(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】ピボットレバー及び効率的な空間利用を有するファンモジュール
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20220217BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
G06F1/20 C
H05K7/20 H
G06F1/20 B
(21)【出願番号】P 2020040813
(22)【出願日】2020-03-10
【審査請求日】2020-03-10
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】508018934
【氏名又は名称】廣達電腦股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Quanta Computer Inc.
【住所又は居所原語表記】No.188,Wenhua 2nd Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】叢 耀宗
(72)【発明者】
【氏名】張 鈞
(72)【発明者】
【氏名】曾 致豪
(72)【発明者】
【氏名】張 宇成
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-018079(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0184040(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0208548(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0146028(US,A1)
【文献】中国実用新案第204270236(CN,U)
【文献】特開2004-235257(JP,A)
【文献】特開2011-090763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンモジュールであって、
ファンを収容するように構成された中空内部を画定するハウジングと、
前記ハウジングの端部に結合されたフレームピースと、
前記ハウジングに結合され、前記ハウジングと前記フレームピースとの間に配置され、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能なロック本体と、
前記ハウジングに結合され、第1位置と第2位置との間で移動可能なレバーと、を備え、
前記レバーを前記第1位置から前記第2位置に移動させると、前記ロック本体が前記ロック位置から前記アンロック位置に移動
し、
前記フレームピースは、少なくとも1つの上部支持部と、前記上部支持部の第1端部に結合された第1側支持部と、前記上部支持部の第2端部に結合された第2側支持部と、を含み、前記レバーは、前記フレームピースにピボット可能に搭載されており、
前記レバーは、第1アームと、第2アームと、ハンドルと、を含み、前記第1アームの近位端部は、前記フレームピースの前記第1側支持部にピボット可能に搭載されており、前記第2アームの近位端部は、前記フレームピースの前記第2側支持部にピボット可能に搭載されており、前記ハンドルは、前記第1アームの遠位端部及び前記第2アームの遠位端部に結合されており、
前記フレームピースは、(i)前記第1側支持部の上端部、(ii)前記第2側支持部の上端部、又は、(iii)(i)及び(ii)の両方によって形成される少なくとも1つの上面を有し、前記フレームピースは、前記上部支持部によって形成された側面を含み、前記側面は、前記少なくとも1つの上面に対して垂直であり、
前記第1側支持部は外方延在縁部を有し、前記ロック本体は内方延在縁部を有し、
前記レバーが前記第1位置にある場合、前記ロック本体の前記内方延在縁部は、前記第1側支持部の前記外方延在縁部上に位置しており、
前記レバーを前記第1位置から前記第2位置に移動させた場合の前記レバーと前記ロック本体との間の接触によって、前記ロック本体の前記内方延在縁部が前記第1側支持部の前記外方延在縁部から上昇することを特徴とするファンモジュール。
【請求項2】
前記ロック位置において、前記ロック本体の下端部が前記ハウジングの下端部の下方に位置し、
前記アンロック位置において、前記ロック本体の下端部が前記ハウジングの下端部の上方に位置することを特徴とする請求項1に記載のファンモジュール。
【請求項3】
前記レバーは、近位端部と、遠位端部と、を有し、前記レバーの前記近位端部は、前記ハウジングにピボット可能に結合されており、
前記レバーの前記近位端部は、前記レバーが前記第1位置から前記第2位置に移動すると前記ロック本体に接触し、前記ロック本体を前記ロック位置から前記アンロック位置に移動させ、
前記レバーの前記近位端部は、湾曲先端部を有し、前記ロック本体は、前記レバーの前記近位端部の前記湾曲先端部に接触するように構成された外方延在縁部を有することを特徴とする請求項1に記載のファンモジュール。
【請求項4】
前記レバーが前記第1位置から前記第2位置にピボットする場合に、
前記レバーの前記近位端部の前記湾曲先端部がピボットし、前記湾曲先端部のピボットは、前記ロック本体が前記ロック位置から前記アンロック位置に移動するように、前記ロック本体の前記外方延在縁部を上昇させ、
(i)前記レバーの前記近位端部の前記湾曲先端部と、(ii)前記ロック本体の前記外方延在縁部との間の接触点は、垂直方向に上方に移動することを特徴とする請求項3に記載のファンモジュール。
【請求項5】
前記ロック本体は、前記ロック位置に向かって付勢されており、前記ロック本体は、(i)1つ以上のスプリング、(ii)ロック本体の可撓性若しくは圧縮性部分、又は、(iii)(i)及び(ii)の両方を用いて付勢されていることを特徴とする請求項1に記載のファンモジュール。
【請求項6】
前記レバーが前記第1位置にある場合、前記レバーの前記ハンドルは、(i)前記少なくとも1つの上面、及び、(ii)前記側面に隣接して配置され、これにより、前記第1アーム及び前記第2アームは、前記第1側支持部及び前記第2側支持部に対して平行であり、
前記レバーが前記第2位置にある場合、前記レバーの前記ハンドルは、前記フレームピースから外側に延在し、これにより、前記第1アーム及び前記第2アームは、前記第1側支持部及び前記第2側支持部に対して垂直であることを特徴とする請求項
1に記載のファンモジュール。
【請求項7】
前記レバーは、前記ハンドルに結合されたラッチであって、静止位置と圧縮位置との間で移動可能なラッチを備え、前記ラッチは、前記静止位置に向かって付勢されており、
前記フレームピースは、前記フレームピースの少なくとも1つの上面から突出する1つ以上のタブを含み、前記レバーが前記第1位置にあり、且つ、前記ラッチが前記静止位置にある場合、前記レバーの前記ラッチは、前記フレームピースの前記側面と1つ以上のタブとの間に位置し、これにより、前記レバーが前記第1位置から前記第2位置に移動するのを抑制し、
前記ラッチを前記静止位置から前記圧縮位置に移動させると、前記ラッチが前記1つ以上のタブの上方に上昇することを特徴とする請求項
1に記載のファンモジュール。
【請求項8】
前記ファンモジュールは、シャーシと組み合わされており、前記シャーシは、1つ以上のファンモジュールを保持するように構成されており、前記ファンモジュールは、前記シャーシのフロアに搭載されており、前記ロック本体は、前記ロック本体が前記ロック位置にある場合に、前記シャーシの前記フロアに画定されたロック開口を通って延在し、前記レバーを前記第1位置から前記第2位置に移動させると、前記ロック本体が前記ロック開口から前記アンロック位置まで上昇することを特徴とする請求項1に記載のファンモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、コンピュータデバイス、又は、システムを冷却するファンモジュールに関する。具体的には、本発明の態様は、ファンモジュールをシャーシにロックし、ファンモジュールをシャーシからアンロックするのに用いられるレバーを有するファンモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ファンモジュールは、使用中のコンピュータデバイス及びシステムの冷却に用いられる。一般的に、1つ以上のファンモジュールは、シャーシに搭載されており、コンピュータデバイス又はシステムの使用期間中にファンモジュールを安定させるとともに、厳密な配置を提供する。ファンモジュールは、使用中の不慮の移動を抑制するために、シャーシ内の所定の位置にロックする必要がある。しかし、ファンモジュールを修理又は交換するために、シャーシから簡単に取り外し可能である必要もある。ファンモジュールをシャーシ内の所定の位置にロックできるだけでなく、修理又は交換のためにファンモジュールを簡単にアンロックできるコンポーネントは、多くの場合、嵩張るか扱い難いものである。しかし、コンピュータデバイス又はシステム内の空間を効率的に利用することは重要であり、これらの嵩張る又は扱い難いコンポーネントは、多くの場合、実用的ではない。
【0003】
よって、最小限の空間を占有しながら、シャーシに対して容易にロック及びアンロックすることができる改良されたファンモジュールが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ピボットレバー及び効率的な空間利用を有するファンモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の様々な例は、ファンモジュールに関する。本発明の第1実施形態では、ファンモジュールは、ハウジングと、ロック本体と、レバーと、を備える。ハウジングは、ファンを収容するように構成された中空内部を画定する。ロック本体は、ハウジングに結合されており、ロック位置とアンロック位置との間で移動可能である。レバーは、ハウジングに結合されており、第1位置と第2位置との間で移動可能である。レバーを第1位置から第2位置に移動させると、ロック本体がロック位置からアンロック位置に移動する。
【0006】
第1実施形態のいくつかの例では、ロック本体がロック位置にある場合、ロック本体の下端部は、ハウジングの下端部の下方に位置する。
【0007】
第1実施形態のいくつかの例では、ロック本体がアンロック位置にある場合、ロック本体の下端部は、ハウジングの下端部の上方に位置する。
【0008】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーは、近位端部と、遠位端部と、を有する。レバーの近位端部は、ハウジングにピボット(回動)可能に結合されている。
【0009】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーが第1位置から第2位置に移動すると、レバーの近位端部がロック本体に接触し、ロック本体をロック位置からアンロック位置に移動させる。
【0010】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーの近位端部は、湾曲先端部(curved tip)を有しており、ロック本体は、外方延在縁部(outwardly-extending lip)を有している。ロック本体の外方延在縁部は、レバーの近位端部の湾曲先端部に接触するように構成されている。
【0011】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーが第1位置から第2位置にピボットする場合に、レバーの近位端部の湾曲先端部がピボットする。湾曲先端部がピボットする場合、湾曲先端部は、ロック本体がロック位置からアンロック位置に移動するように、ロック本体の外方延在縁部を上昇させる。
【0012】
第1実施形態のいくつかの例では、(i)レバーの近位端部の湾曲先端部と、(ii)ロック本体の外方延在縁部との間の接触点は、レバーが第1位置から第2位置に移動すると、ほぼ垂直方向に上方に移動する。
【0013】
第1実施形態のいくつかの例では、ロック本体は、ロック位置に向かって付勢されている。
【0014】
第1実施形態のいくつかの例では、ロック本体は、(i)1つ以上のバネ、(ii)ロック本体の可撓性若しくは圧縮性部分、又は、(iii)(i)及び(ii)の両方を用いて付勢されている。
【0015】
第1実施形態のいくつかの例では、ファンモジュールは、ハウジングの端部に結合されたフレームピースをさらに備える。フレームピースは、上部支持部と、上部支持部の第1端部に結合された第1側支持部と、上部支持部の第2端部に結合された第2側支持部と、を含む。レバーは、フレームピースにピボット可能に搭載されている。
【0016】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーは、第1アームと、第2アームと、ハンドルと、を含む。第1アームの近位端部は、フレームピースの第1側支持部にピボット可能に搭載されている。第2アームの近位端部は、フレームピースの第2側支持部にピボット可能に搭載されている。ハンドルは、第1アームの遠位端部及び第2アームの遠位端部に結合されている。
【0017】
第1実施形態のいくつかの例では、フレームピースは、(i)第1側支持部の上端部、(ii)第2側支持部の上端部、又は、(iii)(i)及び(ii)の両方によって形成される少なくとも1つの上面を含む。また、フレームピースは、上部支持部によって形成された側面を含む。側面は、少なくとも1つの上面に対してほぼ垂直に配置されている。
【0018】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーが第1位置にある場合、レバーのハンドルは、(i)少なくとも1つの上面、及び、(ii)側面に隣接する。第1位置において、第1アーム及び第2アームは、第1側支持部及び第2側支持部に対してほぼ平行である。レバーが第2位置にある場合、レバーのハンドルは、フレームピースから外側に延在する。第2位置において、第1アーム及び第2アームは、第1側支持部及び第2側支持部に対してほぼ垂直である。
【0019】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーは、ハンドルに結合されたラッチをさらに備える。ラッチは、静止位置と圧縮位置との間で移動可能であり、ラッチは、静止位置に向かって付勢されている。
【0020】
第1実施形態のいくつかの例では、フレームピースは、フレームピースの少なくとも1つの上面から突出する1つ以上のタブを含む。レバーが第1位置にあり、且つ、ラッチが静止位置にある場合、レバーのラッチは、フレームピースの側面と1つ以上のタブとの間に位置する。この構成によれば、レバーが第1位置から第2位置に移動することが抑制される。
【0021】
第1実施形態のいくつかの例では、ラッチを静止位置から圧縮位置に移動させると、ラッチが1つ以上のタブの上方に上昇する。この構成によれば、レバーが第1位置から第2位置に移動することが抑制されない。
【0022】
第1実施形態のいくつかの例では、第1側支持部は外方延在縁部を有し、ロック本体は内方延在縁部(inwardly-extending lip)を有する。レバーが第1位置にある場合、ロック本体の内方延在縁部は、第1側支持部の外方延在縁部上に位置する。
【0023】
第1実施形態のいくつかの例では、レバーを第1位置から第2位置に移動させると、レバーがロック本体に接触する。レバーとロック本体との間の接触によって、ロック本体の内方延在縁部が第1側支持部の外方延在縁部から上昇する。
【0024】
第1実施形態のいくつかの例では、ファンモジュールは、シャーシと組み合わせて存在する。シャーシは、1つ以上のファンモジュールを保持するように構成されている。ファンモジュールは、シャーシのフロアに搭載されている。ロック本体がロック位置にある場合、ロック本体は、シャーシのフロアに画定されたロック開口を通って延在する。レバーを第1位置から第2位置に移動させると、ロック本体がロック開口からアンロック位置まで上昇する。
【0025】
上記の概要は、本発明の各実施形態又は各態様を表すことを意図するものではない。むしろ、上述した概要は、本明細書に記載されるいくつかの新規な態様及び特徴の例を単に提供するに過ぎない。上記の特徴及び利点と他の特徴及び利点とは、添付の図面及び特許請求の範囲に関連して考慮される場合、本発明を実施するための代表的な実施形態及びモードの以下の詳細の説明から容易に明らかになるであろう。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、最小限の空間を占有しながら、シャーシに対して容易にロック及びアンロックすることができる。
【0027】
本発明は、添付の図面を参照して、例示的な実施形態の以下の説明からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】シャーシ内に搭載される複数のファンモジュールを含むファンウォールを示す図である。
【
図2A】
図1のファンモジュールのうち1つのファンモジュールの斜視図である。
【
図4B】
図4Aのフレームピースの第1側の第2斜視図である。
【
図4C】
図4Aのフレームピースの第2側の第1斜視図である。
【
図4D】
図4Aのフレームピースの第2側の第2斜視図である。
【
図6】
図2A及び
図2Bのファンモジュールのレバー及びロック本体の拡大図である。
【
図7B】レバーが第1位置にある場合の
図2A及び
図2Bのファンモジュールのロック本体の拡大斜視図である。
【
図8A】レバーが第1位置と第2位置との間にある場合の
図2A及び
図2Bのファンモジュールの側面図である。
【
図8B】レバーが第1位置と第2位置との間にある場合の
図2A及び
図2Bのファンモジュールのロック本体の拡大斜視図である。
【
図9B】レバーが第2位置にある場合の
図2A及び
図2Bのファンモジュールのロック本体の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、様々な変更及び代替形態を受け入れることができる。いくつかの代表的な実施形態は、例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし、本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲に含まれる全ての変更、均等物及び代替物を包含する。
【0030】
本発明は、多くの異なる形態で具体化することができる。代表的な実施形態を図面に示し、本明細書で詳細に説明する。本開示は、本発明の原理の一例又は例示であり、本発明の広い態様を、図示した実施形態に限定することを意図していない。その範囲において、例えば、要約、概要及び詳細な説明に開示されているが、特許請求の範囲に明示的に記載されていない要素及び限定は、単独で又は集合的に、黙示、推論又は他の方法によって特許請求の範囲に組み込まれてはならない。本発明を詳細に説明する目的のために、特に否定しない限り、単数形は複数形を含み、その逆もまた同様である。「含む」という用語は、「制限なしに含む」ことを意味している。さらに、例えば、「約」、「殆ど」、「実質的に」、「およそ」等の近似語は、本明細書では、例えば、「~に」、「~に近い」、「大体」、「~の3~5%の範囲内」、「許容される製造公差内」、又は、これらの任意の論理的組み合わせを意味するものとして用いることができる。
【0031】
図1は、複数のファンモジュール20を含むファンウォール(fan wall)10を示す図である。ファンモジュール20は、シャーシ12内に搭載されている。各ファンモジュール20は、シャーシ12内の対応するソケット14内に搭載されている。ファンモジュール20は、対応するソケット14のフロア16上にある。各ファンモジュール20は、少なくとも1つのファン(図示省略)を含む。シャーシ12内に搭載されたファンモジュール20は、例えばサーバ等のコンピュータデバイス又はシステムの一部として含まれてもよい。コンピュータデバイス又はシステムのコンポーネントは、コンピュータデバイス又はシステムの動作中にファンによって冷却される。以下により詳細に説明するように、ファンモジュール20は、使用中の不要な移動を抑制するためにシャーシ12にロックされてもよい。
【0032】
図2A及び
図2Bは、個々のファンモジュール20を示す図である。
図2Aは、ファンモジュール20の斜視図であり、
図2Bは、ファンモジュール20の側面図である。ファンモジュール20は、概して、中空内部24(
図3A及び
図3B)を画定するハウジング22を含む。個々のファン(図示省略)は、ハウジング22の中空内部24内に配置されている。ファンシールド26は、ハウジング22の第1端部30Aに結合されている。ファンシールド26は、ハウジング22内に搭載されたファンを保護し、使用中にユーザ(又は、他の異物)が不用意にファンに接触するのを抑制する。ファンコネクタ28は、ハウジング22の対向する第2端部30Bに結合されている。ファンコネクタ28は、ファンを、コンピュータデバイス又はシステム内の他のコンポーネントに電気的に接続する。これらの他のコンポーネントを、コンピュータデバイス又はシステムの動作中にファンを制御するために使用することができる。
【0033】
ファンモジュール20は、ファンモジュール20をシャーシ12又はシャーシ12のフロア16(
図1)にロックするのに使用される第1ロック本体40Aをさらに含む。また、ファンモジュールは、
図3A及び
図3Bに示す第2ロック本体を有する。ファンモジュール20を修理又は交換するために、レバー80がハウジング22に結合される。レバー80は、第1ロック本体40Aをロック位置とアンロック位置との間で移動させるのに使用される。第1ロック本体40Aがアンロック位置に移動すると、ファンモジュール20をシャーシ12から取り外すことができる。
【0034】
ファンモジュール20は、ハウジング22に結合されたフレームピース50をさらに含む。
図2A及び
図2Bに示す実施形態では、フレームピース50は、ハウジング22に直接結合されている。第1ロック本体40Aは、ハウジング22とフレームピース50との間に位置し、レバー80は、フレームピース50にピボット可能に搭載されている。後述するように、レバー80を、第1位置(
図2A、
図2B及び
図7Aに示す)と第2位置(
図9Aに示す)との間でピボットさせて、第1ロック本体40Aを、ロック位置(
図2A、
図2B、
図7A及び
図7Bに示す)からアンロック位置(
図9A及び
図9Bに示す)に上昇させることができる。
【0035】
フレームピース50は、上部支持部52と、下部支持部54と、第1側支持部56と、第2側支持部58とから形成されている。第1側支持部56は、上部支持部52及び下部支持部54の一端を接続する。同様に、第2側支持部58は、上部支持部52及び下部支持部54の反対側の端部を接続する。
図2A及び
図2Bに示す実施形態では、フレームピース50は、略正方形の断面を有している。また、ハウジング22の第1端部30Aも略正方形の断面を有している。他の実施形態では、フレームピース50及びハウジング22は、他のタイプ又は形状の断面を有してもよい。
【0036】
レバー80は、第1アーム84A及び第2アーム84Bに接続されたハンドル82から形成されている。第1アーム84Aの近位端部85Aは、フレームピース50の第1側支持部56に結合されている。第2アーム84Bの近位端部85Bは、フレームピース50の第2側支持部58に結合されている。第1アーム84Aの遠位端部86Aは、ハンドル82の一端に接続されている。第2アーム84Bの遠位端部86Bは、ハンドル82他端に接続されている。
【0037】
図3A及び
図3Bは、
図2A及び
図2Bのファンモジュール20の分解図である。分解されたコンポーネントには、ファンシールド26と、ロック本体40A,40Bと、フレームピース50(上部支持部52、下部支持部54、第1側支持部56及び第2側支持部58から形成されている)と、レバー80と、が含まれている。
図3A及び
図3Bは、ファンモジュール20の各種コンポーネントを説明するためにここで使用される3つの軸を定義する。縦軸(longitudinal axis)Lは、ハウジング22、ファンシールド26、ロック本体40A,40B、フレームピース50及びレバー80が全て整列される(aligned)軸である。ファンは、縦軸Lに沿ってハウジング22に挿入され又はハウジングから取り外される。ファンモジュール20は、縦軸Lに沿ってシャーシ12に挿入され又はシャーシ12から取り外すことができる。
【0038】
垂直軸(vertical axis)Vは、縦軸Lに対してほぼ垂直である。垂直軸Vは、ハウジング22の第1端部30Aの上端部32及び下端部34を接続する。横軸(transverse axis)Tは、縦軸L及び垂直軸Vの両方に対してほぼ垂直である。横軸Tは、ハウジング22の第1端部30Aの第1側端部36及び第2側端部38を略接続する。これらの軸L,V,Tは、
図4A~
図5Bにも示されている。
【0039】
図3A及び
図3Bからわかるように、上部支持部52は、ハウジング22とは反対側を向く縦方向対向(longitudinally-facing)面74を形成する。フレームピース50の第1側支持部56の上部は、縦方向対向面74に垂直な第1上面70Aを形成する。第2側支持部58の上部は、縦方向対向面74に垂直に面する第2上面70Bを形成する。第1保持タブ(retention tab)72Aは、第1上面70Aから上方に延在し、第2保持タブ72Bは、第2上面から上方に延在する。
【0040】
図示するように、ファンモジュール20は、ハウジング22の両側に配置された第1ロック本体40A及び第2ロック本体40Bを有する。第1ロック本体40Aは、ハウジング22の第1側端部36と、フレームピース50の第1側支持部56との間に位置する。第2ロック本体40Bは、ハウジング22の第2側端部38と、フレームピース50の第2側支持部58との間に位置する。ファンモジュール20が組み立てられる場合(
図2A及び
図2Bに示す)、第1ロック本体40Aは、概して、ハウジング22の第1側端部36と、フレームピース50の第1側支持部56とによって所定の位置に保持される。同様に、第2ロック本体40Bは、概して、ハウジング22の第2側端部38と、フレームピース50の第2側支持部58とによって所定の位置に保持される。
【0041】
図4A及び
図4Bは、フレームピース50の、ハウジング22(
図3A及び
図3B)に面する側の斜視図である。
図4C及び
図4Dは、フレームピース50の、ハウジング22(
図3A及び
図3B)に対して反対に向く側の斜視図である。フレームピース50の第1側支持部56は、第1外方延在縁部(outwardly-extending lip)60Aと、第2外方延在縁部76Aと、を有する。外方延在縁部60A,76Aは、第1側支持部56及び第2側支持部58の両方から離れるように、横軸Tに沿って第1横方向に延在する。第2側支持部58は、同様に、第1外方延在縁部60Bと、第2外方延在縁部76Bと、を有する。外方延在縁部60B,76Bは、第1側支持部56及び第2側支持部58の両方から離れるように、横軸Tに沿って第2横方向に延在する。第2横方向は、第1横方向に対してほぼ平行であり、第1横方向に対して反対である。
【0042】
フレームピース50の第1側支持部56は、下部57Aと、上部59Aとを有する。下部57Aは、上部59Aよりも横軸Tに沿って幅が広い。よって、下部57Aは、互いに垂直に対向する縦方向対向面64A及び横方向対向面66Aを形成する。同様に、フレームピース50の第2側支持部58は、下部57Bと、上部59Bとを有する。下部57Bは、上部59Bよりも横軸Tに沿って幅が広い。よって、下部57Bは、互いに垂直に対向する縦方向対向面64B及び横方向対向面66Bを形成する。
【0043】
第1側支持部56及び第2側支持部58は、レバー80をフレームピース50にピボット可能に取り付けるのを補助する取付ボス(mounting boss)を有する。第1取付ボス68Aは、第1横方向に、第1側支持部56から外側に延在する。第2取付ボス68Bは、第2横方法に、第2側支持部58から外側に延在する。
【0044】
上部支持部52の縦方向の寸法は、第1側支持部56の上部59Aの縦方向の寸法よりも概ね小さい。よって、上部59Aは、第1上面70Aを形成する。同様に、上部支持部52の縦方向の寸法は、第2側支持部58の上部59Bの縦方向の寸法よりも概ね小さい。よって、上部59Bは、第2上面70Bを形成する。
【0045】
第1保持タブ72Aは、第1上面70Aから垂直軸Vに沿って上方に延在する。第2保持タブ72Bは、第2上面70Bから垂直軸Vに沿って上方に延在する。上部支持部52は、垂直軸Vに沿って、第1側支持部56及び第2側支持部58の上面70A,70Bの上方に延在する。よって、上部支持部52は、第1上面70A及び第2上面70Bにほぼ垂直な側面74(すなわち、縦方向対向面74)を形成する。
【0046】
図5A及び
図5Bは、ロック本体40A及びロック本体40Bの斜視図である。ロック本体40A,40Bは、上部41Aと、下部41Bと、厚い中間部41Cと、を有する。上部41A及び下部41Bは、各々の中間部41Cから反対方向にオフセット(offset)されている。各ロック本体40A,40Bの下部41Bは、フレームピース50から離れる方向に、中間部41Cからオフセットしている(
図3A及び
図3B)。各ロック本体40A,40Bの上部41Aは、フレームピース50に向かう方向に、中間部41Cからオフセットしている。
【0047】
よって、第1ロック本体40Aの下部41Bは、横軸Tに沿って第1横方向に中間部41Cからオフセットしている。第1ロック本体40Aの上部41Aは、横軸Tに沿って第2横方向に中間部41Cからオフセットしている。第2ロック本体40Bの下部41Bは、横軸Tに沿って第2横方向に中間部41Cからオフセットしている。第2ロック本体40Bの上部41Aは、横軸Tに沿って第1横方向に中間部41Cからオフセットしている。
【0048】
第1ロック本体40Aの下部41B及び中間部41Cは、内方延在(例えば、フレームピース50に向かう)縁部42を形成する。また、第2ロック本体40Bの下部41B及び中間部41Cは、内方延在縁部42を形成する。ファンモジュール20が組み立てられる場合、第1ロック本体40Aの内方延在縁部42は、第1側支持部56の外方延在縁部60A上に存在する。第2ロック本体40Bの内方延在縁部42は、第2側支持部58の外方延在縁部60B上に存在する。
【0049】
ロック本体40A,40Bの両方は、外方延在縁部46を有する。外方延在縁部46は、ロック本体40A,40Bの上部41Aから横軸Tに沿ってフレームピース50から離れる方向に延在する。以下により詳細に説明するように、レバー80の第1アーム84Aの湾曲先端部94Aは、第1ロック本体40Aの外方延在縁部46に接触して、第1ロック本体40Aをロック位置からアンロック位置に移動させる(
図6に示す)。同様に、レバー80の第2アーム84Bの湾曲先端部94Bは、第2ロック本体40Bの外方延在縁部46に接触して、第2ロック本体40Bをロック位置からアンロック位置に移動させる。
【0050】
図4A~
図5Bを参照すると、ファンモジュール20が組み立てられる場合(
図2A及び
図2B)、第1ロック本体40Aは、(i)ハウジング22の第1端部30Aの第1側端部36と、(ii)第1側支持部56の縦方向対向面64Aと、(iii)第1側支持部56の横方向対向面66Aと、(iv)第1側支持部56の外方延在縁部60Aと、の間に位置する。ファンモジュール20が組み立てられる場合、第2ロック本体40Bは、(i)ハウジング22の第1端部30Aの第1側端部36と、(ii)第2側支持部58の縦方向対向面64Bと、(iii)第2側支持部58の横方向対向面66Bと、(iv)第2側支持部58の外方延在縁部60Bと、の間に位置する。
【0051】
いくつかの実施形態では、ロック本体40Aは、ロック本体40Aがアンロック位置まで上昇したときに、第2外方延在縁部76Aに接触する。同様に、いくつかの実施形態では、ロック本体40Bは、ロック本体40Bがアンロック位置まで上昇したときに、第2外方延在縁部76Bに接触する。よって、外方延在縁部76A,76Bは、レバー80が第2位置を超えて過度にピボットするのを抑制することができる(
図9Aに示す)。
【0052】
図3A及び
図3Bに戻って参照すると、第1アーム84Aの近位端部85Aは、対応する第1取付開口(mounting aperture)88Aを有する。第2アーム84Bの近位端部85Bは、対応する第2取付開口88Bを有する。レバー80がフレームピース50に搭載されると、第1アーム84Aの近位端部85Aが第1側支持部56上に配置され、第1取付ボス68Aが第1取付開口88Aを通って延在する。同様に、第2アーム84Bの近位端部85Bが第2側支持部58上に配置され、第2取付ボス68Bが第2取付開口88Bを通って延在する。よって、レバー80の第1アーム84A及び第2アーム84Bは、第1取付ボス及び第2取付ボス68A,68Bを用いて、第1側支持部56及び第2側支持部58にピボット可能に搭載される。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1取付ボス68Aは、締まりばめ(interference fit)を用いて、第1アーム84Aの近位端部85Aに結合される。同様に、第2取付ボス68Bは、締まりばめを用いて、第2アーム84Bの近位端部85Bに結合され得る。これらの実施形態では、第1取付ボス68Aと取付開口88Aの周囲との間の摩擦によって、第1アーム84Aがフレームピース50に固定される。同様に、第2取付ボス68Bと取付開口88Bの周囲との間の摩擦によって、第2アーム84Bがフレームピース50に固定される。これらのコンポーネント間の摩擦は、第1アーム84A及び第2アーム84Bが、対応する取付ボス68A,68Bから不用意に外れるのを抑制するのに十分な大きさである。また、これらのコンポーネント間の摩擦は、アーム84A,84B(及び、レバー80)がフレームピース50に対してピボットするのに十分な小ささである。
【0054】
他の実施形態では、取付ボス68A,68Bの外端部の直径は、取付開口88A,88Bの直径よりも僅かに大きい。取付ボス68A,68Bの残りの部分の直径は、取付開口88A,88Bの直径よりも僅かに小さい。また、取付ボス68A,68Bは、ほぼ圧縮性の材料から形成される。第1アーム84A及び第2アーム84Bの近位端部85A,85Bは、取付ボス68A,68Bにスナップ留めされて(snap)、レバー80をフレームピース50に固定することができる。取付ボス68A,68Bの外端部に加えられる力によって、外端部が僅かに圧縮される。これにより、取付ボス68A,68Bの外端部が、取付開口88A,88Bを通過することができる。その後、取付ボス68A,68Bの外端部の大きい直径によって、第1アーム84A及び第2アーム84Bがフレームピース50に固定される。
【0055】
レバー80が第1位置にある場合(
図2A、
図2B及び
図7Aに示す)、第1アーム84A及び第2アーム84Bは、垂直軸Vに沿って上方に延在し、フレームピース50の第1側支持部56及び第2側支持部58とほぼ平行である。第1位置では、レバー80のハンドル82は、上部支持部52の縦方向対向面74と、第1側支持部56及び第2側支持部58の第1上面70A及び第2上面70Bと、に隣接及び近接して配置される。
【0056】
レバー80は、レバー80を第1位置に受動的に維持するのに使用されるラッチ90を含む。ラッチ90は、バネ92A,92Bを介してハンドル82の下側に結合される。バネ92A,92Bは、ラッチ90を、静止位置に向けて下方に付勢する。ユーザは、ラッチ90及びハンドル82を圧迫することにより、バネ92A,92Bを圧縮することができる。よって、ラッチ90は、圧縮位置まで垂直軸Vに沿って上方に移動する。
【0057】
ファンモジュール20がシャーシ12にロックされると、レバー80は、フレームピース50の上部支持部52に隣接する第1位置にあり、ラッチ90は、静止位置にある。ラッチ90が静止位置にある場合、ラッチ90は、第1側支持部56及び第2側支持部58の第1上面70A及び第2上面70Bに隣接して配置される。ラッチ90の第1アーム84Aに近い部分は、(i)上部支持部52の縦方向対向面74の第1側支持部56に近い部分と、(ii)第1保持タブ72Aとの間に位置する。
【0058】
同様に、ラッチ90の第2アーム84Bに近い部分は、(i)上部支持部52の縦方向対向面74の第2側支持部58に近い部分と、(ii)第2保持タブ72Bとの間に位置する。これにより、ラッチ90は、(i)上部支持部52の縦方向対向面74と、(ii)第1保持タブ72A及び第2保持タブ72Bとによって、所定の位置にロックされる。ラッチ90がレバー80のハンドル82に結合されるので、レバー80も所定の位置にロックされ、第1位置から第2位置(
図9Aに示す)に移動することができない。よって、ラッチ90は、ファンモジュール20が使用中に不用意にシャーシ12からアンロックされるのを抑制する。
【0059】
他の実施形態では、ラッチ90は、保持タブ72A,72Bと縦方向対向面74との間に完全に配置されていない。むしろ、ラッチ90の下側は、レバーが第1位置にあり、且つ、ラッチ90が圧縮されていない場合に、保持タブ72A,72Bが嵌合する開口(図示省略)を有することができる。よって、ラッチ90の一部は、保持タブ72A,72Bの片側に位置する(縦方向対向面74に直接隣接する)ことになる。ラッチ90の他の部分は、保持タブ72A,72Bの縦方向対向面74の反対側に配置される。
【0060】
レバー80をアンロックするために、ラッチ90及びハンドル82を、バネ92A,92Bが圧縮するように押圧して、ラッチ90を圧縮位置に移動させる。圧縮位置では、ラッチ90は、垂直軸Vに沿って第1保持タブ72A及び第2保持タブ72Bの上方に位置する。これにより、ラッチ90は、(i)上部支持部52の縦方向対向面74と、(ii)第1保持タブ72A及び第2保持タブ72Bとの間の位置にロックされなくなる。レバー80は、第1位置から第2位置にピボットすることが抑制されなくなる。第2位置では、第1アーム84A及び第2アーム84Bは、縦軸Lに沿って延在し、第1側支持部56及び第2側支持部58に対してほぼ垂直である。レバー80のハンドル82は、縦軸Lに沿って、フレームピース50から離れて位置する。
【0061】
図示した実施形態では、ラッチ90は、上部支持部52及び/又はハンドル82とほぼ同じ長さである。よって、ラッチ90は、(i)第1側支持部56の第1上面70Aと(ii)第2側支持部58の第2上面70Bとの間の横方向の距離全体に及ぶ。しかし、他の実施形態も可能である。一実施形態では、フレームピース50は、保持タブ72A,72Bのうち一方のみを有する。よって、ラッチ90は、上部支持部52及び/又はハンドル82と同じ長さである必要がない。代わりに、ラッチ90は、第1アーム84A及び第2アーム84Bのうち一方の近傍においてのみハンドル82の下方に配置され得る。ラッチ90は、圧縮位置にある場合、上部支持部52の縦方向対向面74と、第1保持タブ72A又は第2保持タブ72Bとの間に配置される。他の実施形態では、保持タブは、上部支持部52のほぼ中央付近に配置され、ラッチ90は、ハンドル82のほぼ中央付近に配置される。ラッチ90の長さは、保持タブの位置にかかわらず、ハンドル82と同じであってもよい。
【0062】
ファンモジュール20のロックコンポーネント(フレームピース50、第1ロック本体40A、第2ロック本体40B、レバー80、及び、ハンドル82)は、使用時にハウジング22の第1端部30Aを超えて僅かな空間を占有する。上部支持部52及びハンドル82の両方の縦方向の寸法は、第1側支持部56の上部59Aの縦方向の寸法、及び、第2側支持部58の上部59Bの縦方向の寸法よりも小さい。よって、レバー80が第1位置にある場合、レバー80は、上部支持部52に近接して配置され得る。
【0063】
レバー80は、縦軸に沿ってフレームピース50自身よりも遠くまで延在しないので、ファンモジュール20のロックコンポーネントが占有する空間の量が減少する。いくつかの実施形態では、ファンモジュール20のロックコンポーネントがハウジング22の第1端部30Aを超えて延在する最大距離は、約20.0mm、約19.0mm、約19.0mm~約20.00mm、又は、約15.0mm~約20.0mmである。
【0064】
図6は、レバー80を第1位置から第2位置に移動させたときの(i)レバー80の第1アーム84Aの近位端部85Aと(ii)第1ロック本体40Aとの間の相互作用を示す図である。
図4では、第1アーム84A及び第1ロック本体40Aのみを示しているが、第1アーム84Bの近位端部85Bと第2ロック本体40B(
図3A及び
図3B)との間の相互作用は、ほぼ同じである。
【0065】
図示するように、第1アーム84Aの近位端部85Aは、湾曲先端部94Aで終端する。湾曲先端部94Aは、第1ロック本体40Aの外方延在縁部46の下側に接触する。レバー80が第1位置から第2位置にピボットすると、第1アーム84Aの近位端部85Aは、第1取付68Aを中心にピボットする。湾曲先端部94Aは、垂直軸Vに沿って上方に移動し、縦軸Lに沿ってハウジング22から離れる。
【0066】
湾曲先端部94Aが上方及び外側に移動すると、第1ロック本体40Aの外方延在縁部46を上方に押し上げる。これにより、湾曲先端部94Aは、第1ロック本体40Aを垂直軸Vに沿って上昇させ、第1ロック本体40Aをロック位置からアンロック位置に移動させる。よって、第1アーム84Aの近位端部85Aの湾曲先端部94Aは、レバー80のピボットを第1ロック本体40Aの線形移動に変換するカム(cam)として作用する。
【0067】
図7A~
図9Bは、レバー80が第1位置から第2位置に移動する場合の(よって、ロック本体40Aがロック位置からアンロック位置に移動する場合の)、ハウジング22に対するレバー80及び第1ロック本体40Aの位置を示す図である。
図6と同様に、
図7A~
図9Bは、第1ロック本体40A及びレバー80の第1アーム84Aのみを示している。しかし、これらのコンポーネントの説明は、第2ロック本体40B及びレバー80の第2アーム84B(
図3A及び
図3B)にも同様に適用される。
【0068】
図7A及び
図7Bでは、レバー80は第1位置にある。第1位置では、ハンドル82は、フレームピース50の上部支持部52に隣接して配置されている。また、ハンドル82は、(i)第1側支持部56及び第2側支持部58の上面70A,70B(
図2A及び
図2B)と、(ii)第1保持タブ72A及び第2保持タブ72B(
図3A及び
図3B)とに隣接して配置される。レバー80が第1位置にある場合、湾曲先端部94Aは、第1ロック本体40Aの外方延在縁部46からほぼ下方に向いている。よって、湾曲先端部94Aは、外方延在縁部46に接触せず、第1ロック本体40Aは、ロック位置にある。
【0069】
ロック位置では、ロック本体40Aの下端部44は、ハウジング22の第1端部30Aの下端部34の下方に配置される。ロック位置では、ロック本体40Aの下端部44は、ファンモジュール20の他のコンポーネント又はファンモジュール20の一部の下方に配置される。ファンモジュール20がシャーシのフロア16上にある場合、ロック本体40Aの下端部44は、
図7Bに示すように、シャーシ12のフロア16に画定されたロック開口18を通って延在する。よって、ファンモジュール20は所定の位置にロックされ、ファンモジュール20がシャーシ12内で不用意に移動するのを抑制する。
【0070】
図8A及び
図8Bでは、レバー80は、既に、第1位置から、第1位置と第2位置との間の中間位置にピボットしている。ここで、レバー80の第1アーム84Aは、第1側支持部56に対して水平ではなく、第1側支持部56に対して垂直でもない。レバー80が、第1位置から離れる方向にピボットし始めたので、第1アーム84Aの近位端部85Aの湾曲先端部94Aは上方にピボットし始めている。湾曲先端部94Aは、第1ロック本体40Aの外方延在縁部46に接触し始める。よって、湾曲先端部94Aは、ロック本体40Aをロック位置から移動させ始めている。
図8Aに示すように、ロック本体40Aの下端部44は、ハウジング22の下端部34の上方に未だ上昇していない。
図8Bに示すように、レバー80が中間位置に移動した場合、ロック本体40Aの下端部44は、フロア16に画定されたロック開口18から未だ立ち上がっていない。
【0071】
図9A及び
図9Bでは、レバー80が、第2位置までずっとピボットしている。第2位置では、レバー80の第1アーム84Aは、第1側支持部56に対してほぼ垂直である。第1アーム84Aの遠位端部86A及びハンドル82は、縦軸に沿ってフレームピース50から離れて配置されている。レバー80が第2位置にピボットすると、第1アーム84Aの近位端部85Aの湾曲先端部94Aが上方にピボットし続ける。湾曲先端部94Aが第1ロック本体40Aの外方延在縁部46を押圧すると、第1ロック本体40Aがアンロック位置まで上昇する。
図9Aに示すように、第1ロック本体40Aの下端部44は、ハウジング22の下端部34の上方に位置している。
図9Bは、ファンモジュール20がシャーシ12に搭載され、第1ロック本体40Aがアンロック位置に移動した場合に、第1ロック本体40Aの下端部44が、シャーシ12のフロア16のロック開口18内まで延在しないことを示している。よって、レバー80が第2位置に移動して、ロック本体40Aがアンロック位置に移動した場合に、ファンモジュール20をシャーシ12から安全に取り外すことができる。
【0072】
図7A、
図8A及び
図9Aからわかるように、第1ロック本体40Aの上方への移動量は、第1取付開口88Aと第1ロック本体40Aの外方延在縁部46との間の第1アーム84Aの寸法に依存する。第1アーム84Aの湾曲先端部94Aが下方に湾曲して取付開口88Aから離れるので、この寸法は、レバー80が第2位置にピボットし、湾曲先端部94Aが上方にピボットするにつれて、ゆっくりと増加する。
図7Aでは、第1取付開口88Aと第1ロック本体40Aの外方延在縁部46との間の第1アーム84Aの寸法が最小化されている。よって、ロック本体40Aは、ロック位置に固定される。
【0073】
図8Aでは、湾曲先端部94Aが上方にピボットし始めている。ここで、第1取付開口88Aと第1ロック本体40Aの外方延在縁部46との間の第1アーム84Aの寸法は、先端部の湾曲により大きくなっている。よって、ロック本体40Aは、先ず、ロック位置から上昇する。最後に、
図9Aにおいて、第1取付開口88Aと第1ロック本体40Aの外方延在縁部46との間の第1アーム84Aの寸法が最大になる。レバー80は、第2位置までずっとピボットしており、これにより、湾曲先端部94Aは、第1取付開口88Aと第1ロック本体40Aの外方延在縁部46との間にほぼ配置されるのに十分に上方にピボットしている。よって、湾曲先端部94Aは、ロック本体40Aを完全にアンロック位置まで上昇させている。
図7A、
図8A及び
図9Aの比較からわかるように、レバー80が第1位置から第2位置に移動すると、第1アーム84Aの近位端部85Aと第1ロック本体40Aの外方延在縁部46との間の接触点がほぼ垂直方向に上方に移動する。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1ロック本体40A及び第2ロック本体40Bは、ロック位置に向かって付勢されてもよい。一実施形態では、1つ以上のバネは、第1ロック本体40A及び第2ロック本体40Bがロック位置まで上方に移動するのに伴って圧縮するように配置されている。この実施形態では、レバー80を第2位置に移動させる力が解除されるとバネが拡張し、第1ロック本体40A及び第2ロック本体40Bが自動的にロック位置に戻る。別の実施形態では、第1ロック本体40A及び第2ロック本体40Bは、一般的に、圧縮性がある材料で形成される。第1ロック本体40A及び第2ロック本体40Bは、アンロック位置に移動すると、第1側支持部56及び第2側支持部58の外方延在縁部76A,76Bに押し付けられながら圧縮する。その後、レバー80を第2位置に移動させる力が解除されると、第1ロック本体40A及び第2ロック本体40Bが拡張してアンロック位置に戻り始める。
【0075】
他の実施形態では、ロック本体40A,40Bは、上方に移動すると、アンロック位置に留まる。ロック本体40A,40Bをロック位置に戻すには、レバー80を第1位置に戻す。レバーが第1位置に移動すると、湾曲先端部94A,94Bは、ロック本体40A,40Bの第2外方延在縁部47(
図5A及び
図5B)に接触して、ロック本体40A,40Bをロック位置に押し戻すことができる。
【0076】
本明細書で用いられる「結合」という用語は、直接結合又は間接結合を意味する。例えば、図示した実施形態では、レバー80は、レバー80をフレームピース50に取り付け、フレームピース50をハウジング22及び/又はファンシールド26に取り付けることによって、ハウジング22に結合される。他の実施形態では、レバー80は、レバー80をハウジング22に直接ピボット可能に取り付けることによって、ハウジング22に結合される。この実施形態では、ハウジング22は、フレームピース50(例えば、外方延在縁部60A,60B及び取付ボス68A,68B等)からの様々な形状を含むように成形され得る。
【0077】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用されているように、「一」、「1つの」、「この」という単数形は、文脈が他のことを明確に示さない限り、複数形も含むことが意図されている。さらに、「含む」、「有する」やこれらの変化形が、詳細な説明及び/又は特許請求の範囲に用いられており、このような用語の意味は、「備える」という用語と同様に包括的であることを意図している。
【0078】
特に定義されない限り、本明細書で使用される用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書において定義されるような用語は、関連技術の文脈におけるこれらの意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0079】
本発明の様々な実施形態が説明されているが、これらは、単なる例示であって、これらに限定されないことを理解されたい。本発明の実施形態に基づく様々な変更は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない状況下で行うことができる。よって、本発明の広さや範囲は、上述した任意の実施形態によって限定されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲及びこれらの均等物に従って定義されるべきである。
【0080】
本発明は、1つ以上の実施形態に関して例示及び説明されているが、当業者であれば、本明細書及び添付の図面を読んで理解すれば、同等の変更及び修正を行うか、知ることができるであろう。また、本発明の特徴は、複数の実施形態のうち1つのみに関連して述べられているが、このような特徴は、所定の又は特定の用途に必要で有利な1つ以上の他の実施形態の他の特徴と組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0081】
10…ファンウォール
12…シャーシ
14…ソケット
16…フロア
18…ロック開口
20…ファンモジュール
22…ハウジング
24…中空内部
26…ファンシールド
28…ファンコネクタ
30A…第1端部
30B…第2端部
32…上端部
34…下端部
36…第1側端部
38…第2側端部
40A…第1ロック本体
40B…第2ロック本体
41A…上部
41B…下部
41C…中間部
42…内方延在縁部
44…下端部
46…外方延在縁部
47…第2外方延在縁部
50…フレームピース
52…上部支持部
54…下部支持部
56…第1側支持部
57A,57B…下部
58…第2側支持部
59A,59B…上部
60A,60B…第1外方延在縁部
64A,64B…縦方向対向面
66A,66B…横方向対向面
68A…第1取付ボス
68B…第2取付ボス
70A…第1上面
70B…第2上面
72A…第1保持タブ
72B…第2保持タブ
74…縦方向対向面
76A,76B…外方延在縁部
80…レバー
82…ハンドル
84A…第1アーム
84B…第2アーム
85A…近位端部
85B…近位端部
86A…遠位端部
86B…遠位端部
88A…第1取付開口
88B…第2取付開口
90…ラッチ
92A,92B…バネ
94A,94B…湾曲先端部
V…垂直軸
T…横軸
L…縦軸