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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/38 20060101AFI20220218BHJP
   E05D 1/04 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
E06B3/38
E05D1/04 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018061847
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019173355
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2021-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】千本 英二郎
(72)【発明者】
【氏名】堀 博詞
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】実公昭03-012745(JP,Y1)
【文献】実公平07-044713(JP,Y2)
【文献】実公平01-038233(JP,Y2)
【文献】特開平11-125070(JP,A)
【文献】実公平02-047732(JP,Y2)
【文献】実公昭58-34216(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/38
E05D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、
該枠体内に設けられ、框体を有する障子と、
前記障子の上端部を中心にして、下端部を屋内外方向に回動させる回動機構と、を備え、
該回動機構は、
前記框体の上框から前記枠体の上枠側へ延び、先端部に左右方向を向く回動軸部が設けられた回動体と、
前記上枠から前記上框側へ延び、前記回動軸部を回動可能に支持する軸支持部が設けられた支持体と、を備え、
前記回動機構は、前記上枠及び前記上框の長手方向の略全長にわたって配置され
前記軸支持部には、屋外側に向かって開口する開口部が形成され、
前記回動体は、
前記上框から前記上枠側に延びる上向き部と、
該上向き部から屋内側に向かって延び、前記開口部に配置され、先端部に前記回動軸部が設けられた軸基端部と、を有し、
前記回動機構は、前記軸支持部の屋内側に配置された外れ止め部を備え、
前記回動体と前記外れ止め部とで前記軸支持部を挟持していることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、枠体と、枠体内に設けられた障子と、を有し、枠体の上枠と障子の上框とが蝶番を介して連結され、障子が上端部を中心に回動して、下端部を屋外側に向けるように枠体内を開放可能な突出し窓が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-321411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の突出し窓では、蝶番が上枠の長手方向に間隔を有して複数配置されているため、上枠と上框との間では、隣り合う蝶番どうしの間から、雨水が屋内側に浸入する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水密性が高い建具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る建具は、枠体と、該枠体内に設けられ、框体を有する障子と、前記障子の上端部を中心にして、下端部を屋内外方向に回動させる回動機構と、を備え、該回動機構は、前記框体の上框から前記枠体の上枠側へ延び、先端部に左右方向を向く回動軸部が設けられた回動体と、前記上枠から前記上框側へ延び、前記回動軸部を回動可能に支持する軸支持部が設けられた支持体と、を備え、前記回動機構は、前記上枠及び前記上框の長手方向の略全長にわたって配置され、前記軸支持部には、屋外側に向かって開口する開口部が形成され、前記回動体は、前記上框から前記上枠側に延びる上向き部と、該上向き部から屋内側に向かって延び、前記開口部に配置され、先端部に前記回動軸部が設けられた軸基端部と、を有し、前記回動機構は、前記軸支持部の屋内側に配置された外れ止め部を備え、前記回動体と前記外れ止め部とで前記軸支持部を挟持していることを特徴とする。
【0007】
このように構成された建具は、上框に設けられ左右方向を向く回動軸部が、上枠に設けられた軸支持部に回動可能に支持された、いわゆる突出し窓である。軸支持部は上枠から上框側へ延びるとともに、回動軸部は上框から上枠側へ延びている。回動機構は、上枠及び上框の長手方向の略全長にわたって配置されている。よって、上枠と上框との間は、長手方向の略全長にわたって、軸支持部及び回動軸部で塞がれ、屋内外方向に貫通する隙間が生じないため、屋内側への雨水の浸入が回動機構で阻止され、水密性を高めることができる。
また、軸支持部は、屋外側に配置された回動体と、屋内側に配置された外れ止め部とで、屋内外方向に挟持されている。よって、回動体と支持体とを強固に連結することができる。また、軸支持部に屋外側に向かって開口する開口部が形成されていても、開口部に配置された回動体の軸基端部が開口部から脱落するがことがない。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る建具によれば、水密性が高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る建具を屋外側から見た正面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る建具の縦断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る建具の横断面図である。
図4図2の上部の拡大図である。
図5】本発明の一実施形態に係る建具の開放状態において、上部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る建具の一例として段窓について、図1から図5に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る建具を屋外側から見た正面図である。
図1に示すように、本実施形態による段窓100は、建築物に形成された開口部に取り付けられる枠体1と、枠体1内の上側に配置された突出し窓2と、枠体1内の下側に配置されたFIX窓(嵌め殺し窓)3と、を備えている。突出し窓2は、障子2Aの上端部を中心にして、下端部を屋内外方向に回動させて枠体1内を開放するものである。
なお、以下の説明において、屋外側と屋内側とを結ぶ方向を屋内外方向と称する。また、開口部が壁部を貫通する方向(壁部に対向する方向)から見た際の左側と右側を結ぶ水平方向を左右方向と称する。
【0013】
枠体1は、左右方向に延在する上枠11及び下枠12と、上枠11の両端部と下枠12の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する縦枠13と、各縦枠13の上下方向の中間どうしを連結する無目14(図2参照。以下同じ。)と、有している。
【0014】
FIX窓3は、無目14、下枠12及び縦枠13の下部により形成された四方枠15の内部に嵌め込まれた窓ガラス18を有している。
【0015】
以下において、突出し窓2の構成について説明する。
突出し窓2は、上枠11、無目14及び縦枠13の上部により形成された四方枠16の内部に配置された障子2Aを有している。
【0016】
障子2Aは、四方枠状に形成された框体20と、框体20内に嵌め込まれた窓ガラス28と、を有している。
【0017】
図2は、段窓100の縦断面図である。図3は、段窓100の突出し窓2部分の横断面図である。
図2及び図3に示すように、框体20は、左右方向に延在する上框21及び下框22と、上框21の両端部と下框22の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する縦框23と、有している。
【0018】
上框21、下框22及び縦框23における窓ガラス28に対向する側には、それぞれ窓ガラス28から離間する方向に凹むガラス溝27が形成されている。ガラス溝27内に、窓ガラス28の周縁部が配置されている。下框22、縦框23の屋外側には、それぞれ下押縁32、縦押縁33が設けられ、窓ガラス28の周縁部を屋内側に押圧している。
【0019】
各縦框23の上端部は、上框21の左右方向の端部の下端部に連結されている。各縦框23の下端部は、下框22の左右方向の端部の上端部に連結されている。図1に示すように、各縦押縁33の上端部は、上框21の左右方向の端部の下端部に連結されている。各縦押縁33の下端部は、下押縁32(図2参照。以下同じ。)の左右方向の端部の上端部に連結されている。つまり、上框21及び下框22がそれぞれ縦框23に勝つ、いわゆる横通し(横勝ち)で框体20は組まれている。
【0020】
次に、上枠11の構成について詳細に説明する。
図4は、図2の上部の拡大図である。
図4に示すように、上枠11は、上面枠部101と、外側板部102と、内側枠部103と、下面板部104と、を有している。本実施形態では、上枠11はアルミニウム等の金属部材で構成されている。
【0021】
上面枠部101は、上枠11の上面を構成している。上面枠部101は、屋内側が下方に凹んだ形状をなしている。
【0022】
外側板部102は、上枠11の屋外側の面を構成している。外側板部102は、上面枠部101の屋外側の端部から下方に延びている。外側板部102は、板状に形成されている。外側板部102は、板面を屋内外方向に向けて配置されている。
【0023】
内側枠部103の屋内側を向く面は、上枠11の屋内側の面を構成している。内側枠部103は、左右方向に延びる中空部103sを有するホロー構造をなしている。内側枠部103の上端部且つ屋外側の端部は、上面枠部101に連結されている。
【0024】
内側枠部103の下部には、屋外側に開放する嵌合部105が設けられている。嵌合部105には、気密材106が嵌合されている。気密材106は、障子2Aの後述する上框21に当接可能とされている。
【0025】
下面板部104は、外側板部102の下部と、内側枠部103の屋内側を向く面の上下方向の中間とを連結している。下面板部104は、板状に形成されている。下面板部104は、板面を上下方向に向けて配置されている。
【0026】
次に、上框21の構成について詳細に説明する。
上框21は、第1框上板部201と、傾斜框板部202と、第2框上板部203と、外側框板部204と、内側框板部205と、第1框下板部206と、第2框下板部207と、溝形成部208と、を有している。本実施形態では、上框21はアルミニウム等の金属部材で構成されている。
【0027】
第1框上板部201は、板状に形成されている。第1框上板部201は、板面を上下方向に向けて配置されている。
【0028】
傾斜框板部202は、第1框上板部201の屋内側の端部に接続され、下方に向かうにしたがって次第に屋内側に傾斜するように設けられている。傾斜框板部202の上端部は、第1框上板部201の上面よりも上方に突出している。
【0029】
第2框上板部203は、傾斜框板部202の屋内側の端部から屋内側に向かって延びている。第2框上板部203は、板状に形成されている。第2框上板部203は、板面を上下方向に向けて配置されている。
【0030】
第1框上板部201、傾斜框板部202及び第2框上板部203は、上框21の上面を構成している。第1框上板部201、傾斜框板部202及び第2框上板部203は、上枠11の下面板部104の下方に空間部S1を有して配置されている。
【0031】
外側框板部204は、第1框上板部201の屋外側の端部から鉛直下方に延び、上下方向の中間部では下方に向かうにしたがって次第に屋外側に向かうように傾斜し、下端部では鉛直下方に延びている。
【0032】
内側框板部205は、第2框上板部203の屋内側の端部から下方に延びている。内側框板部205は、板状に形成されている。内側框板部205は、板面を屋内外方向に向けて配置されている。内側框板部205の屋内側を向く面に、上枠11に設けられた気密材106が当接可能とされている。
【0033】
第1框下板部206は、外側框板部204の下端部から屋内側に向かって延びている。第1框下板部206は、板状に形成されている。第1框下板部206は、板面を上下方向に向けて配置されている。
【0034】
第2框下板部207は、内側框板部205の下端部から屋外側に向かって延びている。第2框下板部207は、板状に形成されている。第2框下板部207は、板面を上下方向に向けて配置されている。
【0035】
溝形成部208は、第1框下板部206と第2框下板部207との間に設けられている。溝形成部208は、上方に凹む形状をなしている。溝形成部208は、窓ガラス28の周縁部が配置されるガラス溝27を構成している。
【0036】
次に、障子2Aの上端部を中心にして下端部を屋内外方向に回動させる回動機構4について詳細に説明する。
回動機構4は、上枠11に設けられた支持体41と、上框21に設けられた回動体42と、上框21に連結された外れ止め部材(外れ止め部)43と、を備えている。
【0037】
支持体41は、下面板部104の屋外側の部分に設けられている。支持体41は、垂下部411と、円弧軸支持部(軸支持部)412と、を有している。支持体41は、上枠11の長手方向(左右方向)の略全長にわたって設けられている。本実施形態では、支持体41は金属部材で上枠11と一体として構成されている。
【0038】
垂下部411は、下面板部104の屋外側の部分から下方(上框21側)に垂下している。垂下部411は、板状に形成されている。垂下部411は、板面を屋内外方向に向けて配置されている。
【0039】
円弧軸支持部412は、垂下部411の先端部(下端部)に設けられている。円弧軸支持部412は、屋外側且つ上方に向けて開放する形状をなしている。換言すると、円弧軸支持部412の屋外側且つ上方には、開口部S11が形成されている。円弧軸支持部412は、屋内外方向及び鉛直方向に沿う断面で略C字状をなしている。円弧軸支持部412の外周面(下面)412jには、周方向に沿って凹凸が形成されている。
【0040】
回動体42は、第1框上板部201の屋外側の端部に設けられている。回動体42は、上向き部421と、軸基端部422と、回動軸部423と、を有している。回動体42は、上框21の長手方向(左右方向)の略全長にわたって設けられている。本実施形態では、回動体42は金属部材で上框21と一体として構成されている。
【0041】
上向き部421は、第1框上板部201の屋外側の端部から上方(上枠11側)に延びている。上向き部421は、板状に形成されている。上向き部421は、板面を屋内外方向に向けて配置されている。
【0042】
軸基端部422は、上向き部421の上端部から下方に向かうにしたがって次第に屋内側に傾斜するように設けられている。軸基端部422は、板状に形成されている。軸基端部422は、板面を屋内側且つ上方と屋外側且つ下方とを結ぶ方向に向けて配置されている。
【0043】
回動軸部423は、軸基端部422の下端部(屋内側の端部)に設けられている。回動軸部423は、左右方向を向く軸線Xに沿って配置されている。回動軸部423の外周面423jには、周方向に沿って凹凸が形成されている。
【0044】
回動体42では、軸基端部422が支持体41の開口部S11内に配置され、回動軸部423が円弧軸支持部412の上面に回動自在に支持されている。
【0045】
外れ止め部材43は、支持体41の屋内側に配置されている。外れ止め部材43は、取付け部431と、嵌合部432と、延出部433と、円弧挟持部434と、を有している。外れ止め部材43は、上框21の長手方向(左右方向)の略全長にわたって設けられている。
【0046】
取付け部431は、上框21の傾斜框板部202の屋内側を向く面に沿って配置されている。取付け部431に形成された取付孔から挿通された螺子431zが、上框21の傾斜框板部202に螺合されている。
【0047】
嵌合部432は、取付け部431の上端部に設けられている。嵌合部432は、傾斜框板部202の上端部に対応した形状をなし、傾斜框板部202の上端部を嵌合している。
【0048】
延出部433は、嵌合部432の屋外側の端部から屋外側に向かって延びている。延出部433は、板状に形成されている。延出部433は、板面を上下方向に向けて配置されている。
【0049】
円弧挟持部434は、延出部433の屋外側の端部に設けられている。円弧挟持部434は、支持体41の円弧軸支持部412の屋内側を向く面に対応した形状をなしている。外れ止め部材43の円弧挟持部434と回動体42の回動軸部423とで、支持体41の円弧軸支持部412を屋内外方向に挟持している。
【0050】
障子2Aは、枠体1や框体20に設けられた滑車(不図示。以下同じ。)に巻回されたワイヤー(不図示。以下同じ。)で枠体1と連結されている。ワイヤーには、障子2Aを閉じる閉方向の張力が付与されている。障子2Aは、ダンパー(不図示。以下同じ。)を介して枠体1と連結されている。ダンパーには、障子2Aを開く開方向の力が付与されている。ワイヤーの張力を調整可能な操作部(不図示。以下同じ。)が設けられている。
【0051】
図4に示す障子2Aが枠体1内を閉塞する閉位置から、操作部を操作すると、ワイヤーに付与された張力が解除され、障子2Aはダンパーから開方向への力を受ける。
【0052】
図5は、突出し窓2の開放状態において、上部の拡大図である。
図5に示すように、障子2Aの回動体42の回動軸部423は、上枠11の支持体41の円弧軸支持部412に支持されつつ軸線Xを中心に回動する。回動軸部423は、円弧軸支持部412の内周面に沿って移動する。上框21に連結された外れ止め部材43では、円弧挟持部434が、円弧軸支持部412の外周面に沿って移動する。このようにして、障子2Aの下端部側が屋外側に移動するように、障子2Aが枠体1内を開放する開位置に移動する。
【0053】
次に、上記の突出し窓2の障子2Aを上枠11に固定する施工方法について説明する。
障子2Aの回動体42の回動軸部423を、上枠11の支持体41の円弧軸支持部412上に載せる。図5に示すように、障子2Aを枠体1に対して開位置に傾けた状態にして、支持体41の屋内側に外れ止め部材43を配置する。外れ止め部材43と回動体42とで支持体41を挟み込むようにして、外れ止め部材43を上框21に螺子止めする。このようにして、障子2Aが上枠11に固定される。
【0054】
このように構成された段窓100の突出し窓2では、円弧軸支持部412は上枠11から上框21側へ延びるとともに、回動軸部423は上框21から上枠11側へ延びている。回動機構4は、上枠11と上框21との間は、長手方向の略全長にわたって、円弧軸支持部412及び回動軸部423で塞がれ、屋内外方向に貫通する隙間が生じない。よって、屋内側への雨水の浸入が回動機構4で阻止され、水密性を高めることができる。
【0055】
また、上記のように、上枠11と上框21との間から屋内側への雨水の浸入が回動機構4で阻止されるため、回動機構4よりも屋外側に雨水の浸入を阻止する止水材等の水切り部材を設ける必要がない。よって、水切り部材を固定する施工作業の工数が削減される。また、回動機構4よりも屋外側に水切り部材が設けられないため、屋外側に水切り部材が露出することがなく、意匠性を向上させることができる。
【0056】
また、円弧軸支持部412は、屋外側に配置された回動体42と、屋内側に配置された外れ止め部材43とで、屋内外方向に挟持されている。よって、回動体42と支持体41とを強固に連結することができる。また、円弧軸支持部412に屋外側に向かって開口する開口部S11が形成されていても、開口部S11に配置された回動体42の軸基端部422が開口部S11から脱落するがことがない。
【0057】
また、支持体41は金属部材で上枠11と一体として構成されるとともに、回動体42は金属部材で上框21と一体として構成されている。よって、支持体41及び回動体42はそれぞれ上枠11及び上框21に螺子等で固定される構成ではないため、螺子の緩みや外れ等の要因に起因して、支持体41及び回動体42がそれぞれ上枠11及び上框21から外れて、障子2Aが上枠11から脱落することが抑制される。
【0058】
また、外れ止め部材43を上框21に固定する螺子431zは屋内側から螺子止めされているため、螺子431zを外す際には屋内側から作業することになる。よって、屋外側からは螺子を外して障子2Aを上枠11から取り外すことができないため、防犯性が高い。
【0059】
また、回動軸部423の外周面423jに周方向に沿って凹凸が形成されるとともに、円弧軸支持部412の外周面412jに周方向に沿って凹凸が形成されている。よって、開閉時に、回動体42及び外れ止め部材43が回動する際に、回動軸部423の外周面423jと支持体41の円弧軸支持部412の内周面との間の摩擦が低減されるとともに、円弧軸支持部412の外周面412jと外れ止め部材43の円弧挟持部434の内周面との間の摩擦が低減される。よって、開閉時の異音の発生が抑制される。
【0060】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0061】
例えば、上記に示す実施形態では、突出し窓2がFIX窓3と上下方向に並んで配置された段窓100について説明したが、本発明はこれに限られず、少なくとも突出し窓2が設置されていればよい。例えば、突出し窓のみが設置される構成や、突出し窓が他の窓と左右方向に並んで配置された連窓であってもよい。
【0062】
また、上記に示す実施形態では、回動機構4は支持体41と回動体42と外れ止め部材43とを備える構成であるが、本発明はこれに限られず、少なくとも回動機構は支持体及び回動体を備えていればよい。
【符号の説明】
【0063】
1…枠体
2…突出し窓
2A…障子
3…FIX窓
4…回動機構
11…上枠
12…下枠
13…縦枠
14…無目
20…框体
21…上框
22…下框
23…縦框
27…ガラス溝
28…窓ガラス
32…下押縁
33…縦押縁
41…支持体
42…回動体
43…外れ止め部材(外れ止め部)
100…段窓
104…下面板部
201…第1框上板部
411…垂下部
412…円弧軸支持部(軸支持部)
421…上向き部
422…軸基端部
423…回動軸部
431…取付け部
434…円弧挟持部
S11…開口部
X…軸線
図1
図2
図3
図4
図5