(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】レーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト、およびレーザ走査方法
(51)【国際特許分類】
G01R 33/09 20060101AFI20220218BHJP
G11B 5/39 20060101ALI20220218BHJP
H01L 43/08 20060101ALI20220218BHJP
H01L 43/12 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
G01R33/09
G11B5/39
H01L43/08 Z
H01L43/12
(21)【出願番号】P 2019513846
(86)(22)【出願日】2017-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2017101663
(87)【国際公開番号】W WO2018050082
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-06-15
(31)【優先権主張番号】201610821610.7
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514116947
【氏名又は名称】江▲蘇▼多▲維▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MULTIDIMENSION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building E, No. 7 Guangdong Road, Zhangjiagang Free Trade Zone, Jiangsu 215634, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディーク、ジェイムズ ゲーザ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、チーミン
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-299728(JP,A)
【文献】中国実用新案第204739999(CN,U)
【文献】特表2016-525689(JP,A)
【文献】特表2018-517128(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104776794(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102208530(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/09
G11B 5/39
H01L 43/08
H01L 43/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウトであって、アレイを形成する複数の矩形のダイを含み、該ダイの表面は磁気抵抗多層膜(1)を備え、該磁気抵抗多層膜(1)は反強磁性層(4)を備え、該磁気抵抗多層膜(1)は磁気抵抗検出ユニットにパターン付けされ、該磁気抵抗検出ユニットの該反強磁性層(4)は該レーザ書込みシステムによって磁気的に配向されおよび指向的に配列され、該磁気抵抗検出ユニットはブリッジ・アームを形成するように電気的に接続され、該ブリッジ・アームは磁気抵抗センサを形成するように電気的に接続される、レーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウトにおいて、
該磁気抵抗検出ユニットが少なくとも2つの空間的に隔離された磁気抵抗配向グループを形成するように配置され、
各磁気抵抗配向グループにて、該磁気抵抗検出ユニットの該反強磁性層の磁化配向角度が同じであり、
該磁化配向角度の範囲は0から360度であり、
2つの隣接した磁気抵抗配向グループの該磁化配向角度が異なり、
各磁気抵抗配向グループは少なくとも1つの隣接したダイに同じ磁化配向角度を有する該磁気抵抗配向グループに隣接している、
レーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項2】
前記磁気抵抗検出ユニットはTMR検出ユニットまたはGMRスピン値検出ユニットであり、
前記磁気抵抗検出ユニットは強磁性自由層/非磁性隔離層/単一総スタック構造型強磁性基準層を備え、または
前記磁気抵抗検出ユニットは強磁性自由層/非磁性隔離層/多層膜構造型強磁性基準層を備え、
該単一総スタック構造型強磁性基準層は反強磁性層/強磁性基準層であり、
該多層膜構造型強磁性基準層は反強磁性層/n個の中間層/強磁性基準層であり、
該中間層は強磁性層/金属スペーシング層であり、nは1以上の整数であることを特徴とする、請求項1記載のレーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項3】
前記磁気抵抗センサは、リニア磁気抵抗センサまたは角度磁気抵抗センサであり、外部磁場が印加されていないとき、該リニア磁気抵抗センサに対応する前記磁気抵抗検出ユニットの強磁性自由層の磁化方向は、永久磁石バイアス、二重交換効果、および形状異方性の手段の1つまたは複数によって設定されることを特徴とする、請求項1記載の前記レーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項4】
前記磁気抵抗センサは、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサまたは複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサであり、
該単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサおよび該複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサは、それぞれ、フル・ブリッジ構造、
またはハーフ・ブリッジ構造であり、
前記単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサは、単軸Xリニア磁気抵抗センサおよび単軸X角度磁気抵抗センサを含み、
前記複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサは、複軸X-Yリニア磁気抵抗センサおよび複軸X-Y角度磁気抵抗センサを含み、
該単軸Xリニア磁気抵抗センサおよび該単軸X角度磁気抵抗センサは、Xプッシュ・アームおよびXプル・アームをそれぞれ備え、
該複軸X-Yリニア磁気抵抗センサおよび該複軸X-Y角度磁気抵抗センサは、Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームをそれぞれ備え、
該Xプッシュ・アームは、プッシュX軸磁気抵抗検出ユニットを備え、
該Xプル・アームは、プルX軸磁気抵抗検出ユニットを備え、
該Yプッシュ・アームは、プッシュY軸磁気抵抗検出ユニットを備え、
該Yプル・アームは、プルY軸磁気抵抗検出ユニットを備えることを特徴とする、請求項1記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項5】
前記プッシュX軸磁気抵抗検出ユニットは、0度の磁化配向角度を有するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(+θ11,-θ11)、(+θ12,-θ12)、・・・、(+θ1n,-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または0、(+θ11,-θ11)、
(+θ12,-θ12)、・・・、(+θ1n,-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
前記プルX軸磁気抵抗検出ユニットは、180度の磁化配向角度を有するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(180+θ11,180-θ11)、(180+θ12,180-θ12)、・・・、(180+θ1n,180-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または180、(180+θ11,180-θ11)、(180+θ12,180-θ12)、・・・、(180+θ1n,180-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
前記プッシュY軸磁気抵抗検出ユニットは、90度の磁化配向角度を有するYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(90+θ21,90-θ21)、(90+θ22,90-θ22)、・・・、(90+θ2n,90-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または90、(90+θ21,90-θ21)、(90+θ22,90-θ22)、・・・、(90+θ2n,90-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
前記プルY軸磁気抵抗検出ユニットは、270度の磁化配向角度を有するYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(270+θ21,270-θ21)、(270+θ22,270-θ22)、・・・、(270+θ2n,270-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または270、(270+θ21,270-θ21)、(270+θ22,270-θ22)、・・・、(270+θ2n,270-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
前記θ11、θ12、・・・、θ1n、θ21、θ22、・・・、θ2nの値はそれぞれ0から90度の間であり、およびnは1以上の正の整数である
ことを特徴とする、請求項4記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項6】
いずれかの磁気抵抗配向グループは、平行に配置され磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスを備え、
各磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、複数の磁気抵抗検出ユニットを備え、
該磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、互いに平行であることを特徴とする、請求項5記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項7】
前記単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記ハーフ・ブリッジ構造の前記配置は、以下の通りであり、すなわち、前記Xプッシュ・アームに対応する前記Xプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、および前記Xプル・アームに対応する前記Xプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは2行および1列または2列および1行にXプッシュ・アーム/Xプル・アームとして別々に配置され、前記磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、該行または該列の方向と平行であることを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項8】
前記単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記フル・ブリッジ構造の前記配置は、以下の通りであり、すなわち、前記Xプッシュ・アームに対応する前記Xプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、および前記Xプル・アームに対応する前記Xプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、4行および1列または4列および1行にXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム、Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、またはXプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アームとして別々に配置され、前記磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、前記行または前記列の方向と平行であることを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項9】
前記複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記ハーフ・ブリッジ構造の前記配置は、以下の通りであり、すなわち、前記Xプッシュ・アームに対応する前記Xプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、前記Xプル・アームに対応する前記Xプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、前記Yプッシュ・アームに対応する前記Yプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、および前記Yプル・アームに対応する前記Yプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、4行および1列または4列および1行にXプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Xプル・アーム、Xプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Yプル・アーム、またはYプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Yプル・アームとして別々に配置され、前記磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、前記行または前記列の方向と平行であることを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項10】
前記複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記フル・ブリッジ構造の前記配置は、以下の通りであり、すなわち、前記Xプッシュ・アームに対応する前記Xプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、前記Xプル・アームに対応する前記Xプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、前記Yプッシュ・アームに対応する前記Yプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、および前記Yプル・アームに対応する前記Yプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、8行および1列または8列および1行にXハーフ・ブリッジ/Yフル・ブリッジ/Xハーフ・ブリッジ、Yハーフ・ブリッジ/Xフル・ブリッジ/Yハーフ・ブリッジ、X複プッシュ・アーム/Yフル・ブリッジ/X複プル・アーム・ブリッジ、またはY複プッシュ・アーム/Xフル・ブリッジ/Y複プル・アームとして別々に配置され、該Xハーフ・ブリッジはXプッシュ・アーム/Xプル・アームであり、該Yハーフ・ブリッジはYプッシュ・アーム/Yプル・アームであり、該Xフル・ブリッジはXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム、Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、またはXプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アームであり、該Yフル・ブリッジはYプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプル・アーム、Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム、Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム、またはYプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アームであり、該X複プッシュ・アームはXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アームであり、該X複プル・アームはXプル・アーム/Xプル・アームであり、該Y複プッシュ・アームはYプッシュ・アーム/Yプッシュ・アームであり、前記磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、前記行または前記列の方向と平行であることを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項11】
前記Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム、前記Xプル・アーム/Xプル・アーム、前記Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム、および前記Yプル・アーム/Yプル・アームの配置構造では、2つのXプッシュ・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有する前記Xプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された前記磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされ、2つのXプル・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有する前記Xプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された前記磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされ、2つのYプッシュ・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有する前記Yプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された前記磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされ、2つのYプル・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有する前記Yプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された前記磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされる
ことを特徴とする、請求項10記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項12】
前記単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記フル・ブリッジ構造の前記配置は、以下の通りであり、すなわち、前記2つのXプッシュ・アームおよび前記2つのXプル・アームは、2行および2列のアレイとして配置され、前記2つのXプッシュ・アームおよび前記2つのXプル・アームは、それぞれ同じ行または同じ列に位置し、同じ磁気配向角度を有するとともに前記2つのXプッシュ・アームに対応する前記Xプル磁気抵抗配向グループ、または同じ磁気配向角度を有するとともに前記2つのXプル・アームに対応する前記Xプル磁気抵抗配向グループは、同じ行または同じ列の方向に沿って新しい磁気抵抗配向グループを形成することを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項13】
前記複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記フル・ブリッジ構造の前記配置は、以下の通りであり、すなわち、
前記2つのXプッシュ・アーム、2つのXプル・アーム、2つのYプッシュ・アームおよび2つのYプル・アームは、4行および4列のアレイに配置され、第2の行および第3の行は、それぞれ前記Xプッシュ・アームおよび前記Xプル・アームに対応し、第1の行および第4の行は、それぞれ前記Yプッシュ・アームおよび前記Yプル・アームに対応し、
あるいは該第2の行および該第3の行は、それぞれ前記Yプッシュ・アームおよび前記Yプル・アームに対応し、該第1の行および該第4の行は、それぞれ前記Xプッシュ・アームおよび前記Xプル・アームに対応し、
同じ行または同じ列における同じ磁気配向角度を有するとともに前記2つのXプッシュ・アームに対応する前記Xプッシュ磁気抵抗配向グループは、同じ行または同じ列の方向に沿って新しい磁気抵抗配向グループを形成し、あるいは同じ磁気配向角度を有するとともに前記2つのXプル・アームに対応する前記Xプル磁気抵抗配向グループは、同じ行または同じ列の方向に沿って新しい磁気抵抗配向グループを形成する
ことを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項14】
前記単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記Xプッシュ・アームおよびXプル・アームは、それぞれ少なくとも2つの隣接していないXプッシュ配向サブユニットおよびXプル配向サブユニットを備え、各配向サブユニットは1つまたは複数の磁気抵抗配向グループを備え、全ての該配向サブユニットは混合方式で配置され、2つの隣接した配向サブユニットは異なる
ことを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項15】
前記複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサの前記Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームは、それぞれ少なくとも2つの隣接していないXプッシュ配向サブユニット、Xプル配向サブユニット、Yプッシュ配向サブユニット、およびYプル配向サブユニットを備え、各配向サブユニットは、1つまたは複数の磁気抵抗配向グループを備え、全ての前記配向サブユニットは混合方式で配置され、2つの隣接した配向サブユニットは異なることを特徴とする、請求項6記載のレーザ書込みシステムに使用される前記磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項記載の磁気抵抗センサのウェハ・レイアウトのためのレーザ走査方法において、
S1: 走査シーケンスに従って、レーザ・スポットが、1つまたは複数の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査するステップと、
S2: 該走査プロセス時に該レーザ・スポットによってブロッキング温度を上回るまで磁気抵抗検出ユニットの反強磁性層を加熱するステップと、
S3: 該反強磁性層を冷却し、室温までの該冷却プロセス時に、該反強磁性層の磁化配向角度の方向に沿って外部磁場を印加するステップと、
S4: 該磁化配向角度で該磁気抵抗検出ユニットへの書込み動作を実現するように該外部磁場を取り除くステップとを含むことを特徴とするレーザ走査方法。
【請求項17】
ステップS1における前記レーザ・スポットが複数の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査する前記走査シーケンスは、
S11: 前記レーザ・スポットが、磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの方向に沿って隣接したダイごとに同じ磁化配向角度を有する該磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを順次走査するステップと、
S12: 別の行へ移り、同じ磁化配向角度を有する次の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを、同じ磁化配向角度を有する該磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットの該走査が完了するまで走査するステップと、
S13: ステップS12を完了した後に、異なる磁化配向角度を有する次の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査するステップとであることを特徴とする、請求項16記載のレーザ走査方法。
【請求項18】
ステップS1における前記レーザ・スポットが複数の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査する前記走査シーケンスは、
S11: 前記レーザ・スポットが、磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの方向に沿ってダイごとに同じ磁化配向角度を有する隣接した該磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを順次走査するステップと、
S12: 別の行へ移り、同じ磁化配向角度を有する次の隣接した磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを、同じ磁化配向角度を有する全ての磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットの該走査が完了するまで走査するステップと、
S13: ステップS12を完了した後に、異なる磁化配向角度を有する次の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査するステップとであることを特徴とする、請求項16記載のレーザ走査方法。
【請求項19】
前記ステップにおける前記レーザ・スポットが1つの磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査する前記走査シーケンスは、
S11: 前記レーザ・スポットが、前記磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの前記方向に沿って、単一の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットにおける前記磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスを順次走査するステップと、
S12: 別の行へ移り、反対方向に沿って次の単一の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットにおける前記磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスを、該単一の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットにおける全ての磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの該走査が完了するまで走査するステップとであることを特徴とする、請求項17または18記載のレーザ走査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気センサの分野に関し、詳細には、レーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウト、およびレーザ走査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プッシュ・プル磁気抵抗センサは、高感度信号および温度補償性能のために設計において幅広く使用されている。しばしば、フリップ・ダイ方法は、プッシュ磁気抵抗検出ユニットおよびプル磁気抵抗検出ユニットを得るために使用される。X軸磁気抵抗センサなどの単軸磁気抵抗センサについては、少なくとも2つのダイが必要とされ、ダイの回転角度がそれぞれ0度および180度回される必要がある。2軸X-Y磁気抵抗センサなどの2軸磁気抵抗センサについては、少なくとも4つのダイが必要とされ、ダイの回転角度がそれぞれ0度,90度、180度、および270度である必要がある。多くのダイが必要であることは不利であり、ダイの角度アライメントは機械操作によって行われ、したがって、センサの性能を劣化させる角度誤差がある。また、センサのダイは、リード線を介して接続される必要があり、プロセスの複雑さを増大させる。
【0003】
別の解決策は、軟強磁性磁束集束器を通過した後にX方向外部磁場の方向をX方向と-X方向に向けるために、軟強磁性磁束集束器を用いて磁気抵抗検出ユニット・ストリングスに特定の磁路を構築するものである。すなわち、プッシュ・プル磁気抵抗センサの用意は、磁気抵抗センサ膜の検出方向を変えないままで、多層膜構造付近の磁場方向を変えることによって実現される。この方法の欠点は、軟強磁性磁束集束器の導入によりプロセスの複雑さを増大させ、さらに、磁気抵抗センサの線形性は、軟強磁性磁束集束器内の磁区の移動によって引き起こされるヒステリシスにより影響を受け得ることである。
【0004】
さらに、統計的平均化の観点から、Xおよび-X磁気抵抗検出ユニットについては、磁気抵抗検出ユニットは、0度および180度の配向角度を有するが、製作公差は約0度および約180度の方向で角度分布を生じさせる。Yおよび-Y磁気抵抗検出ユニットについては、磁気抵抗検出ユニットは、90度および270度の配向角度を有し、多くの磁気抵抗検出ユニットは、中心として90度および270度をとる一定範囲内の分布を有する。通常、配向角度範囲は、-90から+90度の範囲内で変動する。したがって、複軸X-Yリニア・センサまたは角度センサについては、不正確なダイ配置により引き起こされるいくらかの誤差なしで、0から360度の範囲内の磁場を正確に測定することは容易でない。
【0005】
レーザ走査方法では、磁気抵抗検出ユニット(TMRまたはGMRスピン値磁気抵抗検出ユニットなどの磁気抵抗検出ユニット)の多層膜構造は、レーザを走査することによって反強磁性層のブロッキング温度を上回る温度まで加熱され、Xまたは-X、Yまたは-Yの方向、および(-90、+90)の広がった角度における方向の外部磁場の印加が、冷却プロセス時に特定の方向に沿って適用され、したがって、プッシュ・プル単軸または複軸磁気抵抗センサを製造することもでき、それによって反強磁性層の磁化方向はセンサの多層膜構造を変化させることなくレーザ熱アニーリングによって変更することができ、ダイ配置および軟強磁性磁束集束器の追加の問題を避けることができる。しかしながら、製造中のウェハには多数の磁気抵抗検出ユニットが存在する。単軸または複軸磁気抵抗センサの様々な磁気モーメント配向を有する磁気抵抗検出ユニットの適切なレイアウト設計の選択の仕方、およびレーザ書込みプロセスの効率を改善するための適切なレーザ走査経路の選択の仕方が、本発明によって解決される課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、レーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウトを開示する。このウェハ・レイアウトは、アレイを形成する複数の矩形のダイを含み、ダイの各々の表面は磁気抵抗多層膜を備え、磁気抵抗多層膜は反強磁性層を備え、磁気抵抗多層膜は磁気抵抗検出ユニットにパターン付けされ、磁気抵抗検出ユニットの反強磁性層はレーザ書込みシステムによって磁気的に配向されおよび指向的に配列され、磁気抵抗検出ユニットはブリッジ・アームを形成するように電気的に接続される、レーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウトにおいて、ブリッジ・アームは磁気抵抗センサを形成するように電気的に接続され、磁気抵抗検出ユニットが少なくとも2つの空間的に隔離された磁気抵抗配向グループを形成するように配置され、各磁気抵抗配向グループにて、磁気抵抗検出ユニットの反強磁性層の磁化配向角度が同じであり、磁化配向角度の範囲は0から360度であり、2つの隣接した磁気抵抗配向グループの磁化配向角度が異なり、各磁気抵抗配向グループは少なくとも1つの隣接したダイに同じ磁化配向角度を有する磁気抵抗配向グループに隣接している。
【0007】
さらに、磁気抵抗検出ユニットはTMR検出ユニットまたはGMRスピン値検出ユニットであり、磁気抵抗検出ユニットは強磁性自由層/非磁性隔離層/単一総スタック構造型強磁性基準層を備え、または磁気抵抗検出ユニットは、強磁性自由層/非磁性隔離層/多層膜構造型強磁性基準層を備え、単一総スタック構造型強磁性基準層は反強磁性層/強磁性基準層であり、多層膜構造型強磁性基準層は反強磁性層/n個の中間層/強磁性基準層であり、中間層は強磁性層/金属スペーシング層であり、nは1以上の整数である。
【0008】
さらに、磁気抵抗センサは、リニア磁気抵抗センサまたは角度磁気抵抗センサであり、外部磁場が印加されていないとき、リニア磁気抵抗センサに対応する磁気抵抗検出ユニットの強磁性自由層の磁化方向は、永久磁石バイアス、二重交換効果、および形状異方性の手段の1つまたは複数によって設定される。
【0009】
さらに、磁気抵抗センサは、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサまたは複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサであり、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサおよび複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサは、それぞれ、フル・ブリッジ構造、ハーフ・ブリッジ構造、または準ブリッジ構造であり、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサは、単軸Xリニア磁気抵抗センサおよび単軸X角度磁気抵抗センサを含み、複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサは、複軸X-Yリニア磁気抵抗センサおよび複軸X-Y角度磁気抵抗センサを含み、単軸Xリニア磁気抵抗センサおよび単軸X角度磁気抵抗センサは、Xプッシュ・アームおよびXプル・アームをそれぞれ備え、複軸X-Yリニア磁気抵抗センサおよび複軸X-Y角度磁気抵抗センサは、Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームをそれぞれ備え、Xプッシュ・アームは、プッシュX軸磁気抵抗検出ユニットを備え、Xプル・アームは、プルX軸磁気抵抗検出ユニットを備え、Yプッシュ・アームは、プッシュY軸磁気抵抗検出ユニットを備え、Yプル・アームは、プルY軸磁気抵抗検出ユニットを備える。
【0010】
さらに、プッシュX軸磁気抵抗検出ユニットは、0度の磁化配向角度を有するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(+θ11,-θ11)、(+θ12,-θ12)、・・・、(+θ1n,-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または0、(+θ11,-θ11)、(+θ12,-θ12)、・・・、(+θ1n,-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
プルX軸磁気抵抗検出ユニットは、180度の磁化配向角度を有するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(180+θ11,180-θ11)、(180+θ12,180-θ12)、・・・、(180+θ1n,180-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または180、(180+θ11,180-θ11)、(180+θ12,180-θ12)、・・・、(180+θ1n,180-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
プッシュY軸磁気抵抗検出ユニットは、90度の磁化配向角度を有するYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(90+θ21,90-θ21)、(90+θ22,90-θ22)、・・・、(90+θ2n,90-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または90、(90+θ21,90-θ21)、(90+θ22,90-θ22)、・・・、(90+θ2n,90-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
プルY軸磁気抵抗検出ユニットは、270度の磁化配向角度を有するYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(270+θ21,270-θ21)、(270+θ22,270-θ22)、・・・、(270+θ2n,270-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または270、(270+θ21,270-θ21)、(270+θ22,270-θ22)、・・・、(270+θ2n,270-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、
θ11、θ12、・・・、θ1n、θ21、θ22、・・・、θ2nの値はそれぞれ0から90度の間であり、およびnは1以上の正の整数である。
【0011】
さらに、いずれかの磁気抵抗配向グループは、平行に配置され磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスを備え、各磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、複数の磁気抵抗検出ユニットを備え、磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、互いに平行である。
【0012】
さらに、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサのハーフ・ブリッジ構造の配置は、以下の通りであり、すなわち、Xプッシュ・アームに対応するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、およびXプル・アームに対応するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは2行および1列または2列および1行にXプッシュ・アーム/Xプル・アームとして別々に配置され、磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、行または列の方向と平行である。
【0013】
さらに、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサのフル・ブリッジ構造の配置は、以下の通りであり、すなわち、Xプッシュ・アームに対応するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、およびXプル・アームに対応するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、4行および1列または4列および1行にXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム、Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、またはXプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アームとして別々に配置され、磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、行または列の方向と平行である。
【0014】
さらに、複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサのハーフ・ブリッジ構造の配置は、以下の通りであり、すなわち、Xプッシュ・アームに対応するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、Xプル・アームに対応するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、Yプッシュ・アームに対応するYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、およびYプル・アームに対応するYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、4行および1列または4列および1行にXプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Xプル・アーム、Xプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Yプル・アーム、またはYプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Yプル・アームとして別々に配置され、磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、行または列の方向と平行である。
【0015】
さらに、複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサのフル・ブリッジ構造の配置は、以下の通りであり、すなわち、Xプッシュ・アームに対応するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、Xプル・アームに対応するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、Yプッシュ・アームに対応するYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングス、およびYプル・アームに対応するYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、8行および1列または8列および1行にXハーフ・ブリッジ/Yフル・ブリッジ/Xハーフ・ブリッジ、Yハーフ・ブリッジ/Xフル・ブリッジ/Yハーフ・ブリッジ、X複プッシュ・アーム/Yフル・ブリッジ/X複プル・アーム・ブリッジ、またはY複プッシュ・アーム/Xフル・ブリッジ/Y複プル・アームとして別々に配置され、Xハーフ・ブリッジはXプッシュ・アーム/Xプル・アームであり、Yハーフ・ブリッジはYプッシュ・アーム/Yプル・アームであり、Xフル・ブリッジはXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム、Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、またはXプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アームであり、Yフル・ブリッジはYプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプル・アーム、Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム、Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム、またはYプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アームであり、X複プッシュ・アームはXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アームであり、X複プル・アームはXプル・アーム/Xプル・アームであり、Y複プッシュ・アームはYプッシュ・アーム/Yプッシュ・アームであり、磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは行または列の方向と平行である。
【0016】
さらに、Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム/Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム、およびYプル・アーム/Yプル・アームの配置構造では、2つのXプッシュ・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされ、2つのXプル・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされ、2つのYプッシュ・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有するYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされ、2つのYプル・アームに対応するとともに同じ磁気配向角度を有するYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット・ストリングスによって形成された磁気抵抗配向グループは、新しい磁気抵抗配向グループに組み合わされる。
【0017】
さらに、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサのフル・ブリッジ構造の配置は、以下の通りであり、すなわち、2つのXプッシュ・アームおよび2つのXプル・アームは、2行および2列のアレイとして構成され、2つのXプッシュ・アームおよび2つのXプル・アームは、それぞれ同じ行または同じ列に位置し、同じ磁気配向角度を有するとともに2つのXプッシュ・アームに対応するXプル磁気抵抗配向グループ、または同じ磁気配向角度を有するとともに2つのXプル・アームに対応するXプル磁気抵抗配向グループは、同じ行または同じ列の方向に沿って新しい磁気抵抗配向グループを形成する
【0018】
さらに、
複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサのフル・ブリッジ構造の配置は、以下の通りであり、すなわち、
2つのXプッシュ・アーム、2つのXプル・アーム、2つのYプッシュ・アームおよび2つのYプル・アームは、4行および4列のアレイに配置され、第2の行および第3の行は、それぞれXプッシュ・アームおよびXプル・アームに対応し、第1の行および第4の行は、それぞれYプッシュ・アームおよびYプル・アームに対応し、
あるいは第2の行および第3の行は、それぞれYプッシュ・アームおよびYプル・アームに対応し、第1の行および第4の行は、それぞれXプッシュ・アームおよびXプル・アームに対応し、
同じ行または同じ列における同じ磁気配向角度を有するとともに2つのXプッシュ・アームに対応するXプッシュ磁気抵抗配向グループは、同じ行または同じ列の方向に沿って新しい磁気抵抗配向グループを形成し、あるいは同じ磁気配向角度を有するとともに2つのXプル・アームに対応するXプル磁気抵抗配向グループは、同じ行または同じ列の方向に沿って新しい磁気抵抗配向グループを形成する。
【0019】
さらに、単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサのXプッシュ・アームおよびXプル・アームは、それぞれ少なくとも2つの隣接していないXプッシュ配向サブユニットおよびXプル配向サブユニットを備え、各配向サブユニットは1つまたは複数の磁気抵抗配向グループを備え、全ての配向サブユニットは混合方式で配置され、2つの隣接した配向サブユニットは異なる。
【0020】
さらに、複軸X-Yプッシュ・プル磁気抵抗センサのXプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームは、それぞれ少なくとも2つの隣接していないXプッシュ配向サブユニット、Xプル配向サブユニット、Yプッシュ配向サブユニット、およびYプル配向サブユニットを備え、各配向サブユニットは、1つまたは複数の磁気抵抗配向グループを備え、全ての配向サブユニットは混合方式で配置され、2つの隣接した配向サブユニットは異なる。
【0021】
本発明は、磁気抵抗センサのウェハ・レイアウトのためのレーザ走査方法をさらに提供する。この方法は、
S1: 走査シーケンスに従って、レーザ・スポットが、1つまたは複数の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査するステップと、
S2: 走査プロセス時にレーザ・スポットによってブロッキング温度を上回るまで磁気抵抗検出ユニットの反強磁性層を加熱するステップと、
S3: 反強磁性層を冷却し、室温までの冷却プロセス時に、反強磁性層の磁化配向角度の方向に沿って外部磁場を印加するステップと、
S4: 磁化配向角度で磁気抵抗検出ユニットへの書込み動作を実現するように外部磁場を取り除くステップと
を含む。
【0022】
さらに、ステップS1におけるレーザ・スポットが複数の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査する走査シーケンスは、
S11: レーザ・スポットが、磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの方向に沿って隣接したダイごとに同じ磁化配向角度を有する磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを順次走査するステップと、
S12: 別の行へ移り、同じ磁化配向角度を有する次の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを、同じ磁化配向角度を有する磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットの走査が完了するまで走査するステップと、
S13: ステップS12を完了した後に、異なる磁化配向角度を有する次の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査するステップとである。
【0023】
さらに、ステップS1におけるレーザ・スポットが複数の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査する走査シーケンスは、
S11: レーザ・スポットが、磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの方向に沿ってダイごとに同じ磁化配向角度を有する隣接した磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを順次走査するステップと、
S12: 別の行へ移り、同じ磁化配向角度を有する次の隣接した磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを、同じ磁化配向角度を有する全ての磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットの走査が完了するまで走査するステップと、
S13: ステップS12を完了した後に、異なる磁化配向角度を有する次の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査するステップとである。
【0024】
さらに、ステップにおけるレーザ・スポットが1つの磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットを走査する走査シーケンスは、
S11: レーザ・スポットが、磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの方向に沿って、単一の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットにおける磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスを順次走査するステップと、
S12: 別の行へ移り、反対方向に沿って次の単一の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットにおける磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスを、単一の磁気抵抗配向グループまたは配向サブユニットにおける全ての磁気的に配向された磁気抵抗検出ユニット・ストリングスの走査が完了するまで走査するステップとである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によって提供されるレーザ書込みシステムに使用される磁気抵抗センサのウェハ・レイアウトは、単一チップ・プッシュ・プル・ブリッジ磁気センサを製造している間、レーザ走査プロセスに必要な時間を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】TMRまたはGMRスピン値検出ユニットの多層膜構造の概略図である。
【
図2(a)-2(b)】リニア磁気抵抗センサの磁気抵抗検出ユニットの概略図である。
【
図3(a)-3(b)】角度磁気抵抗センサの磁気抵抗検出ユニットの概略図である。
【
図4】+X方向磁気抵抗検出ユニットのピンニング層の配向分布図である。
【
図5】-X方向磁気抵抗検出ユニットのピンニング層の配向分布図である。
【
図6】+Y方向磁気抵抗検出ユニットのピンニング層の配向分布図である。
【
図7】-Y方向磁気抵抗検出ユニットのピンニング層の配向分布図である。
【
図8】TMR磁気抵抗検出ユニットのマルチ・スタック層構造の概略
図1である。
【
図9】TMR磁気抵抗検出ユニットのマルチ・スタック層構造の概略
図2である。
【
図10】+Xプッシュ・アーム磁気配向式磁気抵抗検出ユニット、およびそれらの磁気抵抗配向グループの分布図である。
【
図11】-Xプル・アーム磁気配向式磁気抵抗検出ユニット、およびそれらの磁気抵抗配向グループの分布図である。
【
図12】+Yプッシュ・アーム磁気配向式磁気抵抗検出ユニット、およびそれらの磁気抵抗配向グループの分布図である。
【
図13】-Yプル・アーム磁気配向式磁気抵抗検出ユニット、およびそれらの磁気抵抗配向グループの分布図である。
【
図14(a)-14(b)】プッシュ・プル磁気抵抗検出ユニットのブリッジ構造の概略図である。
【
図15(a)-15(b)】単軸Xプッシュ・プル・ハーフ・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気抵抗配向グループの分布図である。
【
図16(a)-16(c)】単軸Xプッシュ・プル・ハーフ・ブリッジ磁気抵抗センサの混合型の磁気抵抗配向グループの分布図である。
【
図17(a)-17(c)】単軸Xプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気抵抗配向グループの分布
図1である。
【
図18(a)-18(c)】単軸Xプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気抵抗配向グループの分布
図2である。
【
図19】単軸Xプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気配向グループの分布
図3である。
【
図20】単軸Xプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気配向グループの分布
図4である。
【
図21】単軸Xプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの混合型の磁気配向グループの分布
図1である。
【
図22】単軸Xプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの混合型の磁気配向グループの分布
図2である。
【
図23】複軸X-Yプッシュ・プル・ハーフ・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気配向グループの分布
図1である。
【
図24】複軸X-Yプッシュ・プル・ハーフ・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気配向グループの分布
図2である。
【
図25】複軸X-Yプッシュ・プル・ハーフ・ブリッジ磁気抵抗センサの混合型の磁気配向グループの分布
図1である。
【
図26】複軸X-Yプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気配向グループの分布
図1である。
【
図27】複軸X-Yプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの隔離型の磁気配向グループの分布
図2である。
【
図28】複軸X-Yプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの混合型の磁気配向グループの分布
図1である。
【
図29】複軸X-Yプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの混合型の磁気配向グループの分布
図2である。
【
図30】レーザ磁気抵抗検出ユニットのための磁気配向書込みシステムの概略図である。
【
図32】ウェハ磁気抵抗センサ・ダイ・アレイ、およびそのレーザ走査
図1である。
【
図33】ウェハ磁気抵抗センサ・ダイ・アレイ、およびそのレーザ走査
図2である。
【
図34】ウェハ磁気抵抗センサ・ダイ・アレイ、およびそのレーザ走査
図3である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面において、1-磁気抵抗多層膜、2-角度磁気抵抗センサに対応する多層膜構造。3-リニア磁気抵抗検出ユニットに対応する多層膜構造、4-反強磁性層、5-強磁性基準層、6-非磁性隔離層、7-強磁性自由層、8-強磁性基準層の磁化方向、9-強磁性自由層の磁化方向、10-強磁性基準層の磁化方向、11-強磁性自由層の磁化方向である。
【0028】
本発明の各実施形態の目的、技術的解決策、および効果をより明確にさせるために、本発明の各実施形態における技術的解決策は、本発明の各実施形態において、以下、図面を参照して明確かつ完全に説明される。明らかに、説明した実施形態は、実施形態の全部ではなく、本発明の実施形態の一部である。
【0029】
<実施形態1>
図1は、GMRスピン値またはTMR感知ユニットである磁気抵抗検出ユニットの多層膜構造の概略図である。多層膜構造1は、反強磁性層4、強磁性基準層5、非磁性隔離層6、および強磁性自由層7を上から下に順に備えており、2は、角度磁気抵抗センサに対応する多層膜構造であり、強磁性基準層5の磁化方向8は角度磁気抵抗センサの磁場敏感方向であり、強磁性自由層7の磁化方向9は外部磁場の方向に沿って自由に回転することができ、3はリニア磁気抵抗検出ユニットに対応する多層膜構造であり、外部磁場が印加されていないとき、強磁性基準層5の磁化方向10および強磁性自由層7の磁化方向11は互いに直交し、このとき、強磁性自由層の磁化方向は、永久磁石バイアス、二重交換効果、および形状異方性の手段の1つまたは複数によって設定される。本出願では、強磁性自由層の磁化方向は、強磁性基準層の磁化方向に直交するように設定される。
【0030】
図2および
図3は、それぞれリニア磁気抵抗検出ユニットおよび角度磁気抵抗検出ユニットに対応する形状であり、リニア磁気抵抗検出ユニットは楕円形状にあり、強磁性基準層の磁化方向は楕円の短軸方向に沿っており、自由層の磁化方向は長軸方向に沿っており、
図2(a)および
図2(b)は、それぞれX軸磁気抵抗検出ユニットおよびY軸磁気抵抗検出ユニットであり、角度磁気抵抗検出ユニットは、通常、円形にあり、基準層の磁化方向は磁場敏感方向であり、
図3(a)および
図3(b)は、それぞれX軸角度磁気抵抗検出ユニットおよびY軸角度磁気抵抗検出ユニットである。
【0031】
図4および
図5は、拡張されたX軸リニアまたは角度磁気抵抗センサの+X軸磁気抵抗検出ユニットおよび-X軸磁気抵抗検出ユニットにおける対応するピンニング層の磁化方向の分布図である。
図6および
図7は、拡張されたY軸リニアまたは角度磁気抵抗センサの+Y軸磁気抵抗検出ユニットおよび-Y軸磁気抵抗検出ユニットにおける対応するピンニング層の磁化方向の分布図である。プッシュX軸磁気抵抗検出ユニットは、0度の磁化配向角度を有するXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(+θ11,-θ11)、(+θ12,-θ12)、・・・、(+θ1n,-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または0、(+θ11,-θ11)、(+θ12,-θ12)、・・・、(+θ1n,-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのXプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、プルX軸磁気抵抗検出ユニットは、180度の磁化配向角度を有するXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(180+θ11,180-θ11)、(180+θ12,180-θ12)、・・・、(180+θ1n,180-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または180、(180+θ11,180-θ11)、(180+θ12,180-θ12)、・・・、(180+θ1n,180-θ1n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのXプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、プッシュY軸磁気抵抗検出ユニットは、90度の磁化配向角度を有するYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(90+θ21,90-θ21)、(90+θ22,90-θ22)、・・・、(90+θ2n,90-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または90、(90+θ21,90-θ21)、(90+θ22,90-θ22)、・・・、(90+θ2n,90-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのYプッシュ磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、プルY軸磁気抵抗検出ユニットは、270度の磁化配向角度を有するYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または(270+θ21,270-θ21)、(270+θ22,270-θ22)、・・・、(270+θ2n,270-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n個のタイプのYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニット、または270、(270+θ21,270-θ21)、(270+θ22,270-θ22)、・・・、(270+θ2n,270-θ2n)度の磁化配向角度を有する全体で2n+1個のタイプのYプル磁気的配向式磁気抵抗検出ユニットを備え、θ11、θ12、・・・、θ1n、θ21、θ22、・・・、θ2nの値は、それぞれ0から90度の間であり、およびnは、1以上の正の整数である。
【0032】
磁気抵抗検出ユニットは、強磁性自由層/非磁性隔離層/単一総スタック構造型強磁性基準層を備え、または磁気抵抗検出ユニットは、強磁性自由層/非磁性隔離層/多層膜構造型強磁性基準層を備える。
図8および
図9は、+X軸および-X軸磁気抵抗検出ユニットに対応するTMR磁気抵抗検出ユニットの強磁性基準層の2つの多層膜構造、すなわち、単一スタック層およびマルチ・スタック層であり、単一総スタック構造型強磁性基準層は反強磁性層/強磁性基準層であり、多層膜構造型強磁性基準層は反強磁性層/n個の中間層/強磁性基準層であり、中間層は強磁性層/金属スペーシング層であり、nは1以上の整数である。+X軸磁気抵抗検出ユニットおよび-X軸磁気抵抗検出ユニットについては、強磁性基準層の方向は、反強磁性(AF)層の磁化方向を制御することによって制御することができ、+X軸磁気抵抗検出ユニットおよび-X軸磁気抵抗検出ユニットは、反強磁性層の+Xおよび-Xの反対の磁化方向を有することが理解できる。同様に、+Yおよび-Y磁気抵抗検出ユニットは、単一スタック層またはマルチ・スタック層の磁化方向を+Yまたは-Y方向にただ制御することによって実現することができる。
【0033】
図10、
図11、
図12、および
図13は、それぞれ+X軸、-X軸、+Y軸、および-Y軸磁気抵抗検出ユニット、およびそれらの磁気抵抗配向グループの分布図であり、+X軸磁気抵抗検出ユニットの配置方法20については、同じ磁化配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット21は、磁気抵抗検出ユニット・ストリングス22として配置され、同じ磁化配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、磁気抵抗配向グループ23を形成し、20は、0、(+θ11,-θ11)、(+θ12,-θ12)、・・・、(+θ1n-1,-θ1n-1)、(+θ1n,-θ1n)度の磁化配向角度を有する2n+1磁気抵抗配向グループを含み、-X軸磁気抵抗検出ユニットの配置方法30については、同じ磁化配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット31は、磁気抵抗検出ユニット・ストリングス32として配置され、同じ磁化配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、磁気抵抗配向グループ33を形成し、30は、180、(180+θ11,180-θ11)、(180+θ12,180-θ12)、・・・、(180+θ1n-1,180-θ1n-1)、(180+θ1n,180-θ1n)度の磁化配向角度を有する2n+1磁気抵抗配向グループを含み、+Y軸磁気抵抗検出ユニットの配置方法40については、同じ磁化磁気配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット41は、磁気抵抗検出ユニット・ストリングス42として配置され、同じ磁気配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、磁気抵抗配向グループ43を形成し、40は、90、(90+θ11,90-θ11)、(90+θ12,90-θ12)、・・・、(90+θ1n-1,90-θ1n-1)、(90+θ1n,90-θ1n)度の磁気配向角度を有する2n+1磁気抵抗配向グループを備え、-Y軸磁気抵抗検出ユニットの配置方法50については、同じ磁気配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット51は、磁気抵抗検出ユニット・ストリングス52として配置され、同じ磁気配向角度を有する磁気抵抗検出ユニット・ストリングスは、磁気抵抗配向グループ53を形成し、50は、270、(270+θ11,270-θ11)、(270+θ12,270-θ12)、・・・、(270+θ1n-1,270-θ1n-1)、(270+θ1n,270-θ1n)度の磁気配向角度を有する2n+1磁気抵抗配向グループを備え、θ11、θ12、・・・、θ1n、θ21、θ22、・・・、θ2nの値は、それぞれ0から90度の間であり、およびnは、1以上の正の整数である。簡単にするために、磁気抵抗配向グループ23、33、43、および53等は、それぞれ対応する長いストリップ24、34、44、および54を用いて表され、その磁気配向角度値がマークされる。
【0034】
さらに、
図10~
図13に示された+X軸、-X軸、+Y軸、および-Y軸磁気抵抗検出ユニットの磁気的に配向された様々な対応する磁気抵抗検出ユニットは、磁気抵抗配向グループを形成する。磁気抵抗検出ユニットは、Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームを形成するように接続され、次いで、ブリッジ・アームが、
図14に示されたプッシュ・プル磁気抵抗センサ・ブリッジ:単軸Xプッシュ・プル・リニア、もしくは角度磁気抵抗センサ・ブリッジ、または複軸X-Yプッシュ・プル・リニア、もしくは角度磁気抵抗センサ・ブリッジを形成するように接続される。
【0035】
図14は、プッシュ・プル複軸磁気抵抗センサのフル・ブリッジ構造の図であり、
図14(a)において、VbiasおよびGNDはプッシュ・プルY軸磁気抵抗センサの電源端および接地端にそれぞれ対応し、
図14(b)において、VbiasおよびGNDはプッシュ・プルX軸磁気抵抗センサの電源端および接地端のそれぞれ対応し、V1およびV2はそれぞれプッシュ・プルY軸磁気抵抗センサのフル・ブリッジ信号出力端であり、V3およびV4はそれぞれプッシュ・プルX軸磁気抵抗センサのフル・ブリッジ信号出力端であり、Y軸プッシュ・プル磁気抵抗センサは2つのYブーム、すなわち、TMR3およびTMR4を備えるとともに、2つのYプル・アーム、すなわち、TMR1およびTMR2をさらに備え、X軸プッシュ・プル磁気抵抗センサは、2つのXプッシュ・アーム、すなわち、TMR5およびTMR6と、2つのXプル・アーム、すなわち、TMR7およびTMR8とを備える。プッシュ・プル・フル・ブリッジに加えて、プッシュ・プル・ハーフ・ハーフ・ブリッジ、または準ブリッジ構造が形成されてもよい。
【0036】
<実施形態2>
図15および
図16は、ダイ上の単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサ・ハーフ・ブリッジの典型的な2つの配置方法である。
図15は、隔離型の配置方法である。
図15(a)に示されるように、Xプッシュ・アームに対応する+X配向の磁気抵抗検出ユニット・グループ、およびXプル・アームに対応する-X配向の磁気抵抗検出ユニット・グループは、2行および1列または2列および1行を形成するように別々に配置される。
図15(a)は、2行および1列の配置方法;Xプッシュ・アーム/Xプル・アームを与え、磁気抵抗配向グループの配置は、
図15(b)に示されており、Xプッシュ・シリーズ、すなわち、θ1nシリーズ磁気抵抗配向グループ60、およびXプル・シリーズ、すなわち、θ2nシリーズ磁気抵抗配向グループ61は、互いから隔離され、行の方向と平行である。
【0037】
図16は、ハイブリッド配置方法である。
図16(a)中の(+X)+(-X)に対応する矩形は、混合された配置を表す。
図16(b)および
図16(c)は、θ1nシリーズおよびθ2nシリーズ磁気抵抗配向グループの典型的な2つの混合された配置方法であり、
図16(b)において、θ1nシリーズ中の各磁気抵抗配向グループθ1i 62等、およびθ2nシリーズ中の各磁気抵抗配向グループθ2i 63等は、θ1i/θ2i 62等/63の混合された配置を形成し、一方、
図16(c)において、θ1nシリーズ中の各磁気抵抗配向グループθ1iおよびθ2iシリーズは、まず、2つ以上のプッシュ配向サブユニット70等とプル配向サブユニット73等に分割されており、各プッシュ配向サブユニット70等は、1つまたは複数のプッシュ磁気抵抗配向グループ71および72等を備え、各プル配向サブユニット73等は、1つまたは複数のプル磁気抵抗配向グループ74および75等を備え、そしてプッシュ配向サブユニットおよびプル配向サブユニットが混合された配置を形成するとき、2つの隣接した配向サブユニットは異なり、それぞれプッシュ配向サブユニットまたはプル配向サブユニットに対応する。
【0038】
図17~
図22は、ダイ上の単軸Xプッシュ・プル磁気抵抗センサの典型的な2つの配置方法である。
図17~
図20は隔離された配置であり、
図21~
図22は混合された配置であり、
図17(a)において、Xプッシュ・アームおよびXプル・アームは、2行および2列の配置方法を形成し、2つのプッシュ・アームは同じ行または列に位置するとともに、2つのプル・アームは他の行または列に位置する。
図17(b)は、対応する2つのθ1iシリーズ80および81の磁気抵抗配向グループ、ならびに2つのθ2iシリーズ82および83の磁気抵抗配向グループの配置であり、2つのθ1iシリーズの磁気抵抗配向グループ80および81に対応する等価な磁気抵抗配向グループは、84および85と互いに一対一に対応し、互いに平行であり、同じ行または列に位置し、同様に、2つのθ2iシリーズの磁気抵抗配向グループ82および83に対応する等価な磁気抵抗配向グループは、86および87と互いに一対一に対応し、互いに平行であり、同じ行または列に位置する。さらに、
図17(c)に示されるように、同じ行の2つのθ1iシリーズの磁気抵抗配向グループが組み合わされて新しいθ1iシリーズの磁気抵抗配向グループ88を形成する。
図17(b)において、同じ行または列の2つの等価な磁気配向グループ84および85が組み合わされて、同じ行または列の方向に沿って新しい等価な磁気配向グループ90を形成し、同じ行の2つのθ2iシリーズの磁気抵抗配向グループが組み合わされて新しいθ2iシリーズの磁気抵抗配向グループ89を形成し、同じ行または列の2つの等価な磁気抵抗配向グループ86および87が組み合わされて、同じ行または列の方向に沿って新しい等価な磁気抵抗配向グループ91を形成する。2つの等価な磁気抵抗配向グループの組合せは、縦の組合せである。
【0039】
図18は、Xプッシュ・アームおよびXプル・アームが4行および1列または4列および1行に配置される構造である。
図18(a)は、Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アームの配置であり、2つのXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム/Xプル・アームが組み合わされて新しいXプッシュ・アームおよびXプル・アームを形成することができる。
図18(b)は、対応するXプッシュ・アーム/Xプッシュ・アームに対応するθ1iシリーズの磁気抵抗配向グループの組合せの状況であり、2つの等価な磁気抵抗配向グループ92および93は、同じ列の2つの隣接した行に位置し、互いに平行であり、組み合わされて
図18(c)に示される新しい等価な磁気配向グループ94を形成する。したがって、Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アームおよびXプル・アーム/Xプル・アームが組み合わされて新しいXプッシュ・アームおよびXプル・アームを形成し、2つの等価な磁気抵抗配向グループの組合せは、横の組合せである。
【0040】
図19~
図20は、2つのXプッシュ・アームおよび2つのXプル・アームの他のタイプの隔離された配置であり、
図19は、Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アームであり、
図20は、Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アームである。
【0041】
図21および
図22は、混合された配置であり、
図21において、2列および1行または2行および1列のアレイが形成され、一方のXプッシュ・アームおよび一方のXプル・アームが混合構造を形成し、他方のXプッシュ・アームおよび他方のXプル・アームも、混合構造を形成し、2つの混合構造が同じであり、さらに、2つの混合構造は、同じ列または同じ行の方向に沿って縦に組み合わされる。
【0042】
図22において、2つのXプッシュ・アームおよび2つのXプル・アームは、同じ列または同じ行の方向に沿って混合方式で配置されている。
【0043】
図23~
図25は、複軸X-Yプッシュ・プル・ハーフ・ブリッジ磁気抵抗センサの配置図である。
図23~
図24は2つの隔離型の構造であり、
図25は混合型の構造である。
図23~
図24において、Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームは、4行および1列または4列および1行のアレイを形成する。
図23において、配置シーケンスは、Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アームであり、
図24において、配置シーケンスは、Yプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Yプル・アームである。その上、他の組合せが形成されてもよい。
図25は、混合された配置方法であり、Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームは、混合型の配置を形成する。
【0044】
図26~
図29は、複軸X-Yプッシュ・プル・フル・ブリッジ磁気抵抗センサの配置図である。
図26~
図27は典型的な2つの隔離型の構造であり、
図28~
図29は混合型の構造である。
図26において、全てのXプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームは、8行および1列または8列および1行の構造を形成し、以下のいくつかの構造、Xハーフ・ブリッジ/Yフル・ブリッジ/Xハーフ・ブリッジ、Yハーフ・ブリッジ/Xフル・ブリッジ/Yハーフ・ブリッジ、X複プッシュ・アーム/Yフル・ブリッジ/X複プル・アーム・ブリッジ、およびY複プッシュ・アーム/Xフル・ブリッジ/Y複プル・アームが形成され得、Xハーフ・ブリッジは、Xプッシュ・アーム/Xプル・アームであり、Yハーフ・ブリッジは、Yプッシュ・アーム/Yプル・アームであり、Xフル・ブリッジは、Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム、Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、Xプル・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アーム/Xプル・アーム、またはXプッシュ・アーム/Xプル・アーム/Xプル・アーム/Xプッシュ・アームであり、Yフル・ブリッジは、Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプル・アーム、Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム、Yプル・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アーム/Yプル・アーム、またはYプッシュ・アーム/Yプル・アーム/Yプル・アーム/Yプッシュ・アームであり、X複プッシュ・アームは、Xプッシュ・アーム/Xプッシュ・アームであり、X複プル・アームは、Xプル・アーム/Xプル・アームであり、Y複プッシュ・アームは、Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アームである。Yプッシュ・アーム/Yプッシュ・アームまたはY/プル・アーム/Yプル・アームは、横に組み合わされ得る。
【0045】
図27において、2つのXプッシュ・アーム、2つのXプル・アーム、2つのYプッシュ・アームおよび2つのYプル・アームは、4行および4列のアレイを形成し、第2の行および第3の行は、それぞれXプッシュ・アームおよびXプル・アームに対応し、第1の行および第4の行は、それぞれYプッシュ・アームおよびYプル・アームに対応し、あるいは第2の行または第3の行は、それぞれYプッシュ・アームおよびYプル・アームに対応し、第1の行および第4の行は、それぞれXプッシュ・アームおよびXプル・アームに対応し、同じ行または同じ列の2つのXプッシュ・アームまたは2つのXプル・アームは、縦に組み合わされてもよい。
【0046】
図28および
図29は、混合構造である。
図28において、複軸X-Y磁気抵抗センサのXプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームは、混合方式で混合される。
図29において、2列および1行または2行および1列のアレイが形成され、Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームの一方のグループは混合構造を形成し、Xプッシュ・アーム、Xプル・アーム、Yプッシュ・アーム、およびYプル・アームの他方のグループも混合構造を形成し、2つの混合構造は、縦に組み合わされる。
【0047】
<実施形態3>
図30は、単軸X磁気抵抗センサおよび複軸X-Y磁気抵抗センサの磁気抵抗検出ユニットの異なる反強磁性層の配向を設定するレーザ・アニーリング装置である。この装置は、磁性膜103に向けてレーザ・ビーム105を放出するのに使用されるレーザ源100と、レーザ源100によって放出されたレーザ・ビーム105の後端に設けられた光減衰器107と、光減衰器107によって減衰されるレーザ・ビーム105の伝達方向を変えるのに使用される反射鏡106と、反射鏡106によって方向が変えられるレーザ・ビーム105をスポットに合焦するのに使用される集束対物レンズ101と、磁性膜103を固定する固定具を備えた可動プラットフォーム102と、直交方向の2つの電磁石108および109とを備える。加えて、上記装置はCCDカメラ99をさらに備え、スリットが反射鏡106に設けられ、CCDカメラ99はスポットを磁性膜103に向けることを可能にするように反射鏡内のスリットによって反射鏡106を調整し、104はCCDカメラ99に入る光線である。
【0048】
図30に示されたレーザ加熱補助式アニーリング装置により、可動プラットフォーム102を移動させることでレーザ・スポットが磁気抵抗検出ユニットを直接選択し、AF層のブロッキング温度を上回る温度まで磁気抵抗検出ユニットを急速に加熱する。次いで、冷却プロセスにおいて、2方向性電磁石108および109が、各磁気抵抗検出ユニットの反強磁性層の磁化方向を直接決定するように起動される。
【0049】
<実施形態4>
図31は、ウェハに対応するマスク分布レイアウト構造である。ウェハ200に対応するウェハ切欠きゾーンは201であり、202はウェハの除外境界であり、その外側のゾーンは除外ゾーンであり、約5mmのゾーンであり、X軸磁気抵抗センサまたは複軸X-Y磁気抵抗センサは、9*9mmのマスク・ゾーン203内に分散され、次いでパターンがウェハの有効ゾーン全体をカバーするようにアレイ方式でウェハ200のゾーンに転写され、ウェハの有効ゾーンは、除外境界202の範囲内のウェハ200の一部である。マスク203は、複数の単軸磁気抵抗センサまたは複軸X-Y磁気抵抗センサの単一ダイ・アレイを備え、この単一ダイ・アレイおよび磁気抵抗検出ユニット・アレイは完全に同じである。
【0050】
<実施形態5>
図32~
図34は、ウェハ・マスク上のダイ・アレイ、磁気抵抗配向グループの分布図、およびレーザ書込みシステムの書込み図である。個々のダイは正方形アレイを形成し、ダイ内の磁気抵抗検出ユニットは、2つ以上の空間的に隔離された磁気抵抗配向グループに配置され、各磁気抵抗配向グループは、少なくとも1つの隣接したダイに同じ配向角度を有する磁気抵抗配向グループに隣接している。
【0051】
簡単にするために、ウェハ上の磁気抵抗配向グループの参照符号は、角度の値に従って均一にマークされており、各ダイ上の各行の同じ磁気抵抗配向グループは、
図32~
図34に示されるように、長いストリップを採用することによってマークされる。
【0052】
図32において、各ダイ300は、全体で、θ1からθkまでk個の磁気抵抗配向グループを備える。各磁気配向グループがダイごとに1度だけ現れると仮定すると、レーザ299の走査シーケンスは、以下の通りである。第1の行のダイθ1のθ1磁気抵抗配向グループ301から走査は開始し、次いで走査は別の行へ移って第2の行のダイのθ1磁気抵抗配向グループ302に入り、反対方向に沿って走査を行い、次いで走査は別の行へ移って第3の行のダイのθ1磁気抵抗配向グループ303に入り、次いで最終行のダイのθ1磁気抵抗配向グループ304が走査され、そして走査は別の行へ移って最終行のダイのθ2磁気抵抗配向グループ305に入り、行ごとに上に向かって走査を行い、最終的に第1の行のダイのθ2磁気抵抗配向グループ306が、最後のθkの磁気抵抗配向グループの走査が完了するまで走査される。
【0053】
図33は、各ダイ400が離間配置されている401および402などの間隔をおいて配置されたθ1、θ2、およびθ3の磁気抵抗配向グループを備える別の状況である。このとき、レーザ399の走査シーケンスは、以下の通りである。まず、第1の行のダイの第1行のθ1磁気抵抗配向グループ401が走査され、次いで走査は別の行へ移って第2行のθ1磁気抵抗配向グループ402を、第1の行のダイの全てのθ1磁気抵抗配向グループの走査が完了するまで反対方向に走査し、次いで第2の行のダイのθ1磁気抵抗配向グループ403、404が走査され、第3の行のダイのθ1磁気抵抗配向グループ405、406が走査され、最終行のダイのθ1磁気抵抗配向グループ407、408が走査され、最終的にθ1磁気抵抗配向グループ409が、第1の行のダイのθ2磁気抵抗配向グループの走査が完了するまで最終行のダイから走査される。
【0054】
図34は、レーザ499が磁気抵抗配向グループを区別することなくダイ500の行の個数に従って上から下まで磁気抵抗配向グループを走査する行ごとの走査方法である。走査は、501、502、および503の順に従って上から下へ最終行まで下向きに行われ、その後ダイの次の行がダイの最終行まで行われる。したがって、存在し得る混合の状況の下では、反復動作が同じθ磁気配向角度値を有する磁気抵抗検出ユニットへ行われる必要があり、それによってレーザ書込みシステムによる磁場の方向を調整する頻度が増加する。
【0055】
上記の実施形態は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の範囲を限定するのに使用されない。当業者にとっては、本発明は、様々な修正および変更によって実現することができる。本発明の要旨および原理の範囲内でなされた任意の修正、等価な置換、改良等は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。