(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】VoLTEのための手動ローミングのサポート
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20220217BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20220217BHJP
H04W 80/10 20090101ALI20220217BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20220217BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20220217BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W76/10
H04W80/10
H04W88/18
H04M1/00 R
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2020522019
(86)(22)【出願日】2018-10-29
(86)【国際出願番号】 IB2018058457
(87)【国際公開番号】W WO2019087045
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-06-17
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/108294
(32)【優先日】2017-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(72)【発明者】
【氏名】フォティ, ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】スルタナ, シャブナム
(72)【発明者】
【氏名】ガン, ジュイン
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-169872(JP,A)
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,23.715: IMS Key Issues for RLOS,3GPP TSG SA WG2 #122BIS S2-176259,フランス,3GPP,2017年08月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気通信ネットワーク(202)における手動ローミングのための方法であって、
ユーザ装置(UE)(204)から、前記電気通信ネットワーク(202)内のノードに、前記電気通信ネットワーク(202)にアクセスするための要求(406)であって、
前記UE(204)に関連付けられた国際移動加入者識別子(IMSI)番号と、ローカルオペレータサービス(LOS)または制限つきローカルオペレータサービス
(RLOS)を望むことのインジケータ
とを含む要求(406)を送信することと、
前記ノードで、前記要求(406)を受信する(416)ことと、
前記ノードで、前記要求(406)がRLOSについての要求であると判定することと、
前記RLOSが要求されていると判定したことに応じて、前記ノードで、前記UE(204)についてのレコードと、前記UE(204)に発呼のみを許可するデフォルトプロファイルとを作成する(418)ことと、
前記UE(204)で、前記要求
(406)に対する応答(422)を
前記ノードから受信す
ることと、を有する、方法。
【請求項2】
前記要求(406)は、セッション開始プロトコル(SIP)REGISTERメッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気通信ネットワーク(202)内の前記ノードは、呼/セッション制御機能(CSCF)を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記CSCFが、プロキシCSCF(P-CSCF)(402)を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
サービング呼/セッション制御機能(S-CSCF)(404)で実行される、電気通信ネットワーク(202)における手動ローミングのための方法であって、
前記電気通信ネットワーク(202)にアクセスするための要求(406)であって、ユーザ装置(UE)(204)に関連付けられた国際移動加入者識別子(IMSI)番号と、制限つきローカルオペレータサービス(RLOS)を望むことのインジケータとを含んだ要求(406)を受信する(416)ことと、
前記要求(406)がRLOSについての要求であると判定することと、
前記RLOSが要求されていると判定したことに応じて、前記UE(204)についてのレコードと、前記UE(204)に発呼のみを許可するデフォルトプロファイルとを作成する(418)ことと、を有する、方法。
【請求項6】
前記要求(406)は、セッション開始プロトコル(SIP)REGISTERメッセージを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
プロキシ呼/セッション制御機能(P-CSCF)で実行される、電気通信ネットワーク(202)における手動ローミングのための方法であって、
セッションを確立するためのSIP INVITEメッセージをユーザ装置(UE)から受信することと、
前記UEが認証されていないことを示す一時的なレコードに前記UEが関連付けられていることと、ローカルオペレータサービス(LOS)が望まれていることとを判定したことに応じて、前記セッションの確立を処理するために選択されたCSCFに、前記SIP INVITEメッセージを送信することと、を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は2017年10月30日thに出願されたPCT出願番号PCT/CN2017/108294の利益を主張し、当該出願の内容を、参照によりその全体について本明細書に援用する。
【0002】
技術分野
本開示はLTE(Long Term Evolution)ネットワークでのローミングに関し、より具体的には、VoLTE(Voice over LTE)のための手動ローミングに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
電気通信ネットワークでは、モバイル機器またはユーザ装置(UE)は、モバイル機器がネットワークを通じて通信できるようになる前に、ネットワークへのアクセスを要求し、許可されなければならない。このプロセスをアタッチ(attachment)と呼ぶ。モバイル機器がネットワークへのアクセスを許可されるか拒否されるかどうかは、その機器のユーザが対象のネットワークの加入者であるかどうかによる。ユーザが加入しているネットワークは一般にユーザのホームネットワークと呼ばれ、ユーザが加入していないネットワークは一般に訪問先ネットワークと呼ばれる。モバイル機器がユーザのホームネットワークの外部で動作しているとき、例えば、訪問先ネットワーク内で動作しているとき、ユーザおよび/または機器は、「ローミングしている」と言われる。
【0004】
アタッチ/認証
図1Aは、認証ステップを含む従来のアタッチ手順に従って電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。このシグナリングメッセージ図および以降のシグナリングメッセージ図について、一連のメッセージを「コールフロー」と呼び、シグナリングメッセージ図を「コールフロー図」と呼ぶことができる。
図1Aに示される実施形態において、単に「ネットワーク100」とも呼ぶことができる電気通信ネットワーク100には、ユーザ装置(UE)102、可動性管理エンティティ(MME)104、およびホーム加入者サーバー(HSS)106が含まれる。UEは、無線機器(WD)、移動端末(MT)、または無線送受信器ユニット(WTRU)とも呼ばれうる。一実施形態では、電気通信ネットワーク100が発展型パケットシステム(Evolved Packet System: EPS)を有する。EPSでは、通常のアタッチ(normal Attach)には認証手順が必須である。
【0005】
図1Aに示すプロセスには、相互認証108と呼ばれるUE102とMME104の相互認証、セキュリティコンテキスト110の確立、および解放112の3つのフェーズがある。以下、これらフェーズの各々について順番に説明する。
【0006】
図1Aに示す実施形態において、相互認証処理108はUE102がMME104にアタッチ、トラッキングエリア更新、および/またはサービス要求(メッセージ114)の要求を送信すると開始される。これに応答して、MME104は、認証情報の要求(メッセージ116)をHSS106に送信する。HSS106は、認証情報応答(メッセージ118)で応答する。そして、MME104は、認証情報を用いて認証要求(メッセージ120)をUE102に発行し、UE102は、認証応答(メッセージ122)をMME104に発行する。相互認証処理108は、UE102およびMME104に対して有効なセキュリティコンテキストが存在しない場合、インテグリティ保護手段が失敗した場合、または選択的認可が構成された場合に実行される。
【0007】
図1Aに示す実施形態において、相互認証処理108が成功した場合、MME104がUE102に対してセキュリティモードコマンド(メッセージ124)を発行することからセキュリティコンテキストの確立処理110が始まる。UE102は、セキュリティモードコマンドが完了したことを示すことにより、MME104に応答する(メッセージ126)。UEセキュリティコンテキストの確立処理110にはUE102およびMME104によって合意されたアルゴリズムを用い、これが完全性保護および暗号化の開始である。
【0008】
図1Aに示す実施形態では、解放処理112がS1解放、すなわちECM-IDLEを含む。UEがデタッチされ、または新しいMMEに移動した後であっても、既存のセキュリティコンテキストを再度用いることができる。
【0009】
ただし、
図1Aに示すコールフローでは、MME104がHSS106から認証情報を受信可能であることが求められる。例えば、UE102が加入者のホームネットワーク内に存在する場合、MME104はHSS106から必要な情報を得ることができ、その結果、アタッチは成功する。同様に、UE102が加入者のホームネットワーク内に存在せず、代わりに訪問先ネットワーク(訪問先エリアとも呼ばれる)内で動作している場合、ホームネットワークおよび訪問先ネットワークがローミング契約を有していれば、MME104(これもまた訪問先ネットワーク内に存在するであろう)は加入者のホームネットワーク内のHSS106へのアクセスを提供される。この場合も、アタッチは成功する。
【0010】
手動ローミング
一方、UE102が、加入者のホームネットワークとローミング契約を有しない訪問先ネットワーク内で動作している場合、ホームネットワーク内のHSS106は訪問先ネットワーク内のMME104からの認証要求を拒否するかもしれず、あるいはMME104は加入者のホームネットワーク内のHSS106へ全くアクセスできないかもしれない。この場合、認証が実行できないためアタッチは失敗する。このシナリオを
図1Bに示す。
【0011】
図1Bは、認証が失敗する従来のアタッチ手順に従って電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
図1Bに示す例において、UE102はアタッチメッセージ(メッセージ128)を発行する。MME104はそのメッセージを受信し、認証情報の取得を試みるが、認証情報が入手不能であると判定する(動作130)。この判定に応じて、MME104は、アタッチに失敗したことをUE102に通知する(メッセージ132)。
【0012】
本明細書で使用される場合、用語「手動ローミング」は上述のシナリオ、例えば、ユーザが訪問先エリア内にローミングしているが、訪問先エリア(訪問先ネットワークとも呼ばれる)内のサービスプロバイダがローミングユーザのホームネットワーク(ホームドメインとも呼ばれる)との関係または契約を有しないケースを意味する。この場合、ローミングユーザは特別な契約を行えない限り、通話することができない。用語「手動ローミング」は訪問先ドメインとホームドメインとの間にローミング合意があるシナリオにも適用することができ、この場合、手動ローミングはローミングユーザの長距離料金を回避するサービスとすることができる。手動ローミングシナリオにおける加入者を、本明細書では「手動ローミング者」、「手動ローミング加入者」、または「手動ローミングユーザ」と呼ぶ場合がある。
【0013】
手動ローミングの問題に対する1つの従来の手法はローカル番号を用いてローカル加入をユーザに提供し、必要な信用証明(credentials)をユーザ機器にダウンロードすることである。しかし、この手法では、ユーザは、通常自分の携帯番号、携帯電話番号、または電話番号を表しているユーザ本来のMSISDN(Mobile Station International Subscriber Directory Number)を用いることができない。そのため、すべての潜在的な発信者に新しい臨時番号を通知しないと、自分宛の通話を受けることができない。
【0014】
手動ローミングの問題に対する別の従来の手法は、例えば、通常の認証をバイパスする発呼に関するUE MSISDNを一時的に有効にすることによって、ユーザが本来のMSISDNを用いて通話を開始(発呼)できるようにすることである。しかし、この手法では、ユーザは手動ローミング中に通話をまったく受けられない。
【0015】
このように、手動ローミングの問題に対する従来の解決策は、明確な欠点を有する。
【0016】
発明の概要
本開示の主題は、LTEまたは5GにおけるVoLTEのための手動ローミングへの支援を提供する。実施形態はLTEに関して説明されるが、5Gにも適用可能である。本開示は、手動ローミング者が自分本来の電話番号を用いてVoLTE通話を発呼および着呼することができる解決策を提示する。本開示はまた、手動ローミング者がサービスを有効にするためにVPLMNのポータルにアクセスすることができるように、認証に失敗した通常のアタッチを受け入れるための解決策を提案する。
【0017】
一態様によれば、モビリティ管理エンティティ(MME)で実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、ユーザ装置(UE)から、電気通信ネットワークへアクセスするための緊急でない要求を受信することと、UEを認証するための認証情報が入手不能であると判定することと、認証情報が入手不能であると判定したことに応じて、UEが認証されなかったことを示すインジケータを含む応答をUEに送信することと、を有する。
【0018】
別の態様によれば、ユーザ装置(UE)で実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法であって、電気通信ネットワーク内のノードに、電気通信ネットワークへアクセスするための要求を送信することと、電気通信ネットワーク内のノードから、要求に対する応答を受信することと、UEが認証されていないことを示すインジケータを含む応答を受信することと、UEが認証されていないことを示すインジケータを受信したことに応じて、要求に対する応答を確認するメッセージを電気通信ネットワーク内のノードに送信することと、を有する。
【0019】
別の態様によれば、MMEで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、UEから電気通信ネットワークにアクセスするための要求であって、ローカルオペレータサービス(LOS)を望むことのインジケータを含む要求を受信することと、UEを認証するための認証情報が入手不能であると判定することと、認証情報が入手不能であると判定したことに応じて、電気通信ネットワークへの手動ローミングアクセスを取得するためのポータルにUEをルーティングすることと、を有する。
【0020】
別の態様によれば、UEで実行される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、電気通信ネットワーク内のノードに、電気通信ネットワークへアクセスするための要求であって、ローカルオペレータサービス(LOS)を望むことを示すインジケータを含む要求を送信することと、電気通信ネットワークへの手動ローミングアクセスを取得するために、電気通信ネットワーク内のノードによってポータルにルーティングされることと、を有する。
【0021】
別の態様によれば、訪問先ネットワークポータルで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、ユーザ装置(UE)と、訪問先ネットワークへの手動ローミングアクセスを取得するためのセッションを確立することと、訪問先ネットワークへの手動ローミングアクセスをUEに提供することと、アプリケーションサーバ(AS)のアドレスおよび転送サービスを構成するための命令をASに提供することと、UEが電気通信ネットワークへの手動ローミングアクセスを許可されたことをモビリティ管理エンティティ(MME)に通知することと、を有する。
【0022】
別の態様によれば、UEで実行される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、電気通信ネットワーク内のノードに、電気通信ネットワークにアクセスするための要求であって、ローカルオペレータサービス(LOS)を望むことのインジケータを有する要求を送信することと、第1のものに対する応答を受信することと、を有する。
【0023】
別の態様によれば、プロキシ呼/セッション制御機能(P-CSCF)で実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、ユーザ装置(UE)から、電気通信ネットワークにアクセスするための登録要求であって、国際移動体加入者識別子(IMSI)番号と、ローカルオペレータサービス(LOS)を望むことのインジケータとを有する要求を受信することと、要求からIMSIを取得することと、訪問先ネットワークポータルに、IMSIを有効化するための要求を送信することと、訪問先ネットワークポータルから、IMSIを有効化するための要求に対する応答を受信することと、UEのためのレコードを作成するとともに、LOSを望むことのインジケータを含んだ要求をサポートするように構成されたサービングCSCF(S-CSCF)をUEに割り当てることと、要求を、割り当てられたS-CSCFに転送することと、割り振られたS-CSCFから、要求の結果を受信することと、登録要求の結果をUEに転送することと、を有する。
【0024】
別の態様によれば、訪問先ネットワークポータルで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、国際移動加入者識別子(IMSI)番号を有効化するための要求を受信することと、受信されたIMSI番号を有効化することと、IMSIを有効化するための要求に対する応答を送信することと、を有する。
【0025】
別の態様によれば、S-CSCFで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、電気通信ネットワークにアクセスするための登録要求であって、ユーザ装置(UE)に関連付けられたIMSI番号を含んだ登録要求を受信することと、登録要求がローカルオペレータサービス(LOS)を望むことのインジケータを有していることを判定することと、LOSが望まれていると判定したことに応じて、UEのためのレコードと、UEに発呼および着呼だけを許可するデフォルトプロファイルとを作成することと、を有する。
【0026】
一態様によれば、手動ローミング者によってIMSセッション(例えば、VoLTEセッション)を確立するための方法が提供される。制限つきローカルオペレータサービス(RLOS)へのアクセスを望む手動ローミング者のUEは、セッション開始要求に特別なインジケータを挿入するとともに、セッション開始要求のReqest-URIに要求するRLOSを含める。そのような要求がP-CSCFによって受信され、かつそのP-CSCFがRLOSをサポートする場合、P-CSCFは入来したRequest-URIにおいて要求されるRLOSサービスがP-CSCFの中に構成されている限り、セッションを受諾するであろう。P-CSCFは、入来する要求を、登録時にUEに割り当てられたS-CSCFに転送するであろう。P-CSCFは「RLOSのみのユーザ」としてマークされたユーザについて、RLOSインジケータのない入来セッションを拒絶するであろう。
【0027】
別の態様によれば、UEで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、ローカルオペレータサービス(LOS)を望むというインジケータを有するメッセージをP-CSCFに送信することと、アプリケーションサーバ(AS)のアドレスを受信することと、ASに通信転送を構成するための命令を電話アプリケーションサーバ(TAS)に送信することと、を有する。
【0028】
別の態様によれば、アプリケーションサーバ(AS)で実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、終端セッションに関連するSIP INVITEメッセージを受信することと、SIP INVITEメッセージが特定のネットワークノードから来たものであり、かつ手動ローミングに関連するものであると判定することと、SIP INVITEメッセージが特定のネットワークノードから来たものであると判定すると、I-CSCFを介して、手動ローミングに関連する要求を処理するように構成されたS-CSCFにSIP INVITEメッセージを転送することと、を有する。
【0029】
別の態様によれば、手動ローミングに関連する要求を処理するように構成されたS-CSCFで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、SIP INVITEメッセージを受信することと、SIP INVITEメッセージが特定のネットワークノードから来たことを判定することと、SIP INVITEメッセージが特定のネットワークノードから来たと判定したことに応じて、手動ローミングに関連する要求を処理するように構成されたP-CSCFにSIP INVITEメッセージをプロキシすることと、を有する。
【0030】
別の態様によれば、MMEで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、UEによる電気通信ネットワークへのアクセスのための要求を受信することと、UEの認証が成功したと判定することと、UEの認証が成功したと判定したことに応じて、LOSが望しいことを判定することと、LOSが望ましいことを判定したことに応じて、LOSについてユーザをポータルに接続するために、LOSについて設定されたアクセスポイント名(APN)へのセッションを開始することと、を有する。
【0031】
別の態様によれば、MMEで実施される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、UEによる電気通信ネットワークへのアクセスのための要求を受信することと、UEの認証が成功しなかっと判定することと、UEの認証が成功しなかったと判定したことに応じて、LOSが望ましいことを判定することと、LOSが望ましいと判定したことに応じて、LOSについてユーザをポータルに接続するために、LOSのためのポータルへのセッションを開始することと、を有する。
【0032】
別の態様によれば、LOSのためのポータルで実行される、電気通信ネットワークにおける手動ローミングのための方法は、LOSサービスを望む手動ローミングUEとのセッションを確立することと、手動ローミングUEへのアクセスを許可することと、手動ローミングUEにアクセスが許可されたことをMMEに通知することと、を有する。
【0033】
別の態様によれば、電気通信ネットワークにおける手動ローミングをサポートするように構成されたMMEは、本明細書で説明される方法のいずれかを実行するように構成された無線インタフェースおよび処理回路を有する。
【0034】
別の態様によれば、電気通信ネットワークにおける手動ローミングをサポートするように構成されたUEは、本明細書で説明される方法のいずれかを実行するように構成された無線インタフェースおよび処理回路を有する。
【0035】
別の態様によれば、電気通信ネットワークにおける手動ローミングをサポートするように構成された訪問先ネットワークポータルは、本明細書で説明される方法のいずれかを実行するように構成された無線インタフェースおよび処理回路を有する。
【0036】
別の態様によれば、電気通信ネットワークにおける手動ローミングをサポートするように構成されたCSCFは、本明細書で説明される方法のいずれかを実行するように構成された無線インタフェースおよび処理回路を備える。
【0037】
別の態様によれば、電気通信ネットワークにおける手動ローミングをサポートするように構成されたASは、本明細書で説明される方法のいずれかを実行するように構成された無線インタフェースおよび処理回路を有する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は本開示のいくつかの態様を示し、説明とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【
図1A】従来のアタッチ手順に従って電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
【
図1B】従来のアタッチ手順に従って電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
【
図2】本開示の一態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
【
図3】本開示の別の態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
【
図4】本開示の別の態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
【
図5】本開示の別の態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
【
図6】本明細書で説明されるいくつかの実施形態による無線ネットワークを示す。
【
図7】本明細書で説明されるいくつかの実施形態によるユーザ装置を示す。
【
図8】本明細書で説明されるいくつかの実施形態による仮想化を示す模式的なブロック図である。
【
図9】本明細書で説明するいくつかの実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された電気通信ネットワークを模式的に示す。
【
図10】本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、基地局を介してユーザ機器と部分的な無線接続を介して通信するホストコンピュータの一般化されたブロック図である。
【
図11】本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。
【
図12】本明細書で説明するいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムで実施される方法を示すフローチャートである。
【
図13】本明細書で説明するいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムで実施される方法を示すフローチャートである。
【
図14】本明細書で説明するいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムで実施される方法を示すフローチャートである。
【
図15】本明細書で説明されるいくつかの実施形態による方法を示す。
【
図16】本明細書で説明されるいくつかの他の実施形態によるユーザ装置を示鈴である。
【
図17】本明細書で説明される実施形態によるMME、CSCF、AS、またはネットワークポータルを実装するネットワークノードを示す図である。。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
以下に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にする情報を提示するとともに、実施形態を実施する最良の形態を示す。添付図面に照らして以下の説明を読むと、当業者は本開示の概念を理解し、本明細書で具体的に言及されていない用途に対するこれらの概念の適用に関して認識するであろう。これらの概念および用途は、本開示の範囲内にあることを理解すべきである。
【0040】
手動ローミング者が自分自身の携帯電話番号(すなわち、MSISDN)を、従来の手法の制限や欠点なしに、VoLTE呼の発信および受信の両方に用いることを可能にするための方法およびシステムが提示される。いくつかの実施形態では、認証に失敗したUEは、どのようにサービスを得られるかの指示がユーザに提示されるポータルに導かれてもよい。いくつかの実施形態では、課金されうるアクセス料に対してユーザがクレジットカード番号を提供する。いくつかの実施形態では、ポータルがUEのIMSIおよびMSISDNを取得する。ユーザは自宅で、自身の自宅の場所に応じた、ポータルによって提供される特定のIPアドレスに、明示的な通信転送サービスを構成するように指示されうる。
【0041】
ホームドメインが訪問先ドメインとローミング契約を有する場合、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアシステム(IMS)ネットワークに対して、UEは通常のIMS登録を実行し、S-CSCFが割り当てられる。ホームドメインが訪問先ドメインとローミング契約を有しない場合、UEへのセッションを終了するために、登録されていない間もS-CSCFがUEにサービスを提供することを可能にする未登録プロファイルをユーザは持つことになる。一実施形態では、UEが次回初期アタッチを開始するとき、MMEは訪問先ドメイン内の要求されたIMSアクセスポイント名(APN)にUEを接続してもよい。一実施形態では、オフライン手段を介してポータルから得られるUE IMSI/MSISDNによってMMEが構成される。これにより、UEは普段通り自分のMSISDNを用いて発呼することができようになる。UE MSISDNへのセッションを終端するために、ユーザが設定した転送サービスは、UEへのセッションを終端するといった、訪問先ドメインにルーティングされているホームドメイン内のASへのサービスを、別のASに転送するか、訪問先ドメイン内のASに直接転送し、さらにそこからUEに転送する。
【0042】
EPCおよびIMSへの登録
図2~4は、手動ローミング中に、移動機からの発呼がどのように処理されうるかの例を示している。
【0043】
図2は、本開示の一態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
図2はホームネットワーク200および訪問先ネットワーク202を示し、「ホーム」と「訪問先」との間の区別は、本開示の実施形態に従って動作するUE204のユーザまたは加入者の観点による。
図2に示す例では、ホームネットワークと訪問先ネットワークの両方が公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)であり、この場合、ホームネットワーク200はホームPLMN(HPLMN)200とも呼ばれ、訪問先ネットワーク202は訪問先PLMN(VPLMN)202とも呼ばれる。
【0044】
図2に示す実施形態では、訪問先ネットワーク202が本開示の実施形態に従って動作するMME206を含む。ホームネットワーク200はHSS106を含む。HSS106は
図1の同じ番号の要素と本質的に同一であるため、ここで同じ説明を繰り返すことはしない。
【0045】
図2は、本開示の一実施形態による手動ローミングのためのコールフローを示す。
図2に示す実施形態では、UE204が、例えばアタッチ要求(メッセージ208)を送信することによって、訪問先ネットワーク202への通常のアタッチを実行しようと試みる。
【0046】
図2に示す実施形態では、アタッチ要求の受信に応答して、MME206は認証情報の取得を試みる(ブロック210)が、何らかの理由でHSS106から認証情報を取得することができない。その理由は、MME206がHSS106のID、ネットワークアドレス、またはネットワーク位置を特定できず、したがってHSS106と通信できないことでありうる。
【0047】
図2に示す実施形態では、認証情報の取得に失敗したことに応じて、MME206は、その応答において、新しいインジケータ、例えば「UE未認証」または同様のものと、UE204がその応答において、緊急通話を行う際に用いられるEEAOヌル暗号化アルゴリズムのような、進化型パケットシステム(EPS)暗号化アルゴリズム(EEA)を用いるべきであるというインジケータと、を含んだセキュリティモードコマンド(メッセージ212)をUE204に送信する。しかしながら、アタッチタイプがEPS緊急アタッチである緊急通話シナリオとは対照的に、
図2に示すシナリオでは、アタッチタイプは通常のEPSアタッチである。緊急通話のシナリオとの別の違いは、緊急通話のシナリオではUE204がアタッチタイプから緊急アタッチが存在すること、UE204に追加の情報が必要とされない(または供給されない)ことを知ることである。対照的に、
図2に示されるシナリオではUE204が通常のEPSアタッチを受信するため、セキュリティモードコマンド(メッセージ212)内の新しいインジケータ「UE未認証」によって供給される追加情報を必要とする。さもなければ、UEは認証されていないために手続きに失敗するであろう。
【0048】
したがって、
図2に示す実施形態ではUE204が非アクセスストラタム(NAS)、無線リソース制御(RRC)、およびユーザプレーン(UP)データの暗号化のためにEEA0を使用し(ブロック214)、適切なセキュリティモード完了(メッセージ216)をMME206に送信することによって、メッセージ212および「UE未認証」インジケータに応答する。MME206はUE204にアタッチ受諾(メッセージ218)を送信する。「UE未認証」インジケータがない場合、UE204は、UE204とVPLMN 202との間の相互認証の欠如のため、手順に失敗するであろう。その代わりに、
図2は、非緊急事態中のアタッチが、ある状況下ではいずれにしても可能でありうる点を示している。以下の
図3に示すように、これらの状況の1つは、UE204のユーザが、手動でローミングし、かつ自分の本来のMSISDNを維持するために、VPLMN 202に料金を支払う機会を与えられることであってよい。
【0049】
図3は、本開示の別の態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
図3は、訪問先ネットワーク202の別の図を示す。
図3に示す実施形態では訪問先ネットワーク202がUE204およびMME206に加え、ゲートウェイ300ならびに訪問先ポータル302も含んでいる。訪問先ポータル302は、本明細書では訪問先ネットワークポータル302、ネットワークポータル302、またはポータル302と呼ぶこともできる。一実施形態では、ゲートウェイ300がサービングゲートウェイ、パケットデータネットワークゲートウェイ、別のタイプのゲートウェイ、またはこれらの組合せであってもよい。
【0050】
図3に示されるプロセスは、UE204が訪問先ネットワーク202へのアタッチを試みた(メッセージ304)が、認証(動作306)に失敗したときに始まる。
図3に示す実施形態では認証の失敗に応答して、UE204は訪問先ポータル302にルーティングされ(動作308)、ユーザは自分のMSISDNまたは国際移動体加入者識別(IMSI)についての一時的な加入を取得することができる(通信310)。一実施形態では、訪問先ポータル302が、クレジットカード、デビットカード、または他の金融商品を用いて、ユーザがこの一時的な加入または他の特典を購入できるようにしてもよい。
【0051】
一実施形態ではUE204はまた、アプリケーションサーバ(AS)のネットワークアドレスと、明示的通信転送と呼ばれる、終端セッションサービスの即時転送を構成するための命令とを取得し、ここで、UEへのすべての終端セッションはそのASに転送される(この一例が以下の
図5により詳細に示される)。
【0052】
図3に示す実施形態では、訪問先ポータル302がIMSI/MSISDNに一時加入が許可されたことをMME206に通知する(メッセージ312)。このステップはオンライン(例えば、訪問先ネットワーク202を介して)またはオフライン(例えば、訪問先ポータル302とMME206との間の何らかの他の通信チャネルを介して)で実行することができる。
【0053】
次に、UE204は、訪問先ネットワーク202のIMS APNへのアタッチを試みる(メッセージ314)。LTEでは任意のAPN(例えば、IMS APN、インターネットAPNなど)へのパケットデータネットワーク(PDN)接続はSGW/PGWを含むのが一般的である。
図3に示す実施形態では、UE204がゲートウェイ300にアタッチしようと試みる(メッセージ314)。前の段階でUE204のIMSI/MSISDNを通知されたMME206は、許可が与えられたと判定し(アクション316)、例えば、アタッチ応答(メッセージ318)を介して、この事実をUE204に通知する。次いで、UE204は、UE204とゲートウェイ300との間にコネクション320を確立する。一実施形態において、MME206はまた、UE204にローカルプロキシコール/セッション制御機能(P-CSCF)のアドレスを提供する。そして、UE204は、訪問先ネットワーク202のIMSに登録することができる。
【0054】
手動ローミングの別の実施形態では、UE204が電気通信ネットワークへのアクセスを要求するアクセス要求をMMEに送信する。MMEはUE204の認証に進み、認証が成功した場合、MMEは、LOSが望ましいか否か判定する。LOSが望ましいとMMEが判定した場合、MMEは、ユーザをLOS用のポータルに接続するために、LOSのために構成されたアクセスポイント名(APN)に対してセッションを開始する。LOSが望ましくない場合、MMEはデフォルトのアクセスポイント名(APN)へのセッションを開始する。一方、UEの認証が成功しなかった場合、MMEはLOSが望ましいか否かを判定するかもしれない。LOSが望ましければ、MMEはいずれにせよ、LOSのために構成されたアクセスポイント名(APN)へのセッションを開始し、ユーザをLOSのためのポータルに接続する。しかし、LOSが望ましくない場合、UEは電気通信ネットワークへのアクセスを拒否される。
【0055】
図3に示す実施形態ではユーザが訪問先ポータル302とのやりとりを通じて必要な情報を獲得することができ、MME206は認証に失敗したUEが訪問先ポータル302にルーティングされることを可能にするように構成される。一実施形態では、認証に失敗したUEについて特定のカテゴリのみが訪問先ポータル302に導かれるように、MME206が、この能力を利用可能な特定のドメインを用いて構成されてもよい。
【0056】
図4は、本開示の別の態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
図4は、IMSドメインにおけるUE登録の例を示す。
図4に示す実施形態では訪問先IMSネットワーク400がUE204および訪問先ポータル302に加え、P-CSCF402およびサービングCSCF(S-CSCF)404も含んでいる。一実施形態において、P-CSCF402および/またはS-CSCF404は、手動ローミング者を取り扱うように構成されてもよい。
【0057】
図4に示す実施形態では、UE204が、自身のRLOSサポートを示すフィーチャータグを含んだ、P-CSCF402に送信されたセッション開始プロトコル(SIP)REGISTERメッセージ(メッセージ406)を通じてIMSドメインへの登録を要求する。一実施形態ではP-CSCF402がSIPインスタンスフィーチャータグ、またはSIP REGISTERメッセージの他の適切なヘッダーからIMSIを取得し(アクション408)、P-CSCF402は有効化のためにIMSIを訪問先ポータル302に送信する(メッセージ410)。
図4に示す実施形態では、IMSI番号は訪問先ポータル302によって有効化され、訪問先ポータル302はIMSIが成功裏に有効化されたことを示す応答メッセージ(メッセージ412)をP-CSCF402に送信する。代替実施形態において、訪問先ポータル302は、メッセージ410および412を通じてではなく、オフライン手段を通じて、承認されたIMSIの一覧をP-CSCF402にプッシュしてもよい。
【0058】
図4に示す実施形態では、IMSIの有効化が成功すると、P-CSCF402は、いかなる実際のIMS登録も実行せずに、ユーザがUE204のLOSユーザであるというインジケータを有するレコードを作成するとともに、C-CSCF404などの特別なS-CSCFを割り当て、登録を受け入れる(動作414)。P-CSCF402からの通信(通信416)に応答して、S-CSCF404は、ユーザがLOSユーザであるというインジケータを含んだ、UEに関するレコードを作成し、UEが発呼および着呼できるようにするためのデフォルトプロファイルを割り当てる(動作418)。S-CSCF404は結果をP-CSCF402に通知する(メッセージ420)。次に、P-CSCF402は、SIP登録が成功したことをUE204に通知する(メッセージ422)。
【0059】
一実施形態では、インターネットプロトコルセキュリティ(IPSEC)がまだ確立されていないので、
図4に示すSIPシグナリングは暗号化されないことに留意されたい。いくつかの実施形態では、SIP信号が暗号化されないままであってもよい。他の実施形態では、これらのノードがそれらを横断して確立されたIPSECを有することができ、すべてのトラフィックを保護する。さらに別の実施形態では、P-CSCF402が認証ノードとやりとりし、IPSECセキュリティアソシエーション(SA)の作成を可能にするために、鍵および他の情報を交換するために登録をエミュレートしてもよい。さらに別の手法は最初にTransport Layer Security(TLS)を確立し、次にSIP登録を実行することである。
【0060】
別の態様では、RLOSへのアクセスを望むUEが通常のIMS登録を実行し、RLOSに対する自身のサポートを示すためにフィーチャータグを含めなければならない。P-CSCFが利用者を認証できない場合、P-CSCFは一時的なレコードを作成し、ユーザを「RLOSのみのユーザ」としてマークする。P-CSCFは、要求を、RLOS専用で、P-CSCF内に構成された特別なS-CSCFに転送しなければならない。S-CSCFはUEのデフォルトプロファイルを作成し、登録が受け入れられる。I-CSCFがSIPメッセージをS-CSCFにルーティングするために使用される場合、I-CSCFは、UE登録時に、RLOSをサポートするS-CSCFをUEに割り当てる。これは、I-CSCFが、RLOSに関連する新しい能力を理解可能であり、かつRLOSをサポートするS-CSCFを割り当て可能であるべきであることを意味する。
【0061】
移動機で終端する呼
図5は、本開示の別の態様による、電気通信ネットワークの構成要素間で通信されるメッセージを示すシグナリングメッセージ図である。
図5は、手動ローミング中に移動機で終端する呼がどのように処理されるかの例を示している。
図5に示す実施形態では、電気通信ネットワーク500がホームドメイン502および訪問先ドメイン504を有している。
【0062】
図5に示す実施形態では、ホームドメイン502がHSS106、I/S-CSCF(Interrogating/Serving-CSCF)506、電話アプリケーションサーバ(TAS)508、および第1のアプリケーションサーバ(AS1)510を含む。
図5に示す実施形態において、I/S-CSCFは、I-CSCFの機能とS-CSCFの機能とが同じ場所にあるネットワークエンティティである。代替実施形態において、I-CSCFおよびS-CSCFは、同じ場所にない別個のエンティティであってもよい。
【0063】
TAS 508は、特定のネットワークノードに転送される終端セッションの設定など、ユーザが通信転送サービスを設定できるエンティティである。例えば、ユーザがAS1 510のIPアドレスを知ると、ユーザは、ユーザのMSISDNへのすべての終端コールがAS1 510に転送されるように転送サービスを設定することができる。一実施形態では、ユーザがTAS 508内で自分の転送サービスを設定するために、XML(Extensible Markup Language)構成アクセスプロトコルを用いることができる。あるいは、例えば、訪問先ドメイン504とホームドメイン502との間にローミング契約がないため、ローミングユーザが自分のホームドメイン502にアクセスできない場合、ユーザはオペレータに発呼してそのような転送を要求することができる。あるいは、ユーザは、ローミング契約を必要としない通常のインターネット接続を介してTAS 508にアクセスすることができる。TASは典型的には有線および無線アクセスの両方に用いられるので、ユーザは典型的にはセルラネットワークまたは固定ネットワークを用いて自分のプロファイルを設定することができる。
【0064】
SIPシグナリングについて、UE204内のIMSアプリケーションは、IMSウェルノウンAPNを用いる。UE204は、非IMSアプリケーションがこのAPNを使用しないようにする必要がある。
【0065】
図5に示す実施形態では訪問先ドメイン504がP-CSCF402、S-CSCF404を含んでおり、それら機能は
図4の同様の番号の要素と本質的に同一であるため、それらについての説明はここでは繰り返さない。
図5に示す実施形態では、訪問先ドメイン504が第2のアプリケーションサーバ(AS2)512を含む。
図5に示される実施形態ではAS1 510が、入来SIP INVITEメッセージをAS2 512にプロキシするように構成され、例えばAS1 510はAS2 512のアドレスを用いて構成される。一実施形態では、AS1 510が物理的にホームドメイン502内に位置していても、AS1 510およびAS2 512の両方が訪問先ドメイン504によって所有または制御される。そのような実施形態では、AS1 510およびAS2 512の両方が同じドメイン名、たとえば、訪問先ドメイン504のドメイン名を有することができる。代替実施形態(図示せず)では、ペアではなく単一のASを用いることができ、そのような実施形態ではASは訪問先ドメインに存在するのが一般的である。
【0066】
図5に示される実施形態では、AS2 512が手動ローミング者を取り扱うように構成されたI-CSCF(interrogating-CSCF)514に、全ての入来INVITEをプロキシするように構成されている。例えば、I-CSCF 514はAS2 512からの入来要求を受信した場合には通常の処理を行わず、代わりに、手動ローミング者に対して割り当てられうるS-CSCF404にそのような要求を単にプロキシする。
【0067】
UE204が、
図5において汎用的にネットワーク516から入来するものとして示される、ホームドメイン502内のエンティティから移動機で終端する呼、例えば誰かがUE204のユーザ(以下「ユーザ」と呼ぶ)の電話番号に通話した呼の意図する宛先である例示的な動作を、ここで説明する。
【0068】
図5に示す実施形態では、UE204への、移動体で終端する呼の発生前に、訪問先ドメイン504はAS1 510のIPアドレス(または他の形式のネットワークアドレス)をUE204に提供し、UE204は例えば、上述のようにTAS 508を用いて、いくつかの通信のAS1 510への明示的転送を設定する(ブロック518)。これらのステップは例えば、
図3のブロック310の一部として行われてもよく、または
図3のブロック310の後に行われてもよい。SIPプロトコルは例えば、セッションが、SIPネットワークによって解決される別のSIP URIに、別のTel URIに、あるいは純粋なIPアドレスに転送されることを可能にし、INVITEは例えば、
図3の訪問先ポータル302によって提供されるIPアドレスに転送される。一実施形態では、ホームドメイン502のオペレータが、転送サービスを構成するために用いられうる1つ以上のURLをUE204に提供してもよい。上述したように、それらのURLはセルラーネットワークを介して、または例えば固定インターネットネットワークを介して、別の無線ネットワークを介して、連絡されてもよい。
【0069】
この構成を行うことができるいくつかの方法がある。例えば、一実施形態では、訪問先ドメイン504がUE204によって実行される構成スクリプトを提供してもよい。一実施形態では、このスクリプトがXCAP URLを読み取り、XCAP構成を実行することができる。別の実施形態ではユーザが訪問先ポータル302によって提供されるIPアドレスをショートメッセージサービス(SMS)またはテキストメッセージでホームドメイン504のオペレータに送ることができ、そのオペレータは必要な構成を管理上行うであろう。さらに別の実施形態では、ユーザはウェブサイトまたは他の構成ポータルに接続し、そこで必要な構成ステップを実行することができる。
【0070】
図5に示す実施形態では、UE204への入来呼が、ネットワーク516がI/S-CSCF 506に対してSIP INVITE(メッセージ520)のようなメッセージを発行することから始まる。このメッセージは、例えばTel-URIとしてのRequest-URIの中に、ローミングユーザのMSISDNを含んでいる。
【0071】
I/S-CSCF 506内のI-CSCF機能は、被呼ユーザのMSISDNに関連する認証情報をHSS106に問い合わせることによって、メッセージ520に応答(メッセージ522)し、それに対してHSS106が応答する(メッセージ524)。ユーザはホームドメイン502に登録されていてもよく、この場合、ユーザのプロファイルが取得される。ユーザはホームドメイン502に登録されていなくてもよく、その場合、ユーザは未登録プロファイルを有する。一実施形態では、ユーザが登録されているか否かにかかわらず、HSS106からの応答は、ユーザのホームドメイン502でユーザに割り当てられたか、ユーザに登録されたS-CSCFのIDを含んでいる。
図5に示される実施形態では、S-CSCFはI/S-CSCF 506である。説明のために、
図5に示すコールフローでは、ユーザがまだ登録されておらず、したがって、HSS106が未登録プロファイルを戻すものとする。
【0072】
一実施形態において、I-CSCF機能は、INVITEメッセージをS-CSCF機能に転送する。ここで、
図5に示された実施形態のように、I-CSCF機能がS-CSCF機能と同じ場所に配置されている場合、I/S-CSCF506の内部でINVITEメッセージが転送される。一実施形態において、S-CSCF機能は、HSS106から未登録プロファイルを取り込む(不図示)。
【0073】
図5に示す実施形態では、I/S-CSCF506がINVITEをTAS 508に転送する(メッセージ526)。TAS 508はAS1 510に属する設定されたIPアドレスにセッションを転送し、その後、さらなるルーティングのためにINVITEをI/S-CSCF 506に送信する(メッセージ528)。
【0074】
図5に示す実施形態では、I/S-CSCF 506はINVITEメッセージをAS1 510に転送(メッセージ530)し、AS1 510はメッセージをAS2 512にプロキシ(メッセージ532)し、AS2 512はメッセージを、訪問先ドメイン504のI-CSCFであるI-CSCF 514に転送(メッセージ534)する。I-CSCF 514は入来要求メッセージ526がAS2 512から来たことを判定し(動作536)、その結果、その要求を、手動ローミング者に割り当てられたS-CSCF、たとえばS-CSCF404に単にプロキシする(メッセージ538)。
【0075】
INVITEメッセージが訪問先ドメイン504に入ると、S-CSCF404およびP-CSCF402はメッセージを通常通りに処理する。例えば、INVITEがP-CSCF402に到着すると(メッセージ540)、P-CSCF402はUE204のMSISDNに関するIPアドレスを特定し、INVITEをUE204にプロキシする(メッセージ542)。UE204への接続が行われるものとすると、SIP200 OKメッセージのような応答メッセージ544は、訪問先ドメイン504およびホームドメイン502を介して、そして最終的にはネットワーク516に戻される。
【0076】
本明細書で開示される概念は制限つきローカルオペレータサービス(RLOS)へのアクセスに関連するいくつかの既存の問題に対する解決策を提供するとともに、制限なしローカルオペレータサービス(LOS)に関連する問題にも等しく適用可能である。説明を簡単にするために、以下で使用される「RLOS」という用語は、LOS、RLOS、またはLOSとRLOSの両方を指すものと理解されたい。例外は、RLOSまたはLOSについての発呼がUEによって要求された場合である。
【0077】
RLOS-EPC
ここで、本明細書に記載された主題の、EPC(Evolved Packet Core)における例示的な実施を、
図3に示されたネットワークエンティティに関して説明する。一実施形態では、RLOSにアクセスすることを望むUE204は、その旨のインジケータを初期アタッチに含めるべきである。これは、RLOSに接続するための明示的な要求である。例えば、アタッチ要求(メッセージ304)は、インジケータ「RLOS」を含む。
【0078】
UE204が認証に失敗し(動作306、メッセージ308)、初期アタッチ(メッセージ304)にRLOSインジケータが含まれていた場合、MME206は、RLOS専用に設定されたAPNへのセッションを(例えば、ゲートウェイ300を介して)開始し、そのAPNはRLOSサービスのためのオペレータポータル(例えば、訪問先ポータル302)にユーザを接続する。そのような接続を可能にするために、MME206および/またはPCEF/PCRF(不図示)は、その目的のためにRLOS専用のAPNを用いて構成されるべきである。
【0079】
しかしながら、UE240が認証に成功し、初期アタッチメッセージにRLOSインジケータを含めている場合、MME206はRLOS専用に設定されたAPNに対してセッションを開始し、UE204のプロファイル内のデフォルトAPNをオーバーライドする。
【0080】
一実施形態では、PGW(例えばゲートウェイ300)はPGWによってデプロイまたはアクティブ化され、かつポータルへの初期アタッチが成功した場合に、PCRFによってアクティブ化されるRLOSのために使用されるAPNへのアクセス専用の事前定義されたルールを有する。
【0081】
初期アタッチにRLOSインジケータを含めず、かつ認証に成功しないUEは、アクセスを拒否される。
【0082】
初期アタッチにRLOSインジケータを含め、かつ認証に成功したUEは、RLOS専用のAPNに接続される。MMEはこの場合、プロファイル内のデフォルトAPNをオーバーライドし、RLOS専用のAPNへの接続を確立するであろう。
【0083】
PCEFは、RLOS専用のAPNに関連付けられた、事前定義されたルールを有するであろう。事前定義されたルールは、UEがAPNへのアタッチに成功すると、PCRFによってアクティブ化/変更される。
【0084】
一実施形態ではRLOSサービスをサポートするサービングネットワーク(例えば、
図3の訪問先ネットワーク202)内のMME206はRLOS専用のAPNによって構成され、認証済みおよび未認証UEをサポートするために本明細書に記載する機能を実施するように構成される。このような実施形態では、MME206が、初期アタッチにRLOSインジケータを含めたUEを、認証の成功または失敗にかかわらず、RLOS専用のAPNに接続する。
【0085】
一実施形態ではUE204によるRLOS専用のAPNへのコネクションに成功すると、PCRFは、UEがポータル以外の任意の他のサービスとの任意の他のトランザクションからブロックされることを保証するルールをアクティブにする。
【0086】
IMS
本明細書で説明される主題のIMSネットワーク内での例示的な実施について、
図4に示されるネットワークエンティティに関して説明する。一つの実施形態において、P-CSCF402はオペレータによってサポートされるRLOSサービスのリストによって構成され、P-CSCF402とS-CSCF404の両方が、入来セッション開始要求がそのようなインジケータを含んでいる場合にはIMS登録ユーザのみならずIMS未登録ユーザにもRLOSへのアクセスを許可することをサポートするように構成されている。一実施形態ではP-CSCF402がRLOSサービスをサポートするS-CSCFのリストによって構成され、未認証RLOSユーザに関する入来登録が、それらS-CSCFに転送されてもよい。
【0087】
一実施形態では、RLOSへのアクセスを望むUEが通常のIMS登録を実行しなければならず、かつ、自身がRLOSをサポートすることを示すためにフィーチャータグを含めなければならない。
図4に示す実施形態では、例えば、UE204はRLOSへのアクセスを望み、したがって、IMS登録要求に特別なインジケータを挿入している。例えば、SIP REGISTER(メッセージ406)は「RLOS」を示すフィーチャータグを含んでいる。RLOSにアクセスするために特別なインジケータをUE204によって含ませることと、P-CSCF402におけるRLOSの構成されたリストとの組み合わせにより、UEがRLOSにアクセスする際に他のサービスにはアクセスできないことを保証する。これにより、認証されたユーザは、他のサービスにアクセスするためにこのようなインジケータを用いることができず、かつ、RLOSレート(無料であってもよい)で課金されることを保証する。一実施形態において、S-CSCF404は、そのようなインジケータが呼詳細記録(CDR)に含まれることを保証するものとする。一実施形態では、RLOSをサポートするP-CSCFを通常のIMSユーザにも用いることができる。
【0088】
未認証ユーザ一実施形態ではP-CSCF402がユーザを認証できない場合、P-CSCF402は一時的なレコードを作成し、ユーザを「RLOSのみのユーザ」としてマークすることができる。一実施形態ではP-CSCF402がその後、要求を、P-CSCF(例えばS-CSCF404)に構成された、RLOS専用の特別なS-CSCFに転送することができる。一実施形態では、S-CSCF404がUEのデフォルトプロファイルを作成し、登録が承認される。
【0089】
認証済みユーザ一実施形態では、認証済みユーザについて、I-CSCF(
図4には示されていない)はUE登録時に、RLOSをサポートするS-CSCF(例えばS-CSCF404)をUE204に割り当てる。このような実施形態では、I-CSCFがRLOSに関連する新しい能力を理解し、登録時に、必要に応じて(例えばIMS登録要求がRLOSフィーチャータグを含むときに)、その新しい能力をサポートするS-CSCFを割り当てるように構成される。
【0090】
一実施形態では、RLOSへのアクセスを望むUE204がセッション開始要求に特別なインジケータを挿入するとともに、セッション開始要求のRequest-URIに要求されるRLOSを含める。このような要求がP-CSCF402によって受信され、P-CSCF402がRLOSをサポートする場合、入来R-URI内で要求されているRLOSサービスがP-CSCF402に構成されていれば、P-CSCF402はセッションを受け入れるであろう。一実施形態では、P-CSCF402が、登録時にUEに割り当てられたS-CSCF(例えばS-CSCF404)に、受信要求を転送するであろう。一実施形態では、P-CSCF402は、「RLOSのみのユーザ」とマークされたユーザについて、RLOSインジケータなしの入来セッションを拒否するであろう。
【0091】
一実施形態ではRLOSインジケータ(すなわち、RLOS要求)を含んだセッション要求をS-CSCF404が受信すると、S-CSCF404はセッションを目標に向けてルーティングする。一実施形態では、発信サービスは許可されてはならない(すなわち、認証されたユーザについてのUEプロファイルは考慮されない)。
【0092】
一実施形態において、S-CSCFは、当該セッションがRLOSであるというインジケータをCDRに含めなければならない。一実施形態において、S-CSCFは登録ならびに未登録UEについて、入来RLOS要求をそのターゲットにルーティングしなければならない。認証済みUEについては、発信サービスは許可されてはならない(すなわち、UEプロファイルは考慮されない)。
【0093】
一実施形態では、UEがオペレータによってサポートされるRLOSのリストによって予め構成されるであろう。
【0094】
一実施形態では、S-CSCFがRLOSをサポートする自身の能力を宣言することを可能にすることをHSSがサポートしなければならない。一実施形態では、Gmインタフェースがそのような能力を伝えることを可能にするように拡張される。一実施形態では、Cxインタフェースが新しいRLOS能力をサポートするように拡張される。
【0095】
本明細書で説明される主題は任意の好適な構成要素を用いて任意の適切な種類のシステムで実装され得るが、本明細書で開示される実施形態は
図6に示される例示的な無線ネットワークなどの無線ネットワークに関連して説明される。
【0096】
RLOSまたはLOSに関する発呼
1. IMS発呼を説明する実施形態では、RLOSまたはLOSを要求するUE、またはRLOSまたはLOSについて登録済みのUEは、いくつかの実施形態に従って異なるかもしれない。LOSでは、UEは誰にでも発呼することができる。RLOSでは、UEはP-CSCFに何が構成されているかによって制限される。RLOSの場合、SIP INVITEはRLOSのインジケータを含み、P-CSCFは登録時に作成された加入者登録レコードをチェックし、許可されるサービスを検証する。RLOSの場合、これによって、INVITEがRLOSインジケータを有する場合にチェックがP-CSCFで行われることを保証する。いくつかの実施形態において、RLOSユーザは発呼のみが許され、着呼は一切許されない。ただし、UEが認証に合格したか失敗したかに関係なく、LOSユーザは誰にでも発呼することが許される。いくつかの実施形態ではSIP INVITEにおけるLOSインジケータは必要とされないが、含めることができる。これは、登録時にすでに情報を受け取り、P-CSCFおよびS-CSCFによって検証され、適切な課金(クレジットカードに対する)が確実に行われるためである。
【0097】
詳細な実施形態
図6は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による無線ネットワークを示す。簡単のために、
図6の無線ネットワークは、ネットワーク606、ネットワークノード660および660b、ならびにWD610、610b、および610cのみを示す。実際には、無線ネットワークは、無線機器間または無線機器と他の通信デバイス、例えば、固定電話、サービスプロバイダ、または他の任意のネットワークノードまたはエンド装置との間の通信をサポートするのに適した任意の追加要素をさらに含むことができる。図示された構成要素のうち、ネットワークノード660および無線機器(WD)610は、より詳細に示されている。無線ネットワークは、無線機器が、無線ネットワークによってまたは無線ネットワークを介して提供されるサービスへアクセスすること、および/またはサービスを使用することを容易にするために、1つ以上の無線機器に通信および他のタイプのサービスを提供することができる。
【0098】
無線ネットワークは、任意の種類の通信、電気通信、データ、セルラ、および/または無線ネットワークまたは他の同様の種類のシステムを、有し、および/またはインタフェースすることができる。いくつかの実施形態では、無線ネットワークが特定の規格または他のタイプの事前定義されたルールまたは手順に従って動作するように構成されてもよい。したがって、無線ネットワークの特定の実施形態は、グローバル移動体通信システム(GSM)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、ロングタームエボリューション(LTE)、および/または他の適切な2G、3G、4G、または5G規格などの通信規格、IEEE 802.11規格などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、および/またはWiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、Bluetooth、Z-Wave、および/またはZigBee規格などの任意の他の適切な無線通信規格を実施することができる。
【0099】
ネットワーク606は、1つ以上のバックホールネットワーク、コアネットワーク、IPネットワーク、公衆交換電話網、パケットデータネットワーク、光ネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク、有線ネットワーク、無線ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、および機器間の通信を可能にする他のネットワークを有しうる。
【0100】
ネットワークノード660およびWD610は、以下でより詳細に説明する様々な構成要素を備える。これらの構成要素は、無線ネットワークで無線接続を提供するなど、ネットワークノードおよび/または無線機器機能を提供するために連携する。様々な実施形態では無線ネットワークが任意の数の有線または無線ネットワーク、ネットワークノード、基地局、コントローラ、無線機器、中継局、および/または、有線または無線接続のいずれを用いるかかわらず、データおよび/または信号の通信を容易にするかまたは通信に参加することができる任意の他の構成要素またはシステムを備えることができる。
【0101】
本明細書で使用される場合、ネットワークノードは、無線機器への無線アクセスを可能にする、および/または提供するために、および/または無線ネットワーク内で他の機能(例えば管理)を実行するために、無線機器と、および/または無線ネットワーク内の他のネットワークノードまたは装置と、直接または間接的に通信する、ことが可能な、ように構成された、ように配置された、および/または、ように動作可能な装置を意味する。ネットワークノードの例にはアクセスポイント(AP)(例えば無線アクセスポイント)、基地局(BS)(例えば無線基地局、ノードB、進化ノードB(eNB)およびNR基地局(gNB))が含まれるが、これらに限定されない。基地局は、提供するカバレージ量(別の言い方をすれば送信電力レベル)に基づいて分類されてもよく、その結果、フェムト基地局、ピコ基地局、マイクロ基地局、またはマクロ基地局とも呼ばれうる。基地局は、リレーノードまたはリレーを制御するリレードナーノードであってもよい。ネットワークノードは、遠隔無線ヘッド(RRH)と呼ばれることもある、集中型デジタルユニットおよび/または遠隔無線ユニット(RRU)のような、分散型無線基地局の1つまたは複数の(またはすべての)部分をさらに含んでもよい。このような遠隔無線ユニットは、アンテナ一体型無線機としてアンテナと一体化されてもよいし、されなくてもよい。分散無線基地局の一部は、分散アンテナシステム(DAS)におけるノードとも呼ばれることがある。ネットワークノードのさらに別の例はMSR BSなどのマルチスタンダード無線(MSR)装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)または基地局コントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、基地送受信局(BTS)、送信ポイント、伝送ノード、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、コアネットワークノード(例えばMSC, MME)、O&Mノード、OSSノード、SONノード、測位ノード(例えばE-SMLC)、および/またはMDTを含む。別の例として、ネットワークノードは以下により詳細に説明されるように、仮想ネットワークノードであってもよい。しかしながら、より一般的には、ネットワークノードは、無線機器が無線ネットワークにアクセスできるようにするおよび/または無線機器に無線ネットワークへのアクセスを提供する、あるいは、無線ネットワークにアクセスした無線機器に何らかのサービスを提供する、ことが可能な、ように構成された、ように配置された、および/または動作可能な、任意の適切な機器(または機器群)を表しうる。
【0102】
図6において、ネットワークノード660は、処理回路670、機器可読媒体680、インタフェース690、補助機器684、電源686、電源回路687、およびアンテナ662を含む。
図6の例示的な無線ネットワークに示されたネットワークノード660はハードウェアコンポーネントの図示された組合せを含むデバイスを表すことができるが、他の実施形態はコンポーネントの異なる組合せを有するネットワークノードを備えることができる。ネットワークノードは、本明細書で開示されるタスク、特徴、機能、および方法を実行するために必要とされるハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組合せを有することが理解されるべきである。さらに、ネットワークノード660の構成要素はより大きなボックス内に配置された単一のボックスとして示されているか、または複数のボックス内に入れ子にされているが、実際にはネットワークノードが単一の図示された構成要素を構成する複数の異なる物理的構成要素を備えることができる(例えば、機器可読媒体680は複数の独立したハードドライブならびに複数のRAMモジュールを備えることができる)。
【0103】
同様に、ネットワークノード660は複数の物理的に別個の構成要素(例えばノードB構成要素およびRNC構成要素、またはBTS構成要素およびBSC構成要素など)から構成されてもよく、それらはそれぞれ個別の構成要素を有しうる。ネットワークノード660が複数の別個の構成要素(例えば、BTSおよびBSC構成要素)を有する特定のシナリオでは、別個の構成要素のうちの1つまたは複数がいくつかのネットワークノード間で共有されうる。例えば、単一のRNCが複数のノードBを制御してもよい。このようなシナリオでは、固有のNodeBとRNCのペアが1つの独立したネットワークノードと見なされうる。いくつかの実施形態では、ネットワークノード660が複数の無線アクセス技術(RAT)をサポートするように構成されうる。そのような実施形態ではいくつかの構成要素が重複してもよく(例えば、異なるRATのための別個の機器可読媒体680)、いくつかの構成要素は再使用されてもよい(例えば、同じアンテナ662が複数のRATによって共有されてもよい)。ネットワークノード660はまた、例えば、GSM(登録商標)、WCDMA(登録商標)、LTE、NR、WiFi、またはBluetooth(登録商標)無線技術のような、ネットワークノード660に統合された様々な無線技術のための様々な例示された構成要素の複数の組み合わせを含みうる。これらの無線技術は、ネットワークノード660内の、同一または異なるチップ、あるいはチップセット、および、他の構成要素に統合されうる。
【0104】
処理回路670は、本明細書においてネットワークノードによって提供されるものとして説明される任意の判定、計算、または同様の動作(例えば所定の取得動作)を実行するように構成される。処理回路670によって実行されるこれらの動作は、例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報または変換された情報をネットワークノードに格納された情報と比較すること、および/または取得された情報または変換された情報に基づいて1つまたは複数の動作を実行すること、および、前記処理の結果として判定を行うことによって、処理回路670によって取得された情報を処理することを含みうる。
【0105】
処理回路670は、単独で、または機器可読媒体680などのネットワークノード660の他の構成要素と協働して、ネットワークノード660の機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央演算処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の適切なコンピューティングデバイス、リソース、またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはコード化されたロジックの組合せのうちの1つまたは複数の組合せを有することができる。例えば、処理回路670は、機器可読媒体680または処理回路670内のメモリに格納された命令を実行することができる。そのような機能は、本明細書で説明される様々な無線特徴、機能、または利益のいずれかを提供することを含みうる。いくつかの実施形態において、処理回路670は、システムオンチップ(SOC)を含みうる。
【0106】
いくつかの実施形態では、処理回路670が無線周波数(RF)送受信器回路672およびベースバンド処理回路674のうちの1つ以上を含んでもよい。いくつかの実施形態では、無線周波数(RF)送受信器回路672およびベースバンド処理回路674が別個のチップ(またはチップセット)、ボード、または無線ユニットおよびデジタルユニットなどのユニット上にあってもよい。代替実施形態では、RF送受信器回路672およびベースバンド処理回路674の一部または全部が同一のチップまたはチップセット、ボード、またはユニット上にあってもよい
【0107】
所定の実施形態では、ネットワークノード、基地局、eNB、または他のそのようなネットワーク機器によって提供されるものとして本明細書で説明される機能のいくつかまたはすべては、機器可読媒体680または処理回路670内のメモリに格納された命令を実行する処理回路670によって実施されうる。代替実施形態では、機能のいくつかまたはすべては、処理回路670によって、独立した、または個別の機器可読媒体に記憶された命令を実行することなく、ハードワイヤード方式などによって提供されうる。これらの実施形態のいずれにおいても、機器可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路670は、説明された機能を実行するように構成されうる。そのような機能によって提供される利点は、処理回路670単体またはネットワークノード660の他の構成要素に限定されず、ネットワークノード660全体によって、および/またはエンドユーザおよび無線ネットワーク全体によって享受される。
【0108】
機器可読媒体680は限定されるものではないが、永続的記憶装置、半導体メモリ、遠隔的にマウントされたメモリ、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、大容量記憶媒体(例えばハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えばフラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)、またはデジタルビデオディスク(DVD))、および/または、その他の揮発性または不揮発性の、非一時的可読デバイスおよび/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを含む、処理回路670によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する任意の形態の揮発性または不揮発性コンピュータ可読メモリを含むことができる。機器可読媒体680は、コンピュータプログラム;ソフトウェア;ロジック、ルール、コード、テーブルなどのうちの1つまたは複数を含むアプリケーション、および/または処理回路670によって実行され、ネットワークノード660によって利用されることが可能な他の命令を含む、任意の適切な命令、データ、または情報を格納することができる。機器可読媒体680は、処理回路670によって行われた任意の計算、および/またはインタフェース690を介して受信された任意のデータを格納するために使用されうる。いくつかの実施形態では、処理回路670および機器可読媒体680が一体化されていると見なしてもよい。
【0109】
インタフェース690は、ネットワークノード660、ネットワーク606、および/またはWD610間の、シグナリングおよび/またはデータの有線または無線通信で使用される。図示されるように、インタフェース690は、例えば有線接続を介してネットワーク606との間でデータを送受信するための(1つ以上の)ポート/端子694を有する。インタフェース690はまた、アンテナ662に接続される、あるいは所定の実施形態ではアンテナ622の一部である、無線フロントエンド回路692をさらに含む。無線フロントエンド回路692は、フィルタ698および増幅器696を有する。無線フロントエンド回路692は、アンテナ662および処理回路670に接続されてもよい。無線フロントエンド回路は、アンテナ662と処理回路670との間で通信される信号を調整する(condition)ように構成されてもよい。無線フロントエンド回路692は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送出されるデジタルデータを受信してもよい。無線フロントエンド回路692は、フィルタ698および/または増幅器696の組合せを用いて、デジタルデータを、適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換することができる。無線信号はその後、アンテナ662を介して送信されてもよい。同様に、データを受信する場合、アンテナ662は無線信号を収集し、無線信号は無線フロントエンド回路692によってデジタルデータに変換されてもよい。デジタルデータは、処理回路670に渡されてもよい。他の実施形態では、インタフェースが異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを有しうる。
【0110】
特定の代替実施形態では、ネットワークノード660が独立した無線フロントエンド回路692を含まなくてもよい。代わりに、処理回路670が無線フロントエンド回路を有しし、独立した無線フロントエンド回路692なしでアンテナ662に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、RF送受信器回路672のすべてまたは一部がインタフェース690の一部のとみなされてもよい。さらに他の実施形態では、インタフェース690が無線ユニット(不図示)の一部として、1つまたは複数のポートまたは端子694、無線フロントエンド回路692、およびRF送受信器回路672を含んでもよく、インタフェース690はデジタルユニット(不図示)の一部であるベースバンド処理回路674と通信してもよい。
【0111】
アンテナ662は、無線信号を送信および/または受信するように構成された1つまたは複数のアンテナ、またはアンテナアレイを含むことができる。アンテナ662は無線フロントエンド回路692に接続されてよく、また、データおよび/または信号を無線で送受信することができる任意のタイプのアンテナであってよい。いくつかの実施形態では、アンテナ662が例えば2GHzと66GHzとの間で無線信号を送受信するように動作可能な、1つまたは複数の無指向性、セクタ、またはパネルアンテナを有してもよい。無指向性アンテナは任意の方向に無線信号を送受信するために用いることができ、セクタアンテナは特定の領域内の機器へ無線信号を送信/から無線信号受信するために用いることができ、パネルアンテナは比較的直線状に無線信号を送信/受信するために使用される視線(line of sight)アンテナであってよい。いくつかの例では、2つ以上のアンテナの使用はMIMOと呼ばれうる。いくつかの実施形態では、アンテナ662がネットワークノード660とは別個であってもよく、インタフェースまたはポートを介してネットワークノード660に接続可能であってもよい。
【0112】
アンテナ662、インタフェース690、および/または処理回路670は、ネットワークノードによって実行されるものとして本明細書で説明される、任意の受信動作および/または特定の取得動作を実行するように構成されうる。任意の情報、データ、および/または信号は、無線機器、別のネットワークノード、および/または任意の他のネットワーク機器から受信されうる。同様に、アンテナ662、インタフェース690、および/または処理回路670は、ネットワークノードによって実行されるものとして本明細書に記載される、任意の送信動作を実行するように構成されてもよい。任意の情報、データ、および/または信号は、無線機器、別のネットワークノード、および/または任意の他のネットワーク機器に送信されうる。
【0113】
電源回路687は、電源管理回路を備えても、電源管理回路に接続されてもよく、本明細書に記載される機能を実行するための電力をネットワークノード660の構成要素に供給するように構成される。電源回路687は、電源686から電力を受け取ることができる。電源686および/または電源回路687はそれぞれの構成要素に適した形態(例えば、それぞれの構成要素に必要な電圧および電流レベル)で、ネットワークノード660の様々な構成要素に電力を供給するように構成されてよい。電源686は電源回路687および/またはネットワークノード660に含まれても、外部に存在していてもよい。例えば、ネットワークノード660は電気ケーブルなどの入力回路またはインタフェースを介して、外部電源(例えば、電気コンセント)に接続可能であってもよく、それによって、外部電源は、電源回路687に電力を供給する。さらなる例として、電源686は、電源回路687に接続または一体化された、バッテリまたはバッテリパックの形態の電源を有してもよい。電池は、外部電源に障害が発生した場合のバックアップ電源を提供してもよい。光起電装置のような他のタイプの電源も用いることができる。
【0114】
ネットワークノード660の代替的な実施形態は、本明細書で説明される機能のいずれか、および/または本明細書で説明される主題をサポートするために必要な任意の機能を含む、ネットワークノードの機能の所定の態様を提供する役目を負うことができる、
図6に示されていない追加の構成要素を含むことができる。例えば、ネットワークノード660は、ネットワークノード660への情報の入力を可能にし、ネットワークノード660からの情報の出力を可能にするユーザインタフェース機器を含んでもよい。これにより、ユーザは、ネットワークノード660の診断、保守、修理、および他の管理機能を実行することができる。
【0115】
本明細書で使用される場合、無線機器(WD)は、ネットワークノードおよび/または他の無線機器と無線通信する、ことが可能な、ように構成された、ように配置された、および/またように動作可能な機器を意味する。特に断らない限り、用語WDは、本明細書ではユーザ装置(UE)と互換的に使用されうる。無線通信は、電磁波、電波、赤外線、および/または空気を介して情報を伝達するのに適した他のタイプの信号を用いて、無線信号を送信および/または受信することを含みうる。いくつかの実施形態において、WDは、直接的な人間とのやりとりなしに情報を送信および/または受信するように構成されうる。例えば、WDは所定のスケジュールにしたがって、内部または外部のイベントによってトリガされたときに、またはネットワークからの要求に応答して、ネットワークに情報を送信するように設計されてもよい。WDの例としてはスマートフォン、移動電話、携帯電話、VoIP(voice over IP)電話、無線ローカルループ電話、デスクトップコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、無線カメラ、ゲームコンソールまたは機器、音楽記憶装置、再生装置、ウェアラブル端末装置、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップ、ラップトップ埋め込み装置(LEE)、ラップトップ搭載装置(LME)、スマートデバイス、無線カスタマープレミス装置(CPE)、車両搭載無線端末装置などが挙げられるが、これらに限定されない。WDは例えば、サイドリンク通信、車対車(V2V)、車対インフラストラクチャ(V2I)、車対すべてのもの(V2X)のための3GPP標準を実施することによって、機器間(D2D)通信をサポートすることができ、この場合、D2D通信機器と呼ばれうる。さらに別の特定の例として、IoT(モノのインターネット)シナリオでは、WDは、監視および/または測定を実行し、そのような監視および/または測定の結果を別のWDおよび/またはネットワークノードに送信する、機械または他の機器を表しうる。この場合、WDはマシンツーマシン(M2M)機器であってもよく、3GPPの文脈ではMTC機器と呼ばれてもよい。具体例として、WDは3GPPの狭帯域モノのインターネット(NB‐IoT)規格を実行するUEであってもよい。そのような機械または機器の具体例は、センサ、電力計のような計量機器、産業機械、または家庭用もしくは個人用電気製品(例えば冷蔵庫、テレビなど)、個人用ウェアラブル機器(例えば時計、フィットネストラッカなど)である。他のシナリオでは、WDは、自身の動作状態または自身の動作に関連する他の機能を監視および/または報告することが可能な車両または他の機器を表しうる。上述のWDは無線接続のエンドポイントを表すことができ、この場合、機器は、無線端末と呼ばれうる。さらに、上述したようなWDは、移動体であってもよく、その場合、モバイル機器またはモバイル端末とも呼ばれてもよい。
【0116】
図示のように、無線機器610は、アンテナ611、インタフェース614、処理回路620、機器可読媒体630、ユーザインタフェース機器、補助機器634、電源636、および電源回路637を含む。WD610は、たとえば、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、WiMAX、またはBluetooth無線技術(これらはほんの数例に過ぎない)のような、WD610によってサポートされる様々な無線技術のための、図示された構成要素のうちの1つまたは複数の複数の組み合わせを含みうる。これらの無線技術は、WD610内の他の構成要素と同じまたは異なる、チップまたはチップセットに統合されうる。
【0117】
アンテナ611は無線信号を送信および/または受信するように構成された1つまたは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含むことができ、インタフェース614に接続される。特定の代替実施形態では、アンテナ611がWD610とは別個であってもよく、インタフェースまたはポートを介してWD610に接続可能であってもよい。アンテナ611、インタフェース614、および/または処理回路620は、WDによって実行されるものとして本明細書で説明される任意の受信動作または送信動作を実行するように構成されうる。任意の情報、データ、および/または信号が、ネットワークノードおよび/または別のWDから受信されうる。いくつかの実施形態では、無線フロントエンド回路および/またはアンテナ611がインタフェースとみなされてもよい。
【0118】
図示されるように、インタフェース614は、無線フロントエンド回路612およびアンテナ611を備える。無線フロントエンド回路612は、1つまたは複数のフィルタ618および増幅器616を備える。無線フロントエンド回路612は、アンテナ611および処理回路620に接続され、アンテナ611と処理回路620との間で通信される信号を調整するように構成される。無線フロントエンド回路612は、アンテナ611に接続されてもよいし、アンテナ611の一部であってもよい。いくつかの実施形態ではWD610が独立した無線フロントエンド回路612を含まなくてもよく、むしろ、処理回路620は無線フロントエンド回路を有してもよく、かつアンテナ611に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、RF送受信器回路622の一部または全部がインタフェース614の一部とみなされてもよい。無線フロントエンド回路612は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに送出されるデジタルデータを受信することができる。無線フロントエンド回路612は、フィルタ618および/または増幅器616の組合せを用いて、デジタルデータを適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号に変換することができる。無線信号はその後、アンテナ611を介して送信されてもよい。同様に、データを受信する場合、アンテナ611は無線信号を収集することができ、無線信号はその後、無線フロントエンド回路612によってデジタルデータに変換される。デジタルデータは、処理回路620に渡されてもよい。他の実施形態では、インタフェースが異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを有しうる。
【0119】
処理回路620は、単独で、または機器可読媒体630などのWD610の他の構成要素と協働して、WD610の機能を提供するように動作可能な、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央演算処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または任意の他の適切なコンピューティングデバイス、リソース、またはハードウェア、ソフトウェア、および/またはコード化されたロジックの組合せのうちの1つまたは複数の組合せを有しうる。そのような機能は、本明細書で説明される様々な無線特徴または利点のいずれかを提供することを含みうる。例えば、処理回路620は本明細書で開示される機能を提供するために、機器可読媒体630または処理回路620内のメモリに格納された命令を実行することができる。
【0120】
図示されるように、処理回路620は、RF送受信器回路622、ベースバンド処理回路624、およびアプリケーション処理回路626のうちの1つ以上を含む。他の実施形態では、処理回路が異なる構成要素および/または構成要素の異なる組合せを有しうる。いくつかの実施形態では、WD610の処理回路620がSOCを有しうる。いくつかの実施形態では、RF送受信器回路622、ベースバンド処理回路624、およびアプリケーション処理回路626は別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。代替実施形態では、ベースバンド処理回路624およびアプリケーション処理回路626の一部または全部が同一のチップまたはチップセットに統合されてもよく、RF送受信器回路622は別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。さらなる代替実施形態ではRF送受信器回路622およびベースバンド処理回路624の一部または全部が同一のチップまたはチップセット上にあってもよく、アプリケーション処理回路626は別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。さらに他の代替実施形態では、RF送受信器回路622、ベースバンド処理回路624、およびアプリケーション処理回路626の一部または全部が同じチップまたはチップセットに統合されてもよい。いくつかの実施形態では、RF送受信器回路622がインタフェース614の一部であってもよい。RF送受信器回路622は、処理回路620のためにRF信号を調整してもよい。
【0121】
特定の実施形態では、WDによって実行されるものとして本明細書で説明される機能の一部またはすべては、特定の実施形態ではコンピュータ可読記憶媒体であってよい機器可読媒体630に記憶された命令を実行する処理回路620によって提供されうる。代替実施形態では、機能のいくつかまたはすべては、処理回路620によって、独立した、または個別の機器可読記憶媒体に記憶された命令を実行することなく、ハードワイヤード方式などによって提供されうる。これらの特定の実施形態のいずれにおいても、機器可読記憶媒体に記憶された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路620は、説明された機能を実行するように構成されうる。そのような機能によって提供される利点は、処理回路620単体またはWD610の他の構成要素に限定されず、WD610全体によって、および/またはエンドユーザおよび無線ネットワーク全体によって享受される。
【0122】
処理回路620は、WDによって実行されるものとして本明細書で説明される任意の判定、計算、または類似の動作(例えば、特定の取得動作)を実行するように構成されうる。これらの動作は処理回路620によって実行される場合、例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報または変換された情報をWD610によって記憶された情報と比較すること、および/または取得された情報または変換された情報に基づいて1つまたは複数の動作を実行すること、および前記処理の結果として判定を行うことによって、処理回路620によって取得された情報を処理することを含みうる。
【0123】
機器可読媒体630は、コンピュータプログラム;ソフトウェア;ロジック、ルール、コード、テーブルなどのうちの1つまたは複数を含むアプリケーション;および/または処理回路620によって実行可能な他の命令、を格納するように動作可能でありうる。機器可読可能媒体630は、処理回路620によって使用され得る情報、データ、および/または命令を記憶する、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読出専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))、および/または任意の他の揮発性または不揮発性、非一時的な機器可読および/またはコンピュータ実行可能なメモリデバイスを含みうる。いくつかの実施形態では、処理回路620および機器可読媒体630が一体化されていると見なしてもよい。
【0124】
ユーザインタフェース機器632は、人間のユーザがWD610とやりとりすることを可能にする構成要素を提供しうる。このようなやりとりは、視覚的、聴覚的、触覚的などの多くの形態を取りうる。ユーザインタフェース機器632は、ユーザへの出力を生成し、ユーザがWD610に入力を提供することを可能にするように動作可能であってよい。やりとりのタイプは、WD610にインストールされたユーザインタフェース機器632のタイプに応じて変わりうる。例えば、WD610がスマートフォンである場合、やりとりはタッチスクリーンを介して行われてもよく、WD610がスマートメータである場合、やりとりは使用量(例えば、使用されたガロン数)を提供する画面、または(例えば、煙が検出された場合に)可聴警報を提供するスピーカを介して行われてもよい。ユーザインタフェース機器632は、入力インタフェース、デバイス、および回路、ならびに出力インタフェース、デバイス、および回路を含みうる。ユーザインタフェース機器632は、WD610への情報の入力を可能にするように構成され、処理回路620に接続されて、処理回路620が入力情報を処理することを可能にする。ユーザインタフェース機器632は例えば、マイクロフォン、近接または他のセンサ、キー/ボタン、タッチディスプレイ、1つまたは複数のカメラ、USBポート、または他の入力回路を含むことができる。ユーザインタフェース機器632はまた、WD610からの情報の出力を可能にし、処理回路620がWD610から情報を出力することを可能にするように構成される。ユーザインタフェース機器632は例えば、スピーカ、ディスプレイ、振動回路、USBポート、ヘッドホンインタフェース、または他の出力回路を含みうる。ユーザインタフェース機器632の1つまたは複数の入出力インタフェース、デバイス、および回路を用いて、WD610はエンドユーザおよび/または無線ネットワークと通信することができ、本明細書で説明する機能からの利益をエンドユーザおよび/または無線ネットワークに与えることができる。
【0125】
補助機器634は、WDによって一般に実行されない可能性がある、より独特な機能を提供するように動作可能である。補助機器は、様々な目的のために測定を行うための専用センサ、有線通信のような、さらなる種類の通信のためのインタフェースを有しうる。補助機器634の包含物および構成要素のタイプは、実施形態および/またはシナリオに応じて変わりうる。
【0126】
電源636は、いくつかの実施形態ではバッテリまたはバッテリパックの形態であってもよい。外部電源(例えば、電気コンセント)、光起電力デバイス、またはパワーセルなどの他のタイプの電源も用いることができる。WD610はさらに、電源636からの電力を、電源636からの電力を必要とするWD610の様々な部分に分配し、本明細書に記載または示される任意の機能を実行するための電源回路637をさらに有してもよい。電源回路637は、特定の実施形態では電源管理回路を備えることができる。電源回路637は追加的または代替的に、外部電源から電力を受け取るように動作可能であってもよく、その場合、WD610は、入力回路または電力ケーブルなどのインタフェースを介して、外部電源(電気コンセントなど)に接続可能であってもよい。また、特定の実施形態では、電源回路637が、外部電源から電源636に電力を分配するように動作可能であってもよい。これは、例えば、電源636の充電のためであってもよい。電源回路637は電力が供給されるWD610のそれぞれの構成要素に適した電力にするために、電源636からの電力に対して、任意のフォーマット、変換、または他の変更を実行することができる。
【0127】
図7は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態によるユーザ装置を示す。本明細書で使用される場合、ユーザ装置またはUEは、関連する機器を所有し、および/または操作する人間のユーザという意味におけるユーザを必ずしも有しなくてもよい。代わりに、UEは、人間のユーザへの販売または人間のユーザによって操作されることが意図されているが、(少なくとも初期状態において)特定の人間のユーザに関連付けられていてもいなくてもよくい機器(例えば、スマートスプリンクラコントローラ)を表しうる。あるいは、UEは、エンドユーザへの販売またはエンドユーザによって操作されることが意図されていないが、ユーザの利益に関連付けられるか、ユーザの利益のために操作されうる機器(例えば、スマート電力計)を表しうる。UE7200は、NB-IoT UE、マシンタイプ通信(MTC)UE、および/または強化型MTC(eMTC)UEを含む、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって規定される任意のUEであってよい。
図7に示されるように、UE700は、3GPP(第3世代パートナーシッププロジェクト)によって公布された1つ以上の通信規格(3GPPのGSM、UMTS、LTE、および/または5G規格など)に従って通信するように構成されたWDの一例である。前述のように、用語WDおよびUEは、交換可能に使用されうる。したがって、
図7はUEであるが、ここで説明される構成要素はWDに等しく適用可能であり、その逆も同様である。
【0128】
図7において、UE700は、入力/出力インタフェース705、無線周波数(RF)インタフェース709、ネットワーク接続インタフェース711、ランダムアクセスメモリ(RAM)717、読み出し専用メモリ(ROM)719、および記憶媒体721などを含むメモリ715、通信サブシステム731、電源733、および/または任意の他の構成要素、またはそれらの任意の組合せに動作可能に接続される処理回路701を含む。記憶媒体721は、オペレーティングシステム723、アプリケーションプログラム725、およびデータ727を含む。他の実施形態では、記憶媒体721が他の同様のタイプの情報を含むことができる。所定のUEは、
図7に示される構成要素のすべて、または構成要素のサブセットのみを利用しうる。構成要素間の統合レベルは、UEごとに変化しうる。さらに、所定のUEは、複数のプロセッサ、メモリ、送受信器、送信器、受信器など、構成要素の複数のインスタンスを含みうる。
【0129】
図7において、処理回路701は、コンピュータ命令およびデータを処理するように構成されてもよい。処理回路701は、1つまたは複数のハードウェアが実行する状態機械(例えば、ディスクリートな論理回路、FPGA、ASICなど)、プログラマブルロジックと適切なファームウェア、1つまたは複数の記憶されたプログラム、マイクロプロセッサまたはデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などの汎用プロセッサと適切なソフトウェア、またはこれらの任意の組合せなど、装置可読コンピュータプログラムとしてメモリに格納された機械命令を実行するように動作可能な任意の順次状態機械を実施するように構成されうる。例えば、処理回路701は、2つの中央処理装置(CPU)を含むことができる。データは、コンピュータによる使用に適した形態の情報であってもよい。
【0130】
図示された実施形態では、入力/出力インタフェース705が入力機器、出力機器、または入出力機器に対する通信インタフェースを提供するように構成されうる。UE700は、入力/出力インタフェース705を介して出力機器を用いるように構成されうる。出力機器は、入力機器と同じタイプのインターフェイスポートを使用できる。例えば、USBポートは、UE700への入力およびUEからの出力を提供するために使用されてもよい。出力機器は、スピーカ、サウンドカード、ビデオカード、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、アクチュエータ、エミッタ、スマートカード、他の出力機器、またはそれらの任意の組合せであってよい。UE700はユーザがUE700に情報を取り込むことを可能にするために、入力/出力インタフェース705を介して入力デバイスを用いるように構成されうる。入力デバイスはタッチ感知またはプレゼンス感知ディスプレイ、カメラ(例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなど)、マイクロフォン、センサ、マウス、トラックボール、方向パッド、トラックパッド、スクロールホイール、スマートカードなどを含むことができる。プレゼンス感知ディスプレイはユーザからの入力を感知するために、容量性または抵抗性タッチセンサを含んでもよい。センサは例えば、加速度計、ジャイロスコープ、傾斜センサ、力センサ、磁力計、光学センサ、近接センサ、別の同様のセンサ、またはそれらの任意の組合せとすることができる。例えば、入力機器は、加速度計、磁力計、デジタルカメラ、マイクロフォン、および光センサであってもよい。
【0131】
図7において、RFインタフェース709は、送信器、受信器、およびアンテナなどのRF構成要素に対する通信インタフェースを提供するように構成されてもよい。ネットワーク接続インタフェース711は、ネットワーク743aに対する通信インタフェースを提供するように構成されうる。ネットワーク743aは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、電気通信ネットワーク、別の同様のネットワーク、またはそれらの任意の組合せなどの有線および/または無線ネットワークを包含しうる。例えば、ネットワーク743aは、Wi-Fiネットワークを有してもよい。ネットワーク接続インタフェース711は、イーサネット(登録商標)、TCP/IP、SONET、ATMなどの1つまたは複数の通信プロトコルに従って、通信ネットワークを介して1つまたは複数の他のデバイスと通信するために使用される受信器および送信器インタフェースを含むように構成されうる。ネットワーク接続インタフェース711は、(例えば、光学的、電気的などの)通信ネットワークリンクへの適切な受信器および送信器の機能を実施しうる。送信器機能および受信器機能は回路構成要素、ソフトウェア、またはファームウェアを共有することができ、あるいは別々に実装されてもよい。
【0132】
RAM717はオペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびデバイスドライバなどのソフトウェアプログラムの実行中にデータまたはコンピュータ命令の記憶またはキャッシュを提供するために、バス702を介して処理回路701にインタフェースするように構成されうる。ROM719は、コンピュータ命令またはデータを処理回路701に提供するように構成されうる。例えば、ROM719は、不揮発性メモリに記憶された、キ基本入出力(I/O)、起動、またはキーボードからのキーストロークの受信のような基本的なシステム機能のための不変の低レベルシステムコードまたはデータを記憶するように構成することができる。記憶媒体721は、RAM、ROM、プログラマブル読出し専用メモリ、消去可能読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能読出し専用メモリ(EEPROM)、磁気ディスク、光ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、リムーバブルカートリッジ、またはフラッシュドライブなどのメモリを含むように構成されうる。一例では、記憶媒体721は、オペレーティングシステム723、ウェブウェブブラウザアプリケーション、ウィジェットまたはガジェットエンジンまたは別のアプリケーションなどのアプリケーションプログラム725、およびデータファイル727を含むように構成されうる。記憶媒体721はUE700によって用いるために、様々なオペレーティングシステムのうちの任意のもの、またはオペレーティングシステムの組合せを格納することができる。
【0133】
記憶媒体721は、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、フロッピーディスク(登録商標)ドライブ、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、外部ハードディスクドライブ、サムドライブ、ペンドライブ、キードライブ、高密度デジタル多用途ディスク(HD-DVD)光ディスクドライブ、内蔵ハードディスクドライブ、ブルーレイ光ディスクドライブ、ホログラフィックデジタルデータストレージ(HDDS)光ディスクドライブ、外付けミニデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、外付けマイクロDIMM SDRAM、加入者識別モジュールまたは取り外し可能ユーザ識別(SIM/RUIM)モジュールなどのスマートカードメモリ、他のメモリ、またはそれらの任意の組合せなど、複数の物理的なドライブユニットを含むように構成されうる。記憶媒体721は、データをオフロードし、またはデータをアップロードするために、UE700が一時的または非一時的なメモリ媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令、アプリケーションプログラムなどにアクセスすることを許可してもよい。通信システムを利用するものなどの製造物は、機器可読媒体を有しうる記憶媒体721に有形的に具現化されてもよい。
【0134】
図7において、処理回路701は通信サブシステム731を用いてネットワーク743bと通信するように構成されてよい。ネットワーク743aおよびネットワーク743bは同じネットワークであってもよいし、異なるネットワークであってもよい。通信サブシステム731は、ネットワーク743bと通信するために使用される1つまたは複数の送受信器を含むように構成されうる。例えば、通信サブシステム731は、IEEE802.7、CDMA、WCDMA、GSM、LTE、UTRAN、WiMaxなどの1つ以上の通信プロトコルに従って、無線アクセスネットワーク(RAN)の他のWD、UE、または基地局などの無線通信が可能な他の装置の1つ以上の遠隔送受信器と通信するために使用される、1つ以上の送受信器を含むように構成されうる。各送受信器はRANリンクに適切な送信器または受信器の機能(例えば周波数割り当てなど)をそれぞれ実施するために、送信器733および/または受信器735を含みうる。さらに、各送受信器の送信器733および受信器735は回路部品、ソフトウェア、またはファームウェアを共有してもよいし、別々に実装されてもよい。
【0135】
図示の実施形態では、通信サブシステム731の通信機能がデータ通信、音声通信、マルチメディア通信、Bluetoothのような近距離通信、ニアフィールド通信、位置を特定するための全地球測位システム(GPS)の使用などの位置ベース通信、別の同様の通信機能、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。例えば、通信サブシステム731は、セルラー通信、Wi-Fi通信、Bluetooth通信、およびGPS通信を含みうる。ネットワーク743bは、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、電気通信ネットワーク、他の同様のネットワークまたはそれらの任意の組合せなどの有線および/または無線ネットワークを包含しうる。例えば、ネットワーク743bは、セルラーネットワーク、Wi-Fiネットワーク、および/またはニアフィールドネットワークであってよい。電源713は、UE700の構成要素に交流(AC)または直流(DC)電力を供給するように構成されうる。
【0136】
本明細書で説明される特徴、利点、および/または機能は、UE700の構成要素の1つで実現されてもよいし、UE700の複数の構成要素にわたって分割されてもよい。さらに、本明細書で説明される特徴、利点、および/または機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの任意の組合せで実現されうる。一例では、通信サブシステム731が本明細書で説明される任意の構成要素を含むように構成されうる。さらに、処理回路701は、バス702を介してそのような構成要素の任意のものと通信するように構成されてもよい。別の例では、そのような構成要素のいずれも、処理回路701によって実行されるときに本明細書で説明される対応する機能を実行する、メモリに格納されたプログラム命令によって表現されうる。別の例では、そのような構成要素のいずれかの機能が処理回路701と通信サブシステム731とで分割されうる。別の例ではこのような構成要素のいずれかの、計算負荷が大きくない機能がソフトウェアまたはファームウェアで実現され、計算負荷が大きな機能はハードウェアで実現されてもよい。
【0137】
図8は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による仮想化を示す模式的なブロック図である。
図8は、いくつかの実施形態によって実現される機能が仮想化され得る仮想化環境800を示す。本文脈において、仮想化手段は、ハードウェアプラットホーム、記憶装置、およびネットワークリソースの仮想化を含み得る、装置または機器の仮想化バージョンを作成する。本明細書で使用される場合、仮想化は、ノード(例えば、仮想化された基地局または仮想化された無線アクセスノード)、デバイス(例えば、UE、無線機器、または任意の他のタイプの通信機器)、またはそれらの構成要素に適用することができ、機能の少なくとも一部が、(例えば、1つまたは複数のネットワーク内の1つまたは複数の物理的な処理ノードで稼働する1つまたは複数のアプリケーション、コンポーネント、機能、仮想マシン、またはコンテナを用いて)1つまたは複数の仮想構成要素として実現される実施形態に関する。
【0138】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載する機能の一部または全部は、1つまたは複数のハードウェアノード830によってホストされる1つまたは複数の仮想環境800内に実装される1つまたは複数の仮想マシンによって実行される仮想コンポーネントとして実装されうる。さらに、仮想ノードが無線アクセスノードでないか、無線接続を必要としない実施形態(例えばコアネットワークノード)では、ネットワークノードが完全に仮想化されてもよい。
【0139】
機能は、本明細書で開示される実施形態のいくつかの特徴、機能、および/または利益のいくつかを実装するように動作する1つまたは複数のアプリケーション820(ソフトウェアインスタンス、仮想アプライアンス、ネットワーク機能、仮想ノード、仮想ネットワーク機能などとも呼ばれ得る)によって実施されうる。アプリケーション820は、処理回路860およびメモリ890を有するハードウェア830を提供する仮想化環境800において実行される。メモリ890は処理回路860によって実行可能な命令895を含み、それによって、アプリケーション820は、本明細書で開示される特徴、利点、および/または機能のうちの1つまたは複数を提供するように動作可能である。
【0140】
仮想化環境800は市販の既製(COTS)プロセッサ、専用の特定用途向け集積回路(ASIC)、またはデジタルもしくはアナログハードウェア部品もしくは特定用途向けプロセッサを含む任意の他のタイプの処理回路であってもよい、1つまたは複数のプロセッサまたは処理回路860のセットを有する汎用または特定用途向けネットワークハードウェアデバイス830を有する。各ハードウェアデバイスは、処理回路860によって実行される命令895またはソフトウェアを一時的に格納するための、非永続的メモリであってよいメモリ890-1を有しうる。各ハードウェアデバイスは、物理的なネットワークインタフェース880を含む、ネットワークインタフェースカードとも呼ばれる1つ以上のネットワークインタフェースコントローラ(NIC)870を有しうる。各ハードウェアデバイスはまた、処理回路860によって実行可能なソフトウェア895および/または命令を格納した、非一時的で、永続的な、機械可読記憶媒体890-2を含んでもよい。ソフトウェア895は、1つ以上の仮想化層850(ハイパーバイザとも呼ばれる)をインスタンス化するためのソフトウェア、仮想マシン840を実行するためのソフトウェア、ならびに本明細書に記載するいくつかの実施形態に関連して記載される機能、特徴、および/または利点を実現することを可能にするソフトウェアを含む、あらゆる種類のソフトウェアを含みうる。
【0141】
仮想マシン840は、仮想処理、仮想メモリ、仮想ネットワークワーキングまたはインタフェース、および仮想ストレージを有し、対応する仮想化層850またはハイパーバイザによって実行されうる。仮想アプライアンス820のインスタンスの別の実施形態は、1つまたは複数の仮想マシン840上に実装されてもよく、また異なる方法で実装されてもよい。
【0142】
動作中、処理回路860は、仮想マシンモニタ(VMM)と呼ばれることもあるハイパーバイザまたは仮想化レイヤ850をインスタンス化するためにソフトウェア895を実行する。仮想化レイヤ850は、ネットワークハードウェアのように見える仮想オペレーティングプラットフォームを仮想マシン840に提示することができる。
【0143】
図8に示すように、ハードウェア830は、汎用の、または特定の構成要素を有するスタンドアロンネットワークノードであってもよい。ハードウェア830はアンテナ8225を有することができ、仮想化を介していくつかの機能を実現することができる。あるいは、ハードウェア830は、多くのハードウェアノードが協働し、特にアプリケーション820のライフサイクル管理を監督する管理およびオーケストレーション(MANO)8100を通じて管理される、(例えば、データセンターまたは顧客構内機器(CPE)の中にある)より大きなハードウェアクラスタの一部であってもよい。
【0144】
ハードウェアの仮想化は、ネットワーク機能仮想化(NFV)と呼ばれるいくつかの文脈で行われる。NFVは、多くのネットワーク機器タイプを、データセンタ内に配置することができる業界標準の大容量サーバハードウェア、物理スイッチ、および物理ストレージ、ならびに顧客構内機器に統合するために用いることができる。
【0145】
NFVの文脈では、仮想マシン840は、あたかも物理的な仮想化されていないマシン上で稼働しているかのようにプログラムを実行する物理マシンのソフトウェア実装であってもよい。仮想マシン840の各々、およびその仮想マシンを実行するハードウェア830のその部分は、その仮想マシン専用のハードウェアであり、および/または、その仮想マシンによって仮想マシン840の他のものと共有されるハードウェアであり、別個の仮想ネットワーク要素(VNE)を形成する。
【0146】
さらに、NFVの文脈では、仮想ネットワーク機能(VNF)がハードウェアネットワーキングインフラストラクチャ830上の1つ以上の仮想マシン840で稼働し、
図8のアプリケーション820に対応する特定のネットワーク機能の処理を受け持つ。
【0147】
いくつかの実施形態では、それぞれが1つまたは複数の送信器8220および1つまたは複数の受信器8210を含む1つまたは複数の無線ユニット8200が、1つまたは複数のアンテナ8225に接続されうる。無線ユニット8200は1つ以上の適切なネットワークインタフェースを介してハードウェアノード830と直接通信することができ、無線アクセスノードや基地局などの無線機能を仮想ノードに提供するために、仮想コンポーネントと組み合わせて用いられてよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、いくつかのシグナリングは、ハードウェアノード830と無線ユニット8200との間の通信のために代替的に使用されてもよい制御システム8230を使用して実施することができる。
【0149】
図9は、本明細書で説明するいくつかの実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続された電気通信ネットワークを示す模式的なブロック図である。
図9を参照すると、実施形態に従って、通信システムは、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク911とコアネットワーク914とを有する、3GPPタイプのセルラネットワークのような電気通信ネットワーク910を含んでいる。アクセスネットワーク911はNB、eNB、gNB、または他のタイプの無線アクセスポイントなどの複数の基地局912a、912b、912cを有し、それぞれは対応するカバレッジエリア913a、913b、913cを規定する。各基地局912a、912b、912cは、有線または無線接続915を介してコアネットワーク914に接続可能である。カバレッジエリア913cに位置する第1のUE991は、対応する基地局912cに無線で接続されるか、またはページングされるように構成される。カバレッジエリア913a内の第2のUE992は、対応する基地局912aに無線で接続可能である。本例では複数のUE991、992が図示されているが、開示された実施形態は1つのUEがカバレッジエリア内にある状況、または1つのUEが対応する基地局912に接続している状況にも等しく適用可能である。
【0150】
電気通信ネットワーク910はそれ自体がホストコンピュータ930に接続されており、ホストコンピュータ930は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバ、またはサーバファーム内の処理リソース、のハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施することができる。ホストコンピュータ930は、サービスプロバイダの所有または管理下にあってもよいし、サービスプロバイダによって、またはサービスプロバイダに代わって運営されてもよい。電気通信ネットワーク910とホストコンピュータ930との間の接続921および922は、コアネットワーク914からホストコンピュータ930に直接伸びてもよいし、あるいはオプションである中間ネットワーク920を経由してもよい。中間ネットワーク920はパブリック、プライベート、またはホストされたネットワークのうちの1つ、またはその複数の組合せであってよい。中間ネットワーク920がある場合、それはバックボーンネットワークまたはインターネットであってもよい。特に、中間ネットワーク920は、2つ以上のサブネットワーク(不図示)を有してもよい。
【0151】
図9の通信システム全体は、接続されたUE991、992とホストコンピュータ930との間のコネクティビティを実現する。コネクティビティは、オーバーザトップ(OTT)コネクション950として説明されてもよい。ホストコンピュータ930および接続されたUE991、992は、アクセスネットワーク911、コアネットワーク914、任意の中間ネットワーク920、および場合によってはさらなるインフラストラクチャ(不図示)を中継手段として用いて、OTT接続950を介してデータおよび/または信号を通信するように構成される。OTT接続950は、OTT接続950が通過する参加通信機器がアップリンク通信およびダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味で、透過的であってよい。例えば、基地局912は、接続されたUE991に転送(例えば、ハンドオーバ)されるべきホストコンピュータ930からのデータを有する入来ダウンリンク通信の過去のルーティングについて知らされなくてもよいし、知らされる必要がなくてもよい。同様に、基地局912は、UE991からホストコンピュータ930に向けて出て行くアップリンク通信の将来のルーティングを知る必要はない。
【0152】
先の段落で論じたUE、基地局、およびホストコンピュータの、一実施形態による例示的な実装形態を、
図10を参照してここで説明する。
【0153】
図10は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、部分的な無線接続により、基地局を介してユーザ機器と通信するホストコンピュータの一般化されたブロック図である。通信システム1000において、ホストコンピュータ1010は、通信システム1000の別の通信機器のインタフェースとの有線または無線接続を設定ならびに維持するように構成された通信インタフェース1016を含んだハードウェア1015を有する。ホストコンピュータ1010は、記憶および/または処理能力を有しうる処理回路1018をさらに有する。特に、処理回路1018は、命令を実行するように適合された1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(不図示)を有しうる。ホストコンピュータ1010はさらに、ホストコンピュータ1010内に格納され、またはホストコンピュータ1010からアクセス可能で、処理回路1018によって実行可能なソフトウェア1011を有する。ソフトウェア1011は、ホストアプリケーション1012を含む。ホストアプリケーション1012は、UE1030およびホストコンピュータ1010で終端するOTT接続1050を通じて接続するUE1030などのリモートユーザにサービスを提供するように動作可能であってよい。サービスをリモートユーザに提供する際、ホストアプリケーション1012はユーザデータを提供することができ、ユーザデータはOTT接続1050を用いて送信される。
【0154】
通信システム1000はさらに、電気通信システムに設けられ、通信システム1000がホストコンピュータ1010およびUE1030と通信することを可能にするハードウェア1025を有する基地局1020を含んでいる。ハードウェア1025は、通信システム1000の別の通信機器のインタフェースと有線または無線接続を設定ならびに維持するための通信インタフェース1026と、基地局1020によって提供されるカバレッジエリア(
図10には不図示)に位置するUE1030との少なくとも無線接続1070を設定ならびに維持するための無線インタフェース1027とを含みうる。通信インタフェース1026は、ホストコンピュータ1010への接続1060を容易にするように構成されてもよい。接続1060は、直接的であってもよく、電気通信システムのコアネットワーク(
図10には不図示)を経由してもよく、および/または電気通信システムの外部の1つ以上の中間ネットワークを経由してもよい。図示の実施形態では、基地局1020のハードウェア1025が、命令を実行するように適合された1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組合せ(不図示)を有しうる処理回路1028をさらに含んでいる。基地局1020はさらに、内部に記憶された、または外部接続を介してアクセス可能な、ソフトウェア1021を有する。
【0155】
通信システム1000は、既に言及したUE1030をさらに含んでいる。UE1030のハードウェア1035は、UE1030が現在位置するカバレッジエリアにサービスを提供する基地局との無線接続1070を設定ならびに維持するように構成された無線インタフェース1037を含みうる。UE1030のハードウェア1035はさらに、命令を実行するように適合された1つ以上のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(不図示)を有しうる処理回路1038を含んでいる。UE1030はさらに、UE1030内に記憶されるか、UE1030によってアクセス可能であり、処理回路1038によって実行可能なソフトウェア1031を有する。ソフトウェア1031は、クライアントアプリケーション1032を含む。クライアントアプリケーション1032はホストコンピュータ1010の支援を受けて、UE1030を通じて人間または非人間のユーザにサービスを提供するように動作可能であってよい。ホストコンピュータ1010において、実行中のホストアプリケーション1012は、UE1030およびホストコンピュータ1010で終端するOTT接続1050を通じて、実行中のクライアントアプリケーション1032と通信することができる。サービスをユーザに提供する際に、クライアントアプリケーション1032はホストアプリケーション1012から要求データを受信し、要求データに応答してユーザデータを提供することができる。OTT接続1050は、要求データとユーザデータの両方を転送することができる。クライアントアプリケーション1032は、提供するユーザデータを生成するためにユーザとやりとりすることができる。
【0156】
図10に示されるホストコンピュータ1010、基地局1020、およびUE1030は、それぞれ、
図9のホストコンピュータ930、基地局912a、912b、912cのうちの1つ、およびUE991、992のうちの1つと類似または同一であり得ることに留意されたい。すなわち、これらのエンティティの内部動作は
図10に示されるようなものであってもよく、独立して、周囲のネットワークトポロジは
図9のものであってもよい。
【0157】
図10では基地局1020を介したホストコンピュータ1010とUE1030との間の通信を示すために、いかなる中間機器についても、これら機器を介したメッセージの正確なルーティングについても明示的に言及することなく、OTT接続1050を抽象的に描いている。ネットワークインフラストラクチャはルーティングを決定することができ、ルーティングはUE1030に、またはホストコンピュータ1010を運用するサービスプロバイダに、あるいはその両方に対して隠すように構成されていてもよい。OTT接続1050がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャはルーティングを動的に(例えば、負荷分散の考慮またはネットワークの再構成に基づいて)変更する決定をさらに行うことができる。
【0158】
UE1030と基地局1020との間の無線接続1070は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従う。様々な実施形態のうちの1つまたは複数は、無線接続1070が最後のセグメントを形成するOTT接続1050を用いて、UE1030に提供されるOTTサービスの性能を改善する。より詳細には、これらの実施形態の教示が手動ローミング者をサポートする能力を改善することができ、それによって、手動ローミング者が自分のホームネットワークとローミング契約を結んでいない訪問先ネットワーク内にローミングしている間に自分の本来のMSISDN番号を用いることを可能にすること、および訪問先ネットワークにローミングしている間に自分の本来のMSISDN番号を用いる特権について、訪問先ネットワークが手動ローミング者に手数料を都合よく課金することを可能にすることなどの利点を提供することができる。
【0159】
1つまたは複数の実施形態が改善するデータレート、レイテンシ、および他の因子を監視するために、測定手順を提供することができる。さらに、測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ1010とUE1030との間のOTT接続1050を再構成するためのネットワーク機能が必要に応じて設けられてもよい。OTT接続1050を再構成するための測定手順および/またはネットワーク機能は、ホストコンピュータ1010のソフトウェア1011およびハードウェア1015、またはUE1030のソフトウェア1031およびハードウェア1035、あるいはその両方で実現することができる。実施形態ではセンサ(不図示)が、OTT接続1050が経由する通信機器内に、または通信機器に関連付けて配備されてもよく、センサは先に例示し監視量の値を供給することによって、またはソフトウェア1011、1031が監視量を計算または推定することができる他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与してもよい。OTT接続1050の再構成は、メッセージフォーマット、再送信設定、好ましいルーティングなどを含むことができる。再構成は、基地局1020に影響を及ぼす必要はなく、基地局1020には知られないか、検知不能であってよい。このような手順および機能は当技術分野で公知かつ実施されているであろう。特定の実施形態では、測定がホストコンピュータ1010のスループット、伝搬時間、レイテンシなどの測定を容易にする独自のUEシグナリングを含むことができる。測定は、ソフトウェア1011および1031が伝搬時間、エラーなどを監視ながら、OTT接続1050を用いて、メッセージ、特に空または「ダミー」メッセージを送信させることによって実施することができる。
【0160】
図11は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照して説明したホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは
図11のみを参照する。ステップ1110において、ホストコンピュータはユーザデータを供給する。ステップ1110のサブステップ1111(オプションであってもよい)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを供給する。ステップ1120において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに搬送する送信を開始する。ステップ1130(オプションであってもよい)において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した送信において搬送されたユーザデータをUEに送信する。ステップ1140において、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションに関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
【0161】
図12は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照して説明したホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは
図12のみを参照する。方法のステップ1210において、ホストコンピュータはユーザデータを供給する。オプションのサブステップ(不図示)において、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを供給する。ステップ1220において、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに搬送する送信を開始する。送信は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、基地局を経由しうる。ステップ1230(オプションであってもよい)において、UEは、送信で搬送されるユーザデータを受信する。
【0162】
図13は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照して説明したホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは
図13のみを参照する。ステップ1310(オプションであってもよい)において、UEは、ホストコンピュータによって供給される入力データを受信する。追加的にまたは代替的に、ステップ1320において、UEは、ユーザデータを供給する。ステップ1320のサブステップ1321(オプションであってもよい)において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによってユーザデータを供給する。ステップ1310のサブステップ1311(オプションであってもよい)において、UEは、ホストコンピュータによって供給された受信入力データに応答して、ユーザデータを供給するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータの供給において、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受け取ったユーザ入力をさらに考慮してもよい。ユーザデータが供給された特定の方法にかかわらず、UEは、サブステップ1330(オプションであってもよい)において、ユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。本方法のステップ1340において、ホストコンピュータは、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0163】
図14は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ装置を含む通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図9および
図10を参照して説明したホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡単にするために、このセクションでは
図14のみを参照する。ステップ1410(オプションであってもよい)において、基地局は、本開示全体にわたって説明される実施形態の教示に従って、UEからユーザデータを受信する。ステップ1420(オプションであってもよい)において、基地局は、受信したユーザデータのホストコンピュータへの送信を開始する。ステップ1430(オプションであってもよい)において、ホストコンピュータは、基地局によって開始された送信で搬送されるユーザデータを受信する。
【0164】
本明細書で開示される任意の適切なステップ、方法、特徴、機能、または利益は、1つまたは複数の仮想装置の1つまたは複数の機能ユニットまたはモジュールを介して実行されうる。各仮想装置は、これらの機能ユニットの複数を有しうる。これらの機能ユニットは、1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる処理回路、ならびにデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、専用デジタルロジックなどを含みうる他のデジタルハードウェアを用いて実施することができる。処理回路は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光記憶デバイスなどの1つまたは複数のタイプのメモリを含みうるメモリに格納されたプログラムコードを実行するように構成されてもよい。メモリに格納されたプログラムコードは、1つまたは複数の電気通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびに本明細書で説明される技法のうちの1つまたは複数を実行するための命令を含む。いくつかの実装において、本開示の1つ以上の実施形態に従った対応する機能を、それぞれの機能ユニットに実行させるために処理回路が用いられてもよい。
【0165】
図15は、本明細書で説明されるいくつかの実施形態による方法を示す。
図15に示す実施形態において、方法は、UEがEPCネットワークにアタッチを試みるステップ1500で開始する。一実施形態では、MMEが、RLOSインジケータを含んでも含まなくてもよいアタッチメッセージを受信する。MMEはUEの認証を試みる。
【0166】
ステップ1502において、UEが認証された場合、MMEは、RLOSが示されたかどうかを調べる(ステップ1504)。RLOSが示されていなければ、MMEは、UEのプロファイル内のデフォルトAPNに対するセッションを開始(ステップ1506)した後、アクセスを許可する(ステップ1508)。ステップ1504において、RLOSが示された場合、MMEは、RLOS APNに対するセッションを開始し(ステップ1510)、UEが非RLOSサービスとのやりとりに関わることをブロックするルールを有効にし(ステップ1512)、EPCネットワークへのアクセスを許可する(ステップ1508)。アクセスが許可されると、手順は終了する。
【0167】
一方、ステップ1502において、UEが認証できなかった場合、処理はステップ1514に進み、MMEは、RLOSが示されたかどうかを調べる。RLOSが示されなかった場合、MMEはアクセスを拒否し(ステップ1516)、MMEがオーバーライドするためのオプションを持たない限り、手順は終了する。ステップ1514で、RLOSが示された場合、MMEは、RLOSに特化して設定されたAPNに対するセッションを開始する(ステップ1518)。これにより、UEは、RLOSサービスのポータルに接続される(ステップ1520)。ユーザが、RLOSサービスへアクセスできるように必要な手配を行う場合、ポータルはMMEに、そのUEへのアクセス権を付与するように指示してもよい(ステップ1522)。そして、UEは再びアタッチを試み(ステップ1524)、MMEはUEがアクセスを許可されているかどうかチェックする(ステップ1526)。アクセスが依然として許可されていない場合、UEはアクセスを拒否され(ステップ1516)、手順は終了する。しかし、UEにアクセスが許可されている場合、手順はステップ1510に進み、ステップ1508でアクセスが許可されるまで継続する。
【0168】
図16は、本開示のいくつかの他の実施形態による、ユーザ装置、UEの模式的なブロック図である。ユーザ装置は1つ以上のモジュール1632を含み、それぞれがソフトウェアで実現される。(1つ以上の)モジュール1632は、本明細書で説明されるUEの機能を提供する。
【0169】
図17は、本開示のいくつかの他の実施形態による、MMEまたはAMF、CSCF、TAS、またはネットワークポータルの機能のいずれか1つを実施するネットワークノードの模式的なブロック図である。ネットワークノードは1つ以上のモジュール1732を含み、それぞれがソフトウェアで実現される。(1つ以上の)モジュール1732は、本明細書で説明される機能のいずれかの機能を提供する。
【0170】
用語「ユニット」は、電子工学、電気機器、および/または電子デバイスの分野における従来の意味を有することができ、本明細書で説明したようなそれぞれのタスク、手順、計算、出力、および/または表示機能などを実行するための電気および/または電子回路、デバイス、モジュール、プロセッサ、メモリ、論理半導体および/またはディスクリートデバイス、コンピュータプログラムまたは命令を含みうる。
【0171】
本開示では、以下の略語の少なくともいくつかを用いることができる。略語間に矛盾がある場合、上述の説明においてどのように使用されるかが優先されるべきである。以下に複数回列挙される場合、最初の列挙は、その後の任意の列挙よりも優先されるべきである。
【0172】
・3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
・AC 交流
・AP アクセスポイント
・ASIC 特定用途向け集積回路
・BS 基地局
・BSC 基地局制御器
・BTS 無線基地局
・CD コンパクトディスク
・COTS 市販の既製品
・CPE 顧客構内設備
・CPU 中央処理装置
・CSCF 呼/セッション制御機能
・D2D デバイス間
・DAS 分散アンテナシステム
・DC 直流
・DIMM デュアルインラインメモリモジュール
・DSP デジタルシグナルプロセッサ
・DVD デジタルビデオディスク
・EEA EPS暗号化アルゴリズム
・EEA0 EPS暗号化アルゴリズム0
・EEPROM 電気的消去可能読み出し専用メモリ
・eMTC 拡張機械型通信
・eNB 拡張または進化型ノードB
・EPROM 消去およびプログラム可能読取り専用記憶装置
・EPS 進化パケットシステム
・gNB 新無線基地局
・GPS 全地球測位システム
・GSM モバイル通信用グローバルシステム
・HDDS ホログラフィックデジタルデータ記憶装置
・HD-DVD ハイディフィニションデジタルビデオディスク
・HSS ホーム加入者サーバ
・IMSI 国際移動加入者識別子
・IoT モノのインターネット
・LAN ローカルエリアネットワーク
・LEE ラップトップ内蔵機器
・LME ラップトップ搭載機器
・LTE ロングタームエヴォリューション
・M2M マシンツーマシン
・MANO 管理組織
・MCE マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ
・MME モビリティ管理エンティティ
・MSISDN 移動局国際加入者ディレクトリ番号
・MSR マルチスタンダードラジオ
・MTC 機械型通信
・NAS 非アクセスストラタム
・NB ノードB
・NB-IoT 狭帯域IoT(Internet of Things)
・NFV ネットワーク機能の仮想化
・NR ニューラジオ
・OTT オーバートップ
・P-CSCF プロキシ呼/セッション制御機能
・PDA 携帯情報端末
・PROM プログラム可能読出し専用メモリ
・PSTN 公衆交換電話網
・RAID 独立/高価でないディスクの冗長アレイ
・RAM ランダムアクセスメモリー
・RAN 無線アクセスノード
・RAT 無線アクセス技術
・RF 無線周波数
・RNC 無線ネットワークコントローラ
・ROM 読み出し専用メモリ
・RRC 無線リソース制御
・RRH リモートラジオヘッド
・RRU 遠隔無線ユニット
・S-CSCF サービス呼/セッション制御機能
・SDRAM 同期ダイナミックランダムアクセスメモリ
・SIP セッション開始プロトコル
・SOC システムオンチップ
・UE ユーザ装置
・UMTS ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム
・UP ユーザプレーン
・V2I 車対インフラ
・V2V 車対車
・V2X 車対すべてのもの
・VMM 仮想マシンモニター
・VNE 仮想ネットワーク要素
・VNF 仮想ネットワーク機能
・VoIP インターネットプロトコル上での音声通信
・WAN 広域ネットワーク
・WD 無線機器
・WiMax マイクロ波アクセスのための世界的動作互換性
・WLAN 無線ローカルエリアネットワーク
・XCAP XML(Extensible Markup Language)設定アクセスプロトコル
【0173】
当業者は、本開示の実施形態に対する改良および修正を認識するであろう。全てのそのような改良および修正は、本明細書に開示された概念の範囲内にあると考えられる。