(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】スロットマシン
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220218BHJP
【FI】
A63F5/04 611A
A63F5/04 650
A63F5/04 651
A63F5/04 620
(21)【出願番号】P 2017204752
(22)【出願日】2017-10-23
【審査請求日】2020-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】梶原 涼
【審査官】佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-093606(JP,A)
【文献】特開2015-092936(JP,A)
【文献】特開2017-176328(JP,A)
【文献】特開2017-136236(JP,A)
【文献】特開2006-109885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技を制御する遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
複数の前記可変表示部を変動表示させるために操作される開始操作手段と、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、前記導出操作手段の操作態様を特定可能な遊技操作情報を示唆可能な示唆手段を含み、
前記演出制御手段は、
所定表示結果組合せが導出可能な遊技において、当該所定表示結果組合せを導出させる前記導出操作手段の操作態様を特定可能な第1演出操作情報を示唆可能な第1操作演出手段と、
特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、当該特定表示結果組合せを導出させる前記導出操作手段の操作態様を特定可能な第2演出操作情報を示唆可能な第2操作演出手段と、
前記特定表示結果組合せが導出されたときに、特定状態に制御されることを示唆する特定演出を実行可能な特定演出手段と、
前記特定表示結果組合せが導出された遊技の次の遊技において、前記特定状態に制御されたことを示唆する特別演出を実行可能な特別演出手段とを含み、
前記第1操作演出手段は、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記第1演出操作情報を示唆しているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合に、当該第1演出操作情報の示唆を再開し、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記第1演出操作情報を示唆しているときに当該第1演出操作情報により特定可能な操作態様とは異なる操作態様で前記導出操作手段が操作されて一部の前記可変表示部が変動表示しているときに電断が発生し、当該電断から復帰した
場合に、当該第1演出操作情報の示唆を再開せず、
前記示唆手段は、前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記遊技操作情報を示唆しているときに当該遊技操作情報により特定可能な操作態様とは異なる操作態様で前記導出操作手段が操作された場合に、当該遊技操作情報の示唆を維持し、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記遊技操作情報および前記第1演出操作情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合に、前記第1演出操作情報よりも前記遊技操作情報の示唆の方が再開タイミングが早く、
前記特定演出手段は、
前記特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでであってかつ前記第2演出操作情報が示唆されているときに電断が発生することなく当該特定表示結果組合せが導出された場合に、前記特定演出を実行し、
前記特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでであってかつ前記第2演出操作情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した後に当該特定表示結果組合せが導出された場合に、前記特定演出を実行せず、
前記第2操作演出手段は、前記特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでであってかつ前記第2演出操作情報を示唆しているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合に、当該第2演出操作情報の示唆を再開せず、
前記特別演出手段は、前記第2演出操作情報が示唆されかつ前記特定表示結果組合せが導出された遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでに電断が発生したか否かに関わらず、当該遊技の次の遊技において前記特別演出を実行する、スロットマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、可変表示部を変動表示した後、可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれたリールを有する可変表示部を備えており、規定の賭数が設定された状態でスタートスイッチが操作されることによりリールが回転開始し、ストップスイッチが操作されてリールの回転が停止したときに入賞ライン上に予め定められた図柄組合せ(たとえば、7-7-7、以下、図柄組合せを表示結果の組合せ、もしくは役とも称する)が導出されることにより入賞が発生する。
【0003】
役の種類としては、小役、特別役、再遊技役といった種類がある。ここで、小役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、小役の種類ごとに定められた数のメダルが払い出される。特別役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、レギュラーボーナスやビッグボーナスといった遊技者にとって有利な特別遊技状態に遊技状態が制御可能となる。また、遊技者にとって有利な操作態様を報知してナビが行われるAT(Assist Time)といった状態にも制御可能である。再遊技役に対応する表示結果が入賞ライン上に導出された場合には、賭数の設定に新たなメダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。
【0004】
このようなスロットマシンとして、遊技の進行を制御する主制御部と演出の制御を行う副制御部とを備え、主制御と副制御部とでリールの停止操作の操作態様を特定可能な操作情報を示唆するものがあった(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のスロットマシンでは、操作態様を特定可能な操作情報を示唆しているときに電断が発生したことについては何ら鑑みられておらず、操作情報の示唆について改良の余地があった。
【0007】
この発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、電断発生時における操作情報の示唆について改良したスロットマシンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシンにおいて、
遊技を制御する遊技制御手段と、
演出を制御する演出制御手段と、
複数の前記可変表示部を変動表示させるために操作される開始操作手段と、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、前記導出操作手段の操作態様を特定可能な遊技操作情報を示唆可能な示唆手段を含み、
前記演出制御手段は、
所定表示結果組合せが導出可能な遊技において、当該所定表示結果組合せを導出させる前記導出操作手段の操作態様を特定可能な第1演出操作情報を示唆可能な第1操作演出手段と、
特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、当該特定表示結果組合せを導出させる前記導出操作手段の操作態様を特定可能な第2演出操作情報を示唆可能な第2操作演出手段と、
前記特定表示結果組合せが導出されたときに、特定状態に制御されることを示唆する特定演出を実行可能な特定演出手段と、
前記特定表示結果組合せが導出された遊技の次の遊技において、前記特定状態に制御されたことを示唆する特別演出を実行可能な特別演出手段とを含み、
前記第1操作演出手段は、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記第1演出操作情報を示唆しているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合に、当該第1演出操作情報の示唆を再開し、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記第1演出操作情報を示唆しているときに当該第1演出操作情報により特定可能な操作態様とは異なる操作態様で前記導出操作手段が操作されて一部の前記可変表示部が変動表示しているときに電断が発生し、当該電断から復帰した
場合に、当該第1演出操作情報の示唆を再開せず、
前記示唆手段は、前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記遊技操作情報を示唆しているときに当該遊技操作情報により特定可能な操作態様とは異なる操作態様で前記導出操作手段が操作された場合に、当該遊技操作情報の示唆を維持し、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記遊技操作情報および前記第1演出操作情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合に、前記第1演出操作情報よりも前記遊技操作情報の示唆の方が再開タイミングが早く、
前記特定演出手段は、
前記特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでであってかつ前記第2演出操作情報が示唆されているときに電断が発生することなく当該特定表示結果組合せが導出された場合に、前記特定演出を実行し、
前記特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでであってかつ前記第2演出操作情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した後に当該特定表示結果組合せが導出された場合に、前記特定演出を実行せず、
前記第2操作演出手段は、前記特定表示結果組合せが導出可能な遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでであってかつ前記第2演出操作情報を示唆しているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合に、当該第2演出操作情報の示唆を再開せず、
前記特別演出手段は、前記第2演出操作情報が示唆されかつ前記特定表示結果組合せが導出された遊技において、前記開始操作手段が操作されてから前記特定表示結果組合せが導出されるまでに電断が発生したか否かに関わらず、当該遊技の次の遊技において前記特別演出を実行する。
なお、スロットマシンは、以下の構成であってもよい。
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を複数備え、
前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、複数の可変表示部の表示結果の組合せである表示結果組合せに応じて入賞が発生可能なスロットマシン(たとえば、スロットマシン1)において、
遊技を制御する遊技制御手段(たとえば、メイン制御部41)と、
演出を制御する演出制御手段(たとえば、サブ制御部91)とを備え、
前記遊技制御手段は、
複数の前記可変表示部を変動表示させるために操作される開始操作手段(たとえば、スタートスイッチ7)と、
表示結果を導出させるために操作される導出操作手段(たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8R)と、
前記導出操作手段の操作態様(たとえば、押し順、操作タイミング)を特定可能な操作情報(たとえば、ナビ情報)を示唆する示唆手段(たとえば、遊技補助表示器12)とを含み、
前記演出制御手段は、前記導出操作手段の操作態様を特定可能な操作情報(たとえば、ナビ情報)の示唆を含む演出を実行する演出手段(たとえば、サブ制御部91がナビ演出などの演出を実行する処理)を含み、
前記演出手段は、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記操作情報を示唆しているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、当該操作情報の示唆を再開し(たとえば、
図8(c1),(d1)に示すように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、当該ナビ情報の示唆が再開される)、
前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記操作情報を示唆しているときに当該操作情報により特定可能な操作態様とは異なる操作態様で前記導出操作手段が操作されて一部の前記可変表示部が変動表示しているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、当該操作情報の示唆を再開せず(たとえば、
図8(e1),(f1)に示すように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されて一部のリールが回転しているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、当該ナビ情報の示唆が再開されず)、
前記示唆手段は、前記開始操作手段が操作された後であってかつ前記操作情報を示唆しているときに当該操作情報により特定可能な操作態様とは異なる操作態様で前記導出操作手段が操作された場合、当該操作情報の示唆を維持し(たとえば、
図8(e1),(f1)に示すように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ遊技補助表示器12においてナビ情報が示唆されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された場合、当該ナビ情報の示唆が維持される)、
前記操作情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、前記演出手段による演出よりも前記示唆手段による当該操作情報の示唆の方が再開タイミングが早い(たとえば、
図9~
図11に示すように、ナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、液晶表示器51の表示(t6)よりも遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆(t3)の方が再開タイミングが早い)。
【0009】
(2) 上記(1)のスロットマシンにおいて、
前記可変表示部が変動表示しているときに電断が発生した場合、前記導出操作手段の操作が無効化され、当該電断から復帰した後に前記可変表示部が変動表示を再開して当該変動表示に基づく有効化条件(たとえば、リール2L,2C,2Rの回転速度が規定速度に達した後に基準位置を通過したこと)が成立したときに、当該導出操作手段の操作が有効化され(たとえば、
図9~
図11に示すように、リール2L,2C,2Rが回転しているときに電断が発生した場合(t1)、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が無効化され、当該電断から復帰した後にリール2L,2C,2Rが回転を再開して回転速度が規定速度に達した後に基準位置を通過したとき(t5)に、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化される)、
前記操作情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、前記有効化条件が成立するタイミングよりも前記示唆手段による当該操作情報の示唆の方が再開タイミングが早い(たとえば、
図9~
図11に示すように、ナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、有効化条件が成立するタイミング(t5)よりも遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆(t3)の方が再開タイミングが早い)。
【0010】
(3) 上記(1)または(2)のスロットマシンにおいて、
前記導出操作手段の操作が有効化された後、前記可変表示部が正常に変動表示していない場合、当該導出操作手段の操作は無効化され(たとえば、
図9~
図11に示すように、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化された後、リール2L,2C,2Rが正常に回転していない場合(t7)、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作は無効化される)、
前記導出操作手段の操作が有効化されているか否かに関わらず前記示唆手段による前記操作情報の示唆は維持される(たとえば、
図9~
図11に示すように、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化されているか否かに関わらず遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆は維持される(t7以降))。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)は、本実施形態に係るスロットマシンの正面図であり、(b)は、スロットマシンの主な内部構成の一例を示す図である。
【
図3】入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。
【
図5】遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される入賞役の組合せについて説明するための図である。
【
図6】押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。
【
図7】各種演出について正解手順で操作されたときの演出の一例を示す図である。
【
図8】押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に電断が発生したときと、7リプ当選に対するナビ演出の実行中に電断が発生したときとの演出の一例を示す図である。
【
図9】押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に電断が発生したときの復帰状況を説明するためのタイミングチャートである。
【
図10】押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に正解手順で停止操作がされた後で電断が発生したときの復帰状況を説明するためのタイミングチャートである。
【
図11】押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に不正解手順で停止操作がされた後で電断が発生したときの復帰状況を説明するためのタイミングチャートである。
【
図12】7リプ当選に対するナビ演出の実行中に正解手順で停止操作がされているときに電断が発生したときの演出の一例を示す図である。
【
図13】7リプ当選に対するナビ演出の実行中に不正解手順で停止操作がされているときに電断が発生したときの演出の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る遊技機としてスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0013】
[スロットマシンの構成]
図1(a)は、本実施形態に係るスロットマシン1の正面図であり、(b)は、スロットマシン1の主な内部構成の一例を示す図である。
【0014】
図1(a)に示すように、スロットマシン1は、画像を表示する液晶表示器51と、音を出力するスピーカ53と、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応する操作情報などが表示される遊技補助表示器12とを備える。ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様には、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作する順番(押し順)と、ストップスイッチ8L,8C,8Rを操作するタイミング(操作タイミング)とが含まれる。本実施の形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に対応する情報(後述するナビ情報)として、押し順に対応する数字が、遊技補助表示器12によって7セグメント表示される。
【0015】
液晶表示器51の下方には、透視窓3が形成されている。遊技者は、この透視窓3を介してスロットマシン1の内部に並設されているリール2L,2C,2Rを視認可能である。各リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の識別情報である図柄が所定の順序で配列されている。透視窓3の下方には、ゲーム(遊技)を開始する際に操作されるスタートスイッチ7と、それぞれのリールの回転を停止させて表示結果を導出させるために操作されるストップスイッチ8L,8C,8Rとが設けられている。リール2L,2C,2Rの背面には、リール2L,2C,2Rを背面から光を照射するリールLED55が設けられている。
【0016】
図1(b)に示すように、スロットマシン1の内部には、遊技の進行を制御するとともに遊技の進行に応じて各種コマンドを出力するメイン制御部41が設けられている。メイン制御部41は、遊技の進行に係る各種制御を行うメインCPU41aと、遊技の進行に係る各種データを記憶するRAM41cとを備える。メイン制御部41は、スタートスイッチ7やストップスイッチ8L,8C,8Rに対する操作を検出し、検出した操作に応じて遊技の進行に係る制御を行う。
【0017】
スロットマシン1の内部には、メイン制御部41からのコマンドに応じて演出を制御するサブ制御部91が設けられている。サブ制御部91は、演出に係る各種制御を行うサブCPU91aと、演出に係る各種データを記憶するRAM91cとを備える。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、液晶表示器51における画像の表示やスピーカ53からの音の出力やリールLED55の点灯態様を制御する。液晶表示器51の画像表示やスピーカ53の音出力に用いられる演出データは、RAM91cに記憶されている。
【0018】
図2は、リールの図柄配列を示す図である。各リールには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。
【0019】
スロットマシン1においてゲームを行う場合、遊技者は、図示しないメダル投入部にメダルを投入するか、図示しないBETスイッチを操作するなどして規定数の賭数を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、かつスタートスイッチ7への操作が有効となってゲームが開始可能な状態となる。入賞ラインとは、透視窓3に表示されたリール2L,2C,2Rにおける図柄の組合せが入賞図柄の組合せと一致するか否かを判定するためのラインである。
【0020】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rが回転する。このとき、メイン制御部41によって内部抽選が行われる。内部抽選は、導出を許容する図柄組合せ(表示結果)を決定する処理である。内部抽選によって図柄組合せの導出が許容されることを、当該図柄組合せに対応する役に当選したともいう。ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転が停止する。これにより、透視窓3に図柄組合せが導出表示される。なお、リールの回転を停止させるためのストップスイッチ8L,8C,8Rに対する操作のうち、1番目のリールの回転を停止させるための操作を第1停止操作、2番目のリールの回転を停止させるための操作を第2停止操作、3番目のリールの回転を停止させるための操作を第3停止操作ともいう。入賞ラインLN上において、当選役の図柄組合せと一致する図柄組合せが停止した場合、当該当選役に対応する入賞が発生する。
【0021】
[入賞役]
図3は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。
【0022】
図3の名称欄には、入賞役の名称が示され、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せが示されている。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せが示されている。付与欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与など)が示されている。
【0023】
再遊技役(リプレイ)は、再遊技を付与する役である。ここで、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値(たとえば、クレジット)を用いることなく次の遊技を行うことが可能であることをいう。換言すると、再遊技とは、遊技者所有の遊技用価値を用いることなく可変表示部が変動表示可能となることであることをいう。本実施形態では、再遊技役が当選すると、導出操作手段の操作態様(操作手順ともいう)(操作順序、および操作タイミングのうちの少なくとも1つ)に関わらず、入賞する。なお変形例として、再遊技役は、当選したとしても、導出操作手段の操作態様によっては、入賞しない役(つまり、取りこぼしのある役)であってもよい。
【0024】
[遊技状態の遷移]
図4は、遊技状態の遷移を説明するための図である。
【0025】
本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率で当選するRT0~RT3を含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(
図4の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照)。
【0026】
[抽選対象役および入賞役の組合せ]
図5は、遊技状態ごとに抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される入賞役の組合せについて説明するための図である。
【0027】
抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類ごとに、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示している。
図5に示されるように、たとえば、7リプは、通常リプレイと7リプレイとを含む。よって、内部抽選で7リプに当選したときには、通常リプレイと7リプレイとに当選したことになる。
【0028】
[押し順役]
図6は、押し順役当選時のリール制御を説明するための図である。
【0029】
本実施の形態においては、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様に応じて導出される表示結果が異なる役として、押し順役が設けられている。押し順役には、押し順ベルと、押し順リプと、7リプとが含まれる。
【0030】
図6に示されるように、押し順ベルには、左ベル1~4、中ベル1~4、および右ベル1~4が含まれる。押し順ベルに当選したゲームで、遊技者にとって有利となる操作手順(正解手順ともいう)でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、遊技者にとって有利となる表示結果が導出される。たとえば、左ベル1に当選したゲームで、正解手順である左第1停止でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、遊技者にとって有利となる右下がりベルの図柄組合せが導出される。一方、不正解手順である左第1停止以外の順番でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると、上段ベルの図柄組合せが導出されるか、あるいは、操作タイミングに応じて上段ベルの図柄組合せが導出できないときには移行出目が導出される。この場合、左第1停止は、左ベル1に対応する正解手順である。なお、押し順ベルに対応する正解手順は、押し順に限らず、操作タイミングであってもよいし、押し順と操作タイミングとが組み合わされたものでもよい。
【0031】
移行出目は、いずれの入賞も発生しない図柄組合せであって、
図5に示す左ベル1~4、中ベル1~4、および右ベル1~4(以下、これらを総じて押し順ベルともいう)のいずれかが当選したときにのみ導出が許容され、遊技状態の移行が生じる出目である。移行出目は、押し順ベルに当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルの入賞を取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0,RT2,RT3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
【0032】
押し順ベルに当選したゲームにおいて、正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出される役(右下がりベル,中段ベル)は、主役と称される。一方、押し順ベルに当選したゲームにおいて、不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときに導出され得る役(上段ベル)は、副役と称される。
【0033】
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L,2C,2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
【0034】
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
【0035】
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(
図5参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0~65535)内の数値を所定の更新規則に従って更新する。
【0036】
メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、7リプに当選したときには、通常リプレイの当選フラグと、7リプレイの当選フラグとが設定される。当選フラグは、入賞の発生の有無に関わらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
【0037】
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(
図6参照)。
【0038】
リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L,8C,8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
【0039】
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(
図3参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、
図4で示した状態に制御する。
【0040】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。
【0041】
ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(
図4参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
【0042】
[ARTについて]
メイン制御部41は、AT(アシストタイム)に制御可能である。また、メイン制御部41は、ATとRT2の双方に制御されるARTに制御可能である。ATは、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作態様(たとえば、押し順や操作タイミング)を遊技者に報知する報知状態である。メイン制御部41は、ATに制御する権利となるATゲームの付与に関するAT抽選を実行する。たとえば、メイン制御部41は、ATゲームを付与するか否か、およびATゲームを付与する場合の付与数(ATゲーム数)をAT抽選で決定する。AT抽選は、たとえば、所定条件が成立(ベルやレア役当選など)したことを契機に実行される。なお、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されることをAT当選と称し、AT抽選においてATゲームを付与することが決定されないことを非AT当選と称する。
【0043】
また、メイン制御部41は、ART中において、上乗せ抽選を実行することもある。上乗せ抽選とは、すでに付与済みのATゲーム数に上乗せしてATゲーム数を付与するための抽選である。上乗せ抽選においてATゲームを上乗せすることが決定されることを上乗せ当選とも称する。上乗せ抽選は、たとえば、所定条件が成立(ベルやレア役当選など)したことを契機に実行される。上乗せ当選したときには、RAM41cに記憶されたATゲーム数に、付与されたATゲーム数が上乗せされる。
【0044】
また、メイン制御部41は、ART中において、特化ゾーンに制御可能である。特化ゾーンに制御されると、通常のART中よりもさらに高い確率で上乗せ当選するようになる。
【0045】
メイン制御部41は、ART中において、特化ゾーン抽選を実行する。特化ゾーン抽選は、特化ゾーンに制御するか否かを決定する抽選である。特化ゾーン抽選は、たとえば、7リプに当選したことを契機に実行される。
【0046】
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、状態コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。
【0047】
[各種演出の概要]
本実施の形態に係るスロットマシン1において、サブ制御部91によって実行される各種演出について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づき各種演出を実行する。
【0048】
[ナビ]
ART中において、メイン制御部41は、遊技補助表示器12を用いて、押し順役が当選したときに、正解手順を特定可能なナビ情報を示唆するナビ報知を実行する。
【0049】
たとえば、ナビ報知においては、「01」の表示により「左中右」および「左右中」の正解手順、「02」の表示により「中左右」および「中右左」の正解手順、および「03」の表示により「右左中」および「右中左」の正解手順がそれぞれ報知される。
【0050】
メイン制御部41は、ART中において押し順役に当選したときには、当該押し順役に対応する正解手順を特定可能な押し順コマンドを出力する。サブ制御部91は、押し順コマンドに基づきナビ演出を実行可能となる。ART中において、サブ制御部91は、液晶表示器51を用いて、押し順コマンドに基づきナビ情報を示唆するナビ演出を実行する。このように、メイン制御部41およびサブ制御部91双方においてナビ情報が示唆される。
【0051】
たとえば、ナビ演出においては、液晶表示器51の下部領域で正解手順が報知されるナビ演出が実行される。左側に左ストップスイッチ8Lを操作すべき順番、中央に中ストップスイッチ8Cを操作すべき順番、および右側に右ストップスイッチ8Rを操作すべき順番が、それぞれ数値画像を用いて表示される。たとえば、「右中左」の正解手順は「321」のナビ画像の表示によって報知される。
【0052】
ここで、「ナビ情報」とは、正解手順を特定可能な情報のことを言う。具体的に、正解手順とは、次に停止操作すべきストップスイッチ8L,8C,8Rを操作順に示したものである。たとえば、正解手順「左右中」は、左ストップスイッチ8Lを操作して左リール2Lを第1停止させ、次に、右ストップスイッチ8Rを操作して右リール2Rを第2停止させ、最後に、中ストップスイッチ8Cを操作して中リール2Cを第3停止させる手順である。
【0053】
押し順ベル当選時には、液晶表示器51においてナビ情報が示唆される。さらにこれに加えて、ナビ画像と連動した敵キャラクタ画像が表示される演出が実行される。たとえば、正解手順が「右中左」と決定された場合は、液晶表示器51にナビ画像「321」が表示される。それとともに、画像「1」に対応する敵キャラクタ画像、画像「2」に対応する敵キャラクタ画像、画像「3」に対応する敵キャラクタ画像が、それぞれ画像「1」、画像「2」および画像「3」の上部に表示されている。
【0054】
そして、正解手順によりストップスイッチ8L,8C,8Rを停止操作するたびに、対応する敵キャラクタを味方キャラクタが攻撃する画像が表示される。最終的に、入賞が発生すると、払い出しが発生したことを報知する文字画像(たとえば、「8枚GET」)が表示される。
【0055】
(バトル演出)
本実施の形態においては、ART中にATゲームの上乗せを遊技者に期待させるバトル演出が実行されることがある。
【0056】
バトル演出においては、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる演出画像が液晶表示器51に表示される。そして、最終的に味方キャラクタが敵キャラクタに勝利すると、「WIN」の文字画像が液晶表示器51に表示され、ATゲームが上乗せされていることが遊技者に示唆される。一方、最終的に味方キャラクタが敵キャラクタに敗北すると、「LOSE」の文字画像が液晶表示器51に表示され、ATゲームが上乗せされなかったことが遊技者に示唆される。
【0057】
(7を狙え演出)
本実施の形態においては、ART中に7リプに当選したゲームにおいて特化ゾーン抽選に当選すると、7を狙え演出が実行される。
【0058】
7を狙え演出においては、液晶表示器51に、赤7図柄揃いを示唆する文字画像「7を狙え」が表示される。これにより、ナビ演出により示唆される押し順でストップスイッチ8L,8C,8Rを停止操作するとともに、全ての停止操作において赤7図柄が停止可能なタイミングでストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すべきことが示唆される。
【0059】
このような操作によって、図柄組合せ「赤7-赤7-赤7」が導出されると、7リプレイが入賞する。また、7リプレイ入賞により後述する入賞時演出が実行される。さらに、次のゲームにおいて特化ゾーン移行演出が実行される。
【0060】
なお、7リプに当選したゲームであっても、特化ゾーン抽選に当選しなかった場合は、7を狙え演出が実行されない。この場合は、不正解手順を示唆するナビ演出が実行される。たとえば、不正解手順「左中右」を示唆するナビ画像「123」を表示して、遊技者に通常リプレイを入賞させるように示唆する。このように、あえて不正解手順を示唆して、赤7を揃えさせないようにしている。
【0061】
また、7リプに当選したゲームであっても、既に特化ゾーンに制御されている場合は、7を狙え演出が実行されない。この場合においても、不正解手順を示唆するナビ演出が実行される。
【0062】
(入賞時演出)
7リプ当選し、かつ、抽選により特化ゾーン当選したゲームにおいて、入賞が発生すると、次のゲームで特化ゾーンへ制御されることを示唆する入賞時演出が実行される。入賞時演出は、液晶表示器51において演出画像を表示すること、および、リールLED55の点滅によって行われる。
【0063】
入賞時演出は、7リプレイに入賞したときに実行される(
図12で後述する)。しかし、特化ゾーンへの移行は7リプ当選時に決定されるため、7リプレイへの入賞可否と特化ゾーンへの移行とは関係ない。このため、たとえば、不正解手順によって通常リプレイが当選したような場合であっても、入賞時演出は実行される(
図13で後述する)。
【0064】
(特化ゾーン移行演出)
さらに、特化ゾーンに制御されると、特化ゾーン移行演出が実行される。特化ゾーン移行演出は、スタートスイッチ7の操作に基づいて、特化ゾーンに制御されたことを示唆する演出である。
【0065】
[各種演出の実行例]
図7~
図13を参照しながら、各種演出の実行例について具体的に説明する。なお、
図7~
図13に示す例においては、すべてARTに制御されている場合を想定する。
【0066】
図7は、各種演出について正解手順で操作されたときの演出の一例を示す図である。
図7(a1),(b1)~(f1)は、押し順リプが当選したときの演出実行例を示す。
図7(a1),(b2)~(g2)は、押し順ベルが当選したときの演出実行例を示す。
図7(a1),(b3)~(g3)は、7リプが当選し、かつ特化ゾーンが当選したときの7を狙え演出の演出実行例を示す。
図7(a4)~(f4)は、上乗せ当選し、その次ゲームにおいて押し順リプが当選したときのバトル演出の演出実行例を示す。
【0067】
(押し順リプ当選時の演出実行例)
図7(a1)に示すように、液晶表示器51には、ART中の通常背景(以下、ART通常背景とも称する)が表示されている。液晶表示器51には、ART通常背景として、刀を持った味方キャラクタが道を走っている画像が表示される。
【0068】
図7(a1)の状態から、次のゲームのスタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、押し順リプに当選したとする。
【0069】
図7(b1)に示すように、押し順リプ当選により、液晶表示器51においてナビ情報が示唆される。たとえば、押し順リプとしてリプレイGR13が当選した場合には、右第1停止が正解手順となる。
【0070】
図示しないが、このとき、遊技補助表示器12には、「03」が表示される。これにより、右第1停止が正解手順であることがメイン報知によって示唆される。
【0071】
図7(c1)に示すように、遊技者が、正解手順により右ストップスイッチ8Rを第1停止操作すると、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像「23」が表示される。これにより、中ストップスイッチ8Cの第2停止操作が促される。
【0072】
図7(d1)に示すように、遊技者が、正解手順により中ストップスイッチ8Cを第2停止操作すると、第2停止操作に対応する画像「2」が消去され、ナビ画像「3」が表示される。これにより、左ストップスイッチ8Lの第3停止操作が促される。
【0073】
図7(e1)に示すように、遊技者が、正解手順により左ストップスイッチ8Lを第3停止操作すると、第3停止操作に対応する画像「3」が消去され、これによりナビ画像の表示が終了する。このとき、
図7(f1)に示すように、リプレイ入賞が発生する。リプレイ入賞時においては、特に入賞時演出は実行されず、背景はART通常背景のままである。
【0074】
(押し順ベル当選時の演出実行例)
次に、
図7(a1)の状態から、次のゲームのスタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、押し順ベルに当選したとする。
【0075】
図7(b2)に示すように、押し順ベル当選により、液晶表示器51においてナビ情報が示唆される。たとえば、押し順ベルとして右ベル1が当選した場合には、右第1停止が正解手順となる。
【0076】
図示しないが、このとき、遊技補助表示器12には、「03」が表示される。これにより、右第1停止が正解手順であることがメイン報知によって示唆される。
【0077】
また、液晶表示器51では、ART通常背景は表示されず、ナビ画像と連動した敵キャラクタ画像が表示される演出が実行される。本演出においては、画像「1」に対応する敵キャラクタ画像、画像「2」に対応する敵キャラクタ画像、画像「3」に対応する敵キャラクタ画像が、それぞれ画像「1」、画像「2」および画像「3」の上部に表示されている。
【0078】
図7(c2)に示すように、遊技者が、正解手順により右ストップスイッチ8Rを第1停止操作すると、画像「1」に対応する敵キャラクタを味方キャラクタが攻撃する画像が表示される。それとともに、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像「23」が表示される。これにより、中ストップスイッチ8Cの第2停止操作が促される。
【0079】
図7(d2)に示すように、遊技者が、正解手順により中ストップスイッチ8Cを第2停止操作すると、画像「2」に対応する敵キャラクタを味方キャラクタが攻撃する画像が表示される。それとともに、第2停止操作に対応する画像「2」が消去され、ナビ画像「3」が表示される。これにより、左ストップスイッチ8Lの第3停止操作が促される。
【0080】
図7(e2)に示すように、遊技者が、正解手順により左ストップスイッチ8Lを第3停止操作すると、画像「3」に対応する敵キャラクタを味方キャラクタが攻撃する画像が表示される。それとともに、第3停止操作に対応する画像「3」が消去され、これによりナビ画像の表示が終了する。
【0081】
このとき、
図7(f2)に示すように、中段ベルが入賞する。それとともに、敵キャラクタを味方キャラクタが攻撃する画像の前面に重畳するように、8枚の払い出しが発生したことを報知する文字画像「8枚GET」が表示される入賞時演出が実行される。その後、スタートスイッチ7が操作されると、
図7(g2)に示すように、背景はART通常背景に戻る。
【0082】
(7リプおよび特化ゾーン当選時の7を狙え演出実行例)
次に、
図7(a1)の状態から、次のゲームのスタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、7リプに当選したとする。さらに、7リプ当選時に実行される抽選において特化ゾーンに当選したとする。
【0083】
図7(b3)に示すように、7リプおよび特化ゾーン当選により、液晶表示器51においてナビ情報が示唆される。具体的には、7リプの正解手順を特定可能なナビ画像が表示される。
【0084】
7リプの正解手順は、右第1停止であり、たとえば、液晶表示器51にはナビ画像「321」が表示される。
【0085】
また、液晶表示器51では、ART通常背景は表示されず、赤7図柄揃いを示唆する文字画像「7を狙え」が表示される。これにより、押し順「右中左」でストップスイッチ8L,8C,8Rを停止操作するとともに、全ての停止操作において赤7図柄が停止可能なタイミングでストップスイッチ8L,8C,8Rを操作すべきことが示唆される。
【0086】
図7(c3)に示すように、遊技者が、赤7図柄が停止可能なタイミングで、正解手順により右ストップスイッチ8Rを第1停止操作すると、右リール2Rには赤7図柄が導出表示される。それとともに、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像「23」が表示される。
【0087】
図7(d3)に示すように、遊技者が、赤7図柄が停止可能なタイミングで、正解手順により中ストップスイッチ8Cを第2停止操作すると、中リール2Cには赤7図柄が導出表示される。それとともに、第2停止操作に対応する画像「2」が消去され、ナビ画像「3」が表示される。
【0088】
図7(e3)に示すように、遊技者が、赤7図柄が停止可能なタイミングで、正解手順により左ストップスイッチ8Lを第3停止操作すると、左リール2Lには赤7図柄が導出表示される。それとともに、第3停止操作に対応する画像「3」が消去され、これによりナビ画像の表示が終了する。
【0089】
左リール2Lに赤7図柄が停止すると、図柄組合せ「赤7-赤7-赤7」が導出表示され、7リプレイが入賞する。
図7(f3)に示すように、7リプレイの入賞により入賞時演出が実行される。具体的には、赤7の画像が画面中央に大きく表示される。そして、所定期間が経過すると、
図7(g3)に示すように、画面中央に文字画像「特化ゾーンGET!」が表示され、特化ゾーンに当選したことが示唆される。
【0090】
(上乗せ当選および押し順リプ当選時のバトル演出実行例)
次に、
図7(a4)に示すゲームにおいて、上乗せ当選した場合の演出実行例について説明する。所定条件が成立し、さらに抽選により上乗せ当選したとする。上乗せ当選により、当該ゲームにおけるストップスイッチ8L,8C,8Rの第3停止時に、バトル演出への発展を示唆する文字画像「発展!」が表示される。
【0091】
そして、
図7(b4)~(f4)に示すように、次のゲームにおいて、バトル演出が実行される。液晶表示器51には、コロッセオで味方キャラクタ(画面左側のキャラクタ)と敵キャラクタ(画面右側のキャラクタ)とが対峙するバトル演出画像が表示され、その前面側において、「バトルスタート」の文字画像が表示される。
【0092】
また、当該ゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、押し順リプに当選したとする。押し順リプ当選により、正解手順「右中左」を示唆するナビ画像「321」が表示される。
【0093】
図7(c4)に示すように、遊技者が、正解手順により右ストップスイッチ8Rを第1停止操作すると、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像「23」が表示される。また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、味方キャラクタが優勢である画像が液晶表示器51に表示されている。
【0094】
図7(d4)に示すように、遊技者が、正解手順により中ストップスイッチ8Cを第2停止操作すると、第2停止操作に対応する画像「2」が消去され、ナビ画像「3」が表示される。また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、コロッセオで味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する画像が再び表示されるとともに、「これで最後だ!!」の文字画像が表示される。
【0095】
図7(e4)に示すように、遊技者が、正解手順により左ストップスイッチ8Lを第3停止操作すると、第3停止操作に対応する画像「3」が消去され、これによりナビ画像の表示が終了する。また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げる画像が液晶表示器51に表示される。この例では、敵キャラクタが優勢である画像が液晶表示器51に表示されている。
【0096】
所定期間が経過すると、
図7(f1)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する画像が液晶表示器51に表示されて、液晶表示器51の中央に「WIN」の文字画像が表示される。これにより、ATゲームが上乗せされたことが確定的に示唆される。
【0097】
[電断発生時のナビ情報の示唆]
次にナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときのナビ情報の示唆について説明する。
【0098】
ここで、電断とは、スロットマシン1に電力が供給されていない状態のことを言う。たとえば、電断には、故障などなんらかの不具合によりスロットマシン1に電力が供給されなくなって発生するものがある。また、それ以外にも、停電などによって発生する電断(瞬断)がある。これらは、遊技中であるか否かに関わらず発生し得る電断であり、遊技店の店員などが意図しない電断である。また、電断には、遊技店が閉店した後に、遊技店の店員などの電源OFF行為により発生する電断がある。
【0099】
電断発生中は、スロットマシン1は、遊技が進行不能な状態である。一方で、電断が発生していないときには、スロットマシン1に電力が供給されている状態にあるため、スロットマシン1は、遊技が進行可能な状態である。
【0100】
本実施例のメイン制御部41は、バックアップ電源により電力が供給されることで記憶内容を保持することが可能なバックアップ記憶領域を備えており、電断検出回路の出力に基づいて電断が検出される場合には、メイン制御部41において記憶されている所定情報をバックアップ記憶領域に記憶させ、スロットマシン1への電力供給が開始されたときには、バックアップ情報を復元する。本実施例のメイン制御部41においても、同様に電断発生時に所定情報をバックアップし、電断から復帰した場合にはバックアップ情報を復元可能な構成となっている。
【0101】
所定情報としては、たとえば、現在制御されている状態(特化ゾーン中など)、内部抽選結果(7リプ当選など)、ART中に遊技者が得たメダル数やATの残りゲーム数などのARTに関する情報、各リールの回転状態などの情報である。
【0102】
このように電断発生時に所定情報をバックアップさせることで、電断から復帰したときにバックアップされた情報に基づき、電断発生前の状態に復元してゲームを再開させることができる。
【0103】
たとえば、現在の制御状態がART状態であれば、電断から復帰した際に、ART状態に制御された状態で復帰することができる。また、サブ制御部91は、状態コマンドを受信することにより、液晶表示器51の表示などを復帰させることができる。
【0104】
ただし、バックアップさせる情報には制限がある。たとえば、バトル演出や7を狙え演出を復帰させようとすると、サブ制御部91がどのような押し順を指示したかや、押し順に応じてどのような演出を行ったかなど、状況に応じた演出の更新状況について各種データをバックアップする必要がある。このため、バックアップのための記憶容量や処理負担の問題から、電断から復帰した際には、これらの演出を復帰させないようにしている。電断から復帰した際には、ARTへの制御情報に基づき、ART通常背景にて演出を復帰させるようにしている。
【0105】
また、上述のように、本実施の形態においては、押し順役が当選したときに、液晶表示器51においてナビ情報が示唆される。ただし、押し順役によっては、遊技補助表示器12においては、ナビ情報が示唆されないものがある。具体的には、押し順ベルおよび押し順リプ当選ゲームにおいては遊技補助表示器12にナビ情報が示唆されるが、7リプ当選ゲームにおいては遊技補助表示器12にナビ情報が示唆されない。
【0106】
これは次のような理由による。押し順ベル当選時および押し順リプ当選時は、メイン制御部41が内部当選情報に基づき押し順を決定して、サブ制御部91に対して押し順コマンドを送信している。このように、サブ制御部91は、メイン制御部41からの押し順コマンドに従ってナビ演出を実行する。
【0107】
これに対して、7リプ当選時は、メイン制御部41からの押し順コマンドに従うことなくサブ制御部91がナビ演出実行のための判断をしている。具体的には、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した内部当選コマンドなどに基づき、7リプ当選情報と特化ゾーン当選情報とを取得する。サブ制御部91は、7リプに当選し、かつ特化ゾーンに当選している場合には、7を狙え演出を実行するとともに、7リプレイを入賞させるためのナビ演出を実行する。サブ制御部91は、7リプが当選しても、特化ゾーンに当選していない場合には、7を狙え演出を実行せず、通常リプレイを入賞させるためのナビ演出を実行する。
【0108】
このように、7リプ当選時において、ナビ演出実行のための判断は、サブ制御部91が行っているため、メイン制御部41は、遊技補助表示器12にナビ情報を報知しないようにしている。また、遊技補助表示器12にナビ情報が報知されなかったとしても、正解手順により7リプレイが入賞(再遊技の付与)し、不正解手順により通常リプレイが入賞(再遊技の付与)するため、どのような停止操作を行ったとしても、遊技者にとっては不利益がない。
【0109】
以下、遊技補助表示器12にナビ情報が示唆される押し順役である押し順ベルの当選時と、遊技補助表示器12にナビ情報が示唆されない押し順役である7リプの当選時を例に挙げて、押し順役当選に対するナビ演出の実行中に電断が発生したときの演出の一例について説明する。
図8は、押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に電断が発生したときと、7リプ当選に対するナビ演出の実行中に電断が発生したときとの演出の一例を示す図である。
【0110】
(押し順ベル当選時に電断が発生したときの演出実行例)
図8(a1)~(f1)は、上乗せ当選し、その次ゲームにおいて押し順リプが当選したときのバトル演出の演出例を示す。
【0111】
図8(a1)に示すように、上乗せ当選した次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作された後、バトル演出が開始する。液晶表示器51には、バトル演出画像が表示されている。また、押し順リプ当選により、正解手順「右中左」を示唆するナビ画像「321」が表示される。また、遊技補助表示器12には、右第1停止が正解手順であることを示唆する「03」が表示される。この状態において電断が発生したとする。電断中においては、液晶表示器51および遊技補助表示器12には何も表示されなくなる。
【0112】
電断から復帰すると、
図8(b1)に示すように、液晶表示器51には、電断発生前に表示されていたバトル演出画像は表示されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像「321」の表示が再開される。また、遊技補助表示器12には、右第1停止が正解手順であることを示唆する「03」の表示が再開される。
【0113】
このように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、当該ナビ情報の示唆が再開される。また、ナビ情報が示唆されかつバトル演出が実行されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、液晶表示器51において、ナビ情報の示唆は再開される一方でバトル演出は再開されず、バトル演出が実行されない場合の背景画像(ART通常背景)が表示されて遊技が進行する。
【0114】
図8(a1)に示す状態において、遊技者が、正解手順により右ストップスイッチ8Rを第1停止操作したとする。このとき、
図8(c1)に示すように、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像「23」が表示される。このように、正解手順に従ってストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、ナビ情報が更新して示唆される。また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げるバトル演出画像が液晶表示器51に表示される。この状態において電断が発生し、当該電断から復帰したとする。
【0115】
電断から復帰すると、
図8(d1)に示すように、液晶表示器51には、バトル演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像「21」の表示が再開される。また、遊技補助表示器12には、右第1停止が正解手順であることを示唆する「03」の表示が再開される。
【0116】
このように、バトル演出が実行される遊技においてスタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rの全てが停止されるまでの間に電断が発生し、当該電断から復帰した場合、バトル演出は再開されない。
【0117】
図8(a1)に示す状態において、遊技者が、不正解手順により左ストップスイッチ8Lを第1停止操作したとする。不正解手順により停止操作された場合は、
図8(e1)に示すように、ナビ画像が消去される。このように、正解手順に従ってストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、ナビ情報の示唆が終了する。
【0118】
また、味方キャラクタと敵キャラクタとがバトルを繰り広げるバトル演出画像が液晶表示器51に表示される。このように、ナビ情報が示唆されかつバトル演出が実行されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された場合、ナビ情報の示唆は終了する一方でバトル演出は継続する。
【0119】
また、このように、ストップスイッチ8L,8C,8Rが正解手順で操作されたか否かに応じてナビ演出の更新態様が異なり、ストップスイッチ8L,8C,8Rが正解手順で操作されたか否かに応じてバトル演出の更新態様が異ならない。
【0120】
この状態において電断が発生し、当該電断から復帰したとする。電断から復帰すると、
図8(f1)に示すように、液晶表示器51には、バトル演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像は表示されない。また、遊技補助表示器12には、右第1停止が正解手順であることをする「03」の表示が再開される。
【0121】
このように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されて一部のリールが回転しているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、液晶表示器51におけるナビ情報の示唆が再開されない。その一方で、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ遊技補助表示器12においてナビ情報が示唆されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された場合、遊技補助表示器12のナビ情報の示唆は維持される。
【0122】
(7リプ当選時に電断が発生したときの演出実行例)
図8(a2)~(f2)は、7リプが当選し、かつ特化ゾーン当選したときの7を狙え演出の演出例を示す。
【0123】
図8(a2)に示すように、スタートスイッチ7が操作されたときに行われた内部抽選において、7リプに当選するとともに特化ゾーンに当選したとする。7リプおよび特化ゾーン当選により、7を狙え演出が開始する。液晶表示器51には、7を狙え演出の演出画像が表示される。また、7リプ当選により、正解手順「右中左」を示唆するナビ画像「321」が表示される。このとき、遊技補助表示器12による報知は行われない。この状態において電断が発生したとする。電断中においては、液晶表示器51および遊技補助表示器12には何も表示されなくなる。
【0124】
電断から復帰すると、
図8(b2)に示すように、液晶表示器51には、電断発生前に表示されていた7を狙え演出の演出画像は表示されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像の表示は再開されない。また、遊技補助表示器12による報知は行われない。
【0125】
このように、
図8(a1),(b1)に示すように、押し順ベル当選しかつナビ情報を示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、ナビ情報の示唆が再開される一方で、
図8(a2),(b2)に示すように、7リプ当選しかつナビ情報を示唆しているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、ナビ情報の示唆が再開されない。
【0126】
図8(a2)に示す状態において、遊技者が、正解手順により右ストップスイッチ8Rを第1停止操作したとする。このとき、
図8(c2)に示すように、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像「23」が表示される。また、7を狙え演出の演出画像が液晶表示器51に表示される。この状態において電断が発生し、当該電断から復帰したとする。
【0127】
電断から復帰すると、
図8(d2)に示すように、液晶表示器51には、7を狙え演出の演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像の表示が再開されない。また、遊技補助表示器12による報知は行われない。
【0128】
図8(a2)に示す状態において、遊技者が、不正解手順により左ストップスイッチ8Lを第1停止操作したとする。不正解手順により停止操作された場合は、
図8(e2)に示すように、ナビ画像が消去される。また、7を狙え演出の演出画像が液晶表示器51に表示される。この状態において電断が発生し、当該電断から復帰したとする。
【0129】
電断から復帰すると、
図8(f2)に示すように、7を狙え演出の演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像の表示が再開されない。また、遊技補助表示器12による報知は行われない。
【0130】
[電断発生後の復帰]
次に、電断が発生し、電断から復帰したときに、各種機器がどのようなタイミングで復帰するかについて説明する。具体的には、遊技補助表示器12、液晶表示器51、リール2L,2C,2R、ストップスイッチ8L,8C,8Rが、それぞれどのようなタイミングで復帰するかについて以下説明する。
【0131】
先に説明したように、電断が発生し、当該電断から復帰したとき、スロットマシン1は、電断発生時にバックアップされた情報に基づき、電断発生前の状態に復帰させる。その際、メイン制御部41は、全てのストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作の受け付けが無効化されている状態で復帰させる。
【0132】
また、各リール2L,2C,2Rのリールモータにおいて、リールを所定の態様で回転させるための励磁パターン、およびリール基準位置からのステップ数については、電断が検出されたときにRAM41cに記憶されていたままの内容で復帰させる。そして、復帰した際には、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示す復帰コマンド、押し順コマンドなどの各種コマンドをサブ制御部91に対して送信する。次に、ゲーム開始時と共通の制御を実行して、ゲームを進行させるための制御を行うことで、遊技補助表示器12における報知を再開させる。
【0133】
次に、電断前に回転制御していたリール2L,2C,2Rのリールモータを電断が検出された時の励磁パターンのステップ数から励磁して、該当するリールを再び規定速度で回転させるように制御し、当該リール2L,2C,2Rの回転速度が規定速度になった場合に、該当するリール2L,2C,2Rのストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作の受け付けを有効化する制御を行う。そして、当該リール2L,2C,2Rの回転速度が規定速度となって基準位置を通過したときに、該当するリール2L,2C,2Rのストップスイッチ8L,8C,8Rによる停止操作の受け付けを有効化する。
【0134】
サブ制御部91は、電断から復帰した後、復帰コマンドを受信した後、液晶表示器51の表示を復帰させる。ここで、液晶表示器51の表示を復帰させるとは、液晶表示器51において、背景画像を含む演出画面などの遊技状態が進行している状態の画面を復帰させることを指す。電断復帰後にナビ演出を再開させる場合は、復帰コマンドおよび押し順コマンドを受信することで、ナビ演出を含めた表示を復帰させる。なお、液晶表示器51の表示に限らず、LEDやスピーカを用いたナビ演出を行っている場合は、これらの機器の演出状態の復帰であってもよい。
【0135】
本実施の形態においては、各種機器が復帰する順番は、遊技補助表示器12の表示、リール2L,2C,2Rの回転開始、ストップスイッチ8L,8C,8Rの有効化、液晶表示器51の表示の順である。
【0136】
(押し順ベル当選時に電断が発生した場合)
以下、押し順ベル当選時を例に挙げて、具体的に説明する。
図9は、押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に電断が発生したときの復帰状況を説明するためのタイミングチャートである。
図9のタイミングチャートにおいて、横軸はタイミングtを示す。縦軸は、上から、スロットマシン1の電源のON/OFF、遊技補助表示器12の表示有無、液晶表示器51の表示有無、リール2L,2C,2Rの動作有無、ストップスイッチ8L,8C,8Rの有効化有無を示す。
【0137】
t1以前においては、電源はON状態である。このとき、
図9(a)に示すように、スタートスイッチ7操作時の押し順ベル当選により、液晶表示器51においてナビ情報が示唆される。また、液晶表示器51には、ART通常背景は表示されず、ナビ画像と連動した敵キャラクタ画像が表示される演出が実行されている。
【0138】
遊技補助表示器12には、正解手順を示唆する「03」が表示される。スタートスイッチ7の操作により、リール2L,2C,2Rは全て回転している。ストップスイッチ8L,8C,8Rは、全て黄色く点灯している。これにより、ストップスイッチ8L,8C,8Rが有効化され、かつ、操作可能であることが示されている。
【0139】
t1において、停電等の電断が発生したとする。このとき、電源はOFF状態となり、全ての機器に電源が供給されない状態となる。これにより、
図9(b)に示すように、遊技補助表示器12および液晶表示器51の表示が消える。また、リール2L,2C,2Rは、回転を停止する。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rは、無効化されるとともに消灯する。
【0140】
t2において、電断から復帰したとする。このとき、電源はON状態となり、全ての機器に電力が供給される。電源投入時の起動時処理を経て、t3において、まず、遊技補助表示器12によるナビ情報の表示が再開される。
図9(c)に示すように、遊技補助表示器12には、正解手順を示唆する「03」が表示される。
【0141】
t4において、リール2L,2C,2Rの回転が再開される。電断前には全てのリールが回転していたため、全てのリール2L,2C,2Rが回転を再開する。
【0142】
そして、各リール2L,2C,2Rの回転速度が規定速度になった後に、t5において基準位置を通過したとする。これにより、ストップスイッチ8L,8C,8Rは有効化条件が成立し、停止操作可能となる。
図9(d)に示すように、ストップスイッチ8L,8C,8Rは、再び全て点灯している。また、リール2L,2C,2Rも規定速度で回転している。
【0143】
このように、リール2L,2C,2Rが回転しているときに電断が発生した場合(t1)、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が無効化され、当該電断から復帰した後にリール2L,2C,2Rが回転を再開して回転速度が規定速度に達した後に基準位置を通過したとき(t5)に、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化される。また、ナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、有効化条件が成立するタイミング(t5)よりも遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆(t3)の方が再開タイミングが早い。
【0144】
一方、電力供給により液晶表示器51も表示を復帰させる。本実施の形態においては、t5において、液晶表示器51の表示が復帰する。電断から復帰すると、液晶表示器51には、ナビ画像と連動した敵キャラクタ画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像の表示が再開される。
【0145】
このように、ナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、液晶表示器51の表示(t6)よりも遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆(t3)の方が再開タイミングが早い。
【0146】
t7において、リール2L,2C,2Rに回転異常が発生し、リール2C,2Rが不正に停止したとする。リールの回転異常が発生すると、ストップスイッチ8L,8C,8Rは無効化され、
図9(f)に示すように、消灯する。ただし、リールの回転異常が発生したしても、遊技補助表示器12によるナビ情報の表示は継続される。
【0147】
このように、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化された後、リール2L,2C,2Rが正常に回転していない場合(t7)、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作は無効化され、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化されているか否かに関わらず遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆は維持される(t7以降)。
【0148】
(押し順ベル当選時に正解手順で第1停止操作がされた後で電断が発生した場合)
図10は、押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に正解手順で停止操作がされた後で電断が発生したときの復帰状況を説明するためのタイミングチャートである。
【0149】
t1以前においては、電源はON状態である。このとき、
図10(a)に示すように、スタートスイッチ7操作時の押し順ベル当選により、液晶表示器51においてナビ情報が示唆されるとともに、ナビ画像と連動した敵キャラクタ画像が表示される演出が実行されている。
【0150】
遊技補助表示器12には、正解手順を示唆する「03」が表示される。スタートスイッチ7の操作により、リール2L,2C,2Rは全て回転している。ストップスイッチ8L,8C,8Rは、全て点灯している。
【0151】
さらに、遊技者が、正解手順により右ストップスイッチ8Rを第1停止操作したとする。このとき、画像「1」に対応する敵キャラクタを味方キャラクタが攻撃する画像が表示される。それとともに、第1停止操作に対応する画像「1」が消去され、ナビ画像「23」が表示される。
【0152】
ストップスイッチ8Rの操作により、ストップスイッチ8Rのランプが黄色から青色に変化するとともに、リール2Rにはベル図柄が導出される。
【0153】
t1において、停電等の電断が発生したとする。このとき、電源はOFF状態となり、全ての機器に電源が供給されない状態となる。これにより、
図10(c)に示すように、遊技補助表示器12および液晶表示器51の表示が消える。また、リール2L,2C,2Rは、回転を停止する。また、ストップスイッチ8L,8C,8Rは、無効化されるとともに消灯する。
【0154】
t2において、電断から復帰したとする。このとき、電源はON状態となり、全ての機器に電力が供給される。
【0155】
t3において、遊技補助表示器12によるナビ情報の表示が再開される。次に、t4において、電断前に回転していたリール2L,2Cは回転を再開する。そして、リール2L,2Cの回転速度が規定速度に達した後に、t5において基準位置を通過することで、ストップスイッチ8L,8C,8Rは有効化条件が成立し、停止操作可能となる。
【0156】
図10(e)に示すように、ストップスイッチ8L,8Cは再び点灯するとともに、ストップスイッチ8Rは再び青く点灯する。
【0157】
t6において、液晶表示器51の表示が復帰する。このとき、液晶表示器51には、バトル演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像「32」の表示が再開される。
【0158】
t7において、リール2L,2C,2Rに回転異常が発生したとする。このとき、ストップスイッチ8L,8C,8Rは無効化され、
図10(g)に示すように、消灯するが、遊技補助表示器12によるナビ情報の表示は継続される。
【0159】
(押し順ベル当選時に不正解手順で第1停止操作がされた後で電断が発生した場合)
図11は、押し順ベル当選に対するナビ演出の実行中に不正解手順で停止操作がされた後で電断が発生したときの復帰状況を説明するためのタイミングチャートである。
【0160】
t1以前においては、電源はON状態である。このとき、
図11(a)に示すように、スタートスイッチ7操作時に押し順ベルが当選したとする。
【0161】
図11(b)に示すように、正解手順である右ストップスイッチ8Rに対応するキャラクタが前進して大きく表示される。しかし、遊技者は、誤って不正解手順により左ストップスイッチ8Lを第1停止操作したとする。不正解手順により停止操作されたことで、ナビ画像が消去される。また、ストップスイッチ8Lの操作により、ストップスイッチ8Lのランプが黄色から青色に変化するとともに、リール2Lにはリプレイ図柄が導出される。
【0162】
t1において、電断が発生したとする。以下、
図10と重複する部分については説明を省略する。
【0163】
t2において、電断から復帰すると、t3において、遊技補助表示器12によるナビ情報の表示が再開される。次に、t4において、電断前に回転していたリール2C,2Rは回転を再開する。そして、リール2C,Rの回転速度が規定速度に達した後に、t5において基準位置を通過することで、ストップスイッチ8L,8C,8Rは有効化条件が満たれ、停止操作可能となる。
【0164】
図11(e)に示すように、ストップスイッチ8C,8Rは再び黄色く点灯するとともに、ストップスイッチ8Lは再び青く点灯する。
【0165】
t6において、液晶表示器51の表示が復帰する。このとき、液晶表示器51には、バトル演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、不正解手順の停止操作を行った後に電断したため、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像の表示は再開されない。
【0166】
t7において、リール2L,2C,2Rに回転異常が発生したとする。このとき、ストップスイッチ8L,8C,8Rは無効化され、
図11(g)に示すように、消灯するが、遊技補助表示器12によるナビ情報の表示は継続される。
【0167】
[入賞時演出および特化ゾーン移行演出]
次に、
図12および
図13を用いて、7リプ当選時の入賞時演出および特化ゾーン移行演出について説明する。
図12では正解手順で操作されたときの演出実行例について説明し、
図13では不正解手順で操作がされたときの演出実行例について説明する。
【0168】
(7リプ当選時に正解手順で操作されたときの演出実行例)
図12は、7リプ当選に対するナビ演出の実行中に正解手順で停止操作がされているときに電断が発生したときの演出の一例を示す図である。
【0169】
図12(a1),(b1)~(g1)は、7リプ当選から正解手順による7リプレイ入賞、および次ゲームのスタートスイッチ7操作による特化ゾーン移行演出が実行されるまでの画面表示の遷移を示している。
図12(a1),(a2)~(g2)は、7リプ当選から第3停止までに電断が発生した場合において、次ゲームのスタートスイッチ7操作による特化ゾーン移行演出が実行されるまでの画面表示の遷移を示している。
【0170】
図12(a1)に示すように、スタートスイッチ7操作時の7リプおよび特化ゾーン当選により、7を狙え演出が開始する。液晶表示器51には、7を狙え演出の演出画像が表示されるとともに、正解手順を示唆するナビ画像「321」が表示される。
【0171】
正解手順で操作された場合は、
図12(b1)に示すように、第1停止操作によりナビ画像の表示が「32」に更新され、
図12(c1)に示すように、第2停止操作によりナビ画像の表示が「3」に更新され、
図12(d1)に示すように、第3停止操作によりナビ画像の表示が終了する。この間、7を狙え演出の演出画像は表示されている。
【0172】
しかし、スタートスイッチ7の操作から第3停止操作がされるまでのいずれかのタイミングで電断が発生した場合、
図12(a2)~(c2)に示されるように、液晶表示器51には、7を狙え演出の演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、どのタイミングで電断が発生したとしても、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像の表示は再開されない。
【0173】
電断が発生せず、正解手順により7リプレイに入賞した場合には入賞時演出が実行される。
図12(e1)に示すように、赤7の画像が画面中央に大きく表示される。これにより、赤7図柄で構成された7リプレイに入賞したことが示唆される。そして、所定期間が経過すると、
図12(f1)に示すように、画面中央に文字画像「特化ゾーンGET!」が表示される。これにより、特化ゾーンに当選したことが示唆される。
【0174】
7リプレイ入賞により、リール2L,2C,2Rには、図柄組合せ「赤7-赤7-赤7」が導出表示されている。このとき、同時に、リールLED55による入賞時演出が実行される。入賞時演出の実行時には、赤7が揃っている中段ライン(入賞ライン)のみ、リールLED55が点滅し、その他の上段、下段ラインのリールLED55は消灯する。
【0175】
図12(f1)において入賞時演出が実行された次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されると、
図12(g1)に示すように、特化ゾーン移行演出が実行される。特化ゾーン移行演出は、スタートスイッチ7が操作されたときにメイン制御部41から出力された状態コマンドに基づいて実行される。液晶表示器51の画面上には、特化ゾーンに制御されたことを示唆する文字画像「特化ゾーン突入!」が表示される。
【0176】
一方、電断が発生した場合、
図12(a2)~(c2)に示すように、ナビ演出が実行されないため、遊技者は、正解手順を知ることができない。このため、たとえば、
図12(e2)に示すように、不正解手順で導出される通常リプが入賞することがある。ただし、遊技者の操作により、たまたま7リプレイが入賞することもあり得る。
【0177】
しかし、
図12(e2),(f2)に示すように、7リプレイが入賞したか否かに関わらず、入賞時演出は実行されない。そして、ART通常背景が表示され、リールLED55による入賞時演出は実行されない。
【0178】
このように、7リプに当選したゲームにおいて、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生することなく7リプレイ入賞したときには、入賞時演出が実行されるが、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生し、当該電断から復帰した後は、入賞時演出が実行されない。
【0179】
また、
図12(f2)において電断復帰後に入賞時演出が実行されなかった場合においても、次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されると、
図12(g2)に示すように、特化ゾーン移行演出が実行される。このように、特化ゾーン移行演出は、前ゲーム(特化ゾーン当選ゲーム)において電断が発生したか否かに関わらず、実行される。
【0180】
(7リプ当選時に不正解手順で操作されたときの演出実行例)
図13は、7リプ当選に対するナビ演出の実行中に不正解手順で停止操作がされているときに電断が発生したときの演出の一例を示す図である。
図12の例と同様に、7リプに当選するとともに特化ゾーンに当選したとする。
【0181】
図13(a1),(b1)~(g1)は、7リプ当選から不正解手順による通常リプ入賞、および次ゲームのスタートスイッチ7操作による特化ゾーン移行演出が実行されるまでの画面表示の遷移を示している。
図13(a1),(a2)~(g2)は、7リプ当選から第3停止までに電断が発生した場合において、次ゲームのスタートスイッチ7操作による特化ゾーン移行演出が実行されるまでの画面表示の遷移を示している。
【0182】
図13(a1)に示すように、スタートスイッチ7操作時の7リプおよび特化ゾーン当選により、7を狙え演出が開始する。液晶表示器51には、7を狙え演出の演出画像が表示されるとともに、正解手順を示唆するナビ画像「321」が表示される。
【0183】
第1停止操作において、不正解手順で操作された場合は、
図13(b1)に示すように、ナビ画像の表示が終了する。この場合、
図13(c1),(d1)に示すように、第3停止操作が行われて全てのリールの回転が停止するまでの間に、ナビ画像が表示されることはない。ただし、この間、7を狙え演出の演出画像は表示されている。
【0184】
スタートスイッチ7の操作から第3停止操作がされるまでのいずれかのタイミングで電断が発生した場合、
図13(a2)~(c2)に示されるように、液晶表示器51には、7を狙え演出の演出画像の表示は再開されず、ART通常背景が表示される。また、どのタイミングで電断が発生したとしても、液晶表示器51には、正解手順を示唆するナビ画像の表示は再開されない。また、第2停止操作のタイミングで、初めて不正解手順で操作された場合であっても、電断復帰後の表示は同じである。
【0185】
電断が発生せず、不正解手順により7リプレイに入賞せず、通常リプレイに入賞した場合であっても、
図13(e1)に示すように、入賞時演出が実行される。この場合、リプレイが揃っている入賞ラインのみ、リールLED55を点滅させ、その他の上段、下段ラインのリールLED55を消灯させる演出が実行される。
【0186】
ただし、実際には赤7が揃っていないため、
図12(e1),(e2)に示したような、赤7の画像を大きく表示させる演出や、文字画像「特化ゾーンGET!」を表示させるような演出は実行しない。
【0187】
入賞時演出が実行された次のゲームにおいて、スタートスイッチ7が操作されると、電断の発生有無に関わらず、
図12(g1),(g2)に示すように、特化ゾーン移行演出が実行される。
【0188】
電断が発生した場合、
図13(e2),(f2)に示すように、7リプレイが入賞したか否かに関わらず、入賞時演出は実行されない。そして、ART通常背景が表示され、リールLED55による演出は実行されない。
【0189】
このように、7リプに当選したゲームにおいて、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生することなく7リプレイ入賞しなかったときには、入賞時演出が実行されるが、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生し、当該電断から復帰した後は、入賞時演出が実行されない。
【0190】
[主な効果]
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
【0191】
(1-1)
図8(c1),(d1)に示すように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、当該ナビ情報の示唆が再開される。また、
図8(e1),(f1)に示すように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されて一部のリールが回転しているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、当該ナビ情報の示唆が再開されない。また、
図8(e1),(f1)に示すように、スタートスイッチ7が操作された後であってかつ遊技補助表示器12においてナビ情報が示唆されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された場合、当該ナビ情報の示唆が維持される。また、
図9~
図11に示すように、ナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、液晶表示器51の表示(t6)よりも遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆(t3)の方が再開タイミングが早い。このように、停止操作を間違えたときには、電断復帰後に、液晶表示器51におけるナビ情報の示唆が再開されないように改良されたため、遊技者を困惑させることがない。また、遊技補助表示器12においては、停止操作を間違えた後の電断復帰後であってもナビ情報の示唆が維持されるように改良されたため、ナビ情報が示唆されていたということを遊技者に認識させることができる。以上のように、電断発生時におけるナビ情報の示唆について改良された。
【0192】
(1-2)
図9~
図11に示すように、リール2L,2C,2Rが回転しているときに電断が発生した場合(t1)、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が無効化され、当該電断から復帰した後にリール2L,2C,2Rが回転を再開して回転速度が規定速度に達した後に基準位置を通過したとき(t5)に、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化される。また、ナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、有効化条件が成立するタイミング(t5)よりも遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆(t3)の方が再開タイミングが早いため、遊技者が誤った操作態様で操作してしまうことを抑止することができる。
【0193】
(1-3)
図9~
図11に示すように、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化された後、リール2L,2C,2Rが正常に回転していない場合(t7)、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が無効化される一方で、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作が有効化されているか否かに関わらず遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆は維持される(t7以降)ため、遊技者が誤った操作態様で操作してしまうことを抑止することができる。
【0194】
(2-1)
図12(e1),(f1)に示すように、7リプに当選したゲームにおいて、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生することなく7リプレイ入賞したときには、入賞時演出が実行されるが、
図12(e2),(f2)に示すように、7リプに当選したゲームにおいて、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生し、当該電断から復帰した後に7リプレイ入賞したときには、入賞時演出を実行されない。このように、電断から復帰した後に入賞時演出を実行しないことで、電断発生時に入賞時演出の演出情報をバックアップする必要がないため、入賞時演出と電断との関係において、バックアップのための記憶容量を削減することができるとともに処理負担を低減することができる。
【0195】
(2-2)
図12(g1),(g2)に示すように、7リプレイ入賞したゲームで電断が発生したか否かに関わらず特化ゾーン移行演出が実行される。このように、電断から復帰したゲームの次のゲームにおいて特化ゾーンに制御されたことが示唆されるため、遊技者に不満を与えることがない。
【0196】
(2-3)
図12(g1),(g2)に示すように、スタートスイッチ7が操作されたときにメイン制御部41から出力された状態コマンドに基づいて特化ゾーン移行演出が実行される。このように、スタートスイッチ7が操作されたときに状態コマンドが出力されるため、当該ゲームにおいては状態に応じた演出を実行することができる。
【0197】
(2-4)
図13(e1),(f1)に示すように、7リプレイ入賞しなかったときにも入賞時演出が実行される。また、
図13(e1),(f1)に示すように、7リプに当選したゲームにおいて、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生することなく7リプレイ入賞しなかったときには、入賞時演出が実行される。また、
図13(e2),(f2)に示すように、7リプに当選したゲームにおいて、リール2L,2C,2Rの回転中に電断が発生し、当該電断から復帰した後に7リプレイ入賞しなかったときには、入賞時演出が実行されない。このように、電断から復帰した後に入賞時演出を実行しないことで、電断発生時に入賞時演出の演出情報をバックアップする必要がないため、入賞時演出と電断との関係において、バックアップのための記憶容量を削減することができるとともに処理負担を低減することができる。
【0198】
(3-1)
図8(a1),(b1)に示すように、ナビ演出が実行されかつバトル演出が実行されているときに電断が発生し、当該電断から復帰した場合、ナビ演出は再開される一方でバトル演出は再開されない。このように、電断から復帰した後にバトル演出を実行しないように改良したことで、電断発生時にバトル演出の演出情報をバックアップする必要がないため、バトル演出と電断との関係において、バックアップのための記憶容量を削減することができるとともに処理負担を低減することができる。以上のように、電断発生時におけるナビ演出について改良された。
【0199】
(3-2)
図8(c1),(d1)に示すように、バトル演出が実行される遊技においてスタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rの全てが停止されるまでの間に電断が発生し、当該電断から復帰した場合、バトル演出は再開されない。このように、電断から復帰した後にバトル演出を実行しないように改良したことで、電断発生時にバトル演出の演出情報をバックアップする必要がないため、バトル演出と電断との関係において、バックアップのための記憶容量を削減することができるとともに処理負担を低減することができる。以上のように、電断発生時におけるナビ演出について改良された。
【0200】
(3-3)
図8(e1),(f1)に示すように、ナビ情報が示唆されかつバトル演出が実行されているときに不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作された場合、ナビ情報の示唆は終了する一方でバトル演出は継続する。このように、ATゲームの上乗せの付与に関する情報を示唆するバトル演出については継続して演出を行うため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0201】
(3-4)
図8(a1),(e1),(f1)に示すように、ナビ情報が示唆されかつ不正解手順でストップスイッチ8L,8C,8Rが操作され、電断が発生し、当該電断から復帰したときには、ナビ情報の示唆を再開されない。このように、不正解手順で操作されたにも関わらず、電断から復帰した後もナビ情報の示唆を行うことによって遊技者を困惑させるようなことがない。
【0202】
(4-1)
図8に示すように、押し順ベル当選時は遊技補助表示器12にナビ情報が示唆されるが、7リプ当選時は遊技補助表示器12にナビ情報が示唆されない一方、押し順ベルおよび7リプのいずれが当選しても、液晶表示器51においてナビ情報が示唆される。また、
図8(a1),(b1)に示すように、押し順ベル当選しかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、ナビ情報の示唆が再開される一方で、
図8(a2),(b2)に示すように、7リプ当選しかつ液晶表示器51においてナビ情報が示唆されているときに電断が発生し、当該電断から復帰したときには、ナビ情報の示唆が再開されない。このように、電断から復帰した後に7リプ当選時のナビ情報の示唆を行わないように改良したことで、電断発生時に7リプ当選時のナビ情報をバックアップする必要がないため、ナビ情報の示唆と電断との関係において、バックアップのための記憶容量を削減することができるとともに処理負担を低減することができる。また、7リプは遊技補助表示器12にナビ情報が示唆されない当選役であるため、電断から復帰後にナビ情報の示唆を行わなかったとしても、遊技者に不利益を与えることがない。以上のように、電断発生時におけるナビ情報の示唆について改良された。
【0203】
(4-2)
図3,
図6に示すように、押し順ベルが当選したとき、ストップスイッチ8L,8C,8Rを正解手順で操作したときは8枚役のベルが入賞し、不正解手順で操作したときには1枚役のベルが入賞する。また、7リプが当選したとき、ストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に関わらず再遊技役が入賞する。このように、7リプレイはストップスイッチ8L,8C,8Rの操作に関わらず再遊技役が入賞するため、電断から復帰後にナビ情報の示唆を行わなかったとしても、遊技者に不利益を与えることがない。
【0204】
(5-1)
図12(a1),
図13(a1)に示すように、ナビ演出が実行されるときに7を狙え演出が実行される場合があり、ストップスイッチ8L,8C,8Rが正解手順で操作されたか否かに応じてナビ演出の更新態様が異なる一方で、ストップスイッチ8L,8C,8Rが正解手順で操作されたか否かに応じて7を狙え演出の更新態様が異ならない。このように、ナビ演出は更新態様を異ならせることで不正解手順で操作されたことを示唆しつつ、7を狙え演出は正解手順であったか否かに関わらず更新態様を異ならせないため、遊技の興趣を向上させることができる。以上のように、ナビ演出によって示唆される正解手順に従って操作されたか否かが、遊技者にとって分かりやすい。
【0205】
(5-2)
図12(a1)~(d1)に示すように、正解手順に従ってストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されたときには、ナビ情報が更新して示唆され、
図13(a1)~(d1)に示すように、正解手順に従ってストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されなかったときには、ナビ情報の示唆が終了することで、正解手順で操作されなかったことを示唆することができる。
【0206】
(5-3)
図12(a1)~(d1),
図13(a1)~(d1)に示すように、電断が発生し、当該電断から復帰した場合、7を狙え演出が実行されない場合のART通常背景が表示されて遊技が進行する。このように、電断から復帰した後に7を狙え演出を実行しないことで、電断発生時に7を狙え演出の演出情報をバックアップする必要がないため、7を狙え演出と電断との関係において、バックアップのための記憶容量を削減することができるとともに処理負担を低減することができる。
【0207】
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
【0208】
[各種演出について]
本実施の形態においては、ART中の押し順ベル当選時において、ナビ演出に関連した演出(ナビ画像と連動した敵キャラクタ画像が表示される)が実行されるようにした。また、押し順リプ当選時には、ナビ演出に関連した演出が実行されないようにした。しかし、これに限らず、押し順ベル当選時において、ナビ演出に関連した演出が実行されないようにしてもよいし、押し順リプ当選時において、ナビ演出に関連した演出が実行されるようにしてもよい。
【0209】
また、押し順ベル当選時には、液晶表示器51において、ナビ画像と連動した敵キャラクタ画像が表示される演出が実行されるようにしたが、これに限らず、ナビ演出に関連するようなものであればどのような演出を実行するようにしてもよい。
【0210】
本実施の形態においては、
図7(c4)に示したように、上乗せ当選した次のゲームにおいて、押し順リプに当選し、バトル演出が実行される例について説明した。しかし、押し順リプ当選に限らず、押し順ベル当選であってもよいし、7リプ当選であってもよい。
【0211】
また、バトル演出は、上乗せ当選した際に実行するようにしたが、これに限らず、AT当選した際に実行させるようにしてもよく、特化ゾーン当選した際に実行させるようにしてもよく、ボーナス当選やCZ当選した際に実行させるようにしてもよい。また、7を狙え演出も同様である。
【0212】
[入賞時演出および特化ゾーン移行演出について]
本実施の形態においては、
図12に示したように、7リプ当選かつ特化ゾーン当選時に入賞時演出を実行する例について説明した。しかし、これに限らず、AT当選、上乗せ当選、ボーナス当選、CZ当選の際に実行させるようにしてもよい。また、ARTやボーナスへの移行時に、特化ゾーン移行演出を実行させるようにしてもよい。
【0213】
また、押し順ベル入賞時において入賞時演出を実行する際には、液晶表示器51において画像「8枚GET」を表示するとともに、ベル図柄が導出された中段ラインにおいてリールLED55を点滅させ、上段および下段ラインにおいてリールLED55を消灯させるようにしてもよい。
【0214】
また、上乗せ当選し、上乗せゲーム数を報知する際に、入賞時演出を実行するようにしてもよい。たとえば、液晶表示器51において、演出用スイッチの操作を促す画像「PUSH」を表示させる。遊技者が演出用スイッチを操作した場合は、液晶表示器51において上乗せされたゲーム数を示唆する画像(たとえば、「+30」)を表示させる。ただし、この場合、入賞そのものは発生していないため、リールLED55による入賞時演出は実行しない。
【0215】
また、
図12(g1)に示したように、特化ゾーン移行演出において、液晶表示器51に文字画像「特化ゾーン突入!」によるタイトル表示をさせることによって、特化ゾーンに制御されることを示唆した。しかし、これに限らず、特化ゾーン中で表示される特有の画像を表示したり、特有の画面レイアウトで表示するなど、特化ゾーンへの制御を示唆されるようなものであればよい。
【0216】
[ナビ情報の示唆について]
本実施の形態においては、液晶表示器51においてナビ画像が表示されているときに、不正解手順により停止操作された場合にナビ画像が消去されるようにした。しかし、これに限らず、ナビ画像を更新せずナビ画像に黒いモヤをかけることによって、ナビ表示の視認性を低下させるようにしてもよい。また、画面の明度を下げて、画面全体を一時的に暗くするようにしてもよい。また、ナビ画像を消去することなく、そのまま表示させるようにしてもよい。
【0217】
また、
図8(a2),(b2)に示すように、7リプが当選したときは遊技補助表示器12による報知は行われないようにし、ナビ画像が表示されている状態で電断が発生し、当該電断から復帰したときに、ナビ画像の表示を復帰させないようにした。しかし、これに限らず、ナビ画像の表示を復帰させるようにしてもよい。
【0218】
[リールの回転異常について]
本実施の形態においては、
図9などに示したように、t7において、リール2C,2Rが不正に停止する回転異常が発生したことにより、ストップスイッチ8L,8C,8Rが無効化されるようにした。また、回転異常は、これに限らず、リールの引っ掛かりや空転が生じてしまって、リールが正常に回転しなくなり、リール基準位置が検出されることなく、ステップ数カウンタが所定のステップ数(例えば、400ステップ)を超えた場合などに発生する。
【0219】
また、ストップスイッチ8L,8C,8Rが無効化される要因として、リールとは無関係なエラーが発生した場合も想定される。たとえば、ストップスイッチ8L,8C,8Rからの検出データが正常に取得されなくなった場合や、各種機器やセンサなどの異常に起因するエラーなどが想定される。このようなエラー発生によりストップスイッチ8L,8C,8Rが無効化された場合であっても、遊技補助表示器12によるナビ情報の示唆は維持されるようにしてもよい。
【0220】
[電断後の復帰について]
本実施の形態においては、
図9などに示したように、電断から復帰したとき、ストップスイッチ8L,8C,8Rの有効化の方が、液晶表示器51の表示よりも先に復帰するようにした。これは、液晶表示器51において演出画像などを表示させるための、画像データを予め記憶している記憶領域から作業用の記憶領域に転送させるためのローディング処理に一定の時間がかかるためである。しかし、ストップスイッチ8L,8C,8Rの回転が規定速度となるのにも一定の時間がかかるため、ストップスイッチ8L,8C,8Rの有効化よりも先に液晶表示器51の表示を復帰させるようにしてもよい。
【0221】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0222】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、3 透視窓、7 スタートスイッチ、8L,8C,8R ストップスイッチ、41 メイン制御部、41a メインCPU、41c RAM、51 液晶表示器、53 スピーカ、91 サブ制御部、91a サブCPU、91c RAM。