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特許7026209空気調和機を制御するための方法、装置、及び空気調和機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】空気調和機を制御するための方法、装置、及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/86 20180101AFI20220217BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20220217BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20220217BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20220217BHJP
【FI】
F24F11/86
F24F11/74
F24F110:10
F24F110:20
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020511962
(86)(22)【出願日】2017-11-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2017109298
(87)【国際公開番号】W WO2019041541
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2020-04-16
(31)【優先権主張番号】201710787980.8
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201710787083.7
(32)【優先日】2017-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598080853
【氏名又は名称】海尓集団公司
(73)【特許権者】
【識別番号】517372472
【氏名又は名称】青島海尓空調器有限総公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER AIR CONDITIONER GENERAL CORP.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District Qingdao,Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 洪金
(72)【発明者】
【氏名】王 飛
(72)【発明者】
【氏名】付 裕
(72)【発明者】
【氏名】許 文明
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-083119(JP,A)
【文献】特開2014-012449(JP,A)
【文献】特許第6017068(JP,B2)
【文献】中国特許出願公開第102645003(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104566782(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106594960(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106839333(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00 - 11/89
F24F 110/10
F24F 110/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機を制御するための方法であって、
空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集するステップと、
前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、冷房処理を行うように、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合で、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合で、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、を含み、
前記第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度をそのまま維持するステップを含み、
前記第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、前記第1の所定の温度に対応する目標温度Tを、一回または複数回修正して、修正後の温度Txを得るステップと、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む、
ことを特徴とする空気調和機を制御するための方法。
【請求項2】
空気調和機を制御するための方法であって、
空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集するステップと、
前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、冷房処理を行うように、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合で、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合で、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、を含み、
前記第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定するステップと、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップを含み、
前記第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、前記第1の所定の温度に対応する目標温度Tを、一回または複数回修正して、修正後の温度Txを得るステップと、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む、
ことを特徴とする空気調和機を制御するための方法。
【請求項3】
空気調和機を制御するための方法であって、
空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集するステップと、
前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、冷房処理を行うように、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御し、ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きく、
前記室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合で、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合で、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、を含み、
前記第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御するステップは、圧縮機の作業周波数Fを設定周波数f1まで調整し、エアデフレクターを最大排風位置まで調整するステップを含み、
前記第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度をそのまま維持するステップを含み、
前記第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、前記第2の所定の温度に対応する目標温度Tを、一回または複数回修正して、修正後の温度Txを得るステップと、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む、
ことを特徴とする空気調和機を制御するための方法。
【請求項4】
空気調和機を制御するための方法であって、
空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集するステップと、
前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、冷房処理を行うように、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御し、ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きく、
前記室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合で、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合で、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、を含み、
前記第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御するステップは、圧縮機の作業周波数Fを設定周波数f1まで調整し、エアデフレクターを最大排風位置まで調整するステップを含み、
前記第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定するステップと、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップを含み、
前記第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、前記第2の所定の温度に対応する目標温度Tを、一回または複数回修正して、修正後の温度Txを得るステップと、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む、
ことを特徴とする空気調和機を制御するための方法。
【請求項5】
前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定することは、以下の式に従って作業周波数Fを算出し、
F=(t1_Ki×Dt+t1_Kp×Pt)×C;
ここで、Dt=|Pt-Ptn-1|であり、Pt=|Tn-Tm|であり、t1_Kiは温度偏差係数であり、t1_Kpは温度差係数であり、Cは作業周波数値係数であり、Dtは前記温度差分値であり、Ptは前記温度差分値であり、Tnは前記現在の温度値であり、Tmは前記設定温度値である
ことを特徴とする請求項2又は4に記載の空気調和機を制御するための方法。
【請求項6】
算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する
ことを特徴とする請求項に記載の空気調和機を制御するための方法。
【請求項7】
目標温度Tを一回または複数回修正することは、一回目に修正するとき、Tx=T-Dsetであることと、二回目及びその以後の修正するとき、Tx=Tx1-Dsetであることと、を含み、ここで、Txは今回修正後の温度であり、Tx1は前回修正後の温度であり、Dsetは修正値である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の空気調和機を制御するための方法。
【請求項8】
毎回修正するとき、室内湿度RHと目標湿度RHmとの湿度差Prh、および、室内湿度変化Drhに基づいて、前記修正値Dsetを算出し、ここで、Dset=Int{[RH_Ki×Prh+RH_Kp×Drh]×100}/100であり、Prh=RH-RHmであり、Drh=RH-RH1であり、RH1は前回収集した室内湿度であり、RH_Kp、RH_Kiはそれぞれ設定された重み係数であり、ここで、RH_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、RH_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している
ことを特徴とする請求項に記載の空気調和機を制御するための方法。
【請求項9】
室内温度tを収集するための温度センサと、室内湿度RHを収集するための湿度センサと、微制御ユニットMCUと、を備え、請求項1又は2に記載の方法を行う空気調和機を制御するための装置であって、
前記MCUは、
空気調和機冷房モードにおいて、前記室内温度tが第1の所定の温度t’よりも大きい場合、冷房処理を行うように、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合で、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合で、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するための調節ユニットを備える
ことを特徴とする空気調和機を制御するための装置。
【請求項10】
室内温度tを収集するための温度センサと、室内湿度RHを収集するための湿度センサと、微制御ユニットMCUと、を備え、請求項3又は4に記載の方法を行う空気調和機を制御するための装置であって、
前記MCUは、
空気調和機冷房モードにおいて、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、冷房処理を行うように、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御し、ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きく、前記室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合で、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合で、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいて、エアデフレクターの位置を調整するための調節ユニットを備える
ことを特徴とする空気調和機を制御するための装置。
【請求項11】
圧縮機と室内ファンとを備える空気調和機であって、
請求項または10に記載の空気調和機を制御するための装置をさらに備える
ことを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、出願番号がCN201710787980.8であって、出願日が2017年09月04日である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を援用して参考とする。
【0002】
本願は、出願番号がCN201710787083.7であって、出願日が2017年09月04日である中国特許出願に基づいて優先権を主張し、当該中国特許出願のすべての内容を援用して参考とする。
本発明は、空気調和機の技術分野に関し、特に、空気調和機を制御するための法、装置、及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来の家庭用の空気調和機は、冷房動作過程において大量の凝縮水が発生し、適切な湿度と温度の条件の下で、大量の細菌が発生することになり、また、細菌は給気とともに部屋に運ばれ、ユーザの快適性と健康に深刻な影響を及ぼす。関連研究によると、細菌は高湿度または高温条件下で繁殖する可能性が最も高い。
【0004】
また、家庭用の空気調和機器は、実際の動作過程において、設定温度と部屋温度との間の偏差がより大きいとき、圧縮機が高周波で動作し、このとき室内機のパイプコイルの温度が一般的により低く(空気露点温度よりも低く)、空気中の水蒸気が絶えずに凝縮される。部屋の温度が設定温度まで達したときは、湿度が既に低くなりすぎている。一般的に、空気調和機器は、加湿機能がなく、このときユーザは乾燥して不快に感じる。部屋の温度と設定温度との間の差分値が非常に小さい場合、ほとんどの空気調和機器は低周波で動作する。このとき、室内機のパイプコイル温度は一般的により高く(空気露点温度よりも高く)、空気中の水蒸気が凝縮されなくなる。このように、部屋の温度が設定温度に達したとき、空気の湿度が高すぎる可能性があり、ユーザは同様に不快に感じる。このため、従来の空気調和機の制御方法は、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮できないことが多く、室内の温度と湿度がユーザの快適度および健康性の要件を満たさなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の空気調和機が室内の温度と湿度の調節を同時に考慮できない問題を解決するための、空気調和機を制御するための方法、及び装置、気調和機を提供する。開示する実施例のいくつかの態様に対する基本的な理解のために、簡単な概要を以下に示す。当該概要の部分は、簡単な評述でもなく、鍵となる構成要素/重要な構成要素を特定しようとするものでもなく、これら実施例の保護範囲を説明するものでもない。その唯一の目的は、後述するより詳細な説明の前置きとして、簡略化された形式でいくつかの概念を提示することである。
【0006】
本発明の実施例の第1の態様によると、空気調和機を制御するための方法を提供し、当該方法は、空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集するステップと、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するか、あるいは、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御するステップと、を含む。
【0007】
オプションとして、前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御し、ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きい。
【0008】
オプションとして、前記室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きい。
【0009】
オプションとして、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップの後に、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整するステップをさらに含む。
【0010】
オプションとして、前記第2の所定の温度t2は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。
【0011】
オプションとして、前記第1の所定の温度t1は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。
【0012】
オプションとして、ユーザによって設定された室内温度TがKより大きい場合、前記第1の所定の温度t1=K+Nであり、ユーザによって設定された室内温度TがK以下である場合、前記第1の所定の温度t1=K+Mであり、ここで、K、N、及び、所定の温度値である。ここで、Nは、M以上であ
【0013】
好ましくは、K=24℃、25℃、または、26℃である。好ましくは、N=2.5℃、3℃、または、3.5℃である。好ましくは、M=1.5℃、2℃、または、2.5℃である。
【0014】
オプションとして、ユーザによって設定された室内温度TがKより大きい場合、前記第1の所定の温度t1=K+Nであり、前記第2の所定の温度t2=K+N-Qであり、ユーザによって設定された室内温度TがK以下である場合、前記第1の所定の温度t1=K+Mであり、前記第2の所定の温度t2=K+M-Qであり、ここで、K、N、M、及びQは、所定の温度値である。ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きく、Nは、M以上であり、N及びMは、Qよりも大きい。
【0015】
好ましくは、K=24℃、25℃、または、26℃である。好ましくは、N=2.5℃、3℃、または、3.5℃である。好ましくは、M=1.5℃、2℃、または、2.5℃である。好ましくは、Q=1℃、2℃、または、3℃である。
【0016】
オプションとして、前記第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御するステップは、圧縮機の作業周波数Fを設定周波数f1まで調整し、エアデフレクターを最大排風位置まで調整するステップを含む。
【0017】
オプションとして、前記室内湿度に基づいて該当する制御策略を選択して、前記圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、を含む。
【0018】
オプションとして、前記第1の所定の湿度Rhは、52%である。
【0019】
オプションとして、前記第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度をそのまま維持するステップ、または、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップを含む。
【0020】
オプションとして、前記二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定するステップと、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む。
【0021】
オプションとして、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定することは、以下の式に従って作業周波数Fを算出し、
F=(t1_Ki×Dt +t1_Kp×Pt )×C;
【0022】
ここで、Dt =|Pt -Pt n-1 |であり、Pt =|Tn-Tm|であり、t1_Kiは温度偏差係数であり、t1_Kpは温度差係数であり、Cは作業周波数値係数であり、Dt は前記温度差偏差分値であり、Pt は前記温度差分値であり、Tnは前記現在の温度値であり、Tmは前記設定温度値である。
【0023】
オプションとして、算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する。
【0024】
オプションとして、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定することは、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くすることを含む。
【0025】
オプションとして、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、前記圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整するステップは、室内ファンの回転速度Rに基づいてエアデフレクターの位置を調整し、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’より大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整するステップと、室内ファンの回転速度Rが前記設定回転速度値R’以下である場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整するステップと、を含む。
【0026】
オプションとして、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、ユーザによって設定される目標温度Tを、一回または複数回修正して、修正後の温度Txを得るステップと、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む。
【0027】
オプションとして、目標温度Tを一回または複数回修正することは、一回目に修正するとき、Tx=T-Dsetであることと、二回目及びその以後の修正するとき、Tx=Tx1-Dsetであることと、を含み、ここで、Txは今回修正後の温度であり、Tx1は前回修正後の温度であり、Dsetは修正値である。オプションとして、Dsetは、固定値であるか、または、変数である。
【0028】
オプションとして、毎回修正するとき、室内湿度RHと目標湿度RHmとの湿度差Prh、および、室内湿度変化Drhに基づいて、前記修正値Dsetを算出する。ここで、Dset=Int{[RH_Ki×Prh+RH_Kp×Drh]×100}/100であり、Prh=RH-RHmであり、Drh=RH-RH1であり、RH1は前回収集した室内湿度であり、RH_Kp、RH_Kiはそれぞれ設定された重み係数である。ここで、RH_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、RH_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している。ここで、算出し得た修正値Dsetが設定された上限値よりも大きい場合、前記上限値を修正値Dsetとし、算出し得た修正値Dsetが設定された下限値よりも小さい場合、前記下限値を修正値Dsetとする。
【0029】
オプションとして、モード切り替え命令を受信し、現在の動作モードから第1のモードに切り替えて動作するステップをさらに含む。
【0030】
オプションとして、前記第1のモードは、平均投票数予測PMVモードである。
【0031】
オプションとして、ユーザによって設定された室内温度Tが設定値である場合、第1の制御策略のみに従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内温度を制御する。
【0032】
オプションとして、前記設定値は、29℃、または、30℃である。
【0033】
オプションとして、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する場合、室内ファンの回転速度はシステムによって圧縮機の作業周波数に基づいて確定され、空気調和機の動作過程において、ユーザが前記室内ファンの回転速度を自発的に変更すると、空気調和機は第4の制御策略に従って圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することを終了させる。
【0034】
オプションとして、室内温度tの変化または湿度の変化が検出されて、制御策略を調整する必要がある場合、現在の圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度を維持して第1の設定時間動作した後に、制御策略を切り替える。
【0035】
オプションとして、第1の設定時間の範囲は、30S~90Sである。好ましくは、第1の設定時間は、30S、60S、または、90Sである。
【0036】
本発明の実施例の第2の態様によると、空気調和機を制御するための装置を提供し、当該装置は、室内温度tを収集するための温度センサと、室内湿度RHを収集するための湿度センサと、微制御ユニット(Microcontroller Unit、MCU)と、を備え、前記MCUは、空気調和機冷房モードにおいて、前記室内温度tが第1の所定の温度tよりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t以下である場合、前記室内湿度に基づいて該当する制御策略を選択して、前記圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するための調節ユニットを備える。
オプションとして、前記第1の所定の温度t1は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。
【0037】
オプションとして、前記調節ユニットは、前記室内湿度に基づいて該当する制御策略を選択して、前記圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するとき、具体的に、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0038】
オプションとして、前記調節ユニットは、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するときに、具体的に、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度をそのまま維持するか、または、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0039】
オプションとして、前記調節ユニットは、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するときに、具体的に、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度をそのまま維持するか、または、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
好ましくは、前記第1の所定の湿度Rhは、52%である
【0040】
オプションとして、前記MCUは、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定し、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整し、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定するための確定ユニットをさらに備え、前記調節ユニットは、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するとき、具体的に、前記確定ユニットによって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、該当する圧縮機の作業周波数を調整し、前記確定ユニットによって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいてエアデフレクターの位置を調整する。
【0041】
オプションとして、前記確定ユニットは、以下の式に従って、圧縮機の作業周波数Fを算出し得る。
F=(T’_Ki×Dt +T’_Kp×Pt )×C;
ここで、Dt =|Pt -Pt n-1 |であり、Pt =|Tn-Tm|であり、T’_Kiは温度偏差係数であり、T’_Kpは温度差係数であり、Cは作業周波数値係数であり、Dt は前記温度差偏差分値であり、Pt は前記温度差分値であり、Tnは前記現在の温度値であり、Tmは前記設定温度値である。
【0042】
オプションとして、算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する。
【0043】
オプションとして、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定することは、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くすることを含む。
【0044】
オプションとして、前記調節ユニットは、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整するとき、具体的に、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’より大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、室内ファンの回転速度Rが前記設定回転速度値R’以下である場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整する。
【0045】
オプションとして、前記MCUは、算出ユニットをさらに備え、当該算出ユニットは、室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上である場合、目標温度Tの修正値を算出して、修正後の温度Txを得るし、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、ここで、目標温度Tは、ユーザによって設定され、前記調節ユニットは、さらに、前記算出ユニットによって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整し、前記算出ユニットによって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいて、それに応じて室内ファンの回転速度を調整する。
【0046】
オプションとして、前記算出ユニットは、一回目に修正するとき、Tx=T-Dsetに従って、修正後の温度Txを得るし、二回目及びその以後の修正するとき、Tx=Tx1-Dsetに従って、修正後の温度Txを得るし、ここで、Txは今回修正後の温度であり、Tx1は前回修正後の温度であり、Dsetは修正値である。オプションとして、Dsetは、固定値であるか、または、変数である。
【0047】
オプションとして、毎回修正するとき、室内湿度RHと目標湿度RHmとの湿度差Prh、および、室内湿度変化Drhに基づいて、前記修正値Dsetを算出する。ここで、Dset=Int{[RH_Ki×Prh+RH_Kp×Drh]×100}/100であり、Prh=RH-RHmであり、Drh=RH-RH1であり、RH1は前回収集した室内湿度であり、RH_Kp、RH_Kiはそれぞれ設定された重み係数である。ここで、RH_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、RH_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している。ここで、算出し得た修正値Dsetが設定された上限値よりも大きい場合、前記上限値を修正値Dsetとし、算出し得た修正値Dsetが設定された下限値よりも小さい場合、前記下限値を修正値Dsetとする。
【0048】
オプションとして、前記算出ユニットは、前記室内温度tと修正後の目標温度Txとの温度差PT、および、室内温度の変化DTに基づいて、前記圧縮機の作業周波数Fを算出する。
【0049】
オプションとして、F=T_Kp×PT+T_Ki×DTであり、PT=t-Tx、DT=t-t’であり、t’は前回収集した室内温度であり、T_Kp、T_Kiはそれぞれ重み係数である。ここで、T_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、T_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している。T_Kpの値範囲は1~8であり、T_Kiの値範囲は1~10である。好ましくは、T_Kp=3、4、5、6、または、7であり、T_Ki=3、4、5、6、または、7である。
【0050】
オプションとして、算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する。
【0051】
オプションとして、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定することは、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くすることを含む。
【0052】
本発明の実施例の第3の態様によると、空気調和機を制御するための装置を提供し、当該装置は、室内温度tを収集するための温度センサと、室内湿度RHを収集するための湿度センサと、微制御ユニットMCUと、を備え、前記MCUは、調節ユニットを備え、当該調節ユニットは、空気調和機冷房モードにおいて、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御し、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下である場合、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいて、エアデフレクターの位置を調整する。
【0053】
オプションとして、前記第1の所定の温度t1および前記第2の所定の温度t2は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。
【0054】
オプションとして、前記調節ユニットは、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するときに、具体的に、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下であり、且つ、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下であり、且つ、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0055】
好ましくは、前記第1の所定の湿度Rhは、52%である。
【0056】
オプションとして、前記調節ユニットは、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するときに、具体的に、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度をそのまま維持するか、または、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0057】
オプションとして、前記MCUは、確定ユニットをさらに備え、当該確定ユニットは、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定し、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整し、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、前記調節ユニットは、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するとき、具体的に、前記確定ユニットによって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、該当する圧縮機の作業周波数を調整し、前記確定ユニットによって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいて、それに応じて室内ファンの回転速度を調整する。
【0058】
オプションとして、前記確定ユニットは、以下の式に従って圧縮機の作業周波数Fを算出し、
F=(T’_Ki×Dt +T’_Kp×Pt )×C;
ここで、Dt =|Pt -Pt n-1 |であり、Pt =|Tn-Tm|であり、T’_Kiは温度偏差係数であり、T’_Kpは温度差係数であり、Cは作業周波数値係数であり、Dt は前記温度差偏差分値であり、Pt は前記温度差分値であり、Tnは前記現在の温度値であり、Tmは前記設定温度値である。
【0059】
オプションとして、算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する。
【0060】
オプションとして、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定することは、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くすることを含む。
【0061】
オプションとして、前記調節ユニットは、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整するとき、具体的に、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’より大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、室内ファンの回転速度Rが前記設定回転速度値R’以下である場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整する。
【0062】
オプションとして、前記MCUは、算出ユニットをさらに備え、当該算出ユニットは、室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上である場合、目標温度Tの修正値を算出して、修正後の温度Txを得るし、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、ここで、目標温度Tは、ユーザによって設定され、前記調節ユニットは、さらに、前記算出ユニットによって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整し、前記算出ユニットによって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいて、それに応じて室内ファンの回転速度を調整する。
【0063】
オプションとして、前記算出ユニットは、一回目に修正するとき、Tx=T-Dsetに従って、修正後の温度Txを得るし、二回目及びその以後の修正するとき、Tx=Tx1-Dsetに従って、修正後の温度Txを得るし、ここで、Txは今回修正後の温度であり、Tx1は前回修正後の温度であり、Dsetは修正値である。オプションとして、Dsetは、固定値であるか、または、変数である。
【0064】
オプションとして、毎回修正するとき、室内湿度RHと目標湿度RHmとの湿度差Prh、および、室内湿度変化Drhに基づいて、前記修正値Dsetを算出する。ここで、Dset=Int{[RH_Ki×Prh+RH_Kp×Drh]×100}/100であり、Prh=RH-RHmであり、Drh=RH-RH1であり、RH1は前回収集した室内湿度であり、RH_Kp、RH_Kiはそれぞれ設定された重み係数である。ここで、RH_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、RH_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している。ここで、算出し得た修正値Dsetが設定された上限値よりも大きい場合、前記上限値を修正値Dsetとし、算出し得た修正値Dsetが設定された下限値よりも小さい場合、前記下限値を修正値Dsetとする。
【0065】
オプションとして、前記算出ユニットは、前記室内温度tと修正後の目標温度Txとの温度差PT、および、室内温度の変化DTに基づいて、前記圧縮機の作業周波数Fを算出する。
【0066】
オプションとして、F=T_Kp×PT+T_Ki×DTであり、PT=t-Tx、DT=t-t’であり、t’は前回収集した室内温度であり、T_Kp、T_Kiはそれぞれ重み係数である。ここで、T_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、T_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している。T_Kpの値範囲は1~8であり、T_Kiの値範囲は1~10である。好ましくは、T_Kp=3、4、5、6、または、7であり、T_Ki=3、4、5、6、または、7である。
【0067】
オプションとして、算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する。
【0068】
オプションとして、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定することは、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くすることを含む。
【0069】
オプションとして、前記調節ユニットは、さらに、室内温度tが第2の所定の温度t2以下であり、且つ、第3の所定の温度t3よりも大きいと、室内ファンの回転速度Rが前記設定回転速度値R’よりも大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、室内ファンの回転速度Rが前記設定回転速度値R’以下である場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整し、室内温度tが第3の所定の温度t3以下である場合、室内ファンが最大回転速度で動作するように調整し、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整する。
【0070】
オプションとして、前記MCUは、受信ユニットをさらに備え、当該受信ユニットは、モード切り替え命令を受信し、切り替えユニットは、前記受信ユニットが受信したモード切り替え命令に従って、現在の動作モードから第1のモードに切り替えて動作する。
オプションとして、前記第1のモードは、PMVモードである。
【0071】
オプションとして、前記調節ユニットは、ユーザによって設定された室内温度Tが設定値である場合、第1の制御策略のみに従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内温度を制御する。
オプションとして、前記設定値は、29℃、または、30℃である。
【0072】
オプションとして、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する場合、室内ファンの回転速度はシステムによって圧縮機の作業周波数に基づいて確定され、空気調和機の動作過程において、ユーザが前記室内ファンの回転速度を自発的に変更すると、空気調和機は第4の制御策略に従って圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することを終了させる。
【0073】
オプションとして、前記調節ユニットは、室内温度tの変化または湿度の変化が検出されて、制御策略を調整する必要がある場合、現在の圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度を維持して第1の設定時間動作した後に、制御策略を切り替える。
オプションとして、第1の設定時間の範囲は、30S~90Sである。好ましくは、第1の設定時間は、30S、60S、または、90Sである。
【0074】
本発明の実施例の第4の態様によると、圧縮機と室内ファンとを備える空気調和機を提供し、当該空気調和機は、前述した任意の空気調和機を制御するための装置をさらに備える。
【0075】
実施例によって提供される技術案は、以下の有益な効果を含む。
【0076】
冷房モードにおいて、リアルタイムの室内温度と室内湿度を収集し、室内温度と所定の温度の大きさの関係および室内湿度の大きさをまとめて、異なる制御策略を確定して、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮し、さらに、圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、または、エアデフレクターの位置の中の一つまたは複数を調整することによって、室内の温度と湿度がいずれもユーザの快適度の要件を満たすようにすることができ、単一の室内環境パラメータを調節することによって引き起こされる他の環境パラメータの変動の影響を避けることができる。
【0077】
上述した一般的に、的な説明及び後述する詳細な説明は、単に例示的及び解釈的なものであり、本発明を限定しないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
以下の図面は、明細書に組み入れて本明細書の一部分を構成し、本発明に適合する実施例を例示するとともに、明細書とともに本発明の原理を解釈する。
図1】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示す概略フローチャートである。
図2】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示す概略フローチャートである。
図3】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示す概略フローチャートである。
図4】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示す概略フローチャートである。
図5】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示す概略フローチャートである。
図6】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための装置を示す構成ブロック図である。
図7】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための装置を示す構成ブロック図である。
図8】一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための装置を示す構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
当業者が本発明の具体的な実施形態を実施できるように、以下の説明及び図面は具体的な実施形態を十分に示している。他の実施形態は、構成、論理、電気、過程及びその他の変更を含んでもよい。実施例は可能な変更のみを代表している。明確な要求がない限り、個別の部品や機能は選択可能であり、操作の順番も変更可能である。一部の実施案の部分及び特徴は他の実施案の部分及び特徴に含まれてもよいし代替されてもよい。本発明の実施案の範囲は、特許請求の範囲の全て、及び特許請求の範囲の全てによって得られる等価物を含む。本明細書において、本発明の各実施案は、単独で又は総括的に「発明」という用語により表されてもよい。これは、便利にするためにすぎない。また、事実上、1つ以上の発明が公開されても、この応用の範囲を任意の単独な発明又は発明構想として自動的に規制するものではない。本明細書において、第1及び第2などの関係技術用語は1つの構成又は操作と他の構成又は操作を区別するためにのみ用いられ、これらの構成又は操作の間にこのような関係又は順序が存在することを要件としたり、示唆したりするものではない。また、「含む」、「含有」という技術用語またはその他の類似用語は、非排他的な含有をカバーし、一連の要素を含む過程、方法、又は装置はそれらの要素を含むだけでなく、明確に例示していないその他の要素を含むか、このような過程、方法又は装置の特有の要素を含むか、または、このような過程、方法、または、設備の固有の要素を含む。さらに制限することなく、「~を含む」という文で定義された要素は、要素を含むプロセス、方法、または機器内の他の同一要素の存在を排除するものではない。本明細書の各実施形態は、段階様式で説明される。また、各実施形態についての重要な説明部分は、他の実施形態と異なる点であり、各実施形態の同一又は類似部分は相互に参照されてもよい。実施形態で開示されている方法や製品などは、実施形態で開示されている方法部分に対応するため、簡単に説明するが、関連部分については方法部分の説明を参照すればよい。
【0080】
空気調和機は、すでに日常生活でよく使用される電化製品であり、室内温度を調節することができ、温度を高くしたり低くしたりして、室内温度がユーザによって所定の温度と一致するようにすることができる。しかし、温度を調節する過程において、室内環境の湿度が変化されることがよくあり、たとえば冷媒量を増やして室内環境の温度を下げると、室内熱交換器の表面の温度が低下するため、室内熱交換器を流れる空気中に凝縮される水蒸気の量が増加され、このようにして、室内環境の湿度が下がり、ユーザは乾燥して不快に感じることになる。同様に、空気調和機を利用して室内の湿度を調節するとき、室内環境の温度の変化をもたらす恐れがあり、たとえば、冷媒量を増やして室内熱交換器の表面の温度を下げて、室内環境を除湿する過程において、室内熱交換器の表面の温度が低下するため、室内を介して送風する空気の温度が下がることになり、室内環境の温度が下がって、ユーザは寒さを感じることになる。このため、従来の温度または湿度などの単一のパラメータのみを調節する空気調和機の制御方法は、ユーザの快適度の要件を満たすことができない。
【0081】
空気調和機のエアデフレクターの位置は、最大排風位置と最小排風位置とを含む。ここで、最大排風位置は、エアデフレクターが中間に位置する位置であり、このとき、送風口の送風に対するエアデフレクターの抵抗が最小になる。最小排風位置は、エアデフレクターが、送風口の送風に対する抵抗が最大になる位置まで振れ動いた時の位置であり、エアデフレクターが振れ動くことができる最大の角度の位置を含み、このとき、送風口はエアデフレクターの作用によって下向きに吹き出すか、または、送風口を完全にカバーする前にはエアデフレクターの作用によって上向に吹き出す。
【0082】
本実施例において、最小排風位置は、送風口がエアデフレクターの作用によって上向に吹き出す位置である。調節する過程において、空気調和機によって吹き出される風が人体に直接吹き出されないように同時に、上部の空気と下部の空気の混合速度を上げ、速度を上げて調節する過程においてユーザに接触される空気の温度を適切にする。
一実施例において、空気調和機を制御するための方法は、空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集するステップと、
前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップと、
前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するか、あるいは、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御するステップと、を含む。
【0083】
冷房モードにおいて、リアルタイムの室内温度と室内湿度を収集し、室内温度と所定の温度の大きさの関係および室内湿度の大きさをまとめて、異なる制御策略を確定して、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮し、さらに、圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、または、エアデフレクターの位置の中の一つまたは複数を調整することによって、室内の温度と湿度がいずれもユーザの快適度の要件を満たすようにすることができ、単一の室内環境パラメータを調節することによって引き起こされる他の環境パラメータの変動の影響を避けることができる。
【0084】
図1は、一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示すフローチャートである。図1に示されたように、当該方法は、以下のステップを含む。
ステップS101において、空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集する。
【0085】
本実施例において、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上の制御パネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末を利用して、空気調和機の動作モードを調節することができ、例えば、リモコン上の冷房モードボタンをクリックすることで空気調和機が冷房モードで動作するように制御することができる。
【0086】
空気調和機は、一般的に、居間、寝室、会議室などの室内の空間に設置されるため、ステップS101で取得されるのは、空気調和機が設置された居間、寝室、会議室などの室内の空間の現在の温度値および湿度値であり、すなわち、今回のプロセスで取得されたリアルタイムの室内温度tおよび室内湿度RHである。
【0087】
空気調和機には、室内環境の現在の温度値を検出するための温度センサが設置されている。温度センサの検知端は、空気調和機の吸気口、または、キャビネットの外壁上に設置されることによって、検出された現在の温度値が室内環境の実際温度と同じかまたは類似した値になるようにして、本実施例において現在の室内温度の温度値に基づいて空気調和機の圧縮機作業周波数および室内ファンの回転速度を調整する精度を向上させることができる。
【0088】
空気調和機には、室内環境の現在の湿度値である今回のプロセスで取得されるリアルタイムの室内湿度RHを検出するための湿度センサが設置されている。湿度センサの検知端は、空気調和機の吸気口、または、キャビネットの外壁上に設置されることによって、検出された現在の湿度値が室内環境の実際湿度と同じかまたは類似した値になるようにして、本実施例において現在の室内湿度値に基づいて空気調和機の圧縮機作業周波数および室内ファンの回転速度を調整する精度を向上させることができる。
【0089】
ステップS102において、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0090】
ステップS103において、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合、前記室内湿度に基づいて該当する制御策略を選択して、前記圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0091】
空気調和機システムには、圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度を制御するための判断条件として、第1の所定の温度t1が予め設定されている。収集された室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、このとき、室内温度がより高く、温度偏差がより大きくて、冷房処理を行う必要があり、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内温度の冷房を実現する。前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合、室内温度tがユーザの冷房ニーズを満たし、このとき、室内環境の湿度を調整して、ユーザの快適度を向上させる必要があり、収集された室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度の中の片方を制御するか、または、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度を同時に調節することで、湿度の調節を速める。
【0092】
本実施例において、冷房モードにおいて、リアルタイムの室内温度と室内湿度を収集し、室内温度と所定の温度の大きさの関係および室内湿度の大きさをまとめて、異なる制御策略を確定して、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮し、さらに、圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度を調整して、室内の温度と湿度がいずれもユーザの快適度の要件を満たすようにすることができ、単一の室内環境パラメータを調節することによって引き起こされる他の環境パラメータの変動の影響を避けることができる。
【0093】
前述した実施例において、第1の所定の温度t1は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。ユーザは、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上のコントロールパネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末を使用して、目標温度Tを設定することができる。
【0094】
いくつかの実施例において、ユーザによって設定された室内温度TがKより大きい場合、前記第1の所定の温度t1=K+Nであり、ユーザによって設定された室内温度TがK以下である場合、前記第1の所定の温度t1=K+Mであり、ここで、K、N、及びMは所定の温度値である。ここで、Nは、M以上である。
【0095】
好ましくは、K=24℃、25℃、または、26℃である。好ましくは、N=2.5℃、3℃、または、3.5℃である。好ましくは、M=1.5℃、2℃、または、2.5℃である。
【0096】
たとえば、K=25℃であり、N=2.5℃であり、M=1.5℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが26℃である場合、第1の所定の温度t1=26℃+2.5℃=28.5℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが25℃である場合、t1=25℃+1.5℃=26.5℃である。
【0097】
図2は、一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示すフローチャートである。図2に示されたように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0098】
ステップS201において、空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集する。室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、すなわちT>t1である場合、ステップS202を実行し、室内温度tが第1の所定の温度t1以下である場合、すなわちT≦t1である場合、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、すなわちRH<Rhである場合、ステップS203を実行し、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上である場合、すなわちRH≧Rhである場合、ステップS204を実行する。
【0099】
ステップS202において、室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きく、温度偏差がより大きく、温度を下げる必要があり、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、冷却を実現する。
【0100】
ステップS203において、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0101】
ステップS204において、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0102】
いくつかの実施例において、ステップS203において、圧縮機の作業周波数をそのまま維持する。
【0103】
いくつかの実施例において、ステップS203において、室内ファンの回転速度をそのまま維持し、
いくつかの実施例において、ステップS203において、圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度をそのまま維持する。
【0104】
いくつかの実施例において、ステップS203において、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内送風の快適を確保する同時に、室内の相対的湿度を向上させることができる。
【0105】
いくつかの実施例において、ステップS204において、室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上であるため、室内環境に対して除湿処理を行う必要がある。第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、ユーザによって設定される目標温度Tを、一回または複数回修正して、修正後の温度Txを得るステップと、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む。
【0106】
いくつかの実施例において、ステップS203およびステップS204の後に、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整するステップをさらに含む。
【0107】
図3は、一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示すフローチャートである。本実施例においては、前述した実施例と異なるステップのみを説明する。図3に示されたように、当該方法は、以下のステップを含む。
ステップS301において、空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集する。
【0108】
ステップS302において、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0109】
ステップS303において、前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御する。
【0110】
ステップS304において、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下である場合、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整する。
【0111】
空気調和機システムには、圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御するための判断条件として、第1の所定の温度t1が予め設定されている。収集された室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、このとき、室内温度がより高く、温度偏差がより大きくて、冷房処理を行う必要があり、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内温度の冷房を実現する。前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、室内温度tと設定温度とが接近されており、室内温度tがユーザの冷房ニーズを満たし、このとき、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御することで、空気調和機のエネルギー消費を削減し、エネルギーを節約する。前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下である場合、収集された室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度を制御し、また、エアデフレクターの位置を調整するか、または、圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を同時に調節することで、室内環境の温度と湿度とを調整して、ユーザの快適度を向上させる。
【0112】
本実施例において、冷房モードにおいて、リアルタイムの室内温度と室内湿度を収集し、室内温度と所定の温度の大きさの関係および室内湿度の大きさをまとめて、異なる制御策略を確定して、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮し、さらに、圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を調整して、室内の温度と湿度がいずれもユーザの快適度の要件を満たすようにすることができ、単一の室内環境パラメータを調節することによって引き起こされる他の環境パラメータの変動の影響を避けることができる。
【0113】
前述した実施例において、第1の所定の温度t1および第2の所定の温度t2は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。ユーザは、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上のコントロールパネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末を使用して、目標温度Tを設定することができる。
【0114】
いくつかの実施例において、ユーザによって設定された室内温度TがKより大きい場合、前記第1の所定の温度t1=K+Nであり、前記第2の所定の温度t2=K+N-Qであり、ユーザによって設定された室内温度TがK以下である場合、前記第1の所定の温度t1=K+Mであり、前記第2の所定の温度t2=K+M-Qであり、ここで、K、N、M、及びQは、所定の温度値である。ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きく、Nは、M以上であり、N及びMは、Qよりも大きい。
【0115】
好ましくは、K=24℃、25℃、または、26℃である。好ましくは、N=2.5℃、3℃、または、3.5℃である。好ましくは、M=1.5℃、2℃、または、2.5℃である。好ましくは、Q=1℃、2℃、または、3℃である。
【0116】
たとえば、K=25℃、N=2.5℃、M=1.5℃、Q=1℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが26℃である場合、第1の所定の温度t1=26℃+2.5℃=28.5℃であり、第2の所定の温度t2=26℃+2.5℃~1℃=27.5℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが25℃である場合、t1=25℃+1.5℃=26.5℃、t2=25℃+1.5℃~1℃=25.5℃である。
【0117】
図4は、一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示すフローチャートである。図4に示されたように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0118】
ステップS401、空気調和機冷房モードにおいて、室内温度tおよび室内湿度RHを収集する。室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、すなわちt>t1である場合、ステップS402を実行し、室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、すなわちt2<t≦t1である場合、ステップS403を実行し、室内温度tが第2の所定の温度t2以下である場合、すなわちt≦t2である場合、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、すなわちRH<Rhである場合、ステップS404を実行し、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上である場合、すなわちRH≧Rhである場合、ステップS405を実行する。
【0119】
ステップS402において、室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きく、温度偏差がより大きく、温度を下げる必要があり、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、冷却を実現する。
【0120】
ステップS403において、室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きく、このとき室内温度がユーザ設定温度に近く、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御することで、空気調和機のエネルギー消費を削減し、エネルギーを節約する。
【0121】
ステップS404において、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御し、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整する。
【0122】
ステップS405において、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御することで、温度と湿度を制御し、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整する。
【0123】
いくつかの実施例において、ステップS403において、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御することは、圧縮機の作業周波数Fを設定周波数f1まで調整し、エアデフレクターを最大排風位置まで調整することを含む。
【0124】
いくつかの実施例において、ステップS404において、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内送風の快適を確保する同時に、室内の相対的湿度を向上させることができる。
【0125】
いくつかの実施例において、ステップS405において、室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上であるため、室内環境に対して除湿処理を行う必要があり、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することは、ユーザによって設定される目標温度Tを、一回または複数回修正して、修正後の温度Txを得るステップと、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整することと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整することと、を含む。
【0126】
前述した任意の一つの実施例において、好ましくは、第1の所定の湿度Rhは52%であり、ビッグデータで統計的に計算すると好ましい湿度値は52%であり、当該湿度値の場合、人体の快適度が最も良い同時に、当該湿度の場合、環境中のバクテリアやカビの繁殖も抑えることができる。
図5は、一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための方法を示すフローチャートである。
【0127】
いくつかの実施例において、図5に示されたように、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下であり、且つ、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、ステップS406を実行し、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、室内温度tが第3の所定の温度t3よりも大きい場合、すなわち、t3<t≦t2である場合、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’未満である場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整し、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’よりも大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、室内温度tが第3の所定の温度t3未満である場合、すなわち、t≦t3である場合、室内ファンが最大回転速度で動作するように調整し、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整し、このとき、室内温度が低すぎ、上層の空気の温度が高く、下層の空気である人体が接触する空気の温度が低く、室内ファンが最大回転速度で動作するように調整し、また、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整して、上層の空気と下層の空気との混合速度を加速することで、ユーザがさらされる空気の温度が適切になるようにする。
【0128】
前述した任意の一つの実施例において、室内温度tおよび室内湿度RHに基づいて圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、または、エアデフレクターの位置を制御する前に、モード切り替え命令を受信し、現在の動作モードから第1のモードに切り替えて動作するステップをさらに含む。
【0129】
ここで、モード切り替え命令は、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上の制御パネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末から発せられ、第1のモードは、PMVモードである。PMVモードは、人体快適スマート制御モードであり、ユーザにより、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上の制御パネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末上でPMVモードボタンを押下した後、空気調和はPMVモード命令を受信してPMVモードに切り替えて、室内温度、室内湿度、風速、熱放射、着衣量、活動量などのパラメータを収集する。ここで、PMVは、人体の熱的快適指標値であり、室内空気温度Ta、平均放射温度Tr、室内空気流速Va、室内空気湿度φa、人体代謝率M、衣類熱抵抗CLOの6つのパラメータの関数によって示され、すなわち、PMV=f(Ta、Tr、Va、φa、M、CLO)である。PMV=0の時は、室内熱環境が最高の熱的快適状態にあることを意味する。
【0130】
前述した任意の一つの実施例において、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するステップは、具体的に、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定するステップと、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、それに応じて室内ファンの回転速度を調整するステップと、を含む。
【0131】
具体的に、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、以下の式(1)に従って算出する。
F=(T’_Ki×Dt +T’_Kp×Pt )×C; (1)
ここで、Dt =|Pt -Pt n-1 |であり、Pt =|Tn-Tm|であり、T’_Kiは温度偏差係数であり、T’_Kpは温度差係数であり、Cは作業周波数値係数であり、Dt は前記温度差偏差分値であり、Pt は前記温度差分値であり、Tnは前記現在の温度値であり、Tmは前記設定温度値である。
【0132】
いくつかの実施例において、圧縮機の作業周波数Fは、空気調和機の動作効率および圧縮機の耐用年数を確保するために、上限および下限が設定される。算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する。
【0133】
好ましくは、圧縮機の作業周波数Fの範囲は、(36Hz、65Hz)である。ここで、上限値および下限値は、様々な空気調和機モデル及び圧縮機モデルの試運転段階における多数の実験と統計によって確定される。例えば、Dtn=2であり、Ptn=10であり、T’_Ki=4であり、T’_Kp=6であり、C=10である場合、式(1)に従って、F=(4×2+6×10)×10=68Hzを得る。算出した作業周波数Fが上限値65Hzよりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値である65Hzに設定する。
【0134】
ここで、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定することは、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くすることを含む。
【0135】
オプションの方法において、所定の圧縮機の作業周波数Fと室内ファンの回転速度Rとの対応関係によって、表を検索してファンの回転速度を取得し、具体的な対応関係は表1に示す。
【0136】

【0137】
室内ファンが高速で動作するこき、パイプコイルの温度が高く、顕熱比が高く、除湿量が少ないし、室内ファンが低速で動作するとき、パイプコイルの温度が低く、潜熱比が高く、除湿量が大きい。
【0138】
圧縮機の異なる作業周波数帯域に対応される室内ファンの回転速度が異なり、低周波数帯域に対応される室内ファンの回転速度が低く、高周波数帯域に対応される室内ファンの回転速度が高い。特定の周波数では風速が低いほど、除湿量が大きいが、高周波数帯域の風速が低すぎるため、室内機のパイプコイルが凍結するリスクがある。
【0139】
オプションのもう一つの方法において、計算する方法によって、具体的に、以下の式(2)に従って、圧縮機の作業周波数Fから室内ファンの回転速度Rを算出する。
R=15×F+50。 (2)
【0140】
いくつかの実施例において、室内ファンの回転速度Rに基づいてエアデフレクターの位置を調整するステップは、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’より大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整するステップと、室内ファンの回転速度Rが前記設定回転速度値R’以下である場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整するステップと、を含む。室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’よりも大きい場合、高速であり、このときエアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、室内ファンの回転速度Rが前記設定回転速度値R’未満である場合、低速であり、このときエアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整する。例えば、R’が800r/minであり、風速が850r/minである場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、風速が750r/minである場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整する。
【0141】
いくつかの実施例において、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、エアデフレクターの位置を調整するステップは、圧縮機の作業周波数Fが設定周波数F’よりも大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整するステップと、圧縮機の作業周波数Fが前記設定周波数F’未満である場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整するステップを含む。圧縮機の作業周波数Fが設定周波数F’よりも大きい場合、高周波であり、このときエアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、圧縮機の作業周波数Fが前記設定周波数F’未満である場合、低周波であり、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整する。例えば、F’が50Hzであり、風速が60Hzである場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、風速が40Hzである場合、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整する。
【0142】
前述した任意の一つの実施例において、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する過程において、目標温度Tを一回または複数回修正することは、一回目に修正するとき、Tx=T-Dsetであることと、二回目及びその以後の修正するとき、Tx=Tx1-Dsetであることとを含む。
【0143】
ここで、Txは今回修正後の温度であり、Tx1は前回修正後の温度であり、Dsetは修正値である。オプションとして、Dsetは、固定値であるか、または、変数である。
【0144】
いくつかの実施例において、毎回修正するとき、室内湿度RHと目標湿度RHmとの湿度差Prh、および、室内湿度変化Drhに基づいて、前記修正値Dsetを算出し、具体的には、以下の式(3)に従ってDsetを算出する。
Dset=Int{[RH_Ki×Prh+RH_Kp×Drh]×100}/100 (3)
【0145】
ここで、Prh=RH-RHmであり、Drh=RH-RH1であり、RH1は前回収集した室内湿度であり、RH_Kp、RH_Kiはそれぞれ設定された重み係数である。ここで、RH_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、RH_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している。例えば、外部環境温度が高いほど、RH_KiまたはRH_Kpの値が大きい。外部環境温度が高いほど、目標温度または湿度に達するために、各パラメータを調節する幅が大きいため、重み係数も大きい。外部環境温度は、室内環境の温度または室外環境温度を含む。システム構成において、RH_KiおよびRH_Kpの選択は、スロットル装置がキャピラリーまたは膨張弁であるか、圧縮機の押しのけ性能または凝縮器および蒸発器のサイズに関連される。
【0146】
いくつかの実施例において、オーバーシュートを防止するために、修正値Dsetには上限および下限が設定される。算出し得た修正値Dsetが設定された上限値よりも大きい場合、前記上限値を修正値Dsetとし、算出し得た修正値Dsetが設定された下限値よりも小さい場合、前記下限値を修正値Dsetとする。たとえば、上限値が0.2であり、下限値が-0.2である場合、算出し得た修正値Dsetが0.3であるならば、上限値0.2を修正値Dsetとし、算出し得た修正値Dsetが-0.4であるならば、下限値-0.2を修正値Dsetとする。
【0147】
いくつかの実施例において、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定するステップは、前記室内温度tと修正後の目標温度Txとの温度差PT、および、室内温度の変化DTに基づいて、前記圧縮機の作業周波数Fを算出するステップを含み、具体的には、以下の式(4)に従ってFを算出する。
F=T_Ki×DT+T_Kp×PT; (4)
【0148】
ここで、PT=t-Tx、DT=t-t’であり、t’は前回収集した室内温度であり、T_Kp、T_Kiはそれぞれ重み係数である。ここで、T_Kiの選択は、システム構成および外部環境温度に関連しており、T_Kpの選択は、システム構成および外部環境温度に関連している。例えば、外部環境温度が高いほど、T_KiまたはT_Kpの値が大きい。外部環境温度が高いほど、目標温度または湿度に達するために、各パラメータを調節する幅が大きいため、重み係数も大きい。システム構成において、T_KiおよびT_Kpの選択は、スロットル装置がキャピラリーまたは膨張弁であるか、圧縮機の押しのけ性能または凝縮器および蒸発器のサイズに関連される。
【0149】
ここで、T_Kiの値範囲は1~10であり、T_Kpの値範囲は1~8である。好ましくは、T_Ki=3、4、5、6、または、7であり、T_Kp=3、4、5、6、または、7である。
【0150】
いくつかの実施例において、圧縮機の作業周波数Fは、空気調和機の動作効率および圧縮機の耐用年数を確保するために、上限および下限が設定される。算出した作業周波数Fが設定された上限値よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記上限値として設定し、算出した作業周波数Fが設定された下限値よりも小さい場合、圧縮機の作業周波数Fを前記下限値として設定する。
【0151】
前述した任意の一つの実施例において、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定することは、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くすることを含む。
【0152】
ここで、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定する方法は、前述した実施例のようである。
【0153】
前述した実施例において、空気調和機の動作モードがPMVモード動作に切り替わると、冷房モードにおいて、ユーザによって設定された室内温度Tは、29℃、または、30℃である場合、第1の制御策略のみに従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内温度を制御する。
【0154】
いくつかの実施例において、空気調和機の動作モードがPMVモード動作に切り替わると、冷房モードにおいて、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御するとき、室内ファンの回転速度はシステムによって圧縮機の作業周波数に基づいて確定される。空気調和機の動作過程において、ユーザによって室内ファンの回転速度が自発的に変更されると、空気調和機は第4の制御策略を終了して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御する。ユーザが自身の要求によって、空気調和機の室内ファンの回転速度が自身の要求を満たさないと、室内ファンの回転速度を自発的に変更し、空気調和機は第4の制御策略を終了して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御することで、ユーザの要求を満たす。
【0155】
いくつかの実施例において、室内温度tの変化および湿度の変化が検出され、制御策略を調整する必要がある場合、現在の圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度を維持して第1の設定時間動作した後に、制御策略を切り替える。
【0156】
オプションとして、第1の設定時間の範囲は、30S~90Sである。好ましくは、第1の設定時間は、30S、60S、または、90Sである。
【0157】
以下は、本発明の装置の実施例であり、本発明の方法の実施例を実行することができる。
【0158】
図6は、一つの例示的な実施例に係る空気調和機を制御するための装置を示す構成ブロック図である。図6に示されたように、当該装置は、温度センサ601と、湿度センサ602と、MCU603と、を備え、MCU603は、調節ユニット6031を備える。
【0159】
温度センサ601は、室内温度tを収集する。
湿度センサ602は、室内湿度RHを収集する。
【0160】
本実施例において、温度センサの検知端は、空気調和機の吸気口、または、キャビネットの外壁上に設置され、湿度センサの検知端空気調和機の吸気口、または、キャビネットの外壁上に設置される。
【0161】
調節ユニット6031は、空気調和機冷房モードにおいて、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御するか、あるいは、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御する。
【0162】
本実施例において、冷房モードにおいて、リアルタイムの室内温度と室内湿度を収集し、室内温度と所定の温度の大きさの関係および室内湿度の大きさをまとめて、異なる制御策略を確定して、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮し、さらに、圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、または、エアデフレクターの位置の中の一つまたは複数を調整することによって、室内の温度と湿度がいずれもユーザの快適度の要件を満たすようにすることができ、単一の室内環境パラメータを調節することによって引き起こされる他の環境パラメータの変動の影響を避けることができる。
【0163】
前述した実施例において、前記第1の所定の温度tは、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。ユーザは、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上のコントロールパネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末を使用して、目標温度Tを設定することができる。
【0164】
一実施例において、調節ユニット6031は、空気調和機冷房モードにおいて、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合、前記室内湿度に基づいて該当する制御策略を選択して、前記圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0165】
本実施例において、冷房モードにおいて、リアルタイムの室内温度と室内湿度を収集し、室内温度と所定の温度の大きさの関係および室内湿度の大きさをまとめて、異なる制御策略を確定して、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮し、さらに、圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度を調整して、室内の温度と湿度がいずれもユーザの快適度の要件を満たすようにすることができ、単一の室内環境パラメータを調節することによって引き起こされる他の環境パラメータの変動の影響を避けることができる。
【0166】
前述した実施例において、第1の所定の温度t1は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。ユーザは、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上のコントロールパネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末を使用して、目標温度Tを設定することができる。
【0167】
いくつかの実施例において、ユーザによって設定された室内温度TがKより大きい場合、前記第1の所定の温度t=K+Nであり、ユーザによって設定された室内温度TがK以下である場合、前記第1の所定の温度t=K+Mであり、ここで、K、N、及びMは所定の温度値である。ここで、Nは、M以上である。
【0168】
好ましくは、K=24℃、25℃、または、26℃である。好ましくは、N=2.5℃、3℃、または、3.5℃である。好ましくは、M=1.5℃、2℃、または、2.5℃である。
【0169】
たとえば、K=25℃であり、N=2.5℃であり、M=1.5℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが26℃である場合、第1の所定の温度t=26℃+2.5℃=28.5℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが25℃である場合、t=25℃+1.5℃=26.5℃である。
【0170】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1以下である場合、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、すなわちRH<Rhである場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上である場合、すなわちRH≧Rhである場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0171】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、圧縮機の作業周波数をそのまま維持する。
【0172】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、室内ファンの回転速度をそのまま維持する。
【0173】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度をそのまま維持する。
【0174】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内送風の快適を確保する同時に、室内の相対的湿度を向上させることができる。当該実施例において、MCUは、確定ユニット(図示せず)をさらに備え、当該確定ユニットは、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定し、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定する。
【0175】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、さらに、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整する。
【0176】
調節ユニット6031は、確定ユニットによって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、該当する圧縮機の作業周波数を調整し、確定ユニットによって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいて、それに応じて室内ファンの回転速度を調整し、確定ユニットによって確定されたエアデフレクターの位置に基づいて、エアデフレクターを調整する。
【0177】
いくつかの実施例において、具体的に、確定ユニットは、式(1)に従って圧縮機の作業周波数Fを算出し得る。
【0178】
前述した任意の一つの実施例において、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くする。
【0179】
いくつかの実施例において、表1によって、室内ファンの回転速度Rを確定する。いくつかの他の実施例において、計算する方法によって、具体的に、以下の式(2)に従って、室内ファンの回転速度Rを算出する。
【0180】
一実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが第1の所定の温度t1よりも大きい場合、第1の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内温度tが第1の所定の温度t1以下であり、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、第2の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数およびエアデフレクターの位置を制御し、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下である場合、前記室内湿度RHに基づいて該当する制御策略を選択して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、また、圧縮機の作業周波数または室内ファンの回転速度に基づいてエアデフレクターの位置を調整する。
【0181】
本実施例において、冷房モードにおいて、リアルタイムの室内温度と室内湿度を収集し、室内温度と所定の温度の大きさの関係および室内湿度の大きさをまとめて、異なる制御策略を確定して、室内の温度と湿度の調節を同時に考慮し、さらに、圧縮機の作業周波数、室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を調整して、室内の温度と湿度がいずれもユーザの快適度の要件を満たすようにすることができ、単一の室内環境パラメータを調節することによって引き起こされる他の環境パラメータの変動の影響を避けることができる。
【0182】
前述した実施例において、第1の所定の温度t1および第2の所定の温度t2は、目標温度Tに関連付けられ、ここで、前記目標温度Tは、ユーザによって設定される。ユーザは、空気調和機のリモコン、空気調和機の室内機上のコントロールパネル、または、空気調和機に対してリモコン機能を有するモバイル端末を使用して、目標温度Tを設定することができる。
【0183】
いくつかの実施例において、ユーザによって設定された室内温度TがKより大きい場合、前記第1の所定の温度t1=K+Nであり、前記第2の所定の温度t2=K+N-Qであり、ユーザによって設定された室内温度TがK以下である場合、前記第1の所定の温度t1=K+Mであり、前記第2の所定の温度t2=K+M-Qであり、ここで、K、N、M、及びQは、所定の温度値である。ここで、第1の所定の温度t1は、第2の所定の温度t2よりも大きく、Nは、M以上であり、N及びMは、Qよりも大きい。
【0184】
好ましくは、K=24℃、25℃、または、26℃である。好ましくは、N=2.5℃、3℃、または、3.5℃である。好ましくは、M=1.5℃、2℃、または、2.5℃である。好ましくは、Q=1℃、2℃、または、3℃である。
【0185】
たとえば、K=25℃、N=2.5℃、M=1.5℃、Q=1℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが26℃である場合、第1の所定の温度t1=26℃+2.5℃=28.5℃であり、第2の所定の温度t2=26℃+2.5℃~1℃=27.5℃であり、ユーザによって設定された室内温度Tが25℃である場合、t1=25℃+1.5℃=26.5℃、t2=25℃+1.5℃~1℃=25.5℃である。
【0186】
前述した任意の一つの実施例において、調節ユニット6031は、さらに、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下であり、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、第3の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
好ましくは、第1の所定の湿度Rhは、52%である。
【0187】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、室内温度tが第1の所定の温度t1以下である場合、且つ、第2の所定の温度t2よりも大きい場合、圧縮機の作業周波数Fを設定周波数f1まで調整し、エアデフレクターを最大排風位置まで調整する。
【0188】
ここで、設定周波数f1は、固定された値であってもよく、当該値が複数回のテスト結果によって設定されることによって、空気調和機の省エネ効果を確保する。好ましくは、設定周波数f1は、圧縮機の最高周波数の70%である。
【0189】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、さらに、前記室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度をそのまま維持するか、または、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御する。
【0190】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、圧縮機の作業周波数をそのまま維持する。
【0191】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、室内ファンの回転速度をそのまま維持する。
【0192】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度をそのまま維持する。
【0193】
いくつかの実施例において、調節ユニット6031は、前記室内温度tが前記第1の所定の温度t1未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rhよりも小さい場合、二重温度差PID方式を利用して圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御することで、室内送風の快適を確保する同時に、室内の相対的湿度を向上させることができる。当該実施例において、MCUは、確定ユニット(図示せず)をさらに備え、当該確定ユニットは、現在の温度値と設定温度値との間の温度差分値と、前回確定された第1の温度差分値と、の間の温度偏差分値を確定し、前記温度偏差分値に基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定する。
【0194】
調節ユニット6031は、確定ユニットによって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、該当する圧縮機の作業周波数を調整し、確定ユニットによって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいて、それに応じて室内ファンの回転速度を調整する。
前述した実施例において、確定ユニットは、さらに、室内ファンの回転速度Rに基づいてエアデフレクターの位置を確定する。
【0195】
調節ユニット6031は、確定ユニットによって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、該当する圧縮機の作業周波数を調整し、確定ユニットによって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいて、それに応じて室内ファンの回転速度を調整し、確定ユニットによって確定されたエアデフレクターの位置に基づいて、エアデフレクターを調整する。
【0196】
いくつかの実施例において、具体的に、確定ユニットは、式(1)に従って圧縮機の作業周波数Fを算出し得る。
【0197】
前述した任意の一つの実施例において、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くする。
【0198】
いくつかの実施例において、表1に基づいて室内ファンの回転速度Rを確定する。いくつかの他の実施例において、計算する方法によって、具体的に、以下の式(2)に従って、室内ファンの回転速度Rを算出する。
【0199】
いくつかの実施例において、図7に示されたように、空気調和機を制御するための装置は、算出ユニット6034をさらに備える。
【0200】
算出ユニット6034は、室内温度tが第1の所定の温度t’未満であり、室内湿度RHが第1の所定の湿度Rh以上である場合、目標温度Tの修正値を算出して、修正後の温度Txを得ると共に、前記修正後の目標温度Txに基づいて、圧縮機の作業周波数Fを確定し、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、ここで、目標温度Tは、ユーザによって設定される。
【0201】
調節ユニット6031は、さらに、算出ユニット6034によって確定された圧縮機の作業周波数Fに基づいて、それに応じて圧縮機の作業周波数を調整し、算出ユニット6034によって確定された室内ファンの回転速度Rに基づいて、それに応じて室内ファンの回転速度を調整する。
【0202】
いくつかの実施例において、算出ユニット6034は、一回目に修正するとき、Tx=T-Dsetに従って、修正後の温度Txを得るし、二回目及びその以後の修正するとき、Tx=Tx1-Dsetに従って、修正後の温度Txを得る。
【0203】
ここで、Txは今回修正後の温度であり、Tx1は前回修正後の温度であり、Dsetは修正値である。オプションとして、Dsetは、固定値であるか、または、変数である。
【0204】
いくつかの実施例において、算出ユニット6034は、毎回修正するとき、室内湿度RHと目標湿度RHmとの湿度差Prh、および、室内湿度変化Drhに基づいて、前記修正値Dsetを算出し、具体的には、式(3)に従ってDsetを算出する。
【0205】
いくつかの実施例において、算出ユニット6034は、前記室内温度tと修正後の目標温度Txとの温度差PT、および、室内温度の変化DTに基づいて、前記圧縮機の作業周波数Fを算出し、具体的には式(4)に従ってFを算出する。
【0206】
前述した任意の一つの実施例において、算出ユニット6034は、圧縮機の作業周波数Fに基づいて、室内ファンの回転速度Rを確定し、圧縮機の周波数が高いほど、室内ファンの回転速度Rを高くする。
【0207】
いくつかの実施例において、表1によって、室内ファンの回転速度Rを確定する。いくつかの他の実施例において、計算する方法によって、具体的に、式(2)に従って、室内ファンの回転速度Rを算出する。
【0208】
いくつかの実施例において、前記室内温度tが前記第2の所定の温度t2以下であり、且つ、前記室内湿度RHが前記第1の所定の湿度Rh以上である場合、調節ユニット6031は、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度を制御し、室内温度tが第3の所定の温度t3よりも大きい場合、すなわち、t3<t≦t2である場合、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’未満である場合、調節ユニット6031は、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整し、室内ファンの回転速度Rが設定回転速度値R’よりも大きい場合、エアデフレクターが最大排風位置に位置するように調整し、室内温度tが第3の所定の温度t3未満である場合、すなわち、t≦t3である場合、調節ユニット6031は、室内ファンが最大回転速度で動作するように調整し、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整し、このとき、室内温度が低すぎ、上層の空気の温度が高く、下層の空気である人体が接触する空気の温度が低く、室内ファンが最大回転速度で動作するように調整し、また、エアデフレクターが最小排風位置に位置するように調整して、上層の空気と下層の空気との混合速度を加速することで、ユーザがさらされる空気の温度が適切になるようにする。
【0209】
前述した任意の一つの実施例において、図7および8に示されたように、空気調和機を制御するための装置は、受信ユニット6032と切り替えユニット6033とをさらに備える。
【0210】
受信ユニット6032は、モード切り替え命令を受信する。
【0211】
切り替えユニット6033は、受信ユニット6032によって受信されたモード切り替え命令に基づいて、現在の動作モードから第1のモードに切り替えて動作する。
ここで、前記第1のモードは、PMVモードである。
【0212】
いくつかの実施例において、空気調和機は、動作モードがPMVモード動作に切り替わると、冷房モードにおいて、第4の制御策略に従って、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御する時、室内ファンの回転速度はシステムによって圧縮機の作業周波数に基づいて確定され、空気調和機の動作過程において、ユーザによって室内ファンの回転速度が自発的に変更されると、空気調和機は第4の制御策略を終了して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御する。ユーザが自身の要求によって、空気調和機の室内ファンの回転速度が自身の要求を満たさないと、室内ファンの回転速度を自発的に変更し、空気調和機は第4の制御策略を終了して、圧縮機の作業周波数及び/又は室内ファンの回転速度、および、エアデフレクターの位置を制御することで、ユーザの要求を満たす。
【0213】
いくつかの実施例において、室内温度tの変化および湿度の変化が検出され、制御策略を調整する必要がある場合、現在の圧縮機の作業周波数および室内ファンの回転速度を維持して第1の設定時間動作した後に、制御策略を切り替える。
【0214】
オプションとして、第1の設定時間の範囲は、30S~90Sである。好ましくは、第1の設定時間は、30S、60S、または、90Sである。
【0215】
本発明は、圧縮機と室内ファンとを備える空気調和機をさらに含み、当該空気調和機は前述した任意の実施例に記載の装置をさらに備える。
【0216】
本発明は、上述した説明及び図面に示される流れや構成に限らず、その範囲から逸脱しない範囲で各種の補正及び変更を行うことができると理解すべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲のみに限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8