んでいてもよい。ある実施形態では、1つ又は複数のオーディオ処理コンポーネント208は、プロセッサ202のサブコンポーネントであってもよい。ある実施形態では、オーディオコンテンツが、オーディオ処理コンポーネント208によって処理および/又は意図的に変更されることによって、オーディオ信号を生成してもよい。生成されたオーディオ信号は、オーディオアンプ210に送信され、増幅され、スピーカ212を通じて再生される。特に、オーディオアンプ210は、1つ又は複数のスピーカ212を駆動できるレベルまでオーディオ信号を増幅するように構成されたデバイスを含んでもよい。スピーカ212は、独立した変換器(例えば、「ドライバ」)又は1つ又は複数のドライバを内包する筐体を含む完全なスピーカシステムを備えてもよい。スピーカ212に備えられたあるドライバは、例えば、サブウーファー(例えば、低周波用)、ミドルレンジドライバ(例えば、中間周波用)、および/又はツイーター(高周波用)を含んでもよい。ある場合では、1つ又は複数のスピーカ212のそれぞれの変換器は、オーディオアンプ210の対応する個々のオーディオアンプによって駆動されてもよい。再生デバイス200で再生するアナログ信号を生成することに加えて、オーディオ処理コンポーネント208は、オーディオコンテンツを処理し、そのオーディオコンテンツを1つ又は複数の他の再生デバイスに再生させるために送信する。
【0064】
再生デバイス200によって処理および/又は再生されるオーディオコンテンツは、外部ソース、例えば、オーディオライン-イン入力接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)又はネットワークインタフェース214を介して、受信されてもよい。
【0065】
ネットワークインタフェース214は、データネットワーク上で再生デバイス200と1つ又は複数の他のデバイスとの間のデータフローを可能にするように構成されてもよい。このように、再生デバイス200は、再生デバイスと通信する1つ又は複数の他の再生デバイス、ローカルエリアネットワーク内のネットワークデバイス、又は例えば、インターネット等のワイドエリアネットワーク上のオーディオコンテンツソースから、データネットワークを介してオーディオコンテンツを受信するように構成されていてもよい。ある例では、再生デバイス200によって送信および受信されたオーディオコンテンツおよび他の信号は、インターネットプロトコル(IP)に基づくソースアドレスおよびIPに基づく宛先アドレスを含むデジタルパケットの形で送信されてもよい。そのような場合、ネットワークインタフェース214は、デジタルパケットデータを解析することによって、再生デバイス200宛てのデータを、再生デバイス200によって適切に受信して処理することができる。
【0066】
図示されるように、ネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218とを含んでもよい。無線インタフェース216は、再生デバイス200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15、4Gモバイル通信基準などを含む無線基準(規格)のいずれか)に基づいて、他のデバイス(例えば、再生デバイス200に関連付けられたデータネットワーク内の他の再生デバイス、スピーカ、レシーバー、ネットワークデバイス、制御デバイス)と無線通信してもよい。有線インタフェース218は、再生デバイス200用のネットワークインタフェース機能を提供し、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に基づいて他のデバイスとの有線接続を介して通信してもよい。図2に示されるネットワークインタフェース214は、無線インタフェース216と有線インタフェース218との両方を含んでいるが、ネットワークインタフェース214は、ある実施形態において、無線インタフェースのみか、又は有線インタフェースのみを含んでいてもよい。
【0067】
マイクロホン220を、再生デバイス200の周辺環境の音声を検出するように配置してもよい。たとえば、マイクロホンを、再生デバイスのハウジングの外壁に取り付けてもよい。マイクロホンは、コンデンサマイクロホン、エレクトレットコンデンサマイクロホン、又はダイナミックマイクロホンなどの既知であるか、又は今後開発される任意のタイプのマイクロホンであってもよい。マイクロホンはスピーカ220の周波数範囲の一部に敏感であってもよい。1又は複数のスピーカ220は、マイクロホン220とは逆に動作してもよい。いくつかの態様では、再生デバイス200はマイクロホン220を有していない場合がある。
【0068】
ある例では、再生デバイス200と他の再生デバイスとは、ペアにされて、オーディオコンテンツの2つの別々のオーディオコンポーネントを再生してもよい。例えば、再生デバイス200は、左チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成される一方、他の再生デバイスは、右チャンネルオーディオコンポーネントを再生するように構成されてもよい。これにより、オーディオコンテンツのステレオ効果を生成するか、又は強化することができる。ペアにされた再生デバイス(「結合再生デバイス」とも言う)は、更に、他の再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生してもよい。
【0069】
別の例では、再生デバイス200は、1つ又は複数の他の再生デバイスと音響的に統合され、単一の統合された再生デバイス(統合再生デバイス)を形成してもよい。統合再生デバイスは、統合されていない再生デバイス又はペアにされた再生デバイスと比べて、サウンドの処理や再現を異なるように構成することができる。なぜならば、統合再生デバイスは、オーディオコンテンツを再生するスピーカ追加することができるからである。例えば、再生デバイス200が、低周波レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計されている場合(例えば、サブウーファー)、再生デバイス200は、全周波数レンジのオーディオコンテンツを再生するように設計された再生デバイスと統合されてもよい。この場合、全周波数レンジの再生デバイスは、低周波の再生デバイス200と統合されたとき、オーディオコンテンツの中高周波コンポーネントのみを再生するように構成されてもよい。一方で低周波レンジの再生デバイス200は、オーディオコンテンツの低周波コンポーネントを再生する。更に、統合再生デバイスは、単一の再生デバイス、又は更に他の統合再生デバイスとペアにされてもよい。
【0070】
例として、現在、ソノズ・インコーポレイテッドは、「PLAY:1」、「PLAY:3」、「PLAY:5」、「PLAYBAR」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、および「SUB」を含む再生デバイスを販売提供している。他の過去、現在、および/又は将来のいずれの再生デバイスにおいても、追加的に又は代替的に本明細書で開示された実施例の再生デバイスに実装して使用することができる。更に、再生デバイスは、図2に示された特定の例又は提供されるソノズ製品に限定されないことは理解される。例えば、再生デバイスは、有線又は無線のヘッドホンを含んでもよい。別の例では、再生デバイスは、パーソナルモバイルメディア再生デバイス用のドッキングステーションを含むか、又は、それらと対話してもよい。更に別の例では、再生デバイスは、別のデバイス又はコンポーネント、例えば、テレビ、照明器具、又は屋内又は屋外で使用するためのいくつかの他のデバイスと一体化されてもよい。
【0071】
b.例示的な再生ゾーン構成
図1のメディア再生システム100に戻って、環境は、1つ又は複数の再生ゾーンを有しており、それぞれの再生ゾーンは1つ又は複数の再生デバイスを含んでいる。メディア再生システム100は、1つ又は複数の再生ゾーンで形成されており、後で1つ又は複数のゾーンが追加又は削除して、図1に示す例示的な構成としてもよい。それぞれのゾーンは、異なる部屋又は空間、例えば、オフィス、浴室、主寝室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、リビングルーム、および/又はバルコニーに基づく名前が与えられてもよい。ある場合では、単一の再生ゾーンは複数の部屋又は空間を含んでいてもよい。別の場合では、単一の部屋又は空間は、複数の再生ゾーンを含んでいてもよい。
【0072】
図1に示されるように、バルコニー、ダイニングルーム、キッチン、浴室、オフィス、および寝室のゾーンのそれぞれは、1つの再生デバイスを有する一方、リビングルームおよび主寝室のゾーンのそれぞれは、複数の再生デバイスを有する。リビングルームゾーンは、再生デバイス104,106,108,110が、別々の再生デバイスとしてか、1つ又は複数の結合再生デバイスとしてか、1つ又は複数の統合再生デバイスとしてか、又はこれらのいずれかの組み合わせで、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。同様に、主寝室の場合では、再生デバイス122および124が、別々の再生デバイスとしてか、結合再生デバイスとしてか、又は統合再生デバイスとして、オーディオコンテンツを同期して再生するように構成されてもよい。
【0073】
ある例では、図1の環境における1つ又は複数の再生ゾーンは、それぞれ異なるオーディオコンテンツを再生している。例えば、ユーザは、バルコニーゾーンでグリルしながら、再生デバイス102によって再生されるヒップホップ音楽を聞くことができる。一方、別のユーザは、キッチンゾーンで食事を準備しながら、再生デバイス114によって再生されるクラシック音楽を聞くことができる。別の例では、再生ゾーンは、同じオーディオコンテンツを別の再生ゾーンと同期して再生してもよい。例えば、ユーザがオフィスゾーンにいる場合、オフィスゾーンの再生デバイス118が、バルコニーの再生デバイス102で再生されている音楽と同じ音楽を再生してもよい。そのような場合、再生デバイス102および118は、ロック音楽を同期して再生しているため、ユーザは、異なる再生ゾーン間を移動してもアウト-ラウドで再生されるオーディオコンテンツをシームレス(又は少なくともほぼシームレス)に楽しむことができる。再生ゾーン間の同期は、前述の米国特許第8,234,395号で述べられているような再生デバイス間の同期と同様の方法で行ってもよい。
【0074】
上述したように、メディア再生システム100のゾーン構成は、動的に変更してもよく、ある実施形態では、メディア再生システム100は、複数の構成をサポートする。例えば、ユーザが1つ又は複数の再生デバイスを、物理的にゾーンに移動させるか、又はゾーンから移動させる場合、メディア再生システム100は変更に対応するように再構成されてもよい。例えば、ユーザが再生デバイス102をバルコニーゾーンからオフィスゾーンに物理的に移動させる場合、オフィスゾーンは、再生デバイス118と再生デバイス102との両方を含んでもよい。必要に応じて、制御デバイス、例えば制御デバイス126と128とを介して、再生デバイス102が、ペアにされるか、又はオフィスゾーンにグループ化されるか、および/又はリネームされてもよい。一方、1つ又は複数の再生デバイスが、再生ゾーンを未だ設定していないホーム環境において、ある領域に移動させられた場合、新しい再生ゾーンがその領域に形成されてもよい。
【0075】
更に、メディア再生システム100の異なる再生ゾーンは、動的にゾーングループに組み合わされてもよいし、又は別々の再生ゾーンに分割されてもよい。例えば、ダイニングルームゾーンとキッチンゾーン114とがディナーパーティ用のゾーングループに組み合わされることによって、再生デバイス112と114とがオーディオコンテンツを同期して再生することができる。一方、あるユーザがテレビを見たい一方、他のユーザがリビングルーム空間の音楽を聞きたい場合、リビングルームゾーンが、再生デバイス104を含むテレビゾーンと、再生デバイス106,108,110を含むリスニングゾーンと、に分けられてもよい。
【0076】
c.例示的な制御デバイス
図3は、メディア再生システム100の制御デバイス126と128とうちの一方又は両方を構成する例示的な制御デバイス300の機能ブロック図を示す。図示されるように、制御デバイス300は、プロセッサ302、メモリ304、ネットワークインタフェース306、ユーザインタフェース308、マイクロホン310、及びソフトウェアコンポーネント312を含んでもよい。ある例では、制御デバイス300は、メディア再生システム100専用の制御デバイスであってもよい。別の例では、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアをインストールされたネットワークデバイス、例えば、iPhone(登録商標)、iPad(登録商標)、又は任意の他のスマートフォン、タブレットあるいはネットワークデバイス(例えば、PC又はMac(登録商標)などのネットワークコンピュータ)であってもよい。
【0077】
プロセッサ302は、メディア再生システム100のユーザアクセス、コントロール、および構成を可能にすることに関する機能を実行するように構成されてもよい。メモリ304は、プロセッサ302によって実行可能な1つ又は複数のソフトウェアコンポーネントを、それらの機能を実行するために、搭載可能なデータストレージであってもよい。また、メモリ304は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアと、メディア再生システム100とユーザとに関連付けられた他のデータを記憶するように構成されていてもよい。
【0078】
ある例では、ネットワークインタフェース306は、工業規格(例えば、赤外線、無線、IEEE802.3などの有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15などの無線規格、4G通信規格など)に基づいてもよい。ネットワークインタフェース306においては、制御デバイス300がメディア再生システム100内の他のデバイスと通信するための手段を提供してもよい。ある例では、データおよび情報(例えば、状態変数)は、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300と他のデバイスとの間で通信されてもよい。例えば、メディア再生システム100における再生ゾーンおよびゾーングループの構成は、制御デバイス300によって、再生デバイス又は別のネットワークデバイスから受信されてもよいし、あるいは制御デバイス300によって、ネットワークインタフェース306を介して別の再生デバイス又はネットワークデバイスに送信されてもよい。ある場合では、他のネットワークデバイスは、別の制御デバイスであってもよい。
【0079】
ボリュームコントロールおよびオーディオ再生コントロールなどの再生デバイス制御コマンドは、ネットワークインタフェース306を介して制御デバイス300から再生デバイスに通信されてもよい。上述したように、メディア再生システム100の構成の変更は、ユーザにより制御デバイス300を用いて行うことができる。構成の変更は、1つ又は複数の再生デバイスをゾーンに追加すること、1つ又は複数の再生デバイスをゾーンから取り除くこと、1つ又は複数のゾーンをゾーングループに追加すること、1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くこと、結合プレーヤー又は統合プレーヤーを形成すること、結合プレーヤー又は統合プレーヤーから1つ又は複数の再生デバイスに分けることなどを含んでもよい。このように、制御デバイス300は、コントローラと呼ばれてもよく、制御デバイス300は、メディア再生システムコントローラアプリケーションソフトウェアをインストールした専用のコントローラか、又はネットワークデバイスであってもよい。
【0080】
制御デバイス300はマイクロホン310を備えていてもよい。マイクロホン310を、制御デバイス300の周辺環境の音声を検出するように配置してもよい。マイクロホン310は、コンデンサマイクロホン、エレクトレットコンデンサマイクロホン、又はダイナミックマイクロホンなどの既知であるか、又は今後開発される任意のタイプのマイクロホンであってもよい。マイクロホンは周波数範囲の一部に敏感であってもよい。2つ以上のマイクロホン310を、音源(たとえば、音声、可聴音)の位置情報を捕捉し、及び/又は背景雑音のフィルタリングを補助するように構成してもよい。
【0081】
制御デバイス300のユーザインタフェース308は、図4に示されるコントローラインタフェース400などのようなコントローラインタフェースを提供することによって、メディア再生システム100のユーザアクセスおよび制御を可能にするように構成されていてもよい。コントローラインタフェース400は、再生制御領域410、再生ゾーン領域420、再生ステータス領域430、再生キュー領域440、およびオーディオコンテンツソース領域450を含む。図示されるユーザインタフェース400は、図3の制御デバイス300などのようなネットワークデバイス(および/又は図1の制御デバイス126および128)を設けられたユーザインタフェースの単なる一例であって、ユーザによってメディア再生システム100などのようなメディア再生システムを制御するためにアクセスされるものである。あるいは、様々なフォーマット、スタイル、および対話型シーケンスを他のユーザのインタフェースを1つ又は複数のネットワークデバイスに実装し、メディア再生システムへ類似の制御アクセスを提供してもよい。
【0082】
再生制御領域410は、(例えば、タッチ又はカーソルを用いることで)選択可能なアイコンを含んでもよい。このアイコンによって、選択された再生ゾーン又はゾーングループ内の再生デバイスが、再生又は停止、早送り、巻き戻し、次にスキップ、前にスキップ、シャッフルモードのオン/オフ、リピートモードのオン/オフ、クロスフェードモードのオン/オフを行う。再生制御領域410は、別の選択可能なアイコンを含んでもよい。別の選択可能なアイコンは、イコライゼーション設定、再生ボリュームなど他の設定などを変更してもよい。
【0083】
再生ゾーン領域420は、メディア再生システム100内の再生ゾーンの表示を含んでもよい。ある実施形態では、再生ゾーンのグラフィック表示が選択可能であってもよい。追加の選択可能なアイコンを移動させることによって、メディア再生システム内の再生ゾーンを管理又は構成することができる。例えば、結合ゾーンの作成、ゾーングループの作成、ゾーングループの分割、およびゾーングループのリネームなど他の管理又は構成を行うことができる。
【0084】
例えば、図示されるように、「グループ」アイコンは、再生ゾーンのグラフィック表示のそれぞれに設けられてもよい。あるゾーンのグラフィック表示内の「グループ」アイコンは、メディア再生システム内の1つ又は複数のゾーンを選択して、あるゾーンとグループ化するオプションを出せるように選択可能であってもよい。一度グループ化すると、あるゾーンとグループ化されたゾーン内の再生デバイスは、あるゾーン内の再生デバイスと同期してオーディオコンテンツを再生するように構成される。同様に、「グループ」アイコンは、ゾーングループのグラフィック表示内に設けられてもよい。この場合、「グループ」アイコンは、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンをゾーングループから取り除くために、ゾーングループ内の1つ又は複数のゾーンを選択から外すというオプションを出すように選択可能であってもよい。ユーザインタフェース400等のユーザインタフェースを介してゾーンをグループ化およびグループ解除するための他の対話をすることも可能であるし、実施することも可能である。再生ゾーン領域420内の再生ゾーンの表示は、再生ゾーン又はゾーングループ構成が変更されると、動的に更新されてもよい。
【0085】
再生ステータス領域430は、現在再生されているオーディオコンテンツ、前に再生されたオーディオコンテンツ、又は選択された再生ゾーン又はゾーングループ内で次に再生するように予定されているオーディオコンテンツ、のグラフィック表示を含んでもよい。選択可能な再生ゾーン又は再生グループは、ユーザインタフェース上で、例えば、再生ゾーン領域420および/又は再生ステータス領域430内で視覚的に区別されてもよい。グラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、アルバム名、アルバム年、トラックの長さ、およびメディア再生システムを、ユーザインタフェース400を介して制御するときに、ユーザにとって有益な他の関連情報を含んでいてもよい。
【0086】
再生キュー領域440は、選択された再生ゾーン又はゾーングループと関連付けられた再生キュー内のオーディオコンテンツのグラフィック表示を含んでもよい。ある実施形態では、それぞれの再生ゾーン又はゾーングループは、再生ゾーン又は再生グループによって再生される0以上のオーディオアイテムに対応する情報を含む再生キューと関連付けられていてもよい。例えば、再生キュー内のそれぞれのオーディオアイテムは、ユー・アール・アイ(URI)、ユー・アール・エル(URL)、又は再生ゾーン又はゾーングループ内の再生デバイスによって使用可能な他の識別子を含んでいてもよい。これらによって、ローカルオーディオコンテンツソース又はネットワークオーディオコンテンツソース、からオーディオアイテムを見つけ、および/又は取り出し、再生デバイスによって再生することができる。
【0087】
ある例では、プレイリストが再生キューに追加されてもよい。この場合、プレイリスト内のそれぞれのオーディオアイテムに対応する情報が再生キューに追加されてもよい。別の例では、再生キュー内のオーディオアイテムは、プレイリストとして保存されてもよい。更に別の例では、再生デバイスがストリーミングオーディオコンテンツ、例えば、再生時間を有することで連続して再生されないオーディオアイテムよりも、停止しない限り連続して再生されるインターネットラジオを再生し続けているとき、再生キューは、空であってもよいし、又は「未使用」であるが埋められていてもよい。別の実施形態では、再生キューは、インターネットラジオおよび/又は他のストリーミングオーディオコンテンツアイテムを含むことができ、且つ再生ゾーン又はゾーングループがそれらのアイテムを再生しているとき「使用中」とすることができる。他の例も可能である。
【0088】
再生ゾーン又はゾーングループが「グループ化される」か、又は「グループ解除」されるとき、影響を受ける再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、クリアされてもよいし、又は再び関連付けられてもよい。例えば、第1再生キューを含む第1再生ゾーンが、第2再生キューを含む第2再生ゾーンとグループ化された場合、形成されたゾーングループは、関連付けられた再生キューを有していてもよい。関連付けられた再生キューは、最初は空であるか、(例えば、第2再生ゾーンが第1再生ゾーンに追加された場合、)第1再生キューのオーディオアイテムを含むか、(例えば、第1再生ゾーンが第2再生ゾーンに追加された場合、)第2再生キューのオーディオアイテムを含むか、又は第1再生キューと第2再生キューとの両方のオーディオアイテムを組み合わせられる。その後、形成されたゾーングループがグループ解除された場合、グループ解除された第1再生ゾーンは、前の第1再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューと関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループと関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューと関連付けられてもよい。同様に、グループ解除された第2再生ゾーンは、前の第2再生キューと再び関連付けられてもよいし、空の新しい再生キューと関連付けられてもよいし、あるいはゾーングループがグループ解除される前にゾーングループと関連付けられていた再生キューのオーディオアイテムを含む新しい再生キューと関連付けられてもよい。他の例も可能である。
【0089】
図4のユーザインタフェース400に戻って、再生キュー領域440内のオーディオコンテンツのグラフィック表示は、トラックタイトル、アーティスト名、トラックの長さ、および再生キュー内のオーディオコンテンツと関連付けられた他の関連情報を含んでいてもよい。ある例では、オーディオコンテンツのグラフィック表示は、追加の選択可能なアイコンを選択して移動させることができる。これにより、再生キューおよび/又は再生キューに表示されたオーディオコンテンツを管理および/又は操作することができる。例えば、表示されたオーディオコンテンツは、再生キューから取り除いてもよいし、再生キュー内の異なる位置に移動させてもよいし、すぐに再生させるか若しくは現在再生しているオーディオコンテンツの後に再生するように選択されてもよいし、あるいは他の動作を実行してもよい。再生ゾーン又はゾーングループに関連付けられた再生キューは、再生ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生デバイスのメモリ、再生ゾーン又はゾーングループに入っていない再生デバイスのメモリ、および/又は他の指定のデバイスのメモリに記憶されていてもよい。
【0090】
オーディオコンテンツソース領域450は、選択可能なオーディオコンテンツソースのグラフィック表示を含んでいてもよい。このオーディオコンテンツソースにおいては、オーディオコンテンツが選択された再生ゾーン又はゾーングループによって取り出され、再生されてもよい。オーディオコンテンツソースに関する説明は、以降のセクションを参照することができる。
【0091】
d.例示的なオーディオコンテンツソース
前回図示したように、ゾーン又はゾーングループ内の1つ又は複数の再生デバイスは、再生するオーディオコンテンツを、(例えば、オーディオコンテンツの対応するURI又はURLに基づいて、)複数の入手可能なオーディオコンテンツソースから取り出すように構成されていてもよい。ある例では、オーディオコンテンツは、再生デバイスによって、対応するオーディオコンテンツソース(例えば、ライン-イン接続)から直接取り出されてもよい。別の例では、オーディオコンテンツは、1つ又は複数の他の再生デバイス若しくはネットワークデバイスを介してネットワーク上の再生デバイスに提供されてもよい。
【0092】
例示的なオーディオコンテンツソースは、メディア再生システム内の1つ又は複数の再生デバイスのメモリを含んでもよい。メディア再生システムとしては、例えば、図1のメディア再生システム100、1つ又は複数のネットワークデバイス上のローカルミュージックライブラリ(例えば、制御デバイス、ネットワーク対応のパーソナルコンピュータ、又はネットワーク接続ストレージ(NAS)など)、インターネット(例えば、クラウド)を介してオーディオコンテンツを提供するストリーミングオーディオサービス、あるいは再生デバイス又はネットワークデバイスのライン-イン入力接続を介してメディア再生システムに接続されるオーディオソース、他の可能なシステムであってもよい。
【0093】
ある実施形態では、オーディオコンテンツソースは、図1のメディア再生システム100などのようなメディア再生システムに定期的に追加されてもよいし、定期的に取り除かれてもよい。ある例では、1つ又は複数のオーディオコンテンツソースが追加される、取り除かれる、又は更新される度に、オーディオアイテムのインデックス付けが行われてもよい。オーディオアイテムのインデックス付けは、ネットワーク上で共有される全てのフォルダ/ディレクトリ内の識別可能なオーディオアイテムをスキャンすることを含んでもよい。ここで、ネットワークは、メディア再生システム内の再生デバイスによってアクセス可能である。また、オーディオアイテムのインデックス付けは、メタデータ(例えば、タイトル、アーティスト、アルバム、トラックの長さなど)と他の関連情報とを含むオーディオコンテンツデータベースを作成すること、又は更新すること、を含んでもよい。他の関連情報とは、例えば、それぞれの識別可能なオーディオアイテムを見つけるためのURI又はURLを含んでもよい。オーディオコンテンツソースを管理し、且つ維持するための他の例も可能である。
【0094】
再生デバイス、制御デバイス、再生ゾーン構成、およびメディアコンテンツソースに関しての上述した説明は、以降で述べられている機能および方法を実施可能ないくつかの例示的な動作環境のみを提供している。本発明は、本明細書で明示的に述べられていないメディア再生システム、再生デバイス、およびネットワークデバイスの他の動作環境および構成であっても適用可能であり、その機能および方法を実施するのに適している。
【0095】
e.例示的な複数のネットワークデバイス
図5は、音声制御に基づいてオーディオ再生体験をもたらすように構成され得る例示的な複数のデバイス500を示す。当業者であれば、図5に示したデバイスは例示する目的のみのものであり、異なる及び/又は追加のデバイスを含む変形例が可能であってもよいことを理解する。図示されているように、複数のデバイス500はコンピューティングデバイス504,506,508と、ネットワークマイクロホンデバイス(NMD)512,514,516と、再生デバイス(PBD)532,534,536,538と、制御デバイス(CR)522とを備える。
【0096】
複数のデバイス500の各々は、主として広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、及びパーソナルエリアネットワーク(PAN)などの1又は複数のタイプのネットワークを介し、主としてNFC、Bluetooth(登録商標)、Ethernet、及びIEEE802.11などの1又は複数のネットワークプロトコルに従って、複数のデバイス内の1又は複数の他のデバイスとの通信を確立できるネットワーク対応デバイスであってもよい。
【0097】
図示されているように、コンピューティングデバイス504,506,508はクラウドネットワーク502の一部であってもよい。クラウドネットワーク502は追加のコンピューティングデバイスを備えていてもよい。1つの例では、コンピューティングデバイス504,506,508は異なるサーバであってもよい。別の例では、コンピューティングデバイス504,506,508の2つ以上は単一のサーバのモジュールであってもよい。同様に、コンピューティングデバイス504,506,508の各々は1又は複数のモジュール若しくはサーバを備えていてもよい。本明細書において例示を容易にするために、コンピューティングデバイス504,506,508の各々をクラウドネットワーク502内の特定の機能を実行するように構成してもよい。たとえば、コンピューティングデバイス508は音楽ストリーミングサービス用のオーディオコンテンツのソースであってもよい。
【0098】
図示されているように、コンピューティングデバイス504を、通信経路542を介してNMD512,514,516とインタフェースするように構成してもよい。NMD512,514,516は1又は複数の「スマートホーム」システムのコンポーネントであってもよい。ある場合には、NMD512,514,516を、図1に示すデバイスの配置と同様に、家庭全体に物理的に配置してもよい。別の場合には、NMD512,514,516の2つ以上を、互いに比較的近接して物理的に配置してもよい。通信経路542は主としてインターネットを含むWAN、LAN、及び/又はPANなどの1又は複数のタイプのネットワークを備えていてもよい。
【0099】
1つの例では、NMD512,514,516のうちの1つ又は複数は、主として音声検出用に構成されたデバイスであってもよい。別の例では、NMD512,514,516のうちの1つ又は複数は、様々な一次ユーティリティを有するデバイスのコンポーネントであってもよい。たとえば、図2及び図3に関連して上述したように、NMD512,514,516のうちの1つ又は複数は、再生デバイス200のマイクロホン220又はネットワークデバイス300のマイクロホン310であってもよい。さらに、場合によっては、NMD512,514,516のうちの1つ又は複数は、再生デバイス200又はネットワークデバイス300であってもよい。1つの例では、NMD512、514、及び/又は516のうちの1つ又は複数はマイクロホンアレイに配置される複数のマイクロホンを備えていてもよい。
【0100】
図示されているように、コンピューティングデバイス506を、通信経路544を介してCR522と、PBD532,534,536,538とにインタフェースするように構成してもよい。1つの例では、CR522は図2のネットワークデバイス200などのネットワークデバイスであってもよい。したがって、CR522を、図4のコントローラインタフェース400を提供するように構成してもよい。同様に、PBD532,534,536,538は図3の再生デバイス300などの再生デバイスであってもよい。このため、PBD532,534,536,538を、図1に示すように家庭全体に物理的に配置してもよい。例示する目的上、PBD536及び538は結合ゾーン530の一部であってもよく、その一方でPBD532及び534は自身が属するそれぞれのゾーンの一部であってもよい。上述したように、PBD532,534,536,538を動的に結合、グループ化、結合解除、且つグループ解除してもよい。通信経路544は主としてインターネット含むWAN、LAN、及び/又はPANなどの1又は複数のタイプのネットワークを備えていてもよい。
【0101】
1つの例では、NMD512,514,516と同様に、CR522とPBD532,534,536,538とはまた、1又は複数の「Smart Home」システムのコンポーネントであってもよい。ある場合には、PBD532,534,536,538をNMD512,514,516と同じ家庭全体に配置してもよい。さらに、上記で提案したように、PBD532,534,536,538のうちの1つ又は複数はNMD512,514,516の1又は複数であってもよい。
【0102】
NMD512,514,516はローカルエリアネットワークの一部であってもよく、通信経路542はNMD512,514,516のローカルエリアネットワークをWANを介してコンピューティングデバイス504にリンクする(通信経路は図示せず)アクセスポイントを備えていてもよい。同様に、NMD512,514,516の各々は、そのようなアクセスポイントを介して互いと通信してもよい。
【0103】
同様に、CR522並びにPBD532,534,536,538は、前項で説明したように、ローカルエリアネットワーク及び/又はローカル再生ネットワークの一部であってもよく、また通信経路544は、CR522及びPBD532,534,536,538のローカルエリアネットワーク及び/又はローカル再生ネットワークをWANを介してコンピューティングデバイス506にリンクするアクセスポイントを備えていてもよい。このため、CR522並びにPBD532,534,536,538の各々はまた、そのようなアクセスポイントを介して互いと通信してもよい。
【0104】
1つの例では、通信経路542及び544は同じアクセスポイントを備えていてもよい。1つの例では、NMD512,514,516、CR522、並びにPBD532,534,536,538の各々は、家庭用の同じアクセスポイントを介してクラウドネットワーク502にアクセスしてもよい。
【0105】
図5に示すように、NMD512,514,516、CR522、並びにPBD532,534,536,538の各々はまた、通信手段546を介して他のデバイスの1又は複数と直接通信してもよい。本明細書に記載の通信手段546は、1又は複数のタイプのネットワークを介し、1又は複数のネットワークプロトコルに従ったデバイス間の1又は複数の形式の通信を含んでいてもよく、及び/又は1又は複数の他のネットワークデバイスを介した通信を含んでいてもよい。たとえば、通信手段546はBluetooth(登録商標)(IEEE802.15)、NFC、ワイヤレスダイレクト、及び/又は独自規格ワイヤレスの1又は複数を主として備えていてもよい。
【0106】
1つの例では、CR522はBluetooth(登録商標)を介してNMD512と通信してもよく、且つ別のローカルエリアネットワークを介してPBD534と通信してもよい。別の例では、NMD514は別のローカルエリアネットワークを介してCR522と通信してもよく、且つBluetooth(登録商標)を介してPBD536と通信してもよい。さらに別の例では、PBD532,534,536,538の各々はローカル再生ネットワークを介し、スパニングツリープロトコルに従って互いと通信してもよく、一方でローカル再生ネットワークとは異なるローカルエリアネットワークを介してCR522とそれぞれ通信してもよい。他の例も可能である。
【0107】
場合によっては、NMD512,514,516、CR522、並びにPBD532,534,536,538間の通信手段は、デバイス間の通信のタイプ、ネットワーク状態、及び/又はレイテンシ要求に応じて変化してもよい。たとえば、PBD532,534,536,538と共にNMD516を家庭に最初に導入するときに、通信手段546を使用してもよい。ある場合には、NMD516はNFCを介してPBD538にNMD516に対応する識別情報を送信し、またPBD538はNFC(又は他の何らかの形式の通信)を介してNMD516にローカルエリアネットワーク情報を送信してもよい。しかしながら、ひとたびNMD516が家庭内で構成されれば、NMD516とPBD538との間の通信手段は変化してもよい。たとえば、NMD516は通信経路542、クラウドネットワーク502、及び通信経路544を介して続けてPBD538と通信してもよい。別の例では、NMDとPBDとは、ローカル通信手段546を介しては決して通信しないようにしてもよい。さらに別の例では、NMDとPBDとは、主としてローカル通信手段546を介して通信してもよい。他の例も可能である。
【0108】
例示的な例では、NMD512,514,516を、PBD532,534,536,538を制御するための音声入力を受信するように構成してもよい。利用可能な制御コマンドは、主として再生音量の制御、再生トランスポートの制御、音楽ソースの選択、及びグループ化など、前述した任意のメディア再生システム制御を含んでいてもよい。たとえば、NMD512はPBD532,534,536,538の1又は複数を制御するための音声入力を受信してもよい。音声入力を受信したことに応答して、NMD512は通信経路542を介して、処理を目的として音声入力をコンピューティングデバイス504に送信してもよい。1つの例では、コンピューティングデバイス504は音声入力を同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。コンピューティングデバイス504は、その後、続けてコンピューティングデバイス506にテキストコマンド送信してもよい。別の例では、コンピューティングデバイス504は音声入力を同等のテキストコマンドに変換し、次いで、続けてそのテキストコマンドをコンピューティングデバイス506に送信してもよい。次いで、コンピューティングデバイス506は、テキストコマンドを解析して1又は複数の再生コマンドを識別してもよい。
【0109】
たとえば、テキストコマンドが「『ゾーン1』で『ストリーミングサービス1』」から『アーティスト1』による『トラック1』を再生して」である場合、コンピューティングデバイス506は(i)「ストリーミングサービス1」から入手できる「アーティスト1」による「トラック1」のURLと、(ii) 「ゾーン1」内の少なくとも1つの再生デバイスとを識別してもよい。この例では、「ストリーミングサービス1」からの「アーティスト1」による「トラック1」のURLは、コンピューティングデバイス508を指すURLであってもよく、また「ゾーン1」は結合ゾーン530であってもよい。このように、URLとPBD536及び538の一方又は両方とを識別すると、コンピューティングデバイス506は、通信経路544を介してPBD536及び538の一方又は両方に識別された再生用のURLを送信してもよい。PBD536及び538の一方又は両方は迅速に反応して、受信したURLに従ってコンピューティングデバイス508からオーディオコンテンツを取得し、且つ「ストリーミングサービス1」から「アーティスト1」による「トラック1」の再生を開始してもよい。
【0110】
さらに別の例では、コンピューティングデバイス504は何らかの処理を実行してユーザの関連コマンド又はインテントを識別し、且つ当該音声入力に関連したメディアコンテンツに関する情報をコンピューティングデバイス506に提供してもよい。たとえば、コンピューティングデバイス504は音声入力の音声テキスト変換を実行し、且つ音声入力を解析して、コマンド又はインテント(たとえば、再生、一時停止、停止、音量を上げる、音量を下げる、スキップ、次の曲を再生、グループ化、グループ解除)をコマンドの実行方法に関する他の情報と共に生成してもよい。コンピューティングデバイス504又はコンピューティングデバイス506は、コンピューティングデバイス504によって決定されたコマンド又はインテントにどのPBDコマンドが対応しているかを判定してもよい。音声入力から決定されたコマンド若しくはインテント及び/又はコマンドの実行に関連する他の情報を、コンピューティングデバイス504からコンピューティングデバイス506に送信してもよい。コンピューティングデバイス504上での処理はアプリケーション、モジュール、アドオンソフトウェア、ネイティブのネットワークマイクロホンシステムのソフトウェアプラットフォームとの統合、及び/又はネイティブのネットワークマイクロホンシステムのソフトウェアプラットフォームによって実行してもよい。
【0111】
当業者であれば、上記は単なる1つの例示的な例であり、他の実装形態も可能であることを理解する。ある場合には、上記のように複数のデバイス500の1又は複数によって実行される動作は、複数のデバイス500内の1又は複数の他のデバイスによって実行されてもよい。たとえば、音声入力からテキストコマンドへの変換を、NMD512、コンピューティングデバイス506、PBD536、及び/又はPBD538などの別のデバイス又は複数のデバイスによって代替的に、部分的に、若しくは完全に実行してもよい。同様に、URLの識別をNMD512、コンピューティングデバイス504、PBD536、及び/又はPBD538などの別のデバイス又は複数のデバイスによって代替的に、部分的に、若しくは完全に実行してもよい。
【0112】
f.例示的なネットワークマイクロホンデバイス
図6は、図5のNMD512,514,516の1又は複数となるように構成され得る例示的なネットワークマイクロホンデバイス600の機能ブロック図を示す。図示されているように、ネットワークマイクロホンデバイス600はプロセッサ602と、メモリ604と、マイクロホンアレイ606と、ネットワークインタフェース608と、ユーザインタフェース610と、ソフトウェアコンポーネント612と、スピーカ614とを備える。当業者であれば、他のネットワークマイクロホンデバイスの構成及び配置も可能であることを理解する。たとえば、ネットワークマイクロホンデバイスは、別法としてスピーカ614を除外するか、或いはマイクロホンアレイ606の代わりに単一のマイクロホンを有していてもよい。
【0113】
プロセッサ602は、汎用プロセッサ又は専用プロセッサ若しくはコントローラの形態をとり得る1又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラを備えていてもよい。たとえば、処理ユニット602はマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、及びデジタル信号プロセッサなどを備えていてもよい。メモリ604は、これらの機能を実行するためにプロセッサ602によって実行可能な1又は複数のソフトウェアコンポーネントをロードできるデータ記憶装置であってもよい。したがって、メモリ604は、主として、ランダムアクセスメモリ、レジスタ、キャッシュなどの揮発性記憶媒体と、読取り専用メモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ、及び/又は光学記憶装置などの不揮発性記憶媒体とが例として挙げられる、1又は複数の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を備えていてもよい。
【0114】
マイクロホンアレイ606は、ネットワークマイクロホンデバイス600の周辺環境の音声を検出するように配置された複数のマイクロホンであってもよい。マイクロホンアレイ606は、主としてコンデンサマイクロホン、エレクトレットコンデンサマイクロホン、又はダイナミックマイクロホンなどの既知であるか、又は今後開発される任意のタイプのマイクロホンであってもよい。1つの例では、マイクロホンアレイを、ネットワークマイクロホンデバイスに対する1又は複数の方向から音声を検出するように配置してもよい。マイクロホンアレイ606は周波数範囲の一部に敏感であってもよい。1つの例では、マイクロホンアレイ606の第1のサブセットは第1の周波数範囲に敏感である一方で、マイクロホンアレイの第2のサブセットは第2の周波数範囲に敏感であってもよい。マイクロホンアレイ606を、音源(たとえば、音声、可聴音)の位置情報を捕捉し、及び/又は背景雑音のフィルタリングを補助するようにさらに構成してもよい。特に、いくつかの実施形態では、マイクロホンアレイは複数のマイクロホンではなく、単一のマイクロホンのみで構成されていてもよい。
【0115】
ネットワークインタフェース608を、図5に関連してCR522、PBD532~538、クラウドネットワーク502内のコンピューティングデバイス504~508、及び他のネットワークマイクロホンデバイスなどを主として含む、様々なネットワークデバイス間の無線及び/又は有線通信を容易にするように構成してもよい。このため、ネットワークインタフェース608はこれらの機能を実行するのに適した任意の形態をとっていてもよく、その例としてはEthernetインタフェース、シリアルバスインタフェース(たとえば、FireWire、USB2.0など)、無線通信を容易にするように構成されたチップセット及びアンテナ、並びに/又は有線及び/又は無線通信を提供する他の任意のインタフェースを挙げることができる。1つの例では、ネットワークインタフェース608は業界標準に基づいていてもよい(たとえば、IEEE802.3を含む赤外線規格、無線規格、及び有線規格、IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、802.11ac、802.15を含む無線規格、並びに4Gなどの移動体通信規格など)。
【0116】
ネットワークマイクロホンデバイス600のユーザインタフェース610を、ネットワークマイクロホンデバイスとのユーザ対話を容易にするように構成してもよい。1つの例では、ユーザインタフェース608は、ユーザがネットワークマイクロホンデバイス600に入力を直接提供できるようにするために、主として物理的ボタン、タッチセンサ画面及び/又は面上に設けられるグラフィカルユーザインタフェースなどの1又は複数を備えていてもよい。ユーザインタフェース610は、視覚的フィードバック及び/又は音声フィードバックをユーザに提供するための1又は複数のライトとスピーカ614とをさらに備えていてもよい。1つの例では、ネットワークマイクロホンデバイス600を、スピーカ614を介してオーディオコンテンツを再生するようにさらに構成してもよい。
【0117】
III.音声検出の部屋補正のための例示的なシステム、装置、及び方法
多くの場合、ネットワークマイクロホンデバイスを再生デバイスに近接して配置してもよい。たとえば、再生デバイスをネットワークマイクロホンデバイスと同じ部屋に配置してもよい。
【0118】
本明細書に記載の実施例は、NMDが動作する周辺環境の音響特性をNMDに提供することを含む。この周辺環境は、寝室やリビングルームなどの家庭内の部屋であってもよい。周辺環境の音響特性により、音声が室内でどのように伝わるかが定義されてもよい。周辺環境の音響特性は、NMDに向かって発せられた音声入力を解釈するためにNMDが使用してもよい。多くの場合、ネットワークマイクロホンデバイス(NMD)を再生デバイスに近接して配置してもよい。たとえば、再生デバイスをNMDと同じ部屋に配置してもよい。
【0119】
音響特性は通常、周辺環境内の表面によって定義される。たとえば、室内の硬い表面が音声を反射することがある。その一方で、柔らかい表面は音声を吸収することがある。周辺環境にこれらの異なるタイプの表面が存在し、且つ配置されることは、その部屋の音響特性とNMDの音声入力を解釈する能力とに影響を与えることになる。
【0120】
NMDはこれらの音響特性を考慮して、発せられた音声入力を正確に回収する必要があり得る。また、場合によっては、オーディオコンテンツは再生デバイスによって、NMDが音声入力を受信すると同時に再生されてもよい。周辺環境及び/又はコンテンツ再生時の音響特性に関する知識を、音声入力を解釈するためにNMDが使用してもよい。
【0121】
図7図11は、開示された動作環境内で実行できる実施形態を提示している。
【0122】
図7は、NMDによって受信される音声入力の解釈を改善するために実行され得る機能のフローチャートである。いくつかの例では、記載したこれらの機能の1又は複数を再生デバイスによって実行してもよい。他の例では、504~508などのコンピューティングデバイスはまた、再生デバイスと連携して、或いはこれの代わりにこれらの機能の1又は複数を実行してもよい。コンピューティングデバイスは再生デバイスと関連付けられていてもよく、且つ再生デバイスと関連付けられた処理を実行してもよい。
【0123】
ステップ702において、周辺環境の音響特性を取得してもよい。この音響特性を、再生デバイスが動作している周辺環境と関連付けてもよい。この音響特性を様々な方法で決定していてもよい。たとえば、再生システムは、いくつかのキャリブレーション段階を通じて周辺環境の音響特性を既に決定していてもよい。メディア再生システムの再生デバイスはマイクロホンとスピーカとを有していてもよい。スピーカは1又は複数のトーンを出力してもよく、また1又は複数のスピーカはそれぞれのマイクロホンを使用してトーンを受信してもよい。このトーンは音声における1又は複数の周波数であってもよい。再生デバイスの各々はトーンを出力してもよい。複数の再生デバイスによって受信されたトーンに基づいて、周辺環境の音響特性を決定することができる。別の例では、別のネットワークデバイス(制御デバイス、第1の再生デバイス、又はNMD自体でさえ)は、第2の再生デバイスのスピーカによって出力されるテストトーンを受信するマイクロホンを備えていてもよい。再生デバイスではなく、或いは再生デバイスに加えて、他のネットワークデバイスは受信したテストトーンを解析して、周辺環境の音響特性を決定してもよい。他の構成も可能である。
【0124】
当該トーンのスペクトル応答、空間応答、及び時間応答によって音響特性を定義してもよい。スペクトル応答は、マイクロホンで受信される音声エネルギーの解析結果であってもよい。空間応答は、マイクロホンで受信される音声エネルギーの方向の解析結果であってもよい。時間応答は、マイクロホンで受信される音声エネルギーの反射に対する解析結果であってもよい。本再生システムはこれらの応答を解析し、場合によっては当該トーンを受信した場所からの方向も考慮して周辺環境の音響特性を決定してもよい。この音響特性を示す通知を、再生デバイス及び/又コンピューティングデバイス504~508の1又は複数に格納してもよい。
【0125】
別の例では、部屋の大きさ、部屋の天井の高さ、部屋にある家具などの周辺環境に関する既知の特性に基づいて、音響特性を事前に定義してもよい。コンピューティングデバイス504~508の1又は複数によって維持されるデータベースにおいて、異なるタイプの特徴を有する部屋の音響特性を格納してもよい。コンピューティングデバイス上に格納される音響特性を、特定の特徴を有する部屋に対する以前の解析に基づいて決定していてもよい。ユーザはメディア再生システムの制御デバイス上に部屋の特徴を入力してもよく、また制御デバイスはこのデータベースにアクセスして部屋の音響特性を決定してもよい。次いで、これらの音響特性を当該環境内に配置された再生デバイスに提供してもよく、或いはこれらをコンピューティングデバイスに格納してもよい。
【0126】
1つの例として、音響特性は部屋の左側に硬い表面が存在し、右側に柔らかい表面が存在し、且つこの部屋が長方形形状であることを示してもよい。要するに、音響特性によって音響的観点からその部屋を特徴付けることができる。
【0127】
メディア再生システムは複数の再生デバイスを備えていてもよい。再生デバイスの各々は、再生デバイスが動作する周辺環境の音響特性を有していてもよい。ステップ704において、1又は複数のNMDを識別してもよい。1又は複数のNMDは同じ周辺環境内にあってもよい。いくつかの例では、NMDに音響特性を送信する再生デバイスはNMDの直近にある再生デバイスであってもよい。別の例では、NMDに音響特性を送信する再生デバイスはNMDと同じゾーンにある再生デバイスであってもよい。その近接性を再生デバイス及び/又はNMDの設定中、いくつかのキャリブレーションプロセスにおいて示してもよい。たとえば、NMDは自身の存在提示を再生デバイスに対して送信してもよい。この存在の有無を再生デバイス内の状態変数によって提示してもよい。再生デバイスはこの状態変数にアクセスしてNMDを識別してもよい。また、NMDも再生デバイスの存在を識別する同様の状態変数を有していてもよい。
【0128】
他の例では、メディア再生システムの再生デバイスをNMDと結合(ペアリング又はグループ化)してもよい。この結合はまた、再生デバイスとNMDとが同じ部屋又はゾーン内にあるか、若しくはコンテンツを同期して再生しているなど、これらが互いに近接していることを示してもよい。再生デバイスとNMDとの結合は、いくつかの点で再生デバイスの結合方法と同様であってもよい。この結合を、再生デバイスによって格納された状態変数に反映してもよい。NMDを再生デバイスと結合している場合、NMDを識別するように再生デバイスを配置してもよい。さらに、NMDを移動させて別の再生デバイスと結合する場合、別の再生デバイス内の状態変数を更新して、NMDとの結合を反映するようにしてもよい。同様に、NMDは自身の状態変数を更新して、新たな再生デバイスの存在を反映するようにしてもよい。
【0129】
いくつかの例では、結合された再生デバイス及びNMDにおいて、それらの間のレイテンシを低減するために様々なネットワーキング技術を使用してもよい。たとえば、WANネットワーク接続ではなくローカルネットワーク接続(LAN又はBluetooth(登録商標))を通信に使用してもよい。別の例として、再生デバイスをNMDと結合している間に、通信がたとえば「典型的な」2.4Ghz通信から5Ghz通信に切り替わるなど、ローカルネットワーク内で異なる周波数範囲に戻る可能性がある。さらに別の例として、再生デバイスをNMDと結合した場合に、通信が2.4Ghz又は5Ghzスペクトルのいずれかの予約チャネルに切り替わるか、或いはたとえば、再生デバイスが他のネットワークトラフィックの中継ノードとして機能することを停止するなど、他のネットワークトラフィックが低減される可能性がある。他の構成も可能である。
【0130】
ステップ706において、音声入力に適用させるために音響特性を提供してもよい。1つの実施形態では、通信ネットワーク546の1又は複数を介してNMDに対し、再生デバイスからメッセージとして音響特性を送信してもよい。他の実施形態では、再生デバイスは、コンピューティングデバイス上の音響特性を通信リンク542を介してNMDに送信させてもよい。さらに別の実施形態では、音響特性は再生デバイスと関連付けられたコンピューティングデバイス上にあってもよく、また再生デバイスは、NMDと関連付けられたコンピューティングデバイスに対し音響特性にアクセスさせてもよい。他の構成も可能である。
【0131】
いくつかの実施形態では、再生デバイスは、音響特性をNMDに提供する必要がない場合がある。代わりに、NMDによってコンピューティングデバイス自体から音響特性を取得することが可能であってもよい。NMDは、自身に近接した(結合されているか、ペアリングされているか、又はその他の方法で)再生デバイスの通知を提供してもよく、また、コンピューティングデバイスは周辺環境の音響特性を提供してもよい。他の構成も可能である。
【0132】
NMDは、通常マイクロホン応答を介して音声入力を処理することができる。マイクロホン応答は、周波数に対するマイクロホンの感度の指標である。
【0133】
いくつかの実施形態では、NMDは自ら受信した音声入力に音響特性を適用して、音声入力における歪みを補正してもよい。このように、NMDによって音声入力を良好に解釈することが可能であってもよい。NMDは、この音響特性を自ら適用してもよく、及び/又はNMDでの処理がクラウドベースであり得る場合に、コンピューティングデバイスに処理をオフロードしてもよい。
【0134】
NMDは、音声入力への音響特性の適用時に音響特性に基づいてフィルタを定義してもよい。このフィルタは、周辺環境におけるスペクトル応答、空間応答、及び時間応答を含んでいてもよい。NMDは、自身が受信した音声入力にフィルタを適用して、音声入力を解釈する前に歪みを補正してもよい。このフィルタを、以下の導出に基づいて決定してもよい。
Xa(w)×P(w)×h(w)×m(w)=Ya(w)
ここで、Xaはキャリブレーショントーンであり、Pは再生デバイスのスピーカ応答であり、hは室内応答(たとえば、室内の音響特性)であり、mはマイクロホン応答であり、Yaは処理応答であり、これは、キャリブレーションプロセス中に送信されるトーンに対応する受信済みトーンであってもよい。符号×は周波数領域の畳み込み関数を表す。Xa、P、m、及びYaは分かっているので、室内応答(たとえば、フィルタ)を次のように算出してもよい。
-1(w):Xa(w)×P(w)×m(w)=Ya(w)×h-1(w)
次いで、音声入力Ybを受信した場合、室内応答h(たとえば、フィルタ)を適用して、音声入力Xbを次のように決定してもよい。
Xb(w)=Yb(w)×h-1(w)×P-1(w)×m-1(w)
【0135】
いくつかの実施形態では、再生システムは周辺環境の変化を考慮して、周辺環境の音響特性を周期的に決定してもよい。この場合、NMDが受信した音声入力に最新の音響特性を適用してそれを適切に解釈できるように、1又は複数の再生デバイスは動作702~706を周期的に実行してもよい。
【0136】
図8は、NMDによる音声入力の回収を改善するために実行され得る機能を表した別のフローチャートである。いくつかの例では、記載したこれらの機能の1又は複数を再生デバイスによって実行してもよい。他の例では、コンピューティングデバイス504~508などはまた、再生デバイスと連携して、或いは再生デバイスの代わりに、これらの機能の1又は複数を実行してもよい。コンピューティングデバイスは再生デバイスと関連付けられていてもよく、且つ再生デバイスと関連付けられた処理を実行してもよい。
【0137】
ステップ802において周辺環境の音響特性を取得してもよく、ステップ804においてNMDを識別してもよく、またステップ806において音響特性を提供してもよい。この音響特性を、NMD及び/又はNMDと関連付けられたコンピューティングデバイスに提供してもよい。
【0138】
場合によっては、NMDは、メディア再生システムが同時にオーディオコンテンツを再生している周辺環境において動作してもよい。NMDは、オーディオコンテンツが同時に再生されている場合でも音声入力を受信してもよい。
【0139】
ステップ808において、オーディオコンテンツを提供してもよい。オーディオコンテンツをNMD及び/又はNMDと関連付けられたコンピューティングデバイスに提供してもよい。このコンテンツは、たとえば、再生デバイスによって再生される音楽のストリームであってもよい。再生デバイスは、NMDと同じゾーン内にあるNMDに近接しているNMDに対して、或いはNMDと結合され得る(又はグループ化され得る)NMDに対してオーディオコンテンツを提供してもよい。いくつかの実施形態では、たとえばNMDによる処理がクラウドベースである場合などに、コンピューティングデバイスを介してこのコンテンツをNMDに提供してもよい。さらに別の実施形態では、たとえば、NMD及び/又は再生デバイスによる処理がクラウドベースである場合などに、再生デバイスと関連付けられたコンピューティングデバイスを介してNMDと関連付けられたコンピューティングデバイスに対してコンテンツを提供してもよい。
【0140】
ステップ808において、音響特性(及び、必要に応じてオーディオコンテンツ)を音声入力に適用してもよい。たとえば、NMD(又はNMDと関連付けられたコンピューティングデバイス)は、自身が受信した音声入力にフィルタを適用して、その音声入力を解釈してもよい。たとえば、NMD(又はNMDと関連付けられたコンピューティングデバイス)は、音声入力を良好に分離するために、音声入力と共に再生されるオーディオコンテンツを使用してもよい。音声入力を解釈するために、再生デバイスによって再生されるオーディオコンテンツは事実上ノイズであってもよい。この点において、受信した音声入力を良好に分離するために、受信した音声入力からオーディオコンテンツを除去してもよい。
【0141】
図9は、音声入力の解釈時に、NMD及び/又は関連付けられたコンピューティングデバイスによって実行される機能のフローチャートである。ステップ902において、周辺環境の音響特性を示す通知を取得してもよい。ステップ904において、再生デバイスにより再生中のオーディオコンテンツも必要に応じて受信してもよい。再生デバイスは、NMDが配置されている中で同じゾーン内にあるか、又はNMDと結合されていてもよい。ステップ906において、たとえばNMDによって音声入力を受信してもよい。音声入力は音声コマンドであってもよい。NMDは、NMD上の何らかのボタンが押下されたこと、又はそれが音声入力であることを示す音声入力内のコマンドワードによって、音声入力を受信したことを知る場合がある。ステップ908において、フィルタ及び/又は再生デバイスによって再生されるオーディオコンテンツのうちの1又は複数を適用若しくは使用して、受信した音声入力を解釈してもよい。
【0142】
図10は、たとえば再生デバイスに周辺環境の音響特性を提供させるのではなく、NMDがこれを決定できるようにする機能のフローチャートである。この機能を、再生デバイス及び/又は再生デバイスと関連付けられたコンピューティングデバイスによって実行してもよい。
【0143】
NMDは、1又は複数の再生デバイスにトーンの再生を命じる指示を送信してもよい。NMDが指示を送信する再生デバイスは、NMDに近接した再生デバイス、及び/又はNMDと結合されている(又はグループ化されている)か、若しくはNMDと同じゾーン内にある再生デバイスを含んでいてもよい。
【0144】
ステップ1002において、オーディオトーンの再生を命じる指示を受信してもよい。この指示をNMD又はNMDと関連付けられたコンピューティングデバイスから受信してもよい。これに応答して、ステップ1004において再生デバイスによってオーディオトーンを出力してもよい。NMDはマイクロホンアレイ606を使用してこのトーンを受信してもよい。マイクロホンアレイ606はトーンの振幅を示す通知を提供してもよい。さらに、マイクロホンアレイ606はトーンの方向を示す通知を提供してもよい。この方向を、複数の再生デバイスからのトーン受信に基づいて決定してもよい。次いで、NMD及び/又は関連付けられたコンピューティングデバイスは、複数の再生デバイスからのトーン受信に基づいて周辺環境の音響特性を決定してもよい。このように、NMDはこの音響特性を再生デバイスから取得する必要がない場合がある。
【0145】
マイクロホンアレイ606は、NMDが音声入力の発信元の方向を決定できるようにしてもよい。この方向を、オーディオコンテンツの再生を改善するために再生デバイスによって使用することができる。たとえば、メディア再生システムは、1又は複数の再生デバイスから発生させるオーディオ音を音声入力の発信元と同じ方向に向けてもよい。これはリスナーが位置する方向であってもよい。他の構成も可能である。
【0146】
図11は、NMDによって決定された指向性を使用することに関連した、再生デバイス及び/又は関連付けられたコンピューティングデバイスによって実行される機能のフローチャートである。
【0147】
ステップ1102において、方向を示す通知を受信してもよい。これをNMD及び/又は関連付けられたコンピューティングデバイスから受信してもよい。この方向は、NMDが音声入力を受信した場所、したがってユーザがその周辺環境において位置し得る場所を示していてもよい。再生デバイスは複数のスピーカを有していてもよく、これらの出力を制御して、再生デバイスによって再生されるオーディオコンテンツの指向性に効果をもたらすようにしてもよい。ステップ1104において、再生デバイスはこの指向性を使用して、複数のスピーカのオーディオ出力を調整してもよい。このオーディオ出力は音楽コンテンツの再生であってもよい。再生デバイスは、スピーカによって出力されるオーディオ信号の位相を調整して、NMDによって指定される指向性に従ってオーディオ出力の指向性を生成してもよい。この点において、オーディオコンテンツはユーザに対して指向され得、したがってオーディオ聴取体験が改善されることになる。付加的に、又は代替的に、再生デバイスがオーディオ出力の振幅(たとえば、音量)を調整することもある。場合によっては、NMDがオーディオ出力を発生させることもある。この音声出力は、音声入力に対する音声応答であるか、又はビープ音やトーンなどの他の何らかのタイプの音声であってもよい。さらに付加的に、又は代替的に、再生デバイスがこの指向性を使用して、NMDの代わりに、若しくはNMDに加えて、当該オーディオ出力を出力するのに適している可能性のある再生デバイスを識別してもよい。たとえば、識別された再生デバイスはリスナーのすぐ手前にあり得、これによってリスナーがオーディオ出力を容易に聴取できる。他の構成も可能である。
【0148】
IV.メディア再生システムの音声制御のための例示的なシステム、装置、及び方法
本明細書に記載の例は、メディア再生システムを制御することを含んでいてもよい。特に、図12は、音声応答を再生するための方法に関する例示的なフロー図1200を示す。方法1200は、たとえば、図1のメディア再生システム100、図2の再生デバイス200の1又は複数、図3の制御デバイス300の1又は複数、及び図5のシステム500における複数のデバイスの1又は複数を含む動作環境内で実行できる方法の実施形態を提示している。方法1200は、本明細書に記載しているような様々な通信経路を介してネットワークマイクロホンシステムとメディア再生システムとの間で情報の送受信を行うこと、及び/又は「ネットワーク再生システム及びネットワークマイクロホンシステムを含むメタデータ交換(Metadata Exchange Involving a Networked Playback System and a Networked Microphone System)」と題する2016年2月22日に出願された出願第62/298,350号明細書に記載のメタデータ交換チャネルを使用することを含んでもよい。本出願は、その全体を参照によって本明細書に引用するものとする。方法1200は1又は複数の操作、機能、又はアクションを含んでいてもよい。
【0149】
いくつかの例では、NMD512,514,516の1又は複数を、1又は複数のネットワーク若しくは通信経路542、546に接続してもよい。NMDを、メディア再生システム(たとえば、コンピューティングデバイス506、CR522、PBD532,534,536,538)と統合又はインタフェースするように構成してもよい。NMDはネットワークマイクロホンシステム(たとえば、NMD512,514,516,504)に含まれていてもよい。
【0150】
ブロック1202において、NMDがメディア再生システムとインタフェースする、又はこれをメディア再生システムと関連付けるようにNMDを構成するために、ユーザは、たとえばブロック1202でNMD又はネットワークマイクロホンシステム若しくはメディア再生システムと関連付けられたアプリケーションを起動するための制御デバイス(たとえば、CR522)を選択してもよい。このアプリケーションは、ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システムの機能若しくは設定を制御するためのアプリケーションであってもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、ネットワークマイクロホンシステムに機能の追加又は強化をもたらすために利用可能な1又は複数の専用アドオン機能を有していてもよい。
【0151】
ブロック1204において、ネットワークマイクロホンシステム用に利用可能なアドオン機能をユーザが選択できるように表示してもよい。利用可能なアドオン機能を表示している例示的なユーザインタフェース1300を、図13Aに示している。NMDは1又は複数の利用可能なアドオン機能1302,1304,1306を有していてもよい。機能1302は、たとえば、メディア再生システムの再生を制御することができる音楽制御機能であってもよい。ブロック1206において、制御デバイスは、音楽制御機能又はスキルをNMDに追加するためのユーザ入力を受信してもよい。たとえば、ユーザは機能1302を選択することによって、音楽制御機能1302の追加を選択してもよい。音楽制御機能1302は、音楽制御機能又はスキルをユーザのためにネットワークマイクロホンシステムに追加するアプリケーションであってもよい。音楽制御機能1302の追加を選択すると、ディスプレイが切り替わってユーザインタフェース1308が表示され、ユーザからのアカウント情報の入力を促す。
【0152】
ブロック1208において、制御デバイスは、ユーザインタフェース1308と入力フィールド1310及び1312とを介して音楽制御機能を追加するためのアカウント情報を受信してもよい。このアカウント情報は、ユーザがメディア再生システム及び/又は音楽サービスにおいて有するアカウントのものであってもよい。アカウント情報は当該アカウントのユーザ名とパスワードとを含んでいてもよい。ユーザ名をフィールド1310に入力してもよく、またパスワードをフィールド1312に入力してもよい。ユーザは送信ボタン1314などのボタンを選択してユーザ名とパスワードとを送信し、メディア再生システム(たとえば、コンピューティングデバイス506)及び/又は音楽サービス(たとえば、コンピューティングデバイス508)への認証作業を行ってもよい。アカウント情報をコンピューティングデバイス504、コンピューティングデバイス506、及び/又はコンピューティングデバイス508での認証作業のために、通信経路542,544,546及び/又はメタデータ交換チャネルのいずれかを介して送信してもよい。ひとたび認証されると、当該アカウントと関連付けられたユーザ情報はメディア再生システムからネットワークマイクロホンシステムに送信されてもよい。ユーザ情報はカスタム名(たとえば、カスタムゾーン名、カスタムプレイリスト名、カスタム曲名、カスタムアルバム名、カスタムアーティスト名など)、ユーザ情報と関連付けられた世帯識別子、PBD識別子、及び/又はゾーン識別子であってもよい。カスタム名は、ユーザによって指定される任意の名前であってもよい。たとえば、メディア再生システムは、ゾーンに名前を付けるときにユーザが選択できるような共通のゾーン名のリストを提供し、及び/又はユーザにゾーンの名前入力時のオプションを付与してもよい。制御デバイス300のインタフェースは共通のゾーン名のリストを表示し、及び/又は制御デバイス300が入力(たとえば、音声、テキスト)を受け取ることによってユーザがカスタムゾーン名を入力できるフィールドを表示してもよい。カスタム名情報をシステム500内の任意のデバイスに送信するか、又はこれと共有してもよい。
【0153】
ブロック1210において、1つのデフォルトゾーン(たとえば、1又は複数の再生デバイス)又は複数のデフォルトゾーン(たとえば、異なるゾーンにおける少なくとも2つの再生デバイス、少なくとも2つのゾーンのグループ)をNMDに対して決定してもよい。このデフォルトゾーン又は再生デバイスを、「デフォルト再生デバイス」と題する2016年2月22日に出願された出願第62/298,410号明細書に記載されているように決定してもよい。本出願は、その全体を参照によって本明細書に引用するものとする。
【0154】
いくつかの態様では、ユーザは初期構成又は設定中にデフォルトゾーンを指定してもよい。図13Cに示すユーザインタフェース1316は、NMDと関連付けるためのデフォルト再生ゾーンをユーザが選択できるようにする例示的なユーザインタフェースを示している。ユーザインタフェース1316は、利用可能な再生ゾーン1318のリストを表示してもよい。表示される利用可能な再生ゾーンの名前は、ブロック1208で入力済みのユーザアカウントと関連付けられたカスタム名を含んでいてもよい。たとえば、利用可能な再生ゾーン1318のリストは、「リビングルーム」と、「キッチン」と、カスタムゾーン名である「ニックの部屋(Nick’s Room)」とを含んでいてもよい。表示されるリストは、NMD又は他の制御デバイスによって受信されたコマンドに応答して、音声応答及び/又は音楽を再生するためのデフォルトゾーンをユーザが指定できるように選択可能であってもよい。図13Cは、ユーザがキッチンをデフォルトゾーンとして選択する例を示している。ユーザは、送信ボタンなどのボタン1320を選択してデフォルトゾーンの選択を確定し、且つその選択を送信してもよい。図13Dに示す確認画面1322を表示して、設定プロセスが完了したことをユーザに通知してもよく、またユーザはボタン1326を選択して、確認画面1322を閉じてもよい。
【0155】
ブロック1212において、ユーザ固有の再生情報を、たとえばメディア再生システムからネットワークマイクロホンシステムに送信してもよい。ユーザ固有の情報は、カスタムゾーン名、カスタムプレイリスト、及び/又はカスタムプレイリスト名などのカスタム再生情報であってもよい。いくつかの態様では、ユーザ固有の情報及び/又はユーザアカウントは世帯識別子(HHI)と関連付けられていてもよい。ユーザ固有の再生情報を、たとえばメタデータ交換チャネル及び/又はメディア再生システムとネットワークマイクロホンシステムとの間の他の任意の通信経路を介して、メディア再生システム(たとえば、コンピューティングデバイス506、CR522、PBD532、PBD534、PBD536、及び/又はPBD538)からネットワークマイクロホンシステム(たとえば、コンピューティングデバイス504、NMD512、NMD514、及び/又はNMD516)に対して送信してもよい。
【0156】
コンピューティングデバイス504は、カスタム再生情報を動的変数として格納してもよく、動的変数は様々な変数型と動的に関連付けることができる変数であってもよい。たとえば、「ニックの部屋」はカスタムゾーン名であってもよく、これをゾーン変数型と関連付けられた動的変数として格納してもよい。別の例として、「ニックのお気に入り(Nick’s Faves)」は、ユーザによって作成されたカスタム名を有するカスタムプレイリストであってもよい。「ニックのお気に入り」という名前は動的変数として格納され、且つプレイリスト変数型と関連付けられてもよい。このようにして、ネットワークマイクロホンシステムは、音声入力内でユーザと関連付けられたカスタム情報を認識し、且つ識別してもよい。
【0157】
動的変数はテーブル又は他のデータ構造体に格納され、且つ様々な変数型と動的に関連付けられてもよい。たとえば、各動的変数は1又は複数の変数型と関連付けられてもよい。動的変数は、ユーザアカウントと関連付けられた識別子と共に格納されてもよい。たとえば、カスタムゾーン名である「ニックの部屋」を、メディア再生システムのゾーン識別子及び/又は「ニックの部屋」ゾーン内のPBDの識別子と関連付けてもよい。別の例として、カスタムゾーン名である「ニックの部屋」をゾーン識別子タグと共に格納してもよく、及び/又は「ニックの部屋」ゾーン内のPBDの識別子を「ニックの部屋」ゾーンのタグと共に格納してもよい。動的変数は、ユーザによって追加又は削除されるか、又はユーザアカウントと関連付けられた新たなカスタム名を含むように、常時、周期的、若しくは非周期的に更新されてもよい。カスタム名はデータベースに既に存在しているか、又は存在していない可能性のある、ユーザが指定した任意の名前であってもよい。
【0158】
いくつかの例では、各動的変数は、メディア再生システムコマンドの動的変数を識別するために使用され得る識別子と共に格納されるか、又はこれと関連付けられてもよい。たとえば、「ニックの部屋」というゾーン名はメディア再生システムに固有のゾーン識別子と共に格納されてもよく、またコマンドが「ニックの部屋」内の再生デバイス上でアクションが実行されることを要求した場合、メディア再生システムコマンドと共に「ニックの部屋」に加えて、又はこれの代わりに「ニックの部屋」のゾーン識別子が提供されてもよい。
【0159】
ブロック1214において、ユーザは、NMDによって受信され得るコマンド又は要求を発することによって、音声入力を提供してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは音声入力を音声からテキストへと変換し、且つその言葉を解析して音声入力のシンタックスを決定することができる。音声コマンドは、音楽再生制御の範囲又はドメイン内にあるとネットワークマイクロホンシステムが認識できるような特定のシンタックスを有していてもよい。たとえば、ユーザは「キッチンとニックの部屋でビートルズの曲を再生して(play The Beatles in the Kitchen and Nick’s Room)」と言う場合がある。ネットワークマイクロホンシステムは、「再生して」という言葉を音楽再生と関連付けられたインテントに対応するコマンドか、又はインテントそのものであると認識してもよく、ブロック1216において、この音声コマンドが音楽再生制御の範囲又はドメイン内にあると識別してもよい。
【0160】
別の例では、1又は複数のメディア変数のインスタンス及び/又は1又は複数のゾーン変数のインスタンスが存在するか、若しくは含まれているということは、「再生して」というコマンドワードが「再生」インテントに対応していることを示していてもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、音楽メタデータを含む音楽カタログを検索し、且つ、たとえばアーティストが「ビートルズ(The Beatles)」という名前であると判定することにより、「ビートルズ」がメディア変数のインスタンスに対応していると判定してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、「キッチン」及び/又は「ニックの部屋」が、共通のゾーン名及び/又はゾーン変数型と関連付けられた動的変数に基づいたゾーン名に対応していると判定してもよい。「再生して」というコマンドワードと「ビートルズ」というメディア変数及び/又は「ニックの部屋」との組み合わせにより、ネットワークマイクロホンシステムが、その音声入力が、要求された音楽の再生に関する音楽制御のインテントに対応していると判定できるようにしてもよい。
【0161】
音声コマンドが音楽再生制御の範囲又はドメイン内にあると識別されたので、ネットワークマイクロホンシステムは、既知のアーティストである「ビートルズ(The Beatles)」に関連する音楽コンテンツの検索結果の優先度を上げ、既知のアーティストに何ら関連のない同音異義語である「ザ・カブトムシ(the beetles)」に関連する音楽コンテンツの検索結果の優先度を下げるか、又は除外してもよい。換言すれば、当該音声入力が音楽ドメイン内にあると識別したことに応答して、音声テキスト認識に使用される言葉又は語彙一式を、通常辞書では見つからないか、及び/又は辞書に掲載され得る言葉、或いは話し言葉とは異なる文体の言葉を含み得る、音楽ドメインに特有のものとなるように変更してもよい。
【0162】
たとえば、その音声入力が音楽ドメイン内にあると判定したことに応答して、音声テキスト認識に使用される言葉又は語彙一式を、メディアアイテム(たとえば、アーティスト名、トラック名、アルバム名、曲名)に関するメタデータ情報を含むように更新してもよい。いくつかの態様では、音声入力は、たとえばカスタム名(たとえば、ゾーン、プレイリスト)、メディア変数、及び/又はアーティスト名、アルバム名、及び/又はトラック名などにおいて文字及び/又は記号の入力を含んでいてもよい。別の例として、音声テキスト変換から得られるテキスト中の言葉を、音楽制御コマンドを処理する前に、メディア特有の言葉を使用するように変更してもよい。メディア変数のインスタンス用の音声テキスト変換において、ネットワークマイクロホンシステムに使用される標準的な言葉に加えて、又はそれの代わりに、音楽メタデータ、メディアカタログ、及び/又はカスタム若しくはローカルメディア識別子(たとえば、プレイリスト名、トラック名、アルバム名、アーティスト名など)に見られる言葉を使用してもよい。同様に、ゾーン変数用の音声テキスト変換においてカスタムゾーン名を使用してもよい。
【0163】
ブロック1218において、音楽制御コマンドを含む音声入力を処理してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、ユーザのインテント(たとえば、再生、一時停止、キューへの追加、グループ化、他のトランスポートの制御、制御デバイス300を介して利用可能な制御)と関連付けられた様々な所定のシンタックスを有していてもよい。各インテントは、当該インテントと同じであるか若しくは類似している、又は同じでないか若しくは類似していない可能性のある1又は複数のメディア再生システムコマンドに対応していてもよい。たとえば、第1のゾーンから第2のゾーンへ音楽再生を転送するインテントは、現在再生中のメディアアイテム及び/又は再生キューを第1のゾーンから第2のゾーンに転送するメディア再生システムコマンドに対応していてもよい。別の例では、音楽を転送するインテントはメディア再生システムに第1のゾーンの再生キューを第2のゾーンの再生キューにコピーし、及び/又は第1のゾーンの状態変数を第2のゾーンの状態変数にコピーすることを命じる再生キューコピーコマンドに対応していてもよい。
【0164】
さらに別の例として、音楽を転送するインテントは2つのメディア再生システムコマンドに対応していてもよい。これらの2つのコマンドは、第2のゾーンを第1のゾーンとグループ化し、次いでグループから第1のゾーンを除去して、第1のゾーンの状態を第2のゾーンへと実質的に転送してもよい。
【0165】
メディア再生システムコマンドは、インテントがメディア再生システムコマンドに対応していると判定したことに応答して呼び出されるアプリケーションプログラムインタフェース(API)を含んでいてもよい。ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システムは、ユーザのインテントとメディア再生システムコマンドとの間に定義されたマッピング又は対応関係を有していてもよい。
【0166】
いくつかの例では、メディア再生システムコマンドを、クラウドネットワーク502内のコンピューティングデバイス(たとえば、コンピューティングデバイス504、コンピューティングデバイス506、コンピューティングデバイス508)に格納されたデータに対して実行してもよい。たとえば、別のプレイリスト又は再生キューにメディアアイテム(たとえば、トラック、アルバム、プレイリスト)を追加するインテントを、クラウドネットワーク502に格納されたプレイリスト又は再生キューに追加してもよい。再生キューの一部がクラウドネットワーク502内のプレイリスト又は再生キューの一部若しくは全体と一致するように、PBD532,534,536,538に格納された再生キューを、クラウドネットワーク502に格納された再生リスト又は再生キューの変更に応じて更新してもよい。
【0167】
特定の言葉、シンタックス、及び/又はフレーズを同じインテントと関連付けてもよい。たとえば、音声入力において「再生する」、「聴く」、又は「聞く」というコマンドワードを含むことは、メディア再生システムがメディアコンテンツを再生するというユーザのインテントに対応していてもよい。各インテントは、コマンド又はインテントによって指定されたアクションを実行するために事前に定義された様々なタイプの変数又はスロットを有していてもよい。変数又はスロットは、様々なフレーズ内の所定の場所又は位置にあってもよい。たとえば、「再生」コマンドのシンタックスは、ユーザが再生を望むメディア用のメディア変数を有していてもよく、且つユーザが関連付けられた再生デバイスにメディアコンテンツの再生を望む場所若しくはゾーン用の場所変数又はゾーン変数をさらに有していてもよい。「キッチンでビートルズの曲を再生して(play The Beatles in the Kitchen)」という音声コマンドの例では、メディア変数又は音楽変数のインスタンスは「ビートルズ」であり、ゾーン変数のインスタンスは「キッチン」であってもよい。ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システムは、メディア変数のインスタンス及び/又はゾーン変数のインスタンスに対応する関連オブジェクトを識別する際に、ゾーン変数とは別個に、及び/又はこれとは異なる形態でメディア変数を処理してもよい。
【0168】
「再生」インテントと関連付けることができるシンタックス又はフレーズの別の実施例としては、「[ゾーン変数]で[メディア変数]を聞かせて」というシンタックスを挙げることができる。このシンタックスに関する1つの例としては、「エミリーの部屋でポール・サイモンの曲を聞かせて(Let me hear Paul Simon in Emily’s Room)」を挙げることができ、ここでは「聞かせて(Let me hear)」が「再生(play)」インテントと関連付けられていてもよく、「ポール・サイモン(Paul Simon)」がメディア変数のインスタンスであってもよく、また「エミリーの部屋(Emily’s Room)」がゾーン変数のインスタンスであってもよい。ネットワークマイクロホンシステムは音声入力を解析し、ネットワークマイクロホンシステムに格納されたシンタックスのうちのいずれが当該音声入力と一致しているかを判定して、当該音声入力のインテントを識別してもよい。このシンタックスを、ネットワークマイクロホンシステム内の任意のデバイスに格納してもよい。
【0169】
「再生」インテント若しくはコマンドのシンタックス又はフレーズに関するさらに別の例としては、「[ゾーン変数]で[メディア変数]を聞きたい」というシンタックスを挙げることができる。「聴く(listen)」という言葉又は「聴きたい(I want to listen)」という節を「再生(play)」インテントと関連付けてもよい。「再生」インテント用の他のシンタックスも可能である。
【0170】
別の例示的なコマンド又はインテントは、メディア再生システム(たとえば、PBD、コンピューティングデバイス506、及び/又はCR522内に)格納され得るキューにメディアコンテンツを追加することに関連していてもよい。例示的なキューに追加シンタックスは、「[ゾーン変数]のキューに[メディア変数]を追加して」であってもよい。本明細書に記載の他の態様と同様に、ゾーン変数は任意のものであり、本システムは様々な技術又は方法(たとえば、デフォルトゾーンを使用する、前回使用したゾーンを使用する、ユーザのプレゼンス情報に基づいて、或いはよくメディアを再生しているゾーンを使用するなど)に基づいて、コマンドが適用されるゾーンを決定してもよい。メディア変数に対応する選択済みメディアコンテンツを、ゾーン内のキューに追加してもよい。
【0171】
さらに別の例示的なコマンド又はインテントとしては、「次再生コマンド」を挙げることができ、このコマンドによって選択されたメディアコンテンツを、ゾーン内で次に再生されるようにキューの先頭に追加してもよい。このコマンドの例示的なシンタックスは「[メディア変数]を次に再生して」であってもよい。本明細書に記載の他の態様と同様に、ゾーン変数は任意のものであってもよい。
【0172】
コマンド又はインテントに関する別の例としては、「移動コマンド」又は「転送コマンド」を挙げることができ、このコマンドによって、現在再生中の音楽及び/又はゾーンの再生キューをあるゾーンから別のゾーンに移動又は転送してもよい。たとえば、ユーザは、「音楽を[ゾーン変数]に移動させて」という音声入力を発してもよく、ここで「移動」又は「転送」というコマンドワードは、再生状態を別のゾーンに移動させるインテントに対応していてもよい。
【0173】
本明細書に記載のコマンド及びインテントは例示のものであり、他のインテント又はコマンドも可能である。たとえば、本明細書に記載した、メディア再生システムを制御するために制御デバイス300を介して利用可能な制御の各々は、本システムを制御するために利用可能な対応するインテントを有していてもよい。たとえば、制御コマンドの名前はインテントに対応していてもよい。制御コマンドが1又は複数のメディアアイテムを含む場合、そのコマンドのシンタックスは1又は複数のメディア変数を含んでいてもよい。制御コマンドが1又は複数のゾーンを含む場合、そのコマンドのシンタックスは1又は複数のゾーン変数を含んでいてもよい。異なるインテントと共に使用される他の変数が存在していてもよい。
【0174】
メディア再生システムを制御するために制御デバイス300を介して利用可能な制御の例としては、トランスポート制御コマンドを挙げることができる。これらのコマンド又はインテントは現在再生中のメディアアイテムに関連しており、これらにはトランスポートコマンド(たとえば、停止、一時停止、スキップ、巻き戻し、早送り、前の曲に戻る、音量調整など)、又は現在再生中のメディアアイテムの保存、若しくは別の再生キュー或いはプレイリストへのこれの追加に関連するコマンドが含まれる。現在再生中のメディアアイテムに対して実行されるインテント又はアクションのシンタックスはより簡素であり、且つトランスポート制御の名前に対応していてもよい。たとえば、音楽再生を一時停止するインテント用の音声入力は、「一時停止」という音声入力であってもよい。
【0175】
様々なコマンドのシンタックスにおいては様々なタイプの変数を使用してもよい。メディア変数の場合、メディア変数は、ユーザが聴取又は再生を望むメディアコンテンツを音声入力を介して指定する可能性が高い、シンタックス内の変数又はスロットであってもよい。メディア変数は音楽に関連した特徴又は特性(たとえば、メディア変数のタイプ)であってもよく、これらはアルバム名、アーティスト名、曲名、プレイリスト名、カスタムプレイリスト名、ジャンル(たとえば、ポップ、クラシック、カントリー、ロック、R&Bなど)、雰囲気(たとえば、ロマンチックな、エクササイズ向けの、生産性を高めるなど)、音楽のテンポ(たとえば、アップビート、スロー)、ラジオ局名、作曲者名、音楽の時代性(バロック、ロマン派、古典派、20世紀音楽など)、期間(たとえば、80年代、90年代)、プレイリストの作成者名、ランキング(たとえば、ベスト、トップ40)及び/又は他の音楽的識別に関する特徴を含むが、これらには限定されない。音楽変数は、ユーザアカウントのユーザが作成したカスタムプレイリスト名であり得るカスタム名、及び/又は他のカスタム名(たとえば、カスタム曲名、カスタムアルバム名、カスタムアーティスト名)を有していてもよい。
【0176】
ゾーン変数の場合、ゾーン変数は、ユーザが要求したアクション又はインテント(たとえば、リクエストした音楽を再生するなど)を実行する場所若しくはゾーンを音声入力を介して指定する可能性が高い、シンタックス内の変数又はスロットであってもよい。ユーザは音声入力にゾーンインスタンスを含める場合もあるが、含めない場合もある。ユーザがたとえば単に「ビートルズの曲を再生して(play some Beatles)」と発言してゾーンを指定しなかった場合、ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システムは、他の入力(たとえば、ユーザのプレゼンス情報、コンテキスト情報、位置情報)に基づいて、デフォルトゾーン及び/又は他のゾーンで「ビートルズの曲を再生する」決定を下してもよい。ゾーン変数は、ユーザが指定したカスタムゾーン名用の動的変数を含んでいてもよい。別の例として、カスタムゾーン名は、たとえば「ニックの部屋」又は「3階の会議室(3rd Floor Conference Room)」であってもよい。
【0177】
いくつかの例では、シンタックスは、音声入力を実行するためのメディアサービス又はアプリケーション若しくは他のメディア関連サービス、製品或いはアプリケーション(たとえば、メディア再生システム)用のメディアサービス変数を含んでいてもよい。本システムは、すべてのメディア関連コンテンツのデフォルトの再生システム又はゾーンを識別し、或いは様々な再生システム又はゾーンを様々なサービスと関連付けてもよい。たとえば、ユーザは「寝室でジョシュ・グローバンをSpotifyで再生して(play on Spotify Josh Groban in the bedroom)」と発言する可能性がある。本システム(たとえば、ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システム)は、メディアサービス変数のインスタンスとして「Spotify」を、音楽変数のインスタンスとして「ジョシュ・グローバン(Josh Groban)」を、ゾーン変数のインスタンスとして「寝室」を認識してもよい。本システムは、本明細書で述べている「ジョシュ・グローバン」に関連するメディアコンテンツを、メディアサービスSpotify(登録商標)のメディアカタログ内で検索してもよい。
【0178】
あるタイプの変数は、同じ変数の2つ以上のインスタンスを含むベクトル又はセット型に形成されるという点で、スカラ型であり得る。スカラ変数のベクトルは、「[第1のスカラ変数]及び[第2のスカラ変数]」、「[第1のスカラ変数]、[第2のスカラ変数]、及び[第3のスカラ変数]」、又は「[第1のスカラ変数] [第2のスカラ変数] [第3のスカラ変数]」のユーザが発言する際のフォーマット或いはシンタックスを有していてもよい。たとえば、ゾーン変数はスカラ変数であってもよく、またユーザは「キッチン、リビングルーム、ダイニングルーム」などの複数の場所でメディアコンテンツを再生するように指定してもよい。いくつかの態様では、スカラ変数のベクトル又は所定のセットに名前を付与してもよい。たとえば、「階下」と名付けられた所定のベクトルを、家庭環境内の階下にあるすべてのゾーンと関連付けてもよい。図1に示す例示的な周辺環境では、「階下」は「リビングルーム」、「ダイニングルーム」、「オフィス」、「主寝室」、「寝室」、及び「浴室」ゾーンであってもよい。制御デバイス300はゾーンのリストを表示することができ、ユーザはそのゾーンのリストから「階下」という名前又はラベルと関連付けるゾーンを選択することができる。
【0179】
いくつかの例では、メディア変数はスカラ変数であってもよい。同じタイプの音楽変数の2つ以上が単一のコマンドフレーズで発せられてもよく、各メディア変数のインスタンスを、他のメディア変数のインスタンスとは別個に、又は他のメディア変数のインスタンスと組み合わせて、対応するメディアアイテム用に処理してもよい。たとえば、音声入力は「ビートルズとビーチボーイズの曲を聴こう(Let’s listen to music from The Beatles and the Beach Boys)」であってもよく、これは「[第1のメディア変数]と[第2のメディア変数]の曲を聴こう」というシンタックスに対応していてもよい。1つの態様では、「ビートルズ」の第1のメディア変数のインスタンスを、「ビーチボーイズ(the Beach Boys)」とは別個に処理してもよい。「ビーチボーイズ」とは別個に「ビートルズ」を処理する場合、「ビートルズ」をビートルズに関連するあらゆるメディアアイテムに対して処理してもよく、また「ビーチボーイズ」を「ビーチボーイズ」に関連するあらゆるメディアアイテムに対して処理してもよく、これはブロック1218に関連してより詳細に記載される。別の態様では、「ビートルズ」の第1のメディア変数のインスタンスと「ビーチボーイズ」の第2のメディア変数のインスタンスとを1つの組み合わせとして処理してもよく、ここで本システムは、「ビートルズ」及び「ビーチボーイズ」双方に関連するメディアアイテム(たとえば、ビートルズとビーチボーイズとが演奏していたり、及び/又は彼らがアーティストとしてリストされている曲)に対して処理してもよい。
【0180】
ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システムは、ゾーン変数のインスタンスのベクトル又はセットをグループ化コマンドと関連付けてもよい。たとえば、ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システムは、ルーム変数用のスカラ変数のシンタックスを認識し、ゾーン変数内で指定されたインスタンスをグループ化するメディア再生システムのコマンドにこのシンタックスが対応していると判定してもよい。1つの例として、ユーザは「リビングルーム、キッチン、及びニックの部屋」でメディアコンテンツを再生するように指定してもよい。システム500(たとえば、ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システム)は、「ニックの部屋」がフレーズとして発せられた場所又は位置に基づいて「ニックの部屋」をゾーン変数として認識し、且つ「ニックの部屋」に対応するカスタムゾーン名の動的変数を格納しているテーブルを検索してもよい。この検索をコンピューティングデバイス504及び/又はコンピューティングデバイス506によって実行してもよく、また当該テーブルの検索に基づいて、カスタムゾーン名及び/又は識別子をコンピューティングデバイス504とコンピューティングデバイス506との間で送信してもよい。この送信はメタデータ交換チャネル、及び/又はコンピューティングデバイス504とコンピューティングデバイス506との間の他の任意の通信経路を介して行われてもよい。
【0181】
メディア再生システムによってグループ化コマンドとして認識され得るシンタックスに関する別の例としては、「[ゾーン変数]を追加する」又は「[ゾーン変数]でも再生する」を挙げることができる。たとえば、ネットワークマイクロホンシステムは、「追加する」という言葉又は「でも再生する」というフレーズを、グループ化インテント若しくはコマンドに対応するものとして認識してもよい。本システムは、そのシンタックスのコマンドワードの位置に「追加する」又は「でも再生する」というコマンワードを含む音声入力のみに基づいて、或いはコマンドワード及びゾーン変数のインスタンスを含む音声入力に基づいて、当該インテントを決定してもよい。このタイプのグループ化は、その音楽が既にどのゾーンで再生中であるかを示すコンテキストを例とするコンテキストに基づいていてもよい。メディア再生システムは、任意の通信経路及び/又はメタデータ交換チャネルを介して、この情報をネットワークマイクロホンシステムに送信してもよい。いくつかの態様では、メディア再生システムは情報を受信してもよく、また1又は複数のゾーンで現在再生中の音楽を指定されたゾーンでも再生し、及び/又はその指定されたゾーンを既存のグループに含めればよいことを理解する。
【0182】
いくつかの例では、音楽変数はスカラ変数であってもよい。たとえば、ユーザは「90年代のバックストリート・ボーイズの曲を再生する(play Backstreet Boys music from the 90’s)」ことを指定できる。「バックストリート・ボーイズ(Backstreet Boys)」はアーティスト名であってもよく、「90年代」はその楽曲が属する期間であってもよい。別の実施例としては、「マドンナのアメリカン・パイを再生する(play American Pie by Madonna)」を挙げることができ、ここでは「アメリカン・パイ(American Pie)」はトラック名であってもよく、「マドンナ(Madonna)」はアーティスト名であってもよい。
【0183】
音楽変数を、特定の音楽変数に関連する情報について音楽データベースを検索することによって処理してもよい。このデータベースは、コンピューティングデバイス504、コンピューティングデバイス506、及び/又はコンピューティングデバイス508における音楽のデータベースであってもよい。たとえば、ユーザは「アメリカン・パイを再生して(play American Pie)」と発言してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、「アメリカン・パイ」に関連する任意の音楽情報をコンピューティングデバイス504で検索してもよい。コンピューティングデバイス504は、たとえばその音楽変数と同じ名前のアルバムを有するアーティスト、その音楽変数と一致又は類似しているアルバム名、その音楽変数の名前が付いたトラック、その音楽変数のラジオ局、その音楽変数の名前が付いたプレイリスト、その音楽変数に関連するコンテンツのストリーミングサービスプロバイダ識別子に関する検索結果、及び/又は生の音声テキスト変換結果を返してもよい。「アメリカン・パイ」の例を使用した場合、当該検索結果は、「ドン・マクリーン(Don McLean)」というアーティスト、「アメリカン・パイ」という名前のアルバム、「アメリカン・パイ」という名前のトラック、「アメリカン・パイ」という名前のラジオ局(たとえば、Pandoraのラジオ局用の「アメリカン・パイ」の識別子)、音楽サービス(たとえば、Spotify(登録商標)又はPandora(登録商標)などの音楽ストリーミングサービス)、「アメリカン・パイ」というトラックのトラック識別子(たとえば、Spotify(登録商標)用の「アメリカン・パイ」のトラック識別子、URI、及び/又はURL)に関する検索結果、及び/又は「アメリカン・パイ」に関する生の音声テキスト変換結果を返してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、データベース検索による結果一式をメディア再生システムに提供してもよい。この検索結果を、メタデータ交換チャネル及び/又はネットワークマイクロホンシステムとメディア再生システムとの間に確立された他の任意の通信経路を介して提供してもよい。
【0184】
いくつかの例では、たとえば「アルバムアメリカン・パイを再生して(play the American Pie album)」など、音声コマンドは特定のメディアコンテンツ(たとえば、曲やアーティスト)又はメディアコンテンツのセット(たとえば、アルバム)を再生するように指定してもよく、この場合、当該検索結果は 「アメリカン・パイ」という名前のアルバムと、「アメリカン・パイ」という名前のアルバム用の音楽サービス識別子とを返してもよい。
【0185】
別の実施例として、ユーザは「foofooを再生して(play foofoo)」というコマンドを発してもよく、ここでは音楽変数は「foofoo」となる。「foofoo」はいずれの音楽的特徴又は特性にも対応していない可能性があり、その結果データベースは、「foofoo」という音楽変数に対応するアーティスト、アルバム及び/又はトラックを何ら有していない可能性がある。この例では、返された検索結果は「foofoo」の音声テキスト変換を行った結果に過ぎない可能性がある。音声テキスト変換又は生テキストを使用して、カスタム名(たとえば、カスタムアルバム名、カスタム曲名、カスタムアーティスト名)を検索してもよい。この生テキストを使用して、デバイス(たとえば、CR522)又はネットワーク対応記憶装置(たとえば、ネットワーク接続記憶装置(NAS))に格納されたコンテンツを検索してもよい。ネットワーク対応記憶装置を、通信経路542,544,546を介して、メディア再生システム及び/又はネットワークマイクロホンシステムと通信できるようにしてもよい。場合によっては、ユーザがカスタムコンテンツをコンピューティングデバイス508に格納してもよい。システム500内の任意のデバイス上でネットワーク対応記憶装置内のコンテンツに索引付けしてもよく、且つこれらは生テキストに基づいて検索可能であってもよい。
【0186】
さらに別の例として、ユーザは「ビートルズの曲を再生して(play Beatles)」というコマンドを発してもよい。音楽的なコンテキストとしての「ビートルズ(Beatles)」ではなく、「カブトムシ(beetles)」に対応するものとして解釈される場合があり、これは、それらの言葉が同音異義語であるためである。ブロック716で音声コマンドが音楽制御の範囲内にあると識別され得るので、ネットワークマイクロホンシステムは、「ビートルズの曲を再生して」という音声コマンドにおいて「ビートルズ」は「ビートルズ」という名前のアーティスト又は他の音楽コンテンツに対応している可能性が高いことを認識してもよい。データベースの検索により、ビートルズというアーティスト、各種ストリーミングサービス用のビートルズのアーティスト識別子、ビートルズというアーティストに基づく推薦プレイリストの識別子に関する検索結果、及び/又は「ビートルズ」という発言の音声テキスト変換に関する生の結果を生成してもよい。
【0187】
別の例として、ユーザが発する音声入力は「ジャズを再生して(play Jazz)」であってもよい。システム500は、ジャンルのリストを格納しているデータベースの検索に基づいて、「ジャズ」を1つのジャンルとして識別してもよい。本システムは、ジャズというジャンルに対応している関連メディアコンテンツを検索してもよい。この検索結果は、たとえば各種音楽サービスのデータベースにある「ジャズ」というジャンルの識別子、及び/又は「ジャズ」というジャンルに対応しているプレイリストのプレイリスト名若しくは識別子となってもよい。
【0188】
いくつかの例では、音声入力は順次発せられる2つのコマンド又はフレーズを含んでいてもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、順次発せられる2つのコマンドが関連している可能性があることを認識してもよい。第1のコマンドは第1の変数型を含んでいてもよく、第2のコマンドは第1の変数型のサブセットを含んでいてもよい。たとえば、ユーザは「クラシック音楽を再生して(play some classical music)」の後に続けて、「ロマン派の曲を再生して(play something romantic)」という音声入力を提供してもよい。2つのコマンドの間に中断の時間があってもよい。システム500は、音楽変数におけるクラシックのインスタンスと関連付けられたクラシック音楽の時代を有していてもよい。システム500は、「ロマン派」はクラシック音楽におけるロマン派の時代を指していると認識してもよく、このコマンドを、ロマンチックな雰囲気の曲の再生を命じているのではなく、ロマン派の時代の曲の再生を命じるコマンドとして処理してもよい。別の例として、ユーザは「イン・シンクの曲を再生して(play some *NSync)」の後に短い中断を挟んでから、「ノー・ストリングス・アタッチト(No Strings Attached)を再生して」と発言してもよい。システム500は、「ノー・ストリングス・アタッチト(No Strings Attached)」がイン・シンク(*NSync)というアーティストによるアルバムであることを認識してもよく、また別のアーティストによる「ノー・ストリングス・アタッチト(No Strings Attached)」という名前のアルバムではなく、このアルバムを再生してもよい。
【0189】
いくつかの例では、コマンドはメディア再生システムの名前用のシステム名変数を含んでいてもよい。メディア再生システムを、メディア再生システムメーカーの名前(たとえば、SONOS(登録商標))、カスタム名、及び/又は他の名前を例とする名前と関連付けてもよい。音声入力は、コマンド又はインテントを実行するユーザアカウントと関連付けられた特定のシステムを識別するためのシステムの名前を含んでいてもよい。場合によっては、ブロック1216で音声コマンド内のメディア再生システム名変数の存在を使用して、その音声入力が音楽制御の範囲内にあると自動的に識別してもよい。
【0190】
ブロック1220において、メディア再生システムは、解析されたコマンド及び変数の各々を実行することによって、音楽制御音声コマンドを実行してもよい。メディア再生システムは、ネットワークマイクロホンシステム及び/又は1又は複数のメディア再生システムコマンドから検索結果を受信してもよい。メディア再生システムコマンド及び/又はメディア情報(たとえば、検索結果)を、メディア再生システムによってネットワークマイクロホンシステムから1又は複数のメッセージの形態で受信してもよい。この検索結果に基づいて、メディア再生システム(たとえば、コンピューティングデバイス506、制御デバイス522、及び/又は再生デバイス532,534,536,538)は再生するメディアコンテンツ又は再生するキューを、音声コマンドに応答して決定してもよい。生のテキスト音声変換に加えて検索結果を受信した場合に、音声コマンドに応答して何を再生すべきかについて様々な技術を使用して決定してもよい。
【0191】
いくつかの態様では、メディア再生システムは様々なデータポイント及び/又は嗜好性に基づいて、異なる検索結果に重み付けを行ってもよい。たとえば、異なる検索結果に対する重み付けは、注目度、ユーザの再生履歴、ユーザアカウントと関連付けられた音楽サービス、メディア再生システムで利用可能な音楽サービス、メディア再生システムと関連付けられた記憶装置に格納されている音楽、及び/又はユーザ嗜好性のいずれかに基づいていてもよい。1つの例として、異なるアーティストによる曲が同じ曲名となることがある。異なるアーティストによる同じ曲名の曲を検索結果が返した場合、より注目度の高い曲により多く重み付けし、及び/又はこれを選択してもよい。曲の注目度を、ユーザの再生回数、ラジオ再生回数、音楽チャートランキング、売上枚数、及び/又は他の利用可能なデータなどの様々なソースに基づいて決定してもよい。別の例として、ユーザによって最近再生されたメディアアイテムに対してより多く重み付けしてもよい。
【0192】
いくつかの例では、ユーザはメディア変数に対して、選択すべきメディアアイテムの優先順位を指定してもよい。たとえば、ユーザは、カスタムプレイリストが最も優先され、そしてラジオ局、選曲されたプレイリスト、トラック、アルバム、アーティストと続くように指定してもよい。本システムは、ユーザ嗜好性に基づいて、より高い優先度を有するメディア変数型に対してより多くの重みを付与してもよい。ユーザ嗜好性を、ネットワークマイクロホンシステム及び/又はメディア再生システムに送信できるように、ユーザプロファイルに格納し、及び/又はその他の場合はユーザアカウントとこれを関連付けてもよい。いくつかのメディア変数型には等しい優先度又は重みを付与してもよい。
【0193】
いくつかの例では、ユーザがユーザ嗜好性を提供していない場合、デフォルトの優先順位設定を使用してもよい。本システムは、異なるメディア変数型に対して任意の組み合わせの優先度を使用してもよい。たとえば、本システムは生テキストに対応する変換結果に先行して、アルバムに続いてアーティストとトラックとに対応するメディアコンテンツを優先してもよい。
【0194】
別の例として、メディア変数のインスタンスはアーティストの名前であってもよく、そのアーティストはプレイリスト及びラジオ局に対応していてもよい。メディア変数のインスタンスの場合、ラジオ局の再生をプレイリストの再生よりも優先してもよい。
【0195】
さらに別の例として、メディア再生システムは、ユーザ及び/又はメディア再生システムがアクセスしていない音楽サービスと関連付けられた検索結果を除外してもよい。アクセス履歴のない検索結果を除外した後、メディア再生システムは、本明細書に記載の様々な方法又は技術に基づいて再生するメディアコンテンツを選択してもよい。
【0196】
本明細書に記載の選択方法は例示のものであり、「再生」コマンドに応答して再生するメディアアイテムを選択するための方法又は技術に関する他の例を採用してもよい。
【0197】
「再生」コマンド又はインテントを受信したことに応答して再生するコンテンツを選択すると、メディア再生システムは、検索結果から提供される識別子及び/又は他の識別情報を使用して、そのコンテンツのソースを識別してもよい。この識別子は、対応するコンテンツをメディア再生システムによって取得するネットワークアドレス又はリンクであってもよく、その例としては、ネットワーク記憶場所若しくはユニフォームリソースロケータ(URL)及び/又はメタデータ(たとえば、アーティスト名、アルバム名、トラック番号、ラジオ局名、プレイリスト名、メディアサービス名など)を挙げることができる。
【0198】
いくつかの例では、コマンド又はインテントはトランスポートコマンド(たとえば、一時停止、一時停止後の再生、スキップ、前の曲に戻る、巻き戻し、早送りなど)であってもよい。上述したように、システム500は、当該コマンド又はインテントに対応するメディア再生システムコマンドを決定し、その対応しているメディア再生システムコマンドを実行してもよい。ネットワークマイクロホンシステムは、当該インテント(たとえば、再生、一時停止など)に対応するコマンドを識別するためのコマンド情報と、そのコマンドの関連オブジェクト(たとえば、ゾーン名などの変数、ゾーン識別子、グループ識別子、メディア識別子など)とを含むメッセージをメディア再生システムに対して送信することにより、メディア再生システムにこのコマンドを実行させることができる。たとえば、トランスポートコマンドは、コマンドを実行すべきゾーン用のゾーン変数(たとえば、ニックの部屋、キッチン、又はそのゾーン用の他の識別子)のインスタンスを含んでいてもよい。
【0199】
音声入力に基づいてPBD上でアクションを起こしたことに応答して、メディア再生システムは、PBDによって実行されるアクションに関する状態情報を更新及び/又は格納してもよい。たとえば、PBDは、当該ゾーン又は特定の再生デバイスが特定のメディアアイテムを現在再生中であり、及び/又はPBDに格納されたキューに対して特定のメディアアイテムが追加されたことなどの当該ゾーンの状態を示すために、状態変数を更新してもよい。システム500内の各種デバイスからのシームレスな再生及び/又は制御を可能にするために、この状態変数に対してはシステム500内のいかなるデバイスもアクセスしてもよい。
【0200】
本方法及びシステムを、メディアコンテンツ(たとえば、音楽コンテンツ、ビデオコンテンツ)に関連して本明細書に記載したが、本明細書に記載の本方法及びシステムを、メディア再生システムによって再生できる関連オーディオを有し得る様々なコンテンツに適用してもよい。たとえば、音楽カタログの一部ではない可能性のある事前に録音された音声を、音声入力に応答して再生してもよい。1つの例として、「ナイチンゲールはどのように鳴くの?」という音声入力を挙げることができる。この音声入力に対するネットワークマイクロホンシステムの応答は、識別子を伴う音楽コンテンツではなく、代わりに短いオーディオクリップであってもよい。メディア再生システムは、短いオーディオクリップの再生と関連付けられた情報(たとえば、記憶アドレス、リンク、URL、ファイル)と、その短いオーディオクリップを再生するためのメディア再生システムコマンドとを受信してもよい。ポッドキャスト、ニュースクリップ、通知音、アラームなどを含む他の例も可能である。
【0201】
V.ユーザ識別に基づくアクションのための例示的なシステム、装置、及び方法
本明細書に記載の実施例は、メディア再生システム(或いは、場合によってはその1又は複数のコンポーネント)が音声コマンドを受信すること、ユーザ識別に基づいて(或いは、少なくともその音声コマンドを発したユーザに基づいて)、メディア再生システムが実行すべき適切なアクションを決定することを含む。いくつかの例では、メディア再生システムは、PBD532,534,536,538の1又は複数とコンピューティングデバイス506(メディア再生システムサーバとして構成されている)とを備えていてもよい。いくつかの実施形態では、メディア再生システムは、NMD512,514,516の1又は複数とコンピューティングデバイス504(ネットワークマイクロホンシステムサーバとして構成されている)とを備えるネットワークマイクロホンシステムを備えるか、又はこれと通信してもよい。
【0202】
通常、本明細書に記載の1又は複数の機能を、ネットワークマイクロホンシステム単独で、又はメディア再生システムと共に実行してもよいことが理解される。コンピューティングデバイス506によって実行される1又は複数の機能を、メディア再生システムのCR522及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数によって実行してもよいことがさらに理解される。
【0203】
先に述べたように、音声コマンドの例は、前述したメディア再生システム制御のうちのいずれかの制御を命じるコマンドを含む。たとえば、音声コマンドは、メディア再生システムにメディア再生システムの1又は複数の再生デバイスを介したメディアコンテンツの再生を命じるコマンドであってもよい。別の例では、音声コマンドは、最初の音声コマンドと関連付けられた追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウのトリガを命じるコマンドであってもよい。さらに別の例では、音声コマンドは、メディア再生システムにおける1又は複数のメディア再生デバイスの再生設定変更を命じるコマンドであってもよい。再生設定には、たとえば再生音量、再生トランスポートの制御、音楽ソースの選択、及びグループ化などが主として含まれ得る。
【0204】
メディアコンテンツの例としては、トークラジオ、書籍、テレビからの音声、ローカルドライブに保存された音楽、又はメディアソースからの音楽などを挙げることができる。メディアソースの例としては、Pandora(登録商標)Radio、Spotify(登録商標)、Slacker(登録商標)、Radio、Google Play(商標)、及びiTunes Radioなどを挙げることができる。
【0205】
ユーザ識別の例としては、ユーザを登録ユーザ、ゲストユーザ、子供、又は不明なユーザとして識別することを挙げることができる。
【0206】
例示的な登録ユーザは、主としてユーザプロファイル、及び/又は音声構成設定などによってメディア再生システムとリンク又は関連付けられた、1又は複数のユーザを含む。例示的なユーザプロファイルは、ユーザの年齢、位置情報、好みの再生設定、好みのプレイリスト、好みのオーディオコンテンツ、及びそのユーザに設定されたアクセス制限に関する情報、並びにそのユーザの音声、ユーザ履歴を識別する情報などを主として含んでいてもよい。ユーザの音声を識別する例示的な情報は、ユーザの音声のトーン又は周波数、年齢、性別、及びユーザ履歴などを主として含む。例示的な音声構成設定は、メディア再生システムがユーザを認識し、且つこれを関連付けるための音声入力又は一連の音声入力を提供するように、ユーザに要求する設定を含んでいてもよい。
【0207】
例示的なゲストユーザは、登録ユーザのユーザプロファイル、又は登録ユーザによって作成されたか、或いは登録ユーザの許可を得てゲストユーザによって作成されたゲストプロファイルにより、メディア再生システムとリンク又は関連付けられた、1又は複数のユーザを含む。例示的なゲストプロファイルは、ユーザプロファイルに含まれるあらゆるタイプの情報を含むことができる。
【0208】
いくつかの例では、自宅に自分用のメディア再生システムを所有するゲストは、自分用のメディア再生システムと関連付けられたユーザプロファイルをコンピューティングデバイス506内に格納していてもよい。ゲストがホストの家に到着し、音声コマンドを使用してホスト所有のメディア再生システムを制御しようとすると、ホストの再生システムに接続されたコンピューティングデバイス506が、(i)そのゲストがユーザアカウントを有している音楽サービス、(ii)そのゲストのプレイリスト、(iii)ホストがそのゲストに対して、ホストのメディア再生システムを制御するためのゲストアクセス権を付与したかどうか、及び/又は(iv)場合によってはそのゲストのユーザプロファイル内にある他のユーザ情報などを含むが、これらに限定されない、そのゲストのユーザプロファイル設定にアクセスできるようにしてもよい。
【0209】
子供のユーザを、たとえばその子供がメディア再生システムの登録ユーザの1人であった場合には、ユーザプロファイル内の情報、ゲストプロファイル内の情報、及び/又はユーザの音声のトーン若しくは周波数によって識別してもよい。
【0210】
いくつかの例では、音声コマンドを受信することは、メディア再生システムが、PBD532,534,536,538の1又は複数及び/又はコンピューティングデバイス506(メディア再生システムサーバとして構成されている)を介して音声コマンドを受信することを含む。コンピューティングデバイス506は音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。
【0211】
さらに別の例では、1又は複数の機能をネットワークマイクロホンシステム単独で、又はメディア再生システムと共に実行してもよい。たとえば、音声コマンドを受信することは、ネットワークマイクロホンシステムが、NMD512、514、又は516の1又は複数を介して音声コマンドを受信すること、その音声コマンドをさらなる処理のためにコンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数に送信することを含む。コンピューティングデバイス506は音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。場合によっては、ネットワークマイクロホンシステムは、音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドをコンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数に送信してこれを解析し、且つコマンドを識別してもよい。
【0212】
コンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538のうちの1つ又は複数は、音声コマンドを受信した後、その音声コマンドをメディア再生システムの登録ユーザから受信したかどうかを判定してもよい。いくつかの例では、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定することは、その音声コマンドと関連付けられたユーザプロファイルがメディア再生システムに格納されているかどうかを、コンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数が判定することを含んでいてもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538のうちの1つ又は複数は音声コマンドを、メディア再生システムに格納されたユーザプロファイルに含まれ得るユーザの音声を識別する情報と照合しようと試みてもよい。ネットワークマイクロホンシステムは単独で、又はメディア再生システムと共に、コンピューティングデバイス506と通信することによって、音声コマンドをメディア再生システムの登録ユーザから受信したかどうかを判定してもよい。
【0213】
さらに別に例では、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定することは、メディア再生システムの音声構成設定内の音声入力とその音声コマンドとが一致しているかどうかを、コンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数が判定することを含んでいてもよい。たとえば、ユーザは、メディア再生システムがユーザを認識し、且つこれを関連付けるための音声入力又は一連の音声入力を提供することによって、ユーザの音声を認識するようにメディア再生システムを事前に構成していてもよい。音声入力又は一連の音声入力を、コンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数に格納してもよい。いくつかの実施形態では、音声入力又は一連の音声入力をネットワークマイクロホンシステムに格納してもよい。
【0214】
さらに別の例では、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定することは、コンピューティングデバイス506、CR522、及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数が単独で、又はこれらを組み合わせて、受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定することを含んでいてもよい。ユーザ履歴及び位置情報に個別に基づいて、或いはユーザプロファイルで通常確認できる他の任意の情報と組み合わせたものに基づいて、信頼性レベルを決定してもよい。
【0215】
たとえば、メディア再生システムは、キッチンにいる登録ユーザから第1の音声コマンドを受信し、且つ受信した音声コマンドに基づいて信頼性レベルを決定してもよい。メディア再生システムは、NMD512~513、CR522、及びPBD532~538のうちの任意の1又は複数から第1の音声コマンドを受信してもよい。さらに、メディア再生システムは、ユーザの自宅の別の部屋にいる登録ユーザから同じ音声コマンドを受信し、且つ受信した音声コマンドに基づいて信頼性レベルを決定してもよい。メディア再生システムは、NMD512~513、CR522、及びPBD532~538のうちの任意の1又は複数から第2の音声コマンドを受信してもよい。次いで、メディア再生システムは、ユーザの自宅全体を通じてそれぞれ異なるコンピューティングデバイス(たとえば、CR522)、NMD、及び/又はPBDから受信したコマンドに基づいて、新たな信頼性レベルを決定してもよい。これにより、音声コマンドを登録ユーザから受信したことを示すより高い信頼性レベルを、メディア再生システムにおいて得ることができる。
【0216】
別の場合には、メディア再生システムは登録ユーザから音声コマンドを受信し、且つユーザ履歴に基づいて信頼性レベルを決定してもよい。動作中、メディア再生システムは、NMD512~513、CR522、及びPBD532~538のうちの任意の1又は複数から音声コマンドを受信してもよい。音声コマンドを受信した後、受信した音声コマンドがアーティスト、プレイリスト、ジャンル、又はユーザプロファイルで確認できる他のあらゆる情報など、その登録ユーザと通常関連付けられている情報を含む場合、コンピューティングデバイス506、CR522、及び/又はPBD532,534,536,538のうちの1つ又は複数は単独で、又はこれらを組み合わせてより高い信頼性レベルを決定してもよい。たとえば、登録ユーザが通常マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の曲を聴取している場合、マイケル・ジャクソンによる「スリラー(Thriller)」の再生を命じる音声コマンドを登録ユーザから受信したことを示すより高い信頼性レベルを、メディア再生システムにおいて得ることができる。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0217】
さらに別の場合には、メディア再生システムは、ユーザプロファイルで確認できる登録ユーザの音声コマンドのパターンに基づいて信頼性レベルを構築してもよい。たとえば、メディア再生システムは、登録ユーザからブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)による特定の曲の再生を命じるコマンドを受信し、且つその受信した音声コマンドに基づいて信頼性レベルを決定してもよい。メディア再生システムが同じ音声コマンド、又はたとえばブリトニー・スピアーズによる別の曲の再生を命じるコマンドなどの類似した音声コマンドを受信するたびに、メディア再生システムはより高い信頼性レベルを構築してもよく、したがって、その音声コマンドを登録ユーザから受信したことを示すより高い信頼性レベルを得ることができる。
【0218】
前述したように、本明細書に記載の1又は複数の機能を、通常ネットワークマイクロホンシステム単独で、又はメディア再生システムと共に実行してもよいことが理解される。コンピューティングデバイス506によって実行される1又は複数の機能を、メディア再生システムのCR522及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数、並びに/又は場合によってはNMD512,514,516の1又は複数によって実行してもよいことがさらに理解される。
【0219】
いくつかの例では、信頼性レベルを決定することは、メディア再生システムがコンピューティングデバイス506(メディア再生システムサーバとして構成されている)、CR522、及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数が単独で、又は互いに組み合わせて信頼性レベルを決定することを含む。たとえば、CR522、及び/又はPBD532,534,536,538のうちの1つ又は複数は、(i)受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定し、(ii)決定された信頼性レベルに基づいて、その音声コマンドを登録ユーザから受信したと判定し、且つ(iii)その音声コマンドの実行を命じる指示をコンピューティングデバイス506(メディア再生システムサーバとして構成されている)に送信してもよい。別の場合には、CR522、及び/又はPBD532,534,536,538のうちの1つ又は複数は、(i)受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定し、且つ(ii)その信頼性レベルと関連付けられたデータをさらなる処理のためにコンピューティングデバイス506へと送信してもよい。次いで、コンピューティングデバイス506は、(i)決定された信頼性レベルに基づいて、その音声コマンドを登録ユーザから受信したと判定し、且つ(ii)その音声コマンドの実行を命じる指示をCR522、及び/又はPBD 532,534,536,538の1又は複数に送信してもよい。
【0220】
さらに別の例では、信頼性レベルを決定することは、メディア再生システムが単独で、又はネットワークマイクロホンシステムと共に信頼性レベルを決定することを含む。たとえば、メディア再生システムはメディア再生システムのCR522及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数、及び/又は場合によってはNMD512,514,516の1又は複数を介して、音声コマンドを受信してもよい。受信した音声コマンドに応答して、メディア再生システムは、信頼性レベルと関連付けられたデータをNMD512,514,516の1又は複数に送信してもよい。次いで、ネットワークマイクロホンは、(i)受信したデータと関連付けられる信頼性レベルを決定し、且つ(ii)コマンドを実行するか、又はコマンドの実行を命じる指示をメディア再生システムに送信してもよい。その音声コマンドを登録ユーザから受信したと判定したことに応答して、コンピューティングデバイス506は、メディア再生システムの1又は複数のPBDに対する指示を構成してもよい。この指示は音声コマンドの内容と、登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいていてもよい。付加的に又は代替的に、この指示は、音声コマンドの内容と、コンピューティングデバイス506、PBD532,534,536,538の1又は複数、又はネットワークマイクロホンシステムに格納された音声構成設定とに基づいていてもよい。
【0221】
いくつかの例では、音声コマンドの内容は、メディア再生システムの1又は複数のPBDにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、メディア再生システムにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイス506は、PBDの1又は複数に登録ユーザの好みのメディアソースからメディアコンテンツを取得させる指示若しくは指示一式を構成してもよい。
【0222】
別の例では、メディア再生システムにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイス506は、メディア再生システムにメディア再生システムの1又は複数のPBDを介してメディアコンテンツを再生させる指示を構成してもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506は、(i)登録ユーザの好みの再生設定の1つ又は複数を用いてメディア再生システムを構成し、且つ(ii)登録ユーザの好みの再生設定を用いて1又は複数のPBDにメディアコンテンツを再生させる指示を備えていてもよい。
【0223】
好みの再生設定は、登録ユーザのユーザプロファイルに格納される好みの再生設定であってもよい。付加的に又は代替的に、好みの再生設定は、登録ユーザのユーザプロファイルに格納されたユーザ履歴に基づいていてもよい。ユーザ履歴は、ユーザがメディアコンテンツを再生するために通常使用する、又は以前に使用した再生設定を含んでいてもよい。
【0224】
さらに別の例では、音声コマンドの内容は、メディア再生システムにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドを含んでいてもよいが、メディア再生システムの特定の再生ゾーンを特定しない場合がある。コマンドの内容とユーザ履歴などの登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイス506は、(i)メディア再生システムに、メディア再生システムの特定の再生ゾーン内で1又は複数のPBDを介してメディアコンテンツを再生させる指示を構成し、且つ(ii)1又は複数のPBDを介してメディアコンテンツを再生するように構成された指示を実行してもよい。
【0225】
さらに別の例では、音声コマンドの内容は、メディア再生システムに再生設定の変更を命じるコマンドを含んでいてもよい。メディア再生システムに再生設定の変更を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイス506は、(i)メディア再生システムにおける1又は複数のPBDの再生設定をメディア再生システムに変更させる指示を構成し、且つ(ii)1又は複数のPBDを介して再生設定を変更するように構成された指示を実行してもよい。
【0226】
さらに別の例は、メディア再生システムが音声コマンドを子供から受信したかどうかを判定することを含んでいてもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506は、その子供がメディア再生システムの登録ユーザの1人である場合に、ユーザプロファイル内の情報に基づいて成人と子供とを区別してもよい。別の場合には、コンピューティングデバイス506は、ユーザの音声のトーン又は周波数に基づいて成人と子供とを区別してもよい。
【0227】
さらに別の場合には、音声コマンドを子供から受信したかどうかを判定することは、コンピューティングデバイス506、CR522、及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数(単独で、或いは共に)が受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定することを含んでいてもよい。上述したように、ユーザ履歴及び位置情報に個別に基づいて、或いはユーザプロファイルで通常確認できる他の任意の情報と組み合わせたものに基づいて、信頼性レベルを決定してもよい。
【0228】
例示的な動作において、メディア再生システムは、子供がいる可能性の高い特定の部屋(たとえば、子供の寝室、遊び部屋、地下室など)に設置されたNMD又はPBDから音声コマンドを受信してもよい。子供がいる可能性の高い部屋に設置されたデバイス(NMD又はPBD)から音声コマンドを受信したため、その音声コマンドを子供から受信したことを示すより高い信頼性レベルをメディア再生システムにおいて得ることができる。
【0229】
別の例では、メディア再生システムは特定のタイプのコンテンツ用の音声コマンドを受信し、そのコンテンツのタイプに基づいて、音声コマンドを子供から受信したことを示すより高い信頼性レベルを決定してもよい。たとえば、メディア再生システムがアニメ番組やアニメ映画のサウンドトラックの再生を命じる音声コマンドを受信した場合、その音声コマンドを子供から受信したことを示すより高い信頼性レベルをメディア再生システムにおいて得ることができる。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0230】
音声コマンドを子供から受信したと判定したことに応答して、いくつかの例は、子供にとって不適切となる恐れのある所与のメディアの再生を1又は複数のPBDに対して禁止することを含んでいてもよい。場合によっては、子供の音声によるコマンドの内容に基づいて、コンピューティングデバイス506及び/又は1又は複数のPBDに対して再生設定の変更を禁止してもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506及び/又は1又は複数のPBDは、1又は複数のPBDの音量を上げることを命じる子供の音声によるコマンドを無視してもよい。
【0231】
場合によっては、メディア再生システムは、その音声コマンドがメディア再生システムの登録ユーザではなくゲストユーザ由来のものであるかどうかを判定することに基づいて作動してもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506は、特定のゲストと関連付けられ得る、以前に作成したゲストプロファイルを格納していてもよい。別の例では、コンピューティングデバイス506は音声コマンドを登録ユーザから受信しなかったと判定し、次いで登録ユーザに対して、その音声コマンドがゲスト由来のものであるかどうかを確認してもよい。次いで、登録ユーザは必要に応じて、コンピューティングデバイス506及び/又は1又は複数のPBDに対して音声コマンドの内容のすべて又は一部を実行することを禁止してもよい。
【0232】
さらに別の例では、音声コマンドをゲストユーザから受信したかどうかを判定することは、コンピューティングデバイス506、CR522、及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数が(単独で、又は共に)受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定することを含んでいてもよい。上述したように、ユーザ履歴及び位置情報に個別に基づいて、或いはユーザプロファイルで通常確認できる他の任意の情報と組み合わせたものに基づいて、信頼性レベルを決定してもよい。
【0233】
音声コマンドをゲストユーザから受信したと判定したことに応答して、コンピューティングデバイス506は、(1)ゲストユーザに対して制限設定を割り当て、(2)音声コマンドの内容とそのゲストユーザに対して割り当てた制限設定とに基づいて、1又は複数のPBDに対する指示を構成し、且つ(3)その指示を実行させるために1又は複数のPBDに送信してもよい。ある例では、ゲストユーザに対して制限設定を割り当てることは、コンピューティングデバイス506及び/又は1又は複数のPBDに格納された特定のゲストプロファイルと音声コマンドとをコンピューティングデバイス506が照合することを含んでいてもよい。ゲストプロファイルは、制限設定と、前述した情報の中でも主としてゲストの音声の周波数又はトーンなどの特定のゲストユーザの音声に関する情報とを含んでいてもよい。制限設定は、メディア再生システムの制御を制限する任意の設定であってもよい。
【0234】
さらに別の例は、異なるユーザから受信した音声コマンドの競合を解決するために、メディア再生システムが優先順位を決定することを含む。競合する音声コマンドはたとえば、あるユーザから受信する曲の再生を命じる音声コマンドと、別のユーザから受信するその曲の再生中止を命じる後続の音声コマンドとであってもよい。あるユーザから受信する1又は複数のPBD532,534,536,538の音量を上げることを命じる音声コマンド、及び別のユーザから受信する音量を下げることを命じる後続の音声コマンドなど、他の例も可能である。
【0235】
具体的には、メディア再生システムは(NMD512~516、CR522、PBD532~538、及び/又はコンピューティングデバイス506のうちの1又は複数を介して)登録ユーザ又はホストから再生ゾーンでの曲の再生を命じる音声コマンドを受信してもよい。次いで、メディア再生システムは未登録ユーザ又はゲストから再生ゾーンでの曲の再生中止を命じる、競合する音声コマンドを受信する場合がある。この競合を解決するために、メディア再生システムは、登録ユーザから受信した音声コマンドが未登録ユーザ又はゲストよりも高い優先度を有するような優先順位を適用してもよい。
【0236】
別の例では、メディア再生システムは、登録ゲストから受信した音声コマンドが未登録ゲストよりも高い優先度を有するような優先順位を割り当ててもよい。場合によっては、ある登録ゲストから受信した音声コマンドが別の登録ゲストよりも高い優先度を有していてもよい。付加的又は代替的に、成人から受信した音声コマンドは子供よりも高い優先度を有していてもよい。
【0237】
さらに別の例では、メディア再生システムによって受信されたコントローラ発行コマンド(たとえば、メディア再生システムを制御するように構成されたCR522又は別のコンピューティングデバイスによって発行されるコマンド)は登録ユーザよりも低い優先度を有していてもよいが、未登録ユーザ又はゲストよりは高い優先度を有していてもよい。場合によっては、一部の登録ゲストはコントローラ発行コマンドよりも高い優先度を有していてもよい。優先順位の決定及び割当てに関する他の例も可能である。
【0238】
また、メディア再生システムは、登録ユーザと関連付けられた起動ワード又は起動フレーズを受信したことに基づいて作動してもよい。起動ワード又は起動フレーズは、登録ユーザのプロファイルに格納された特定の言葉又はフレーズ(たとえば、「ねえ、Sonos」)を含んでいてもよい。場合によっては、ユーザはそれぞれ、異なる起動ワード又は起動フレーズ用にメディア再生システムを構成してもよい。他の場合には、メディア再生システムを、すべての(又は任意の)ユーザに対して同じ起動ワード又は起動フレーズで構成してもよい。
【0239】
いくつかの例では、登録ユーザは、メディア再生システムが登録ユーザ、ゲスト、及び/又は未登録ユーザからの起動ワード又は起動フレーズと関連付けられた追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウをトリガするような、共通の起動ワード又は起動フレーズを有していてもよい。たとえば、登録ユーザ又はホストは、再生キューへの曲の追加を命じる音声コマンド(たとえば、「ねえSonos、再生キューに曲を追加して」)を送信してもよく、これにより、再生キューへの特定の曲の追加を命じる追加の音声コマンド(たとえば、「マイケル・ジャクソンのスリラーを追加して(Add Thriller by Michael Jackson)」を登録ユーザが送信できる時間枠又は時間ウィンドウ(たとえば、5分)が開放されてもよい。別の例では、登録ユーザ又はホストは、ユーザ定義の若しくはデフォルトの時間枠又は時間ウィンドウにおける、或いは特定の時間帯における他の機能(たとえば、「ねえSonos、自宅システムの管理を今から4時間開いて(Hey Sonos, open control for my house system for the next 4 hours)、或いは「ねえSonos、自宅システムの管理を今から土曜日の午後2時まで開いて(Hey Sonos, open control for my house system from now until Saturday at 2pm)」)のうち、自宅内のすべてのゲストに対して、主として再生キューへの曲の追加、曲の再生、又は音量の変更などを命じる音声コマンドの送信を許可する音声コマンド(たとえば、「ねえSonos、自宅システムの管理を開いて(Hey Sonos, open control for my house system)」)を送信してもよい。場合によっては、登録ユーザ又はホストは、再生ゾーンの1又は複数のPBD532,534,536,538、及び/又はコンピューティングデバイス506を制御することを命じる音声コマンドの送信を、ある時間枠又は時間ウィンドウにおいて一部のゲストにのみ許可する音声コマンド(たとえば、「ねえSonos、リビングの管理者を許可されたゲストに限定して(Hey Sonos, restrict control for my living room to authorized guests)」)を送信してもよい。
【0240】
別の例では、登録ユーザは、起動ワード又は起動フレーズと関連付けられた追加の音声コマンドを、メディア再生システムが受信するための時間枠又は時間ウィンドウをトリガするそれぞれの音声コマンドに対して、異なる起動ワード又は起動フレーズを有していてもよい。たとえば、登録ユーザ又はホストは、再生キューへの曲の追加を命じる音声コマンドを送信するためのユーザ固有の起動ワード又は起動フレーズを(たとえば、「ねえSonos、再生キューに曲を追加して」、「おいSonos、キューに曲を追加して(Yo, Sonos, queue songs)」、及び「曲をアルファベット順に(Alpha song queue)」など)有していてもよく、またメディア再生システムの制御を自宅にいるゲストに許可するためのユーザ固有の起動ワード又は起動フレーズ(たとえば、「ねえSonos、アクセスを開いて(Hey Sonos, open access)」、及び「パーティーの時間だよ(It’s party time)」など)をそれぞれ有していてもよい。
【0241】
さらに別の例では、登録ユーザ又はホストは、自宅にいる特定のゲストがある時間枠又は時間ウィンドウにおいて、メディア再生システムを限定的に制御することを許可する音声コマンドを送信するための、ユーザ固有若しくは共通の起動ワード又は起動フレーズを有していてもよい。参照によりその全体を本明細書に引用している、「ゲストアクセスによってクラウドソースのプレイリストを提供するための製造者のシステム、方法、装置、及び製品(Systems, Methods, Apparatus, and Articles of Manufacture to Provide a Crowd-Sourced Playlist with Guest Access)」と題する米国特許出願公開第2013/0346859号明細書において、メディア再生システムの限定的な制御に関するいくつかの例がより詳細に提供されている。
【0242】
さらに別の例では、登録ユーザ又はホストは、自宅にいる登録ゲストがある時間枠又は時間ウィンドウにおいて、メディア再生システムを自由に制御又は限定的に制御することを許可する音声コマンドを送信するための、ユーザ固有若しくは共通の起動ワード又は起動フレーズを有していてもよく、その一方で未登録ゲストによる制御を禁止していてもよい。場合によっては、登録ユーザ又はホストは、自宅にいる成人がある時間枠又は時間ウィンドウにおいて、メディア再生システムを自由に制御又は限定的に制御することを許可する音声コマンドを送信するための、ユーザ固有若しくは共通の起動ワード又は起動フレーズを有していてもよく、その一方で子供による制御を禁止していてもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0243】
場合によっては、登録ユーザ又はホストは、メディア再生システムが追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウを指定してもよい。たとえば、登録ユーザ又はホストは、メディア再生システムの制御を命じる追加の音声コマンドを指定した時間枠内(たとえば、1時間)にゲストが送信することを許可する音声コマンド(たとえば、「ねえSonos、自宅システムの管理を1時間開いて(Hey, Sonos, open control for my house system for one hour)」)を送信してもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0244】
さらに別の場合には、登録ユーザ又はホストは、最初の起動ワード又は起動フレーズと関連付けられた追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウを閉じるか、若しくは解除してもよい。たとえば、登録ユーザ又はホストが、追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウを1時間開放する起動ワード又は起動フレーズを用いて音声コマンドを発した場合、その登録ユーザ又はホストは、1時間の時間枠が終了する前に、その1時間の時間枠又は時間ウィンドウを解除することを命じる別の音声コマンド(たとえば、「ねえSonos、キューへの曲の追加は完了だよ(Hey Sonos, queue songs complete)」)を送信してもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0245】
さらに別に例は、メディア再生システムが、登録ユーザと関連付けられた起動ワード又は起動フレーズを受信したことに基づいて作動することを含んでいてもよい。登録ゲストユーザは、起動ワード又は起動フレーズをゲストプロファイル内に格納していてもよい。起動ワード又は起動フレーズをゲストユーザから受信したと判定したことに応答して、メディア再生システムは、(i)ゲストユーザと関連付けられた制限設定があるかどうかを判定し、(ii)起動ワード又は起動フレーズと、そのゲストユーザに対して割り当てた制限設定とに基づいて、1又は複数のPBDに対する指示を構成し、且つ(iii)その指示を実行させるために1又は複数のPBDに送信してもよい(たとえば、これによって、起動ワードコマンドと関連付けられた追加の音声コマンドを受信するための時間枠若しくは時間ウィンドウを開放する)。
【0246】
場合によっては、メディア再生システムは、登録ゲストユーザから起動ワード又は起動フレーズを受信したことに基づいて作動することを控えてもよく、この例としては、メディア再生システムが登録ユーザ又はホストから起動ワード若しくは起動フレーズを含む音声コマンドを既に受信していたり、追加のコマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウの有効期限が終了していなかったりする場合が挙げられる。
【0247】
さらに別の場合には、メディア再生システムは、登録ゲストユーザから起動ワード又は起動フレーズを受信したことに基づいて作動し、次いでメディア再生デバイスが登録ユーザ又はホストから音声コマンドを受信した場合に、追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウをその後閉じるか、或いは解除してもよい。いくつかの実施形態では、登録ゲストは、時間枠又は時間ウィンドウの有効期限が終了する前にこれを閉じるか、或いは解除してもよい。他の実施形態では、登録ゲストが子供である場合、時間枠又は時間ウィンドウの有効期限が終了する前に成人がこれを閉じるか、或いは解除してもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0248】
メディア再生システムに対する指示を構成した後、いくつかの例は、その指示を実行させるためにメディア再生システムの1又は複数のPBDにその指示を送信することを含んでいてもよい。いくつかの例では、メディア再生システムはその指示をコンピューティングデバイス506に送信してもよい。他の例では、メディア再生システムはその指示をネットワークマイクロホンシステムに送信してもよい。
【0249】
図14に示す方法1400は、たとえば図1のメディア再生システム100、図2の1又は複数の再生デバイス200、図3の1又は複数の制御デバイス300、図4のユーザインタフェース、及び/又は図5に示す構成を含むか、或いは包含する動作環境内で実行できる方法の実施形態を提示している。方法1400は、ブロック1402~1406の1又は複数によって示しているように、1又は複数の操作、機能、又はアクションを含んでいてもよい。
【0250】
方法1400は、メディア再生システムに対する音声コマンドを受信することを含むブロック1402で開始される。いくつかの実施形態では、音声コマンドを受信することは、メディア再生システムがPBD532,534,536,538の1又は複数、及び/又はコンピューティングデバイス506(メディア再生システムサーバとして構成されている)を介して音声コマンドを受信することを含む。1つの例では、コンピューティングデバイス506は音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。
【0251】
1つの例では、ネットワークマイクロホンシステム単独で、又はメディア再生システムと共に1又は複数の機能を実行してもよい。いくつかの実施形態では、音声コマンドを受信することは、ネットワークマイクロホンシステムがNMD512、514、又は516の1又は複数を介して音声コマンドを受信すること、その音声コマンドをさらなる処理のためにコンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数に送信することを含む。別の例では、コンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538のうちの1つ又は複数は音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。さらに別の例では、ネットワークマイクロホンシステムは音声コマンドを同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドをコンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数に送信してこれを解析し、且つコマンドを識別してもよい。
【0252】
次いで、方法1400は、音声コマンドをメディア再生システムの登録ユーザから受信したかどうかを判定することを含むブロック1404に進む。いくつかの例では、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定することは、コンピューティングデバイス506が、その音声コマンドと関連付けられたユーザプロファイルがメディア再生システムに格納されているかどうかを判定することを含んでいてもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506はその音声コマンドを、ユーザプロファイル内のユーザの音声を識別する情報と照合しようと試みてもよい。
【0253】
別の例では、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定することは、その音声コマンドがメディア再生システムの音声構成設定に格納された音声入力と一致しているかどうかを判定することを含んでいてもよい。たとえば、ユーザは、メディア再生システムがユーザを認識し、且つこれを関連付けるための音声入力又は一連の音声入力を提供することによって、ユーザの音声を認識するようにメディア再生システムを事前に構成していてもよい。音声構成設定をコンピューティングデバイス506及び/又はPBD532,534,536,538の1又は複数に格納してもよい。或いは、コンピューティングデバイス506は、音声構成設定を格納するためにネットワークマイクロホンシステムと通信してもよい。
【0254】
さらに別の例では、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定することは、受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定することを含んでいてもよい。このレベルはそのコマンドを発した人物と関連付けられた信頼性レベルであってもよく、これにはたとえば、通常そのコマンドを登録ユーザから受信したことを示す信頼性レベル、そのコマンドを特定の登録ユーザから受信したことを示す信頼性レベル、そのコマンドを登録ユーザ以外から受信したことを示す信頼性レベル、そのコマンドを登録ゲストから受信したことを示す信頼性レベル、そのコマンドを子供から受信したことを示す信頼性レベル、及び/又はそのコマンドを特定の子供から受信したことを示す信頼性レベルなどがある。このレベルはその要求の内容と関連付けられた信頼性レベルであってもよく、これについては、その要求が、たとえば「ヘイシード・ディキシー(Hayseed Dixie)」ではなく「AC/DC」を再生する要求であったことを示す信頼性レベルを一例として挙げることができる(これらは、非常によく似た響きの名前を有する2つの全く異なるバンドである)。ユーザ履歴及び位置情報に個別に基づいて、或いはユーザプロファイルで通常確認できる他の任意の情報と組み合わせたものに基づいて、この信頼性レベルを決定してもよい。動作中、信頼性レベルの決定をCR522、PBD532~538、NMD512~516、及び/又はコンピューティングデバイス504~508のうちの任意の1又は複数によって単独で、又はこれらの組み合わせによって実行してもよい。
【0255】
例示的な動作において、メディア再生システムはキッチンにいる登録ユーザから音声コマンドを受信し、且つ受信した音声コマンドに基づいて信頼性レベルを決定してもよい。メディア再生デバイスは、CR522、NMD512~516、及び/又はPBD532~538のうちの任意の1又は複数から音声コマンドを受信してもよい。次いで、メディア再生システムは、ユーザの自宅内の別の部屋にいる登録ユーザから同じ音声コマンドを受信し、且つ受信した音声コマンドに基づいて信頼性レベルを決定してもよい。次いで、メディア再生システムは、ユーザの自宅全体を通じて異なる部屋の異なるデバイスから受信したコマンドに基づく新たな信頼性レベルを、その音声コマンドを受信した部屋に少なくとも一部基づいて決定してもよい。これにより、音声コマンドを登録ユーザから受信したことを示すより高い信頼性レベルを、メディア再生システムにおいて得ることができる。
【0256】
別の例では、メディア再生システムは登録ユーザから音声コマンドを受信し、且つユーザ履歴に基づいて信頼性レベルを決定してもよい。具体的には、メディア再生システムは、受信した音声コマンドがアーティスト、プレイリスト、ジャンル、又はユーザプロファイルで確認できる他の任意の情報など、その登録ユーザと通常関連付けられている情報を含む場合、より高い信頼性レベルを決定してもよい。たとえば、登録ユーザが通常マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)の曲を聴取している場合、「スリラーの再生(Play Thriller)」を命じる音声コマンドを登録ユーザから受信したことを示すより高い信頼性レベルを、メディア再生システムにおいて得ることができる。同様に、登録ユーザが通常マイケル・ジャクソンの曲又は1980年代の曲を聴取している場合、「スリラーの再生(Play Thriller)」を命じる音声コマンドはフォール・アウト・ボーイ(Fall Out Boy)というバンドによる「スリラー(Thriller)」という曲ではなく、マイケル・ジャクソンというアーティストによる「スリラー」という曲の再生を命じるコマンドであることを示すより高い信頼性レベルを、メディア再生システムにおいて得ることができる。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0257】
さらに別の例では、メディア再生システムは、ユーザプロファイルで確認できる登録ユーザの音声コマンドのパターンに基づいて信頼性レベルを構築してもよい。たとえば、メディア再生システムは、登録ユーザからブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)による特定の曲の再生を命じるコマンドを受信し、且つその受信した音声コマンドに基づいて信頼性レベルを決定してもよい。メディア再生システムが同じ音声コマンド、又はたとえばブリトニー・スピアーズによる別の曲の再生を命じるコマンドなどの類似した音声コマンドを受信するたびに、メディア再生システムはより高い信頼性レベルを構築してもよく、且つその音声コマンドを登録ユーザから受信したことを示すより高い信頼性レベルを得ることができる。
【0258】
最後に、方法1400は、音声コマンドを登録ユーザから受信したと判定したことに応答して、音声コマンドの内容と登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、メディア再生システムに対する指示を構成することを含むブロック1406に進む。
【0259】
いくつかの例では、音声コマンドの内容は、メディア再生システムの1又は複数のPBDにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドを含んでいてもよい。場合によっては、1又は複数のPBDにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイス506は、メディア再生システムに登録ユーザの好みのメディアソースからメディア又はオーディオコンテンツを取得させる指示を構成してもよい。
【0260】
さらに別の場合には、メディア再生システムにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、メディア再生システムは、メディア再生システムにメディア再生システムの1又は複数のPBDを介してメディアコンテンツを再生させる指示を構成してもよい。具体的には、コンピューティングデバイス506は、(i)登録ユーザの好みの再生設定の1又は複数を用いてメディア再生システムを構成し、且つ(ii)登録ユーザの好みの再生設定を用いて、メディア再生システムの1又は複数のPBDにメディアコンテンツを再生させる指示を含んでいてもよい。好みの再生設定は、登録ユーザのユーザプロファイルに格納される好みの再生設定であってもよい。付加的に又は代替的に、好みの再生設定は、登録ユーザのユーザプロファイルに格納されたユーザ履歴に基づいていてもよい。ユーザ履歴は、ユーザがメディアコンテンツを再生するために通常使用する、又は以前に使用した再生設定を含んでいてもよい。
【0261】
場合によっては、音声コマンドの内容は、メディア再生システムの1又は複数のPBDにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドを含んでいてもよいが、メディア再生システムの特定の聴取ゾーン又は再生ゾーンを特定しない場合がある。コマンドの内容とユーザ履歴などの登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイス506は、メディア再生システムにメディア再生システムの特定の再生ゾーン内で1又は複数のメディア再生デバイスを介してメディアコンテンツを再生させる指示若しくは指示一式を構成してもよい。
【0262】
別の場合には、音声コマンドの内容は、メディア再生システムに再生設定の変更を命じるコマンドを含んでいてもよい。メディア再生システムに再生設定の変更を命じるコマンドと登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、コンピューティングデバイス506は、(i)メディア再生システムにおける1又は複数のPBDの再生設定をメディア再生システムに変更させる指示若しくは指示一式を構成し、且つ(ii)1又は複数のPBDを介して再生設定を変更するように構成された指示又は指示一式を実行してもよい。
【0263】
さらに別の例は、メディア再生システムが音声コマンドを子供から受信したかどうかを判定することを含んでいてもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506は、その子供がメディア再生システムの登録ユーザの1人である場合に、ユーザプロファイル内の情報に基づいて成人と子供とを区別してもよい。別の例では、コンピューティングデバイス506は、ユーザの音声のトーン又は周波数に基づいて成人と子供とを区別してもよい。
【0264】
さらに別の例では、音声コマンドを子供から受信したかどうかを判定することは、受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定することを含んでいてもよい。上述したように、ユーザ履歴及び位置情報に個別に基づいて、或いはユーザプロファイルで通常確認できる他の任意の情報と組み合わせたものに基づいて、信頼性レベルを決定してもよい。
【0265】
場合によっては、メディア再生システムは、子供がいる可能性の高い特定の部屋(たとえば、子供の寝室、遊び部屋、地下室など)にあるデバイス(たとえば、NMD512~516又はPBD532~538のいずれか)を介して音声コマンドを受信してもよい。子供がいる可能性の高い部屋に設置されたデバイスからこの音声コマンドを受信したため、このコマンドを子供から受信したことを示すより高い信頼性レベルをメディア再生システムにおいて得ることができる。
【0266】
さらに別の場合には、メディア再生システムは音声コマンドを受信し、その音声コマンドの内容に基づいて、その音声コマンドを子供から受信したことを示す信頼性レベルを決定してもよい。たとえば、メディア再生システムがアニメ番組やアニメ映画のサウンドトラックの再生を命じる音声コマンドを受信した場合、その音声コマンドを子供から受信したことを示すより高い信頼性レベルをメディア再生システムにおいて得ることができる。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0267】
音声コマンドを子供から受信したと判定したことに応答して、いくつかの例は、子供にとって不適切となる恐れのある所与のメディアの再生をメディア再生システムの1又は複数のPBDに対して禁止することを含んでいてもよい。いくつかの例は、子供の音声によるコマンドの内容に基づいて、コンピューティングデバイス506及び/又は1又は複数のPBDに対して再生設定の変更を禁止することを含んでいてもよい。たとえば、コンピューティングデバイス506は、1又は複数のPBDの音量を上げることを命じる子供の音声によるコマンドを無視してもよい。
【0268】
また、さらに別の実施例は、その音声コマンドをメディア再生システムの登録ユーザではなくゲストユーザから受信したかどうかを判定することに基づくアクションを含んでいてもよい。場合によっては、コンピューティングデバイス506は、特定のゲストと関連付けられ得る、以前に作成したゲストプロファイルを格納していてもよい。さらに別の場合には、コンピューティングデバイス506は音声コマンドを登録ユーザから受信しなかったと判定し、次いで登録ユーザに対して、その音声コマンドがゲスト由来のものであるかどうかを確認してもよい。
【0269】
さらに、音声コマンドをゲストユーザから受信したかどうかを判定することは、メディア再生システムが受信した音声コマンドと関連付けられる信頼性レベルを決定することを含んでいてもよい。上述したように、ユーザ履歴及び位置情報に個別に基づいて、或いはユーザプロファイルで通常確認できる他の任意の情報と組み合わせたものに基づいて、信頼性レベルを決定してもよい。
【0270】
音声コマンドをゲストユーザから受信したと判定したことに応答して、コンピューティングデバイス506は、(1)ゲストユーザに対して制限設定を割り当て、(2)音声コマンドの内容とそのゲストユーザに対して割り当てた制限設定とに基づいて、1又は複数のPBDに対する指示を構成し、且つ(3)その指示を実行させるために1又は複数のPBDに送信してもよい。いくつかの実施形態では、ゲストユーザに対して制限設定を割り当てることは、コンピューティングデバイス506に格納された特定のゲストプロファイルと音声コマンドとをコンピューティングデバイス506が照合することを含んでいてもよい。
【0271】
さらに別の例は、異なるユーザから受信した音声コマンドの競合を解決するために、メディア再生システムが優先順位を適用することを含んでいてもよい。競合する音声コマンドはたとえば、あるユーザから受信する曲の再生を命じる音声コマンドと、別のユーザから受信するその曲の再生中止を命じる後続の音声コマンドとであってもよい。あるユーザから受信する1又は複数の再生デバイス(たとえば、PBD532,534,536,538)の音量を上げることを命じる音声コマンド、及び別のユーザから受信する音量を下げることを命じる後続の音声コマンドなど、他の例も可能である。具体的には、メディア再生システムは登録ユーザ又はホストから再生ゾーンでの曲の再生を命じる音声コマンドを受信してもよい。次いで、メディア再生システムは未登録ユーザ又はゲストから再生ゾーンでの曲の再生中止を命じる、競合する音声コマンドを受信する場合がある。この競合を解決するために、メディア再生システムは、登録ユーザから受信した音声コマンドが未登録ユーザ又はゲストから受信した音声コマンドよりも高い優先度を有するような優先順位を適用してもよい。
【0272】
ある例では、メディア再生システムは、登録ゲストから受信した音声コマンドが未登録ゲストから受信した音声コマンドよりも高い優先度を有するような優先順位を割り当ててもよい。たとえば、ある登録ゲストから受信した音声コマンドが別の登録ゲストよりも高い優先度を有していてもよい。別の場合には、成人から受信した音声コマンドは子供よりも高い優先度を有していてもよい。
【0273】
さらに別の場合には、メディア再生システムによって受信されたコントローラ発行コマンド(たとえば、メディア再生システムを制御するように構成されたCR522又は他のコンピューティングデバイスから受信されるコマンド、或いは場合によってはコンピューティングデバイス506から受信されるコマンド)は登録ユーザよりも低い優先度を有していてもよいが、未登録ユーザ又はゲストよりは高い優先度を有していてもよい。いくつかの実施形態では、一部の登録ゲストはコントローラ発行コマンドよりも高い優先度を有していてもよい。優先順位の決定及び割当てに関する他の例も可能である。
【0274】
メディア再生システムに対する指示を構成した後、いくつかの実施形態では、その指示を実行させるためにメディア再生システムの1又は複数のPBDにこれを送信してもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス506はネットワークマイクロホンシステムに指示を送信してもよい。
【0275】
図15に示す方法1500は、たとえば図1のメディア再生システム100、図2の1又は複数の再生デバイス200、図3の1又は複数の制御デバイス300、図4のユーザインタフェース、及び/又は図5に示す構成を含むか、或いは包含する動作環境内で実行できる方法の実施形態を提示している。方法1500は、ブロック1502~1506の1又は複数によって示しているように、1又は複数の操作、機能、又はアクションを含んでいてもよい。
【0276】
方法1500は、メディア再生システムに対する音声コマンドと関連付けられた起動ワード又は起動フレーズを受信することを含むブロック1502で開始される。上述したように、起動ワード又は起動フレーズは、ユーザプロファイルに格納された特定の言葉又はフレーズ(たとえば、「ねえ、Sonos」)であってもよい。いくつかの実施形態では、メディア再生システムは、登録ユーザの音声コマンドと関連付けられた共通の起動ワード又は起動フレーズ(たとえば、「ねえ、Sonos」)を受信してもよい。付加的に又は代替的に、メディア再生システムは、登録ゲストユーザの音声コマンドと関連付けられた共通の起動ワード又は起動フレーズを受信してもよい。場合によっては、登録ユーザがそれぞれ異なる起動ワード又は起動フレーズを有するように、メディア再生システムを構成してもよい。
【0277】
具体的には、登録ユーザはそれぞれ異なる音声コマンド用に、ユーザ固有の起動ワード又は起動フレーズを有していてもよい。たとえば、メディア再生システムは、再生キューに曲を追加するための起動ワード又は起動フレーズを(たとえば、「ねえSonos、再生キューに曲を追加して」、「おいSonos、キューに曲を追加して」、及び「曲をアルファベット順に」など)受信してもよく、またメディア再生システムの制御を自宅にいるゲストに許可するためのユーザ固有の起動ワード又は起動フレーズ(たとえば、「ねえSonos、アクセスを開いて」、及び「パーティーの時間だよ」など)をそれぞれ受信してもよい。
【0278】
次いで、方法1500は、音声コマンドと関連付けられた起動ワードをメディア再生システムの登録ユーザから受信したかどうかを判定することを含むブロック1504に進む。いくつかの実施形態では、音声コマンドと関連付けられた起動ワードを登録ユーザから受信したかどうかを判定することは、方法1400のブロック1404に記載した、音声コマンドを登録ユーザから受信したかどうかを判定することと同様であってもよい。
【0279】
最後に、方法1500は、音声コマンドと関連付けられた起動ワードを登録ユーザから受信したと判定したことに応答して、受信した起動ワードと、音声コマンドの内容と、登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、メディア再生システムに対する指示を構成することを含むブロック1506に進む。
【0280】
いくつかの例では、メディア再生システムに対する指示は、登録ユーザ、ゲスト、及び/又は未登録ユーザから受信した起動ワードと関連付けられた追加の音声コマンドを、メディア再生システムが受信するための時間枠又は時間ウィンドウを開放することを命じる指示を含んでいてもよい。たとえば、再生キューに曲を追加するための起動ワードを登録ユーザから受信したと判定したことに応答して、再生キューへの特定の曲の追加を命じる追加の音声コマンド(たとえば、「マイケル・ジャクソンのスリラーを追加して」)を登録ユーザが送信できる時間枠(たとえば、5分)をメディア再生システムが開放してもよい。
【0281】
別の例では、メディア再生システムの制御をすべてのゲストに許可するための起動ワードを登録ユーザから受信したと判定したことに応答して、メディア再生システムは、自宅内のすべてのゲストに対して、主として再生キューへの曲の追加、曲の再生、又は音量の変更などを命じる音声コマンドを、ユーザ定義の若しくはデフォルトの時間枠又は時間ウィンドウにおいて送信することを許可するために時間枠(たとえば、1時間)を開放してもよい。
【0282】
次いで、方法1500は、起動ワードを登録ユーザから受信したと判定したことに応答して、受信した起動ワード又は起動フレーズと、音声コマンドの内容と、登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、その起動ワードが制限設定と関連付けられているかどうかを判定することを含むブロック1506に進む。
【0283】
いくつかの例では、メディア再生システムは、登録ユーザ又は登録ゲストユーザのユーザプロファイル内の制限設定に基づいて指示を構成してもよい。登録ユーザから受信した起動ワードは、特定のゲスト用の制限設定と関連付けられていてもよい。たとえば、登録ユーザ又はホストは、再生ゾーンの1又は複数のPBD532,534,536,538、及び/又はコンピューティングデバイス506を制御することを命じる追加の音声コマンドの送信を、ある時間枠又は時間ウィンドウにおいて登録ゲストに許可する音声コマンド(たとえば、「ねえSonos、リビングの管理者を許可されたゲストに限定して」)を送信してもよく、その一方で未登録ゲストによる追加の音声コマンドの送信を禁止していてもよい。別の場合には、受信した起動ワードは子供用の制限設定と関連付けられていてもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能であり、これらは本明細書の他の箇所に記載した例を含むが、それらに限定されるものではない。
【0284】
さらに別の例では、登録ユーザから受信した起動ワードは、特定のゲストがある時間枠又は時間ウィンドウにおいて、メディア再生システムを限定的に制御することを許可する制限設定と関連付けられていてもよい。参照によりその全体を本明細書に引用している、「ゲストアクセスによってクラウドソースのプレイリストを提供するための製造者のシステム、方法、装置、及び製品(Systems, Methods, Apparatus, and Articles of Manufacture to Provide a Crowd-Sourced Playlist with Guest Access)」と題する米国特許出願公開第2013/0346859号明細書において、メディア再生システムの限定的な制御に関するいくつかの例がより詳細に提供されている。
【0285】
起動ワード又は起動フレーズをゲストユーザから受信したと判定したことに応答して、メディア再生システムは、(i)ゲストユーザと関連付けられた制限設定があるかどうかを判定し、(ii)起動ワード又は起動フレーズと、そのゲストユーザに対して割り当てた制限設定とに基づいて、1又は複数のPBDに対する指示を構成し、且つ(iii)その指示を実行させるために1又は複数のPBDに送信してもよい(たとえば、これによって、起動ワードコマンドと関連付けられた追加の音声コマンドを受信するための時間枠若しくは時間ウィンドウを開放する)。
【0286】
いくつかの例では、メディア再生システムは1又は複数のPBD532,534,536,538、及び/又はコンピューティングデバイス506を介して、登録ゲストユーザから起動ワード又は起動フレーズを受信したことに基づいて作動することを控えてもよく、この例としては、メディア再生システムが登録ユーザ又はホストから起動ワード若しくは起動フレーズを含む音声コマンドを既に受信していたり、追加のコマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウの有効期限が終了していなかったりする場合が挙げられる。
【0287】
メディア再生システムに対する指示を構成した後、いくつかの例は、その指示を実行させるためにコマンドをメディア再生システムの1又は複数のPBDに送信することを含んでいてもよい。いくつかの例では、コンピューティングデバイス506は、コマンド又はコマンド一式をメディア再生システムの1又は複数のPBDに送信してもよい。
【0288】
場合によっては、メディア再生システムに実行を命じる指示を構成した後、登録ユーザ又はホストは、その指示と関連付けられた追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウを閉じるか、或いは解除してもよい。たとえば、登録ユーザ又はホストが、追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウを1時間開放する起動ワード又は起動フレーズを用いて音声コマンドを送信した場合、その登録ユーザ又はホストは、1時間の時間枠が終了する前に、その1時間の時間枠又は時間ウィンドウを解除することを命じる別の音声コマンド(たとえば、「ねえSonos、キューへの曲の追加は完了だよ」)を送信してもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0289】
さらに別の例は、メディア再生システムが、登録ゲストユーザから起動ワード又は起動フレーズを受信したことに基づいて作動し、次いでメディア再生デバイスが登録ユーザ又はホストから音声コマンドを受信した場合に、追加の音声コマンドを受信するための時間枠又は時間ウィンドウをその後閉じるか、或いは解除することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、登録ゲストは、時間枠又は時間ウィンドウの有効期限が終了する前にこれを閉じるか、或いは解除してもよい。他の実施形態では、登録ゲストが子供である場合、時間枠又は時間ウィンドウの有効期限が終了する前に成人がこれを閉じるか、或いは解除してもよい。上記と類似しているが異なる、他の多くの例が可能である。
【0290】
VI.音楽配信サービスの選択のための例示的なシステム、装置、及び方法
本明細書に記載の例は、コマンドに基づいて適切なストリーミングサービス(たとえば、オーディオトラックをストリーミングする)を識別し、且つこれにアクセスすることに関する。
【0291】
図16及び図17に示す方法1600並びに1700は、たとえば図1のメディア再生システム100、図2の再生デバイス200の1又は複数、及び図3の制御デバイス300の1又は複数を含む動作環境内で実行できる方法の実施形態を提示している。方法1600及び1700は、ブロック1602~1614及び1702~1708の1又は複数によって示しているように、1又は複数の操作、機能、又はアクションを含んでいてもよい。
【0292】
図16は、ストリーミング向けの音楽サービスを識別するプロセスに関する例示的なフロー図である。ブロック1602において、NMD512~516又はCR522は、ストリーミングサービスから再生するためのオーディオコンテンツを提供するように指示するコマンドの通知を受信してもよい。場合によっては、NMD512~516によって受信されるコマンドは音声コマンドの形式をとっていてもよく、その一方で、CR522によって受信されるコマンドはユーザインタフェース上のテキストコマンド入力であってもよい。
【0293】
受信されるコマンドは、通常、1又は複数のオーディオコンテンツのタイプに関する情報を含んでいてもよい。場合によっては、コマンドはアーティスト名、曲名、アルバム名、又はジャンル名を含んでいてもよい(すなわち「レッド・ツェッペリンの曲を再生して(play Led Zeppelin)」、「70年代ロックを再生して」など)。また、コマンドは、コンテンツタイプをさらに詳細に示す接頭辞及び/又は接尾辞タイプの情報(たとえば、「ベストオブ...」、「...ラジオ」、及び「...プレイリスト」など)を含んでいてもよい。たとえば、「レッド・ツェッペリンの曲をラジオで再生して(play Led Zeppelin radio)」というコマンドは、特定のアーティストの曲をラジオ形式で聴取したいというユーザの願望を示していてもよい。受信されるコマンドは、コンテンツタイプを示す他の様々な形態の情報も含んでいてもよい。
【0294】
ブロック1602で受信したコマンドに関する通知を様々な方法で処理してもよい。1つの実装形態では、コマンドの処理をクラウドネットワーク502を介して遂行してもよい。このような場合、NMD512~516によって受信された音声コマンドは、音声入力を処理するために通信ネットワーク546を介してこれをコンピューティングデバイス504~508の1又は複数に送信させてもよい。クラウドコンピューティングデバイスは音声入力を同等のテキストコマンドに変換し、このテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。別の構成では、クラウドコンピューティングデバイスは音声入力を同等のテキスト形式に変換することのみを行い、構文解析及びコマンド識別のために、その同等のテキストを第2のコンピューティングデバイスに送信してもよい。他の場合には、NMD512~516は、通信ネットワーク546を介して音声入力を送信する前にこれをテキストに変換するか、又は音声入力のテキスト変換と、コマンド識別のための構文解析の実行とを両方行ってもよい。CR522がテキストコマンドを受信した場合、構文解析及びコマンド識別のために、通信ネットワーク546を介してテキスト入力をコンピューティングデバイス504~508の1つに送信してもよい。別の場合には、CR522がテキスト入力の構文解析を実行して、コマンドを識別してもよい。
【0295】
別の実装形態では、コマンドの処理をローカルネットワークを介してローカルに遂行してもよい。このような場合、NMD512~516によって受信された音声コマンドは、音声入力を処理するためにローカルネットワークを介してこれを1又は複数のローカルコンピューティングデバイスに送信させてもよい。ローカルコンピューティングデバイスは音声入力を同等のテキストコマンドに変換し、そのテキストコマンドを解析してコマンドを識別してもよい。別の構成では、ローカルコンピューティングデバイスは音声入力を同等のテキスト形式に変換することのみを行い、構文解析及びコマンド識別のために、その同等のテキスト形式を第2のローカルコンピューティングデバイスに送信してもよい。他の場合には、NMD512~16は、ローカルネットワークを介して音声入力を送信する前にこれをテキストに変換するか、又は音声入力のテキスト変換と、コマンド識別のための構文解析の実行とを両方行ってもよい。CR522がテキストコマンドを受信した場合、構文解析及びコマンド識別のために、ローカルネットワークを介してテキスト入力をローカルコンピューティングデバイスに送信してもよい。別の場合には、CR522がテキスト入力の構文解析を実行して、コマンドを識別してもよい。コマンドを処理するための他の構成があってもよい。
【0296】
ブロック1604において、コンピューティングデバイスはコマンドによって指定されるコンテンツタイプを識別してもよい。クラウドネットワーク502又はローカルネットワークを介してローカルに、コンテンツタイプの識別を遂行してもよい。
【0297】
1つの実装形態では、コンピューティングデバイスはコンテンツタイプのロジックを使用して、コマンド又はコマンドの一部をコンテンツタイプと関連付けてもよい。前述の「レッド・ツェッペリンの曲をラジオで再生して」の例を使用した場合、コンピューティングデバイスはそのコンテンツタイプを「アーティスト又はラジオ局」として識別してもよい。別の例では、「エレクトロニック・ダンス・ミュージックの曲を再生して(Play Electronic Dance Music)」というコマンドによって、そのコンテンツタイプが「ジャンル」として識別されてもよい。他の様々なコンテンツタイプに対しても同様の識別を行うことができる。たとえば「ダンスミュージック」などのコマンド内のキーワードを入力することによってコンテンツタイプの識別を遂行してもよく、またデータベースは、ジャンルなどのコンテンツタイプに関する通知にそのキーワードをマッピングしてもよい。いくつかの例では、データベースはコンピューティングデバイス又はネットワークマイクロホンデバイス上にあってもよい。
【0298】
ブロック1608においていずれのコンテンツタイプも識別されていないと判定した場合、本方法は直ちにブロック1614に進んでもよい。ユーザの入力エラー、不十分な音声入力品質、背景雑音、或いは単にそのようなコンテンツタイプを確認できないなどのいくつかの理由から、コンテンツタイプを識別できない場合がある。たとえば、不明瞭なアーティスト名を示すコマンドのコンテンツタイプは識別できない可能性がある。
【0299】
ブロック1614において、コンピューティングデバイスによって「このコンテンツは利用できない」と示す通知を出力し、且つこれを通信ネットワーク546を介してNMD512~516、PBD532~538、又はCR522のいずれか又はすべてに送信してもよい。利用可能なコンテンツがないという通知を、その後ユーザに聴覚的又は視覚的に提示してもよい。たとえば、NMD及びPBDは可聴通知を出力してもよく、その一方で、CRが可聴通知及び視覚通知の両方を出力できるようにしてもよい。付加的に又は代替的に、この通知の送信によってユーザにコマンドを再入力するように促す提案を出力させてもよい。たとえば、この提案は、コンテンツタイプの識別を補助するために、ユーザにいくつかの追加の識別特性を指定させるものであってもよい。
【0300】
しかしながら、ブロック1606においてコンテンツタイプが識別されたと判定した場合、本方法はブロック1608に進み、ブロック1604で識別されたコンテンツタイプを再生することができるストリーミングサービスを識別してもよい。一般に、個々のストリーミングサービスは、提供するオーディオコンテンツのみならずコンテンツの表示方法に至るまで、他のストリーミングサービスと大きく異なる可能性がある。たとえば、各ストリーミングサービスは、特定のアーティスト又はアルバムの音楽コンテンツをストリーミングするための比較的独占的な権利を有することができる。別の場合には、Pandora(登録商標)などのいくつかのストリーミングサービスがラジオ局形式でしかストリーミング配信できない一方で、Spotify(登録商標)などの他のサービスは、アーティスト、曲、アルバム、又はラジオ局によるオンデマンドの音楽ストリーミング配信が可能である場合がある。この事実に鑑みて、704で識別されたコンテンツタイプをすべてのストリーミングサービスがストリーミング配信できるわけではないことが明らかである。
【0301】
たとえば、コンピューティングデバイスは、利用可能なコンテンツのエントリ、及び各種ストリーミングサービス用に提供する際のそのコンテンツの対応形式を含み得るルックアップテーブルと、識別されたコンテンツタイプのメタデータとを比較することにより、適切なストリーミングサービスを識別してもよい。場合によっては、コンピューティングデバイスは、利用可能なストリーミングサービス全体にクエリを送信してもよい。他の場合には、コンピューティングデバイスは、利用可能なストリーミングサービスのサブセットのみをクエリしてもよい。そのようなサブセットを、ユーザが登録しているストリーミングサービス、ユーザが最後にストリーミングサービスを使用してからの日数、ストリーミングサービスの注目度、及びユーザ設定など含むいくつかの要因それぞれのみに基づいて、或いはこれらを組み合わせたものに基づいて、コンピューティングデバイスによって選択してもよい。たとえば、ユーザがPandora(登録商標)、Spotify(登録商標)、及びDeezer(登録商標)のみに登録している場合、コンピューティングデバイスはこれらのストリーミングサービスのみをクエリして、適切なサービスを決定してもよい。
【0302】
このようなルックアップテーブルをコンピューティングデバイスのメモリに、又はコンピューティングデバイスや音楽サービス上などの外部の場所に格納してもよい。様々なルックアップテーブルが各種音楽サービスの間に配布され得る場合、コンピューティングデバイスは適合するサービスを検出するために、各音楽サービスを同時に又は順次クエリしてもよい。適切なストリーミングサービスを識別する他の方法が可能である。
【0303】
1つの実装形態では、ブロック1608においてストリーミングサービスを識別することは、ユーザが登録しているストリーミングサービスにおいて現在利用可能な再生容量を決定することをさらに含んでいてもよい。一般に、いくつかのストリーミングサービスは、任意の所与の時間に登録アカウントで利用可能となるアクティブなストリームの数を制限している可能性がある。たとえば、Spotify(登録商標)は登録アカウントごとに1つのアクティブなストリームのみを許可し得る。たとえば、コンピューティングデバイスは、ユーザが登録しているサービスに使用状況(すなわち、アクティブなストリームがいくつあるか)をクエリし、次いでその使用状況を制限データ容量と比較することによって(すなわち、Spotifyは1つのアクティブなストリームのみ)、現在利用可能な再生容量を決定してもよい。別の例では、クエリに応答してストリームが利用可能かどうかを示すために、ストリーミングサービスはバイナリ値を出力してもよい。利用可能な再生容量を他の方法で決定してもよい。
【0304】
本実装形態では、コンピューティングデバイスはブロック1608において、コマンドによって指定されたコンテンツタイプをサポートしているものとして登録中のサービスを識別し、さらにその登録中のサービスには利用可能なストリームが存在しないと判定してもよい。たとえば、あるユーザとその配偶者双方がSpotify(登録商標)のアカウントを共有しており、ジムにいる配偶者のスマートフォンデバイスに音楽がストリーミング配信されている場合において、そのユーザが「アイ・オブ・ザ・タイガーを再生して(Play Eye of the Tiger)」というコマンドを発するとき、コンピューティングデバイスは、その曲を再生できるものとしてSpotify(登録商標)を識別し、同時にストリームが利用不可能であると判定してもよい。このような場合、コンピューティングデバイスにそのコンテンツタイプをサポートすることができる、Apple Music(登録商標)などの別のストリーミングサービスを識別させてもよい。
【0305】
別の場合には、コンピューティングデバイスが、そのコンテンツタイプをサポートすることができる別のストリーミングサービスを識別できないことがある。これは、たとえばユーザが1つのストリーミングサービスによって独占的に提供されるコンテンツを要求したときに、コンピューティングデバイスがストリーミングサービスのサブセットのみを考慮する場合などに主として起こり得る。このような場合、コンピューティングデバイスは、そのコマンドに対応するコンテンツを提供するにあたり使用するべく、現在アクティブなストリームを「盗用する」ようにする可能性がある。前述の例を使用すると、他のいずれのストリーミングサービスも「アイ・オブ・ザ・タイガー」をサポートできない場合、ジムにいる配偶者へのストリーム配信をキャンセルして、これをユーザ自身に提供することができる。
【0306】
たとえば、ブロック1610において識別されたコンテンツタイプをサポートできるものとしてある利用可能なストリーミングサービスが識別された場合、本プロセスはブロック1612に進み、PBD532~538における任意の組み合わせにオーディオコンテンツを再生させてもよい。当該音楽サービスに対しては、たとえばサービスAPIにコンテンツをクエリし、且つそのコンテンツをストリーミングすることによってアクセスしてもよい。PBD532~538又はコンピューティングデバイス504~506のいずれかからの要求に応じて、コンピューティングデバイス508から直接、或いは音楽ストリーミングサービスと関連付けられた他の各種コンピューティングデバイスからPBD532~538に対して直接、オーディオコンテンツをストリーミングしてもよい。ストリーミングメディアコンテンツの再生を開始し、且つこれをもたらす他の方法も存在する。
【0307】
別の場合には、ブロック710において識別されたストリーミングサービスが現在利用可能でない場合(すなわち、アプリケーションがインストールされておらず、ユーザが登録されていない)、コンピューティングデバイスは714で、音楽サービスを使用可能にする一連の行動を提案することに関して、通知の出力を行ってもよい。NMD512~516、PBD532~538、又はCR522の任意の組み合わせにこの通知を送信してもよく、また、これによって当該コンテンツタイプをサポートできる識別された音楽サービスを示すような聴覚的及び/又は視覚的提案を行ってもよく、及び/又はその音楽サービスへの登録方法、ダウンロード方法、或いはその利用方法などに関する指示を提示してもよい。
【0308】
図17は、図16のブロック1610及び1612における音楽ストリーミングサービスを識別するための例示的なプロセスに関する別の例示的なフロー図である。ブロック1702において、コンピューティングデバイスは、コマンドによって識別されたコンテンツタイプに少なくとも一部基づいて、ストリーミングサービスに対して信頼性メトリック又はメトリクスを決定させてもよい。一般に、信頼性メトリックは、ストリーミングサービス又は複数のストリーミングサービスに対して算出される数値又はパーセント値(たとえば1~100)であり得る。このような信頼性メトリックは、ストリーミングオーディオを提供する特定の音楽サービスを選択することが、ユーザに所望のコンテンツを提供する結果をもたらす可能性を反映し得る。たとえば、数値が高くなるほどより高い信頼性レベルの適合性を示している場合、「80」の信頼性メトリックを割り当てられたストリーミングサービスは、信頼性メトリックが「45」のストリーミングサービスよりもコンテンツの提供に適している可能性がある。
【0309】
ストリーミングサービスに対して算出される信頼性メトリックは、コンテンツタイプ、再生容量、使用履歴、外部データなどのいくつかの基準に基づいていてもよい。このような基準を様々なデータ型によって構成していてもよく、且つこれをNMD、CR、PBD、コンピューティングデバイス、音楽サービス、及び外部の各種ソースなどの様々なソースから取得してもよい。このデータを集約して、コンピューティングデバイス504又は506と関連付けられたデータベースなどの中央の場所に、又は分散する形式で格納してもよい。
【0310】
たとえば、信頼性メトリックにおいて、コマンドによって指定されるコンテンツタイプをサポートするストリーミングサービスの適合性を考慮してもよい。コンテンツタイプを提供する各種ストリーミングサービスの適合性を決定することは、識別されたコンテンツタイプに関連するメタデータをルックアップテーブルにマッピングすること、又は各種音楽サービスのテーブルをクエリすること、一致するフィールド数に値を割り当てることを含んでいてもよい。1つの例として、「ジャクソン5のプレイリストを再生する(play Jackson 5 playlist)」ことを指定するコマンドは、「アーティスト又はプレイリスト」というコンテンツタイプを有していてもよい。このような場合、Pandora(登録商標)及びSpotify(登録商標)などの2つのストリーミングサービスにおけるルックアップテーブルは、双方がアーティストフィールドにおいてジャクソン5への参照を含んでいる可能性がある。ただし、Pandora(登録商標)はそのコンテンツタイプのプレイリストをサポートしていないため、Spotify(登録商標)のみがJackson5を識別するプレイリストフィールドを含んでいる可能性がある。そのような場合、Pandora(登録商標)にはコンテンツタイプ値「2」が与えられ、Spotify(登録商標)には値「1」が与えられる。
【0311】
付加的に、又は代替的に、フィールドマッチングの強度を採用してもよい。前述の例を使用して、Spotify(登録商標)のサービスがジャクソン5に対応するアーティストフィールドを含まないが、音楽メタデータを利用してコンピューティングデバイスによってジャクソン5の元メンバーであると識別され得るマイケル・ジャクソンのアーティストエントリを有していると仮定する。このような場合、Spotify(登録商標)のサービスのアーティストフィールドに0の値が与えられるのではなく、このサービスには1未満の調整値が与えられてもよい。ストリーミングサービスのコンテンツタイプの適合性値を決定する上で、他の形態も可能である。
【0312】
別の場合には、様々な形態の使用履歴データの一部において信頼性メトリックを算出してもよい。様々な履歴データ型をNMD、CR、PBD、コンピューティングデバイス、音楽サービス、及び外部の各種ソースなどの様々なソースから取得してもよい。このデータを集約して、コンピューティングデバイス504又は506と関連付けられたデータベースなどの中央の場所に、又は分散する形式で格納してもよい。
【0313】
たとえば、使用状況データは、ユーザが所与のストリーミングサービスにアクセスする頻度を示している可能性がある。別の例として、使用状況データは、1日のうちで何時間、1週間のうちで何日間、且つ1年のうちで何カ月間にわたって通常そのサービスをユーザが使用しているかを識別するための時間ベースのデータを含んでいてもよい。たとえば、ユーザは午前中にiHeartRadio(登録商標)を聴取し、夜になるとTidal(登録商標)を聴取することを好む場合がある。別の例として、このような使用状況データは、マルチゾーン環境においてゾーンごとにストリーミングサービスに関するユーザ嗜好性を示している場合がある。たとえば、ユーザが浴室ゾーンで90%の確率でSpotify(登録商標)にアクセスし、リビングエリアのゾーンで80%の確率でDeezer(登録商標)にアクセスしている場合、Spotify(登録商標)とDeezer(登録商標)とに対応する信頼性メトリックは、ユーザがどのゾーンでオーディオをストリーミングしようとしているかに依存して、大きく異なる可能性がある。このような場合、ユーザが浴室で音楽を聴取することを望む場合、Spotify(登録商標)がはるかに良い選択肢となり得る。他の様々なタイプの使用履歴データも同様に存在し得る。
【0314】
また、「外部の」各種データ型に基づいて、一部信頼性メトリックを決定してもよい。このようなデータは、地理的な位置、人口統計データなどを主として取り入れることができるマクロタイプのデータを含んでいてもよい。たとえば、そのようなマクロデータは、世界中で一部の地域又はある国の地域で特定のストリーミングサービスが利用可能でなく、且つ不評であることを示す場合があり、これにより、信頼性メトリックが低下する可能性がある。そのような場合、そのストリーミングサービスの信頼性メトリックは地理的な位置に依存して変化する可能性がある。「外部」データの型にはさらに気象データが含まれていてもよく、これにより、たとえば涼しく乾燥した夏の晩にパティオでSpotify(登録商標)を聴取するなど、あるユーザ嗜好性を取り入れることができる。さらに、休日や、このような特定の日に通常ストリーミング配信される音楽サービスを識別するものとして、カレンダデータを考慮に入れてもよい。他の形式の外部データも存在し得る。
【0315】
さらに、様々な基準を組み合わせて、所与のストリーミングサービスの信頼性メトリックを決定することも可能である。たとえば、あるユーザはリビングルームでPandora(登録商標)を使用して多種多様なクラシック音楽を聴取することを好むが、寝室では専らAppleMusic(登録商標)を使用して好きなアーティストのフルアルバムを聴取する場合がある。このような場合、特定の音楽サービスの信頼性メトリックを決定するために、コンテンツタイプ(ジャンルやアーティスト)を特定の音楽サービスの利用場所に関するユーザ履歴と組み合わせてもよい。他の多くの組み合わせが存在し得る。
【0316】
コンピュータ実装アルゴリズムは、上記の基準をストリーミングサービスの信頼性メトリックにマッピングすることができる。たとえば、信頼性メトリックを出力するテーブルに1又は複数の基準をマッピングすることができる。いくつかの実施形態では、このアルゴリズムはコンテンツタイプ、使用履歴、及び/又は「外部データ」などの様々な基準の重み付けを含んでいてもよい。このアルゴリズムは、相対的重要度に基づいて様々な基準に異なる重みを割り当ててもよい。たとえば、ユーザ嗜好性をより影響力があるものと見なしてもよく、またこれに対して、人口統計データよりも多く重み付けを与えてもよい。データの重み付けをシステムによって、又はユーザ設定によって定義してもよく、或いはこれはユーザのフィードバックに基づいて動的に調整可能であってもよい。重み付けされたデータの各々をテーブルにマッピングしてもよく、これらをたとえば、信頼性メトリックに対してマッピングし、次いでこれらを組み合わせて、全体として音楽サービスのための集約された信頼性メトリックを形成してもよい。
【0317】
ブロック1704において、コンピューティングデバイス504又は506は、所与のストリーミングサービスが信頼性条件を満たしているかどうかを判定してもよい。この信頼性条件をいくつかの方法で満たすことができる。たとえば、所与のストリーミングサービスの信頼性メトリックがある信頼性レベル閾値を超えた場合、その信頼性条件を満たすことができ、この信頼性レベル閾値はデフォルトのシステム設定値であるか、又はユーザによって調整可能であってもよい。たとえば、閾値信頼性レベルが80である状況で、3つの信頼性メトリックをService1=85、Service2=83、Service3=25のように算出した場合、(ブロック1614に関連して上述したように)ブロック1706においてService1がストリーミングのために出力されるか、又はユーザに提案されることになり得る。
【0318】
別の場合には、(1)そのストリーミングサービスにおいて算出される信頼性メトリックが閾値信頼性レベルを超えており、且つ(2)算出される2つの最高信頼性メトリックが互いに閾値範囲内にないときにのみ、信頼性条件が満たされ得る。たとえば、すぐ上で述べた事例で信頼性レベルの範囲が3であった場合、Service1及びService2の信頼性メトリックに起因して、信頼性条件は満たされないことになる。この信頼性条件には、付加的に又は代替的に、他の様々なルールを引用してもよい。
【0319】
ブロック1708において信頼性条件が満たされていないと判定した場合、コンピューティングデバイス504又は506のいずれかによってブロック1708においてエラー状態をトリガしてもよい。エラー状態は、1616に関連して述べたように、コンテンツが利用不可能であるという通知を出力するなど、特定のイベントが生じるようにトリガしてもよい。別の場合には、エラー状態をトリガすることにより、コンテンツをデフォルトのストリーミングサービス又は好みのパートナーサービスを介してストリーミング配信させてもよい。さらに別の場合には、このエラー状態により、コンピューティングデバイスがNMD512~516、PBD532~538、又はCR522のうちの1つ又はすべてに対して指示を出力して、既に受信したコマンドに関してさらなる情報を取得するように促す指示又はクエリを聴覚的若しくは視覚的に提示させるようにしてもよい。
【0320】
たとえば、ユーザはアーティスト又はアルバムなどの追加のコンテンツタイプを指定するように指示されてもよい。たとえば、最初のコマンドが「ラジオ局を再生して(Play radio station)」であった場合、ユーザは「ジャンルを指定してください(Please provide genre)」と指示されてもよい。
【0321】
別の場合には、ユーザは、最初のコマンドの調整を促進し、これによって各種ストリーミングサービスの信頼性メトリックの調整を促進するような質問又は一連の質問を受けてもよい。たとえば、最初のコマンドが「エレクトロニック(Electronic)」という広範なジャンルを対象とした場合、ユーザは「ドラムとベース(Drum and Bass)」又は「トランス(Trance)」などの特定のサブジャンルを好むかどうか質問されてもよい。付加的に又は代替的に、ユーザがどのサブジャンルの聴取を望んでいるかを推定するために、ユーザは「何をしていますか?(What are you doing?)」や「気分はいかがですか?(How do you feel?)」などの音楽に無関係な質問を受けることもある。たとえば、ユーザが前述の質問に対して「読書中(Reading)」及び/又は「くつろいでいる(Relaxed)」と回答した場合、ユーザはサブジャンルのトランスの聴取を望んでいると推定され得る。クエリに関して、他の様々な例が可能である。
【0322】
指示又は質問に対するユーザの応答は、NMDによって受信される音声入力又はCRのグラフィカルインタフェースを介したテキスト入力の形式をとっていてもよい。このユーザの応答によってプロセス1600が繰り返され、その結果として信頼性条件が満たされるか、或いは別途エラー状態がトリガされることになる。
【0323】
VII.さらに別の例示的な特徴
(特徴1)少なくとも1つの再生デバイスと、マイクロホンデバイスを備えるネットワークデバイスとを備える再生システムのための方法であって、再生デバイスを設置した周辺環境の音響特性を取得するステップ、前記再生デバイスの周辺環境内にあるネットワークマイクロホンデバイスを識別するステップ、前記音響特性を前記ネットワークマイクロホンデバイスに提供するステップ、前記ネットワークマイクロホンデバイスが受信した音声入力に、前記ネットワークマイクロホンデバイスによって前記音響特性を適用するステップを含む、方法。
【0324】
(特徴2)前記再生デバイスによって前記周辺環境内で再生中のオーディオコンテンツを前記ネットワークマイクロホンデバイスに提供するステップ、前記ネットワークマイクロホンデバイスが受信した前記音声入力に、前記提供されたオーディオコンテンツを前記マイクロホンデバイスによって適用するステップをさらに含む、特徴1に記載の方法。
【0325】
(特徴3)前記識別されたネットワークマイクロホンデバイスは、前記再生デバイスと結合されている及び前記再生デバイスと同じゾーン内にあるのうちの少なくとも一方である、特徴1又は2に記載の方法。
【0326】
(特徴4)前記マイクロホンデバイスに前記音響特性を送信する前記再生デバイスは、前記メディア再生システムの複数の前記再生デバイスのうちで前記マイクロホンデバイスの直近にある再生デバイスである、特徴1から3のいずれか一項に記載の方法。
【0327】
(特徴5)前記ネットワークマイクロホンデバイスから、前記音声入力の方向を示す通知を受信するステップ、前記受信した前記音声入力の方向を示す通知に基づいて、前記再生デバイスによって再生されるオーディオコンテンツの指向性を調整するステップをさらに含む、特徴1から4のいずれか一項に記載の方法。
【0328】
(特徴6)前記ネットワークマイクロホンデバイスに自身が受信した音声入力に対して前記音響特性を適用させることは、前記受信した音声入力に適用される前記音響特性基づいて、前記再生デバイスにフィルタを適用させることを含む、特徴1から5のいずれか一項に記載の方法。
【0329】
(特徴7)前記周辺環境の音響特性は、1又は複数の前記再生デバイスが1又は複数のトーンを出力し、前記ネットワークデバイスの前記マイクロホンが前記1又は複数の再生デバイスによって出力された前記トーンを受信し、及び前記受信したトーンを解析して、前記周辺環境の音響特性を決定するようなキャリブレーション段階において取得されている、特徴1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0330】
(特徴8)前記マイクロホンデバイスに前記音響特性を提供するステップは、前記マイクロホンデバイスに前記音響特性をメッセージとして送信すること、前記マイクロホンデバイスに前記音響特性へのアクセスを提供することのうちの一方を含む、特徴1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0331】
(特徴9)実行されると、特徴1から8のいずれか一項に係る方法をプロセッサに実行させる、前記プロセッサによって実行するための命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【0332】
(特徴10)少なくとも1つの再生デバイスと、マイクロホンデバイスを備えるネットワークデバイスとを備えるメディア再生システムであって、特徴1から9のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されている、メディア再生システム。
【0333】
(特徴11)コンピューティングデバイスのための方法であって、コマンドワード、1又は複数のメディア変数のインスタンス、及び1又は複数のゾーン変数のインスタンスを含む音声入力を受信するステップ、前記コマンドワードに対応するメディア再生システムコマンドを決定するステップ、前記1又は複数のメディア変数のインスタンスに対応するメディアコンテンツを識別するステップ、前記メディア再生システムに、前記1又は複数のゾーン変数のインスタンスに基づいて、前記メディアコンテンツに対して前記メディア再生システムコマンドを実行させるステップを含む、方法。
【0334】
(特徴12)前記メディア再生システムコマンドが前記コマンドワードに対応していると決定する前に、前記音声入力が音楽制御に対応していると判定することを含み、前記コマンドワードに対応する前記メディア再生システムコマンドは、音楽制御に対応する利用可能なコマンドに基づいて決定される、ことをさらに含む、特徴11に記載の方法。
【0335】
(特徴13)前記識別されたメディアコンテンツから1又は複数のメディアアイテムを決定するステップ、前記1又は複数のメディアアイテムのネットワーク記憶場所を示す識別子を送信するステップをさらに含む、特徴11又は12に記載の方法。
【0336】
(特徴14)前記コマンドワードが第1の位置にあることに基づいて、前記音声入力において前記コマンドワードを識別するステップ、前記1又は複数のメディア変数のインスタンスが第2の位置にあることに基づいて、前記音声入力において前記1又は複数のメディア変数のインスタンスを識別するステップ、前記1又は複数のゾーン変数のインスタンスが第3の位置にあることに基づいて、前記音声入力において前記1又は複数のゾーン変数のインスタンスを識別するステップをさらに含む、特徴11から13のいずれか一項に記載の方法。
【0337】
(特徴15)前記コマンドワードに対応する前記メディア再生システムコマンドを決定するステップは、前記コマンドワードに対応するインテントを決定すること、前記インテントに対応する前記メディア再生システムコマンドを決定することを含む、特徴11から14のいずれか一項に記載の方法。
【0338】
(特徴16)前記受信した音声入力における1又は複数のゾーン変数のインスタンスは、メディア再生システムの1又は複数のゾーンであって、前記1又は複数のゾーンは1又は複数の再生デバイスを備える、ゾーンを示している、特徴11から15のいずれか一項に記載の方法。
【0339】
(特徴17)前記メディア再生システムに、前記メディアコンテンツに対して前記メディア再生システムコマンドを実行させるステップは、前記メディア再生システムコマンドと、前記1又は複数のメディア変数のインスタンスに対応しているメディアコンテンツを識別するメディア情報と、前記1又は複数のゾーン変数のインスタンスに対応している1又は複数のゾーン識別子とを識別するコマンド情報を含むメッセージを、前記コンピューティングデバイスから前記メディア再生システムに送信することを含む、特徴11から16のいずれか一項に記載の方法。
【0340】
(特徴18)コンピューティングデバイスの1又は複数のプロセッサによって実行されると、特徴11から17のいずれか一項に記載の方法を前記コンピューティングデバイスに実行させる命令を格納している、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0341】
(特徴19)コンピューティングデバイスであって、1又は複数プロセッサと、前記1又は複数のプロセッサによって実行されると、特徴11から17のいずれか一項に記載の方法を前記コンピューティングデバイスに実行させる命令を格納しているメモリとを備える、コンピューティングデバイス。
【0342】
(特徴20)メディア再生システムに対する音声コマンドを受信するステップ、前記音声コマンドを前記メディア再生システムの登録ユーザから受信したかどうかを判定するステップ、前記音声コマンドを登録ユーザから受信した場合に、前記音声コマンドの内容と前記登録ユーザのユーザプロファイル内の情報とに基づいて、前記メディア再生システムに対する指示を構成するステップを含む、方法。
【0343】
(特徴21)前記メディア再生システムの1又は複数の再生デバイスに前記指示を送信することをさらに含む、特徴20に記載の方法。
【0344】
(特徴23)前記音声コマンドは、前記メディア再生システムにメディアコンテンツの再生を命じるコマンドである、特徴21又は22に記載の方法。
【0345】
(特徴24)前記構成した指示は、前記登録ユーザの好みのメディアソースから前記メディアコンテンツを取得するように前記メディア再生システムに指示する、特徴23に記載の方法。
【0346】
(特徴25)前記構成した指示により、前記メディア再生システムは、前記メディア再生システムの1又は複数のメディア再生デバイスを介して前記メディアコンテンツを再生する、特徴23に記載の方法。
【0347】
(特徴26)前記構成した指示は、前記登録ユーザの好みの再生設定の1つ又は複数を用いて前記メディア再生システムを構成し、及び前記メディア再生システムを介し、前記登録ユーザの好みの再生設定を用いて前記メディア再生システムに前記メディアコンテンツを再生させる指示を含む、特徴23に記載の方法。
【0348】
(特徴27)前記登録ユーザの好みの再生設定は、好みの再生音量及び好みのオーディオイコライゼーションの設定のうちの1又は複数を含む、特徴26に記載の方法。
【0349】
(特徴28)前記音声コマンドは、前記メディア再生システムに再生設定の変更を命じるコマンドであり、前記構成した指示により、前記メディア再生システムは、前記メディア再生システムにおける1又は複数のメディア再生デバイスの再生設定を変更する、特徴21又は22に記載の方法。
【0350】
(特徴29)前記音声コマンドを登録ユーザから受信しなかった場合に、前記音声コマンドをゲストユーザから受信したかどうかを判定するステップ、前記音声コマンドをゲストユーザから受信した場合に、前記ゲストユーザに対して制限設定を割り当てるステップ、前記音声コマンドの内容と前記ゲストユーザに対して割り当てた前記制限設定とに基づいて、前記メディア再生システムに対する指示を構成するステップ、前記指示を前記メディア再生システムに送信するステップをさらに含む、特徴20から28のいずれか一項に記載の方法。
【0351】
(特徴30)前記メディア再生システムは再生ネットワークと、1又は複数の再生デバイスとを備える、特徴20から29のいずれか一項に記載の方法。
【0352】
(特徴31)前記音声コマンドを登録ユーザから受信しなかった場合に、前記音声コマンドを無視することをさらに含む、特徴20から30のいずれか一項に記載の方法。
【0353】
(特徴32)1又は複数のプロセッサによって実行されると、特徴20から31のいずれか一項に係る方法をコンピューティングデバイスに実行させる命令をエンコードしている、有形の非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0354】
(特徴33)1又は複数のプロセッサと、特徴32に係る有形の非一時的なコンピュータ可読媒体とを備える、メディア再生システム。
【0355】
(特徴34)コンテンツに関する通知を受信するステップ、前記受信した通知に基づいて少なくとも1つのコンテンツタイプを識別するステップ、前記少なくとも1つのコンテンツタイプをサポートしている少なくとも1つの音楽サービスを、複数の音楽サービスの中から決定するステップ、前記少なくとも1つの音楽サービスが前記少なくとも1つのコンテンツタイプをサポートしていることに基づいて、前記コンテンツタイプと関連付けられたオーディオコンテンツを前記少なくとも1つの音楽サービスに送信させるステップを含む、方法。
【0356】
(特徴35)前記コンテンツに関する通知をネットワークマイクロホンデバイスを介して受信する、特徴34に記載の方法。
【0357】
(特徴36)前記少なくとも1つの音楽サービスを決定するステップは、前記複数の音楽サービスの中から決定した前記少なくとも1つの音楽サービスに対応する信頼性メトリックを決定することを含む、特徴34又は35に記載の方法。
【0358】
(特徴37)前記少なくとも1つの音楽サービスを決定するステップは、信頼性レベルの条件が満たされているかどうかを判定することを含む、特徴34又は35に記載の方法。
【0359】
(特徴38)前記信頼性メトリックは、前記複数の音楽サービスの中のある音楽サービスへのアクセス履歴に基づいている、特徴37に記載の方法。
【0360】
(特徴39)前記信頼性メトリックは、前記特定の音楽サービスの特定の利用場所にさらに基づいている、特徴38に記載の方法。
【0361】
(特徴40)コンテンツに関する第2の通知を受信するステップ、前記受信した通知に基づいて少なくとも1つのコンテンツタイプを識別するステップ、前記複数の音楽サービスの中のいずれの音楽サービスも前記少なくとも1つのコンテンツタイプをサポートしていないと判定するステップ、エラー状態がトリガされるようにするステップをさらに含む、特徴34から39のいずれか一項に記載の方法。
【0362】
(特徴41)前記コンテンツタイプはアーティスト、ジャンル、曲、アルバム、及びラジオ局からなる群より選択される、特徴34から40のいずれかに一項に記載の方法。
【0363】
(特徴42)前記少なくとも1つの音楽サービスを決定するステップは、前記複数のストリーミングサービス用に利用可能なコンテンツのエントリを含むルックアップテーブルにアクセスすることを含む、特徴34から41のいずれか一項に記載の方法。
【0364】
(特徴43)前記複数の音楽サービスの中から、前記ユーザが登録している音楽サービスのみをクエリすることをさらに含む、特徴34から42のいずれか一項に記載の方法。
【0365】
(特徴44)前記コンテンツタイプを識別した後に、前記コンテンツに関する最初の通知で指定された前記コンテンツタイプをさらに特定するための1又は複数の質問を前記ユーザに対して行うステップ、より具体的なコンテンツタイプを示すようなさらに別のユーザ入力を受信するステップ、前記より具体的なコンテンツタイプに基づいて1又は複数の音楽サービスを決定するステップをさらに含む、特徴34から43のいずれか一項に記載の方法。
【0366】
(特徴45)ネットワークを介して複数のネットワークデバイスと通信するように構成されたネットワークインタフェースと、プロセッサであって、実行されると、特徴34から44のいずれか一項に係る方法を前記プロセッサに実行させる命令を備える、プロセッサとを備える、ネットワークデバイス。
【0367】
(特徴46)実行されると、特徴34から44のいずれか一項に係る方法をプロセッサに実行させる、前記プロセッサによって実行するための命令を備える、コンピュータ可読記憶媒体。
【0368】
VI.結論
本明細書は、様々な例示のシステム、方法、装置、および製品などを開示しており、それらは、他のコンポーネントの中で、ハードウェア上で実行されるファームウェアおよび/又はソフトウェアを含む。そのような例は、単なる例示であり、限定されるものとみなすべきではないと理解される。例えば、これらのファームウェア、ハードウェア、および/又はソフトウェアの態様又はコンポーネントのいくつか又はすべてが、専らハードウェアに、専らソフトウェアに、専らファームウェアに、又はハードウェア、ソフトウェア、および/又はファームウェアの任意の組み合わせを実施することができることが意図されている。したがって、提供されているそれらの例は、それらのシステム、方法、装置、および/又は生産物を実施する唯一の方法ではない。
【0369】
本明細書に開示した方法及び他のプロセスは、1又は複数の操作、機能、又はアクションを含んでいてもよい。ブロックを順番に図示しているが、これらのブロックを同時に、及び/又は本明細書に記載の順序とは異なる順序で実行してもよい。また、様々なブロックをより少数のブロックにまとめるか、ブロックを追加のブロックに分割するか、及び/又は所望の実装形態に基づいてこれらを除去してもよい。
【0370】
さらに、本明細書に開示した本方法及び他のプロセス及び方法について、フローチャートは、本実施形態で想定される1つの実装形態における機能と動作とを示している。この点において、各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能又は工程を実施するためにプロセッサによって実行可能な1又は複数の命令を含むモジュール、セグメント、又はプログラムコードの一部を表していてもよい。このプログラムコードを、たとえばディスク又はハードドライブを含む記憶装置などの、任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納してもよい。このコンピュータ可読媒体として、たとえばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ及びランダムアクセスメモリ(RAM)のようにデータを短期間記憶するコンピュータ可読媒体などの、非一時的なコンピュータ可読媒体を挙げることができる。このコンピュータ可読媒体にはまた、たとえば読取り専用メモリ(ROM)、光学ディスク又は磁気ディスク、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)のように二次的な、又は永続的な長期記憶装置などの非一時的な媒体が含まれていてもよい。コンピュータ可読媒体はまた、他の任意の揮発性又は不揮発性の記憶システムであってもよい。コンピュータ可読媒体を、たとえば、コンピュータ可読記憶媒体又は有形の記憶装置と考えてもよい。また、図中の各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実施するために有線接続された回路を表していてもよい。
【0371】
更に、本明細書において「実施形態」は、実施形態に関連して述べられた特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを示している。本明細書の様々な場所でこの語句が用いられているが、すべてが同じ実施形態を言及するものではなく、又、他の実施形態を除いた別個の実施形態又は代替の実施形態でもない。このように、本明細書で述べられた実施形態は、明示的におよび暗黙的に、当業者によって、他の実施形態と組み合わせることができることが理解される。
【0372】
本明細書は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、および他のシンボル表現に関して広く示されており、それらは直接又は間接的にネットワークに接続されるデータ処理デバイスの動作に類似するものである。これらの処理説明および表現は、一般的に当業者によって使用され、それらの仕事の内容を他の当業者に最も効率良く伝えることができる。多くの具体的な内容が、本開示を理解するために提供されている。しかしながら、当業者にとって、本開示の特定の実施形態が特定の、具体的な詳細なしに実施され得ることは理解される。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、および回路が、実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるため、詳細に説明していない。したがって、本開示の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0373】
添付の特許請求の範囲のいずれかが単にソフトウェアおよび/又はファームウェアへの実装をカバーするように読み取ると、少なくとも1つの例における要素の1つ又は複数は、本明細書では、ソフトウェアおよび/又はファームウェアを記憶する有形の非一時的な記憶媒体、例えば、メモリ、DVD、CD、Blu-ray(登録商標)等を含むことが明確に定められている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14
図15
図16
図17