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特許7026290電気接続を壁に接続するためのインサートおよびインサート用の保護キャップ
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  • 特許-電気接続を壁に接続するためのインサートおよびインサート用の保護キャップ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-16
(45)【発行日】2022-02-25
(54)【発明の名称】電気接続を壁に接続するためのインサートおよびインサート用の保護キャップ
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/14 20060101AFI20220217BHJP
   F16B 3/06 20060101ALI20220217BHJP
   F16B 35/06 20060101ALI20220217BHJP
【FI】
F16B37/14 A
F16B3/06 C
F16B35/06 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021505686
(86)(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019057293
(87)【国際公開番号】W WO2020025177
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-03-10
(31)【優先権主張番号】202018104479.6
(32)【優先日】2018-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518462307
【氏名又は名称】フェアチャイルド ファスナーズ オイローパ ― カムロック ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】FAIRCHILD FASTENERS EUROPE - CAMLOC GMBH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 6, 65779 Kelkheim(Taunus),Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】特許業務法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダッハ,アレクサンダー セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ユーリング,ディーター
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第78922049(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 37/14
F16B 3/06
F16B 35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の接続手段(5)を有するシャフト(4)を有するボルト(1)および前記ボルト(1)を受けるための通路(6)を有する導電性リング(2)を備える壁(10)に、電気接続を接続するためのインサートであって、前記受けられたボルト(1)は、そのシャフト(4)を有する前記リング(2)の接触面(11)から突出し、前記インサートが、前記ボルト(1)の前記第一の接続手段(5)に接続可能な第二の接続手段(26)を有する保持セクション(21、21’)と、保護キャップ(20、20’)が接続されるときに前記リング(2)の前記接触面(11)に接合するフランジセクション(22、22’)と、を有する前記保護キャップ(20、20’)を備えることを特徴とする、インサート。
【請求項2】
前記保護キャップ(20、20’)が、前記シャフト(4)および前記リング(2)の前記接触面(11)を完全に覆うことを特徴とする、請求項1に記載のインサート。
【請求項3】
前記第一の接続手段(5)および前記第二の接続手段(26)が、前記保護キャップ(20、20’)の前記フランジセクション(22、22’)が、前記第一の接続手段(5)および前記第二の接続手段(26)の前記接続によって前記リング(2)の前記接触面(11)に押し付けられるように配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載のインサート。
【請求項4】
前記フランジセクション(22’)が本質的に円盤形状であり、前記保持セクション(21’)から反対を向く底面に前記接触面(11)を接合することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項5】
前記円盤形状フランジセクション(22’)が、前記フランジセクション(22’)の前記底面から突出する追加的な締付リング(29)を備え、前記締付リングの内径が、特に、前記シャフトの外径に調節され、かつ/または前記締付リングの外径が、前記リングの前記通路の内径に調節されることを特徴とする、請求項4に記載のインサート。
【請求項6】
前記フランジセクション(22)が本質的に円筒形であり、前記リング(2)の前記接触面(11)を、前記保持セクション(21)から反対を向く前面(27)と接合することを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項7】
前記フランジセクション(22)上の前記保護キャップ(20)が、前記保持セクション(21)から反対を向くその前面(27)上の前記保護キャップ(20)の内側に面取り部(28)を有することを特徴とする、請求項6に記載のインサート。
【請求項8】
前記リング(2)の横方向表面を包含するカバーリング(23、23’)が、前記フランジセクション(22、22’)上に配置されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項9】
前記リング(2)がその横方向表面上に溝(9)を有し、前記カバーリング(23、23’)が前記溝(9)の上に完全に突出することを特徴とする、請求項8に記載のインサート。
【請求項10】
前記カバーリング(23、23’)が、前記フランジセクション(22、22’)から反対を向くその端面上の外側面に面取り部(24、24’)を備えることを特徴とする、請求項8または9に記載のインサート。
【請求項11】
前記保護キャップ(20、20’)が、その外側面に溝加工(25、25’)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項12】
前記リング(2)を有する前記保護キャップ(20、20’)が、密接に封止された体積を画定し、前記ボルト(1)の前記シャフト(4)と前記リング(2)の前記接触面(11)とが前記体積内に配置されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項13】
前記保護キャップ(20、20’)がプラスチック材料を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のインサート。
【請求項14】
インサートのボルト(1)の対応する接続手段(5)に接続され得る接続手段(26)を有する保持セクション(21、21’)と、前記インサートの接触面(11)を覆うための拡大フランジセクション(22、22’)とを有する、請求項1から13に記載のインサート用の保護キャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気接続を、例えば、接続手段を備えるシャフトを有するボルトおよびボルトを受けるための通路を有する導電性リングを備える、薄い金属シートなどの壁に接続するためのインサートに関するものであり、受けられたボルトは、そのシャフトを有するリングの接触面から突出する。本発明はまた、このようなインサートの保護キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
変形可能なスリーブまたはリングを使用してボルト(アースボルトまたは接地ボルト)を金属シートに固定することは、ケーブルと金属シートとの間の電気伝導性を確立する既知の方法である。そのために、リングは、典型的には、ケーブルの電気接続のための接触面を有し、ケーブルを固定するためのボルトは、そのシャフト上に、例えば、ねじ山などの接続手段を有する。このシャフトは、ケーブルが接続手段で固定されると、リングの接触面から突出し、その結果接続手段が接触面に押し付けられる。リングと壁の間の接続は、例えば、ケーブルラグがねじ山付きボルトに固定されたときにナットによって生成され得る引張力およびトルクに耐えることができなければならない。これは、金属シートの面積の放射状拡大および表面圧力の増加によって達成される。スリーブは金属シートを超えてさらに広くなり、それにより引張力の増加を達成できる。電流の伝達は、金属シートのボアの壁で行われます。スリーブの取り付け及び変形は、このエリアで接触抵抗が可能な限り低いことを確保する必要がある。
【0003】
ボルトおよびリングを含む上記のタイプのインサートは、この目的のために、EP0880199B1から知られている。ボルトは、第一の長手方向軸に沿って延在するヘッドと、少なくとも一つの接続手段を有するシャフトとを備える。ボルトを受けるために、リングは、第二の長手方向軸に沿って延在する通路を備える。ボルトのヘッドは、大まかに円錐台状に構成され、ヘッドがリング内に引っ張られると、リングの円筒形通路が広がる。
【0004】
このようなインサートが壁に固定されると、ボルトは保護されず露出した方法で壁から突出する。この壁へのその後の作業の過程で、ボルト、例えばそのねじ部に対してなされる損傷のリスクがある。特に、板金部品等の壁は、ボルト挿入後に塗装する必要がある。その際、例えば、ボルトのねじ山に塗料が誤って塗布された場合、後になって、ボルトは、少なくともかなりの労力なしには、ケーブルに接続できなくなる。リングの接触面を誤って塗装すると、一般的に塗料やワニスは絶縁特性を持つため、ケーブルと壁との間の接触抵抗が増加する。高電流では、インサートと壁が過度に加熱され、壁が損傷する可能性がある。使用領域によっては、これは大きな火災の危険につながることさえあり得るが、これは避けなければならない。
【0005】
したがって、本発明によって対処される問題は、特に塗装またはワニス塗装中に、作業中に保護を提供する改善されたインサートを提供するという問題である。
【発明の概要】
【0006】
この問題は、請求項1に記載の特徴を有するインサートによって解決される。電気接続を壁に接続するための本発明によるインサートは、第一の接続手段を有するシャフトを有するボルトを有する。例えば、ねじ山、バヨネットロック、クレビスピン、または他の締着要素が、接続手段として提供され得る。本発明によるインサートはさらに、ボルトを受けるための通路を有する導電性リングを含み、受け取ったボルトは、そのシャフトを有するリングの表面から突出し、その結果、表面はリングの接触面を形成する。本発明によれば、インサートはさらに、ボルトの第一の接続手段に接続可能な第二の接続手段を持つ保持セクションと、保護キャップが接続された時にリングの接触面に接合するフランジセクションとを有する、保護キャップを備える。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、保護キャップは、シャフトおよびリングの接触面を完全に覆う。したがって、インサートの関連領域は、塗料の損傷および/または偶発的な塗布から保護される。
【0008】
本発明の好ましい実施形態では、第一の接続手段および第二の接続手段は、第一の接続手段を第二の接続手段に接続することによって、保護キャップのフランジセクションがリングの接触面に対して押されるように配置される。接触圧力は、保護キャップの密接に封止された接続を確実にし、それによって、塗料またはワニスなどの液体が保護キャップとインサートの間に流れ込むのを防ぎ、保護キャップにもかかわらず接触面またはシャフトに付くのを防止する。
【0009】
本発明の好ましい実施形態では、フランジセクションは本質的に円盤形状であり、保持セクションを向いた上面および保持セクションから反対を向いた底面を有し、底面は、保護キャップがボルトに接続されるとき、リングの接触面と接合する。保持セクションがシャフトに直接接続され、フランジセクションが接触面と平坦に接合するため、保護キャップで保護されたインサートは、ほとんどスペースを取らない。したがって、この実施形態は、狭い空間に特に好適である。特に、保持セクション内の第二の接続手段は、締付シリンダとして具現化することができ、その内径はシャフトの外径に対応する。したがって、保持セクションおよび保護キャップは、摩擦力によってのみボルトに接続される。保持セクションは本質的に保護キャップの全長にわたって延在するため、保護キャップはシャフト上にしっかりと保持される。この実施形態では、保護キャップは、単にボルトへ押し込む必要があるだけなので、特に素早くボルトに接続され得る。
【0010】
本発明の特に好ましい実施形態では、円盤形状フランジセクションは、その底面から突出する追加的な締付リングを持つ。締付リングの内径は、摩擦力によってシャフト上に保持されるように、シャフトの外径に調節され得る。代替として、または追加的に、締付リングの外径は、リング上に保持するために、リングの通路の内径に調節され得る。したがって、締付リングは、保護キャップを接続する追加的な手段を構成する。
【0011】
本発明の好ましい実施形態では、フランジセクションは本質的に円筒形であり、リングを前面、特に保持セクションから反対を向いている環状の前面と接合する。円筒形フランジセクションは、保護キャップをボルトに接続するために特にうまく係合され得る。さらに、保護キャップは、接合する端面によって接触面上で特に良好に封止される。保持セクションの第二の接続手段は、特に保持セクションの雌ねじ山として構成され得る。その中に配置される保持セクションおよびねじ山は、保護キャップの全長にわたって延在しないため、ねじ山は、射出成形によって特に容易に製造され得る。さらに、保護キャップをボルトにねじ込む必要があるのは、全長ではなく、保持セクションに配置されたねじ山の長さだけである。
【0012】
本発明の特に好ましい実施形態では、保護キャップは、フランジセクション上に、保護キャップの内側、特に保持セクションとは反対を向くその前面上に面取り部を有する。したがって、面取り部は、円筒形フランジセクションの前面と内側との間の縁部に配置される。面取り部によって、接触面上のフランジセクションの当接面がさらに低減され、それによって、接続手段によって同じ力が加えられると、より高い接触圧力が生じる。これは、特に密接に封止された接続につながる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、リングの横方向表面を包含するカバーリングがフランジセクション上に配置される。カバーリングは、一方で、フランジセクションが接触面の一部を露出させる可能性のある外部横方向の力の作用の下でシフトしないように、フランジセクションが接触面の中心にあることを確実にする。また、リングの横方向表面もこの方法で損傷から保護される。
【0014】
本発明の好ましい実施形態では、リングは、その横方向表面上に溝を有し、カバーリングは溝の上に完全に突出する。溝は、例えば、インサートの修理を行うために、リングを工具で把持することを可能にする。溝が損傷したり、誤ってペンキやワニスが充填されると、ツールがインサートに係合できなくなる。カバーリングによって、溝は、損傷およびワニスおよび/または塗料の偶発的な塗布から保護される。したがって、インサートは、ツールと確実に係合され得る。
【0015】
本発明の好ましい実施形態では、カバーリングは、その外側面、具体的にはフランジセクションから反対を向くその前面上に面取り部を有する。したがって、カバーリングの前面と外側面との間の縁は、面取りされる。壁は、腐食を防止するために後に塗装またはコーティングされることが多いため、これを完全に行うことができるようにする必要がある。カバーリングの外側面の面取り部により、リングの壁と横方向表面の間の縁までアクセスしやすくなる。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、保護キャップは、その外側面で、保持セクションおよび/またはフランジセクション上に溝加工を有する。これは、保護キャップを操作しやすくし、保護キャップを、例えば、ボルトにねじ込むなど、ボルトに簡単かつ確実に接続できるようにする。
【0017】
本発明の好ましい実施形態では、リングを有する保護キャップは、密接に封止された体積を画定し、ボルトのシャフトおよびリングの接触面は体積内に配置される。したがって、例えば、ブローの場合、保護キャップは、インサートに損傷を与えることなく、ブローの力を吸収するために、体積内にわずかに内向きに偏向することができる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態では、保護キャップはプラスチック材料を含む。変形しやすいため、プラスチックはインサートを保護する優れた材料である。また、軽量で経済的に生産される。この材料は、電気化学プロセスによる塗装およびコーティングの点において、さらなる利点を提供する。保護キャップが導電性であれば、そのようなプロセス中に均一にコーティングされるであろう。他方で、プラスチックは導電性ではないため、プラスチックは本質的にコーティングされる部分のみ塗装される。
【0019】
本発明はさらに、インサートのボルトの対応する接続手段に接続可能な接続手段を有する保持セクションと、インサートの接触面を覆うための拡大フランジセクションとを有する、記載されるインサートの保護キャップに関する。本発明による保護キャップは、特に、上述の特徴を含み得る。
【0020】
本発明の追加的な特徴、利点、および可能な用途は、さらに、例示的な実施形態の以下の説明から、および図面を参照して生じる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面には、以下が概略的に示される。
【0022】
図1図1は、保護キャップのない取り付けられたインサートの側面図である。
図2図2は、本発明による保護キャップの側面図である。
図3図3は、保護キャップを有する本発明によるインサートの側面図である。
図4図4は、保護キャップを有する本発明によるインサートの上方からの対角線図である。
図5図5は、保護キャップを有する本発明によるインサートの断面図である。
図6図6は、図5の保護キャップを有する本発明によるインサートの断面図からの拡大した部分である。
図7図7は、保護キャップを有する本発明によるインサートの第二の実施形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、ヘッド3と、中心軸に沿って延在するシャフト4とを有するボルト1を有するインサートを示す。シャフト4の外面上で、シャフト4およびそれゆえ、例えばケーブルラグによって本発明によるインサートを電気伝導体に接続するための接続手段として、雄ねじ山5を備える。次に、ケーブルラグは、リング2の接触面11に押し付けられ、その表面は導電性であり、したがってリング2を介して壁10への電気接続を確立する。リング2は、壁10の開口部に挿入され、そのヘッド3を有するボルト1が押される通路6を有する。したがって、通路6は、ボルト1のヘッド3の外径よりもわずかに小さい。結果として、ヘッド3が押し込まれるにつれてリングが拡大され、したがって壁10にしっかりと接続される。リング2は、本質的に円筒形であり、壁10の開口部に挿入されるスリーブセクション7を持つ。リング2の別の円筒形領域は、より大きい外径を有し、壁10の外側面に接合するレッジ8として構成される。さらに、溝9は、レッジ8の外側輪郭に配置され、この溝は、リング2の周りを完全に延び、ツールの係合のために構成される。インサートのシャフト4は、露出した様式で壁10から突出し、したがって損傷を受けやすい。
【0024】
図2は、保持セクション21およびフランジセクション22を有する本発明によるインサートの保護キャップ20を示す。保持セクション21およびフランジセクション22の両方は本質的に円筒形であり、接続領域内で互いに接続される。保持セクション21は、フランジセクション22よりも小さい外径を有し、接続領域は凹状であり、フランジ部分22の大きな直径から保持部分21の小さな直径まで狭くなる。雌ねじ山26は、第二の接続手段として保持セクション21の内側に配置される。保持セクション21から反対を向くフランジセクション22の底面上に、フランジセクション22はカバーリング23を持つ。カバーリング23は、その底面と横方向表面の外側面との間の縁に配置され、面取り部24を備える。保護キャップ20を壁およびリング2に挿入されたボルト1に接続するために、保護キャップ20は、ボルト1の上に配置され、保護キャップの雌ねじ山26は、ボルト1の雄ねじ山5にねじ止めされる。
【0025】
図3は、本発明による完全なインサートを示し、保護キャップ20はボルト1およびリング2上にねじ止めされる。リング2の接触面11および雄ねじ山5を有するシャフト4を有するボルト1は、保護キャップ20によって完全に覆われる。したがって、カバーリング23は、リング2の横方向表面を包含し、カバーリングの軸方向延長部は、リング2の横方向表面の溝9もカバーリング23によって覆われるように選択される。
【0026】
図4の本発明によるインサートの図は、保護キャップ20およびその特に保持セクション21が上部で閉じられ、したがって、封止された体積が保護キャップ20およびリング2によって形成され、ここで、リング2およびボルト1の接触面11の体積が、外からアクセスしなくなるように配置されることを示す。
【0027】
図5および図6の拡大図は、本発明によるインサートの断面図を示す。リング2のスリーブセクション7は、壁10の開口部に挿入され、ヘッド3をリング2のスリーブセクション7に押し込むことによって、ヘッドおよび壁10と共に押し込まれる。保護キャップ20は、シャフト4の雄ねじ山5の上端に雌ねじ山26を有するその保持セクション21でねじ止めされる。保持セクション21は、本質的に円筒形の形状を持ち、これは上部で閉じられ、底部でフランジセクション22に接続される。フランジセクション22は、その前面27がリング2の接触面11の外側縁に当接する。保護キャップ20の長さ、雌ねじ山26の配置、および雄ねじ山5を有するシャフト4の長さは、その雌ねじ山26を有する保護キャップ20が、ボルト1の雄ねじ山5上にまだ完全にねじ込まれていない場合でも、前面27が接触面11上に既に当接されているように選択される。したがって、さらなるねじ固定は、接触面11に力をもたらす前面27をもたらし、したがって、保護キャップ20をリング2に密接に封止された様式で接続する。前面27は、フランジセクション22の内側を有するその縁に面取り部28を有するため、端面27と接触面11との間の嵌合面が減少され、したがって接触圧力が増加する。端面27と接触面11との間の環状嵌合面は、特に、フランジセクション22の壁厚よりも小さい幅を有する。これにより、保護キャップがしっかりと密封されたリングに接続される。フランジセクション22の端面27は、カバーリング23へと移行し、これはリング2の横方向表面を包含し、横方向表面の溝9を覆う。カバーリングは、カバーリング23の底面と外側面との間の縁に面取り部24を有する。これにより、壁10とリング2との間の角もまた、塗装の間、容易にアクセス可能であり、したがって、塗装され得ることを確実にする。
【0028】
保護キャップ20’の代替的な実施形態を図7に示す。この実施形態は、同様に保持セクション21’を有するが、代わりに、接触面11までボルト1の全長にわたって本質的に延在する。フランジセクション22’として、円盤形状の要素を単に具備し、リング2の接触面11の底面全体に押圧されている。リング2の横方向表面を包含する、面取り部24’を有するカバーリング23’も、円盤形状フランジセクションの外縁上に配置される。また、フランジセクション22’の底面には締付リング29が配置されており、そのリングの内径はボルト1の外径に調節されている。さらに、締付リング29の外径は、リング2の通路6の内径に調節される。保護キャップも、この手段によってリング2上に保持される。第二の接続要素として、保護キャップの保持セクション21’の締付シリンダを単に備える。これは、保持セクション21’の内径が、ボルト1の外側面に接合するように選択されることを意味する。保護キャップは、ボルト1のねじ山と保持セクションとの間の摩擦によってボルト上に保持される。保護キャップをボルト1に押し込むことができる。
【符号の説明】
【0029】
1 ボルト
2 リング
3 ヘッド
4 シャフト
5 雄ねじ
6 通路
7 スリーブセクション
8 レッジ
9 溝
10 壁
11 接触面
20,20’ 保護キャップ
21,21’ 保持セクション
22,22’ フランジセクション
23、23’ カバーリング
24,24’ 面取り部、カバーリング
25,25’ 溝加工
26 第二の接続手段
27 前面
28 面取り部、前面
29 締付リング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7