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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】表示サイズ調整システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/36 20060101AFI20220218BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220218BHJP
   G01S 15/08 20060101ALI20220218BHJP
   H04N 7/15 20060101ALI20220218BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20220218BHJP
【FI】
G09G5/36 520E
G09G5/00 550C
G01S15/08
H04N7/15
G06F3/0481 150
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2017250789
(22)【出願日】2017-12-27
(65)【公開番号】P2019117276
(43)【公開日】2019-07-18
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】西川 政行
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和之
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 毅
(72)【発明者】
【氏名】秋山 恵
(72)【発明者】
【氏名】凌 嘉良
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-108462(JP,A)
【文献】特開平02-311855(JP,A)
【文献】特開2002-286849(JP,A)
【文献】特開2009-063636(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0103197(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
G01S 15/08
H04N 7/15
G06F 3/04815
G03B 21/00-21/10
G03B 21/12-21/13
G03B 21/134-21/30
G03B 33/00-33/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の音波を発生させ、いずれかの壁面から反射した前記音波の反射波を取得する発音受音部と、
前記音波を発生させてから前記音波の反射波を取得するまでの時間差に基づいて前記壁面と前記発音受音部との距離を測定する距離測定部と、
測定された前記距離に対応させて、所定の表示面に表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する表示サイズ調整部と、
を備え、
前記距離測定部は、前記反射波を複数取得した場合、最も長い時間差に基づいて前記距離を測定する、
表示サイズ調整システム。
【請求項2】
所定の音波を発生させ、いずれかの壁面から反射した前記音波の反射波を取得する発音受音部と、
前記音波を発生させてから前記音波の反射波を取得するまでの時間差に基づいて前記壁面と前記発音受音部との距離を測定する距離測定部と、
測定された前記距離に対応させて、所定の表示面に表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する表示サイズ調整部と、
を備え、
前記表示面の画面サイズ情報は、前記画像が分割されて表示される場合、前記画像の分割数に応じて設定される、
表示サイズ調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示サイズ調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示画面においてテキスト情報等の表示サイズを調整することができる情報端末が知られるようになってきた。
【0003】
これに関し、特許文献1には、利用者に関する画像情報を取得する画像取得手段と種々の表示情報を表示可能な表示手段とを備え、利用者が利用する携帯端末であって、画像取得手段にて取得された画像情報の変化に基づいて利用者との距離および当該利用者の向きを画像認識によりそれぞれ求める画像認識手段と、この画像認識手段にて認識された利用者との距離の変化等に応じて表示手段に表示される表示情報のサイズ等を自動調整する制御手段と、を含むことを特徴とする携帯端末が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-9502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来から、大きな会議室において、テキストをディスプレイ等の表示装置で表示する場合、表示サイズの設定内容によっては、当該会議室において表示装置から遠い位置にいる参加者は、表示されるテキストが小さすぎて視認することができないし、他方で、当該会議室において表示装置から近い位置にいる人物にとっては、表示されるテキストが大き過ぎることで見づらくなるし、画面から得られる情報量も極端に少なくなってしまうという課題があった。そこで、特許文献1に記載されているように撮像装置のみを用いて、会議室にいる参加者を検出し、検出された参加者との距離を測定することで表示装置に表示されるテキストのサイズを調整する技術を採用することも考えられる。
【0006】
しかしながら、撮像装置のみを用いて参加者を検出し、検出された参加者との距離を測定する場合であって、例えば会議室のパーティションが透明ガラスであるときには、撮像装置は、会議室の外にいる(会議に参加する意思のない)人物であっても透明ガラスを介して当該人物を検出してしまう可能性がある。よって、会議に参加する意思のない人物との距離に応じてテキストの表示サイズを調整してしまい、表示情報が適切なサイズで表示されることを望むユーザの要望に応えることができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、表示情報を適切な表示サイズに調整可能な表示サイズ調整システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る表示サイズ調整システムは、所定の音波を発生させ、いずれかの壁面から反射した音波の反射波を取得する発音受音部と、音波を発生させてから音波の反射波を取得するまでの時間差に基づいて壁面と発音受音部との距離を測定する距離測定部と、測定された距離に対応させて、所定の表示面に表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する表示サイズ調整部と、を備える。
【0009】
上記表示サイズ調整システムにおいて、距離測定部は、反射波を複数取得した場合、最も長い時間差に基づいて距離を測定してもよい。
【0010】
上記表示サイズ調整システムにおいて、距離測定部は、反射波を複数取得した場合、最も長い第1時間差と当該第1時間差の次に長い第2時間差とに基づいて距離を測定してもよい。
【0011】
上記表示サイズ調整システムにおいて、距離測定部は、所定の強度以上の反射波に基づいて距離を測定してもよい。
【0012】
上記表示サイズ調整システムにおいて、表示サイズ調整部は、測定された距離と、表示面の画面サイズ情報と、に基づいて、表示情報の表示サイズを調整してもよい。
【0013】
上記表示サイズ調整システムにおいて、画面サイズ情報は、画像が分割されて表示される場合、画像の分割数に応じて設定されてもよい。
【0014】
本発明の一態様に係る表示サイズ調整システムは、所定の表示面を観察する人物を含む所定の範囲を撮像する撮像部と、撮像された画像情報から相対的に多数の人物が存在する領域を特定し、撮像位置から領域までの距離を測定する距離測定部と、測定された距離に基づいて、表示面に表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する表示サイズ調整部と、を備える。
【0015】
なお、本発明において、「部」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、表示情報を適切な表示サイズに調整可能な表示サイズ調整システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係る表示サイズ調整システムの一例を示す模式図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る表示サイズ調整処理の一例を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1実施形態に係る表示サイズ調整処理における距離測定処理の一例を示す概念図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る表示装置における表示面で表示される画像の一例を示す図である。(A)は、表示面で表示される画像であって分割表示されていない画像の一例を示す図である。(B)は、表示面で表示される画像であって分割表示された画像の一例を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る表示サイズ調整処理における距離測定処理の他の一例を示す概念図である。
図6】本発明の第3実施形態に係る表示サイズ調整システムの一例を示す概念図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る表示サイズ調整処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る表示サイズ調整システムの一例を示す模式図である。図1に示すように、表示サイズ調整システム1Aは、例示的に、会議室Rのサイズに対応させて、表示情報HIの表示サイズを調整する表示サイズ調整装置3と、所定の表示面Dに表示情報HIを含む画像を表示する表示装置5と、所定の音波を発生させ、いずれかの壁面Wから反射した当該音波の反射波を取得する発音受音部7と、を備える。
【0020】
表示サイズ調整装置3は、表示装置5及び発音受音部7と所定のネットワークNを介して通信可能に接続されている。図1においては、遠隔地にいる会議参加者との電話会議の様子を一例として示している。例えば、表示装置5の表示面Dにおいて表示される画像に含まれる文字情報Tは、遠隔地にいる会議参加者の会話の内容を示している。なお、会議参加者が外国人の場合は、外国人の発言内容を翻訳した内容が文字情報Tとして表示されてもよい。
【0021】
「表示情報」とは、画面に表示される情報であって、例えば文字情報のみならず画像情報をも含む概念である。つまり、表示装置5においては、表示面Dにおいて表示される画像に含まれる図1に示す文字情報T(表示情報HI)の表示サイズを調整するのみならず、表示面Dにおいて表示される画像に含まれるアイコンやスタンプ等の画像情報(表示情報HI)の表示サイズが調整されてもよい。
【0022】
表示サイズ調整装置3は、例示的に、表示情報HIや発音受音部7から送信された時間情報を取得する取得部30と、発音受音部7が音波を発生させてから当該音波の反射波を取得するまでの時間差に基づいて壁面Wと発音受音部7との距離を測定する距離測定部32と、距離測定部32により測定された当該距離に対応させて、所定の表示面Dに表示される画像に含まれる表示情報HIの表示サイズを調整する表示サイズ調整部34と、表示サイズ調整部34が調整した表示サイズで表示情報が表示装置5において表示されるように制御する表示制御部36と、表示サイズ調整処理等に用いる各種情報及び処理結果を記録する記録部38と、を備える。
【0023】
表示サイズ調整装置3は、例えばコンピュータシステムからなるサーバ装置等によって構成され、ソフトウェアプログラムが記録部38からメインメモリに転送されて実行されることにより、取得部30、距離測定部32、表示サイズ調整部34及び表示制御部36が機能ブロックとして動作する。また、当該プログラムは、例えば、所定のネットワークを介して、表示サイズ調整装置3の外部からダウンロードされて提供されてもよいし、又は、CD-ROMやDVD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な各種の情報記録媒体によって提供されてもよい。
【0024】
記録部38は、表示情報HIと、距離測定部32により測定された距離を示す距離情報KIと、表示サイズ調整部34が調整した表示サイズを示す表示サイズ情報SIと、表示面Dの画面サイズを示す画面サイズ情報GIと、を記録する。記録部38は、上記各情報の少なくとも2以上を互いに関連付けて記録してもよいし、互いに関連づけないように記録してもよい。
【0025】
表示装置5は、例えば大型モニターや大型テレビ等を採用し得るが、タブレット端末装置やスマートフォン等の情報出力が可能な他の装置であってもよい。また、表示装置5の台数に特に制限はなく、2台以上であってもよい。表示面Dは、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどの一般的な表示デバイスにより構成されてもよい。なお、表示装置5は、会議室Rのいずれかの壁面Wに設置されてもよいし、設置されなくてもよい。
【0026】
発音受音部7は、例示的に、発音部としてのスピーカ7Aと受音部としてのマイク7Bとを備えて構成されている。後述するとおり、スピーカ7Aとして、無指向性又は指向性スピーカを採用し得る。また、マイク7Bとして、無指向性又は指向性マイクを採用し得る。さらに、後述する表示サイズ調整処理において、発音受音部7(スピーカ7A)が音波を発生した位置と、発音受音部7(マイク7B)が当該音波の反射波を取得する位置は同一である必要があるが、他の場合については、スピーカ7Aとマイク7Bとは異なる位置に配置されてもよい。なお、スピーカ7A及びマイク7Bは常に一体として構成されている必要はなく、別体として構成されてもよい。なお、発音受音部7は、会議室Rのいずれかの壁面Wに設置されてもよいし、設置されなくてもよい。
【0027】
(表示サイズ調整処理)
図2から図4を用いて本発明の第1実施形態に係る表示サイズ調整処理の一例を説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る表示サイズ調整処理の一例を示すフローチャートである。図3は、本発明の第1実施形態に係る表示サイズ調整処理における距離測定処理の一例を示す概念図である。なお、前提として、図3に示すように、Y軸方向を長手方向とする長方形の会議室Rにおいて表示サイズ調整システムを動作させ、発音受音部7を壁面W4に(壁面W4の近傍に)設置することについて、予め当該システム上に設定する。また、図1に示す表示サイズ調整装置3の取得部30は、例えば不図示の遠隔会議システムから遠隔地にいる会議参加者の発話内容等を含む表示情報HIを予め取得している。
【0028】
(ステップS1)
図1に示す取得部30は、ユーザから入力された表示面Dの画面サイズを取得し、記録部38は、画面サイズ情報GIとして記録する。
【0029】
(ステップS3)
図3に示すように、発音受音部7は、音波を発生する。発音受音部7は、例えば、少なくとも一の反射波を受信できる程度の強度の音波を発生するように構成される。発音受音部7は、同時に多数の音波を発生してもよいし、異なるタイミングで複数回音波を発生してもよい。
【0030】
(ステップS5)
発音受音部7は、第1回目として音波の反射波を取得した場合は、ステップS7に進み、音波の反射波を取得できなかった場合は、ステップS3に戻る。図3の例では、発音受音部7は、Y方向における音波の反射波よりも、X方向における音波の反射波を先に受信する。また、以下では、X方向(負)の反射波を、X方向(正)の反射波よりも先に受信する場合を説明する。
【0031】
(ステップS7,S9,S11)
図1に示す距離測定部32は、所定の強度以上の反射波に基づいて距離を測定する。例えば、距離測定部32は、音波の反射波の受信強度が所定の強度以上か否かを判断する。音波の反射波の受信強度が所定の強度以上である場合に、発音受音部7が音波を発生させてから当該音波の反射波を取得するまでの時間差に基づいて壁面と発音受音部7との距離を測定する。図3においては、距離測定部32は、発音受音部7が音波を発生させてから当該音波の反射波を取得するまでの時間差t1に基づいて壁面W1と発音受音部7との距離L1を測定する。距離測定部32は、具体的に、時間差t1と、音速(約340m/s)と、に基づいて距離L1を測定する。なお、音波に関して、壁面の反射による減衰は、空気抵抗における減衰よりも大きいことが知られている。よって、「所定の強度」について、例えば、音波が壁面において複数回反射したことを示す強度として設定し、実際に測定された音波の受信強度を所定の強度と比較することで、壁面において一回反射した反射波を特定することができる。このように、距離測定部32は、例えば壁面において一回反射した反射波に基づいて壁面と発音受音部7との距離を測定してもよい。なお、所定の強度については、発音受音部の周囲の環境や測定条件等を勘案して、様々な強度を設定可能である。
【0032】
(ステップS13)
発音受音部7は、第2回目として音波の反射波を取得した場合は、ステップS15に進み、音波の反射波を取得できなかった場合は、ステップS3に戻る。
【0033】
(ステップS15,S17,S19)
距離測定部32は、例えば、音波の反射波の受信強度が所定の強度以上か否かを判断する。図3においては、音波の反射波の受信強度が所定の強度以上である場合に、距離測定部32は、発音受音部7が音波を発生させてから当該音波の反射波を取得するまでの時間差t2に基づいて壁面W2と発音受音部7との距離L2を測定する。
【0034】
(ステップS21)
発音受音部7は、第3回目として音波の反射波を取得した場合は、ステップS23に進み、音波の反射波を取得できなかった場合は、ステップS3に戻る。
【0035】
(ステップS23,S25,S27)
距離測定部32は、例えば、音波の反射波の受信強度が所定の強度以上か否かを判断する。図3においては、音波の反射波の受信強度が所定の強度以上である場合に、距離測定部32は、発音受音部7が音波を発生させてから当該音波の反射波を取得するまでの時間差t3に基づいて壁面W3と発音受音部7との距離L3を測定する。
【0036】
(ステップS29)
距離測定部32は、距離L1と距離L2との和が距離L3よりも小さいか否か、つまり、予め設定した条件(例えば、Y軸方向を長手方向とする長方形の会議室Rにおいて表示サイズ調整システムを動作させ、発音受音部7を壁面W4に設置すること)とおりに表示サイズ調整システムが使用されているか否かを判断する。条件とおりに表示サイズ調整システムが使用されている場合は、ステップS31に進む。
【0037】
この構成によれば、ユーザが当初予定したとおりに表示サイズ調整システムが活用されていることを確認することができるので、当初予定された内容で表示サイズ調整システムが活用されていない場合は、表示サイズ調整処理を、当初予定された内容で最初からやり直す契機となる。
【0038】
(ステップS31)
表示サイズ調整部34は、距離測定部32により測定された距離に対応させて、所定の表示面Dに表示される画像に含まれる表示情報HIの表示サイズを調整する。表示サイズ調整部34は、例えば、記録部38に予め関連づけて記録された距離情報KI及び表示サイズ情報SIを参照することで、測定された距離に対応した、表示情報の表示サイズを特定する。
【0039】
ここで、距離測定部32は、例えば反射波を複数取得した場合、最も長い時間差t3に基づいて距離L3を測定する。
【0040】
この構成によれば、図3に示す会議室Rに設置された発音受音部7から最も遠い壁面までの距離が測定できる。よって、当該壁面の近傍にいる会議参加者を対象として表示サイズに調整することができる。
【0041】
距離測定部32は、例えば反射波を複数取得した場合、最も長い第1時間差t3と、当該第1時間差の次に長い第2時間差(t1又はt2)と、に基づいて、距離(L4又はL5)を測定する。
【0042】
この構成によれば、図3に示す会議室Rに設置された発音受音部7から最も遠い位置である壁面W1及びW3で形成される会議室Rの角までの距離L4、又は、発音受音部7から最も遠い位置である壁面W2及びW3で形成される会議室Rの角までの距離L5が測定できる。よって、発音受音部7から最も遠い位置の近傍にいる会議参加者を対象として表示サイズに調整することができる。
【0043】
そして、図1に示す表示制御部36は、表示サイズ調整部34が調整した表示サイズで表示情報が表示装置5において表示されるように制御する。例えば、表示制御部36は、表示サイズ調整部34が、距離測定部32により測定された距離と、表示面Dの画面サイズ情報GIと、に基づいて、表示情報の表示サイズを調整した結果に基づいて、表示を制御する。
【0044】
図4は、本発明の第1実施形態に係る表示装置における表示面で表示される画像の一例を示す図である。(A)は、表示面で表示される画像であって分割表示されていない画像の一例を示す図である。(B)は、表示面で表示される画像であって分割表示された画像の一例を示す図である。
【0045】
図4(A)に示すように、図1に示す表示制御部36は、距離測定部32により測定された距離と、表示面Dの画面サイズ情報GIと、に基づいて、表示サイズが調整された文字情報Tを含む画像Gを、表示装置5において表示するように制御する。
【0046】
画面サイズ情報GIは、画像Gが分割されて表示される場合、画像Gの分割数に応じて設定されてもよい。図4(B)に示すように、表示制御部36は、距離測定部32により測定された距離と、画像Gの分割数に応じて設定された画面サイズ情報GIと、に基づいて、表示サイズが調整された文字情報Tを含む画像Gを、表示装置5において表示するように制御する。
【0047】
この構成によれば、表示面Dにおいて画像Gが分割されて表示される場合であっても、表示情報を、画像Gの分割数に更に応じた表示サイズに調整することができる。
【0048】
図3に戻り、Y軸上に発音受音部7が配置されている場合、図1に示す距離測定部32は、距離L1と距離L2とは同一であるとみなして、少なくとも一方の距離を測定することで、他方の距離を推定するように構成されてもよい。
【0049】
この構成によれば、少なくとも一方の距離を測定するだけでよいので、より簡易な測定処理で済むので、測定処理の効率が向上する。
【0050】
なお、距離測定部32は、会議室Rにおける発音受音部7から壁面等までの距離を測定しているが、会議室Rの面積を測定してもよい。この場合、表示サイズ調整部34は、例えば、記録部38に予め関連づけて記録された面積情報(不図示)及び表示サイズ情報SIを参照することで、測定された面積に対応した、表示情報の表示サイズを特定する。
【0051】
以上説明した第1実施形態によれば、発音受音部7が音波を発生させてから当該音波の反射波を取得するまでの時間差に基づいていずれかの壁面と発音受音部7との距離を測定し、測定された当該距離に対応させて、表示装置5の所定の表示面Dに表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する。よって、測定された距離に応じて表示情報を適切な表示サイズに調整できる。
【0052】
<第2実施形態>
図5を用いて本発明の第2実施形態に係る表示サイズ調整処理における距離測定処理の一例を説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る表示サイズ調整処理における距離測定処理の一例を示す概念図である。第2実施形態に係る図5に示す概念図と、第1実施形態に係る図1に示す概念図との相違は、図5に示す発音受音部7が、いずれの壁面W1~W4にも接していないのに対して、図1に示す発音受音部7が、壁面W4に接している点である。以下では、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0053】
図5に示すように、発音受音部7が、いずれの壁面W1~W4にも接していないため、図1に示す距離測定部32は、図2に示すフローチャートに記載された処理と同様に、4回にわたって反射波を受信することで、各距離L1~L4を測定してもよい。
【0054】
図5の例において、図1に示すように、指向性があるスピーカ7Aと指向性があるマイク7Bとを採用することで、発音受音部7は、四方向からの反射波を正確に把握することができるので、距離測定部32は、より適切に各距離L1~L4を測定することができる。なお、図3の例においても、発音受音部7として、指向性があるスピーカ7Aと指向性があるマイク7Bとを採用することで、より正確な距離を測定することができる。
【0055】
なお、上記距離測定処理においては、発音受音部7の位置を基準として会議室Rの壁面等との距離を測定している。よって、表示装置5と発音受音部7とは、同一の位置、又は、できる限り近い位置に配置されることが望ましい。よって、表示サイズ調整システムにおいては、例えば図5に示す領域Aのように、表示装置5の位置から所定の範囲内に発音受音部7を配置するための限界範囲が設定されるように構成されてもよい。
【0056】
以上説明した第2実施形態によれば、第1実施形態の効果、つまり、測定された距離に対応させて、表示情報を適切な表示サイズに調整できることに加えて、会議室R内において、発音受音部7の配置位置の自由度が高まるため、ユーザの利便性が向上する。
【0057】
<第3実施形態>
図6及び図7を用いて本発明の第3実施形態に係る表示サイズ調整処理を説明する。図6は、本発明の第3実施形態に係る表示サイズ調整システムの一例を示す概念図である。第3実施形態に係る図6に示す表示サイズ調整システム1Bと、第1実施形態に係る図1に示す表示サイズ調整システム1Aとの相違は、図6に示す表示サイズ調整システム1Bが、撮像部9を備えるのに対して、図1に示す表示サイズ調整システム1Aは、撮像部を備えない点である。以下では、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。
【0058】
図6に示すように、表示サイズ調整システム1Bは、例示的に、所定の表示面Dを観察する人物を含む所定の範囲を撮像する撮像部9と、撮像された画像情報から相対的に多数の人物が存在する領域を特定し、撮像位置から当該領域までの距離を測定する距離測定部32と、測定された距離に基づいて、表示面Dに表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する表示サイズ調整部36と、を備える。
【0059】
図7は、本発明の第3実施形態に係る表示サイズ調整処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、図2に示すフローチャートにおけるAから続くステップを示すものであってもよいし、図2に示すフローチャートとは独立したステップであってもよい。
【0060】
(ステップ41)
図6に示す撮像部9は、会議室Rの所定の範囲を撮像する。
【0061】
(ステップ43)
撮像部9により、例えば所定の表示面Dを観察する人物が検出された場合、ステップS45に進み、所定の表示面Dを観察する人物が検出されなかった場合、ステップS41に戻る。
【0062】
(ステップ45)
距離測定部32は、撮像部9により撮像された画像情報から相対的に多数の人物が存在する領域を特定し、撮像位置から当該領域までの距離を測定する。
【0063】
(ステップ47)
距離測定部32は、特定された領域が、会議室R内の領域であるか否かを判断する。距離測定部32は、例えば、会議室Rにおける撮像部9から最も遠い壁面までの距離等が予め分かっている場合は、測定した距離と会議室Rにおける撮像部9から最も遠い壁面までの距離とを比較することで、特定された領域が、会議室R内の領域であるか否かを判断してもよい。
【0064】
また、距離測定部32は、例えば、撮像位置から当該領域までの距離と、図2に示すフローチャートにおける距離測定処理で測定した距離と、を比較することで、特定された領域が、会議室R内の領域であるか否かを判断してもよい。
【0065】
(ステップ49)
表示サイズ調整部36は、距離測定部32により測定された距離に基づいて、表示面Dに表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する。
【0066】
以上説明した第3実施形態によれば、撮像された画像情報から相対的に多数の人物が存在する領域を特定し、撮像位置から当該領域までの距離を測定し、測定された距離に基づいて、表示面Dに表示される画像に含まれる表示情報の表示サイズを調整する。よって、会議室Rにおいて相対的に多数の人物が存在する領域の位置に対応させて、表示情報を適切な表示サイズに調整できる。
【0067】
なお、撮像部9により撮像された画像情報から特定の人物が存在する領域を特定し、撮像位置から当該領域までの距離を測定してもよい。
【0068】
この構成によれば、特定の人物までの距離に応じた適切なサイズで表示情報を表示させることができる。
【0069】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(例えば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0070】
例えば、第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせることで、まず、会議室における発音受音部といずれかの壁面との距離を測定することで会議室のおよそのサイズを把握しつつ、撮像部により撮像された画像情報から相対的に多数の人物が存在する領域を特定し、撮像位置から当該領域までの距離を測定することで、会議室内にいる特定の人物までの距離に応じて表示情報の表示サイズをより正確に調整することができる。
【0071】
図3に示す例では、Y軸方向を長手方向とする長方形の会議室Rが採用されているが、Y軸方向を短手方向とする長方形の会議室Rが採用されてもよい。なお、会議室Rの形状は長方形である必要はなく、正方形でもよいし、他の形状が採用されてもよい。
【符号の説明】
【0072】
1A,1B…表示サイズ調整システム
3…表示サイズ調整装置
5…表示装置
7…発音受音部
7A…スピーカ
7B…マイク
9…撮像部
30…取得部
32…距離測定部
34…表示サイズ調整部
36…表示制御部
38…記録部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7