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特許7026102グリッパーロボットを使用して物体を箱に自動的に装填する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】グリッパーロボットを使用して物体を箱に自動的に装填する方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20220217BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019506148
(86)(22)【出願日】2017-09-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2017073386
(87)【国際公開番号】W WO2018059977
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-07-16
(31)【優先権主張番号】1659191
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1659192
(32)【優先日】2016-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】519035230
【氏名又は名称】グロスボワ, ジェローム
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】グロスボワ, ジェローム
【審査官】樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-523623(JP,A)
【文献】特開昭61-153706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッパーロボット(3)によって物体(1)を箱に自動的に装填するための方法において、以下の連続工程が自動的にかつ繰り返し実施されることを特徴とする方法:
(a)グリッパーロボット(3)によって、物体(1)を、箱(4)中の箱装填計画によって規定された位置に配置すること;
(b)一つ以上の物体を含む箱(4)の少なくとも一つのデジタル画像を取得すること;及び
(c)前の工程で得られたデジタル画像において、工程(a)で配置された物体が位置に関して正確に配置されているかどうかを自動的にチェックし、肯定的であれば次の工程に進み、否定的であれば正確に配置されなかった物体をグリッパーロボット(3)によって除去し、その除去された物体で工程(a)のプロセスを繰り返すこと。
【請求項2】
次の物体(1)が、箱装填計画に従って箱(4)中に配置されることができるかどうかをデジタル的にチェックし、否定的であれば装填プロセスを停止し、肯定的である場合、もし箱が満杯でないなら、工程(a)のプロセスを新しい物体で繰り返す、追加の工程(d)が実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
次の物体(1)が、物体(1)のCADデジタルモデルを使用して、箱装填計画に従って箱(4)中に配置されることができるかどうかをデジタル的にチェックし、否定的であれば装填プロセスを停止し、肯定的である場合、もし箱が満杯でないなら、工程(a)のプロセスを新しい物体で繰り返す、追加の工程(d)が実施される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
工程(a)の前に、空の箱(4)の少なくとも一つのデジタル画像を取得し、箱のデジタル画像を使用することによって箱の適合性を自動チェックし、もし箱が適合するなら、グリッパーロボット(3)による箱への装填を継続する、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
箱の適合性の自動チェックが、箱のデジタル画像を使用すること、及び箱の装填計画をデジタル的にシミュレートすることによって実施される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
物体(1)を箱(4)内で互いの上に積み重ねる、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
グリッパーロボット(3)、空の箱又は少なくとも一つの物体(1)を含む箱の少なくとも一つのデジタル画像を取得するためのセンサー(6)、及びグリッパーロボット(3)を制御するように設計された電子制御装置(5)を含む、請求項1~のいずれかに記載の方法を実施するため自動装填システム。
【請求項8】
グリッパーロボット(3)の電子制御装置(5)によって実行されるとき、請求項1~3のいずれかに記載の方法の工程を少なくとも実施するように適応されたプログラム指示コードを含むコンピュータープログラム製品。
【請求項9】
グリッパーロボット(3)の電子制御装置(5)によって実行されるとき、空の箱(4)の少なくとも一つのデジタル画像を取得し、箱のデジタル画像を使用することによって箱の適合性を自動チェックし、もし箱が適合するなら、グリッパーロボット(3)による装填のプロセスを継続し、もし箱が適合しないなら、箱(4)の装填を停止するように適応された、請求項に記載のコンピュータープログラム製品。
【請求項10】
箱のデジタル画像を使用すること、及び箱装填計画をデジタル的にシミュレートすることによって箱の適合性の自動チェックを実施するように適応された、請求項に記載のコンピュータープログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリッパーロボットを使用して物体を箱に自動的に装填する新規な方法に関する。本発明は、例えば保管及び/又は輸送のような、箱中に物体を自動的に保管する必要性がある、いかなるタイプの産業及び/又はいかなるタイプの用途においても適用されるものである。本発明は、いかなるタイプの物体にも適用される。本発明の限定されない網羅的でない態様では、物体は、例えば機械部品、包装物、箱、包装体であることができる。
【背景技術】
【0002】
例えば米国特許出願US2010/0222915及び米国特許US6055462及びUS8644984において、輸送コンベヤ上の積み重ね可能な物体(例えば積み重ね可能な箱)を一つずつ取り、それらをパレット(即ち、垂直側壁を有さない平坦な支持体)の上に自動的に互いに積み重ねるように自動制御されたグリッパーロボットを使用することが提案されている。
【0003】
これらの公開文献に記載された技術的解決策は、予め決められたパレット積載計画に従って積み重ね可能な物体を自動的にパレット積載するように適応されているが、少なくとも一つの垂直側壁を有する箱に物体を自動的に装填することは意図されていない。
【0004】
また、例えば米国特許US9067744では、運搬台を形成するようにローラー上に装着された箱中に物体(例えば小包)を自動的に積み重ねるために自動駆動されるグリッパーロボットを使用することが提案されている。この公開文献では、箱は、特に底壁及び三つの垂直側壁を含む。米国特許US7644558では、箱中に物体を自動的にかつ繰り返し積み重ねるためにグリッパーロボットを使用することが提案されている。
【0005】
積み重ね可能な物体又は積み重ね可能でない物体を箱に自動的に装填する場合には、箱の垂直側壁の少なくとも一つが大きく損傷又は変形されることが定期的に起こり、従って箱の装填計画を最後まで実施することによって箱に物体を満たすことが不可能である。
【0006】
この場合には、箱に物体を自動的に装填するプロセスは、箱の装填計画が完了する前に中断しなければならず、実際には、オペレーターは、箱を手で降ろして、自動化装填プロセスの再開前に良好な状態の箱と置き換える介入を強制される。
【0007】
積み重ね可能な物体又は積み重ね可能でない物体を箱に自動的に装填する場合には、物体が適切に配置されないことも定期的に起こる。これは、続く物体の装填を妨げ、箱を満杯にして箱の装填計画を完了することを妨げる。
【0008】
この場合には、箱に物体を自動的に装填するプロセスは、箱の装填計画が完了する前に中断しなければならず、実際には、オペレーターは、自動化装填プロセスの再開前に手で介在することを強制される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
第一側面によれば、本発明の目的は、完全な装填のために適さない箱、特に損傷又は変形されうる箱の使用に関する上述の欠点を克服する、グリッパーロボットによる物体の箱への自動装填のための新規な方法を提案することである。第二側面によれば、本発明の目的は、少なくとも箱中の物体の悪い配置から生じる上述の欠点を克服することができる、グリッパーロボットによる物体の箱への自動装填のための新規な方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、グリッパーロボットによって物体を箱に自動的に装填する第一方法に関する。本発明によれば、この第一方法は、空の箱の少なくとも一つのデジタル画像を取得し、箱のデジタル画像を使用することによって箱の適合性を自動チェックし、もし箱が適合するなら、グリッパーロボットによる箱への装填のプロセスを継続し、もし箱が適合しないなら、箱を新しい箱に置き換えることを特徴とする。
【0011】
本発明により、例えば損傷又は変形されているなどの理由で箱が適合せず、適していないとき、適していない箱の不必要な部分的な装填を開始することを避けることによって時間の損失を避けることができる。
【0012】
本発明はまた、以下の連続工程が自動的にかつ繰り返し実施されることを特徴とする、グリッパーロボットによって物体を箱に自動的に装填する第二方法である。
(a)グリッパーロボットによって、物体を、箱中の箱装填計画によって規定された位置に配置すること;
(b)一つ以上の物体を含む箱の少なくとも一つのデジタル画像を取得すること;及び
(c)前の工程で得られたデジタル画像において、工程(a)で配置された物体が正確に配置されているかどうかを自動的にチェックし、肯定的であれば次の工程に進み、否定的であれば正確に配置されなかった物体をグリッパーロボット(3)によって除去し、その除去された物体で工程(a)のプロセスを繰り返すこと。
【0013】
本発明の文脈において、用語「箱」は、その最も広い意味でとらなければならない。特に、箱は、いかなる幾何学的形状も有することができ、平行六面体、特に立方体の箱に限定されない。箱は、適用領域に依存して、多かれ少なかれ有意な寸法を持つことができ、本発明の限定されない網羅的でない態様ではトレイ、バケツ状物、容器などであることができる。箱の構成材料は、本発明にとって重要でない。
【0014】
本発明の文脈において、用語「物体」は、その最も広い意味でとらなければならない。本発明の限定されない網羅的でない態様では、物体は、完全体であるか、又は部品の組み立てによって構成されることができ、物体は、例えば機械部品、包装物、空の又は満たされた箱、包装体などであることができる。
【0015】
本発明はまた、グリッパーロボット、空の箱又は少なくとも一つの物体を含む箱の少なくとも一つのデジタル画像を取得するためのセンサー、及びグリッパーロボットを制御するように設計された電子制御装置を含む、上述の第一及び/又は第二方法を実施するための自動装填システムに関する。
【0016】
本発明はまた、グリッパーロボットの電子制御装置によって実行されるとき、空の箱の少なくとも一つのデジタル画像を取得し、箱のデジタル画像を使用することによって箱の適合性を自動チェックし、もし箱が適合するなら、グリッパーロボットによる装填のプロセスを継続し、もし箱が適合しないなら、箱の装填を停止するように適応されたプログラムコード指示を含むコンピュータープログラム製品に関する。
【0017】
本発明はまた、グリッパーロボットの電子制御装置によって実行されるとき、少なくとも上述の第二方法の工程を実行するように前記グリッパーロボットを自動制御するように設計されたプログラムコード指示を含むコンピュータープログラム製品に関する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の様々な実施形態の以下の詳細な説明を読めば明らかになるだろう。それらの実施形態は、添付図面を参照して本発明の限定されない網羅的でない例として記載される。
【0019】
図1図1は、コンベヤによって運搬される部品を箱に装填するためのシステムの概略図である。
【0020】
図2図2は、空の箱の一例の斜視図である。
【0021】
図3図3は、予め決められた箱装填計画の実施で行なわれる部品の積み重ねの斜視図である。
【0022】
図4図4は、部品を満たした、図2の箱の斜視図である。
【0023】
図5図5は、空の箱の適合性の自動チェックの主な連続工程を表わすフローチャートである。
【0024】
図6図6は、図1の装填システムのグリッパーロボットによって箱に物体を自動的に装填する方法の主な連続工程を表わすフローチャートである。
【0025】
図7図7は、垂直壁が変形されている、適合しない箱の一例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1の装填システムの実施形態を参照すると、積み重ね可能な物体1(この場合には機械部品)がコンベヤ2によって箱4を含む装填ステーションに運搬されている。末端にグリップ部材31を備えた関節アーム30を含むグリッパーロボット3が使用され、それによりコンベア2の上の物体1を一つずつ自動的に取り、それらを箱装填計画に従って箱4中に連続的に堆積する。
【0027】
図1の例では、物体1は、全て同一である。別の例では、それらは異なっていてもよい。
【0028】
図3を参照すると、本発明の限定されない例として、完全に実行された場合にL~Lの5層の積み重ねが形成されるように規定された箱装填計画が示されている。各層L~Lは、3個の物体1からなる列Riと4個の物体1からなる行Cjの形で並置された12個の物体1を含む。この装填計画は、例えば積み重ね中の高さの各層Lkと関連する層L~L、及び層Lk中の各物体1の列Riと行Cjのリストによって構成される。
【0029】
図4は、図3のように物体の積み重ねを得るような装填計画に従って箱4中に物体1を積み重ねて満たした箱4を示す。
【0030】
図2を参照すると、箱4は、物体の装填を可能とするようにその上部を開放している。箱4は、底壁40と垂直壁41を含み、それらは、装填体積Vを規定する。
【0031】
グリッパーロボット3は、電子制御装置5によって自動制御され、電子制御装置5は、例えばこの装置5の電子メモリーに記憶される装填コンピュータープログラムを実行することによって関節アーム30の動きを自動制御し、把持部材31を制御する。
【0032】
装填システムは、非接触式センサー6をさらに含み、それは、装填ステーションに配置された箱4(空であるか、又は物体1を含む)の少なくとも一つの2D又は3Dデジタル画像を平面図で取得することを可能にする。この箱4(空であるか、又は物体1を含む)のデジタル2D又は3D画像は、有線又は無線通信チャネルによって電子制御装置5に送信される。
【0033】
変形例では、システムは、例えば異なる視野角で箱の2D又は3D画像を取得することができる複数のセンサー6を含むことができる。変形例では、システムはまた、センサー6によって取得された二つ又はそれより多い2D画像から物体4の三次元画像を立体視によって再構成するための手段を含むことができる。
【0034】
本発明においては、様々なタイプのセンサー6を使用することができる。本発明の限定されない網羅的でない態様では、センサー6は、以下のものであることができる:
- 例えばCCD又は他のタイプのカメラ;
- 3Dポイントクラウドの形で箱4(空であるか、又は物体1を含む)の画像を取得することを可能にする走査センサー;例えば、センサー6は、箱4(空であるか、又は物体1を含む)の表面を走査するレーザー光源と組み合わせて、例えばCCD又は他のタイプのカメラを含み、カメラは、いずれかの物体がカメラの視野に配置されるなら、箱の表面による反射光線を捕獲することを可能にする;
- 遠隔測定法によって操作しかつレーザー光源、超音波、マイクロ波などを使用するセンサー又はセンサー群。
【0035】
装填プログラムの特定の例、及び物体1を箱4に装填するための実施法は、図5及び6のフローチャートを参照して詳述されるだろう。
【0036】
オペレーターは、センサー6の下に空の箱4を配置し、自動装填の手順を開始する。
【0037】
自動装填手順が開始されると、電子制御装置5は、図5の初期チェックルーチンを実行することによって始動する。
【0038】
図5を参照すると、初期チェックルーチンが開始されるとき、電子制御装置5は、センサー6に空の箱4のデジタル画像の取得を行なわせ(工程50)、その画像を電子制御装置5に送信させる。
【0039】
次いで、電子制御装置5は、前記箱のデジタル画像を使用して箱4が適合するかどうかを自動的にチェックする(工程51)。
【0040】
特に、このチェックは、予め規定された箱装填計画の全ての物体1(例えば図3及び4の60個分)が箱4中に装填されることができることを確実にするように、前述の空の箱4のデジタル画像と物体1のCADモデルとによって予め規定された箱装填計画を自動的にシミュレートすることによって実施されることが好ましい。この目的のため、装填計画は、例えば電子制御装置5のメモリーに記憶されることができる。
【0041】
別の変形例では、電子制御装置5は、物体1のCADモデル及び空の箱4のCADモデルからこの装填計画を自動的に計算するようにプログラムされることができる。
【0042】
別の変形例では、電子制御装置5は、電子制御装置5のメモリーに記憶される予め規定された箱装填計画を実行し、もし必要なら例えば箱の装填を自動的に最適化するために箱の装填プロセス中にこの装填計画を動的に変更するようにプログラムされることができる。
【0043】
別の変形例では、箱4の適合性はまた、工程50で取得された空の箱4のデジタル画像を電子制御装置5のメモリーに記憶された空の箱4のCADデジタルモデルと比較することによって自動的にチェックされることができる。
【0044】
もし箱4が適合しないと検出されるなら(工程52)、電子制御装置5は、装填の手順を停止し、オペレーターに対して、例えば視覚的/音響的警告及び/又はスクリーン上のメッセージの表示によって、配置された空の箱4が適合しないことを警告する。
【0045】
図7は、垂直壁41の一つが大きく変形され、希望の数の物体1を箱に装填することができず、箱装填計画が最後まで実施されることができない、適合しない箱4の一例を示す。
【0046】
空の箱4が適合しないとして検出されたことを知らされたオペレーターは、空の箱4を除去し、例えばそれをリサイクルし(工程53)、それを新しい空の箱4に置き換える(工程54)。
【0047】
いったん空の新しい箱4が配置されると、オペレーターは、図5のチェック手順を再開する。
【0048】
これは、欠陥のある箱での不必要な装填手順を開始することを回避することによっていかなる時間の無駄も回避する。
【0049】
もし箱が適合するなら(工程52)、電子制御装置5は、以下に詳述される図6の自動装填手順を実行する。
【0050】
図6の自動装填手順が開始されると、電子制御装置5は、例えばセンサー6によって取得されたデジタル画像から、空の箱の位置を自動的に探す(工程550)。変形例として、この工程550は、空の箱が電子制御装置5に知られた予め規定された装填位置に常に正確に配置されることを条件として省略されることができる。
【0051】
次いで、電子制御装置5は、それ自体公知の方法で、電子制御装置5によって自動的に計算された装填計画又はメモリーに記憶された予め規定された装填計画に従って、ロボット3がコンベヤ2上の物体1を把持し、その物体を箱4中に配置するようにロボット3を制御する(工程551)。
【0052】
次いで、電子制御装置5は、一つ以上の物体1を含む箱4のデジタル画像をセンサー6によって取得し、このデジタル画像において、最後に配置された物体1が正確に配置されたことを物体1のCADモデルを使用して自動チェックする(工程552)。
【0053】
否定的であれば(工程553)、電子制御装置5は、ロボット3が不正確に配置された最後の物体を把持するようにロボット3を制御し(工程554)、この物体が正確に配置されるまで操作が繰り返される。
【0054】
肯定的であれば(工程553)、最後の物体1は箱4に正確に配置されており、次の物体1の配置が、既に取得された箱4の画像、物体1のCADデジタルモデル、及び電子制御装置5によって自動的に計算された装填計画又はメモリーに記憶された装填計画を使用することによってデジタル的にシミュレートされる(工程555)。
【0055】
もしシミュレーションの結果が否定的であるなら(工程556)、次の物体1は、箱4中の正しい位置に正確に装填されることができず、この場合において電子制御装置5は、オペレーターに対して警告を発し(工程557)、自動装填手順を時期を途中で終了する。
【0056】
他方、もしシミュレーションの結果が肯定的であるなら(工程556)、電子制御装置5は、箱4が(装填された物体の数をカウントして、それを箱4中の望まれる物体の全数と比較することによって)満杯であるかどうかをチェックする(工程558)。
【0057】
もし箱4が満杯であるなら、それは、装填手順を停止し、オペレーターが満杯の箱を除去し、新しい空の箱4をセットアップできるようにする。
【0058】
もし箱4が満杯でないなら、手順が工程551で自動的に再開される。
【0059】
本発明は、積み重ねられる物体での箱4の自動装填にその用途を見い出すことが好ましいが、箱中に積み重ねられない物体での箱4の自動装填を達成するように実施されることもできる。また、例えば一つの内箱に対して一つの物体が入るように、物体が大きな箱中のその内箱に配置される場合にも使用されることができる。
【0060】
記載された例では、箱4は、箱中に装填された物体1の全てを物体群の全周にわたって包囲する垂直壁を有する。別の変形例では、箱の垂直壁は、箱中に装填された物体1の全てを物体群の周囲の一部にわたって包囲することもできる。
【0061】
別の変形例では、物体は、必ずしもコンベヤ2によって運搬される必要はなく、グリッパーロボット3によってアクセス可能な保管領域で静的に(例えばバルクで又は積み重ねて)保管されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7