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特許7026221ステアリング、ステアリングシステム、ステアリングを制御する方法、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】ステアリング、ステアリングシステム、ステアリングを制御する方法、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/06 20060101AFI20220217BHJP
   H01H 36/00 20060101ALI20220217BHJP
   B60R 16/027 20060101ALI20220217BHJP
   H05B 3/36 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
B62D1/06
H01H36/00 J
B60R16/027 T
H05B3/36
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020523604
(86)(22)【出願日】2019-05-20
(86)【国際出願番号】 JP2019019928
(87)【国際公開番号】W WO2019235200
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】P 2018108567
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】緑川 幸則
(72)【発明者】
【氏名】江花 敏亮
(72)【発明者】
【氏名】小澤 佑太
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-087883(JP,A)
【文献】特開2017-178133(JP,A)
【文献】特開2014-190856(JP,A)
【文献】特開昭63-305074(JP,A)
【文献】特開2015-131544(JP,A)
【文献】国際公開第2014/123222(WO,A1)
【文献】特表2005-537992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/06
H03K 17/96
H01H 36/00
B60R 16/027
H05B 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地電位が供給される芯部を備えたステアリングであって、
前記芯部の外側に、当該芯部と絶縁されて設けられた第1導電体であって、前記ステアリングを暖めるための第1導電体と、
前記第1導電体の外側に、当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体であって、前記ステアリングへの把持を検知するための第2導電体と、
を備える、ステアリング。
【請求項2】
請求項1に記載のステアリングと、
第1制御信号に応じて、前記第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部と、
前記第1スイッチ部のオン及びオフを制御する前記第1制御信号を出力する制御部と、
前記第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値を測定する容量測定回路と、
前記容量測定回路により測定された容量値に基づいて、前記ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定する把持判定部と、
を備える、ステアリングシステム。
【請求項3】
前記容量測定回路が測定する容量値は、前記ステアリングが運転者により把持されている場合に、前記第2導電体から前記運転者を介して前記接地部に至る経路において生じる静電容量結合の容量値を含み、
前記把持判定部は、
前記容量測定回路により測定された容量値が所定の閾値以上増大した場合に、前記ステアリングが運転者により把持されたと判定し、
前記容量測定回路により測定された容量値が前記所定の閾値以上減少した場合に、前記ステアリングが運転者による把持から解放されたと判定する、
請求項2に記載のステアリングシステム。
【請求項4】
第2制御信号に応じて、前記第2導電体と前記接地部との間の電気的接続を切り替える第2スイッチ部をさらに備え、
前記制御部は、前記第1スイッチ部のオン及びオフが切り替わるときに前記第2スイッチ部をオンとし、前記第1スイッチ部のオン及びオフが所定の時間以上切り替わらないときに前記第2スイッチ部をオフとする、前記第2制御信号を出力する、
請求項2又は3に記載のステアリングシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1スイッチ部のオン及びオフの切り替わりを示す第3制御信号を出力し、
前記把持判定部は、前記第3制御信号に基づいて、前記第1スイッチ部のオン及びオフが切り替わるときに前記容量測定回路の測定結果を破棄する、
請求項2から4のいずれか一項に記載のステアリングシステム。
【請求項6】
前記第1導電体の他端と前記接地部との間の電気的接続の有無を判定し、当該判定の結果を示す第4制御信号を前記制御部に供給する接続判定部をさらに備え、
前記接続判定部により前記第1導電体の前記他端と前記接地部との間の電気的接続が無いと判定された場合、前記制御部は、前記第4制御信号に基づいて、前記第1スイッチ部をオンにする、
請求項2から5のいずれか一項に記載のステアリングシステム。
【請求項7】
一端が前記第1導電体の一端と前記電源部との間に接続され、他端が前記接地部に電気的に接続されたコンデンサをさらに備える、
請求項2から5のいずれか一項に記載のステアリングシステム。
【請求項8】
一端が前記第1導電体の一端と前記電源部との間に接続され、他端が前記電源部に電気的に接続されたコンデンサをさらに備える、
請求項2から5のいずれか一項に記載のステアリングシステム。
【請求項9】
ステアリングであって、当該ステアリングを暖めるための第1導電体、及び前記第1導電体の外側に当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体を備えるもの、を制御する方法において、
前記第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部のオン及びオフを制御する第1制御信号を出力するステップと、
前記第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、前記ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定するステップと、を含み、
前記測定された容量値は、前記ステアリングが運転者により把持されている場合に、前記第2導電体から前記運転者を介して前記接地部に至る経路において生じる静電容量結合の容量値を含み、
前記判定するステップは、
前記測定された容量値が所定の閾値以上増大した場合に、前記ステアリングが運転者により把持されたと判定し、
前記測定された容量値が前記所定の閾値以上減少した場合に、前記ステアリングが運転者による把持から解放されたと判定することを含む、
ステアリングを制御する方法。
【請求項10】
ステアリングであって、当該ステアリングを暖めるための第1導電体、及び前記第1導電体の外側に当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体を備えるもの、を制御する方法において、
前記第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部のオン及びオフを制御する第1制御信号を出力するステップと、
前記第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、前記ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定するステップと、
前記第1スイッチ部のオン及びオフが切り替わるときに、前記第2導電体と前記接地部との間の電気的接続を切り替える第2スイッチ部をオンとし、前記第1スイッチ部のオン及びオフが所定の時間以上切り替わらないときに前記第2スイッチ部をオフとする第2制御信号を出力するステップと、を含む、
ステアリングを制御する方法。
【請求項11】
ステアリングであって、当該ステアリングを暖めるための第1導電体、及び前記第1導電体の外側に当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体を備えるもの、を制御する方法において、
前記第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部のオン及びオフを制御する第1制御信号を出力するステップと、
前記第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、前記ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定するステップと、
前記第1スイッチ部のオン及びオフの切り替わりを示す第3制御信号を出力するステップと、を含み、
前記判定するステップは、前記第3制御信号に基づいて、前記第1スイッチ部のオン及びオフが切り替わるときに前記測定された容量値を破棄することを含む、
ステアリングを制御する方法。
【請求項12】
ステアリングであって、当該ステアリングを暖めるための第1導電体、及び前記第1導電体の外側に当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体を備えるもの、を制御する方法において、
前記第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部のオン及びオフを制御する第1制御信号を出力するステップと、
前記第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、前記ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定するステップと、
前記第1導電体の他端と前記接地部との間の電気的接続の有無を判定し、当該判定の結果を示す第4制御信号を出力するステップと、
前記第1導電体の前記他端と前記接地部との間の電気的接続が無いと判定された場合、前記第4制御信号に基づいて前記第1スイッチ部をオンにするステップと、を含む、
ステアリングを制御する方法。
【請求項13】
ステアリングであって、当該ステアリングを暖めるための第1導電体、及び前記第1導電体の外側に当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体を備えるもの、を制御する方法において、
前記第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部のオン及びオフを制御する第1制御信号を出力するステップと、
前記第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、前記ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定するステップと、を含み、
前記ステアリングは、接地電位が供給される芯部をさらに備え、
前記第1導電体は、前記芯部の外側に、当該芯部と絶縁されて設けられた、
ステアリングを制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリング、ステアリングシステム、ステアリングを制御する方法、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冬場などの寒い日における自動車の運転を快適にするため、自動車のステアリングを加熱するためのヒーターが開発されている。例えば、特許文献1には、ステアリングを覆うように取り付けられた発熱体と、発熱体への通電を制御する制御回路と、制御回路へと信号を出力するスイッチと、を備える自動車用ヒーター装置が記載されている。この自動車用ヒーター装置では、運転者によるスイッチの操作により発熱体への通電が開始され、所定時間後に停止される。
【0003】
また、ステアリングに静電容量式のタッチセンサを設け、運転者がステアリングを把持しているか否かを検知することも知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-76922号公報
【文献】特開2010-23699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ステアリングにヒーター及びタッチセンサをともに設置する場合については従来十分な検討がなされているとは言えず、工夫されるべきである。
【0006】
そこで、本発明は、ヒーター機能付きのステアリングに把持検知機能を付加させることができ、かつ、一方の機能を他方の機能の向上に寄与させることができるステアリング、ステアリングシステム、ステアリングを制御する方法、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によるステアリングは、接地電位が供給される芯部を備えたステアリングであって、芯部の外側に、当該芯部と絶縁されて設けられた第1導電体であって、ステアリングを暖めるための第1導電体と、第1導電体の外側に、当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体であって、ステアリングへの把持を検知するための第2導電体と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態によるステアリングを制御する方法は、ステアリングを暖めるための第1導電体、及び第1導電体の外側に当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体を備えたステアリングを制御する方法であって、第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部のオン及びオフを制御する第1制御信号を出力するステップと、第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定するステップと、を含む。
【0009】
本発明の一実施形態による非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、電子装置の1つ以上のプロセッサによる実行のために構成されている1つ以上のプログラムであって、電子装置にステアリングを制御させる1つ以上のプログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、ステアリングは、当該ステアリングを暖めるための第1導電体、及び第1導電体の外側に当該第1導電体と絶縁されて設けられた第2導電体を備え、1つ以上のプログラムは、第1導電体の一端と電源部との間の電気的接続を切り替える第1スイッチ部のオン及びオフを制御する第1制御信号を出力する命令と、第2導電体と接地部との間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、ステアリングが運転者により把持されているか否かを判定する命令と、を含む。
【0010】
これらの実施形態によれば、第1導電体の外側に第2導電体が設けられているため、ヒーター機能のための第1導電体が把持検知機能のための第2導電体によって保護される。これにより、運転者がステアリングを把持した場合、第1導電体は直接把持されないため、第1導電体の抵抗値が摩耗による経年劣化によって増大することを抑制することができる。従って、把持検知機能のための第2導電体によりヒーター機能のための第1導電体の耐久性を向上させるという相乗効果を奏しつつ、両機能をステアリングに備えさせることができる。
【0011】
なお、本明細書において「把持」とは、運転者がステアリングを握りしめる状態に限られず、運転者の体がステアリングの一部に触れている状態も含むものとする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のステアリング、ステアリングシステム、ステアリングを制御する方法、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によれば、ヒーター機能付きのステアリングに把持検知機能を付加させることができ、かつ、一方の機能を他方の機能の向上に寄与させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係るステアリングの断面構造を示す図である。
図2】第1実施形態に係るステアリングシステムの回路構成及びシステム構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係るステアリングシステムに含まれるコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係るステアリングの制御方法を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るステアリングシステムの回路構成及びシステム構成を示す図である。
図6】第2実施形態に係るステアリングシステムにおける動作のタイミングチャートである。
図7】第3実施形態に係るステアリングシステムの回路構成及びシステム構成を示す図である。
図8】第4実施形態に係るステアリングシステムの回路構成及びシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図において、同一の符号を付したものは、同一の又は同様の構成を有する。また、第2実施形態以降では、第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0015】
<1.第1実施形態>
ステアリング1は、車両の走行を操作するための操作装置であり、それ自体を暖めるヒーター機能と、運転者によりステアリングが把持されているか否かを検知する把持検知機能を有する。図1に示すように、ステアリング1は、内側から順番に、芯金10と、ウレタン層11と、ヒーター電極12と、表皮層13と、センサ電極14と、を備える。芯金10が芯部の一例であり、ヒーター電極12及びセンサ電極14がそれぞれ第1導電体及び第2導電体の一例である。
【0016】
芯金10は、ステアリング1の骨組み部分を構成し、ステアリング1の形状を形成する。芯金10は、ステアリング1が車両に取り付けられた状態において車両の接地部に電気的に接続されることにより、接地電位を帯びる。すなわち、芯金10には接地電位が供給される。なお、車両の「接地部」とは、車両において接地電位を帯びた部位であればいずれの部位であってもよく、例えば車両ボディー等を含む。
【0017】
ウレタン層11は、芯金10の外側(本実施形態においては外周)において芯金10を覆うように設けられ、芯金10とヒーター電極12とを絶縁する。なお、このような絶縁の態様は、ウレタン層11に限るものではなく、例えば、ウレタン以外の他の材料を用いて形成してもよい。
【0018】
ヒーター電極12は、ウレタン層11の外側(本実施形態においては外周)においてウレタン層11を覆うように設けられている。ヒーター電極12は、電力が供給されることにより発熱し、これによりステアリング1を暖める。例えば、ヒーター電極12は、ニクロム線を面状に配置した面状発熱体により形成される。
【0019】
表皮層13は、ヒーター電極12の外側(本実施形態においては外周)においてヒーター電極12を覆うように設けられ、ヒーター電極12とセンサ電極14とを絶縁する。表皮層13を構成する材料は、特に限定されるものではなく、例えばステアリングの表皮層として従来用いられている革等であってよい。
【0020】
センサ電極14は、表皮層13の外側(本実施形態においては外周)において表皮層13を覆うように設けられている。センサ電極14は、静電容量結合により、車両の運転者がステアリング1を把持しているか否かを検知するための電極である。例えば、センサ電極14は、表皮層13の表面に導電性を有する塗料を吹き付けることにより形成される。運転者によるステアリング1への把持を検知する機能は、例えば、運転者を補助する運転補助システムや、運転者に注意を喚起する注意喚起システムに応用することができる。なお、センサ電極14が設けられる位置は、必ずしもステアリング1の最も外側でなくてもよく、ステアリング1は、例えばセンサ電極14のさらに外側に非導電性の塗装が施されていてもよい。
【0021】
このように、ステアリング1では、ヒーター電極12とセンサ電極14が互いに絶縁されつつ、この順で芯金10を囲むように形成されている。図1に示す例では、ステアリング1の周方向にわたってヒーター電極12やセンサ電極14を形成しているが、他の実施態様では、ステアリング1の全体にヒーター電極12やセンサ電極14を形成しなくてもよい。すなわち、ステアリング1の一部(例えば、運転者によって把持されやすい部分など)が図1に示す断面構造を有する限り、他の部分にはヒーター電極12やセンサ電極14が形成されていなくてもよい。
【0022】
図2に示すように、ステアリングシステム100は、例えば、上述のステアリング1と、スイッチ素子110と、制御部120と、ヒーター電源130と、容量測定回路140と、把持判定部150と、を備える。スイッチ素子110、制御部120、容量測定回路140及び把持判定部150は、例えばECU(電子装置の一例である。)に設けられる。他の実施態様では、スイッチ素子110及び容量測定回路140は、ECUとは別に設けられ、ECUに電気的に接続されてもよい。なお、図1に示すウレタン層11及び表皮層13は、回路構成上いずれも絶縁層に含まれるため、図2においては絶縁層としてまとめて示されている。このことは、以下に示す図5図7及び図8においても同様である。
【0023】
図3に示すように、ステアリングシステム100が有するECU20は、演算部21、通信部22、入出力部23、及び記憶部24を備える。
【0024】
演算部21は、1つ以上のプロセッサを含み、CPUやMPU等によって構成される。演算部21は、各種入力に基づいて、記憶部24に記憶されたプログラム、モジュール及び/又は命令を実行することで、種々の機能部を動作させる。プログラム等は、CD-ROMやUSBメモリなどの記憶媒体からインストールされるか、あるいは通信部22を介してダウンロードされインストールされてよい。演算部21は、種々の機能部として、例えば、制御部120及び把持判定部150を有する。制御部120は、例えば、スイッチ素子110のオン及びオフを制御する制御信号を出力する。把持判定部150は、例えば、容量測定回路140により測定された容量値に基づいて、ステアリング1が把持されているか否かを判定する。
【0025】
通信部22は、ECU20を他の機器に接続するインターフェースである。通信部22は、例えばインターネット等の通信ネットワークに接続されてよい。入出力部23は、他の機器からのデータを受け付け、他の機器へのデータを出力する。例えば、入出力部23は、スイッチ素子110に接続されていて、制御部120からの制御信号が入出力部23を介してスイッチ素子110に出力される。また、例えば、入出力部23は、容量測定回路140に接続されていて、容量測定回路140の測定結果を受け付ける。
【0026】
記憶部24は、ハードディスクドライブ、SSD、RAM、ROMなどの記憶装置によって構成される。記憶部24は、演算部21における演算処理の実行に必要な各種プログラムや、各種プログラムの実行に必要なデータ等を記憶する。各種プログラムには、例えばステアリングを制御するためのプログラムが含まれる。記憶部24は、不揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む。また、記憶部24は、容量測定回路140が測定した容量値を記憶するほか、各種情報を一時的に記憶する。
【0027】
図2に戻り、芯金10は、車両の接地部Gに電気的に接続され、全体が接地電位を帯びている。ヒーター電極12は、一端にヒーター電源130からスイッチ素子110を介して電力が供給され、他端が接地部Gに電気的に接続される。センサ電極14は、運転者がステアリング1を把持している間、運転者との間で静電容量結合を発生させる。なお、図2においては、配線による電気的接続が実線で示され、静電容量結合による電気的接続が破線で示されている。
【0028】
スイッチ素子110(第1スイッチ部の一例である。)は、制御部120から供給される制御信号Ctrl1(第1制御信号の一例である。)に基づいてオン及びオフを切り替えることにより、ヒーター電極12とヒーター電源130との間の電気的接続を切り替える。具体的に、スイッチ素子110がオンの場合、ヒーター電源130からヒーター電極12に電力が供給され、ヒーター電極12が発熱する。他方、スイッチ素子110がオフの場合、ヒーター電源130からヒーター電極12への電力の供給が遮断され、ヒーター電極12の発熱が停止する。スイッチ素子110は、例えばFET(Field-Effect Transistor)等のトランジスタであってよいが、これに限られず、制御信号Ctrl1に応じて電気的接続を切り替えられる構成であればよい。
【0029】
制御部120は、スイッチ素子110のオン及びオフを切り替える制御信号Ctrl1をスイッチ素子110に供給する。制御部120は、例えば車両の運転者によるスイッチ操作の入力を受け付けて、当該入力に基づいて制御信号Ctrl1を生成してもよい。ヒーター電源130(電源部の一例である。)は、ヒーター電極12に電力を供給する。
【0030】
容量測定回路140は、容量測定信号をセンサ電極14に供給し、センサ電極14と接地電位を帯びる各要素との間に生じる静電容量結合の容量値の合計を測定する。具体的に、運転者がステアリング1を把持していない場合、すなわち運転者とステアリング1との間で静電容量結合が生じていない場合、容量測定回路140が測定する容量値Coffは、センサ電極14と芯金10との間に生じる寄生容量の容量値Csaと、センサ電極14とヒーター電極12との間に生じる寄生容量の容量値Cshと、センサ電極14と車両の接地部Gとの間に生じる寄生容量の容量値Csbと、の合計となる。すなわち、この場合、Coff=Csa+Csh+Csbである。
【0031】
他方、運転者がステアリング1を把持している場合、すなわち運転者とステアリング1との間で静電容量結合が生じている場合、容量測定回路140が測定する容量値Conは、上述の容量値Csa,Csh,Csbに加えて、センサ電極14から運転者の人体を介して車両の接地部Gに至る経路に生じる静電容量結合の容量値Chを含む。すなわち、この場合、Con=Csa+Csh+Csb+Chである。従って、ステアリングへの把持が有る場合の容量値Conと、無い場合の容量値Coffに関して、△C=Con-Coff=Chの差が生じることとなる。
【0032】
把持判定部150は、容量測定回路140により測定された容量値に基づいて、運転者がステアリング1を把持しているか否かを判定する。具体的に、把持判定部150は、例えば所定の間隔で断続的に容量測定回路140が測定した容量値を受け取る。そして、把持判定部150は、当該容量値が所定の閾値以上増大した場合に、ステアリング1が把持されたと判定し、当該容量値が所定の閾値以上減少した場合に、ステアリング1が把持から解放されたと判定し、当該容量値が所定の閾値以上変動しない場合、以前の状態が維持されていると判定する。
【0033】
図4を参照して、本実施形態のステアリング1を制御する方法について説明する。この方法は、上記のECU20によって実行することができる。また、この方法では、主に次の二つのステップが実行される。
【0034】
第1に、ヒーター電極12の一端とヒーター電源130との間の電気的接続を切り替えるスイッチ素子110のオン及びオフを制御する制御信号Ctrl1を出力する(ステップS10)。これは、制御部120によって実行される。かかる出力ステップにより、ヒーター電極12のオン及びオフが制御される。
【0035】
第2に、センサ電極14と接地部Gとの間に生じる静電容量結合の容量値の測定結果を受けて、その測定された容量値に基づいて、ステアリング1が運転者により把持されているか否かを判定する(ステップS20)。これは、把持判定部150によって実行される。なお、上述のとおり、容量値は、容量測定回路140によって測定されたものである。
【0036】
本実施形態のステアリング1によれば、ヒーター電極12とセンサ電極14を備えるため、ヒーター機能と把持検知機能の両方を備えさせることができる。とりわけ、ヒーター電極12の外側にこれと絶縁されてセンサ電極14が設けられるため、ヒーター電極12がセンサ電極14によって外側から保護される。これにより、ヒーター電極12の耐久性を向上することができる。この点について詳述すると、以下のとおりである。
【0037】
すなわち、ヒーター電極12において発生する熱量Qは、ヒーター電極12に供給される電流量Iと、ヒーター電極12の抵抗値Rを用いて、Q=RIにより既定される。従って、十分な熱量Qを得るためにはヒーター電極12の抵抗値Rは低いことが好ましい。ここで、仮にヒーター電極12がステアリング1における外側に設けられるとすると、運転者がステアリング1を把持した場合、ヒーター電極12は直接把持される。その結果、ヒーター電極12の抵抗値Rが、摩耗による経年劣化により増大し得る。この点、本実施形態では、ヒーター電極12がセンサ電極14より内側に配置されるため、上述の摩耗が抑制され、抵抗値Rの増大を抑制することができる。したがって、ヒーター電極12の耐久性を向上することができる。
【0038】
ところで、センサ電極14は、運転者がステアリング1を把持した場合に直接把持されるため、摩耗により抵抗値が増大し得る。しかしながら、センサ電極14と接地部Gとの間の抵抗値は比較的大きいため、センサ電極14の抵抗値が仮に増大したとしても、センサ電極14と接地部Gとの間の抵抗値に対するセンサ電極14の抵抗値の変動は相対的に小さい。従って、センサ電極14の摩耗が容量測定回路140による容量値の測定に与える影響は小さい。言い換えると、センサ電極14がヒーター電極12の外側に設けられることにより、ヒーター機能付きのステアリングに把持検知機能を付加しつつ、この把持検知機能をヒーター機能の耐久性の向上に寄与させることができる。
【0039】
他の実施態様では、ヒーター機能のオン及びオフ(すなわち、スイッチ素子110のオン及びオフ)の切り替えを、例えば、把持判定部150による判定結果に基づいて制御することも可能である。例えば、ステアリングへの把持の検知によりヒーター機能がオンとなり、把持の解放の検知によりヒーター機能がオフとなるように制御することにより、運転者による運転動作を妨げることなく自動的にステアリングを暖めることができる。
【0040】
ここで、上述のようなヒーター機能を備えるステアリングシステム100においては、ヒーター機能がオンであるときに、ヒーター電極12に供給される電流の電流量が比較的多い(例えば、数~数十A程度)。従って、ヒーター機能のオン及びオフの切り替え時にヒーター電極12に供給される電流の電流量が急激に変動するため、ノイズが発生したり、電源電圧が変動したりし得る。そこで、このようなノイズや電圧変動の周辺回路への影響を抑制することができるステアリングシステムとして、以下の第2実施形態について説明する。
【0041】
<2.第2実施形態>
図5に示すように、ステアリングシステム200は、上述のステアリングシステム100に比べて、スイッチ素子210をさらに備える。スイッチ素子210(第2スイッチ部の一例である。)は、センサ電極14と接地部Gとの間に設けられ、制御部120から供給される制御信号Ctrl2(第2制御信号の一例である。)に応じて、センサ電極14と接地部Gとの間の電気的接続を切り替える。スイッチ素子210は、スイッチ素子110と同様に、FET等のトランジスタであってよいが、これに限られず、制御信号Ctrl2に応じて電気的接続を切り替えられる構成であればよい。
【0042】
本実施形態において、制御部120は、スイッチ素子110の動作に応じてスイッチ素子210の動作を切り替える制御信号Ctrl2を出力する。具体的に、制御信号Ctrl2は、図6に示すように、スイッチ素子110のオン及びオフが切り替わるときにスイッチ素子210をオンとするハイレベルとなり、スイッチ素子110のオン及びオフが所定の時間以上切り替わらないときにスイッチ素子210をオフとするローレベルとなる。これにより、ヒーター機能の動作の切り替え時にスイッチ素子210がオンとなり、センサ電極14が接地部Gに電気的に接続されることにより、センサ電極14が接地電位を帯びる。従って、ヒーター機能の動作の切り替えに伴ってノイズや電源電圧の変動が生じても、センサ電極14がシールドとして機能し、これらのノイズや電圧変動の影響を抑制することができる。
【0043】
なお、スイッチ素子210がオンとなるのは、スイッチ素子110のオン及びオフが切り替わる瞬間に限られず、図6に示すように、当該瞬間の前後の時間を含んでよい。これにより、ヒーター機能の動作の切り替えに伴うノイズ等の影響をより抑制しやすくなる。
【0044】
加えて、本実施形態において、制御部120は、制御信号Ctrl2に加えて、スイッチ素子110のオン及びオフの切り替わりを示す制御信号Ctrl3(第3制御信号の一例である。)を出力し、把持判定部150に供給する。具体的に、制御信号Ctrl3は、制御信号Ctrl2と同様に、スイッチ素子110のオン及びオフが切り替わるときにハイレベルとなり、スイッチ素子110のオン及びオフが所定の時間以上切り替わらないときにローレベルとなる。把持判定部150は、制御信号Ctrl3がハイレベルの場合に、容量測定回路140による容量値の測定結果を破棄し、当該容量値に基づく判定を行わない(図6矢印参照)。すなわち、ヒーター機能の動作切り替え時には、電源電圧の変動が生じ、容量測定回路140による容量値の測定の精度が低下し得るので、かかる容量値の測定結果を破棄する(出力値を無効とする)。これにより、把持判定部150における把持判定の信頼性を向上させることができる。
【0045】
上述のとおり、ステアリングシステム200によると、センサ電極14にシールド機能が付加されるため、別のシールド部材を用いることなくノイズ等による影響を抑制することができる。また、ヒーター機能の動作切り替えに応じて把持検知の有無が制御されるため、把持検知機能の信頼性を向上させることができる。
【0046】
他の実施態様では、制御部120が容量測定回路140に制御信号Ctrl3を供給し、制御信号Ctrl3がハイレベルの場合に容量測定回路140が容量値の測定を行わないこととしてもよい。さらに別の実施態様では、制御信号Ctrl2及び制御信号Ctrl3は、一つの制御部120ではなく、互いに異なる制御部から出力されてもよい。また別の実施態様では、ステアリングシステム200は、センサ電極14によるシールド機能と、把持判定部150による測定結果の破棄の機能の両方ではなく、これらのいずれか一方の機能を備えるものであってもよい。
【0047】
ここで、上述のようなヒーター機能を備えるステアリングシステム200においては、ヒーター電極12や各要素を電気的に接続するハーネス等が、劣化又は故障により断線することがある。例えば、ヒーター電極12の他端と接地部との接続が断線により遮断されると、センサ電極14とヒーター電極12との間の寄生容量が生じなくなる。すると、容量測定回路140による測定結果が変わることにより、把持判定部150による把持判定の信頼性が低下するおそれがある。そこで、この点を解消することができるステアリングシステムとして、以下の第3及び第4実施形態について説明する。
【0048】
<3.第3実施形態>
図7に示すように、ステアリングシステム300は、上述のステアリングシステム100に比べて、接続判定部310をさらに備える。接続判定部310は、ヒーター電極12の一端とヒーター電源130との間に設けられる。接続判定部310は、例えば、ヒーター電極12の他端と接地部Gとの間の電気的接続の有無(すなわち、断線していないか否か)を判定し、当該判定の結果を示す制御信号Ctrl4(第4制御信号の一例である。)を制御部120に供給する。
【0049】
ヒーター電極12の他端と接地部Gとの間に断線が生じ、これらの間の電気的接続が無いと接続判定部310によって判定された場合、制御部120は、接続判定部310から供給される制御信号Ctrl4に基づいて、スイッチ素子110をオンにする。これにより、ヒーター電極12は、ヒーター電源130に短絡された状態となり、センサ電極14との間に寄生容量が発生する。
【0050】
本実施形態のステアリングシステム300によれば、ヒーター電極12を含む電気経路が断線しても、センサ電極14とヒーター電極12との間に寄生容量を発生させることができる。従って、把持検知機能の信頼性を向上させることができる。
【0051】
<4.第4実施形態>
図8に示すように、ステアリングシステム400は、上述のステアリングシステム100に比べて、コンデンサ410をさらに備える。コンデンサ410は、一端がヒーター電極12の一端とヒーター電源130との間に接続され、他端が接地部Gに電気的に接続される。コンデンサ410の容量値は、センサ電極14とヒーター電極12との間に生じる寄生容量の容量値Cshに比べて大きいことが好ましく、例えば0.01μF~10μF程度であってよい。これにより、ヒーター電極12は、接地部Gに短絡された状態と同等となる。これにより、ステアリングシステム400によれば、ステアリングシステム300と同様に、ヒーター電極12を含む電気経路が断線しても、センサ電極14とヒーター電極12との間の寄生容量を発生させることができる。従って、把持検知機能の信頼性を向上させることができる。
【0052】
なお、図8においては、コンデンサ410の一端がヒーター電極12の一端とスイッチ素子110の間に接続される例が示されているが、コンデンサ410の一端が接続される位置はこれに限られず、例えばスイッチ素子110とヒーター電源130との間であってもよい。図8においては、コンデンサ410の他端が接地部Gに接続される構成が示されているが、コンデンサ410の他端の接続先はこれに限られず、例えばヒーター電源130に接続されてもよい。この場合、ヒーター電極12は、電源電圧に短絡された状態と同等となり、これによってもセンサ電極14とヒーター電極12との間の寄生容量を発生させることができる。
【0053】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。各実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【0054】
例えば、ヒーター機能及び把持検知機能が適用される装置はステアリングに限られず、車両のシフトレバー等の他の装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…ステアリング、10…芯金、11…ウレタン層、12…ヒーター電極、13…表皮層、14…センサ電極、20…ECU、21…演算部、22…通信部、23…入出力部、24…記憶部、100,200,300,400…ステアリングシステム、110…スイッチ素子、120…制御部、130…ヒーター電源、140…容量測定回路、150…把持判定部、210…スイッチ素子、310…接続判定部、410…コンデンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8