(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】押圧具
(51)【国際特許分類】
A61H 39/04 20060101AFI20220218BHJP
A61H 7/00 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
A61H39/04 S
A61H7/00 320A
(21)【出願番号】P 2018113168
(22)【出願日】2018-05-28
【審査請求日】2021-04-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591199039
【氏名又は名称】ベス工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】紀伊野 進一
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-077043(JP,U)
【文献】特開2014-100207(JP,A)
【文献】登録実用新案第3136208(JP,U)
【文献】登録実用新案第3159973(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0143898(KR,A)
【文献】実開平03-064642(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/00
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体を押圧する押圧部と、前記押圧部から縦方向に延びるフレームにおいて横方向に指を掛ける把持部とを設け、前記フレームは側面から見て中央付近から上方は前方に曲げられており、
前記フレームの中央付近の横方向における幅を前記把持部の横方向における幅より小さくし、前記フレームにおいて環状部を形成し、前記環状部の一部を前記把持部とし、前記フレームは側面から見て下端付近は後方へ曲げて形成したことを特徴とする押圧具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧して身体をマッサージするための押圧具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の押圧具には、湾曲した棒状フレームの一端に設けた押圧部を身体の肩などに当接させながら棒状フレームの他端を握って押し引きし、押圧マッサージするものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の押圧具は、棒状フレームの端を握って使用するため、握力が弱いと握っている手が押し引きする方向にずれたり、はずれたりするという問題があり、特に高齢者は握る力が弱いので、楽に継続使用する点で課題となっていた。また、握力が弱いと両手で棒状フレームの端を握って使用することもできるが、デスクワークなどの場合、文具や電子機器などを使用している手が使えないため、片手でしっかりと握って押し引きする方向にずれないように握力を一層かけながら使用せざるをえなかった。
【0005】
本発明は、このような従来の構成が有していた問題を解決しようとするものであり、握力が限られていても楽に継続使用することができ、片手で使用しても十分な力がかかって身体を押圧できる押圧具を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の押圧具は、身体を押圧する押圧部と、前記押圧部から縦方向に延びるフレームにおいて横方向に指を掛ける把持部とを設け、前記フレームは側面から見て中央付近から上方は前方に曲げられており、前記フレームの中央付近の横方向における幅を前記把持部の横方向における幅より小さくし、前記フレームにおいて環状部を形成し、前記環状部の一部を前記把持部とし、前記フレームは側面から見て下端付近は後方へ曲げて形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の押圧具は、前記押圧部から縦方向に延びるフレームにおいて横方向に指を掛ける把持部とを設け、前記フレームは側面から見て中央付近から上方は前方に曲げられており、前記フレームの中央付近の横方向における幅を前記把持部の横方向における幅より小さくしているため、縦方向に握り持つ従来の押圧具とは異なり、握力が弱くても前記把持部を軽く握って指をフックのように前記把持部に掛けることができるので、握っている手が押し引きする縦方向にずれたり、はずれたりする問題を可及的に抑えることができ、楽に継続使用することができる。特に、デスクワークなどの場合、文具や電子機器などを使用している手の他方の手で手軽に指を掛けるだけで押し引きして楽に押圧マッサージを実施することができる。さらに、身体の首の付け根を押圧する時、手首や腕の位置や角度をあまり変更させずに前記押圧部が首の後ろ中央にまで届きやすくなるので、手首の疲れを抑えながら楽に使用でき、且つ前記押圧部を所望する身体部位に当接させやすくなり、その分楽な気持ちで継続使用することができる。また、本発明の押圧具は、前記フレームにおいて環状部を形成し、前記環状部の一部を前記把持部としているため、吊り革のようにしっかりと握りやすくなり、また前記フレームの強度が向上して、その分しっかりと継続的に押圧できる。さらに、前記把持部の環状に沿って持つ所を変えられるので、できるだけ手首を曲げずに持つことができ、その分手首の負担を軽減でき楽に押圧できる。さらに、本発明の押圧具は、前記フレームは側面から見て下端付近は後方へ曲げて形成しているため、身体の肩を前記押圧部で押圧する際、胴体と前記把持部との間に隙間が生じるので、前記把持部を持つ手の指が、胴体と前記把持部との隙間に入っても胴体に当接することを軽減できる。そのため、前記把持部を押し引きしやすくなり、楽に継続使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施の形態における押圧具の正面図。
【
図2】本発明の一実施の形態における押圧具の断面図。
【
図3】本発明の一実施の形態における押圧具の平面図。
【
図4】本発明の一実施の形態における押圧具を持った状態を示す説明図。
【
図5】本発明の一実施の形態における押圧具の使用状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の押圧具を、実施例1及び実施例2として図面に基づき詳細に説明する。
【0014】
本発明の押圧具1は、
図1から
図4の実施形態で示したように、身体を押圧する押圧部3と、前記押圧部3から縦方向に延びるフレーム2において横方向に人の手Hの指を掛ける把持部4とを設けて構成したものである。
【0015】
前記押圧部3の形状を小球体にすることで、様々な角度から押圧しても安定した押圧感をもたらす。前記押圧部3は、軟質または硬質の樹脂または金属などの材質で形成できる。尚、図示しないが前記押圧部3を一つに限らず適宜複数設けてもよいし、また小球体に限らず他の形状にしてもよい。前記押圧部3は、縦方向に延びる前記フレーム2の上端に設けている。すなわち、
図2に示すように前記フレーム2の上端から突出形成した軸部22に前記押圧部3を被せて軸着している。前記軸部22は、前記把持部4に前記手Hの指を掛けて引く方向に前記フレーム2の上端から突出形成しているので、前記手Hの指を掛けて引く時に前記軸部22が撓みにくくなり、その分、引く力が逃げることなく楽に押圧マッサージができる。
【0016】
前記フレーム2は、軟質または硬質の樹脂または金属などの材質で形成できる。
図2は本発明の押圧具1のA-A断面図であると共に側面の形状を示すものであり、この断面の位置と方向は
図1に示しているが、
図2に示すように前記フレーム2は側面から見て中央付近から上方は前方に曲げられており、下端付近は逆に後方へ曲げて形成している。
【0017】
前記把持部4は、
図4に示すように前記フレーム2の下端に設け、指を横方向に並べて掛けられるように形成している。前述のように前記フレーム2の下端付近は後方へ曲げて形成しているため、
図2に示すように
身体の肩Sを前記押圧部3で押圧する際、胴体Bと前記把持部4との間に隙間が生じるので、前記把持部4を持つ前記手Hの指が、胴体Bと前記把持部4との隙間に入っても胴体Bに当接することを軽減できる。そのため、前記把持部4を押し引きしやすくなり、楽に継続使用することができる。
【0018】
このように本発明の押圧具1は、前記押圧部3から縦方向に延びるフレーム2において横方向に指を掛ける前記把持部4を設けているため、縦方向に握り持つ従来の押圧具1とは異なり、握力が弱くても前記把持部4を軽く握って指をフックのように前記把持部4に掛けることができるので、握っている手が押し引きする縦方向にずれたり、はずれたりする問題を可及的に抑えることができ、楽に継続使用することができる。特に、デスクワークなどの場合、文具や電子機器などを使用している手の他方の手で手軽に指を掛けるだけで押し引きすることができ、このように片手だけで本発明の押圧具1を持ちつつ楽に押圧マッサージを実施することができる。
【0019】
また、本発明の押圧具1として
図1から
図3に示すように、前記フレーム2において環状部21を形成し、前記環状部21の一部を前記把持部4としてもよい。このように構成することで、前記把持部4が
図4に示すように吊り革のようにしっかりと握りやすくなり、前記フレーム2の強度が向上して、その分しっかりと継続的に押圧できるし、前記把持部4の環状に沿って持つ所を変えられるので、できるだけ手首を曲げずに持つことができ、その分手首の負担を軽減でき楽に押圧できる。
【0020】
また、
図1から
図3に示すように、前記フレーム2における前記環状部21に前記押圧部3を設けることができる。すなわち、前記環状部21の上方側に前記押圧部3を、前記環状部21の下方側に前記把持部4を設けるなら、従来の棒形状のフレームとは異なり、前記フレーム2の全体の強度が飛躍的に向上し、楽な力でしっかりと継続的に押圧マッサージを実施できる。
【0021】
さらに、本発明の押圧具1として、
図1に示すように前記フレーム2の中央付近の横方向における幅を前記把持部4の横方向における幅より小さくしてもよい。すなわち、前記フレーム2の中央付近の横方向における幅であるフレーム中央幅L1を前記把持部4の横方向における幅である把持部幅L2より小さくするなら、身体の首Nの周囲形状に沿って嵌る形状となり、その分前記押圧部3が前記首N側へ寄りやすくなる。そのため
図5に示すように、身体の前記首Nの付け根を押圧する時、手首や腕の位置や角度をあまり変更させずに前記押圧部3が前記首Nの後ろ中央にまで届きやすくなるので、手首や腕の疲れを抑えながら楽に使用でき、且つ前記押圧部3を所望する身体部位に当接させやすくなり、その分楽な気持ちで継続使用することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 押圧具
2 フレーム
21 環状部
22 軸部
3 押圧部
4 把持部
L1 フレーム中央幅
L2 把持部幅
N 首
S 肩
H 手
B 胴体