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特許7026413商品販売方法並びにそれに使用するためのプログラム及び管理サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】商品販売方法並びにそれに使用するためのプログラム及び管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220218BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220218BHJP
【FI】
G06Q30/02 332
G06Q30/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020159303
(22)【出願日】2020-09-24
【審査請求日】2021-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ビジネスチャレンジコンテスト(第36回ビジネスプラン発表会)にて発表 発表日:令和2年2月5日 (2)リーフレットを配布 配布日:令和2年9月9日 (3)一般社団法人中小企業診断協会主催の理論政策更新研修(千葉県第1回)にて発表 発表日:令和2年7月11日 (4)日刊工業新聞に掲載 掲載日:令和2年3月3日 (5)有限会社椎名洋ラン園のウェブサイトにて公開 掲載月:令和2年2月
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508025183
【氏名又は名称】有限会社椎名洋ラン園
(74)【代理人】
【識別番号】110002136
【氏名又は名称】特許業務法人たかはし国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】椎名輝
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-126948(JP,A)
【文献】特開2019-179425(JP,A)
【文献】特開2010-061544(JP,A)
【文献】特開2006-133905(JP,A)
【文献】特開2002-251437(JP,A)
【文献】特開2020-160572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客に、携帯端末によりコードを読み込ませることによって、商品の購入用画面に誘導して、商品を販売する商品販売方法であって、該コードが、下記(1)~(4)の何れかの方法で、店舗の中に展示されている展示花卉に付随して設置されており、かつ、展示花卉が展示されている店舗を識別する店舗IDを含んだものであり、店舗を訪問した顧客が、携帯端末によりコードを読み込んだ際には、商品の購入用画面に誘導されるようになっており、商品の購入が行われた際には、管理サーバが、運営者に対して購入者に該商品を発送するよう指示するとともに、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行い、報酬支払時期が到来したら、それぞれの店舗に対して、該管理サーバが表示したポイントに応じた報酬が支払われる商品販売方法であり、商品の購入の際に、購入者が、会員登録を行うことができるようになっており、会員登録が行われた際に、該管理サーバが、会員を識別する会員識別情報と、その会員が商品を購入した際に読み込んだコードが設置されている店舗の店舗IDとを関連付けて保存し、その会員により該商品とは別の商品の購入が行われた際にも、管理サーバが、会員識別情報と関連付けられている店舗IDにより特定される店舗のポイントを加算する処理を行うことを特徴とする商品販売方法。
(1)印刷されたコードを展示花卉の鉢に貼付する方法
(2)印刷されたコードを展示花卉が展示された場所の近くに貼付する方法
(3)コードを展示花卉の鉢に刺した園芸用ラベルに記載する方法
(4)印刷されたコードを展示花卉の鉢に刺した園芸用ラベルに貼付する方法
【請求項2】
前記展示花卉が蘭である請求項1に記載の商品販売方法。
【請求項3】
前記店舗が、飲食店、公共交通機関の待合室、リゾート施設、空港、宿泊施設、病院の待合室又は図書館である請求項1又は請求項に記載の商品販売方法。
【請求項4】
顧客に、携帯端末によりコードを読み込ませることによって、商品の購入用画面に誘導して、商品を販売する商品販売方法であり、商品の購入の際に、購入者が、会員登録を行うことができるようになっている商品販売方法に使用するための管理サーバであって、該コードが、下記(1)~(4)の何れかの方法で、店舗の中に展示されている展示花卉に付随して設置されており、かつ、展示花卉が展示されている店舗を識別する店舗IDを含んだものであり、該管理サーバが、店舗を訪問した顧客が携帯端末によりコードを読み込んだ際に、商品の購入用画面に誘導する購入用画面表示部、展示花卉が設置されている店舗に関する情報を、店舗を識別する店舗IDとともに保存する店舗情報保存部、会員登録が行われた際に、該店舗情報保存部を参照し、会員を識別する会員識別情報と、その会員が商品を購入した際に読み込んだコードが設置されている店舗の店舗IDとを関連付けて保存する会員情報保存部、商品の購入が行われた際に、運営者に対して購入者に該商品を発送するよう指示する購入受付・指示部、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行い、かつ、会員登録が行われた以降に、会員により、コードを読み込んだ際に購入した商品とは別の商品の購入が行われた際に、会員識別情報と関連付けられている店舗IDにより特定される店舗のポイントを加算する処理を行うポイント加算処理部、及び、それぞれの店舗のポイントを表示するポイント表示部を有することを特徴とする管理サーバ。
(1)印刷されたコードを展示花卉の鉢に貼付する方法
(2)印刷されたコードを展示花卉が展示された場所の近くに貼付する方法
(3)コードを展示花卉の鉢に刺した園芸用ラベルに記載する方法
(4)印刷されたコードを展示花卉の鉢に刺した園芸用ラベルに貼付する方法
【請求項5】
顧客に、携帯端末によりコードを読み込ませることによって、商品の購入用画面に誘導して、商品を販売する商品販売方法であり、商品の購入の際に、購入者が、会員登録を行うことができるようになっている商品販売方法に使用するためのプログラムであって、該コードが、下記(1)~(4)の何れかの方法で、店舗の中に展示されている展示花卉に付随して設置されており、かつ、展示花卉が展示されている店舗を識別する店舗IDを含んだものであり、該プログラムが、コンピュータを、店舗を訪問した顧客が携帯端末によりコードを読み込んだ際に、商品の購入用画面に誘導する購入用画面表示手段、展示花卉が設置されている店舗に関する情報を、店舗を識別する店舗IDとともに保存する店舗情報保存手段、会員登録が行われた際に、該店舗情報保存手段を参照し、会員を識別する会員識別情報と、その会員が商品を購入した際に読み込んだコードが設置されている店舗の店舗IDとを関連付けて保存する会員情報保存手段、商品の購入が行われた際に、運営者に対して購入者に該商品を発送するよう指示する購入受付・指示手段、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行い、かつ、会員登録が行われた以降に、会員により、コードを読み込んだ際に購入した商品とは別の商品の購入が行われた際に、会員識別情報と関連付けられている店舗IDにより特定される店舗のポイントを加算する処理を行うポイント加算処理手段、及び、それぞれの店舗のポイントを表示するポイント表示手段として機能させるためのものであることを特徴とするプログラム。
(1)印刷されたコードを展示花卉の鉢に貼付する方法
(2)印刷されたコードを展示花卉が展示された場所の近くに貼付する方法
(3)コードを展示花卉の鉢に刺した園芸用ラベルに記載する方法
(4)印刷されたコードを展示花卉の鉢に刺した園芸用ラベルに貼付する方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売方法に関し、更に詳しくは、花卉を宣伝媒体として、商品の販売を行う商品販売方法に関する。また、本発明は、かかる商品販売方法に使用するためのプログラムや管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及等に伴い、商品の販売経路は変化している。特に、BtoB(Business to Business)とBtoC(Business to Customer)への転換が進んでおり、一般消費者が、大手企業から直接商品を入手する機会も増えている。
【0003】
また、商品の販売者は、新規顧客を得るために、様々な手法による宣伝を行っている。そのような宣伝を利用した商品販売方法の中には、異業種の店舗を利用したものがある。
【0004】
例えば、特許文献1には、理容・美容等を行なう店舗、酒、花、その他の商品を販売する店舗等が客の目に付き易い場所に展示コーナーを設けて、ギフト商品・ノベルティ商品等を展示するギフト商品・ノベルティ商品の販売方法が開示されている。特許文献1に記載の発明では、展示されている商品はその店舗の属する業種とは全く関係のない商品であり、特許文献1の販売方法では、別の用事で出掛けたついでに商品を手軽に求めることができる。
【0005】
特許文献2には、1または2以上の店舗において、所定の条件を満たした顧客に、前記店舗とは業種が異なる1または2以上の他店舗で使用可能なチケットを、無償で配付するステップと、前記店舗側が、使用済の前記チケットを前記他店舗側から回収する一方、回収枚数に応じた代金を前記他店舗側に支払うステップと、を有する販売促進方法が開示されている。特許文献2に記載の発明は、販売促進のためのコストを削減でき、また、商圏の調査に役立つとされている。
【0006】
しかし、これらの商品販売方法は、異業種の店舗を利用することで、新規顧客の開拓がある程度見込めるものの、顧客は、実際に店舗を訪問した際にしか商品を購入することができない。顧客が、より自由に商品を購入することができ、新規顧客の開拓をより強力に推進することのできる販売方法の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2002-281796号公報
【文献】特開2002-109344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、異業種の店舗を利用することで、新規顧客の開拓を図る商品販売方法において、顧客がより自由に商品を購入することができ、新規顧客の開拓をより強力に推進することのできる商品販売方法を提供することにあり、また、かかる花卉販売方法に使用するためのプログラムや管理サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、様々な業種の店舗に展示されている花卉の周囲に、QRコード(登録商標)等のコードを設置し、かかるコードを携帯端末により読み込ませることによって、顧客が、偶然訪問した店舗において、より自由に商品を購入することができることを見出して、本発明を完成するに至った。
花卉は、人の心を和ませることがあり、店舗内の美観の向上にも役立つため、様々な業種の店舗において展示する需要が高い。また、花卉は、店舗を訪問した顧客により、待ち時間等において注目されやすい。本発明は、このような花卉の性質に着目し、花卉が、様々な商品を販売するための宣伝媒体として優れていることを見出してなされたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、顧客に、携帯端末によりコードを読み込ませることによって、商品の購入用画面に誘導して、商品を販売する商品販売方法であって、該コードが、店舗の中に展示されている展示花卉に付随して設置されており、かつ、展示花卉が展示されている店舗を識別する店舗IDを含んだものであり、 店舗を訪問した顧客が、携帯端末によりコードを読み込んだ際には、商品の購入用画面に誘導されるようになっており、商品の購入が行われた際には、管理サーバが、運営者に対して購入者に該商品を発送するよう指示するとともに、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行い、報酬支払時期が到来したら、それぞれの店舗に対して、該管理サーバが表示したポイントに応じた報酬が支払われることを特徴とする商品販売方法を提供するものである。
【0011】
また、本発明は、商品の購入の際に、購入者が、会員登録を行うことができるようになっており、会員登録が行われた際に、前記管理サーバが、会員を識別する会員識別情報と、その会員が商品を購入した際に読み込んだコードが設置されている店舗の店舗IDとを関連付けて保存し、その会員により該商品とは別の商品の購入が行われた際にも、管理サーバが、会員識別情報と関連付けられている店舗IDにより特定される店舗のポイントを加算する処理を行う、前記の商品販売方法を提供するものである。
【0012】
また、本発明は、顧客に、携帯端末によりコードを読み込ませることによって、商品の購入用画面に誘導して、商品を販売する商品販売方法に使用するためのプログラムであって、該コードが、店舗の中に展示されている展示花卉に付随して設置されており、かつ、展示花卉が展示されている店舗を識別する店舗IDを含んだものであり、該プログラムが、コンピュータを、店舗を訪問した顧客が携帯端末によりコードを読み込んだ際に、商品の購入用画面に誘導する購入用画面表示手段、商品の購入が行われた際に、運営者に対して購入者に該商品を発送するよう指示する購入受付・指示手段、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行うポイント加算処理手段、及び、それぞれの店舗のポイントを表示するポイント表示手段として機能させるためのものであることを特徴とするプログラムを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、顧客に、携帯端末によりコードを読み込ませることによって、商品の購入用画面に誘導して、商品を販売する商品販売方法に使用するための管理サーバであって、該コードが、店舗の中に展示されている展示花卉に付随して設置されており、かつ、展示花卉が展示されている店舗を識別する店舗IDを含んだものであり、該管理サーバが、店舗を訪問した顧客が携帯端末によりコードを読み込んだ際に、商品の購入用画面に誘導する購入用画面表示部、商品の購入が行われた際に、運営者に対して購入者に該商品を発送するよう指示する購入受付・指示部、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行うポイント加算処理部、及び、それぞれの店舗のポイントを表示するポイント表示部を有することを特徴とする管理サーバを提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、異業種の店舗を利用し、顧客がより自由に商品を購入することができ、新規顧客の開拓をより強力に推進することのできる商品販売方法や、かかる花卉販売方法に使用するためのプログラムや管理サーバを提供することができる。
【0015】
花卉は、人の生活に潤いを与え、人をリラックスさせる効果を持つものであるので、幅広い業種の店舗において花卉を設置(展示)する需要は高いが、本発明により、より一層花卉を設置する動機づけが強くなる。このため、本発明の方法が普及することにより、花卉の需要が高まり、花卉を販売する事業者の利益につながる。
【0016】
本発明では、訪問した店舗において、待ち時間等に花卉に注目した者(顧客)が、携帯端末による簡便な操作を行うことによって、自らのニーズに合致した商品を、気軽に購入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の概略構成図である。
図2】本発明における管理サーバの詳細構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、任意に変形して実施することができる。
【0019】
本発明の概略構成図を図1に、本発明における管理サーバ10の詳細構成図を図2に示す。
【0020】
本発明は、店舗(A、B、C、・・・)の中に、展示用の展示花卉(a1、a2、a3、b1、c1、c2、・・・)を展示し、該展示花卉を見た者に対して商品を販売する商品販売方法に関する。言い換えれば、本発明は、店舗の中に展示された展示花卉を宣伝媒体として商品の販売を行うものである。
本発明では、顧客は、訪問した店舗において、展示花卉に付随して設置されたコードを携帯端末で読み込み、通信ネットワークを通じて商品を購入する。
本発明では、通常、多数の店舗に、展示花卉を展示し、それを見た者によって商品の購入が行われた場合に、その展示花卉が展示されている店舗に対して、運営者20が、報酬(マージン)を支払う。
【0021】
本発明においては、店舗を訪問した顧客に、携帯端末によりコードを読み込ませることによって、商品の購入用画面に誘導して、商品を販売する。
【0022】
本発明の商品販売方法において販売される「商品」について、特に限定はない。また、「商品」は、物には限られず、サービス、権利、情報等も本発明における「商品」に含まれる。
【0023】
本発明は、種々の店舗に展示されている展示花卉を宣伝媒体として利用するものであることから、花卉から連想される美しさ、自然環境への配慮、社会貢献性、エコロジー、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み等のイメージとマッチングした商品が、本発明の商品販売方法における商品として、特に適している。
かかる商品の例として、環境に配慮したエコロジー商品、化粧品、廃材利用品、リサイクル商品、健康食品、サプリメント、クラウドファンディング、NPO法人等の募金ツール、情報商材、花卉関連商品等が挙げられる。
【0024】
「携帯端末」としては、スマートフォン、タブレット等が例示できる。
「コード」は、携帯端末によって読み込むことのできるものであれば特に限定は無く、QRコード(登録商標)、データマトリクス(登録商標)、ベリコード(登録商標)、SPコード(登録商標)、及び、CPコード(登録商標)等の二次元コード;一次元のバーコード;カラーコード等が例示できる。このうち、広く普及しているQRコード(登録商標)が最適である。
顧客が、携帯端末によってコードを読み込むことにより、携帯端末に、商品の購入用画面が表示され、簡単な手続で商品を購入することができる。
【0025】
本発明においては、顧客を、商品の購入用画面に誘導するためのコードは、店舗の中に展示されている展示花卉に付随して設置されている。
花卉は、大衆的なイメージが非常によく、業種に関係なく受け入れられやすい。このため、本発明において、展示花卉が展示される「店舗」の業種に特に限定は無い。店舗の例としては、飲食店、公共交通機関の待合室、リゾート施設、空港、宿泊施設、病院の待合室、図書館等が挙げられる。これらの店舗の中においては、「待ち時間」(例えば、飲食店であれば、顧客が料理を注文してから料理が運ばれてくるまでの時間)が生じることが多く、その間に、顧客は展示花卉を眺める機会が多く、展示花卉に興味を持つことがある。また、花卉の持つリラックス効果等のため、これらの店舗には、花卉を展示する需要が大きい。
【0026】
「コードが展示花卉に付随して設置されている」とは、コードが、展示花卉との関連がわかるような状態で設置されていることをいう。例えば、展示花卉の鉢に印刷されたコードを貼付する;展示花卉が展示された場所の近くの壁等に印刷されたコードを貼付する;展示花卉の鉢に刺した園芸用ラベルにコードを記載する、又は、印刷されたコードを貼付する;といった方法が挙げられる。
【0027】
コードは、展示花卉が展示されている店舗を識別する店舗IDを含んでいる。例えば、店舗Aに展示されている展示花卉a1に付随して設置されているコードには、「店舗Aに設置されている」という情報が含まれている。すなわち、通常、展示花卉を展示する店舗は、複数存在するところ、顧客が携帯端末によりコードを読み込んだ際に、コードがどの店舗で読み込まれたものであるのか判別可能となっている。
これによって、展示花卉を展示した店舗毎の商品の売り上げに対する貢献の度合いがわかり、運営者20は、該貢献の度合いに応じた報酬を、それぞれの店舗に支払う。
【0028】
展示花卉は、商品の販売のための宣伝媒体として店舗に展示される花卉であり、その種類に特に限定は無い。
展示花卉は、鉢花であっても切花であってもよいが、メンテナンスの労力等の点から、鉢花であることが好ましい。
【0029】
また、蘭(特に胡蝶蘭)は、以下に示す理由から、本発明における展示花卉(すなわち、商品の販売のための宣伝媒体)として適している。
【0030】
蘭は、他の花卉に比べて水やりの頻度が少なくて済み、概ね数週間~数か月に一度でよい。本発明における店舗は、展示花卉を展示するのみであり、花卉の販売を目的としないので、展示花卉のメンテナンスの労力は極力少なくしたいと考えるのが一般的である。
【0031】
蘭は、植え込み材として、土ではなくミズゴケバークチップ(松の木の皮)を使用する場合が多く、虫や菌の発生が少なく、また、花粉の飛散もほぼ無い。
本発明では、飲食店や公共交通機関の待合室等の店舗に展示花卉を展示する。これらの店舗は、衛生性が要求され、また、多数の人が利用するため、上記のような蘭の性質は、これらの店舗に展示するのに適している。
【0032】
店舗における展示花卉の展示場所に特に限定は無いが、客の目につきやすく、客がコードの読み込みを行いやすいような場所に展示するのが望ましい。また、展示花卉は、1つの店舗に複数展示してもよく、この場合、複数の展示花卉は、同じ種類のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。
例えば、飲食店であれば、各テーブル席に1つずつ展示花卉を展示する、といった展示方法が考えられる。
【0033】
展示花卉は、運営者20が、それぞれの店舗に展示用として供給するものであるが、展示花卉の提供は、無償としてもよいし、有償としてもよい。
無償とすることにより、本発明の商品販売方法に参加する店舗を増やしやすいことから、商品の売り上げ増加につながり、運営者20にとってメリットとなる。
一方、花卉の持つリラックス効果等のため、店舗の側にとっても、展示花卉を設置する需要が存在し、展示花卉の提供が有償であったとしても本発明の商品販売方法に参加する動機があるといえる。
【0034】
本発明の商品販売方法における運営者20は、展示花卉の各店舗への展示や、購入された商品の発送の指示、各店舗への報酬の支払い、等を統括する者であるところ、展示花卉を生産・販売する花卉店は、各店舗への展示花卉の供給や、展示花卉のメンテナンスに関するアドバイス等を行うことが可能であることから、本発明における運営者20として特に適している。
【0035】
展示花卉、及び、それに付随して設置されているコードの周囲には、商品に関連したメッセージが設置されていてもよい。
顧客Xが携帯端末によりコードを読み込んだ際には、管理サーバ10の購入用画面表示部12が、そのメッセージと関連する商品の購入用画面に花卉購入希望者を誘導する(そのメッセージと関連する商品の購入用画面が最初に表示される)。
【0036】
例えば、「必ず喜ばれる母の日ギフト」というメッセージの場合、母の日人気ランキングにおいて人気の高い商品の購入用画面が最初に表示される。
【0037】
例えば、「空気清浄効果の高い室内植物」というメッセージの場合、植物の効果効能を示したエビデンス説明ページとともに、かかる植物の購入用画面が表示される。
【0038】
顧客が、購入用画面を通じて商品を購入するための手続の方法は、公知の方法を適宜使用することができる。例えば、顧客は、商品を発送してもらうために、住所・氏名等の情報を入力する。
【0039】
顧客により、商品の購入が行われた際に、管理サーバ10の購入受付・指示部13は、運営者20に対して購入者に該商品を発送するよう指示する。運営者20は、購入者が指定した住所に、商品を発送する。
運営者20は、自ら直接商品を発送してもよいし、商品の発送には、別の者が介在していてもよい(例えば、運営者20が、商品の分野ごとに、その商品を取り扱う販売者に発送を指示し、かかる販売者が商品を発送してもよい)。
【0040】
管理サーバ10の店舗情報保存部11には、展示花卉を設置しているそれぞれの店舗に関する情報(店舗名・所在地・代表者名等)が、店舗を識別する店舗IDとともに保存されている。
商品の購入が行われた際に、購入受付・指示部13は、店舗情報保存部11を参照し、購入者が携帯端末により読み込んだコードに含まれる店舗IDを、店舗情報保存部11に保存された店舗IDと照合し、どの店舗でコードの読み込みが行われたのかをポイント加算処理部14に通知する。管理サーバ10のポイント加算処理部14は、購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗(購入者がコードの読み込みをした店舗)のポイントを加算する処理を行う。
例えば、店舗Aに設置されている展示花卉a1に付随して設置されているコードを読み込んだ顧客Xが、商品を購入した場合、店舗Aのポイントを加算する処理が行われる。
【0041】
展示花卉に付随して設置されているコードを通じて商品の購入が行われた場合、その展示花卉が設置されている店舗の貢献によって、商品が販売されたと考えられる。運営者20は、店舗に対して、報酬を支払う。報酬の額は貢献の度合いに依存し、貢献の度合いを数値化したものが本発明における「ポイント」である。
【0042】
ポイントの付与の仕方に特に限定は無いが、例えば、「商品の販売価格の6%」、「商品1個につき500円」、といった付与の仕方が考えられる。
【0043】
管理サーバ10のポイント表示部15は、ポイント加算処理部14によって計算されたそれぞれの店舗のポイントを参照し、表示する。報酬支払時期が到来したら、運営者20は、管理サーバ10のポイント表示部15が表示したポイントを確認し、ポイントに応じた報酬を、それぞれの店舗に対して支払う。
【0044】
報酬の支払いタイミングについて特に限定は無く、例えば、月末毎に支払う;ポイントが一定に達した時点で支払う;といったことが考えられる。
報酬の支払い形式についても特に限定は無く、金銭で支払ってもよいし、景品等の形で支払ってもよい。
【0045】
本発明においては、商品の購入の際に、購入者が、会員登録を行うことができるようになっていてもよい。このようにすることによって、購入者が、商品を購入した後に、通信ネットワークを通じて別の商品(コードを読み込んだ際に購入した商品とは別の商品)を購入する際の労力が軽減される。
会員登録の際に、会員登録する者(すなわち、商品の購入者)は、住所・氏名等の、自らを特定することのできる会員識別情報を入力し、管理サーバ10は、該会員登録する者に対して、ログインIDやパスワード等を発行する。
【0046】
商品の購入者が会員登録を行い、商品を購入した後に、別の商品を購入した場合も、該購入者は、店舗で展示花卉を見たことをきっかけとして、別の商品を購入したといえる。すなわち、該購入者が会員登録するきっかけになった店舗による貢献が認められる。
【0047】
商品の購入の際に、購入者が、会員登録を行うことができるようにした場合は、会員登録が行われた際に、管理サーバ10の会員情報保存部16は、店舗情報保存部11を参照し、会員を識別する会員識別情報と、その会員が商品を購入した際に読み込んだコードが設置されている店舗の店舗IDとを関連付けて保存する。
会員登録が行われた以降に、その会員により該商品とは別の商品の購入が行われた際には、購入受付・指示部13は、会員情報保存部16に保存された会員識別情報を参照し、ポイント加算処理部14に、どの会員によって商品の購入が行われたのかを通知する。会員識別情報は、店舗IDと関連付けて保存されているので、管理サーバ10のポイント加算処理部14は、会員識別情報と関連付けられている店舗IDにより特定される店舗のポイントを加算する処理を行う。
【0048】
例えば、店舗Aに来店した顧客Xが、店舗Aに展示されている展示花卉a1に興味を持ち、展示花卉a1に付随して設置されているコードを読み込んで商品rを購入し、その際に会員登録をした場合、顧客Xの会員識別情報(住所・氏名等)は、店舗Aの店舗IDと関連付けて保存される。顧客Xが、後日、会員として商品rとは別の商品sを購入した場合にも、店舗Aのポイントを加算する処理が行われる。すなわち、顧客X(会員X)による商品sの購入は、顧客Xによる店舗Aへの来店とは関係ないものの、顧客Xが会員登録したことは、店舗Aに展示されている展示花卉a1を見たことに起因しており、店舗Aによる貢献が認められると考えられるので、店舗Aのポイントが加算される。
このため、店舗が、展示花卉を展示してみようとする動機付けとなる。
【0049】
本発明は、前記した商品販売方法に使用するためのプログラムにも関する。
本発明のプログラムは、コンピュータを、店舗を訪問した顧客が携帯端末によりコードを読み込んだ際に、商品の購入用画面に誘導する購入用画面表示手段、商品の購入が行われた際に、運営者に対して購入者に該商品を発送するよう指示する購入受付・指示手段、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行うポイント加算処理手段、及び、それぞれの店舗のポイントを表示するポイント表示手段として機能させるためのプログラムである。すなわち、本発明のプログラムは、コンピュータを、前記した管理サーバ10として機能させるためのプログラムである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の商品販売方法は、異業種の店舗を利用し、顧客がより自由に商品を購入することができ、新規顧客の開拓をより強力に推進することができるので、環境に配慮したエコロジー商品、化粧品、廃材利用品、リサイクル商品、健康食品、サプリメント、クラウドファンディング、NPO法人等の募金ツール、情報商材、花卉関連商品等の商品の販売の促進に広く利用されるものである。
【符号の説明】
【0051】
10:管理サーバ
11:店舗情報保存部
12:購入用画面表示部
13:購入受付・指示部
14:ポイント加算処理部
15:ポイント表示部
16:会員情報保存部
20:運営者
X:顧客
A、B、C:店舗
a1、a2、a3、b1、c1、c2:展示花卉
【要約】
【課題】異業種の店舗を利用することで、新規顧客の開拓を図る商品販売方法において、顧客がより自由に商品を購入することができ、新規顧客の開拓をより強力に推進することのできる商品販売方法を提供する。
【解決手段】顧客Xは、店舗(A、B、C)の中に展示されている展示花卉(a1、a2、a3、b1、c1、c2)に付随して設置されているコードを携帯端末により読み込むことによって、商品の購入用画面に誘導され、商品を購入することができる。商品の購入が行われた際には、管理サーバ10が、運営者20に対して購入者に商品を発送するよう指示するとともに、その購入者をその商品の購入用画面に誘導したコードに含まれる店舗IDによって特定される店舗のポイントを加算する処理を行う。報酬支払時期が到来したら、それぞれの店舗に対して、ポイントに応じた報酬が支払われる。
【選択図】図1
図1
図2