(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】蓄電池制御装置、蓄電池制御システム、及び蓄電池制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/32 20060101AFI20220217BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20220217BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20220217BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
H02J3/32
H02J3/38 110
H02J3/00 130
H02J7/00 B
(21)【出願番号】P 2021118271
(22)【出願日】2021-07-16
【審査請求日】2021-07-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】手島 広明
(72)【発明者】
【氏名】市川 哲理
(72)【発明者】
【氏名】小林 広介
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-022864(JP,A)
【文献】特開2019-213364(JP,A)
【文献】特開2019-193480(JP,A)
【文献】特開2009-284586(JP,A)
【文献】特開2011-217590(JP,A)
【文献】特開2019-092323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-5/00
H02J 7/00-7/12
7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統から電力が供給される電力線に接続された蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御装置であって、
前記電力線に接続された負荷の電力需要の予測値を示す需要予測値を取得する取得部と、
前記取得部により取得された需要予測値に基づいて、前記電力系統から受電する電力の上限値を示す受電上限値を計算する計算部と、
前記負荷の電力需要の実績値を示す需要実績値が前記計算部により計算された受電上限値を超えた場合に、前記需要実績値と前記受電上限値との差に相当する電力を前記蓄電池から放電する
ピークカットの制御を行う制御部と、
を備え、
前記蓄電池から放電する放電量は、前記電力系統からの受電電力の実績値を示す受電実績値から前記受電上限値を減じて得られた電力量、前記蓄電池から出力可能な電力量、及び、前記需要予測値により決定される放電電力の上限値を示す放電上限値のいずれか小さい方とされる
蓄電池制御装置。
【請求項2】
前記電力線は、発電機が更に接続されており、
前記取得部は、前記発電機による発電量の予測値を示す発電予測値を更に取得し、
前記計算部は、前記取得部により取得された前記需要予測値及び前記発電予測値に基づいて、前記受電上限値を計算し、
前記放電上限値は、前記需要予測値及び前記発電予測値により決定される
請求項1に記載の蓄電池制御装置。
【請求項3】
前記計算部は、前記蓄電池の容量の一部を予備とする場合に当該予備の割合を示す安全率を取得し、
前記需要予測値、前記発電予測値、及び前記安全率に基づいて、前記受電上限値を計算する
請求項2に記載の蓄電池制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記発電機による発電量の実績値を示す発電実績値が前記需要実績値よりも大きい場合、前記発電実績値と前記需要実績値との差に相当する余剰電力を前記発電機から前記蓄電池に充電する制御又は前記余剰電力を前記発電機から前記電力系統へ逆潮流する制御又は前記発電機の出力を低下させる制御を行う
請求項2又は請求項3に記載の蓄電池制御装置。
【請求項5】
電力系統から電力が供給される電力線に接続された蓄電池と、
前記蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御装置と、
を備えた蓄電池制御システムであって、
前記蓄電池制御装置は、
前記電力線に接続された負荷の電力需要の予測値を示す需要予測値を取得する取得部と、
前記取得部により取得された需要予測値に基づいて、前記電力系統から受電する電力の上限値を示す受電上限値を計算する計算部と、
前記負荷の電力需要の実績値を示す需要実績値が前記計算部により計算された受電上限値を超えた場合に、前記需要実績値と前記受電上限値との差に相当する電力を前記蓄電池から放電する
ピークカットの制御を行う制御部と、
を備え、
前記蓄電池から放電する放電量は、前記電力系統からの受電電力の実績値を示す受電実績値から前記受電上限値を減じて得られた電力量、前記蓄電池から出力可能な電力量、及び、前記需要予測値により決定される放電電力の上限値を示す放電上限値のいずれか小さい方とされる
蓄電池制御システム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の蓄電池制御装置が備える各部として機能させるための蓄電池制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電池制御装置、蓄電池制御システム、及び蓄電池制御プログラムに関し、詳しくは、蓄電池を利用して受電電力のピークカットを行う蓄電池制御装置、蓄電池制御システム、及び蓄電池制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーの観点等から、電力系統から供給される電力のピークカットの必要性が高まっている。ピークカットを行うことによって、需要家が消費する1日の電力のうち最も使用量が多い時間帯の電力の削減が可能となる。
【0003】
例えば、特許文献1には、ピークカットレベル更新装置を備えた電力貯蔵装置の制御装置が記載されている。このピークカットレベル更新装置は、電力貯蔵装置の充電量と負荷電力パタンとを比較して、電力系統から受電する電力の上限値を示すピークカットレベルを更新する、あるいは、電力貯蔵装置の放電量と放電スケジュールとを比較して、ピークカットレベルを更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載された従来技術によれば、電力系統からの受電電力を所定のレベル以下に抑えると共に、電力貯蔵装置(つまり、蓄電池)を効率良く放電することができる。
【0006】
一方、ピークカットレベルは、負荷による電力需要等の予測に基づき決定される。しかしながら、電力需要予測と実際の電力需要実績とが一致するとは限らない。このため、予定通りのピークカットが可能とは限らない。例えば、電力需要実績が予測よりも大きい場合、予測に基づくピークカットレベルを超えた分を賄うために蓄電池から上限なしに放電してしまうと、早期に蓄電池残量が低下し、いずれピークカット不能となってしまう。上記特許文献1に記載の技術では、ピークカットレベルを不定期に更新しているが、蓄電池の放電量に上限値を設定するものではない。
【0007】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであって、蓄電池を用いて電力系統からの受電電力のピークカットを行う場合に、ピークカット不能にならないように蓄電池の放電量を制御することができる蓄電池制御装置、蓄電池制御システム、及び蓄電池制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様に係る蓄電池制御装置は、電力系統から電力が供給される電力線に接続された蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御装置であって、前記電力線に接続された負荷の電力需要の予測値を示す需要予測値を取得する取得部と、前記取得部により取得された需要予測値に基づいて、前記電力系統から受電する電力の上限値を示す受電上限値を計算する計算部と、前記負荷の電力需要の実績値を示す需要実績値が前記計算部により計算された受電上限値を超えた場合に、前記需要実績値と前記受電上限値との差に相当する電力を前記蓄電池から放電する制御を行う制御部と、を備え、前記蓄電池から放電する放電量が、前記電力系統からの受電電力の実績値を示す受電実績値から前記受電上限値を減じて得られた電力量、前記蓄電池から出力可能な電力量、及び、前記需要予測値により決定される放電電力の上限値を示す放電上限値のいずれか小さい方とされている。
【0009】
また、第2態様に係る蓄電池制御装置は、第1態様に係る蓄電池制御装置において、前記電力線に、発電機が更に接続されており、前記取得部が、前記発電機による発電量の予測値を示す発電予測値を更に取得し、前記計算部が、前記取得部により取得された前記需要予測値及び前記発電予測値に基づいて、前記受電上限値を計算し、前記放電上限値が、前記需要予測値及び前記発電予測値により決定される。
【0010】
また、第3態様に係る蓄電池制御装置は、第2態様に係る蓄電池制御装置において、前記計算部が、前記蓄電池の容量の一部を予備とする場合に当該予備の割合を示す安全率を取得し、前記需要予測値、前記発電予測値、及び前記安全率に基づいて、前記受電上限値を計算する。
【0011】
また、第4態様に係る蓄電池制御装置は、第2態様又は第3態様に係る蓄電池制御装置において、前記制御部が、前記発電機による発電量の実績値を示す発電実績値が前記需要実績値よりも大きい場合、前記発電実績値と前記需要実績値との差に相当する余剰電力を前記発電機から前記蓄電池に充電する制御又は前記余剰電力を前記発電機から前記電力系統へ逆潮流する制御又は前記発電機の出力を低下させる制御を行う。
【0012】
更に、上記目的を達成するために、第5態様に係る蓄電池制御システムは、電力系統から電力が供給される電力線に接続された蓄電池と、前記蓄電池の充放電を制御する蓄電池制御装置と、を備えた蓄電池制御システムであって、前記蓄電池制御装置が、前記電力線に接続された負荷の電力需要の予測値を示す需要予測値を取得する取得部と、前記取得部により取得された需要予測値に基づいて、前記電力系統から受電する電力の上限値を示す受電上限値を計算する計算部と、前記負荷の電力需要の実績値を示す需要実績値が前記計算部により計算された受電上限値を超えた場合に、前記需要実績値と前記受電上限値との差に相当する電力を前記蓄電池から放電する制御を行う制御部と、を備え、前記蓄電池から放電する放電量が、前記電力系統からの受電電力の実績値を示す受電実績値から前記受電上限値を減じて得られた電力量、前記蓄電池から出力可能な電力量、及び、前記需要予測値により決定される放電電力の上限値を示す放電上限値のいずれか小さい方とされている。
【0013】
更に、上記目的を達成するために、第6態様に係る蓄電池制御プログラムは、コンピュータを、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係る蓄電池制御装置が備える各部として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
以上詳述したように、本開示の技術によれば、蓄電池を用いて電力系統からの受電電力のピークカットを行う場合に、ピークカット不能にならないように蓄電池の放電量を制御することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1の実施形態に係る蓄電池制御システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る蓄電池制御装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るピークカットの一例を模式的に示す図である。
【
図4】実施形態にピークカットの別の例を模式的に示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る蓄電池制御装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】第1の実施形態に係る蓄電池制御プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態に係る受電上限値計算処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る電力系統から蓄電池に充電される充電量の一例を示す図である。
【
図9】受電上限値を需要予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図10】受電上限値を需要予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図11】受電上限値を需要予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図12】受電上限値を需要予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図13】受電上限値を需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図14】受電上限値を需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図15】受電上限値を需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図16】受電上限値を需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図17】受電上限値を需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【
図18】第2の実施形態に係る安全率確保を含む受電上限値計算処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本開示の技術と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0017】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る蓄電池制御システム100の構成の一例を示す図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係る蓄電池制御システム100は、蓄電池制御装置10と、蓄電池20と、負荷30と、自家用発電機40と、サーバ50と、を備えている。蓄電池20、負荷30、及び自家用発電機40は、電力線70に接続されている。電力線70には、電力系統60から電力が供給される。なお、本実施形態に係る蓄電池制御システム100では、自家用発電機40を含む構成として示しているが、自家用発電機40は必須ではないため、省略してもよい。
【0019】
蓄電池20は、充放電可能な二次電池であり、蓄電池20には、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池等が適用される。
【0020】
負荷30は、需要家が使用する電気機器等であり、電気機器等の具体的な種類、数は特に限定されない。
【0021】
自家用発電機40は、例えば、太陽光発電(太陽電池)、風力発電等の自然エネルギーを利用した発電装置でもよいし、回生エネルギーを利用した発電装置でもよい。自家用発電機40は、発電機の一例である。
【0022】
電力系統60からの電力と、蓄電池20から放電された電力と、自家用発電機40が発電した電力とは、いずれも電力線70に供給される。負荷30で使用される電力と、電力系統60、蓄電池20、及び自家用発電機40から電力線70に供給される電力の総量とは釣り合っており、需給バランスが維持される。
【0023】
サーバ50は、負荷30の電力需要予測、及び、自家用発電機40の発電量予測を行う。具体的に、サーバ50は、負荷30の電力需要の予測値を示す需要予測値を、負荷30の過去の電力需要実績に基づき計算し、自家用発電機40による発電量の予測値を示す発電予測値を、自家用発電機40の過去の発電量実績に基づき計算する。サーバ50は、計算により得られた負荷30の需要予測値及び自家用発電機40の発電予測値を蓄電池制御装置10に提供する。
【0024】
蓄電池制御装置10は、蓄電池20に制御指令信号を出力し、蓄電池20の充放電を制御する。蓄電池制御装置10は、電力系統60と蓄電池20との間の電力線70に設けられた任意の連携点から、蓄電池20への充電量及び蓄電池20からの放電量を取得する。また、蓄電池制御装置10は、サーバ50から提供された負荷30の需要予測値及び自家用発電機40の発電予測値に基づいて、受電上限値の計算を行う。ここでいう受電上限値は、電力系統60から受電する電力の上限値を示す。また、蓄電池制御装置10は、ピークカットを行う際に、負荷30の電力需要の実績値を示す需要実績値、蓄電池20の残りの電力量を示す蓄電池残量、及び、自家用発電機40による発電量の実績値を示す発電実績値を取得する。なお、需要実績値は、電力系統60と負荷30との間の電力線70に設けられた任意の連携点から取得され、発電実績値は、電力系統60と自家用発電機40との間の電力線70に設けられた任意の連携点から取得される。
【0025】
なお、本実施形態では、蓄電池制御装置10とサーバ50とを別体で構成しているが、蓄電池制御装置10がサーバ50の機能を備え、蓄電池制御装置10とサーバ50とを一体で構成してもよい。
【0026】
図2は、第1の実施形態に係る蓄電池制御装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、本実施形態に係る蓄電池制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、通信部16と、外部インターフェース(以下、「外部I/F」という。)17と、を備えている。
【0028】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、通信部16と、外部I/F17と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0029】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、蓄電池20の充放電を制御するための蓄電池制御プログラム15Aが記憶される。なお、この蓄電池制御プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0030】
蓄電池制御プログラム15Aは、例えば、蓄電池制御装置10に予めインストールされていてもよい。蓄電池制御プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、蓄電池制御装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0031】
通信部16は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、サーバ50との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0032】
外部I/F17には、蓄電池20及び自家用発電機40が接続されている。これらの蓄電池20及び自家用発電機40は、外部I/F17を介して、CPU11と通信可能に接続される。
【0033】
本実施形態では、
図3及び
図4に示すように、蓄電池20を活用して電力系統60からの受電電力のピークカットを行う。
【0034】
図3は、本実施形態に係るピークカットの一例を模式的に示す図である。
図3において、縦軸は電力[kW]を示し、横軸は時間を示す。
【0035】
図3に示すピークカットでは、実際の電力需要PLが受電上限値を超えた場合に、受電上限値を超えた分だけ蓄電池20から放電するように制御される。なお、
図3において、点線のハッチング部分は蓄電池20への充電量を示しており、夜間に電力系統60から充電される。また、実線のハッチング部分は蓄電池20からの放電量(ピークカット量)を示しており、充電量と等しい量が放電される。
【0036】
図4は、本実施形態にピークカットの別の例を模式的に示す図である。
図4において、縦軸は電力[kW]を示し、横軸は時間を示す。
【0037】
図4に示すように、自家用発電機40の発電量が実際の電力需要PLよりも大きい場合、発電量の余剰分を自家用発電機40から蓄電池20に充電してもよい。これにより、電力系統60への逆潮流を防止し、発電電力の自家消費率を高くすることができる。なお、
図4において、点線のハッチング部分は自家用発電機40から蓄電池20に充電する充電量を示している。また、実線のハッチング部分は蓄電池20からの放電量(ピークカット量)を示しており、充電量と等しい量が放電される。
【0038】
ここで、受電上限値は、サーバ50から得られる、負荷30の電力需要予測及び自家用発電機40の発電量予測に基づき決定される。しかしながら、電力需要予測と実際の電力需要実績とが一致するとは限らず、同様に、発電量予測と実際の発電量実績とが一致するとは限らない。このため、予定通りのピークカットが可能とは限らない。例えば、上述したように、電力需要実績が予測よりも大きい場合、予測に基づく受電上限値を超えた分を賄うために蓄電池20から上限なしに放電してしまうと、早期に蓄電池残量が低下し、いずれピークカット不能となってしまう。なお、自家用発電機40の発電量実績が予測よりも小さかった場合も同様である。
【0039】
本実施形態では、電力需要予測と実際の電力需要実績とが一致しなかった場合でも少しでも多くのピークカットを行い、電力需要予測が外れた場合に少しでも理想的なピークカット量に近づけることを可能とする制御ロジックを提供する。具体的には、蓄電池20の放電量(放電電力)に上限値を設定し、放電量を制限する制御を行う。
【0040】
このため、本実施形態に係る蓄電池制御装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている蓄電池制御プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、
図5に示す各部として機能する。
【0041】
図5は、第1の実施形態に係る蓄電池制御装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図5に示すように、本実施形態に係る蓄電池制御装置10のCPU11は、取得部11A、計算部11B、及び充放電制御部11Cとして機能する。なお、充放電制御部11Cは、制御部の一例である。
【0043】
取得部11Aは、電力線70に接続された負荷30の需要予測値を取得する。また、取得部11Aは、自家用発電機40の発電予測値を取得する。需要予測値及び発電予測値は、サーバ50から直接取得してもよいし、サーバ50から取得した需要予測値及び発電予測値を記憶部15に一旦記憶し、記憶部15から取得してもよい。なお、需要予測を24時間、つまり1日中継続的に行う場合には、需要予測を行う時間帯は特に限定されない。一方、需要予測を所定の時間帯に限定して行うようにしてもよい。この場合、所定の時間帯は、1日のうちで電力需要が比較的高い時間帯であり、例えば、10時~16時の時間帯とされる。また、取得部11Aは、負荷30の需要実績値及び蓄電池20の蓄電池残量を取得する。
【0044】
計算部11Bは、取得部11Aにより取得された需要予測値、又は、需要予測値及び発電予測値に基づいて、受電上限値を計算する。この場合、計算された受電上限値は、更新されない。なお、受電上限値の計算には、蓄電池残量も考慮することが望ましい。
【0045】
また、計算部11Bは、所定の期間における電力系統60から受電した電力量の最大値を示す受電最大値を取得し、受電上限値が受電最大値以下である場合、受電最大値を受電上限値としてもよい。ここでいう所定の期間とは、例えば、当月(ピークカットを実施した月)の最初の日からピークカットを実施した日までの期間とされる。一例として、4月10日にピークカットを実施した場合、所定の期間は、4月1日~4月10日までの10日間となる。また、受電最大値は、電力系統60から受電した電力量の履歴情報を記憶部15に記憶しておき、記憶部15に記憶した履歴情報から最大値を取得すればよい。
【0046】
充放電制御部11Cは、負荷30の需要実績値が計算部11Bにより計算された受電上限値を超えた場合に、需要実績値と受電上限値との差に相当する電力を蓄電池20から放電する制御を行う。蓄電池20から放電する放電量は、電力系統60からの受電電力の実績値を示す受電実績値から受電上限値を減じて得られた電力量、蓄電池20から出力可能な電力量、及び、放電電力の上限値を示す放電上限値のいずれか小さい方とされる。放電上限値は、負荷30の需要予測値、又は、負荷30の需要予測値及び自家用発電機40の発電予測値から決定される。
【0047】
上記のように蓄電池20の放電上限値を決定する。これにより、予測(受電上限値)と比較して過大な電力需要が発生した場合に、蓄電池残量を使い切ってしまうことを防止する。
【0048】
また、充放電制御部11Cは、上述の
図4に示すように、自家用発電機40の発電実績値が負荷30の需要実績値よりも大きい場合、発電実績値と需要実績値との差に相当する余剰電力を自家用発電機40から蓄電池20に充電する制御を行うようにしてもよい。なお、蓄電池20が満充電の状態であった場合、充放電制御部11Cは、余剰電力を自家用発電機40から電力系統60へ逆潮流する制御を行う、あるいは、自家用発電機40の出力を低下させる制御を行う。
【0049】
次に、
図6を参照して、第1の実施形態に係る蓄電池制御装置10の作用について説明する。
【0050】
図6は、第1の実施形態に係る蓄電池制御プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0051】
蓄電池制御装置10に対して蓄電池制御の指示が実行されると、CPU11により記憶部15に記憶されている蓄電池制御プログラム15Aが起動され、以下に示す各ステップが実行される。
【0052】
図6のステップS101では、CPU11が、サーバ50から取得した需要予測値及び発電予測値から放電上限値を決定する。放電上限値の決定は、例えば、需要予測値、あるいは、需要予測値及び発電予測値から必要な放電量を予測し、予測した放電量を超えない範囲で適切な値を決定すればよい。
【0053】
ステップS102では、CPU11が、一例として、
図7に示すように、受電上限値の計算(受電上限値計算処理)を行う。
【0054】
図7は、第1の実施形態に係る受電上限値計算処理の流れの一例を示すフローチャートであり、
図6のステップS102のサブルーチンを示す。
【0055】
図7のステップS111では、CPU11が、負荷30の需要予測値及び自家用発電機40の発電予測値から、受電電力の受電上限値(仮)を決定する。なお、本実施形態では、発電予測値を含む構成としているが、発電予測値を含まない構成としてもよい。
【0056】
ステップS112では、CPU11が、当月の現時点での受電電力の受電最大値を取得する。つまり、上述したように、例えば、当月(ピークカットを実施した月)の最初の日からピークカットを実施した日までの期間における受電最大値を取得する。
【0057】
ステップS113では、CPU11が、受電上限値(仮)が受電最大値より大きいか否かを判定する。受電上限値(仮)が受電最大値より大きいと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS114に移行し、受電上限値(仮)が受電最大値以下と判定した場合(否定判定の場合)、ステップS115に移行する。
【0058】
ステップS114では、CPU11が、受電上限値(仮)を受電上限値とし、
図6のステップS103にリターンする。
【0059】
ステップS115では、CPU11が、受電最大値を受電上限値とし、
図6のステップS103にリターンする。
【0060】
図6に戻り、ステップS103では、CPU11が、負荷30の需要実績値が受電上限値よりも大きいか否かを判定する。需要実績値が受電上限値よりも大きいと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS104に移行し、需要実績値が受電上限値以下と判定した場合(否定判定の場合)、ステップS105に移行する。
【0061】
ステップS104では、CPU11が、蓄電池20を放電する制御を行う。なお、蓄電池20から放電する放電量は、上述したように、受電電力の受電実績値から受電上限値を減じて得られた電力量、蓄電池20から出力可能な電力量、及び、放電電力の放電上限値のいずれか小さい方とされる。
【0062】
ステップS105では、CPU11が、蓄電池20の蓄電池残量が0(ゼロ)になったか否かを判定する。蓄電池20の蓄電池残量が0にならないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS103に戻り処理を繰り返し、蓄電池20の蓄電池残量が0になったと判定した場合(肯定判定の場合)、本蓄電池制御プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0063】
図8は、本実施形態に係る電力系統60から蓄電池20に充電される充電量の一例を示す図である。
【0064】
図8に示すように、自家用発電機40の発電量の余剰分が予測よりも小さく、自家用発電機40だけでは蓄電池20に十分充電ができない場合に、その差分を電力系統60からの充電で補うようにしてもよい。
図8では、一点鎖線が当初予定していた蓄電池20の充電予定量を示し、実線が発電量と電力需要との差、つまり、発電量の余剰分を示している。発電量と電力需要との差(発電量の余剰分)と、充電予定量との差(点線のハッチング部分)が蓄電池20の充電の不足分となる。この不足分は、電力系統60からの充電で補う。
【0065】
ここで、受電上限値を、(1)需要予測値に基づいて計算する場合、(2)需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合、の各々について具体的な計算例を説明する。
【0066】
図9~
図12を参照して、(1)受電上限値を需要予測値に基づいて計算する場合の具体的な計算例を説明する。
【0067】
図9~
図12は、受電上限値を需要予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【0068】
一例として、
図9に示す需要予測を仮定する。説明を簡単にするために、1時間おきのデータとするが、実際に使用する場合は30分おきのデータとしてもよいことは言うまでもない。
図9の例では、上段にタイムスタンプ、下段に需要予測値(kW)を示している。
【0069】
蓄電池容量を一例として90kWhと仮定する。これは、一般的な業務用蓄電池の容量である。PCS(Power Conditioning System)容量はここでは考慮しない。また、充電は考慮せず、放電のみを考慮する。
【0070】
受電上限値を一例として120kWと仮設定し、120kWを超える需要予測値に対して放電を行い、受電量を120kWまで減らすとする。この場合、蓄電池動作後の需要予測値及び必要な蓄電池容量は
図10に示すようになる。
図10の例では、上段にタイムスタンプ、中段に需要予測値(kW)、下段に蓄電池からの放電量を示している。
【0071】
図10の例では、蓄電池からの放電量の合計が、10+20+10+30+40+30+20=160kWhとなり、蓄電池容量の90kWhを超えている。この場合、受電上限値が低過ぎると判定される。そこで、受電上限値を130kWに再度仮設定し、同様の計算を行う。計算結果を
図11に示す。
【0072】
図12は、
図11の計算結果をグラフで示したものである。つまり、
図12に示すように、仮設定した130kWを超える需要は、蓄電池からの放電で賄う。
図11及び
図12の例では、蓄電池からの放電量の合計が、10+20+30+20+10=90kWhになるが、これは蓄電池容量と等しく、余剰分を確保できず適正ではない。このため、受電上限値は140kWが適正であると判定される。
【0073】
次に、
図13~
図17を参照して、(2)受電上限値を需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合の具体的な計算例を説明する。
【0074】
図13~
図17は、受電上限値を需要予測値及び発電予測値に基づいて計算する場合の計算例の説明に供する図である。
【0075】
予測された需要値が常に発電予測値を上回る場合、あるいは、予測された需要値を上回った発電量(所謂余剰電力)を電力系統へ逆潮流する場合は、上記(1)の計算方法と同様の計算方法とする。余剰電力を蓄電池に充電する場合は上記(1)の計算方法と異なる計算方法となる。
【0076】
一例として、
図13に示す需要予測及び発電予測を仮定する。蓄電池容量は上記(1)と同じ90kWhとし、余剰電力は蓄電池へ充電することとする。
図13の例では、1段目にタイムスタンプ、2段目に需要予測値(kW)、3段目に発電予測値(kW)、4段目に(需要予測値-発電予測値)を示している。なお、4段目の”-(マイナス)”の値は余剰電力であることを表している。
【0077】
図13の例では、(-20)+(-20)+(-10)+(-10)=-60kWhとなり、60kWhの余剰電力が見込まれる。このため、蓄電池残量は、90-60=30kWhとしておく。上記(1)と同様に考えると、受電上限値は60kWとなる。計算結果を
図14に示す。
【0078】
図15は、
図14の計算結果をグラフで示したものである。12時~15時の時間帯は、合計60kWhの余剰電力が見込まれるため、蓄電池容量を空けておく必要がある。但し、
図14及び
図15に示す放電を実現することはできない。その理由は、この日の開始時点での蓄電池残量は30kWhであり、7時~9時の時間帯の放電量の合計50(=10+30+10)kWhを賄うことはできないためである。そこで、受電上限値を高くし、実現可能な受電上限値を再設定する。受電上限値を一例として67kWとした場合の計算結果を
図16に示す。
【0079】
図17は、
図16の計算結果をグラフで示したものである。つまり、60kWhより大きく、かつ、7時~9時の時間帯の放電量の合計が30kWh以内となる最大の受電上限値を設定する。ここで、16時以降は67kW以下まで放電可能であるが、契約電力の削減には寄与しないため、放電は任意とする。
【0080】
このように本実施形態によれば、蓄電池を用いて電力系統からの受電電力のピークカットを行う場合に、蓄電池の放電量に上限値が設定される。このため、ピークカット不能にならないように蓄電池の放電量を制御することができる。
【0081】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態に係る受電上限値計算処理では、需要予測値及び発電予測値から受電上限値を決定する場合について説明した。第2の実施形態では、受電上限値を、需要予測値、発電予測値、及び安全率から決定する場合について説明する。
【0082】
なお、本実施形態に係る蓄電池制御装置が有する構成要素は、上記第1の実施形態に係る蓄電池制御装置10が有する構成要素と同じであるため、その繰り返しの説明は省略し、上述の
図5を参照して、相違点について説明する。
【0083】
計算部11Bは、蓄電池20の容量の一部を予備とする場合に当該予備の割合を示す安全率を取得する。安全率は、例えば、記憶部15に予め記憶しておけばよい。安全率には、例えば、蓄電池容量の5%以上10%以下の範囲で適切な割合が設定される。この場合、計算部11Bは、需要予測値、発電予測値、及び安全率に基づいて、受電上限値を計算する。この場合、予備の充電量を除いた蓄電池残量(充電量)を考慮して受電上限値を計算することが望ましい。このとき、需要実績値が受電上限値以下の場合には予備の充電量は使用されないが、需要実績値が受電上限値よりも大きくなった場合は予備の充電量で対応することができる。
【0084】
なお、本実施形態においても、発電予測値を含む構成としているが、発電予測値を含まない構成としてもよい。この場合、計算部11Bは、需要予測値及び安全率に基づいて、受電上限値を計算する。
【0085】
図18は、第2の実施形態に係る安全率確保を含む受電上限値計算処理の流れの一例を示すフローチャートであり、上述の
図6のステップS102のサブルーチンを示す。
【0086】
図18のステップS121では、CPU11が、負荷30の需要予測値、自家用発電機40の発電予測値、及び、蓄電池20の安全率から、受電電力の受電上限値(仮)を決定する。安全率には、上述したように、例えば、蓄電池容量の5%以上10%以下の範囲で適切な割合が設定される。
【0087】
ステップS122では、CPU11が、当月の現時点での受電電力の受電最大値を取得する。つまり、上述したように、例えば、当月(ピークカットを実施した月)の最初の日からピークカットを実施した日までの期間における受電最大値を取得する。
【0088】
ステップS123では、CPU11が、受電上限値(仮)が受電最大値より大きいか否かを判定する。受電上限値(仮)が受電最大値より大きいと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS124に移行し、受電上限値(仮)が受電最大値以下と判定した場合(否定判定の場合)、ステップS125に移行する。
【0089】
ステップS124では、CPU11が、受電上限値(仮)を受電上限値とし、上述の
図6のステップS103にリターンする。
【0090】
ステップS125では、CPU11が、受電最大値を受電上限値とし、上述の
図6のステップS103にリターンする。
【0091】
このように本実施形態によれば、需要予測値、発電予測値、及び安全率、あるいは、需要予測値及び安全率に基づいて、受電上限値が計算される。このため、需要実績値が受電上限値よりも大きくなった場合は安全率に応じた予備の充電量で対応することができる。
【0092】
以上、上記各実施形態として、蓄電池制御装置及び蓄電池制御システムを例示して説明したが、実施形態は、蓄電池制御装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、このプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体の形態としてもよい。
【0093】
その他、上記各実施形態で説明した蓄電池制御装置及び蓄電池制御システムの構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0094】
また、上記各実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0095】
また、上記各実施形態では、プログラムを実行することにより、実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0096】
10 蓄電池制御装置
11 CPU
11A 取得部
11B 計算部
11C 充放電制御部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 蓄電池制御プログラム
16 通信部
17 外部I/F
20 蓄電池
30 負荷
40 自家用発電機
50 サーバ
60 電力系統
70 電力線
100 蓄電池制御システム
【要約】
【課題】蓄電池を用いて電力系統からの受電電力のピークカットを行う場合に、ピークカット不能にならないように蓄電池の放電量を制御する。
【解決手段】蓄電池制御装置10は、電力線70に接続された負荷30の電力需要の予測値を示す需要予測値を取得し、取得された需要予測値に基づいて、電力系統60から受電する電力の上限値を示す受電上限値を計算し、負荷30の電力需要の実績値を示す需要実績値が計算された受電上限値を超えた場合に、需要実績値と受電上限値との差に相当する電力を蓄電池20から放電する制御を行う。蓄電池20から放電する放電量は、電力系統60からの受電電力の実績値を示す受電実績値から受電上限値を減じて得られた電力量、蓄電池20から出力可能な電力量、及び、需要予測値により決定される放電電力の上限値を示す放電上限値のいずれか小さい方とされる。
【選択図】
図1