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特許7026611自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法
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  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図1
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図1A
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図2
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図2A
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図3
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図3A
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図3B
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図4
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図5A
  • 特許-自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法 図5B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】自動調整式配置部材を有する熱スリーブ、それを有するアセンブリ、およびそれを用いて感温部材を保護する方法
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20220218BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20220218BHJP
   F02D 35/00 20060101ALI20220218BHJP
   F16L 57/00 20060101ALI20220218BHJP
   F16L 59/08 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
H02G3/04
B60R16/02 623U
F02D35/00 368B
F16L57/00 C
F16L59/08
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2018505715
(86)(22)【出願日】2016-08-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 US2016045462
(87)【国際公開番号】W WO2017024091
(87)【国際公開日】2017-02-09
【審査請求日】2019-07-31
【審判番号】
【審判請求日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】15/227,585
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/200,763
(32)【優先日】2015-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503170721
【氏名又は名称】フェデラル-モーグル・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL-MOGUL POWERTRAIN LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デポンペオ,ニコラス
【合議体】
【審判長】田中 秀人
【審判官】山崎 慎一
【審判官】山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-523000(JP,A)
【文献】特表2008-513702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G3/04
B60R16/02
F02D35/00
F16L57/00
F16L59/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
細長いワイヤハーネスに操作可能に接続される電子部材を保護するための熱スリーブであって、
開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材と、
前記管状部材に取り付けられる環状部と、前記環状部に固定され取り付けられる固定端部を有する少なくとも1つの弾性のある指状部とを有する、配置部材とを備え、前記少なくとも1つの指状部は、弓形の経路に沿った前記固定端部から前記ワイヤハーネスと隣接するように構成される自由端部まで平面に沿って径方向内側に延在し、前記少なくとも1つの指状部は、前記環状部に向かって前記平面に沿って径方向外側に圧縮可能であり、前記ワイヤハーネスの外皮に対して自動的に適合される、熱スリーブ。
【請求項2】
前記中心長手方向軸は、前記平面に対して横方向に延在する、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの弾性のある指状部は、前記中心長手方向軸の周りに螺旋状に延在する単一の弾性のある指状部である、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項4】
前記中心長手方向軸は、前記平面に対して横方向に延在する、請求項3に記載の熱スリーブ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弾性のある指状部は、複数の弾性のある指状部を含む、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項6】
前記弾性のある指状部は、円弧状の弓形状である、請求項5に記載の熱スリーブ。
【請求項7】
前記弾性のある指状部は弓形状であり、前記指状部の各々は、前記固定端部と前記自由端部との間に延在するコードを有し、前記コードは、前記指状部が径方向外側に圧縮されるに従って長さが減少する、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの弾性のある指状部は、横断面において対称な外周を有する、請求項1に記載の熱スリーブ。
【請求項9】
前記外周は、実質的に円形である、請求項8に記載の熱スリーブ。
【請求項10】
前記外周は、実質的に等しい長さの辺を有する多角形である、請求項8に記載の熱スリーブ。
【請求項11】
センサと電気通信するように構成されたワイヤハーネスと組み合される熱スリーブであって、
開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を有する、管状部材と、
前記管状部材に取り付けられる環状部と、前記環状部に取り付けられる固定端部を有する少なくとも1つの弾性のある指状部とを有する、配置部材とを備え、前記少なくとも1つの指状部は、弓形の経路に沿った前記固定端部から前記ワイヤハーネスと隣接するように構成される自由端部まで平面に沿って径方向内側に延在し、前記少なくとも1つの指状部は、前記ワイヤハーネスの外皮に対して自動的に適合するように前記環状部に向かって前記平面に沿って径方向外側に圧縮可能である、熱スリーブ。
【請求項12】
前記中心長手方向軸は、前記平面に対して横方向に延在する、請求項11に記載の熱スリーブ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの弾性のある指状部は、前記中心長手方向軸の周りに螺旋状に延在する単一の弾性のある指状部である、請求項11に記載の熱スリーブ。
【請求項14】
前記中心長手方向軸は、前記平面に対して横方向に延在する、請求項13に記載の熱スリーブ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの弾性のある指状部は、複数の弾性のある指状部を含む、請求項11に記載の熱スリーブ。
【請求項16】
前記弾性のある指状部は、円弧状の弓形状である、請求項15に記載の熱スリーブ。
【請求項17】
前記弾性のある指状部は弓形状であり、前記指状部の各々は、前記固定端部と前記自由端部との間に延在するコードを有し、前記コードは、前記指状部が径方向外側に圧縮されるに従って長さが減少する、請求項15に記載の熱スリーブ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの弾性のある指状部は、横断面において対称な外周を有する、請求項11に記載の熱スリーブ。
【請求項19】
前記外周は、実質的に円形である、請求項18に記載の熱スリーブ。
【請求項20】
前記外周は、実質的に等しい長さの辺を有する多角形である、請求項18に記載の熱スリーブ。
【請求項21】
環境的な熱の影響からワイヤハーネスに取り付けられる感温部材を保護する方法であって、
開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を含む管状部材を提供することと、さらに、前記管状部材に取り付けられる環状部と、前記環状部に取り付けられる固定端部を有する少なくとも1つの弾性のある弓形の指状部とを有する配置部材を提供こととを含み、前記少なくとも1つの弓形の指状部は、前記固定端部から自由端部まで平面に沿って径方向内側に延在し、前記方法はさらに、
前記感温部材を少なくとも部分的に取り囲むように前記ワイヤハーネスに沿って前記管状部材を摺動させることと、同時に前記少なくとも1つの弓形の指状部を前記ワイヤハーネスに隣接させるように持ち込むことと、前記少なくとも1つの弓形の指状部を前記環状部に向かって前記平面に沿って径方向外側に圧縮させて前記ワイヤハーネスを掴むことと、前記感温部材の周りに遮蔽関係で前記管状部材を維持することとを含む、方法。
【請求項22】
複数の弓形の指状部を有する前記配置部材を提供することと、前記複数の弓形の指状部を前記環状部に向かって前記平面に沿って径方向外側に圧縮させて前記ワイヤハーネスを掴むことと、前記感温部材の周りに遮蔽関係で前記管状部材を維持することとをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
単一の弓形の指状部を有する前記配置部材を提供することと、前記単一の弓形の指状部を前記環状部に向かって前記平面に沿って径方向外側に圧縮させて前記ワイヤハーネスを掴むことと、前記感温部材の周りに遮蔽関係で前記管状部材を維持することとをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
横断面において対称な外周を有する前記少なくとも1つの弓形の指状部を提供することをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2015年8月4日に提出された米国仮出願番号第62/200,763号および2016年8月3日に提出された米国特許出願番号第15/227,585号の利益を主張し、参照によりその内容全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
1.技術分野
この発明は、概して、その中に収容される電気物体に対する熱保護を提供するための管状スリーブアセンブリに関し、より特定的には、その中に収容される電気物体の周りに選択的に解放可能に固定された位置でアセンブリを維持するための配置部材を含む管状スリーブアセンブリに関する。
【0003】
2.関連技術
エンジン動作および性能を制御するためにデータを提供する酸素センサなどの、自動車用途において用いられるセンサは、車両の動作中の急激な放射熱、摩耗源および振動を含む過酷な環境要素を受ける車両のエンジン部品内にしばしば設置される。過酷な環境要素に起因して、振動を減衰し、摩耗に対する保護を提供し、および放射熱がセンサに達するのを防ぐために、比較的繊細な感温センサを保護スリーブで被覆することが有利であり、多くの場合要求される。このようなスリーブは、一般的に、両開放自由端部間に延在する細長い円筒形状の管を備える。円筒形状の管は、一般的に、たとえばポリエステルフェルトの不織材料の減衰性内層と、たとえば内層の外面に積層されるアルミ箔層を備える反射外層とを含む。
【0004】
前述の保護円筒形状スリーブの構成およびその過酷環境のために、センサを機能させるために容易にスリーブを移動可能であると同時に、スリーブが所望の位置に容易に確保され維持されることを可能にする態様で、センサおよびそれに接続される細長いワイヤハーネスの周りにスリーブを組み立てることは、典型的には困難である。接着剤、テープ、およびスリーブの円筒形状壁部の内面全体の締り嵌めがワイヤハーネスおよびセンサに対する取付けを有効にするために用いられるが、これらの機構のそれぞれは、様々な不都合を被る。しっかり固定した間、少なくとも初めのうち一時的には、センサの周りのスリーブの接着剤の付着はスリーブをセンサに取り付けるため、将来的にセンサを機能させることを複雑にし、加えて、接着剤が時間が経つにつれて劣化することにより、スリーブがセンサの周りのその所望の保護位置から移動させられる。その結果、その初めのうちは接着された位置にある一方、この方法は、接着剤の接着接合を崩壊させることを要求するため、センサの機能のためのスリーブの容易な除去またはスリーブの再利用を可能としない。加えて、テープおよび締り嵌めは、エンジン部品内で直面する熱および振動の観点から信頼できず、テープはさらに部分的に取付けの負担となる。さらに、干渉が大きすぎる場合、またはスリーブがたとえばコネクタなどのアセンブリの経路に沿って増加した直径の障害物を横切ることが必要である場合、スリーブの内面の全体の摩擦嵌めは部品公差の変化および組立の困難性に悩まされる。管状スリーブとは別個の材料から作製されたエンドキャップを用いて固定された所定の直径の細長い部材の周りにスリーブを配置することなど、さらなる機構も周知であり、エンドキャップは、管状スリーブをワイヤハーネスの周りの意図された位置に配置し、維持することを容易にする。その組み立てられた位置に管状スリーブを配置し維持することにおいて一般に効果的ではあるが、周知のエンドキャップは、典型的には、特定の直径を有するワイヤハーネスの周りへの使用のために好適であるため、ワイヤハーネスの直径の範囲にわたって有用ではなく、これにより異なる用途のためには異なった大きさのエンドキャップが要求される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の概要
本発明の1つの局面に従えば、熱に曝されることからワイヤハーネスに接続される電子部材を保護するための熱スリーブが提供される。熱スリーブは、開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する内面と、反射外面とを有する周方向に連続的な壁部を含む、管状部材を有する。さらに、熱スリーブは、管状部材とは別個の材料片から構成される配置部材をさらに含む。配置部材は、管状部材に取り付けられる環状部と、環状部に取り付けられる固定端部を有する少なくとも1つの弾性のある指状部とを有する。環状部は、管状部材の壁部の両端部のうちの1つに固定されて取り付けられる。少なくとも1つの指状部は、弓形の経路に沿った固定端部からワイヤハーネスと隣接するように構成される自由端部まで平面に沿って径方向内側に延在する。指状部の自由端部は、環状部に向かって平面に沿って径方向に延在可能であり、前記ワイヤハーネスの外皮に対して適合する。
【0006】
本発明の別の局面に従えば、少なくとも1つの弾性のある指状部は、前記中心長手方向軸の周りに螺旋状に延在する単一の弾性のある指状部として設けられてもよい。
【0007】
本発明の別の局面に従えば、中心長手方向軸は、少なくとも1つの指状部が延在する平面に対して横方向に延在する。
【0008】
本発明の別の局面に従えば、少なくとも1つの弾性のある指状部は、複数の弾性のある指状部として設けられてもよい。
【0009】
本発明の別の局面に従えば、複数の弾性のある指状部は、弓形状であってもよい。
本発明の別の局面に従えば、複数の弾性のある指状部は、円弧状の弓形状であってもよい。
【0010】
本発明の別の局面に従えば、複数の弾性のある指状部は、非円弧状の弓形状であってもよい。
【0011】
本発明の別の局面に従えば、複数の弾性のある指状部は、楕円形の弓形状であってもよい。
【0012】
本発明の別の局面に従えば、複数の指状部の各々は、固定端部と自由端部との間に延在するコード長を有し、コード長はワイヤハーネスの外皮のサイズと直接対応して比例的に減少する。
【0013】
本発明の別の局面に従えば、少なくとも1つの弾性のある指状部は、横断面において対称な外周を有して提供されてもよい。
【0014】
本発明の別の局面に従えば、少なくとも1つの弾性のある指状部は、横断面において円弧状の外周を有して提供されてもよい。
【0015】
本発明の別の局面に従えば、少なくとも1つの弾性のある指状部は、横断面において実質的に等しい長さの辺を有する多角形状を有して提供されてもよい。
【0016】
本発明の別の局面に従えば、センサと電気通信するように構成されたワイヤハーネスと組み合される熱スリーブが提供される。熱スリーブは、開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する内面と、反射外面とを有する周方向に連続的な壁部を有する、管状部材を含む。配置部材は、管状部材に取り付けられる環状部を有する。配置部材は、環状部に取り付けられる固定端部を有する少なくとも1つの弾性のある指状部を含む。少なくとも1つの指状部は、弓形の経路に沿った固定端部からワイヤハーネスと隣接するように構成される自由端部まで平面に沿って径方向内側に延在する。少なくとも1つの指状部は、ワイヤハーネスの外皮に対して自動的に適合するように環状部に向かって平面に沿って径方向外側に圧縮可能である。
【0017】
環境的な熱の影響からワイヤハーネスに取り付けられる感温センサを保護する方法が提供される。当該方法は、開放両端部間で中心長手方向軸に沿って延在する内側キャビティを画定する絶縁内層と、反射外層とを有する周方向に連続的な壁部を有する管状部材を提供することを含む。さらに、管状部材に取り付けられる環状部と、環状部に取り付けられる固定端部を有する少なくとも1つの弾性のある弓形の指状部とを有する配置部材を提供することを含み、少なくとも1つの弓形の指状部は、固定端部から自由端部まで平面に沿って径方向内側に延在する。またさらに、センサを少なくとも部分的に取り囲むようにワイヤハーネスに沿って管状部材を摺動させることと、同時に少なくとも1つの弓形の指状部をワイヤハーネスに隣接させるように持ち込むことと、少なくとも1つの弓形の指状部を環状部に向かって平面に沿って径方向外側に圧縮させてワイヤハーネスを掴むことと、センサの周りに遮蔽関係で管状部材を維持することとを含む。
【0018】
本発明の別の局面に従えば、当該方法は、複数の弓形の指状部を有する配置部材を提供することと、複数の弓形の指状部を環状部に向かって平面に沿って径方向外側に圧縮させてワイヤハーネスを掴むことと、センサの周りに遮蔽関係で管状部材を維持することとをさらに含んでいてもよい。
【0019】
本発明の別の局面に従えば、当該方法は、単一の弓形の指状部を有する配置部材を提供することと、単一の弓形の指状部を環状部に向かって平面に沿って径方向外側に圧縮させてワイヤハーネスを掴むことと、センサの周りに遮蔽関係で管状部材を維持することとをさらに含んでいてもよい。
【0020】
本発明の別の局面に従えば、当該方法は、横断面において対称な外周を有する少なくとも1つの弓形の指状部を提供することをさらに含んでいてもよい。
【0021】
これらのおよび他の構成および本発明の利点は、現在好ましい実施形態およびベストモードの以下の詳細な説明、添付された請求項ならびに添付の図面の記載と結び付けて考慮したとき、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】電子部品と接続されるワイヤハーネスの周りに配置されるように示される電子部品を保護するための本発明の1つの局面に従って構築された熱スリーブアセンブリの展開断面側面図である。
図1A】本発明の1つの局面に従って構築された熱スリーブの図1に類似する図である。
図2図1の熱スリーブアセンブリの組み立てられた断面側面図である。
図2A図1Aの熱スリーブアセンブリの組み立てられた断面側面図である。
図3図1の熱スリーブアセンブリの本発明の1つの局面に従う配置部材の等角図である。
図3A】本発明の1つの局面に従う配置部材の指状部の部分平面図である。
図3B】本発明の別の局面に従う配置部材の指状部の部分平面図である。
図4図1のアセンブリに類似の熱スリーブアセンブリの本発明の別の局面に従う配置部材の等角図である。
図5A】本発明の別の局面に従う配置部材の指状部の等角断断面図である。
図5B】本発明のさらに別の局面に従う配置部材の指状部の等角断断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
好ましい実施形態の詳細な説明
図面をより詳細に参照すると、図1および図2は、本発明の1つの局面に従って構築された、本明細書で単にスリーブアセンブリまたは単にスリーブ12とも呼ばれる、自動調整式の配置部材を有する熱スリーブを含むアセンブリ10を示し、これは、極度の放射熱、摩耗、汚染および振動の影響からセンサなどその中に少なくとも部分的に収容される電子部材14などの感温部材を保護するためのものである。センサ14は、ワイヤハーネス16の端部および車両のエンジン部品18に接続されるように示される(図2)。ワイヤハーネス16は、曝露され絶縁されたワイヤの束、または概ね滑らかであるまたは廻旋状の外面22を有する管などの、管20とも呼ばれる、外側保護スリーブ内に囲まれた、絶縁されたワイヤの束として設けられ得るが、これは例示であって限定ではない。スリーブ12は、ワイヤハーネス16およびその管20の長手方向軸24に沿った摺動運動のために構成され、それが設けられるとスリーブ12をセンサ14の周りのその所望の保護位置へ持ち込ませる。スリーブ12は、以下でさらに詳細に説明されるような固定的に取り付けられた自動調節式の配置部材25を介して、センサを機能させるために望ましいであろうその保護位置から離れるようにスリーブ12を選択的に摺動させることが望ましいとされるまで、保護位置に固定されたままとなるように構成される。スリーブ12は、使用中、テープまたは接着剤などの二次的な固定具の必要なくその保護位置に維持されるため、アセンブリ10は製造及び使用において、簡単に、審美的に美しく、かつ経済的に作成される。
【0024】
スリーブ12は任意の所望な長さを有して構築されてもよい。スリーブ12は、内面30と外面31とを有する内壁28を形成する材料の周方向に連続的な内層を含む管状部材26を有し、内面30は、内側キャビティ32を画定し、開放両端部36,38間で中心長手方向軸に沿って延在する。管状部材26は、反射外面40を形成する材料の反射外層さらに含み、反射材料の外層は内壁28の外面31に固定される。本発明の別の局面に従う内壁28は、撚り合わされる繊維の不織材料、織物材料、編物材料または編組材料から構築されてもよく、意図された環境における特質および熱曝露の厳しさに応じて、任意の所望な壁厚を有して構築されてもよい。
【0025】
反射外層40は、排気システムによって生成される温度など、エンジン区画に特有の極度の放射熱を反射するために設けられる。外層40は、アルミニウムの箔層または他の所望の箔の金属など、任意の好適な金属材料で形成され得る。箔外層40は、比較的薄く、これによりスリーブ12が曲がりくねった経路および角部にわたって可撓性を維持することを可能とする。外層40は、所望のとおり、内壁28の周りに螺旋巻きまたはたばこ巻きされ得る。所望であれば、外層40を内壁28の外面31に接着することを容易にするために、任意の好適な耐熱性の接着剤が用いられてもよい。
【0026】
図3に最もよく示される、本発明の1つの局面に従う、本明細書で単に配置部材25とも呼ばれる、スリーブ12の自動調節式の配置部材は、例示であって限定ではないが、弾性のあるプラスチックからのまたは弾性のあるばね状の金属材料などの、管状部材26とは別個の弾性のある材料片から構築される。配置部材25は、例示であって限定ではないが、略円筒形状の管状部42などの環状壁または環状部と、少なくとも1つの可撓性で弾力性のある指状部とを含むものとして示され、かつ、それが設けられると、ワイヤハーネス16またはその管20との隣接を維持するための環状部42から径方向内側に延在する複数の指状部44として示される、本体を有する。管状部42は、管状部材26の開放端部36の内壁28の内部に閉じた比較的ぴったり合う受容のために寸法決めされるものとして示される。ここで、管状部42は、図2Aに示されるように、所望であれば外面の周りに閉じたぴったり合った受容のために寸法決めされてもよいことが考えられる。ホチキス、または高温耐性接着剤などの接着剤のような、機械的固定具を含む任意の好適な固定機構が用いられて配置部材25を管状部材26に対して固定してもよい。
【0027】
配置部材25の単一の指状部または複数の指状部44は、それが設けられると、ワイヤハーネス16および管20の周りの閉じた隣接接触のために管状部42から径方向内側に延在するように形成される。指状部44は、可撓性を有して弾性的であり、この場合、指状部はワイヤハーネス16および管20が指状部44の両端部48の内周によって形成される開口部46を自由に通り抜けることを可能にし、すると指状部44の弾性は指状部44をワイヤハーネスまたはその管20とのばねのような隣接で維持する。そのワイヤハーネス16または管20との隣接を維持することによって、配置部材25、したがってスリーブ12は、その組み立てられた位置からスリーブ12を摺動的に除去することが望まれる選択的な時期まで、ワイヤハーネス16またはその管20に対して所望の組立配置に固定されたままとなる。
【0028】
単一の指状部または複数の指状部44は、平面Pに概ね沿って延在する弓形の本体を有し、平面Pは、中心長手方向軸34に対して概ね横方向に延在するものとして示される。指状部44は、それらの最も内部の自由端部48に環状壁または環状部42から延在する。それらの弓形状の結果、指状部44は、細長いワイヤハーネス16およびその管20の外面の形状に自動的に適合するように、平面Pに沿って延在可能である。概ね鎌形の本体を有するものとして示される複数の指状部44は、図3Aに一定のまたは実質的に一定の円弧状の弓形状の湾曲rの半径を有するものとして示され、代替的な実施形態では、図3Bに楕円のそれなど異なる半径を有するものものとして示される。指状部44の各々は、固定端部(配置部材25の本体に固定される端部)と径方向内側に延びる自由端部48との間に延在するコード49を有し、コード49は、設置時または除去時などに、指状部44が径方向外側に圧縮されるのにしたがって長さが減少する。加えて、指状部44の本体は、横断面において、円形(図5A)、四角形または概ね等しい長さの辺を有する任意の別の多角形(図5B)などの、概ね対称な外周を有するが、これは例示であって限定ではない。指状部44は比較的高い長さ対最大直径の比率を有するため、指状部44は、可撓性を有し純粋に径方向に屈曲可能であり、したがって、それらが概ね鎌形であることにより、そこを通って配置されるワイヤハーネスのサイズへの自動調整を可能にすることをさらに容易にする。組み立てを容易にするために、指状部44はそれらの弓形状の方向に巻かれまたは概ね巻かれてもよく、これにより、巻付力または圧縮力が解放されて自由端部48を管20に係合させることが可能になるまで、それらをさらに屈曲された弓形状にする。
【0029】
配置部材25は、図1図3に、管状部42の端部に隣接する管状部42から径方向外側に延在する環状リム50を有するものとしてさらに示される。管状部材26の端部36の中へ配置部材25を挿入する間、リム50は積極的な停止部または肩部として機能することにより、配置部材25が管状部材26に適当に封止され固定されることを保障する。これに対し、図1Aおよび図2Aで示されるように、配置部材25’はリムなしで構築されてもよく、配置部材25’は、管状部材26’の外周の周りに配置されてもよい。図1Aおよび図2Aでは、上記に説明された構成の各々は、異なる実施形態を表すためにプライム記号(’)を付されているが、図1および図2で用いられた同様の参照符号によって示される。管状部材26’の周りに配置される配置部材25’のほかは、アセンブリ10’の構造は概ね図1および図2のために説明されたものと同様である。
【0030】
図4に、本発明の別の局面に従って構築された配置部材125が示され、100の係数だけずらされた同様の参照符号が上記に説明された同様の構成を示すために用いられる。配置部材125は、概ね平面P内に延在する略鎌形状の構造を有する単一の指状部144を備える環状壁または環状部142を有する。平面Pは、配置部材125の長手方向中心軸134に対して概ね横方向に延在するものとして示される。指状部144は軸134の周りに少なくとも1回巻き付けられ、示された実施形態においては、2~4回の間であるように示される。指状部144は、図1および図1Aに関して上記で説明されたように、そのカールの方向に対して逆方向に巻かれて径方向に最も内側の領域および指状部144の端部148が径方向外側に延ばされてもよく、これによりワイヤハーネス16およびオプションの管20が指状部144によって画定される開口部146を容易に通過することを可能にする。その後、ワイヤハーネス16およびオプションの管20を開口部146を通して配置する際に、指状部144は解放され得、これにより、それが設けられると、指状部144が自動的にほどけて、径方向に最も内側の領域指状部144のおよび端部148をワイヤハーネス16または管20に隣接接触するように持ち込み得る。したがって、指状部144は、ワイヤハーネス16または管20の外面を選択的に掴み、スリーブ12に関して上記に説明されたように、使用中などスリーブを選択的に除去することが望まれるまで、スリーブをワイヤハーネス16およびオプションの管20に沿ったその保護位置に維持する。図4では、配置部材125は、図3のそれと同様の構成を有して、すなわち、管状部142から径方向外側に延在するリム50を有して示される。しかし、ここで、配置部材125は図1Aおよび図2Aに概して示されるように、リムを有しないように構築されてもよい。
【0031】
上記に説明されたように、管20が波形の管として提供された場合、指状部44,144は、概して図1および図1Aに示されるように、設置および除去の間には環状の波の山部C上に径方向外側に屈曲されるまたは巻かれることによって径方向外側に延ばされて隙間を有するように適合してもよく、概して図2および図2Aに示されるように、指状部44,144を解放する際に、波形の環状の谷部V内に少なくとも部分的に受けられるように所定の厚さを有するように構築されてスリーブ12をセンサ14の周りのその意図された「使用時」の位置に維持することを容易にしてもよい。
【0032】
明らかに、上記の教示に照らせば、本発明の多くの改良および変形が可能である。したがって、添付の請求項の範囲内で本発明は特定的に説明された以外の方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。
図1
図1A
図2
図2A
図3
図3A
図3B
図4
図5A
図5B