(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】チップパッケージの位置決め固定構造
(51)【国際特許分類】
G01F 1/684 20060101AFI20220217BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20220217BHJP
H01L 25/10 20060101ALI20220217BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220217BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20220217BHJP
H05K 3/00 20060101ALN20220217BHJP
【FI】
G01F1/684 A
H01L23/28 J
H01L25/10 Z
H05K1/18 G
H05K3/00 X
(21)【出願番号】P 2020556659
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 JP2019036909
(87)【国際公開番号】W WO2020095548
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2021-04-09
(31)【優先権主張番号】P 2018208459
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファティン ファハナー ビンティ ハリダン
(72)【発明者】
【氏名】余語 孝之
(72)【発明者】
【氏名】阿部 博幸
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-122984(JP,A)
【文献】特開2015-017857(JP,A)
【文献】特開2012-242298(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0276566(US,A1)
【文献】特開平05-326911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/684
H01L 23/04
H01L 23/28
H01L 25/10
H05K 1/02
H05K 1/18
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出部が少なくとも露出するように流量検出素子を樹脂で封止したチップパッケージを回路基板に位置決め固定する位置決め固定構造であって、
前記チップパッケージは、前記回路基板に沿って配置され、基端部が前記回路基板に固定され、先端部が前記回路基板から側方に突出するパッケージ本体を有し、
前記パッケージ本体の基端部には、前記回路基板にはんだ固定されるはんだ固定部が設けられ、
前記パッケージ本体の先端部には、前記流量検出素子の検出部と、前記回路基板に対する位置決めを行うための位置決め部とが設けられていることを特徴とするチップパッケージの位置決め固定構造。
【請求項2】
前記位置決め部は、前記パッケージ本体の先端部に形成された凸部を有し、
前記はんだ固定部は、前記パッケージ本体の基端部から突出する接続端子を有し、
前記凸部と前記接続端子は、前記回路基板の実装面を含む仮想平面上に位置することを特徴とする請求項1に記載のチップパッケージの位置決め固定構造。
【請求項3】
前記凸部は、前記回路基板を支持する捨て基板に当接されることを特徴とする
請求項2に記載のチップパッケージの位置決め固定構造。
【請求項4】
前記凸部は、前記樹脂により構成されていることを特徴とする
請求項2に記載のチップパッケージの位置決め固定構造。
【請求項5】
前記チップパッケージは、前記流量検出素子を搭載するリードフレームを有し、
前記凸部は、前記リードフレームの一部を前記パッケージ本体から突出させることにより構成されていることを特徴とする
請求項3に記載のチップパッケージの位置決め固定構造。
【請求項6】
前記凸部は、前記リードフレームのフレーム面に沿って前記パッケージ本体から突出し、先端で折曲されて前記接続端子の接続面側に突出するL字形状を有し、
前記捨て基板には、前記凸部の先端が挿入される挿入穴が設けられていることを特徴とする
請求項5に記載のチップパッケージの位置決め固定構造。
【請求項7】
前記凸部は、物理量検出装置のハウジングに前記回路基板を取り付けた場合に、前記ハウジングに接着されることを特徴とする
請求項2に記載のチップパッケージの位置決め固定構造。
【請求項8】
回路基板と該回路基板を切り離し可能に支持する捨て基板とを有する基板シートに、流量検出部を有するチップパッケージを配置する配置工程と、
前記チップパッケージが配置された基板シートをリフロー炉に搬送してはんだリフローを行う工程と、
前記基板シートから前記回路基板を切り離す工程と、を含み、
前記配置工程では、前記基板シートに対して前記流量検出部が前記回路基板から突出するように前記チップパッケージを配置して、前記チップパッケージの基端部に設けられているはんだ固定部を前記回路基板に当接させ、かつ、前記チップパッケージの先端部に設
けられている位置決め部を前記捨て基板に当接させて、前記チップパッケージを支持することを特徴とする物理量検出装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップパッケージの位置決め固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「表面実装型の電子部品2がパッド3に塗布したクリーム半田4で仮止めされたプリント配線板1を、搬送コンベヤによりリフロー炉内に搬送して、プリント配線板1に電子部品2を半田付けするリフロー半田付け行程における電子部品の位置決め構造において、電子部品2における絶縁樹脂製のパッケージ7に、プリント配線板1における電子部品2の取り付け箇所に形成した被係合部5に係合してプリント配線板1に対する電子部品2の変位を阻止する係合部9を装備してある。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば検出素子を有するチップパッケージを回路基板に片持ち支持する構造の場合、はんだリフロー中に、回路基板に対するチップパッケージの傾きや位置ずれが発生するおそれがあり、検出素子の特性ばらつきの要因となる。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、回路基板に対するチップパッケージの傾き及び位置を制御し、実装ばらつきを低減できるチップパッケージの位置決め固定構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明のチップパッケージの位置決め固定構造は、検出部が少なくとも露出するように流量検出素子を樹脂で封止したチップパッケージを回路基板に位置決め固定する位置決め固定構造であって、前記チップパッケージは、前記回路基板にはんだ固定されるはんだ固定部と、前記回路基板に対する位置決めを行うための位置決め部とを備え、前記位置決め部は、前記はんだ固定部よりも前記流量検出素子側に設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回路基板に対するチップパッケージの傾きを制御し、実装ばらつきを低減できる。
【0008】
本発明に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、上記した以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図5】ハウジングを透視化して示す物理量検出装置の正面図。
【
図7A】チップパッケージと回路部品が実装された回路基板の正面図。
【
図10A】第2の実施例における回路基板の正面図。
【
図11A】第3の実施例における回路基板の正面図。
【
図12A】第4の実施例における回路基板の正面図。
【
図13A】第5の実施例における回路基板の正面図。
【
図16A】第7の実施例における回路基板の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する、発明を実施するための形態(以下、実施例)は、実際の製品として要望されている種々の課題を解決しており、特に車両の吸入空気の物理量を検出する検出装置として使用するために望ましい色々な課題を解決し、種々の効果を奏している。下記実施例が解決している色々な課題の内の一つが、上述した発明が解決しようとする課題の欄に記載した内容であり、また下記実施例が奏する種々の効果のうちの一つが、発明の効果の欄に記載された効果である。下記実施例が解決している色々な課題について、さらに下記実施例により奏される種々の効果について、下記実施例の説明の中で述べる。従って、下記実施例の中で述べる、実施例が解決している課題や効果は、発明が解決しようとする課題の欄や発明の効果の欄の内容以外の内容についても記載されている。
【0011】
以下の各実施例で、同一の参照符号は、図番が異なっていても同一の構成を示しており、同じ作用効果を成す。既に説明済みの構成について、図に参照符号のみを付し、説明を省略する場合がある。
【0012】
<第1の実施例>
図1から
図3は、物理量検出装置の外観を示す図であり、
図1は、物理量検出装置の正面図、
図2は、ハウジングの背面図、
図3は、物理量検出装置の右側面図である。
本実施例の物理量検出装置1は、自動車の内燃機関に吸入される吸入空気の物理量を検出するためのものであり、内燃機関の吸気管に装着される。
【0013】
物理量検出装置1は、吸気管の通路壁に設けられた取り付け孔から吸気管の内部に挿入されて利用される。物理量検出装置1は、ハウジング2と、ハウジング2に取り付けられるカバー3とを備えている。ハウジング2は、合成樹脂製材料を射出成形することによって構成されており、カバー3は、例えばアルミニウム合金などの導電性材料からなる板状部材によって構成されている。カバー3は、薄い板状に形成されて、広い平坦な冷却面を有している。
【0014】
ハウジング2は、物理量検出装置1を吸気管に固定するためのフランジ21と、フランジ21から突出して外部機器との電気的な接続を行うために吸気ボディから外部に露出するコネクタ23と、フランジ21から延びる計測部22を有している。
【0015】
計測部22は、フランジ21からまっすぐ延びる薄くて長い形状を成し、幅広な正面221と背面222、及び幅狭な一対の側面223、224を有している。計測部22は、物理量検出装置1を吸気管に取り付けた状態で、吸気管の内壁から吸気管の通路中心に向かって突出する。そして、正面221と背面222が吸気管の中心軸に沿って平行に配置され、計測部22の幅狭な側面223、224のうち計測部22の短手方向一方側の側面223が吸気管の上流側に対向配置され、計測部22の短手方向他方側の側面224が吸気管の下流側に対向配置される。物理量検出装置1を吸気管に取り付けた状態で、計測部22の先端部を下面225とする。
【0016】
物理量検出装置1は、フランジ21から吸気管の中央に向かって延びる薄くて長い計測部22の先端部に副通路入口201が設けられているので、内壁面近傍の流速低下に関係する計測誤差を低減できる。また、物理量検出装置1は、フランジ21から吸気管の中央に向かって伸びる計測部22の先端部に副通路入口201が設けられているだけでなく、副通路の第1出口202及び第2出口203も計測部22の先端部に設けられているので、さらに計測誤差を低減することができる。
【0017】
物理量検出装置1は、計測部22が吸気管の外壁から中央に向かう軸に沿って長く伸びる形状を成しているが、側面223、224の幅は、
図3に示すように、狭い形状を成している。これにより、物理量検出装置1は、被計測気体に対して流体抵抗を小さい値に抑えることができる。
【0018】
物理量検出装置1の計測部22は、吸気管に設けられた取り付け孔から内部に挿入され、物理量検出装置1のフランジ21が吸気管に当接され、ねじで吸気管に固定される。フランジ21は、所定の板厚からなる平面視略矩形状を有している。
【0019】
コネクタ23は、
図4及び
図5に示すように、その内部に外部端子231が設けられている。外部端子231は、物理量検出装置1の計測結果である流量や温度などの物理量を出力するための端子および物理量検出装置1が動作するための直流電力を供給するための電源端子である。
【0020】
ハウジング2には、副通路を形成するための副通路溝210と、回路基板4を収容するための回路室213が設けられている。回路室213と副通路溝210は、計測部22の背面222に凹設されている。回路室213は、吸気管において被計測気体の流れ方向上流側の位置となる短手方向一方側(側面223側)の領域に設けられている。そして、副通路溝210は、回路室213よりも計測部22の長手方向先端側(下面225側)の領域と、回路室213よりも吸気管における被計測気体の流れ方向下流側の位置となる短手方向他方側(側面224側)の領域に亘って設けられている。
【0021】
副通路溝210は、カバー3との協働により副通路を形成する。副通路は、計測部22の突出方向(長手方向)に沿って延在して設けられている。副通路を形成する副通路溝210は、第1副通路溝211と、第1副通路溝211の途中で分岐する第2副通路溝212とを有している。第1副通路溝211は、計測部22の一方側の側面223に開口する副通路入口201と、計測部22の他方側の側面224に開口する第1出口202との間に亘って、計測部22の短手方向に沿って延在するように形成されている。第1副通路溝211は、吸気管内を流れる被計測気体を副通路入口201から取り込み、その取り込んだ被計測気体を第1出口202から吸気管に戻す第1副通路を構成する。第1副通路は、副通路入口201から吸気管内における被計測気体の流れ方向に沿って延在し、第1出口202までつながる。
【0022】
第2副通路溝212は、第1副通路溝211の途中位置で分岐して計測部22の基端部側(フランジ側)に向かって折曲され、計測部22の長手方向に沿って延在する。そして、計測部22の基端部で計測部22の短手方向他方側(側面224側)に向かって折れ曲がり、計測部22の先端部に向かってUターンし、再び計測部22の長手方向に沿って延在する。そして、第1出口202の手前で計測部22の短手方向他方側に向かって折曲され、計測部22の他方側の側面224に開口する第2出口203に連続するように設けられている。第2出口203は、吸気管における被計測気体の流れ方向下流側に向かって対向配置される。第2出口203は、第1出口202とほぼ同等若しくは若干大きい開口面積を有しており、第1出口202よりも計測部22の長手方向基端部側に隣接した位置に形成されている。
【0023】
第2副通路溝212は、第1副通路から分岐されて流れ込んだ被計測気体を通過させて第2出口203から吸気管に戻す第2副通路を構成する。第2副通路は、計測部22の長手方向に沿って往復する経路を有する。つまり、第2副通路は、第1副通路の途中で分岐して、計測部22の基端部側に向かって延在し、計測部22の基端部側で折り返されて計測部22の先端部側に向かって延在し、副通路入口201よりも吸気管内における被計測気体の流れ方向下流側で被計測気体の流れ方向下流側に向かって対向配置される第2出口203につながる経路を有する。第2副通路溝212は、その途中位置に流量検出素子53が配置されている。第2副通路溝212は、第2副通路の通路長さをより長く確保することができ、吸気管内に脈動が生じた場合に、流量検出素子53への影響を小さくすることができる。
【0024】
上記構成によれば、計測部22の延びる方向に沿って副通路を形成することができ、副通路の長さを十分に長く確保できる。これにより、物理量検出装置1は、十分な長さの副通路を備えることができる。したがって、物理量検出装置1は、流体抵抗を小さい値に抑えられると共に高い精度で被計測気体の物理量を計測することが可能である。
【0025】
第1副通路溝211は、副通路入口201から第1出口202まで計測部22の短手方向に沿って延在して設けられているので、副通路入口201から第1副通路内に侵入した塵埃などの異物をそのまま第1出口202から排出させることができる。したがって、異物が第2副通路に侵入するのを防ぎ、第2副通路内の流量検出素子53に影響を与えるのを防ぐことができる。
【0026】
第1副通路溝211の副通路入口201と第1出口202は、副通路入口201の方が第1出口202よりも大きな開口面積を有している。副通路入口201の開口面積を第1出口202よりも大きくすることによって、第1副通路に流入した被計測気体を、第1副通路の途中で分岐している第2副通路にも確実に導くことができる。
【0027】
図6は、カバー組立体の構成を説明する図である。
カバー組立体は、カバー3と、チップパッケージ5を実装する回路基板4によって構成されている。カバー3は、例えばアルミニウム合金やステンレス合金などの金属製の導電性材料によって構成されている。カバー3は、計測部22の背面222を覆う大きさを有する平板部材からなり、接着剤によって計測部22に固定される。カバー3は、計測部22の回路室213を覆い、また、計測部22の第1副通路溝211および第2副通路溝212との協働により副通路を構成する。カバー3は、所定のコネクタターミナルとの間に導電性の中間部材を介在させることによってグランドに電気的に接続されており、除電機能を有している。
【0028】
カバー3の裏面には、チップパッケージ5を実装する回路基板4が固定されている。回路基板4は、例えばプリント基板からなる基板本体41を有している。基板本体41は、計測部22の長手方向に沿って延在する長方形状を有している。チップパッケージ5は、回路基板4の長手方向中央位置で回路基板4の短手方向に沿って端部から側方に突出した状態で、回路基板4に固定されている。チップパッケージ5のパッケージ本体51は、回路基板4の収容部412に厚さ方向の少なくとも一部が収容される基端部512と、回路基板4の短手方向に沿って回路基板4の端部から側方に突出する先端部511を有している。
【0029】
カバー組立体は、カバー3をハウジング2の背面222に取り付けることによって、回路基板4を回路室213に収容し、かつ、チップパッケージ5を副通路と回路室213との間に亘って延在させてパッケージ本体51の先端部511を副通路内に配置することができる。パッケージ本体51の先端部511には、流量検出素子53が設けられており、流量検出部の検出部が第2副通路溝212内に露出して配置されるようになっている。
【0030】
図7Aは、チップパッケージと回路部品が実装された回路基板の正面図、
図7Bは、
図7AのVIIB-VIIB線断面図、
図7Cは、
図7AのVIIC-VIIC線断面図である。
【0031】
回路基板4には、チップパッケージ5の一部を収容するための収容部412が設けられている。収容部412は、
図7Aに示すように、基板本体41の長手方向中央でかつ短手方向一方側に偏倚した箇所を部分的に切り欠くことによって構成されており(切り欠き部)、基板本体41は平面視略U字形状を有している。
【0032】
チップパッケージ5は、
図7A、
図7B及び
図7Cに示すように、パッケージ本体51の厚さ方向の少なくとも一部が回路基板4の収容部412に入り込んで収容されている。
具体的には、パッケージ本体51の基端部512でかつパッケージ本体51の流量検出素子53が設けられる面側であるパッケージ表面部が回路基板4の収容部412に入り込んだ状態で収容されている。
【0033】
本実施例では、パッケージ本体51の厚さ方向の一部が回路基板4の収容部412に収容されるため、チップパッケージ5の厚みと端子の高さとを含めた全体の実装高さを抑制することができる。これにより、例えば、回路基板4にチップパッケージ5と混載された小型の圧力センサと同じ実装高さまで低減することができる。また、チップパッケージ5を回路基板4の上に重ねて実装した場合と比較して、実装部品の実装高さをより低く抑えることができる。したがって、計測部22の低背化を図ることができ、物理量検出装置1を薄型化することができ、吸気管内の主通路における流量抵抗を低減させることができる。
【0034】
なお、本実施例では、パッケージ本体51の厚さ方向の一部が回路基板4の収容部412に収容される構成の場合を例に説明したが、パッケージ本体51の厚さ方向の全体が収容される構成としてもよい。かかる構成とすることにより、計測部22の低背化をさらに促進させることができ、物理量検出装置1の薄型化を図ることができる。
【0035】
図7Aに示すように、回路基板4の正面には、チップパッケージ5と、圧力センサ42等の電子部品が実装されている。チップパッケージ5は、パッケージ本体51の基端部512に複数本の接続端子52が突出して設けられており、これらの接続端子52を回路基板4のパッド43にはんだで接続することにより回路基板4に一体に固定されている。チップパッケージ5には、流量検出素子53と、流量検出素子53を駆動する電子部品であるLSIとが実装されている。
【0036】
チップパッケージ5の基端部512には、パッケージ本体51の短手方向に沿って互いに離間する方向に突出する複数の接続端子52が設けられている。回路基板4の基板本体41の実装面411には、収容部412を間に介して対向する箇所である回路基板4の長手方向一方側と他方側に複数のパッド43が分かれて設けられており、各パッド43にチップパッケージ5の複数の接続端子52がそれぞれはんだ付けされるようになっている。
複数の接続端子52は、チップパッケージ5を回路基板4にはんだ固定するはんだ固定部を構成する。
【0037】
チップパッケージ5は、LSI54と流量検出素子53をリードフレーム521の上に搭載し、熱硬化性樹脂で封止することによって構成されている。チップパッケージ5は、略平板形状に樹脂成形されたパッケージ本体51を有している。パッケージ本体51は、長方形を有しており、計測部22の短手方向に沿って延在し、パッケージ本体51の長手方向一方側の基端部512が回路基板4の収容室412に収容され、パッケージ本体51の長手方向他方側の先端部511が回路基板4から突出して配置されるようになっている。
【0038】
チップパッケージ5の流量検出素子53は、パッケージ本体51の表面に凹設された通路溝513内に検出部が露出するように設けられている。通路溝513は、第2副通路溝212内で第2副通路溝212に沿って延在するように、パッケージ本体51の短手方向一方側の端部から短手方向他方側の端部までの全幅に亘って形成されている。流量検出素子53は、ダイヤフラム構造を有している。チップパッケージ5を樹脂で成型する際に、流量検出素子53の表面(検出部)に樹脂が流れ込まないように入駒を当てて樹脂成型が行われる。チップパッケージ5は、流量検出素子53の表面が露出するように流量検出素子53を樹脂で封止している。
【0039】
チップパッケージ5の接続端子52は、パッケージ本体51の厚さ方向中央からパッケージ本体51の短手方向に突出して設けられている。接続端子52は、回路基板4のパッド43に対向する対向面を有しており、その対向面の位置は、リードフレーム521の実装面と同じ高さに設定されている。
【0040】
チップパッケージ5は、パッケージ本体51の基端部512に設けられている複数の接続端子52を回路基板4の複数のパッド43にそれぞれはんだ付けすることにより電気的に導通されかつ回路基板4に一体的に固定される。チップパッケージ5は、回路基板4に基端部512が固定され、先端部511が回路基板4から突出しており、回路基板4に対していわゆる片持ち支持されている。
【0041】
次に、回路基板4にチップパッケージ5を実装し、チップパッケージ5が実装された回路基板4をハウジングに取り付ける方法について説明する。
【0042】
図8Aは、基板シートの正面図、
図8Bは、基板シートの下面図である。
チップパッケージ5は、はんだリフローによって回路基板4に実装される。チップパッケージ5は、
図8A及び
図8Bに示すように、基板シート10にセットされた状態でリフロー炉に搬送され、リフロー炉内ではんだリフローが実行される。
【0043】
基板シート10は、
図8Aに示すように、平面状に並べて配置された複数の回路基板4と、これら複数の回路基板4を支持する捨て基板11とを有している。捨て基板11は、各回路基板4との間に隙間13を有しており、ゲート12を介して各回路基板4を支持している。捨て基板11には、各回路基板4に応じて切り欠き部14が設けられており、基板シート10にチップパッケージ5をセットした際に、チップパッケージ5の先端部511が収容されるようになっている。
【0044】
図9は、チップパッケージの組み込み工程図である。
チップパッケージ5は、チップパッケージ5のパッケージ表面部とパッケージ裏面部とが下側と上側に位置する姿勢状態で、基板シート10の上から載せられて、所定位置にセットされる。チップパッケージ5は、基板シート10にセットされることにより、基端部512が回路基板4の収容部412に収容され、かつ、先端部511が捨て基板11の切り欠き部14に収容される。
【0045】
そして、回路基板4の実装面411に設けられている各パッド43の上にチップパッケージ5の各接続端子52が載せられて、パッケージ本体51の基端部512が回路基板4に支持される。チップパッケージ5は、回路基板4からパッケージ本体51の先端部511が突出するように配置されるので、重心が基端部512よりも先端部511側に位置している。したがって、パッケージ本体51の接続端子52を回路基板4のパッド43の上に載せて支持しただけではバランスが悪く、パッケージ本体271の先端部511が下がるようにチップパッケージ5が傾くおそれがある。
【0046】
本実施例では、回路基板4に対してチップパッケージ5を位置決めするための位置決め部を有している。位置決め部は、チップパッケージ5の接続端子52よりも流量検出素子53側の位置に設けられている。位置決め部は、パッケージ本体51の先端部511の端縁中央に突出して形成された凸部514を有する。凸部514は、モールド樹脂により構成されており、パッケージ本体51をモールド成形する際に、一体に形成される。
【0047】
凸部514は、捨て基板11の上に載せられる載置面を有している。凸部514の載置面は、接続端子52の対向面と同じ高さとなっており、チップパッケージ5を回路基板4に載せた場合に、回路基板4の実装面411を含む仮想平面Pva上に位置するようになっている。
【0048】
凸部514は、
図9(2)に示すように、捨て基板11の上に載せられて、パッケージ本体51の先端部511を回路基板4に支持する。これにより、チップパッケージ5は、パッケージ本体51の基端部512が回路基板4に支持されるとともに、先端部511が捨て基板11に支持される。したがって、基板シート10に対してパッケージ本体51の先端部511が下がるようにチップパッケージ5が傾くのを防ぐことができる。
【0049】
そして、チップパッケージ5は、基板シート10にセットされた状態でリフロー炉に搬送され、リフロー炉内ではんだリフローが実行され、回路基板4にはんだ固定される。はんだリフローによりチップパッケージ5が回路基板4にはんだ固定されると、ゲート12が切断され、
図9(3)に示すように、回路基板4が捨て基板11から切り離される。そして、カバー3に取り付けられてカバー組立体とされ、
図9(4)に示すように、ハウジング2に取り付けられる。
【0050】
チップパッケージ5が実装された回路基板4をカバー3に取り付ける際、カバー3の突起部32と凸部514との間に接着剤6が塗布される。これにより、パッケージ本体51の先端部511をカバー3に固定することができ、チップパッケージ5をカバー3に安定して支持することができる。したがって、チップパッケージ5の位置ずれや振動によって副通路の流量検出素子53側の断面積D1とパッケージ裏面部側の断面積D2との比率が変化するのを防ぎ、良好な実装精度を得ることができる。
【0051】
本実施例によれば、パッケージ本体51の先端部511の端縁中央に凸部514が設けられており、基板シート10にチップパッケージ5をセットした際に、捨て基板11の上に載せられるようになっている。したがって、回路基板4に対してチップパッケージ5を確実に位置決めし、予め設定された姿勢状態に安定して支持することができる。したがって、はんだリフローの途中でチップパッケージ5の位置や姿勢が変化するのを防ぐことができ、回路基板4に対して予め設定された位置および姿勢にはんだ固定することができ、チップパッケージ5の実装ばらつきを低減することができる。したがって、回路基板4に片持ち支持されるチップパッケージ5の傾きを制御し、はんだリフローの際の良好な実装精度、はんだ厚みばらつきを含む実装精度を簡単に確保することができる。
【0052】
物理量検出装置1の流量特性は、副通路のパッケージ表面部側の断面積D1とパッケージ裏面部側の断面積D2の関係に依存する。本実施例では、回路基板4の実装面411と流量検出素子53との平面度が成立する場所、つまり、接続端子52側よりも流量検出素子53側に凸部514を設けている。特に、凸部514は、捨て基板11の上に載置される載置面が接続端子52の対向面と同じ高さとなっており、チップパッケージ5を回路基板4に載せた場合に、回路基板4の実装面411を含む仮想平面Pva上に位置するようになっている。したがって、基板シート10の上にチップパッケージ5を単に載せるだけで、回路基板4に対してチップパッケージ5を簡単に平行に配置することができる。したがって、物理量検出装置1において流量検出素子53が露出する側の副通路断面積を一定のものとし、流量の検出精度を安定化させることができる。
【0053】
【0054】
本実施例において特徴的なことは、リードフレーム521の一部を延長してチップパッケージ5のパッケージ本体51から突出させた凸部522により位置決め部を構成したことである。チップパッケージ5は、
図10Aに示すように、パッケージ本体51内にリードフレーム521を有している。リードフレーム521は、パッケージ本体51の基端部512と先端部511の間に亘って設けられており、基端部512からは接続端子52が突出し、先端部511からは位置決め部となる凸部522が突出している。凸部522は、パッケージ本体51の先端部511の端縁から突出するリードフレーム521のタイバーにより構成されている。
【0055】
凸部522は、実施例1の
図9(2)で説明したように、チップパッケージ5を基板シート10にセットした際に、捨て基板11の上に載せられて、パッケージ本体51の先端部511を基板シート10に支持することができる。したがって、第1の実施例と同様に、回路基板4に対してチップパッケージ5を確実に位置決めし、予め設定された姿勢状態に安定して支持することができる。したがって、はんだリフローの途中でチップパッケージ5の位置や姿勢が変化するのを防ぐことができ、回路基板4に対して予め設定された位置および姿勢にはんだ固定することができ、チップパッケージ5の実装ばらつきを低減することができる。
【0056】
凸部522の載置面は、接続端子52の対向面と同じ高さとなっており、チップパッケージ5を回路基板4に載せた場合に、回路基板4の実装面411を含む仮想平面Pva上に位置するようになっている。したがって、基板シート10の上にチップパッケージ5を単に載せるだけで、回路基板4に対してチップパッケージ5を簡単に平行に配置することができる。したがって、流量検出素子53が露出する側の副通路断面積を一定のものとし、検出精度を安定化させることができる。
【0057】
本実施例によれば、チップパッケージ5のパッケージ本体51からリードフレーム521の一部を突出させることにより凸部522を設けているので、チップパッケージ5に位置決め部を簡単に設けることができ、容易に実施することができる。
【0058】
<第3の実施例>
図11Aは、第3の実施例における回路基板の正面図、
図11Bは、
図11AのXIB-XIB線断面図である。
【0059】
本実施例では、第2の実施例と同様に、リードフレーム521の一部を突出させた凸部523により位置決め部を構成している。凸部523は、先端が折り曲げられており、チップパッケージ5を基板シート10にセットした際に、捨て基板11に予め設けられている挿入穴15に挿入されるようになっている。
【0060】
凸部523は、チップパッケージ5のパッケージ本体51から突出し、先端で折曲されて接続端子52の対向面が対向する側に突出するL字状に形成されている。捨て基板11には、チップパッケージ5を基板シート10にセットした際に、凸部523の先端が挿入される挿入穴15が設けられている。
【0061】
本実施例によれば、チップパッケージ5を基板シート10にセットした際に、凸部523が捨て基板11の上に載せられるとともに、凸部523の先端が挿入穴15に挿入される。したがって、チップパッケージ5が回路基板4の実装面411と平行に配置されるとともに、回路基板4の実装面411に沿った方向のチップパッケージ5の移動が規制される。したがって、回路基板4に対してチップパッケージ5を確実に位置決めし、予め設定された姿勢状態に安定して支持することができる。したがって、はんだリフローの途中でチップパッケージ5の位置や姿勢が変化するのを防ぐことができ、回路基板4に対して予め設定された位置および姿勢にはんだ固定することができ、チップパッケージ5の実装ばらつきを低減することができる。したがって、回路基板4に片持ち支持されるチップパッケージ5の傾きを制御し、はんだリフローの際の良好な実装精度、はんだ厚みのばらつきを含む実装精度を簡単に確保することができる。
【0062】
<第4の実施例>
図12Aは、第4の実施例における回路基板の正面図、
図12Bは、
図12AのXIIB-XIIB線断面図である。
【0063】
本実施例では、上記第1の実施例の凸部514の代わりに、パッケージ本体51の先端部511の端縁に沿って延在する凸部515が設けられている。凸部515は、モールド樹脂により構成されており、パッケージ本体51をモールド成形する際に、一体に形成される。
【0064】
凸部515は、
図12Bに示すように、パッケージ表面部側よりもパッケージ裏面部側を突出させて、パッケージ表面部とパッケージ裏面部との間に段差を設けることによって形成されている。凸部515は、凸部515の載置面が接続端子52の対向面と同じ高さとなっており、チップパッケージ5を回路基板4に載せた場合に、回路基板4の実装面411を含む仮想平面Pva上に位置するようになっている。
【0065】
凸部515は、上述の各実施例と同様に、はんだリフローの際には、捨て基板11の上に載せられて、回路基板207に対するチップパッケージ5の位置決めを行うことができる。したがって、基板シート10の上にチップパッケージ5を単に載せるだけで、回路基板4に対してチップパッケージ5を簡単に平行に配置することができる。したがって、物理量検出装置1において流量検出素子53が露出する側の副通路断面積を一定のものとし、流量の検出精度を安定化させることができる。
【0066】
そして、第1の実施例の
図9(4)で示すのと同様に、カバー3の突起部32との間に接着剤6が塗布され、カバー3に固定される。接着剤6は、パッケージ本体51の先端部511の端縁に沿って塗布されるので、第1の実施例における凸部514よりも長い距離に亘って接着することができる。したがって、パッケージ本体51の先端部511をカバー3の突起部32に確実に固定することができ、副通路をパッケージ表面部側とパッケージ裏面部側とに完全に分けるようにシールすることができる。
【0067】
また、本実施例によれば、パッケージ表面部側よりもパッケージ裏面部側を突出させて、パッケージ表面部とパッケージ裏面部との間に段差を設ける構成を有しているので、パッケージ本体51の先端部511におけるパッケージ表面部側の端縁の位置をパッケージ裏面部側の端縁の位置よりも流量検出素子53側に配置することができ、第2副通路の幅が狭い場合であっても、通路溝513を十分に広く確保することができる。
【0068】
【0069】
本実施例では、回路基板4に対してチップパッケージ5の向きが、上述の各実施例とは反対向きになっている。具体的には、チップパッケージ5は、流量検出素子53の露出面と接続端子52の対向面とが互いに離間する向きに配置されている。
【0070】
凸部516は、パッケージ本体51の先端部511の端縁中央に設けられている。凸部516は、モールド樹脂により構成されており、パッケージ本体51をモールド成形する際に、一体に形成される。凸部516は、基板シート10にチップパッケージ5をセットした際に、捨て基板11の上に載せられる載置面を有している。
【0071】
凸部516の載置面は、接続端子52の対向面と同じ高さとなっており、チップパッケージ5を回路基板4に載せた場合に、回路基板4の実装面411を含む仮想平面Pvb上に位置するようになっている。したがって、基板シート10の上にチップパッケージ5を単に載せるだけで、回路基板4に対してチップパッケージ5を簡単に平行に配置することができる。したがって、物理量検出装置1において流量検出素子53が露出する側の副通路断面積を一定のものとし、流量の検出精度を安定化させることができる。
【0072】
図14A及び
図14Bは、
図13Bに示す回路基板の変形例を示す断面図である。
図14Aに示す変形例は、凸部516の代わりに、第2の実施例において
図10A及び
図10Bに示して説明した構成を適用し、チップパッケージ5のパッケージ本体51からリードフレーム521の一部を突出させた凸部524を設けたものである。そして、
図14Bに示す変形例は、凸部516の代わりに、第3の実施例において
図11A及び
図11Bに示して説明した構成を適用し、先端が折り曲げられた凸部525を設けたものである。先端が折り曲げられた凸部525は、チップパッケージ5を基板シート10にセットした際に、捨て基板11に予め設けられている挿入穴15に先端が挿入されるようになっている。
図14A及び
図14Bに示す各変形例は、第2の実施例及び第3の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0073】
<第6の実施例>
図15A及び
図15Bは、第6の実施例を説明する斜視図である。
本実施例の位置決め部は、チップパッケージ5に形成されたパッケージ凹部517又はパッケージ凸部518と、回路基板4に形成されてパッケージ凹部517に嵌合する基板凸部413又はパッケージ凸部518に嵌合する基板凹部414と、を有する。
【0074】
図15Aに示す実施例の場合、パッケージ凹部517は、パッケージ本体51のパッケージ表面部に凹設されている。パッケージ凹部517は、パッケージ本体51の基端部512と先端部511との間の位置でかつパッケージ本体51の短手方向一方側と他方側に離間する位置に対をなして設けられている。一方、基板凸部413は、基板本体41の収容部412の入口部分において互いに接近する方向に向かって突出して形成されており、チップパッケージ5を回路基板4の上から載せることにより、パッケージ凹部517に圧入されるようになっている。
【0075】
チップパッケージ5は、パッケージ凹部517に基板凸部413が圧入されることにより、回路基板4に対して位置決め固定され、チップパッケージ5の接続端子52が回路基板4のパッド43に当接した状態とされる。したがって、そのままの状態でリフロー炉に搬送することによって、チップパッケージ5の接続端子52を回路基板4のパッド43にはんだ付けし、チップパッケージ5を回路基板4にはんだ固定できる。
【0076】
図15Bに示す実施例の場合、パッケージ凸部518は、パッケージ本体51のパッケージ表面部に凸設されている。パッケージ凸部518は、パッケージ本体51の基端部512と先端部511との間の位置でかつパッケージ本体51の短手方向一方側と他方側に離間する位置に対をなして設けられている。一方、基板凹部414は、基板本体41の収容部412の入口部分において互いに離間する方向に凹状に形成されており、チップパッケージ5を回路基板4の上から載せることにより、パッケージ凸部518が圧入されるようになっている。
【0077】
チップパッケージ5は、パッケージ凸部518が基板凹部414に圧入されることにより、回路基板4に対して位置決め固定され、チップパッケージ5の接続端子52が回路基板4のパッド43に当接した状態とされる。したがって、そのままの状態でリフロー炉に搬送することによって、チップパッケージ5の接続端子52を回路基板4のパッド43にはんだ付けし、チップパッケージ5を回路基板4にはんだ固定できる。
【0078】
図15A及び
図15Bに示す実施例によれば、チップパッケージ5にパッケージ凹部517又はパッケージ凸部518が設けられ、回路基板4に基板凸部413又は基板凹部414が設けられており、回路基板4にチップパッケージ5を組み付けた場合に、パッケージ凹部517に基板凸部413が圧入され、あるいは、パッケージ凸部518が基板凹部414に圧入されるようになっている。
【0079】
したがって、回路基板4に対してチップパッケージ5を確実に位置決めし、予め設定された姿勢状態に安定して支持することができる。したがって、はんだリフローの途中でチップパッケージ5の位置や姿勢が変化するのを防ぐことができ、回路基板4に対して予め設定された位置および姿勢にはんだ固定することができ、チップパッケージ5の実装ばらつきを低減することができる。したがって、回路基板4に片持ち支持されるチップパッケージ5の傾きを制御し、はんだリフローの際の良好な実装精度、はんだ厚みばらつきを含む実装精度を簡単に確保することができる。
また、本実施例によれば、回路基板4にチップパッケージ5を組み付けるだけでチップパッケージ5を位置決めできるので、上述の各実施例の捨て基板11を省略することもできる。
【0080】
【0081】
本実施例において特徴的なことは、チップパッケージ5が基板本体41の実装面411の上に配置される構成としたことである。
【0082】
回路基板4は、他の実施例とは異なり、基板本体41において収容部412が省略されており、略長方形の形状を有している。チップパッケージ5は、チップパッケージ5のパッケージ裏面部が回路基板4の実装面411と対向する姿勢状態で回路基板4の実装面411の上に配置される。
【0083】
チップパッケージ5の接続端子52は、
図16Bに示すように、パッケージ裏面部よりもパッケージ本体51の厚さ方向に突出した位置に対向面が配置されている。チップパッケージ5のパッケージ裏面部には、チップパッケージ5を位置決め固定するための位置決め部が設けられている。位置決め部は、
図16Bに示すように、チップパッケージ5の基端部512よりも先端部511側の位置に設けられており、凸部519、520を有している。凸部519、520は、モールド樹脂により構成されており、パッケージ本体51をモールド成形する際に、一体に形成される。
【0084】
凸部519、520は、
図16Aに示すように、パッケージ本体51の短手方向中央位置に1個ずつ設けられている。凸部519は、回路基板4の実装面411と対向する位置に配置され、凸部520は、捨て基板11(
図8を参照)と対向する位置に配置されている。凸部519、520は、接続端子52の対向面と同じ高さとなっており、チップパッケージ5を回路基板4に載せた場合に、回路基板5の実装面411を含む仮想平面Pva上に位置するようになっている。
【0085】
したがって、基板シート10の上にチップパッケージ5を単に載せるだけで、回路基板4に対してチップパッケージ5を簡単に平行に配置することができる。したがって、物理量検出装置1において流量検出素子53が露出する側の副通路断面積を一定のものとし、流量の検出精度を安定化させることができる。
【0086】
本実施例によれば、パッケージ本体51の先端部511のパッケージ裏面部に凸部519、520が設けられており、基板シート10にチップパッケージ5をセットした際に、回路基板4及び捨て基板11の上に支持されるようになっている。したがって、回路基板4に対してチップパッケージ5を確実に位置決めし、予め設定された姿勢状態に安定して支持することができる。したがって、はんだリフローの途中でチップパッケージ5の位置や姿勢が変化するのを防ぐことができ、回路基板4に対して予め設定された位置および姿勢にはんだ固定することができ、チップパッケージ5の実装ばらつきを低減することができる。したがって、回路基板4に片持ち支持されるチップパッケージ5の傾きを制御し、はんだリフローの際の良好な実装精度、はんだ厚みばらつきを含む実装精度を簡単に確保することができる。
【0087】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、前記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 物理量検出装置
4 回路基板
5 チップパッケージ
43 パッド
51 パッケージ本体
52 接続端子(はんだ固定部)
53 流量検出素子
413 基板凸部
414 基板凹部
514、515、516、522、523、524、525 凸部(位置決め部)
517 パッケージ凹部(位置決め部)
518 パッケージ凸部(位置決め部)