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特許7026619乾燥強度剤組成物及び紙の乾燥強度を向上させる方法
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  • 特許-乾燥強度剤組成物及び紙の乾燥強度を向上させる方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】乾燥強度剤組成物及び紙の乾燥強度を向上させる方法
(51)【国際特許分類】
   D21H 21/18 20060101AFI20220218BHJP
   D21H 17/37 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
D21H21/18
D21H17/37
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018532665
(86)(22)【出願日】2016-12-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-01-24
(86)【国際出願番号】 CN2016113329
(87)【国際公開番号】W WO2017114478
(87)【国際公開日】2017-07-06
【審査請求日】2019-08-20
(31)【優先権主張番号】201511025285.5
(32)【優先日】2015-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515050220
【氏名又は名称】エコラブ ユーエスエイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャオ ユーリン
(72)【発明者】
【氏名】ワン チュンハオ
(72)【発明者】
【氏名】シュ ナ
(72)【発明者】
【氏名】リ チュン
(72)【発明者】
【氏名】チャン メン
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-200497(JP,A)
【文献】特開平11-140787(JP,A)
【文献】特開平05-078997(JP,A)
【文献】国際公開第2014/115192(WO,A1)
【文献】特表2009-530504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0196851(US,A1)
【文献】国際公開第2015/038905(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21B1/00-1/38
D21C1/00-11/14
D21D1/00-99/00
D21F1/00-13/12
D21G1/00-9/00
D21H11/00-27/42
D21J1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の成分及び第2の成分を含む乾燥強度剤組成物であって、前記第1の成分が、アミン含有カチオン性ポリマーを含み、前記第2の成分が、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される要素を含み、
前記アミン含有カチオン性ポリマーが、以下の構造またはその塩のうちの少なくとも1種に由来するランダムに分布したアミン系モノマー繰り返し単位を有するポリマーを含む、乾燥強度剤組成物。
【化1】
(式中、Rは、水素またはC1~20アルキルを表し、R、R、R、R、R、Rは、独立して、水素、C1~20アルキル、またはC1~20アルコキシアルキルから選択される。)
【請求項2】
前記アミン含有カチオン性ポリマーのモノマーの少なくとも1~99mol%が、第2級アミン含有ビニルまたはアリルモノマーである、請求項1に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項3】
前記アミン系モノマーが、構造IIによって表されるジアリルアミンである、請求項1に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項4】
前記アミン含有カチオン性ポリマーが、非イオン性モノマー、カチオン性モノマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種のビニル付加モノマーを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項5】
前記非イオン性モノマーが、アクリルアミドまたはメタクリルアミドから選択される、請求項4に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項6】
前記カチオン性モノマーが、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドである、請求項4に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項7】
前記アミン含有カチオン性ポリマーがホフマン分解から得られず、ポリエチレンアミン単位を含有しない、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項8】
前記第2の成分の前記アニオン性ポリマーが、1種以上のアクリルアミドモノマー及び1種以上のアニオン性モノマーによって形成されるアクリルアミドコポリマーである、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項9】
前記第2の成分の前記両性ポリマーが、1種以上のアクリルアミドモノマー、1種以上のカチオン性モノマー、及び1種以上のアニオン性モノマーによって形成されるアクリルアミドコポリマーである、請求項1~6のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項10】
前記アニオン性モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、アリルスルホン酸、メチルアリルスルホン酸、1-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、これらの対応する塩、及びこれらの任意の組み合わせから選択される、請求項8または9に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項11】
前記第2の成分の前記両性ポリマー中の前記カチオン性モノマーが、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3-アクリルアミド-3-メチルブチルトリメチルアンモニウムクロライド、2-ビニルピリジン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、トリメチル-2-アクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、トリメチル-2-メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1種以上である、請求項9に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項12】
前記第2の成分が、ジアルデヒド化合物で架橋されている、請求項1~11のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項13】
前記第1の成分と前記第2の成分との重量比が、1:99~99:1の範囲である、請求項1~12のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項14】
前記アミン含有カチオン性ポリマーが、ジアリルアミン及び(メタ)アクリルアミドを含むコポリマーである、請求項1~13のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物。
【請求項15】
製紙プロセスにおいて紙の乾燥強度を向上させるための方法であって、
(a)パルプスラリーを提供することと、
(b)請求項1~14のいずれか1項に記載の乾燥強度剤組成物を提供することと、
(c)前記乾燥強度剤組成物を前記パルプスラリーに添加して紙ストックを得ることと、を含む、方法。
【請求項16】
前記乾燥強度剤組成物が、パルプ原料を基準として0.01~50kg/tの量で使用される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
アミン含有カチオン性ポリマーと、請求項1~14のいずれか1項に記載の第2の成分とを含む組成物の、紙の乾燥強度を改善するための使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥強度剤組成物及び紙の乾燥強度を向上させるためのアミン含有カチオン性ポリマーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な製紙プロセスは、1)木材またはいくつかの他の製紙繊維源をパルプ化する工程と、2)パルプから紙マットを生成する工程であって、その紙マットが、無機鉱物フィラーまたは顔料などの添加剤も含有し得るセルロース系繊維の水性スラリーである、工程と、3)このスラリーを移動する製紙ワイヤーまたはファブリック上に堆積させる工程と、4)水を排水することによってスラリーの固体成分からシートを形成する工程と、5)シートを加圧及び乾燥させて水を更に除去する工程と、6)乾燥シートをサイズプレスを通過させることによって潜在的に再湿潤させ、更にそれを乾燥させて紙生成物を形成する工程と、を含む。
【0003】
製紙プロセスを行う場合、最終紙製品の品質を保証するために多数の懸念事項を考慮する必要がある。例えば、スラリーから水を排水する場合、繊維及び化学添加剤は、水で流すのではなく可能な限り多く保持されるべきである。同様に、最終シートは、適切な湿潤強度及び乾燥強度を有するべきである。紙の乾燥強度には、一般に、例えば、内部結合、乾燥引張強度、及び破裂強度が含まれる。
【0004】
米国特許第8,465,623号、同第7,125,469号、同第7,615,135号、及び同第7,641,776号(参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)は、乾燥強度剤として使用され得るいくつかの材料を提示している。これらの薬剤はスラリーに添加されて、最終シートの強度特性を増大し得る。これらの薬剤は、製紙プロセスで添加される他の添加剤の有効性を妨げることも損なうことなく、製紙機の排水を改善することが可能であるべきである。
【0005】
一般的に使用される乾燥強度剤には、カチオン性デンプン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びグアーガムなどの天然ポリマー、ならびにポリアクリルアミド(カチオン性、アニオン性、及び両性)、グリオキサール化ポリアクリルアミド(GPAM)、及びポリビニルアミンなどの合成ポリマーが含まれる。ジアルデヒド官能化ポリアクリルアミドのカテゴリーでは、グリオキサール及びポリアクリルアミド主鎖から調製されたグリオキサール化ポリアクリルアミド(GPAM)が、最も一般的に使用される乾燥強度剤である。
【0006】
アニオン性、両性、及びカチオン性ジアルデヒド官能化ポリアクリルアミド(主にGPAM)は、通常、単独で使用され得る(例えば、WO00/11046、US7,641,766、及びUS7,901,543を参照。これらの全てが参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)。しかしながら、単一の乾燥強度剤は、通常、全ての必要な要件を満たすことができないので、複雑な乾燥強度剤が開発されている。例えば、米国特許出願公開第2008/0196851号(参照により本明細書に組み込まれる)は、少なくとも2種類の乾燥強化剤を含む組成物が使用される紙の乾燥強度を改善するための方法を提供している。第1の乾燥強度剤は、少なくとも1種の非イオン性モノマーを含有するベースポリマーに由来するホフマン分解生成物に相当し、第2の乾燥強度剤は、0.1meq/gを超えるアニオン電荷密度を有するポリマーに相当する。しかしながら、複雑なプロセスによって調製されるホフマン分解生成物を使用するため生成コストが高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第8,465,623号明細書
【文献】米国特許第7,125,469号明細書
【文献】米国特許第7,615,135号明細書
【文献】米国特許第7,641,776号明細書
【文献】国際公開第00/11046号
【文献】米国特許第7,641,766号明細書
【文献】米国特許第7,901,543号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0196851号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の少なくとも1種の実施形態では、乾燥強度剤組成物が提供される。その組成物は少なくとも2種の成分を含む。第1の成分は、アミン含有カチオン性ポリマーであり、第2の成分は、アニオン性、両性、及び非荷電ポリマー及び/または天然高分子化合物から選択される1種以上のポリマー(複数可)である。所定の実施形態では、第2の成分は、アニオン性ポリマー及び/または両性ポリマーを含む。
【0009】
本開示の追加の実施形態は、紙の乾燥強度を改善させるための組成物の使用であって、その組成物が、アミン含有カチオン性ポリマーならびにアニオン性ポリマー及び/または両性ポリマーを含む、使用に関する。
【0010】
更に他の実施形態では、本開示は、製紙プロセスにおいて紙の乾燥強度を向上させるための方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】標準的なカチオン乾燥強度薬剤/アニオン性ポリマーの組み合わせよりも良好に機能するアミン乾燥強度薬剤/アニオン性ポリマーの組み合わせを示すグラフを図示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、乾燥強度剤組成物及び紙シートまたは基材の乾燥強度を増大させる方法に関する。本発明者らは、予想外にも、第1のアミン含有カチオン性ポリマー及び第2のアニオン性及び/または両性ポリマーを含む乾燥強度剤組成物を、製紙プロセスの1つ以上の供給点で添加することによって、驚くべきことに、紙の乾燥強度をそれらの成分の各々を単独で使用する場合よりもはるかに高いレベルに向上させることができる。
【0013】
本発明の乾燥強度剤組成物の第1の成分は、アミン含有カチオン性ポリマーである。代表的なアミン含有ポリマーは、約5,000g/molを超え、好ましくは約10,000g/molを超えるが、好ましくは約5,000,000g/mol未満、より好ましくは約2,000,000g/mol未満の分子量を有し得る。ポリマーのモノマーの少なくとも約1mol%、最大で約99mol%、好ましくは約5~約80mol%、より好ましくは約10~約60mol%が、重合した第2級アミン含有モノマー、例えば第2級アミン含有ビニルまたはアリルモノマーである。アミン含有カチオン性ポリマーは、約0.1meq/gを超え約23meq/g未満、例えば約0.3~約15meq/gのカチオン電荷密度を有し得る。いくつかの実施形態では、アミン含有カチオン性ポリマーは、約200,000~約1,500,000g/molの分子量を有する。
【0014】
所定の実施形態では、アミン含有カチオン性ポリマーは、以下の構造:式I、II、及び/またはこれらの塩形態のうちの少なくとも1種に由来するランダムに分布したアミン系モノマー繰り返し単位を有するポリマーを含む。
【化1】
(式中、Rは、水素またはC1~20アルキルであり得る;R、R、R、R、R、Rは、独立して、水素、C1~20アルキル、またはC1~20アルコキシアルキルから選択される。)所定の実施形態では、基R、R、R、R、R、R、Rは、独立して、C1~10アルキル、好ましくはC1~3アルキル、より好ましくはメチルまたはエチルから選択される。
【0015】
他の実施形態では、アミン含有ポリマーを基準として、ポリマーのモノマーの少なくとも約1~約99mol%、好ましくは約10~約80mol%、より好ましくは約10~約60mol%が、第2級アミン含有ビニルまたはアリルモノマー、例えば上記の式I、II、及び/またはこれらの塩形態のアミン系モノマーである。
【0016】
式I及びIIの塩形態について、アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩などの一価または二価金属塩またはアンモニウム塩が使用され得る。
【0017】
好ましくは、アミン系モノマーは、ジアリルアミンまたは置換ジアリルアミン、例えば式IIのものである。式I、II、及び/またはこれらの塩形態のモノマーに加えて、本開示によるアミン含有ポリマーは、非イオン性及びカチオン性コモノマーを含む少なくとも1種のビニル付加モノマーを含み得る。好ましくは、本開示によるアミン含有ポリマーは、式I、II、及び/またはこれらの塩形態のモノマー及び非イオン性コモノマーによって、または式I、II、及び/またはこれらの塩形態のモノマー、非イオン性コモノマー、及びカチオン性コモノマーによって形成される。非イオン性コモノマーの量は、アミン含有コポリマーを基準として、約1~約99mol%の間で変動し得る。
【0018】
代表的な非イオン性コモノマーには、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルメチルアセトアミド、N-ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、N-t-ブチルアクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルアルコール、類似のモノマー、及びこれらの組み合わせが含まれる。所定の実施形態では、非イオン性コモノマーは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。
【0019】
代表的なカチオン性コモノマーには、例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート及びメタクリレートならびにそれらの第4級または酸塩、例えば、限定されないが、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルクロライド第4級塩(「DMAEA・MCQ」)、ジメチルアミノエチルアクリレートメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルアクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルアクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレートベンジルクロライド第4級塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドまたはメタクリルアミド及びそれらの第4級または酸塩、例えば、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩酸塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメチルスルフェート第4級塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド硫酸塩、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド塩酸塩、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、及びジアリルジメチルアンモニウムクロライド(「DADMAC」)、類似のモノマー、ならびにこれらの組み合わせが含まれ得る。存在する場合、アルキル基は、一般にC~Cアルキルである。
【0020】
更に、所定の実施形態では、好ましいカチオン性モノマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、トリメチル-2-アクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、トリメチル-2-メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、及び2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートからなる群から選択される1種以上である。
【0021】
一般に、本開示に従って使用されるアミン含有ポリマーは、油中水型エマルション、乾燥粉末、分散体、または水溶液の形態を取り得る。所定の実施形態では、アミン含有ポリマーは、フリーラジカル開始を使用して水中でのフリーラジカル重合技術を介して調製され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、アミン含有ポリマーは、ジアリルアミン/置換ジアリルアミン及び(メタ)アクリルアミドによって形成されるコポリマー、好ましくはジアリルアミン-(メタ)アクリルアミドコポリマー(「DAA/AcAm」)である。その上、アミン含有ポリマーとして、ジアリルアミン/置換ジアリルアミン及び(メタ)アクリルアミドによって形成される1種以上のコポリマーの混合物を使用することも可能である。
【0023】
アミン含有ポリマー中のジアリルアミンなどのアミン系モノマーの包含は、本開示による紙を処理する場合の重要な因子であり得る。所定の実施形態では、ジアリルアミン-(メタ)アクリルアミドコポリマーなどの本発明のアミン含有ポリマー中の上記アミン系モノマー(例えば、ジアリルアミン)のモル百分率は、約1~約99%の範囲内であり得る。アミン含有ポリマーは、主として、アミン系モノマーから構成され得る。すなわち、(メタ)アクリルアミドなどの他のコモノマー単位より多くのアミン系モノマー単位を含み得る。それらの実施形態では、水中油型エマルションの組成に関してコストが決定要因である場合、アミン含有ポリマー中のアミン系モノマーのモル百分率は、約10~約80、約15~約60、または約18~約40%であり得る。所定の実施形態では、本開示のアミン含有ポリマーは、ホフマン分解から得られず、ポリエチレンアミン単位を含有しない。
【0024】
本開示による乾燥強度剤組成物の第2の成分は、アニオン性、両性、及び非荷電のポリマー、ならびに/または第1の成分とは異なる天然の高分子化合物から選択されるポリマーである。所定の実施形態では、第2の成分は、アニオン性ポリマー、両性ポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0025】
第2の成分に使用されるアニオン性ポリマーは、1種以上のアクリルアミドモノマー及び1種以上のアニオン性モノマーから形成されるアクリルアミドコポリマーであり得る。アニオン電荷密度は、約0.1meq/g以上であり得る。「アクリルアミドモノマー」は、式
【化2】
(式中、Rは、HまたはC~Cアルキルであり、Rは、C~Cアルキル、アリール、またはアリールアルキルである。)のモノマーを意味する。好ましくは、アクリルアミドモノマーは、例えば、アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。「アルキル」は、1つの水素原子の除去による直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素に由来する一価の基を意味する。代表的なアルキル基には、メチル、エチル、n-及びイソ-プロピル、セチルなどが含まれる。「アルキル」は、2つの水素原子の除去による直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素に由来する二価の基を意味する。代表的なアルキレン基には、メチレン、エチレン、プロピレンなどが含まれる。「アリール」は、約6~約10個の炭素原子の芳香族単環式または多環式環系を意味する。アリールは、1つ以上のC~C20アルキル、アルコキシ、またはハロアルキル基で任意に置換されている。代表的なアリール基には、フェニルもしくはナフチル、または置換フェニルもしくは置換ナフチルが含まれる。「アリールアルキル」は、アリール-アルキレン基を意味し、ここでのアリール及びアルキレンは、上記で定義したとおりである。代表的なアリールアルキル基には、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、1-ナフチルメチルなど、例えばベンジルが含まれる。
【0026】
アニオン性モノマーは特に限定されない。アニオン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アリルスルホン酸、メチルアリルスルホン酸、1-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1種以上であり得る。好ましくは、アニオン性モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、アリルスルホン酸、メチルアリルスルホン酸、1-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、及びこれらの対応する塩である。
【0027】
また、安定なポリマーが調製される限り、アニオン性モノマーの量に関して特に制限はない。例えば、アニオン性モノマーの量は、実際の用途に応じて、コポリマーの約0.1~約50mol%、例えば約5~約30mol%であり得る。
【0028】
第2の成分の両性ポリマーは、1種以上のアクリルアミドモノマー、1種以上のカチオン性モノマー、及び1種以上のアニオン性モノマーによって形成されるアクリルアミドコポリマーを含み得る。所定の実施形態では、両性ポリマーの総電荷は正であり、カチオン電荷密度は約0.1~約23meq/g、例えば約0.3~約15meq/gである。アクリルアミドモノマー及びアニオン性モノマーは上記のように定義される一方、カチオン性モノマーには、アミン含有カチオン性ポリマーの下で記述したようなそれらのアミン系モノマー及び更に第4級アンモニウム塩を含むカチオン性モノマーが含まれる。
【0029】
好ましくは、カチオン性モノマーは、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、(3-アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3-アクリルアミド-3-メチルブチルトリメチルアンモニウムクロライド、2-ビニルピリジン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N-(3-ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、トリメチル-2-アクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、トリメチル-2-メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロライド、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、及び2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0030】
用途に応じて、カチオン性モノマー及び/またはアニオン性モノマーの合計量は、制限されないが、コポリマーの約0.1~約50mol%、例えば約5~約30mol%であり得る。
【0031】
更に、両性ポリマー中のカチオン性モノマーとアノニン性モノマーとの間の比に制限はない。用途に応じて、例えば、カチオン性モノマーのアニオン性モノマーに対するモル比は、制限されないが、約1:100~約100:1、例えば約1:10~約10:1であり得る。
【0032】
好ましくは、両性ポリマーは、アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、N-(2-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アクリル酸の一価金属塩もしくはアンモニウム塩、アリルスルホン酸、及び/またはアリルスルホン酸の一価金属塩もしくはアンモニウム塩、例えばアリルスルホン酸ナトリウムから形成されるポリマーである。
【0033】
第2の成分は、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンなどの非荷電ポリマーを更に含み得る。
【0034】
天然の高分子成分は、単独で、または第2の成分において上述したポリマーと組み合わせて使用され得る。本開示に好適な天然の高分子化合物には、カルボキシメチルセルロース及び/またはアニオン性デンプンが含まれ得る。所定の実施形態では、アニオン性デンプンの置換度は、約0.01~約0.3の間で変動し得る。
【0035】
他の実施形態では、第2の成分は、ジアルデヒド化合物によって更に架橋され得る。ジアルデヒド化合物は、特に限定されないが、グリオキサール、マロンジアルデヒド、スクシンアルデヒド、及びグルタルアルデヒドから選択され得、好ましくはグリオキサールから選択され得る。本開示による乾燥強度剤組成物において、ジアルデヒド官能化の直後の生成物を第2の成分として使用することが可能であり、またはジアルデヒド官能化生成物と非ジアルデヒド官能化生成物との混合物を第2の成分として使用することが可能である。本開示において、ジアルデヒド変性ポリマーにおけるジアルデヒド、特にグリオキサールと、アクリルアミドモノマーなどの非イオン性モノマーとの間の比に制限はなく、モルで約0.01:1~約1:1、例えばモルで約0.1:1~約0.8:1の範囲であり得る。
【0036】
WO00/11046(その内容はそれらの全体が本出願に組み込まれる)は、本開示に従って使用するのに好適なジアルデヒド変性ポリマーの調製方法を開示しており、それに基づいて当業者は本開示に従ってジアルデヒド変性第1の成分及び第2の成分を得ることができる。
【0037】
本開示による乾燥強度剤組成物において、2つの成分の間の重量比(すなわち、第1の成分:第2の成分)は、活性原料を基準として、約1:99~約99:1、好ましくは約1:10~約10:1、より好ましくは約1:3~約5:1の範囲であり得る。
【0038】
必要に応じて、第1の成分及び第2の成分に加えて、乾燥強度剤組成物は、製紙のための他の化学的助剤、特に製紙のための合成ポリマー助剤、例えば、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリエチレンオキシド(PEO)、硫酸アルミニウム、及び保持助剤、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマーを含有し得る(または排除し得る)。本開示による乾燥強度剤組成物は、他の乾燥強度剤を含有し得る(または排除し得る)。乾燥強度剤組成物が製紙のための他の化学的助剤を含有する場合、当業者は他の化学的助剤の好適な種類及び量を選択し得る。他の化学的助剤の量は、例えば、約0~約50質量%、好ましくは約0~約20質量%、より好ましくは約0~約5質量%の範囲内であり得る。
【0039】
更に、乾燥強度剤組成物は、上述の第1の成分及び第2の成分との組み合わせならびに媒体としての水のみを含み得る。
【0040】
上述したように、本開示の他の態様は、製紙プロセスにおいて紙の乾燥強度を向上させるための方法を提供する。いくつかの実施形態では、その方法は、
(a)パルプスラリーを提供する工程と、それと同時にまたはその前もしくは後に、
(b)上記の乾燥強度剤組成物を提供する工程と、
(c)乾燥強度組成物を紙スラリーに添加して紙ストックを得る工程と、を含む。
【0041】
紙の乾燥強度を向上させるための方法において、乾燥強度剤組成物の供給手法には、成分を任意の順序で別々にパルプスラリーに添加すること、または成分を予備混合した後にパルプスラリーに添加すること、または成分をパルプスラリーに同時供給することが含まれるがこれらに限定されない。
【0042】
いくつかの実施形態では、本開示による乾燥強度剤組成物は、パルプスラリーから製紙する前にパルプスラリーに添加される。
【0043】
所定の実施形態では、乾燥強度剤組成物は、活性原料を基準として、約0.01~約50kg/t、好ましくは約0.2~約10kg/tの絶対乾燥パルプの量で使用され得る。
【実施例
【0044】
本開示の態様は以下の実施例によって更に例示され、これは開示の範囲を限定することを意図していない。
【0045】
実施例1:
第1の成分:約500,000g/molの数平均分子量及び約4.2meq/gのカチオン電荷密度を有するジアリルとアクリルアミドとのコポリマー(C1と称する)であって、ジアリルアミンのアクリルアミドに対するモル比が約35:65である、コポリマー。
【0046】
第2の成分:約500,000g/molの数平均分子量及び約0.96meq/gのアニオン電荷密度を有するアクリル酸とアクリルアミドとのアニオン性コポリマー(A1と称した)。
【0047】
製紙工場から濃縮パルプを得、これを、冷却後、工場白水で約0.7%の固形分含有量に希釈した。
【0048】
パルプの組成:75%の旧段ボール紙(OCC)及び25%のアメリカの旧段ボール紙(AOCC)。
【0049】
所定量のパルプスラリーを計量し、各種類の化学薬剤を800rpmで撹拌しながら15秒毎にパルプに添加した。化学薬剤は次の順序で添加した:カチオン性デンプン(5kg/t)、硫酸アルミニウム(2kg/t)、乾燥強度剤、及び保持助剤であるジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマー(0.3kg/t)。
【0050】
得られた紙サンプルを一定の温度及び湿度(23℃、50%RH)下で一晩放置した。全てのハンドシートは規格TAPPI T205に従って調製した。規格TAPPI T569に従って紙シートのスコット結合を決定することによって内部結合を測定した。TAPPI T494によって紙の乾燥引張強度を決定した一方で、TAPPI T403によって破裂強度を決定した。
【0051】
ブランク試験は、乾燥強度剤を添加しなかったことのみ以外は同じ手法で行った。
【0052】
乾燥強度剤の用量は、オーブン乾燥パルプに対する活性原料の量を指していた。2つの成分の間の比は活性原料の重量比に関するものであった。この実施例では、乾燥強度剤の用量は、約6kg/tであり、2つの成分を同時に添加した。
【0053】
【表1】
【0054】
表1から分かるように、内部結合、乾燥強度、及び破裂強度を含む紙強度は、C1またはA1を単独で使用した場合と比較してC1及びA1を組み合わせて使用することによって明らかに改善され得、組み合わせにおけるA1の割合が高いほど強度が良好に増大する。
【0055】
実施例2:
第1の成分:実施例1に従うC1。
【0056】
第2の成分:アクリルアミド、N-(2-ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ナトリウムアクリレート、及びナトリウムアリルスルホネートの90:8:1:0.5:0.5のモル比から形成された両性コポリマーであり、約1,000,000g/molの数平均分子量、及び約0.51meq/gの総電荷密度を有していた(A2と称した)。
【0057】
使用したパルプスラリーは次の組成を有していた:長繊維(NBKP)/短繊維(LBKP)=3/7。パルプスラリーには化学薬剤を添加せず、乾燥強度剤のみを添加した。乾燥強度剤組成物を使用する場合、2つの成分の重量比は1:1であった(C1:A2)。他の操作は実施例1と同じであった。結果を表2に列挙する。
【0058】
【表2】
【0059】
表2から分かるように、A2と組み合わせて使用したC1は、供給方法がどのようなものであっても、C1またはA2を単独で使用した場合よりも良好な内部結合を示した。
【0060】
実施例3:
第1の成分:約500,000g/molの数平均分子量及び約1.8meq/gのカチオン電荷密度を有するジアリルアミンとアクリルアミドとのコポリマー(C2と称する)であって、ジアリルアミンとアクリルアミドのモル比が約15:85である、コポリマー。
【0061】
第2の成分:実施例2に従うA2。
【0062】
2つの成分を1:1の重量比で予備混合し、次いでパルプスラリーに添加した。他の操作は実施例2と同じであった。結果を表3に列挙する。
【0063】
【表3】
【0064】
表3から分かるように、A2と組み合わせて使用したC2は、C2またはA2を単独で使用した場合よりもはるかに高い内部結合を示した。
【0065】
実施例4:
第1の成分:実施例1に従うC1。
【0066】
第2の成分:約50,000~300,000g/molの数平均分子量を有する市販のポリビニルアルコール(PVA)。
【0067】
2つの成分を2:1の重量比で混合した。他の操作は実施例1と同じであった。結果を表4に列挙する。
【0068】
【表4】
【0069】
表4から分かるように、PVAと組み合わせて使用したC1は、いずれかを単独で使用した場合よりも高い内部結合を提供することができる。
【0070】
実施例5:
第1の成分:実施例1に従うC1。
【0071】
第2の成分:市販のカルボキシメチルセルロース、すなわちCMC(白色または淡黄色のフロック状繊維粉末または白色粉末の形態であり、水に可溶であって、粘性を有する透明溶液を形成する)。
【0072】
2つの成分を1:1の重量比で混合した。他の操作は実施例1と同じであった。結果を表5に列挙する。
【0073】
【表5】
【0074】
表5から分かるように、CMCと組み合わせて使用したC1は、それらの各々を単独で使用した場合よりも高い内部結合向上を示した。
【0075】
実施例6:
第1の成分:実施例3に従うC2。
【0076】
第2の成分:約500,000g/molの数平均分子量及び約0.6meq/gのアニオン電荷密度を有するアクリル酸とアクリルアミドとのグリオキサール化アニオン性コポリマー(A1Gと称した)。
【0077】
使用したパルプスラリーは次の組成を有していた:20%の漂白ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)、65%のアルカリパーオキサイドメカニカルパルプ(APMP)、及び15%のBroke。
【0078】
次の化学薬剤をパルプに順次添加した:乾燥強度剤の用量を表6に列挙しており、保持補助剤であるジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドとのコポリマー(0.5kg/t)及びShengzhou Huali Co.(2kg/t)から得られた珪藻土。乾燥強度剤として乾燥強度剤組成物を使用する場合、2つの成分C2:A1Gの重量比は5:2であった。他の操作は実施例1と同じであった。結果を表6に列挙する。
【0079】
【表6】
【0080】
表6から分かるように、C2及びA1Gを組み合わせた使用は、C2またはA1Gのいずれかの単独の使用よりも高い内部結合増大を提供した。
【0081】
実施例7:
対照試験:2つの成分からなる乾燥強度剤組成物を使用する(そのうち一方は実施例1に従うC1であり、他方はジアリルジメチルアンモニウムクロライドとアクリルアミドの12:88のモル比のグリオキサール化カチオン性コポリマーであり、このコポリマーは約0.3meq/gの電荷密度及び約500,000g/molの数平均分子量を有していた)。
【0082】
本発明の試験:2つの成分からなる乾燥強度剤組成物を使用する(そのうち一方は実施例1に従うC1であり、他方は実施例6に従うA1Gであった)。
【0083】
他の操作は実施例2と同じであった。結果を表7に列挙する。
【0084】
【表7】
【0085】
表7から分かるように、本発明の試験は、対照試験よりもはるかに良好な乾燥強度性能を導くことができる。
【0086】
実施例8:
この最後の実施例は図1に関し、標準的なカチオン強度薬剤/アニオン性ポリマーの組み合わせよりも良好に機能するアミン乾燥強度薬剤/アニオン性ポリマーの組み合わせを示す。図1から分かるように、カチオン性ポリマーまたはデンプンとアニオン性ポリマーとの組み合わせと対比して、アミン及びアニオンの組み合わせに明らかな利点が存在する。図1では、アミン含有ポリマーは、上述のC1と同じであり、アニオン性ポリマーはA1Gであった。
図1