IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 水澤化学工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-カリウム-シリカ粒状物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】カリウム-シリカ粒状物
(51)【国際特許分類】
   C05D 1/00 20060101AFI20220218BHJP
   C05D 9/00 20060101ALI20220218BHJP
   C01B 33/12 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
C05D1/00
C05D9/00
C01B33/12 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017210196
(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公開番号】P2019081679
(43)【公開日】2019-05-30
【審査請求日】2020-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000193601
【氏名又は名称】水澤化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(74)【代理人】
【識別番号】100186897
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 さやか
(72)【発明者】
【氏名】石田 仁
【審査官】厚田 一拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-111486(JP,A)
【文献】特開2017-024966(JP,A)
【文献】特開2015-137213(JP,A)
【文献】特開昭57-123881(JP,A)
【文献】特開2007-008792(JP,A)
【文献】特開2006-232666(JP,A)
【文献】特開2008-001555(JP,A)
【文献】特表2007-522069(JP,A)
【文献】特開2007-308322(JP,A)
【文献】特開2002-068871(JP,A)
【文献】特開2015-75691(JP,A)
【文献】特開2003-100670(JP,A)
【文献】EITARO MIWA et al.,Numerical Evaluation of Granule Size Effect on Dissolution Rate of Potassium Silicates and Potassium Polyphosphate in Aqueous Solution,Soil Science Society of America Journal,1977年,Vol.41, No.3,pp.637-640
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C05B 1/00 - 21/00
C05C 1/00 - 13/00
C05D 1/00 - 11/00
C05F 1/00 - 17/993
C05G 1/00 - 5/40
C01B 33/00 - 33/193
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物換算で、下記式(1):
O・mSiO (1)
式中、mは、2.5~4.0の数である、
で表されるモル組成を有しており、X線的に非晶質であり、25℃の水100gに粒状物2gを1時間混合したときのSiO溶解率が10%以上であることを特徴とするカリウム-シリカ粒状物。
【請求項2】
シリカ100質量部当り、1~20質量部の量でショ糖を含んでいる請求項1に記載のカリウム-シリカ粒状物。
【請求項3】
肥料として使用される請求項1または2に記載のカリウム-シリカ粒状物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カリウム-シリカ粒状物に関するものであり、より詳細には、特に稲作用肥料として好適に使用されるカリウム-シリカ粒状物に関する。
【背景技術】
【0002】
ケイ酸は、肥料の三要素(K,P,N)と共に、稲の生育に欠かせない重要な成分であることが知られている。
ところで、稲のケイ酸吸収量は、生殖成長期(出穂約35日前~登塾期)に最も多いが、この時期ではケイ酸吸収量が急激に増えるため、ケイ酸供給力の低い土壌では、十分なケイ酸供給量を確保できない事態が生じる。特に、近年においては、長年の連作による土壌中の可給態ケイ酸分の低下が問題となっており、上記のような事態は特に問題視されている。
【0003】
従って、生殖成長期に合わせて行われるケイ酸分の中間追肥が注目されているのであるが、現在知られている肥料用のケイ酸資材は、中間追肥としては、その特性改善が望まれている。
例えば、肥料用のケイ酸資材としては、ケイ酸カリウム、シリカゲル、シリカヒドロゲルなどが公知である。また、特許文献1には、非晶質ケイ酸塩水和物からなる肥料用の無機組成物が開示されており、その実施例4には、水酸化カリウム、水酸化カルシウム及び非晶質シリカ粉を、振動ミルを用いて乾式混合することにより、水酸化カリウムや水酸化カルシウムのX線回折ピークが痕跡をとどめないレベルにまで非晶質化された無機組成物が示されている。さらに、特許文献2には、ケイ酸カリウムと、他の植物に不可欠な栄養分とからなるシリカ肥料が開示されている。
これら公知のケイ酸資材は、水に対する溶解率が低く、したがって緩効性であり、特定の短期間に稲に吸収させるために中間追肥に求められる即効性という点で不満足である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-119082号
【文献】特開昭57-123881号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、水に対する溶解性に優れ、特に短期間で稲に吸収させることが要求される中間追肥肥料として好適に使用されるケイ酸質資材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、酸化物換算で、下記式(1):
O・mSiO (1)
式中、mは、2.5~4.0の数である、
で表されるモル組成を有しており、X線的に非晶質であり、25℃の水100gに粒状物2gを1時間混合したときのSiO溶解率が10%以上であることを特徴とするカリウム-シリカ粒状物が提供される。
【0007】
本発明のカリウム-シリカ粒状物においては、
(1)シリカ100質量部当り、1~20質量部の量でショ糖を含んでいること、
(2)肥料、特に中間追肥として使用されること、
が好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカリウム-シリカ粒状物は、ケイ酸分と共に、肥料の三要素の一つであるKを構成成分として含んでおり、X線的に非晶質であるが、特に重要な特徴は、25℃の水100gに粒状物2gを1時間混合したときのSiO溶解率が10%以上、好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上であり、水に対する溶解性に極めて優れており、しかも短時間での水溶解量が極めて多いという点にある。このような水に対する溶解性は、ケイ酸カリウムには全く認められない性質であり、このことは、このカリウム-シリカ粒状物がケイ酸カリウムではないことを物語っている。
即ち、かかるカリウム-シリカ粒状物は、上記のように水に対する溶解性に優れているため、出穂期の35~40日程度前から使用される中間追肥肥料として極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例で用いた各試料のX線回折チャートを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<カリウム-シリカ粒状物の特性及び形態>
本発明のカリウム-シリカ粒状物は、酸化物換算で表して、下記式(1):
O・mSiO (1)
式中、mは、2.5~4.0の数である、
で表されるモル組成を有しており、X線的に非晶質である。
ところで、従来、肥料として使用されるケイ酸カリウムは、カリウムのケイ酸塩であり、KSiOの化学式であらわされる無機化合物であり、水ガラス状の物質である。即ち、X線的に非晶質である本発明のカリウム-シリカ粒状物は、上記のようなケイ酸カリウムと、化学組成及び非晶性の点で共通しているのであるが、かかるケイ酸カリウムと決定的に異なっているのは、水に対する溶解性である。本発明のカリウム-シリカ粒状物は、25℃の水100gに粒状物2gを1時間混合したときのSiO溶解率が10%以上、好ましくは30%以上、特に好ましくは50%以上であるのに対し、後述する実施例での実験結果にも示されているように、同条件で測定したケイ酸カリウムのSiO溶解率はほとんどゼロであり、このことから、本発明のカリウム-シリカ粒状物は、ケイ酸カリウムと明確に異なっている。
【0011】
ところで、本発明のカリウム-シリカ粒状物は、X線的に非晶質であり、X線回折ピークを示さないことから、カリウムやシリカがどのような形態で存在しているのか、明確に解明されていないが、後述する製造法で説明されているように、水酸化カリウムとシリカヒドロゲルとを含む水性混合物から所定条件で脱水することにより得られる。このことから推定して、本発明では、水酸化カリウム(或いはカリウム原子)がシリカに固溶した状態で存在しているのではないかと、本発明者等は推定している。
即ち、仮にケイ酸カリウムが生成していたとしても、その生成量は極めて微量であり、カリウムのほとんどがシリカ中に固溶した状態で存在しているため、ケイ酸カリウムとは全く異なる水溶性を示すものと考えられる。
【0012】
<カリウム-シリカ粒状物の製造>
上記で簡単に述べたように、本発明のカリウム-シリカ粒状物は、水酸化カリウムとシリカヒドロゲルとを含む水性混合物を調製し、この水性混合物から脱水することにより得られる。
【0013】
上記水性混合物は、粒状水酸化カリウムを水に溶解し、この水酸化カリウム水溶液とシリカヒドロゲルとを混合・加熱することにより、容易に調製することができる。
混合比は、カリウム分とシリカ分とが、前述した式(1)のモル組成を満足するように設定される。この混合比が式(1)のモル組成を満足していない場合、例えば、水酸化カリウム或いはシリカヒドロゲルを過剰に用いた場合には、目的とする水溶解性を有するカリウム-シリカ粒状物を得ることができない。おそらく、次の段階での脱水工程において、水酸化カリウムとシリカ(ケイ酸)とが反応して水に対する溶解性の乏しいケイ酸カリウムが多く生成してしまうためではないかと考えられる。
【0014】
また、上記の水性混合物中の水含量は特に制限されるものではないが、水含量が多すぎると、次の脱水工程に長時間を要し、工業的に不満足となってしまう。また、水含量が少なすぎると、水酸化カリウムとシリカ分とが均一に分散されず、得られるカリウム-シリカ粒状物の水に対する溶解性にバラツキを生じしてしまうこととなる。このような観点から、水性混合物中の水含量は、85質量%以下、特に70~80質量%程度であることが好ましい。
【0015】
さらに、上記の水性混合物の調製に用いるシリカヒドロゲルは、それ自体公知の方法により製造される。
例えば、ケイ酸ソーダ等のケイ酸アルカリの水溶液と硫酸等の鉱酸の水溶液を混合して中和し、得られた含シリカ懸濁液を水洗、ろ過することにより得られる。ケイ酸アルカリと鉱酸との中和反応は、pHが2~10程度に維持され且つ50℃以下の温度で熟成することにより行われる。得られたシリカヒドロゲルは、ろ過されたものをそのまま水酸化カリウム水溶液と混合してもよいし、適宜乾燥した後、混合してもよい。
【0016】
上記のようにして調製された水酸化カリウム水溶液とシリカヒドロゲルとの混合水性液は、脱水処理に供されるが、かかる脱水を、100℃未満の温度、好ましくは90℃以下の温度で行うことが重要である。即ち、これよりも高い温度で脱水が行われると、後述する実験例に示されているように、XRDにより結晶ピークが発現し、水に対する優れた溶解性を発現させることができない。また、脱水温度をさらに高め、例えば400℃以上で脱水を行うと、結晶ピークは消失しているものの、やはり、水に対する優れた溶解性は生成していない。おそらく、上述した温度よりも高い温度で脱水を行うと、カリウム原子とシリカとの間に化学的結合が形成され、水に対して溶解性の乏しい化合物が生成してしまうためではないかと考えられる。
また、水酸化物とシリカゲルとを振動ミルで混合することによりケイ酸塩を製造する手段が知られているが、このような手段では、難溶性ケイ酸塩が生成してしまうため、本発明のような水に対する優れた溶解性は発現していない。また、この振動エネルギーを小さくしてケイ酸塩の生成を抑えた場合には、潮解性がみられることから単なる水酸化物とシリカとの混合物となっており、そのため、水酸化物のみが水に溶解し、シリカはほとんど水に溶解せず、結局、本発明のようなカリウム-シリカ粒状物を得ることはできない。
【0017】
尚、本発明において、上記のような低温での脱水は、例えば強熱減量が12質量%以上、好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上で、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、特に好ましくは30質量%以下となる程度まで行えばよい。さらに、このような脱水は、上記の混合水溶液を室温で放置しておくことにより行うことも可能であるが、この場合には長時間を要するため、工業的に妥当でなく、通常は、できるだけ上限値に近い温度、例えば80~99℃に加熱することにより脱水処理を行うことが望ましい。このような温度で脱水を行ったとき、所望のレベルにまでの脱水は、厳密ではないが、混合水溶液の量や含水量によっても異なり、厳密に規定することはできないが、一般的には3~24時間程度である。
【0018】
得られたカリウム-シリカの固形物は、必要に応じて、破砕し、篩等により用途に応じた粒径に分級し、例えばメッシュ粒径が10mm以下の粒状物として使用に供される。
【0019】
このような本発明のカリウム-シリカ粒状物は、前述したように、水に対する溶解率が高く、短時間で水に多量に溶解する。従って、カリウム(K)及びケイ酸質を含有しているため、肥料として好適に使用されるが、特に、短時間での水への溶解率が高いため、出穂期の35~40日程度前から使用される中間追肥肥料として極めて好適に使用され、所定の期間内に土壌に散布して使用されることが最適である。
【0020】
本発明のカリウム-シリカ粒状物は、後述する実験例にも示されているように、ショ糖と混合することにより、水に対する溶解率はより向上し、例えば、ショ糖の混合により、実際の使用形態に則した、より短時間かつ希薄状態で測定した水に対する溶解率はさらに増大する。
従って、肥料としての特性(Kやケイ酸質含量)が著しく損なわれない限り、このようなショ糖と混合して使用することもできる。例えば、肥料として使用する場合、シリカ(SiO)100質量部当り、1~20質量部の量でショ糖を混合して使用することが好適である。
【0021】
本発明のカリウム-シリカ粒状物を特に肥料として用いる場合は、前述の水性混合物に対して、他の肥料成分を混合した後に同様の脱水工程を経て製造することができる。また、本発明のカリウム-シリカ粒状物に対して、他の肥料成分を混合して用いることもできる。他の肥料成分を用いることにより、水に対する溶解率は高いまま、複数成分を有する粒状物を得ることができ、肥料として好適に用いることができる。他の肥料成分の混合量は、カリウム-シリカ粒状物の特性である溶解率が著しく損なわれない程度に、適宜調整して決めることができる。
【0022】
さらに、土壌への散布は、例えば、適宜の量の水と混合してスプレー噴霧等により使用することもできる。また、水に混合した形で販売に供することもできるが、何れにしても150℃を超える熱履歴を受けないように保持しておくことが必要である。このような熱履歴を受けると、水に対する優れた溶解性が損なわれてしまうからである。
【0023】
また、本発明のカリウム-シリカ粒状物は、肥料として最も好適であるが、これ以外の用途、例えば、その優れた水溶性を活かして、溶接棒の被覆材、無機塗料の硬化剤、液体洗剤やカリ石ケンの原料としても好適に使用することができる。
【実施例
【0024】
本発明を次の実験例で説明する。
【0025】
(1)結晶構造;
リガク社製ultima4を用いて、Cu-Kαにて下記の条件でX線回折測定を行った。結果を図1に示す(図中の記号は、●:KHSiO、▽:SiOに由来するピークを示す)。
ターゲット:Cu
フィルター:湾曲単結晶グラファイトモノクロメーター
検出器:SC
電圧:40kV
電流:40mA
ステップサイズ:0.02°
計数時間:0.6sec/step
スリット:DS2/3° RS0.3mm SS2/3°
【0026】
(2)強熱減量;
各試料1gを白金ルツボに秤量し、1000℃で焼成し強熱減量を求めた。
【0027】
(3)SiO溶解率;
250mlメスフラスコに25℃の蒸留水100gと各試料2.00gを添加し、振とう機で80rpm、1時間振とう混合し、No.2ろ紙でろ過した後、ろ液を採取してSiO濃度を原子吸光法(AAS法)により測定した。ろ液のSiO濃度から、用いた試料の全SiO量に対する溶解したSiOの割合を算出し、SiO溶解率とした。結果を表1に示す。
【0028】
(4)希薄状態におけるSiO溶解率;
2Lのステンレス製ビーカーに30℃の蒸留水1500gを入れ、攪拌羽根直径4cm、攪拌速度200rpm、水温30℃の条件下にて各試料0.5gを添加し、撹拌30分後に上清部をサンプリングしてSiO濃度を原子吸光法(AAS法)により測定した。上清部のSiO濃度から、用いた試料の全SiO量に対する溶解したSiOの割合を算出し、希薄状態におけるSiO溶解率とした。結果を表2に示す。
【0029】
<実施例1>
市販の水酸化カリウムとシリカヒドロゲルと水とを混合し、SiO:18質量%、KO:7.5質量%、HO:74.5質量%、m=3.75である水性混合物を得た。これをテフロンシートを敷いたステンレス製バットに注ぎ入れ、90℃で10時間脱水処理を行い固形物を得た。これを破砕して厚さ約1~2mm、一辺5mm~10mmのカリウム-シリカ粒状物(強熱減量:23.1質量%、m=3.75)を得た。
【0030】
<実施例2>
実施例1で得られた水性混合物100gにショ糖1gを溶解した後、実施例1と同様の条件で脱水処理及び破砕を行い、カリウム-シリカ粒状物(強熱減量:22.2質量%、m=3.75)を得た。
【0031】
<実施例3>
溶解したショ糖を3gとした他は、実施例2と同様にしてカリウム-シリカ粒状物(強熱減量:27.5質量%、m=3.75)を得た。
【0032】
<比較例1>
市販の水酸化カリウムとシリカヒドロゲルと水とを混合し、SiO:18.1質量%、KO:7.48質量%、HO:74.4質量%、m=3.78である水性混合物を得た。その後、脱水処理の温度を150℃とした他は、実施例1と同様にして粒状物(強熱減量:10.9質量%、m=3.78)を得た。
【0033】
<比較例2>
脱水処理を200℃で10時間とした他は、比較例1と同様にして粒状物(強熱減量:8.1質量%、m=3.78)を得た。
【0034】
<比較例3>
市販の水酸化カリウムとシリカヒドロゲルと水とを混合し、SiO:18.3質量%、KO:7.50質量%、HO:74.2質量%、m=3.78である水性混合物を得た。その後、脱水処理を300℃で10時間とした他は、実施例1と同様にして粒状物(強熱減量:6.5質量%、m=3.82)を得た。
【0035】
<比較例4>
脱水処理を400℃で10時間とした他は、比較例3と同様にして粒状物(強熱減量:3.9質量%、m=3.82)を得た。
【0036】
<比較例5>
市販のケイ酸加里肥料(商品名:全農販売 けい酸加里プレミア34、強熱減量:0.6質量%、m=2.67)を用いた。
【0037】
<比較例6>
市販のシリカヒドロゲル肥料(商品名:富士シリシア株式会社製 ウォーターシリカ、強熱減量:27.7質量%)を用いた。
【0038】
<比較例7>
市販のシリカゲル(強熱減量:2.0質量%)を用いた。
【0039】
<比較例8>
市販のケイ酸カリウム試薬(Alfa Aesar製、強熱減量:1.6質量%、m=3.78)を用いた。
【0040】
<比較例9>
特開2000-119082の実施例4に記載の方法を参考に、シリカ源としてNIPSIL-NSを10.2gと水酸化カルシウム11.7g、水酸化カリウム4.8gを混合し、アルミナボールミルを用いて、144時間混合・粉砕を行い、粉末を得た。(強熱減量:19.9質量%、m=3.86)
得られた粉末のX線回折結果から、水酸化カリウム及び水酸化カルシウム由来のピークがほとんど痕跡をとどめないまで非晶質化していた。
【0041】
<比較例10>
シリカ源としてNIPSIL-NSを16.0gと水酸化カリウム8.1gを混合し、アルミナボールミルを用いて、12時間混合・粉砕を行い、粉末を得た。得られた粉末は直ちに発熱及び潮解し、液状になった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
図1