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▶ キム、ユン ホの特許一覧

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  • 特許-改良型多重レイヤ安全ヘルメット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】改良型多重レイヤ安全ヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/12 20060101AFI20220217BHJP
   A42B 3/06 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
A42B3/12
A42B3/06
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020571678
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 KR2019017533
(87)【国際公開番号】W WO2020241994
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0063545
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520499007
【氏名又は名称】キム、ユン ホ
【氏名又は名称原語表記】KIM,Yun Ho
【住所又は居所原語表記】#113-1102,80,Gwangdeok 1-ro,Danwon-gu,Ansan-si Gyeonggi-do 15447,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ユン ホ
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-525620(JP,A)
【文献】特開2004-76167(JP,A)
【文献】特開2005-273107(JP,A)
【文献】実開平2-61932(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0192723(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A42B 3/00 - 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭に着用される下緩衝部(100)と、
前記下緩衝部(100)の上部に結合される上緩衝部(200)と、を備え、
外部から加えられた衝撃を前記上緩衝部(200)において一次的に吸収し、前記下緩衝部(100)において二次的に吸収し、
前記下緩衝部(100)と前記上緩衝部(200)には、それぞれ下スロット(110)と上スロット(210)が形成されて、前記下スロット(110)と前記上スロット(210)が上下に延びて通気口を形成しながら結合され、
前記下緩衝部(100)の上部面には突出した多数の下結合部(120)が形成され、多数の下結合部(120)の相互間の間にはレベルダウン部(130)が形成され、前記レベルダウン部(130)には多数の中空が穿孔されて使用者の頭から発せられる熱を排出し、外部の新鮮な空気を流れ込ませる垂直通気口(140)を形成し、
前記上緩衝部(200)の下部面には突出した多数の上結合部(220)が形成され、多数の上結合部(220)の相互間の間にはレベルダウン部(230)が形成され、
前記下緩衝部(100)と上緩衝部(200)との結合により前記下スロット(110)と前記上スロット(210)が上下に延びて通気口を形成し、
前記下結合部(120)にはレベルダウンされた下水平通気口(150)が形成され、前記上結合部(220)にもレベルダウンされた上水平通気口(250)が形成されて、前記下結合部(120)と前記上結合部(220)とが結合する際に前記下水平通気口(150)と前記上水平通気口(250)とが同じ位置において上下から結合して一つの大きな通気口を形成し、
外部から加えられた衝撃の衝撃エネルギーを最外郭レイヤである前記上緩衝部(200)において一次的に吸収し、前記レベルダウン部(130,230)が形成する緩衝空間が衝撃エネルギーを分散させ、分散され切れなかった残りの衝撃エネルギーを内部レイヤである下緩衝部(100)において二次的に吸収する
ことを特徴とする改良型多重レイヤ安全ヘルメット。
【請求項2】
前記下緩衝部(100)の前面と側面の周縁にはフレーム(300)が一体に接合されて結合され、
前記上緩衝部(200)の上部面にはフレーム(400)が一体に接合されて結合される
請求項1に記載の改良型多重レイヤ安全ヘルメット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者がヘルメットを頭に着用する際、外部の衝撃の衝撃エネルギーを分散させて頭に伝えられることを防いで頭を保護し、軽量であり、しかも、通気性のよい改良型多重レイヤ安全ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車、モータサイクルなどの使用者は、ヘルメットの着用が必須となっている。従来のヘルメットの場合、緩衝材のレイヤが単一となっていて、使用者を保護する上で限界があることが指摘されてきた。
【0003】
この理由から、本発明者は、緩衝材のレイヤを二重以上に構成し、レイヤの間に緩衝空間を形成して、最外郭のレイヤが衝撃を受け止めて吸収して内部のレイヤへの衝撃の伝わりを極力抑える本発明の改良型多重レイヤ安全ヘルメットを開発するに至った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述したような従来の諸問題を解消するために案出されるものである。その目的は、緩衝材のレイヤを二重以上に構成し、レイヤの間に緩衝空間を形成することにより、最外郭のレイヤが一次的に衝撃を受け止めて吸収し、内部のレイヤに衝撃を伝える前に緩衝空間において衝撃を分散させた後、内部のレイヤに最小化された衝撃を伝える本発明の改良型多重レイヤ安全ヘルメットを提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、使用者の頭に着用される下緩衝部100と、前記下緩衝部100の上部に結合される上緩衝部200と、を備えてなるが、外部から加えられた衝撃を前記上緩衝部200において一次的に吸収し、前記下緩衝部100において二次的に吸収することを特徴とする改良型多重レイヤ安全ヘルメットを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、緩衝材のレイヤを二重以上に構成し、レイヤの間に緩衝空間を形成することにより、最外郭のレイヤが一次的に衝撃を受け止めて吸収し、内部のレイヤに衝撃を伝える前に緩衝空間において衝撃を分散させた後、内部のレイヤに最小化された衝撃を伝える本発明の改良型多重レイヤ安全ヘルメットを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明において、上から下緩衝部を見下ろした様子を示すものである。
図2】本発明において、上から上緩衝部を見下ろした様子を示すものである。
図3図2を下から見上げた様子を示すものである。
図4】本発明において、下緩衝部と上緩衝部とが結合された本発明の改良型多重レイヤ安全ヘルメットを示すものである。
図5図4の点線部分を拡大したものである。
図6図4の他の実施形態である。
図7】本発明における衝撃エネルギーの分散過程を図式化したものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、使用者の頭に着用される下緩衝部100と、前記下緩衝部100の上部に結合される上緩衝部200と、を備えてなるが、外部から加えられた衝撃を前記上緩衝部200において一次的に吸収し、前記下緩衝部100において二次的に吸収することを特徴とする改良型多重レイヤ安全ヘルメットを提供する。
【0009】
以下、添付図面と結び付けて、上記のような本発明の概念が好適に実現された実施形態を挙げて本発明についてさらに詳しく説明する。
【0010】
図1は、本発明において、上から下緩衝部を見下ろした様子を示すものであり、図2は、本発明において、上から上緩衝部を見下ろした様子を示すものであり、図3は、図2を下から見上げた様子を示すものである。
【0011】
本発明の改良型多重レイヤ安全ヘルメットは、使用者の頭に着用される下緩衝部100と、前記下緩衝部100の上部に結合される上緩衝部200と、を備えてなるが、外部から加えられた衝撃を前記上緩衝部200において一次的に吸収し、前記下緩衝部100において二次的に吸収することを特徴とする。
【0012】
そして、前記下緩衝部100にはフレーム300が一体に結合され、前記上緩衝部200にはフレーム400が一体に結合されることを特徴とする。
【0013】
また、前記下緩衝部100と前記上緩衝部200には、それぞれ下スロット110と上スロット210が形成されて、前記下スロット110と前記上スロット210が上下に延びて通気口を形成しながら結合されることを特徴とする。
【0014】
具体的に説明すれば、次の通りである。
【0015】
前記下緩衝部100は、衝撃を吸収する発泡スチロール(EPS)、発泡ポリプロピレン(EPP)、ポリウレタン(PU)、発泡ポリウレタン(EPU)、エチレン―酢酸ビニル共重合体(EVA)などの軽量素材から製作され、押出成形されることが好ましい。
【0016】
合成樹脂製の外皮であるフレーム300が前記下緩衝部100の前面と側面の周縁を包み込んで接着されて結合される。
【0017】
前記下緩衝部100の上部面には突出した多数の下結合部120が形成され、多数の下結合部120の相互間の間にはレベルダウン部130が形成される。
【0018】
そして、前記レベルダウン部130には多数の中空が穿孔されて使用者の頭から発せられる熱を排出し、外部の新鮮な空気を流れ込ませる垂直通気口140を形成する。
【0019】
前記上緩衝部200は、前記下緩衝部100と同様に、衝撃を吸収する軽量素材から製作され、合成樹脂製の外皮であるフレーム400が前記上緩衝部200の上部面を包み込んで接合されて結合される。
【0020】
前記上緩衝部200の下部面には突出した多数の上結合部220が形成され、多数の上結合部220の相互間の間にはレベルダウン部230が形成される。
【0021】
図4は、本発明において、下緩衝部と上緩衝部とが結合された本発明の改良型多重レイヤ安全ヘルメットを示すものであり、図5は、図4の点線部分を拡大したものである。
【0022】
そして、図6は、図4の他の実施形態である。
【0023】
図4及び図5に示すように、前記下緩衝部100と上緩衝部200との結合により前記下スロット110と前記上スロット210が上下に延びて通気口を形成する。
【0024】
そして、前記下結合部120にはレベルダウンされた下水平通気口150が形成され、前記上結合部220にもレベルダウンされた上水平通気口250が形成されて、前記下結合部120と前記上結合部220とが結合する際に前記下水平通気口150と前記上水平通気口250とが同じ位置において上下から結合して一つの大きな通気口を形成する。
【0025】
したがって、前記垂直通気口140、前記レベルダウン部130、230、及び前記下水平通気口150と前記上水平通気口250へと続く空気通路が形成されて使用者の快適さを担保することができる。
【0026】
図7は、本発明における衝撃エネルギーの分散過程を図式化したものである。
【0027】
図7において、PC SHELLは、前記フレーム400であり、EPSは、前記上緩衝部200を意味し、緩衝空間は、前記レベルダウン部130、230を意味する。
【0028】
具体的に、本発明は、外部から加えられた衝撃の衝撃エネルギーを最外郭レイヤである前記上緩衝部200において一次的に吸収し、前記レベルダウン部130,230が形成する緩衝空間が衝撃エネルギーを分散させ、分散され切れなかった残りの衝撃エネルギーを内部レイヤである下緩衝部100において二次的に吸収することを最大の特徴とする。
【0029】
そして、前記レベルダウン部130、230には、軽量という前提下で別途の衝撃緩衝材を挿入したり充填したりしてもよい。別途の衝撃緩衝材としては、発泡スチレン樹脂などの素材も採用可能であり、ゲル(gel)タイプの衝撃緩衝材または粘弾性を有する衝撃緩衝材を挿入または充填してもよい。
【0030】
前記下結合部120と前記上結合部220とが結合する際、結合手段としては接着材を用いてもよく、前記下緩衝部100と前記上緩衝部200の素材に応じて熱融着させてもよい。
【0031】
そして、図示はしないが、前記フレーム300と前記フレーム400との間にヒンジ手段または着脱手段を適用すれば、結果的に掃除または部品の取り替えのために前記下緩衝部100と前記上緩衝部200の着脱が自由に行われるように構成してもよい。
【0032】
本発明については、叙上のように、好適な実施形態と結び付けて説明されたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の修正及び変形を加えることができ、種々の分野において使用可能である。
【0033】
よって、本発明の請求の範囲は、本件の発明の真の範囲内に属する修正及び変形を含む。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、前述したような従来の諸問題を解消するために案出されるものである。その目的は、緩衝材のレイヤを二重以上に構成し、レイヤの間に緩衝空間を形成することにより、最外郭のレイヤが一次的に衝撃を受け止めて吸収し、内部のレイヤに衝撃を伝える前に緩衝空間において衝撃を分散させた後、内部のレイヤに最小化された衝撃を伝える本発明の改良型多重レイヤ安全ヘルメットを提供するところにある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7