(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】圧電振動片の製造方法
(51)【国際特許分類】
H03H 3/02 20060101AFI20220218BHJP
H03H 9/19 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
H03H3/02 D
H03H9/19 K
(21)【出願番号】P 2017041224
(22)【出願日】2017-03-06
【審査請求日】2020-01-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】713005174
【氏名又は名称】エスアイアイ・クリスタルテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【氏名又は名称】谷川 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】市村 直也
【審査官】志津木 康
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-121411(JP,A)
【文献】特開2009-105926(JP,A)
【文献】特開2015-097366(JP,A)
【文献】特開2015-023423(JP,A)
【文献】特開2004-200917(JP,A)
【文献】特開2005-136499(JP,A)
【文献】特開2011-205418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H3/007-H03H3/10
H03H9/00-H03H9/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電材料からなる基板から、振動腕部を有する圧電振動片を分離する圧電振動片の製造方法であって、
前記圧電振動片の外形をドライエッチングにより加工して、前記基板から前記振動腕部を分離する分離加工工程と、
前記振動腕部の主面に開口する溝部をドライエッチングにより途中の深さまで加工する第一溝加工工程と、
前記途中の深さまで加工した溝部を、ウエットエッチングにより加工して前記溝部を形成する第二溝加工工程と、を備え、
前記溝部は、
前記主面の幅方向に所定の溝幅寸法に形成された溝底部と、
前記溝底部の側辺から開口側に向けて前記溝部の側壁部まで傾斜状に延びる傾斜部と、を有することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項2】
前記溝部は前記主面の幅方向における開口幅寸法に対する溝深さ寸法のアスペクト比が0.7以上に設定されていることを特徴とする請求項
1に記載の圧電振動片の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号等のタイミング源、リファレンス信号源等に用いられるデバイスとして、水晶等を利用した圧電振動子が用いられる。この種の圧電振動子として、キャビティが形成されたパッケージ内に圧電振動片を気密封止したものが知られている。
圧電振動子は年々小型化され、発振および周波数の安定化を図った、さらに小型のものが求められている。小型の圧電振動子に用いられる圧電振動片として、振動腕部と平行に延びた支持腕部を有し、振動腕部の先端部に錘部(ハンマーヘッド)が形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この圧電振動片の振動腕部は、例えば、ウエットエッチングで加工されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記従来技術には以下の課題がある。
振動腕部の主面に溝部が形成されている場合、溝部をウエットエッチングで加工すると、水晶の異方性エッチング特有のV字溝形状に溝部が形成される。このため、溝部の電極と、振動腕部の側面の電極との間に発生する電界は、V字溝の形状に従い、それぞれが微妙に異なっていた。よって、安定した振動を得ることが非常に難しい。特に、溝部のアスペクト比が高くなるとV字溝形状が顕著になる。
この対策として、溝部をドライエッチングで加工する方法が挙げられるが、ドライエッチングでは溝部の溝深さ寸法の管理が困難になる。
【0005】
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、溝部の溝深さ寸法管理が容易で、さらに、発振および周波数の安定した圧電振動片および圧電振動片の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために本発明の一態様にかかる圧電振動片は、基部から延出する一対の振動腕部を有し、前記振動腕部の主面に沿って開口する溝部が形成された圧電振動片において、前記溝部は、アスペクト比が0.7以上に設定され、前記主面の幅方向に所定の溝幅寸法に形成された溝底部と、前記溝底部の側辺から前記開口側に向けて前記溝部の側壁部まで傾斜状に延びる傾斜部と、を有することを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、アスペクト比が0.7以上の溝部に溝底部と傾斜部とを形成した。溝底部は、振動腕部の主面の幅方向に所定の溝幅寸法に形成されている。溝底部を所定の溝幅寸法に形成することにより、主面から傾斜部までの側壁部を振動腕部の側面に沿って平行に延ばすことができる。以下、溝部の開口から傾斜部までの側壁部を平行部という。
平行部を主面から傾斜部まで振動腕部の側面に沿って平行に延ばすことにより、平行部から傾斜面までの肉厚は均等な厚さ寸法に形成されている。よって、側面に設けられた励振電極と、溝部に設けられた励振電極との間にかかる電界が一定になり、振動腕部は安定した振動が得られる。これにより、圧電振動片の発振および周波数を安定させることができる。
また、傾斜部を溝底部の側辺から側壁部まで傾斜状に延ばした。よって、平行部を溝底部に直接連結する場合と比べて、平行部の端部に応力が集中することを抑えることができる。これにより、振動腕部(すなわち、圧電振動片)の耐衝撃性を高めることができる。
【0008】
上記態様において、前記振動腕部の幅寸法が60μm以下であってもよい。
この構成によれば、振動腕部の幅寸法を60μm以下とすることにより、小型の圧電振動片を得ることができる。
【0009】
上記態様において、前記振動腕部は、前記主面に沿って前記溝部が少なくとも2本形成されていてもよい。
この構成によれば、振動腕部の主面に溝部を2本に形成することにより、Q値の低下を抑制しながら、CI値の低い圧電振動片を提供できる。
【0010】
上記態様において、前記傾斜部は、前記溝底部の一方の側辺に形成される第一傾斜部と、前記溝底部の他方の側辺に形成される第二傾斜部と、を含み、前記第一傾斜部および前記第二傾斜部の溝幅方向の幅寸法が同一であってもよい。
【0011】
この構成によれば、第一傾斜部と第二傾斜部との幅寸法を同一にすることにより、第一傾斜部と第二傾斜部との形状を近似させることができる。第一傾斜部側の側壁部は、肉厚が均等な厚さ寸法に形成されている。第二傾斜部側の側壁部は、肉厚が均等な厚さ寸法に形成されている。
よって、第一傾斜部側の側壁部に設けられた励振電極と、振動腕部の一方側の側面に設けられた励振電極との間にかかる電界が一定になる。また、第二傾斜部側の側壁部に設けられた励振電極と、振動腕部の他方側の側面に設けられた励振電極との間にかかる電界が一定になる。これにより、振動腕部は安定した振動が得られ、圧電振動片の発振および周波数を安定させることができる。
【0012】
上記の課題を解決するために本発明の一態様にかかる圧電振動片の製造方法は、圧電材料からなる基板から、振動腕部を有する圧電振動片を分離形成する圧電振動片の製造方法であって、前記圧電振動片の外形をドライエッチングにより加工して、前記基板から前記圧電振動片を分離する分離加工工程と、前記振動腕部の主面に開口する溝部をドライエッチングにより途中の深さまで加工する第一溝加工工程と、前記途中の深さまで加工した溝部を、ウエットエッチングにより加工して前記溝部を形成する第二溝加工工程と、を備え、前記溝部は、前記主面の幅方向に所定の溝幅寸法に形成された溝底部と、前記溝底部の側辺から前記開口側に向けて前記溝部の側壁部まで傾斜状に延びる傾斜部と、を有することを特徴とする。
【0013】
ここで、小型の圧電振動片は、振動腕部も小型に形成されている。このため、振動腕部に形成する溝部の幅寸法が小さく抑えられる。さらに、溝部のアスペクト比が高い場合、溝幅寸法に対して溝深さ寸法が大きくなる。アスペクト比とは溝幅寸法に対する溝深さ寸法の比をいう。
溝部のアスペクト比が高い場合、ウエットエッチングでは、溝部の側壁部を振動腕部の側面に沿って平行に形成することが難しくなる。
【0014】
そこで、この構成によれば、第一溝加工工程において、溝部をドライエッチングにより途中の深さまで加工するようした。よって、溝部の側壁部を振動腕部の側面に沿って平行に形成することができる。
さらに、第二溝加工工程において、途中の深さまで加工した溝部をウエットエッチングにより加工して溝部を形成するようにした。よって、溝部の溝深さ寸法の管理がドライエッチングに比べて容易になる。
また、溝部の側壁部(以下、平行部という)を振動腕部の側面に沿って平行に形成することができる。よって、振動腕部の側面に設けられた励振電極と、溝部に設けられた励振電極との間にかかる電界が一定になり、振動腕部は安定した振動が得られる。これにより、圧電振動片の発振および周波数を安定させることができる。
【0015】
加えて、第二溝加工工程において、ウエットエッチングで溝部を加工するようにした。よって、溝部に傾斜部を形成できる。これにより、平行部を溝底部に直接連結する場合と比べて、平行部の端部に応力が集中することを抑えることができる。すなわち、振動腕部(すなわち、圧電振動片)の耐衝撃性を高めることができる。
【0016】
上記態様において、前記溝部はアスペクト比が0.7以上に設定されていてもよい。
【0017】
この構成によれば、溝部のアスペクト比が0.7以上の高アスペクト比の場合においても、ドライエッチングと、ウエットエッチングとを組み合わせることにより、溝部の溝深さ寸法の管理が容易で、かつ、溝部に溝底部と傾斜部とを形成できる。
溝部に溝底部を形成することにより平行部を形成できる。これにより、振動腕部に高アスペクト比の溝部が形成されている場合でも、振動腕部は安定した振動が得られる。
また、溝部に傾斜部を形成することにより、平行部の端部に応力が集中することを抑えることができる。これにより、振動腕部(すなわち、圧電振動片)の耐衝撃性を高めることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明の圧電振動片の一態様によれば、アスペクト比が0.7以上の溝部に溝底部と傾斜部とを形成した。これにより、圧電振動片の発振および周波数を安定させることができる。
また、この発明の圧電振動片の製造方法の一態様によれば、ドライエッチングの後にウエットエッチングで溝部を形成するようにした。これにより、溝部の溝深さ寸法を容易に管理でき、さらに、圧電振動片の発振および周波数を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る圧電振動子を分解した状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係るパッケージ本体の凹部に圧電振動片を取り付けた状態を示す平面図である。
【
図3】本発明に係る振動腕部を示す
図2のIII-III線に沿わせた断面図である。
【
図4】本発明に係る振動腕部に第1励振電極および第2励振電極が設けられた状態を示す断面図である。
【
図5】本発明に係る一対の振動腕部の外形をドライエッチング加工する外形加工工程を説明する断面図である。
【
図6】本発明に係る一対の振動腕部に第一溝部および第二溝部を形成する第一溝加工工程および第二溝加工工程を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
[圧電振動子]
図1は本発明に係る圧電振動子1を分解した状態を示す斜視図である。
図1に示すように、圧電振動子1は、いわゆるセラミックパッケージタイプの表面実装型振動子である。圧電振動子1は、内部に気密封止されたキャビティCを有するパッケージ2と、キャビティC内に収容された圧電振動片3と、を備えている。
なお、圧電振動子1は、外形が概略直方体状に形成されている。以下、圧電振動子1の長手方向を長手方向Lといい、短手方向を幅方向Wという。さらに、長手方向Lおよび幅方向Wに対して直交する方向を厚み方向Tという。
【0021】
<パッケージ>
パッケージ2は、圧電振動片3を収容する凹部17を有する。パッケージ2は、パッケージ本体5と、パッケージ本体5に対して接合されるとともに、パッケージ本体5との間にキャビティCを形成する封口板(リッド)6と、を備えている。
パッケージ本体5は、互いに重ね合わされた状態で接合された第1ベース基板10、第2ベース基板11および第3ベース基板12と、第3ベース基板12上に接合されたシールリング13と、を備えている。
【0022】
第1ベース基板10、第2ベース基板11および第3ベース基板12は、上方(すなわち、厚さ方向Tの一方)に向けて開口する箱型に形成されている。第1ベース基板10、第2ベース基板11および第3ベース基板12は、セラミックス材料からなり、厚さ方向Tに一体に積層されている。なお、各基板10~12に用いられるセラミックス材料としては、例えばアルミナ製のHTCCや、ガラスセラミックス製のLTCC等を用いることが可能である。
HTCCは、High Temperature Co-Fired Ceramicの略記である。また、LTCCは、Low Temperature Co-Fired Ceramicの略記である。
【0023】
第1ベース基板10の上面10aは凹部17の底面を形成している。
第2ベース基板11には、貫通部11aが形成されている。貫通部11aの内側面は、キャビティCの側壁の一部を構成している。貫通部11aの幅方向W両側の内側面には、内方に突出するマウント部14A,14Bが設けられている。マウント部14A,14Bは、貫通部11aの長手方向Lの略中央に形成されている。
【0024】
マウント部14A,14Bの上面には、圧電振動片3との接続電極である一対の電極パッド20A,20Bが形成されている。一対の電極パッド20A,20Bを「///」(斜線部)で示す。第1ベース基板10の下面には、一対の外部電極21A,21Bが長手方向Lに間隔をあけて形成されている。電極パッド20A,20Bおよび外部電極21A,21Bは、例えば蒸着やスパッタ等で形成された単一金属による単層膜、または異なる金属が積層された積層膜であり、不図示の配線を介して互いにそれぞれ導通している。
【0025】
第3ベース基板12には、第2ベース基板11と同様に、貫通部12aが形成されている。第1ベース基板10の上面10a、第2ベース基板11の貫通部11aおよび第3ベース基板12の貫通部12aで凹部17が形成されている。
【0026】
シールリング13は、第1ベース基板10、第2ベース基板11および第3ベース基板12の外形よりも一回り小さい導電性の枠状部材である。シールリング13は、第3ベース基板12の上面に接合されている。
具体的には、シールリング13は、銀ロウ等のロウ材や半田材等による焼付けによって第3ベース基板12上に接合されている。あるいは、シールリング13は、第3ベース基板12上に形成(例えば、電解メッキや無電解メッキの他、蒸着やスパッタ等により)された金属接合層に対する溶着等によって接合されている。
【0027】
封口板6は、シールリング13上に重ねられ、シールリング13に対する接合によってパッケージ本体5に対して気密に接合されている。そして、封口板6、シールリング13および凹部17により画成された空間が、気密に封止されたキャビティCとして機能する。
【0028】
<圧電振動片>
図2は本発明に係るパッケージ本体5の凹部17に圧電振動片3を取り付けた状態を示す平面図である。
図2に示すように、圧電振動片3は、水晶やタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。なお、以下の説明では、圧電材料として水晶を例に挙げて説明する。また、圧電振動子1の長手方向L、幅方向Wおよび厚み方向Tは、圧電振動片3の長手方向、幅方向および厚み方向と一致している。したがって、以下の説明では、圧電振動片3の長手方向、幅方向および厚み方向の各方向について、圧電振動子1の長手方向L、幅方向Wおよび厚み方向Tの各方向と同一の符号を付して説明する。
【0029】
圧電振動片3は、いわゆるサイドアーム型の振動片である。具体的には、圧電振動片3は、一対の振動腕部31,32と、一対の振動腕部31,32を接続する基部35と、基部35に接続されている一対の支持腕部33,34と、を有している。
【0030】
一対の振動腕部31,32は、長手方向Lに沿って延在するとともに互いに平行となるように並んで配置されている。一対の振動腕部31,32は、基端31b,32bを固定端として、先端31a,32aが自由端として振動する。一対の振動腕部31,32は、例えば、先端31a,32aの幅寸法が拡大された、いわゆるハンマーヘッドタイプである。一対の振動腕部31,32の先端31a,32aは、重量および振動時の慣性モーメントが増大させられている。これによって、一対の振動腕部31,32は振動し易くなり、一対の振動腕部31,32の長さを短くすることができ、小型化が図られている。なお、本実施形態では、ハンマーヘッドタイプの一対の振動腕部31,32を例に説明するが、一対の振動腕部31,32は、ハンマーヘッドタイプに限定されるものではない。
【0031】
一対の振動腕部31,32のうち、一方の振動腕部31には、第一溝部36および第二溝部37(
図3も参照)が形成されている。第一溝部36および第二溝部37は、一方の振動腕部31の両主面41,42(
図3参照)上において、厚み方向Tに凹むとともに、長手方向Lに沿って延在されている。第一溝部36および第二溝部37は、一方の振動腕部31の基端31bから、先端31a側の幅が拡大される部分に至る間に形成されている。
また、他方の振動腕部32には、第一溝部38および第二溝部39が形成されている。第一溝部38および第二溝部39は、他方の振動腕部32の両主面上において、厚み方向Tに凹むとともに、長手方向Lに沿って延在されている。第一溝部38および第二溝部39は、他方の振動腕部32の基端32bから、先端32a側の幅が拡大される部分に至る間に形成されている。
【0032】
一対の振動腕部31,32には、一対の振動腕部31,32を幅方向Wに振動させる2系統の第1励振電極57および第2励振電極58(
図4参照)が設けられている。各励振電極57,58は、互いに電気的に絶縁された状態でパターニングされ、一対の振動腕部31,32を所定の周波数で振動させることができるように配設されている。
【0033】
一対の振動腕部31,32の基端31b,32b同士が基部35に接続されている。基部35は、一対の振動腕部31,32よりも外側まで幅方向Wに延在している。基部35には、一対の振動腕部31,32の基端31b,32bが一体に接続固定されている。一対の支持腕部33,34は、一対の振動腕部31,32の両外側において、基部35の幅方向W両端部にそれぞれ接続されている。
【0034】
一対の支持腕部33,34は、基部35から一対の振動腕部31,32の延出方向と同じ長手方向Lに沿って互いに平行に延在している。支持腕部33は、電極パッド20Aに導電性接着剤22で固定されている。支持腕部34は、電極パッド20Bに導電性接着剤22で固定されている。これにより、圧電振動片3がパッケージ本体5の電極パッド20Aおよび電極パッド20Bに実装されている。
【0035】
一対の振動腕部31,32は、圧電振動片3のW方向の中心線を軸にして対称に形成されている。よって、一対の振動腕部31,32のうち、一方の振動腕部31を振動腕部31として説明し、他方の振動腕部32の詳しい説明を省略する。
【0036】
図3は本発明に係る振動腕部31を示す
図2のIII-III線に沿わせた断面図である。
図3に示すように、振動腕部31は、第一主面41と、第一主面41と反対側に設けられた第二主面42と、第一主面41と第二主面42とを接続する第一側面43および第二側面44と、を備えている。第一主面41には、第一溝部36が形成されている。第二主面42には、第二溝部37が形成されている。よって、振動腕部31は断面H型に形成されている。
【0037】
第一溝部36は、第一平行部51と、第二平行部52と、第一傾斜部53と、第二傾斜部54と、溝底部55と、を有する。
第一溝部36は、アスペクト比が0.7以上に設定された高アスペクト比の溝である。アスペクト比とは(溝深さ寸法D1/開口36aの溝幅寸法)である。第一溝部36は、第一主面41から溝底部55までの溝深さ寸法がD1に形成されている。
第一溝部36のアスペクト比を、0.7以上の高アスペクト比に設定した理由について後で詳しく説明する。
【0038】
溝底部55は、第一主面41の溝幅寸法W1が幅方向Wへ所定幅に形成されている。溝底部55の一方の側辺55aに第一傾斜部53が形成されている。第一傾斜部53は、一方の側辺55aから第一溝部36の開口36a側に向けて第一側壁部51の基端51aまで傾斜状に延びている。
第一溝部36に溝幅寸法W1の溝底部55が形成されることにより、第一側壁部51が第一側面43に沿って平行に延ばされる。以下、第一側壁部51を第一平行部51という。
【0039】
溝底部55の他方の側辺55bに第二傾斜部54が形成されている。第二傾斜部54は、他方の側辺55bから第一溝部36の開口36a側に向けて第二側壁部52の基端52aまで傾斜状に延びている。
第一溝部36に溝幅寸法W1の溝底部55が形成されることにより、第二側壁部52が第二側面44に沿って平行に延ばされる。以下、第二側壁部52を第二平行部52という。
【0040】
第一平行部51は、第一主面41から溝底部55側の基端51aまでの深さ寸法がD2に形成されている。さらに、第二平行部52は、第一主面41から溝底部55側の基端52aまでの深さ寸法がD3に形成されている。
第一平行部51の深さ寸法D2は、例えば、第一溝部36の溝深さ寸法D1の75%以上に設定されている。また、第二平行部52の深さ寸法D3は、例えば、第一溝部36の溝深さ寸法D1の75%以上に設定されている。
【0041】
なお、前記実施形態では、第一平行部51の深さ寸法D2や、第二平行部52の深さ寸法D3を、第一溝部36の溝深さ寸法D1の75%以上に設定した例について説明するが、これに限定するものではなく、その他の深さ寸法に形成することも可能である。
【0042】
第一平行部51は、前述したように第一側面43と平行に形成されている。よって、第一平行部51と第一側面43との間の第一肉厚は均等な厚さ寸法T1に形成されている。第二平行部52は、前述したように第二側面44と平行に形成されている。よって、第二平行部52と第二側面44との間の第二肉厚は均等な厚さ寸法T2に形成されている。
また、第一肉厚の厚さ寸法T1と、第二肉厚の厚さ寸法T2とは、同じ寸法に形成されている。
【0043】
第二溝部37は、第一主面41と第二主面42との間の中央部56を中心にして第一溝部36と対称に形成されている。よって、第二溝部37の各構成部位に第一溝部36の各構成部位と同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0044】
図4は本発明に係る一対の振動腕部31,32に第1励振電極57および第2励振電極58が設けられた状態を示す断面図である。
振動腕部31の第1励振電極57と第2励振電極58とは互いに電気的に絶縁された状態でパターニングされている。第1励振電極57と第2励振電極58に電位をかけることにより、第一溝部36の第一平行部51から第一側面43に電界が生じ、第一溝部36の第二平行部52から第二側面44に電界が生じる。
振動腕部31は、一定の方向に電界が生じると一定の方向に伸縮する特性(電歪特性と称する。)を有する。これにより、電歪特性により振動腕部31を歪ませて振動を発生させて、一対の振動腕部31,32を幅方向Wに振動させることができる。
【0045】
ここで、振動腕部31は、第一平行部51が第一側面43と平行に形成され、第一肉厚は均等な厚さ寸法T1に形成されている。また、第二平行部52が第二側面44と平行に形成され、第二肉厚は均等な厚さ寸法T2に形成されている。さらに、第一肉厚の厚さ寸法T1と、第二肉厚の厚さ寸法T2とは、同じ寸法に形成されている。
これにより、第1励振電極57と第2励振電極58との間にかかる電界は一定になり、振動腕部31は安定した振動が得られる。
【0046】
他方の振動腕部32は、振動腕部31と圧電振動片3のW方向の中心線を軸にして対称に形成されている。よって、他方の振動腕部32の第1励振電極と第2励振電極とに、振動腕部31の第1励振電極57と第2励振電極58と同じ符号を付して詳しい説明を省略する。他方の振動腕部32においても、第1励振電極57と第2励振電極58との間にかかる電界は一定になり、他方の振動腕部32は安定した振動が得られる。
これにより、圧電振動片3の発振および周波数を安定させることができる。
【0047】
図3に戻って、第一平行部51の基端51aと溝底部55の一方の側辺55aとが第一傾斜部53で傾斜状に連結されている。第二平行部52の基端52aと溝底部55の他方の側辺55bとが第二傾斜部54で傾斜状に連結されている。
よって、第一平行部51および第二平行部52を溝底部55に直接連結する場合と比べて、第一平行部51の基端51aと、第二平行部52の基端52aとに応力が集中することを抑えることができる。
これにより、振動腕部31(すなわち、圧電振動片3)の耐衝撃性を高めることができる。
【0048】
つぎに、本発明に係る一対の振動腕部31,32を形成する圧電振動片3の製造方法を
図5、
図6に基づいて説明する。
なお、
図5、
図6の圧電振動片3の製造方法において、一対の振動腕部31,32は同様に製造される。よって、圧電振動片3の製造方法の理解を容易にするために、一対の振動腕部31,32のうち一方の振動腕部31について詳しく説明して、他方の振動腕部32の詳しい説明を省略する。
【0049】
図5は本発明に係る一対の振動腕部31,32の外形をドライエッチング加工する外形加工工程を説明する断面図である。
図5(a)のマスキング工程において、圧電材料からなる基板61の表面61aと裏面61bとにCr(クロム)でマスキング処理を施してエッチング保護膜63を成膜する。以下、Crでマスキング処理が施されたエッチング保護膜63をCrマスク63という。
Crマスク63、およびCrマスク63とCrマスク63との間の基板61にAu(金)のマスキング処理を施してエッチング保護膜64を成膜する。以下、Auでマスキング処理が施されたエッチング保護膜64をAuマスク64という。
【0050】
図5(b)の分離加工工程において、一対の振動腕部31,32の外形をドライエッチングにより加工して、基板61から一対の振動腕部31,32を分離する。
例えば、一対の振動腕部31,32を四フッ化炭素などのフッ素系ガスを用いてドライエッチングをおこなう。
【0051】
図5(c)のAuマスク64の除去工程において、基板61(
図5(a)参照)から分離した一対の振動腕部31,32からAuマスク64を除去する。一対の振動腕部31,32にCrマスク63のみを残す。
【0052】
図6は本発明に係る一方の振動腕部31に第一溝部36および第二溝部37を形成し、他方の振動腕部32に第一溝部38および第二溝部39を形成する第一溝加工工程および第二溝加工工程を説明する断面図である。
【0053】
図6(a)の第一溝加工工程において、一方の振動腕部31の第一主面41に第一溝部36をドライエッチングにより途中の深さまで加工する。第一溝部36の第一平行部51および第二平行部52が、一方の振動腕部31の第一主面41から第一溝部36の溝底部55(
図6(b)参照)の途中までドライエッチングにより加工される。
これにより、第一平行部51は途中まで、一方の振動腕部31の第一側面43に沿って平行に加工される。また、第二平行部52は途中まで、一方の振動腕部31の第二側面44に沿って平行に加工される。
【0054】
一方の振動腕部31の第二主面42に第二溝部37をドライエッチングにより途中の深さまで加工する。第二溝部37の第一平行部51および第二平行部52が、一対の振動腕部31,32の第二主面42から第二溝部37の溝底部55(
図6(b)参照)の途中までドライエッチングにより加工される。
これにより、第一平行部51は途中まで、一方の振動腕部31の第一側面43に沿って平行に加工される。また、第二平行部52は途中まで、一方の振動腕部31の第二側面44に沿って平行に加工される。
【0055】
特に、小型の圧電振動片は、振動腕部も小型に形成される。一例として、小型の振動腕部の幅寸法は60μm以下に形成される。よって、第一溝部36および第二溝部37のアスペクト比が高くなる。すなわち、溝幅寸法に対して溝深さ寸法が大きくなる。よって、ウエットエッチングでは、水晶の異方性エッチング特有のV字溝形状に溝部が形成される。このため、第一平行部51および第二平行部52を第一側面43および第二側面44に沿って平行に形成することが難しくなる。
【0056】
そこで、第一溝部36および第二溝部37をドライエッチングにより途中の深さまで加工するようした。よって、第一平行部51および第二平行部52を第一側面43および第二側面44に沿って平行に形成できる。
第一溝部36および第二溝部37は、一例として、ドライエッチングにより、溝深さ寸法D1(
図3参照)の70%の深さまで加工される。
【0057】
図6(b)の第二溝加工工程において、一方の振動腕部31において、一例として、途中の深さまで加工した第一溝部36の残り30%を、ウエットエッチングにより加工して第一溝部36を最後まで形成する。例えば、一対の振動腕部31,32を薬液(ヨウ素)に浸漬してウエットエッチングをおこなう。
ウエットエッチングにより、第一溝部36の第一平行部51および第二平行部52のうち残りの部位を形成する。さらに、ウエットエッチングにより、第一傾斜部53と、第二傾斜部54と、溝底部55とを加工して第一溝部36を形成する。
【0058】
ここで、第一溝部36をドライエッチングで途中の深さまで加工した後、ウエットエッチングで第一溝部36を最後まで加工することにより、溝底部55を溝幅寸法W1(
図3参照)の所定幅に形成できる。
これにより、第一平行部51のうち残りの部位を、ウエットエッチングにより、第一側面43に沿って平行に形成できる。また、第二平行部52のうち残りの部位を、ウエットエッチングにより、第二側面44に沿って平行に形成できる。
【0059】
また、一方の振動腕部31において、途中の深さまで加工した第二溝部37をウエットエッチングにより加工して第二溝部37を形成する。ウエットエッチングにより、第二溝部37の第一平行部51および第二平行部52のうち残りの部位を形成する。さらに、ウエットエッチングにより、第一傾斜部53と、第二傾斜部54と、溝底部55とを加工して第二溝部37を形成する。
【0060】
さらに、第二溝部37をドライエッチングで途中の深さまで加工した後、ウエットエッチングで第二溝部37を最後まで加工することにより、溝底部55を溝幅寸法W1(
図3参照)の所定幅に形成できる。
これにより、第一平行部51のうち残りの部位を、ウエットエッチングにより、第一側面43に沿って平行に形成できる。また、第二平行部52のうち残りの部位を、ウエットエッチングにより、第二側面44に沿って平行に形成できる。
このように、途中の深さまで加工した第一溝部36および第二溝部37をウエットエッチングにより加工することにより、第一溝部36および第二溝部37の溝深さ寸法D1の管理がドライエッチングに比べて容易になる。
【0061】
なお、実施形態において、第一溝部36および第二溝部37をドライエッチングで溝深さ寸法D1の70%の深さまで加工し、残り30%をウエットエッチングで加工する例について説明したがこれに限定するものではない。ドライエッチングで加工する溝深さ寸法と、ウエットエッチングで加工する溝深さ寸法とは、適宜選択が可能である。
【0062】
例えば、ドライエッチングを90%以上の深さまで加工して、残りをウエットエッチングで加工してもよい。ウエットエッチングの加工を短くした場合は水晶の異方性が出にくく、第一傾斜部53と第二傾斜部54との幅寸法が同一になる。
第一傾斜部53と第二傾斜部54との幅寸法について説明する。
【0063】
図3に示すように、第一傾斜部53の幅寸法とは、第一傾斜部53の上端(すなわち、第一側壁部51の基端51a)から第一傾斜部53の下端(すなわち、溝底部55の一方の側辺55a)間において溝底部55に沿った溝幅方向の寸法である。
第二傾斜部54の幅寸法とは、第二傾斜部54の上端(すなわち、第二側壁部52の基端52a)から第二傾斜部54の下端(すなわち、溝底部55の他方の側辺55b)間において溝底部55に沿った溝幅方向の寸法である。
第一傾斜部53と第二傾斜部54との幅寸法を同一にすることにより、第一傾斜部53と第二傾斜部54との形状も近似する。第一平行部51は、第一傾斜部53までの肉厚が均等な厚さ寸法T1に形成されている。第二平行部52は、第二傾斜部54までの肉厚が均等な厚さ寸法T2に形成されている。
【0064】
第一肉厚の厚さ寸法T1と、第二肉厚の厚さ寸法T2とは、同じ寸法に形成されている。よって、第一側面43に設けられた励振電極57と、第一溝部36に設けられた励振電極58との間にかかる電界が一定になる。また、第二側面44に設けられた励振電極57と、第一溝部36に設けられた励振電極58との間にかかる電界が一定になる。これにより、振動腕部31は安定した振動が得られ、圧電振動片3の発振および周波数を安定させることができる。
【0065】
図6(c)のCrマスク63の除去工程において、第一溝部36および第二溝部37が形成された一方の振動腕部31からCrマスク63(
図6(b)参照)を除去する。
これにより、圧電振動片3の製造方法により、圧電振動片3の一方の振動腕部31に第一溝部36および第二溝部37を形成できる。
同様に、圧電振動片3の他方の振動腕部32に第一溝部38および第二溝部39を形成できる。
【0066】
このように、ドライエッチングの後にウエットエッチングで第一溝部36、第二溝部37などを加工することにより、アスペクト比が0.7以上の高アスペクト比の溝部を加工することが可能になる。
アスペクト比が0.7以上の高アスペクト比の第一溝部36、第二溝部37などを、ドライエッチングとウエットエッチングとを組み合わせて加工する理由を
図3も参照にして説明する。
【0067】
すなわち、溝部のアスペクト比が0.7以上の高アスペクト比の場合、溝部をウエットエッチングにみで加工すると、水晶の異方性エッチング特有のV字溝形状に溝部が形成される。このため、実施形態の第一溝部36や第二溝部37のように、溝幅寸法W1の溝底部55を形成できない。よって、第一側面43や第二側面44に対して平行な第一平行部51や第二平行部52を形成できない。このため、圧電振動片の発振および周波数を安定させることが難しい。
【0068】
一方、アスペクト比が0.7以上の高アスペクト比の溝部をドライエッチングのみで加工する場合、実施形態の第一傾斜部53や第二傾斜部54を除去した状態に溝部が形成される。すなわち、ドライエッチングのみで溝部を加工する場合、実施形態の第一平行部51や第二平行部52が溝底部55に直接連結される。
このため、第一平行部51と溝底部55との連結部や、第二平行部52と溝底部55との連結部に応力が集中し、耐衝撃性を確保する工夫が要求される。
さらに、溝部をドライエッチングのみで加工する場合、溝部の深さ寸法の管理が難しい。
【0069】
そこで、第一溝部36や第二溝部37などをドライエッチングで途中まで加工し、途中からウエットエッチングで最後まで加工するようにした。
これにより、アスペクト比が0.7以上の高アスペクト比の溝部に、第一平行部51や第二平行部52を形成でき、圧電振動片3の発振および周波数を安定させることができる。これにより、例えば、振動腕部の幅寸法を60μm以下とすることが可能となり、小型の圧電振動片を得ることができる。
また、第一傾斜部53や第二傾斜部54を形成でき、振動腕部31(すなわち、圧電振動片3)の耐衝撃性を高めることができる。さらに、第一溝部36および第二溝部37の溝深さ寸法D1の管理がドライエッチングに比べて容易になる。
【0070】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、いわゆるサイドアーム型の圧電振動片3について説明したが、これに限らない。その他の例として、いわゆるセンタアーム型の圧電振動片に本発明を適用することも可能である。さらに、圧電振動片の基部をパッケージに接合する型の圧電振動片に本発明を適用することも可能である。
【0071】
また、前記実施形態では、振動腕部31の第一主面41に第一溝部36を1本形成した例について説明したが、これに限定しない。その他の例として、振動腕部31の第一主面41に溝部を2本並列に形成することも可能である。
この場合、溝部の幅寸法はさらに小さくなり、溝部のアスペクト比は一層高くなる。一例として、各溝部のアスペクト比は4以上と高くなる。アスペクト比が4以上の溝部でも、ドライエッチングの後にウエットエッチングで加工することが可能になり、実施形態の製造方法をより効果的に用いることができる。
振動腕部31の第一主面41に溝部を2本に形成することにより、Q値の低下を抑制しながら、CI値の低い圧電振動片を提供できる。
【符号の説明】
【0072】
1………圧電振動子
2………パッケージ
3………圧電振動片
31,32…一対の振動腕部
33,34…一対の支持腕部
35……基部
36,38……第一溝部(溝部)
37,39……第二溝部(溝部)
41……第一主面(主面)
42……第二主面(主面)
43……第一側面(側面)
44……第二側面(側面)
51……第一平行部(平行部)
52……第二平行部(平行部)
51a,52a…端部(平行部の端部)
53……第一傾斜部(傾斜部)
54……第二傾斜部(傾斜部)
55……溝底部
55a…溝底部の一方の側辺
55b…溝底部の他方の側辺
61……基板
D1……溝深さ寸法
W1……溝深さ寸法