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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】ブローチ工具のホルダ
(51)【国際特許分類】
   B23D 43/04 20060101AFI20220217BHJP
   B23Q 11/10 20060101ALI20220217BHJP
   B23B 27/10 20060101ALN20220217BHJP
   B23B 29/12 20060101ALN20220217BHJP
【FI】
B23D43/04
B23Q11/10 D
B23B27/10
B23B29/12 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020517289
(86)(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-03
(86)【国際出願番号】 EP2018077077
(87)【国際公開番号】W WO2019072696
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】102017123786.0
(32)【優先日】2017-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】503128054
【氏名又は名称】ハルトメタル-ウェルクゾーグファブリック ポール ホーン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カンツ, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ルイク, マティアス
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-544484(JP,A)
【文献】実開平06-083205(JP,U)
【文献】特開昭59-042205(JP,A)
【文献】特表2017-503669(JP,A)
【文献】特表2010-510897(JP,A)
【文献】特開平10-094904(JP,A)
【文献】特開平10-146704(JP,A)
【文献】欧州特許第02212041(EP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0240872(US,A1)
【文献】特表2015-512794(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0343534(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0136733(US,A1)
【文献】特開2018-111205(JP,A)
【文献】実開平05-041656(JP,U)
【文献】米国特許第06302004(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0012573(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102007057157(DE,A1)
【文献】中国実用新案第205904465(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/00-29/34
B23D 37/00-43/08
B23Q 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
刃先(20)を備えた切削工具(2)該切削工具(2)を保持するホルダ(1)を備えたブローチ工具であって、
ホルダ(1)は固定領域(10)と保持領域(11)を備え、
保持領域(11)は、固定領域(10)とは反対側の端部に、切削工具(2)のための台座(13)を含み、該台座(13)は切削工具(2)が取り付けられたときに、刃先(20)が保持領域(11)の周面(15)を越えて突出するように構成され及び配置され、
保持領域(11)はその周面(15)に切削工具(2)用の支持部(16)を備え、該支持部(16)はホルダ(1)と一体に形成され、保持領域(11)の周面(15)から、半径方向に突出する支持体を備え
ホルダ(1)の内部に冷却剤チャンネル(40)が延び、該冷却剤チャンネルは2つの側方の出口開口部(44、45)を備え、ホルダ(1)の周方向に見られるように、該2つの出口開口部(44、45)は支持部(16)の側方に隣接して配置され、及び/又は支持部(16)の側面(161、163)に配置されている、ブローチ工具
【請求項2】
2つの側方の出口開口部(44、45)の各々と台座(13)との間の第1の距離は、2つの側方の出口開口部(44、45)の各々と固定領域(10)の間の第2の距離よりも短い、請求項1に記載のブローチ工具
【請求項3】
前記冷却剤チャンネル(40)及び/又は2つの側方の出口開口部(44、45)は、出てゆく冷却剤が刃先(20)及び/又は刃先(20)に隣接する側方フランク(26)及び/又は刃先(20)と側方フランク(26)の間に位置する切削工具(2)の角部(27)に当たるように構成され配置されている、請求項1又は2に記載のブローチ工具
【請求項4】
前記冷却剤チャンネル(40)は、支持部(16)の上側(162)に配置された第3の出口開口部(47)を備える、請求項1乃至3の何れかに記載のブローチ工具
【請求項5】
冷却剤チャンネル(40)及び/又は2つの側方の出口開口部(44、45)及び第3の出口開口部(47)は、第3の出口開口部(47)から出てゆく冷却剤が刃先(20)に当たり、2つの側方の出口開口部(44、45)から出てゆく冷却剤が、刃先(20)に隣接する側方フランク(26)及び/又は刃先(20)と側方フランク(26)の間に位置する切削工具の角部(27)に当たるように構成され配置されている、請求項4に記載のブローチ工具
【請求項6】
冷却剤チャンネル(40)は、固定領域(10)を通って延びる主チャンネル(41)と、保持領域(11)内にて主チャンネル(41)から分岐した2つの側方チャンネル(42、43)を備え、該2つの側方チャンネルは側方の出口開口部(44、45)に繋がる、請求項に記載のブローチ工具
【請求項7】
主チャンネル(41)は、支持部(16)の上側(162)に配置された第3の出口開口部(47)に繋がる第3の側方チャンネル(46)に合体している、請求項6に記載のブローチ工具
【請求項8】
側方チャンネル(42、43、46)は、ホルダ(1)の内側中央に配置された主チャンネル(41)から2つの側方の出口開口部(44、45)及び第3の出口開口部(47)の夫々まで保持領域(11)を通って所定の角度を以って延びる、請求項6又は7に記載のブローチ工具
【請求項9】
ホルダの長手軸に対して横方向に配置された横断チャンネル(48)が主チャンネル(41)と側方チャンネル(42、43、46)の間に位置し、主チャンネル(41)が横断チャンネル(48)内に繋がり、横断チャンネル(48)から側方チャンネル(42、43)が分岐する、請求項6乃至8の何れかに記載のブローチ工具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブローチ工具用のホルダ及びそのようなブローチ工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ブローチ加工は、様々な形の長手スロットをワークピースに導入するための機械加工方法である。ブローチ加工において、ブローチ工具は直線的な前進運動、つまり作業ストロークを実行する。その後、ワークピースからのブローチ工具の取り外しと、機械加工がされない戻りストロークが行われる。材料を除去するための送り動作は、所望の形状深さ及び/又は形状の幅が達成されるまで、ブローチ工具を徐々に移動させることにより行われる。
【0003】
そのようなブローチ工具はヨーロッパ公開公報2212041号から公知である。ブローチ工具は、刃先を有する切削工具と、切削工具を保持するためのホルダとを備えている。ホルダは、工作機械に固定(クランプ)するための固定領域と、切削工具を保持するための保持領域を備えている。保持領域は、固定領域とは反対側の端部に、例えば端面くぼみの形の切削工具用の台座を含み、台座は切削工具が取り付けられると、切削工具の刃先が保持領域の円周面を超えて突出するように構成される。保持領域には、その外周面に切削工具用の支持部が設けられ、この支持部は、加工中に切削工具に作用する力を吸収し、従って切削工具を支持する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ブローチ加工では、機械加工工程での冷却と潤滑も重要である。しかし、穴の内部スロットをブローチ加工するとき、機械加工点にて冷却潤滑剤(ここでは単に冷却剤と呼ぶ)を供給することは特に困難である。この場合、ホースとラインを介して頻繁に使用される外部からの冷却剤供給は、冷却剤を機械加工点に適切に誘導しない。従って、内部から冷却剤を供給するブローチ工具は、内部スロットのブローチ加工にも使用される。しかし、既知の解決策は、適切で信頼性の高い冷却/潤滑を提供しない。
【0005】
本発明は、改善され信頼性のある冷却/潤滑を保証するブローチ工具及びそのようなブローチ工具のためのホルダを提供する目的に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、ブローチ工具用に請求項1に記載されたホルダによって達成され、冷却剤チャンネルはホルダの内部に延び、該冷却剤チャンネルは2つの出口開口部を備え、周方向に見られるように、該2つの出口開口部は支持部の側方に隣接して及び/又は支持部の側面に配置されている。
【0007】
この目的は、本発明により提案された、刃先を有する切断工具と切断工具を保持するためのホルダを備えたブローチ工具によってさらに達成される。
【0008】
本発明に従ったホルダにて、冷却剤は従ってホルダを通って流れ、冷却剤チャンネルを通る冷却剤のこの誘導は、支持部の側方に隣接して及び/又は支持部で、即ち切削工具のすぐ近くから出てゆくように構成される。一方で、冷却剤は出口開口部から出た後、加工点までの長い距離をカバーする必要がなく、従って、切削工具に確実に衝突することが確実になる。更に、穴に長い深さを加工する場合に、信頼性の高い冷却と潤滑も確保できる。冷却剤はまた、機械加工工程の開始時、つまり、例えばブローチ工具が穿孔の開始時にて機械加工工程を開始するときに、特定の長さが穴内で機械加工されたときだけでなく、加工点に確実に当たる。最後に、これにより、加工点と出口開口部との間の切り屑により冷却剤が加工点に当たることを妨げられることを防ぐ、何故なら冷却剤は切削工具に側方から衝突し、切り屑が形成されるリスクは一般に低くなる。
【0009】
好ましい改良例において、台座からの出口開口部までの距離は、固定領域から出口開口部までの距離よりも短いことが提供される。これにより、可能な限り最良の冷却と潤滑が達成される、即ち、出てくる冷却剤が加工点にできるだけ正確に当たる。
【0010】
更なる改良例において、冷却剤チャンネル及び/又は出口開口部は、出てゆく冷却剤が刃先及び/又は刃先(また、主刃先と言及される)に隣接する側方フランク及び/又は刃先と側方フランクの間に位置する切削工具の角部に当たるように構成され配置されていることが提供される。従って、切削工具のどの点に潤滑剤が当たるかを具体的に判断することができる。従って、既知の工具とは対照的に、切削工具のフランク(補助刃先とも呼ばれる)及び/又は角部に冷却剤が特に当たり、即座に冷却をもたらすことが提供され、より長い寿命及び摩耗の減少に貢献する。
【0011】
1つの改良例において、冷却剤チャンネルが、支持部の上側に配置された第3の開口部を備えることが提供される。この第3の開口部は、第3の開口部から出てくる冷却剤が刃先を直接冷却するように、刃先と一直線上に並んでおり、一方、2つの側方の出口開口部は、フランク/補助刃先、及び/又はフランクと刃先の間の角部と一直線上に並ぶように構成され配置されるのが好ましい。
【0012】
1つの改良例において、冷却剤チャンネルは、固定領域を通って延びる主チャンネルと、保持領域内にて主チャンネルから分岐した2つの側方チャンネルを備え、該2つの側方チャンネルは側方の出口開口部に繋がることが提供される。これはコスト的に効果がある方法で製造される冷却剤チャンネルの簡単な改良例を表す。
【0013】
更なる改良例において、主チャンネルは、支持部の上側に配置された第3の開口部に繋がる第3の側方チャンネルに合体することが提供される。
【0014】
主チャンネルと側方チャンネルとの間の遷移領域は異なる方法で形成される。1つの改良例において、側方チャンネルは、保持領域の内側中央に配置された主チャンネルから夫々の出口開口部まで保持領域を通って所定の角度を以って延びることが提供される。
或いは、ホルダ又は主チャンネルの長手軸に対して横方向、特に直交して配置された横断チャンネルが主チャンネルと側方チャンネルの間に位置し、主チャンネルが横断チャンネル内に繋がり、横断チャンネルから側方チャンネルが分岐することが提供される。構造上の考慮事項については、例えば、横断チャンネルの冷却剤流れの出てゆく方向をフランク/補助刃先と揃えるように、横断チャンネルを提供することが有利となり得る。主チャンネルの直径が支持部の幅より大きくない場合、主チャンネルに直接接続された側方チャンネルは、外向きの冷却剤の流れを生成し、主刃先の側方に隣接するフランクに到達しない。横断チャンネルは、ここで出ていく方向を指定するときに柔軟性を付与する。しかし、最終的な機能は両方の変形例で実質的に同じである。
【0015】
言うまでもなく、上記の機能と以下で説明されてた機能は、夫々の場合に与えれた組み合わせだけでなく、本発明の範囲から離れることなく、他の組み合わせ又は単独で使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の例示的な実施形態は、図面に示され、以下の記載にてより詳細に説明されるであろう。
図1】本発明に従ったブローチ工具の斜視図であり、分解して示す。
図2】本発明に従ったブローチ工具の斜視図であり、組立状態を示す。
図3】本発明に従ったブローチ工具を前から見た斜視図である。
図4】本発明に従ったブローチ工具の斜視図であり、冷却剤チャンネルの第1の改良例の内部を示す。
図5】本発明に従ったブローチ工具の図4に示す実施形態の側面断面図である。
図6】本発明に従ったブローチ工具の図4に示す実施形態の平面図である。
図7】本発明に従ったブローチ工具の斜視図であり、冷却剤チャンネルの第2の改良例の内部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明に従ったブローチ工具の分解斜視図である。図2及び図3は、斜視図として(図2)及び前面斜視図として(図3)、組立状態におけるこの実施形態を示す。ブローチ工具は大凡ホルダ1と切削工具2を備える。ホルダ1は、工作機械、例えばスピンドルに固定(クランプ)するための固定領域10、切削工具2を保持するための保持領域11、及び固定領域と保持領域の間に位置するフランジ12を含む。保持領域11は、固定領域10とは反対側の端面に、台座13を備え、その中に切削工具2を受け入れて締結することができる。台座13は、端面14内及び保持領域11の円周面15内の開口した窪みによって形成される。この窪みは、窪み基部130から始まり、窪み基部130から始まって保持領域11の円周面15に向かって互いに広がるように延びる台座壁131を含む。従って、示された実施形態にて、切削工具2の台座13の受入れ空間はV字形の断面を有する。
【0018】
台座13の後端面132は、支持部16(支持体とも呼ばれる)の支持面160と共通の平面内に位置して、支持面160は、台座13の後端面132の直接の連続部分を形成する。従って、台座13に固定された切削工具2に対して連続的な平面的な接触面が利用可能であり、この接触面は、支持部16の支持面160と保持領域11の外周を越えて半径方向に続く。
【0019】
支持部16は、保持領域11の円周面15上に、半径方向に突出する一体の支持体として形成される。この場合、この実施形態の支持部16は、その上側または外側に向かって僅かに面取りされたブロックの形態を有し、面取り161とは別に、上側162及び側面163を有するほぼ正方形の断面を有する。この支持部は、特に、適用点のすぐ近くで突出支持部を介して保持領域11に切削力と生成されたトルクを導入するのに役立ち、切削工具2上に作用する負荷トルクの低減に寄与する。
【0020】
切削工具2は、主刃先20を有し、主刃先を用いて例えば穴内で内部スロットがブローチ加工される。主刃先20の反対側の後側にて、切削工具2は平面接触面を有し、この接触面は、切削工具2が台座13に受け入れられたときに、後端面132及び半径方向に連続する支持面160にぴったり合うように当接する。図1に見られるように、クランプねじ3用のねじ穴17が、端面132と支持面160との間の移行領域に配置されており、クランプねじは、切削工具2の貫通穴22を通り抜ける皿ねじの形態であり、これにより切削工具2は台座13にしっかりと固定され得る。次いで、切削工具2の締結部21は、側壁131と側方に接触する側壁23と共に位置し、主刃先20に隣接する切削工具2の切削部24は、支持部16の支持面160に当接する。
【0021】
図1乃至図3に同様に見られるように、ブロック形状に構成された切削工具2の締結部21は、実質的にくさび形状を有し、これは、台座13のV字形の受入れ断面に適合し、本実施形態におけるくさび形状は、下部の頂点領域25において丸みを帯びている。頂点領域25から広がるように延びる締結部21の側壁23は、台座壁131との最適な接触のために、平面構成または特定の球面設計から偏位した表面領域を有する。窪み基部130の台座壁131の端部は、部分的な穴の形の切り抜きによって互いに分離されており、窪み基部130にて、ホルダ1と台座13に受け入れられた切削工具2の頂点領域25との間に隙間が生じる。
【0022】
本発明に従って、ホルダ1の内部に冷却剤チャンネル40が延びることが提供される。第1の実施形態における冷却剤チャンネル40は、斜視図(図4)、断面図(図5)、平面図(図6)として図4乃至図6に示される。図7は冷却剤チャンネル40の第2の実施形態を斜視図で示す。冷却剤チャンネル40は、主チャンネル41と少なくとも2つの側方チャンネル42、43とを含む。主チャンネル41は、固定領域10を通って固定領域の中心に延び、好ましくは保持領域11内に短い距離だけ延びている。保持領域11では、2つの側方チャンネル42、43が主チャンネル41から分岐する。2つの側方チャンネル42、43は、保持領域を斜めに延びて出口開口部44、45に通じており、出口開口部44、45は、本発明によれば、周方向に見られるように、支持部16の側方に隣接して配置され、及び/又は支持部の側面163内に配置される。従って、出口開口部44、45は、支持部16に完全に隣接して(保持領域11の円周面15に)、または完全に側面163に配置されるのが好ましい。しかし、出口開口部44、45が夫々部分的に支持部16に隣接して配置され、即ち保持領域11の円周面15に配置され、及び部分的に支持部16の隣接する側面163に(またはその上に)配置されることもできる。
【0023】
従って、入口開口部49にて主チャンネル41に導入された冷却剤は、出口開口部44、45から出てゆくまで、主チャンネル41及び側方チャンネル42、43を通って流れる。これらの出口開口部44、45は、切削工具2のすぐ近くに配置されるため、冷却剤は、その切削部24に確実に衝突して、そこでの加工点で所望の冷却または潤滑をもたらす。
【0024】
この場合にて、出口開口部44、45は、台座13に可能な限り近く配置されることが好ましい。さらに、側方チャンネル42、43及び/又は出口開口部44、45が、つまり、例えば、流出する冷却剤が、刃先20及び/又は刃先20に隣接する側方フランク26(またはそこに位置する補助刃先)に衝突し、及び/又は刃先20とフランク26の間に位置する切削工具2の角27に衝突するように、保持領域11を通るこのような経路と、開口部のそのような構成を有するように、構成及び配置されるのが好ましい。これにより、穴に長い深さを加工する場合でも、フランク(補助刃先)と切削工具2の切削角部/半径方向の良好な冷却と潤滑が保証される。
【0025】
さらに冷却剤チャンネル40が、第3の出口開口部47に通じる第3の側方チャンネル46を備えるのが好ましい。第3の側方チャンネル46は、同様に主チャンネル41から分岐し、保持領域11を通って所定の角度を以って延びているのが好ましく、支持部16の上側162の第3の出口開口部47に通じているのが好ましい。この場合、第3の側方チャンネル46及び/又は第3の出口開口部47は、加工点で間接冷却及び潤滑をもたらすように、出た冷却剤が刃先20に当たるように構成及び配置されるのが好ましい。
【0026】
図4乃至図6に示された実施形態と対照的に、図7に示す冷却剤チャンネル40の実施形態にて、側方チャンネル42、43は主チャンネル41から直接分岐しない。代わりに、提供される横断チャンネル48は、主チャンネル41に対して横方向に(好ましくは垂直に)(及びホルダ1の長手方向の範囲の方向に対して横方向に)延び、横断チャンネル48は、主チャンネル41から分岐し、そこから少なくとも側方チャンネル42、43が分岐する。これにより、機能の面で大幅な変更が生じることはないが、横断チャンネルはホルダ1内の冷却剤チャンネル40の代替生産を可能にし、おそらく、側方チャンネル42、43の方向、従って側方チャンネル42、43からの冷却剤の出口方向を決定するためのより良いオプションを可能にする。
【0027】
本発明に従って提案されたホルダによって、及び本発明に従って提案されたホルダを備えたブローチ工具によって、切削工具の改善された冷却と潤滑、特にその刃先及び刃先及び切削角部又は切削半径に隣接するフランク(補助刃先)の改善された冷却と潤滑が他精される。
【0028】
勿論、本発明は示された例示的な実施形態に限定されない。例えば、切削工具の改良に関する多くの異なる変形例、例えば、刃先及び切削角部の配置、構成、及び数が直接考えられる。従って、冷却剤チャンネル又はそれらの出口開口部の数及び配置も、所望の目的を達成するために変えることができる。図に示すように、ホルダ内の冷却剤チャンネル全体の経路を異なるように構成することもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7