(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】商品贈呈システム及び商品贈呈方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220218BHJP
G07F 7/02 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
G06Q50/10
G07F7/02 Z
(21)【出願番号】P 2018565520
(86)(22)【出願日】2018-01-29
(86)【国際出願番号】 JP2018002601
(87)【国際公開番号】W WO2018143107
(87)【国際公開日】2018-08-09
【審査請求日】2020-09-18
(31)【優先権主張番号】P 2017015591
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】500178588
【氏名又は名称】株式会社JR東日本クロスステーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】飯島 俊介
(72)【発明者】
【氏名】川口 典比古
(72)【発明者】
【氏名】小出 智巳
(72)【発明者】
【氏名】小室 塁
(72)【発明者】
【氏名】堀口 祐貴
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-533607(JP,A)
【文献】特開2011-154691(JP,A)
【文献】国際公開第2016/167039(WO,A1)
【文献】特表2014-522008(JP,A)
【文献】特開2004-280290(JP,A)
【文献】特開2006-134257(JP,A)
【文献】特表2007-536638(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0316875(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0182678(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機からの商品の受け取り権限を贈呈者から受贈者に対して移行することが可能
な商品贈呈システムであって、
贈呈者が所持する贈呈者端末と、
受贈者が所持する受贈者携帯端末と、
前記贈呈者端末から前記受贈者携帯端末への前記受け取り権限の移行を管理する管理サ
ーバと、
前記受け取り権限の行使によって商品を引き渡すよう構成された自動販売機と
を備え、
前記贈呈者端末は、該贈呈者端末から前記受贈者携帯端末への前記受け取り権限の移行を実行する機能が具備された商品購入アプリケーションがインストールされており、該商品購入アプリケーションを介して、前記受け取り権限の移行要求を前記管理サーバに送信するよう構成されており、
前記管理サーバは、前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされている場合に限り、前記贈呈者端末から前記移行要求を受けた前記受け取り権限を該受贈者携帯端末に対して移行するよう構成されており、
前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされていない場合には、該受贈者携帯端末に対して該商品購入アプリケーションのインストールを促すインストール促進処理が実行され、
前記管理サーバは、前記贈呈者端末から前記受け取り権限の移行要求を受信した際に、前記受贈者携帯端末が該受け取り権限の移行手続を続行するための贈呈用URLを発行するよう構成されており、
前記贈呈者端末は、前記管理サーバが発行した前記贈呈用URLを含むメッセージを生成すると共に、該メッセージの送信手段と、送り先となる受贈者とを選択可能に構成されており、該選択された送信手段によって、該選択された受贈者の前記受贈者携帯端末に対して該メッセージを送信するよう構成されて
おり、
前記自動販売機は、前記受け取り権限が行使された商品の引き渡しが不能な場合又は前記受贈者が該商品以外の商品の受け取りを希望した場合に、前記受け取り権限が行使された商品の値段と同額及び/又はそれ未満の値段の代替商品を受け渡すように構成されている
ことを特徴とする商品贈呈システム。
【請求項2】
前記受贈者携帯端末にインストールされた前記商品購入アプリケーションは、前記贈呈者端末から移行された前記受け取り権限を行使するためのコード情報を該受贈者携帯端末の表示画面上に表示可能に構成されており、
前記自動販売機は、前記受贈者携帯端末の表示画面上に表示された前記コード情報を読み取り可能なコード読取部を備え、該コード読取部において該コード情報を読み取ることで、商品を引き渡すよう構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の商品贈呈システム。
【請求項3】
前記自動販売機は、前記受け取り権限が行使された商品の引き渡しが不能な場合又は前記受贈者が該商品以外の商品の受け取りを希望した場合に、前記受け取り権限が行使された商品の値段
と同額及びそれ未満の値段の代替商品を受け渡すように構成されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の商品贈呈システム。
【請求項4】
自動販売機からの商品の受け取り権限を管理する管理サーバを用いて、該受け取り権限
を贈呈者が所持する贈呈者端末から受贈者が所持する受贈者携帯端末に対して移行する商
品贈呈方法であって、
前記受け取り権限の移行を実行する機能が具備された商品購入アプリケーションがイン
ストールされた前記贈呈者端末から、該商品購入アプリケーションを介して、前記受け取
り権限の移行要求を前記管理サーバに対して送信する工程と、
前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされているか否か
を判定する工程と、
前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされていないと判
定した場合に、該受贈者携帯端末に対して該商品購入アプリケーションのインストールを
促すインストール促進処理を実行する工程と
を備え、
前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされている場合に
限り、前記贈呈者端末から前記移行要求を受けた前記受け取り権限を該受贈者携帯端末に
対して移行
し、
前記管理サーバは、前記贈呈者端末から前記受け取り権限の移行要求を受信した際に、
前記受贈者携帯端末が該受け取り権限の移行手続を続行するための贈呈用UR L を発行するよう構成されており、
前記贈呈者端末は、前記管理サーバが発行した前記贈呈用URLを含むメッセージを生
成すると共に、該メッセージの送信手段と、送り先となる受贈者とを選択可能に構成され
ており、該選択された送信手段によって、該選択された受贈者の前記受贈者携帯端末に対
して該メッセージを送信するよう構成されて
おり、
前記自動販売機は、前記受け取り権限が行使された商品の引き渡しが不能な場合又は前記受贈者が該商品以外の商品の受け取りを希望した場合に、前記受け取り権限が行使された商品の値段と同額及び/又はそれ未満の値段の代替商品を受け渡すように構成されている
ことを特徴とする商品贈呈方法。
【請求項5】
前記受贈者携帯端末にインストールされた前記商品購入アプリケーションは、前記贈呈
者端末から移行された前記受け取り権限を行使するためのコード情報を該受贈者携帯端末
の表示画面上に表示可能に構成されており、
前記自動販売機は、前記受贈者携帯端末の表示画面上に表示された前記コード情報を読
み取り可能なコード読取部を備え、該コード読取部において該コード情報を読み取ること
で、商品を引き渡すよう構成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の商品贈呈方法。
【請求項6】
前記自動販売機は、前記受け取り権限が行使された商品の引き渡しが不能な場合又は前記受贈者が該商品以外の商品の受け取りを希望した場合に、前記受け取り権限が行使された商品の値段
と同額及びそれ未満の値段の代替商品を受け渡すように構成されている
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の商品贈呈方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、贈呈者が購入した商品を受贈者が自動販売機において受け取ることが可能な商品贈呈システム及び商品贈呈方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、贈呈者が購入した商品を受贈者が自動販売機において受け取ることが可能な商品贈呈システムとして、特許文献1に記載のシステムが知られている。特許文献1の商品贈呈システムは、贈呈者からの要求に応じて管理者サーバから受贈者の携帯端末に対して送信される電子メールに認証ファイルを添付することで、該認証ファイルを受贈者の携帯端末に送信し、受贈者の携帯端末が具備する赤外線通信や無線通信等の通信手段を用いて該認証ファイルを自動販売機に送信することで、自動販売機から受贈者に対して商品が供給されるよう構成されている。このような商品贈呈システムによれば、受贈者の好きなタイミングで贈呈品を受け取ることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、この種の商品贈呈システムを利用した商品贈呈サービスを安定して継続させるためには、該商品贈呈サービスの利用者を増加させる必要がある。しかしながら、特許文献1の商品贈呈システムでは、贈呈者から受贈者への単発の贈呈しか想定されておらず、商品贈呈サービスの利用者を増加させる取り組みについては何ら検討されていない。
【0005】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、商品贈呈サービスの利用者を増加させることが可能な商品贈呈システム及び商品贈呈方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る商品贈呈システムは、自動販売機からの商品の受け取り権限を贈呈者から受贈者に対して移行することが可能な商品贈呈システムであって、贈呈者が所持する贈呈者端末と、受贈者が所持する受贈者携帯端末と、前記贈呈者端末から前記受贈者携帯端末への前記受け取り権限の移行を管理する管理サーバと、前記受け取り権限の行使によって商品を引き渡すよう構成された自動販売機とを備え、前記贈呈者端末は、該贈呈者端末から前記受贈者携帯端末への前記受け取り権限の移行を実行する機能が具備された商品購入アプリケーションがインストールされており、該商品購入アプリケーションを介して、前記受け取り権限の移行要求を前記管理サーバに送信するよう構成されており、前記管理サーバは、前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされている場合に限り、前記贈呈者端末から前記移行要求を受けた前記受け取り権限を移行するよう構成されており、前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされていない場合には、該受贈者携帯端末に対して該商品購入アプリケーションのインストールを促すインストール促進処理が実行されることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る商品贈呈システムにおいて、前記受贈者携帯端末にインストールされた前記商品購入アプリケーションは、前記贈呈者端末から移行された前記受け取り権限を行使するためのコード情報を該受贈者携帯端末の表示画面上に表示可能に構成されており、前記自動販売機は、前記受贈者携帯端末の表示画面上に表示された前記コード情報を読み取り可能なコード読取部を備え、該コード読取部において該コード情報を読み取ることで、商品を引き渡すよう構成されることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る商品贈呈システムにおいて、前記管理サーバは、前記贈呈者端末から前記受け取り権限の移行要求を受信した際に、前記受贈者携帯端末が該受け取り権限の移行手続を続行するための贈呈用URLを発行するよう構成されることが好ましい。
【0009】
本発明に係る商品贈呈方法は、自動販売機からの商品の受け取り権限を管理する管理サーバを用いて、該受け取り権限を贈呈者が所持する贈呈者端末から受贈者が所持する受贈者携帯端末に対して移行する商品贈呈方法であって、前記受け取り権限の移行を実行する機能が具備された商品購入アプリケーションがインストールされた前記贈呈者端末から、該商品購入アプリケーションを介して、前記受け取り権限の移行要求を前記管理サーバに対して送信する工程と、前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされているか否かを判定する工程と、前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされていないと判定した場合に、該受贈者携帯端末に対して該商品購入アプリケーションのインストールを促すインストール促進処理を実行する工程とを備え、前記受贈者携帯端末に前記商品購入アプリケーションがインストールされている場合に限り、前記贈呈者端末から前記移行要求を受けた前記受け取り権限を該受贈者携帯端末に対して移行することを特徴とする。
【0010】
本発明に係る商品贈呈方法において、前記受贈者携帯端末にインストールされた前記商品購入アプリケーションは、前記贈呈者端末から移行された前記受け取り権限を行使するためのコード情報を該受贈者携帯端末の表示画面上に表示可能に構成されており、前記自動販売機は、前記受贈者携帯端末の表示画面上に表示された前記コード情報を読み取り可能なコード読取部を備え、該コード読取部において該コード情報を読み取ることで、商品を引き渡すよう構成されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る商品贈呈方法において、前記管理サーバは、前記贈呈者端末から前記受け取り権限の移行要求を受信した際に、前記受贈者携帯端末が該受け取り権限の移行手続を続行するための贈呈用URLを発行するよう構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品贈呈サービスの利用者を増加させることが可能な商品贈呈システム及び商品贈呈方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る商品贈呈システムのシステム構成の概要を示す図である。
【
図2】管理サーバの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】自動販売機の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】商品購入アプリケーションの機能によりユーザ端末に表示される画面の一例を概略的に示す図である。
【
図5】商品の贈呈時に受贈者に送信されるメッセージの一例を示す図である。
【
図6】商品購入工程の流れを示すフローチャートである。
【
図7】贈呈工程の流れを示すフローチャートである。
【
図8】商品受け取り工程の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
本実施形態に係る商品贈呈システム1は、
図1に示すように、例えば容器入り飲料等の商品をストックする複数の自動販売機40と、自動販売機40の管理業者により管理される管理サーバ10と、商品の贈呈者が所持する贈呈者端末20と、商品の受贈者が所持する受贈者端末30とを備えている。管理サーバ10は、インターネット等の通信回線NWを介して、贈呈者端末20、受贈者端末30及び自動販売機40とデータ通信可能に接続されている。
【0016】
管理サーバ10は、所謂ウェブサーバであり、
図2に示すように、管理サーバ10の各種制御を実行する制御部12と、受贈者携帯端末30が受け取り権限の移行手続を続行するための贈呈用URLを発行するURL発行部14と、自動販売機40から商品を受け取るためのマトリックス型二次元コード(コード情報)を発行する二次元コード発行部15と、通信回線NWを介して贈呈者端末20、受贈者端末30、自動販売機40及びその他の外部システム等とデータ通信するための通信部16と、各種データファイル及び各種プログラムが格納された記憶部18とを備えている。
【0017】
制御部12は、記憶部18に記憶された各種処理プログラムをCPUが実行することにより、管理サーバ10が提供する各種機能を発揮するよう構成されている。このような制御部12としては、記憶部18に格納されたプログラムに基づいて各種制御を実行可能なパーソナルコンピュータ等の種々の公知の制御手段を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0018】
URL発行部14は、商品が贈呈された旨のメッセージを受信した受贈者携帯端末30が、商品の受け取り権限の移行手続を続行するための贈呈用URLを発行するよう構成されている。この贈呈用URLの接続先のページ(ウェブ)は、該贈呈用URLに接続要求した受贈者携帯端末30に商品購入アプリケーションがインストールされているか否かの判定を該受贈者携帯端末30のウェブブラウザに実行させ、該受贈者携帯端末30に商品購入アプリケーションがインストールされていない場合には、商品購入アプリケーションをインストール可能なインストール先URLに転送する処理を実行させるよう構成されている。また、贈呈用URLの接続先のページは、受贈者携帯端末30に商品購入アプリケーションがインストールされている場合には、該商品購入アプリケーションを起動させる処理を該受贈者携帯端末30のウェブブラウザに実行させるよう構成されている。
【0019】
二次元コード発行部15は、自動販売機40の後述する二次元コード読取部43によって読み取り可能で、かつ、自動販売機40から商品を受け取ることが可能なマトリックス型二次元コードを生成するよう構成されている。このマトリックス型二次元コードには、自動販売機40から商品を受け取るために必要な情報、例えば、受贈者のユーザID等の情報と、先払い(商品購入アプリケーションにより事前に支払い済み)であるか後払い(事前登録したクレジットカード等による事後的な支払い)であるかを判別するための情報とが含まれている。なお、本実施形態の説明では、マトリックス型二次元コードに受贈者のユーザIDの情報が含まれるとしたが、これに限定されず、受贈者のユーザIDに対応付けて一時的に発行される識別情報であるとしても良い。また、本実施形態の説明では、マトリックス型二次元コードを例に挙げて説明するが、これに限定されず、一次元コード(いわゆるバーコード)であっても良い。二次元コード発行部15におけるマトリックス型二次元コードの生成は、種々の公知の方法により実行することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0020】
通信部16は、贈呈者端末20、受贈者端末30及び自動販売機40とデータ通信するためのインターフェイスとして機能するよう構成されており、種々の通信機器から構成されている。また、通信部16は、商品購入アプリケーションを介して商品の購入を行う購入端末(例えば贈呈者端末20)から受信した商品の購入情報に基づき、決済種別に応じた外部の決済システム等とデータ通信を行い、該外部の決済システム等から取得した決済可否の判定結果を該購入端末に送信するよう構成されている。このような通信部16は、種々の公知の通信手段を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0021】
記憶部18は、制御部12等が実行するプログラムを格納するプログラム格納エリアと、プログラムの実行に必要となる各種データファイルを格納するデータファイル格納エリアとを有する種々の記憶手段で構成されている。データファイル格納エリアには、商品贈呈システム1の商品贈呈サービスに会員登録している各ユーザ(贈呈者及び受贈者を含む利用者)に関するユーザ情報が格納されるユーザ情報記憶部18aと、ユーザが購入可能な商品に関する商品情報が格納された商品情報記憶部18bとが含まれている。また、記憶部18のデータファイル格納エリアには、各自動販売機40に関する情報(設置個所情報等)も格納されている。ここで、商品情報とは、商品の名称や価格等の商品に関する情報のことをいう。また、ユーザ情報とは、ユーザ毎に割り当てられたユーザID並びに該ユーザIDに紐付けて格納された該ユーザの購入済商品及びその保有本数(在庫本数)等に関する情報のことをいう。
【0022】
自動販売機40は、内部にストックする商品を自動で販売する自動販売機であって、
図3に示すように、商品の画像や値段等の各種情報を陳列表示可能なタッチパネル式ディスプレイ部41と、例えばICチップ内蔵のICカードや携帯端末等の電子マネー媒体を利用した決済処理を行なうための電子マネー決済部42と、携帯端末等の表示画面に表示されたマトリックス型二次元コードを読み取る二次元コード読取部43と、通信回線NWを介して管理サーバ10とデータ通信するための通信部44と、自動販売機40の各種制御を実行する制御部45と、各種データファイル及び各種プログラムが格納された記憶部46とを備えている。また、自動販売機40は、所定の検知範囲内における人の存在を検知可能な人感センサ(図示せず)を更に備えている。
【0023】
タッチパネル式ディスプレイ部41は、内部にストックする商品の一覧を表示可能であると共に、利用者のタッチ操作による商品の選択等を受付可能に構成されている。このようなタッチパネル式ディスプレイ部41としては、種々の公知のタッチパネル式ディスプレイを採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0024】
電子マネー決済部42は、例えばICチップ内蔵のICカードや携帯端末等の電子マネー媒体と無線通信可能に構成されており、電子マネー媒体に記憶された電子マネー情報の読み取り、及び、該電子マネー情報の書き換え(チャージ金額から商品の購入代金を差し引く処理)を実行可能に構成されている。このような電子マネー決済部42としては、種々の公知の電子マネー決済手段を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0025】
二次元コード読取部43は、携帯端末等の表示画面に表示されたマトリックス型二次元コードを読み取り、該マトリックス型二次元コードを解析することにより、該マトリックス型二次元コードに組み込まれた各種情報、例えば、受贈者のユーザID等の情報や、支払い方法の情報(先払いか後払いかを判別するための情報)等を読み取るよう構成されている。なお、二次元コード読取部43におけるマトリックス型二次元コードの解析は、種々の公知の方法により実行することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0026】
通信部44は、管理サーバ10とデータ通信するためのインターフェイスとして機能するよう構成されており、例えば、ルータ及びアンテナ等の種々の通信機器から構成されている。このような通信部44は、種々の公知の通信手段を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0027】
制御部45は、記憶部46に記憶された各種処理プログラムをCPUが実行することにより、自動販売機40が提供する後述の各種機能を発揮するよう構成されている。このような制御部45としては、記憶部46に格納されたプログラムに基づいて各種制御を実行可能なパーソナルコンピュータ等の種々の公知の制御手段を採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0028】
記憶部46は、制御部45等が実行するプログラムを格納するプログラム格納エリアと、プログラムの実行に必要となる各種データファイルを格納するデータファイル格納エリアとを有する種々の記憶手段で構成されている。データファイル格納エリアには、自動販売機40の内部にストックしている商品の名称、価格及び在庫数等に関する情報や、タッチパネル式ディスプレイ部41に表示する各種メッセージ等の情報が格納されている。
【0029】
本実施形態に係る自動販売機40は、二次元コード読取部43を介した受け取り権限の確認が完了した際、又は、電子マネー決済部42を介した電子マネー決済が完了した際に、利用者に対して商品を提供(排出)するよう構成されている。具体的には、自動販売機40は、利用者の携帯端末等の表示画面に表示されたマトリックス型二次元コードが二次元コード読取部43に翳された場合には、該マトリックス型二次元コードからユーザID及び支払い方法の情報を読み取る。そして、読み取った支払い方法の情報が先払い情報である場合には、読み取ったユーザIDを用いて、管理サーバ10から該利用者が保有する購入済商品の情報を取得し、該購入済商品が他の商品(購入済みではない商品)と異なる態様(例えばハイライト表示等)で表示されるよう、タッチパネル式ディスプレイ部41に表示された商品の一覧画面を更新する。一方、読み取った支払い方法の情報が後払い情報である場合には、内部にストックする商品の一覧を通常の方法により表示する。そして、利用者が選択した商品を該利用者に対して提供する。また、自動販売機40は、タッチパネル式ディスプレイ部41を介して利用者からの商品の選択を受け付け、電子マネー決済部42を介した電子マネー決済が完了した際に、利用者が選択した商品を該利用者に対して提供するよう構成されている。
【0030】
贈呈者端末20は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型通信端末であって、商品の購入及び贈呈手続き等に関する後述する一連の機能が具備された商品購入アプリケーションがインストールされている。この贈呈者端末20は、商品購入アプリケーションの機能によって、商品の購入処理、受贈者に対する商品の贈呈処理及び管理サーバ10に対するデータ通信等を実行するよう構成されている。なお、贈呈者端末20は、商品購入アプリケーションがインストールされており、かつ、該商品購入アプリケーションの機能によって商品の購入処理、受贈者に対する商品の贈呈処理及び管理サーバ10に対するデータ通信等を実行可能な端末であれば、例えばノート型パーソナルコンピュータであっても良いし、デスクトップ型パーソナルコンピュータ等の設置型の端末であっても良い。
【0031】
商品購入アプリケーションは、管理サーバ10から適宜取得した各種情報に基づき、商品の購入及び贈呈手続き等に関する各種機能を発揮するよう構成されている。
【0032】
具体的には、商品購入アプリケーションは、
図4に示すように、各種情報を表示するための情報表示領域22aと、情報表示領域22aに商品を購入するための購入ページ(図示せず)を表示させるためのストア表示タブ22bと、情報表示領域22aに既に購入された購入済商品の一覧が掲載された購入済商品リストページ(図示せず)を表示させるためのマイドリンク表示タブ22cと、情報表示領域22aにマトリックス型二次元コード(図示せず)を表示させるためのコード表示タブ22dと、情報表示領域22aに自動販売機40の設置個所等を表示させるための自販機表示タブ22eと、情報表示領域22aにマイページ(図示せず)を表示させるためのマイページ表示タブ22fとを有する画面をユーザ端末(贈呈者端末20及び受贈者携帯端末30等)に表示させるよう構成されている。
【0033】
商品購入アプリケーションは、ストア表示タブ22bが選択(タップ、押下)された際に、ユーザが購入可能な商品に関する商品情報を管理サーバ10から取得し、この情報に基づいて、商品を購入するための購入ページをユーザ端末(贈呈者端末20及び受贈者携帯端末30等)の情報表示領域22aに表示させるよう構成されている。購入ページには、ユーザが購入可能な商品の一覧が掲載されており、該一覧の中から商品を選択すると、購入種別の選択画面、購入個数の選択画面及び決済種別の選択画面に遷移するよう構成されている。ここで、購入種別の選択画面は、単発購入や定期購入等を選択するための画面であり、購入個数の選択画面は、商品の購入個数を選択するための画面であり、決済種別の選択画面は、購入代金の支払い手段(電子マネーやクレジット決済等)を選択するための画面である。なお、決済種別の選択画面において選択された支払い手段について、詳細情報の登録(例えばクレジットカードの情報登録等)が完了していない場合は、詳細情報を登録するための画面に遷移する。そして、購入ページを介した購入手続きが完了すると、管理サーバ10の記憶部18に格納されているユーザ情報(ユーザの購入済商品及びその保有本数)が更新され、該購入された商品の情報が購入済商品リストページに追加される。
【0034】
商品購入アプリケーションは、マイドリンク表示タブ22cが選択された際に、各ユーザに関するユーザ情報を管理サーバ10から取得し、この情報に基づいて、購入済商品リストページを生成し、このマイページをユーザ端末の情報表示領域22aに表示させるよう構成されている。購入済商品リストページには、購入済みの商品の一覧が掲載されており、該購入済みの商品毎に、該商品の見本画像、有効期限情報及び保有個数が表示された表示領域と、商品名を表示すると共に、商品の詳細な情報が掲載された画面へ遷移するためのリンクが貼られた商品名表示部と、該商品の贈呈処理を実行するための贈呈処理実行選択ボタンとが設けられている(図示せず)。なお、後述する贈呈処理が実行され、管理サーバ10の記憶部18に格納されているユーザ情報(ユーザの購入済商品及びその保有本数)が更新されると、これに伴って購入済商品リストページ及び贈呈商品リストページが更新される。具体的には、保有個数がゼロになった商品については購入済商品リストページから削除され、保有個数が1以上残る商品については保有個数が贈呈個数分だけ減少される。また、贈呈対象となった商品の情報が贈呈商品リストページに追加される。
【0035】
商品購入アプリケーションは、購入済商品リストページの贈呈処理実行選択ボタンが選択された際に、管理サーバ10に対して贈呈用URLの発行要求(受け取り権限の移行要求)を送信し、管理サーバ10のURL発行部14によって発行された贈呈用URLを取得するよう構成されている。
【0036】
また、商品購入アプリケーションは、管理サーバ10から取得した贈呈用URLと、テンプレートメッセージとに基づいて、受贈者に対するメッセージを生成するよう構成されている。このメッセージには、
図5に示すように、贈呈者から商品が贈呈された旨及び贈呈用URLの有効期限等が表示された書誌的事項表示領域24aと、贈呈用URLを表示すると共に、該贈呈用URLへ遷移するためのリンクが貼られたURL表示部24bと、商品購入アプリケーションをインストール後に再度贈呈用URLを開くよう促す文言が表示されたインストール促進文言表示領域24cとを含んでいる。なお、受贈者に対するメッセージは、図示の例に限定されず、種々の構成とすることができる。
【0037】
さらに、商品購入アプリケーションは、生成したメッセージの送信手段の選択及び送り先(受贈者)の選択をユーザから受け付け、この選択された送信手段によって選択された受贈者にメッセージを送信するよう構成されている。なお、メッセージの送信手段としては、例えば電子メールや、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のメッセージ送受信機能等の任意の手段を採用することができる。
【0038】
また、商品購入アプリケーションは、コード表示タブ22dが選択された際に、自動販売機40から購入済商品(先払い商品)を受け取るか、自動販売機40から後払いで商品を受け取るかを選択するための選択ボタン(図示せず)を表示し、該選択ボタンにより先払いか後払いかが選択された際に、管理サーバ10に対し、マトリックス型二次元コードの生成要求を出力するよう構成されている。また、管理サーバ10において生成されたマトリックス型二次元コードをユーザ端末の情報表示領域22aに表示させるよう構成されている。
【0039】
さらに、商品購入アプリケーションは、自販機表示タブ22eが選択された際に、自動販売機40に関する情報(設置個所情報等)を管理サーバ10から取得し、この情報に基づいて、自動販売機40の設置個所等の各種情報を表示するためのページをユーザ端末の情報表示領域22aに表示させるよう構成されている。また、商品購入アプリケーションは、マイページ表示タブ22fが選択された際に、各ユーザに関するユーザ情報を管理サーバ10から取得し、この情報に基づいて、マイページを表示するよう構成されている。このマイページは、例えば、保有しているポイント等の情報、定期購入中の商品に関する情報、贈呈した贈呈商品の履歴情報、購入した商品の履歴情報及び返金対象商品等の各種情報を確認可能に構成されると共に、会員サービスやSNS等との連携やクレジットカードの情報登録等に関する各種設定を行うことが可能に構成されている。
【0040】
受贈者端末30は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型通信端末であって、上述の商品購入アプリケーションをインストール可能に構成されている。なお、受贈者端末30は、自動販売機40に対して受け取り権限を行使するためには該商品購入アプリケーションがインストールされている必要があるが、贈呈者端末20において贈呈対象に選択される段階においては該商品購入アプリケーションがインストールされている必要は無い。詳細については、後述の贈呈工程において詳述する。
【0041】
次に、本実施形態に係る商品贈呈システム1を用いた商品贈呈方法について、
図6~
図8を用いて説明する。本実施形態に係る商品贈呈方法は、概略的には、贈呈者が商品を購入する際に実行される商品購入工程(
図6参照)と、贈呈者から受贈者に対して商品の受け取り権限を移行する際に実行される贈呈工程(
図7参照)と、受贈者が自動販売機40から商品を受け取る際に実行される商品受け取り工程(
図8参照)とを備えている。
【0042】
[商品購入工程]
まず、贈呈者が商品を購入する際に実行される商品購入工程について、
図6を用いて説明する。贈呈者は、商品を購入するに際し、自らが所持する贈呈者端末20に記憶されている商品購入アプリケーションを起動する(S1)。また、商品購入アプリケーションの起動後、贈呈者端末20を介してログイン操作が実行され(S2)、管理サーバ10において種々の公知の方法で認証が実行される(S3)。この認証においてエラーが生じた場合には、管理サーバ10から贈呈者端末20に対してエラーメッセージを送信して再度のログイン操作を促す等の種々のエラー処理が実行される(S4´)。一方、認証に成功した場合には、管理サーバ10に格納された商品情報及び贈呈者のユーザ情報が贈呈者端末20に対して送信される(S4)。なお、2回目以降の起動時においては、上述したログイン操作及び認証処理を省略しても良い。
【0043】
これにより、贈呈者端末20は、管理サーバ10から受信した商品情報及び贈呈者のユーザ情報に基づき、商品購入アプリケーションの機能によって、上述した購入ページ等の各種ページを表示画面の情報表示領域22aに表示可能となる。そして、贈呈者端末20は、贈呈者の操作により、購入ページを介した購入商品の選択、購入種別の選択画面を介した購入種別の選択、購入個数の選択画面を介した購入個数の選択及び決済種別の選択画面を介した決済種別の選択をそれぞれ受け付け(S5~S8)、これら受け付けた情報を商品の購入情報として管理サーバ10に対して送信する(S9)。
【0044】
管理サーバ10は、贈呈者端末20から受信した商品の購入情報に基づき、決済種別に応じた外部の決済システム等に対して、決済が可能か否かの確認要求を送信する。そして、外部の決済システム等からの回答が決済不可である場合には、管理サーバ10から贈呈者端末20に対してエラーメッセージを送信して決済種別の再選択や登録を促す等の種々のエラー処理が実行される(S10,S11´)。一方、外部の決済システム等からの回答が決済可能である場合には、購入された商品を購入済商品リストに追加する処理を実行する(S10,S11)。以上の工程により、贈呈者の購入済商品リストに商品が追加されることで、贈呈者から受贈者への商品の贈呈(具体的には、商品の受け取り権限の移行)が可能となる。
【0045】
[贈呈工程]
次に、贈呈者から受贈者に対して商品の受け取り権限を移行する際に実行される贈呈工程について、
図7を用いて説明する。なお、贈呈工程は、商品購入工程のS1~S4と同様の工程によってログインした状態において実行される。贈呈者は、マイドリンク表示タブ22cを選択して贈呈者端末20の情報表示領域22aに購入済商品リストページを表示させると共に、購入済商品リストページに掲載の購入済商品の中から贈呈(プレゼント)したい商品を選び、その商品の贈呈処理実行選択ボタンを選択する。贈呈者端末20は、贈呈者による贈呈処理実行選択ボタンの選択を受け付けると、該贈呈処理実行選択ボタンに対応する商品を贈呈対象商品として特定し、該贈呈対象商品の商品情報を管理サーバ10に対して送信する(S20)。
【0046】
管理サーバ10は、贈呈者端末20から受信した贈呈対象商品の商品情報に基づき、記憶部18に格納されている購入済商品リストの在庫情報を更新する処理を実行すると共に(S21)、URL発行部14によって贈呈用URLを発行し、贈呈者端末20に対して送信する(S22)。
【0047】
贈呈者端末20は、管理サーバ10から取得した贈呈用URLと、テンプレートメッセージとに基づいて、贈呈用URLが含まれたメッセージ(
図5参照)を生成する(S23)。また、贈呈者端末20は、送信手段選択画面を表示画面上に表示し、該送信手段選択画面を介した贈呈者の操作により、メッセージの送信手段の選択を受け付ける(S24)。さらに、贈呈者端末20の表示画面が受贈者選択画面に遷移し、該受贈者選択画面を介した贈呈者の操作により、商品の送り先(受贈者)の選択を受け付ける(S25)。そして、贈呈者端末20は、選択されたメッセージの送信手段を介して、選択された受贈者の受贈者携帯端末30に対して、贈呈用URLが含まれたメッセージを送信する(S26)。
【0048】
受贈者携帯端末30は、贈呈者端末20からメッセージを受信すると、受贈者の操作により、該メッセージを表示画面上に表示する(S27)(
図5参照)。そして、受贈者携帯端末30は、受贈者の操作により該メッセージ中の贈呈用URLが選択されると(S28)、ウェブブラウザを起動して該贈呈用URLへ接続する(S29)。
【0049】
起動されたウェブブラウザは、受贈者携帯端末30に商品購入アプリケーションがインストールされているか否かを判定する(S30)。そして、この判定において商品購入アプリケーションがインストールされていないと判定した場合には、商品購入アプリケーションをインストール可能なインストール先URL(アプリのマーケット等)に転送する等のアプリインストール促進処理を実行する(S31´)。一方、商品購入アプリケーションがインストールされていると判定した場合には、商品購入アプリケーションを起動し(S31)、ログインがなされた受贈者携帯端末30の表示画面上に商品の贈呈がなされた旨の適宜の通知を表示する(図示せず)。また、受贈者携帯端末30は、管理サーバ10に対して受贈情報を送信する(S32)。
【0050】
そして、管理サーバ10は、受贈者携帯端末30から受信した受贈情報に基づいて、記憶部18に格納された受贈者の購入済商品リストに、贈呈された商品を追加する処理を実行する(S33)。これにより、贈呈者から受贈者への商品の贈呈(具体的には、商品の受け取り権限の移行)が完了し、受贈者が自動販売機40から商品を受け取ることが可能となる。また、管理サーバ10は、贈呈者端末20に対して、商品の贈呈が完了した旨の適宜の通知を行う(図示せず)。
【0051】
[商品受け取り工程]
次に、受贈者が自動販売機40から商品を受け取る際に実行される商品受け取り工程について、
図8を用いて説明する。まず、商品購入工程のS1~S4と同様の工程によって、受贈者携帯端末30において商品購入アプリケーションの起動(S40)及びログイン処理(S41)が実行され、管理サーバ10において認証処理が実行されると共に(S42)、認証完了後、管理サーバ10から受贈者携帯端末30に対して受贈者のユーザ情報が送信される(S43)。なお、2回目以降の起動時においては、上述したログイン操作及び認証処理を省略しても良い。
【0052】
受贈者携帯端末30は、コード表示タブ22dが選択された際に、先払いか後払いかを選択するための選択ボタンを情報表示領域22aに表示すると共に、該選択ボタンにより先払いか後払いかが選択された際に、管理サーバ10に対し、マトリックス型二次元コードの生成要求を出力する(S44)。管理サーバ10は、受贈者携帯端末30からマトリックス型二次元コードの生成要求を受信すると、商品受け取り用のマトリックス型二次元コードを生成し、受贈者携帯端末30に対して送信する(S45)。これにより、受贈者携帯端末30の情報表示領域22aに、商品受け取り用のマトリックス型二次元コードが表示される(S46)。
【0053】
受贈者は、商品を受け取りたい自動販売機40を任意に選択し、該自動販売機40の二次元コード読取部43に、受贈者携帯端末30の表示画面に表示されたマトリックス型二次元コードを掲げる。自動販売機40は、受贈者携帯端末30の表示画面に表示されたマトリックス型二次元コードを読み取り、読み取った該マトリックス型二次元コードを解析する(S47)。そして、自動販売機40は、該マトリックス型二次元コードに含まれている支払い方法の情報が先払い情報である場合には、読み取ったユーザIDを管理サーバ10に対して送信する(S48)。一方、該マトリックス型二次元コードに含まれている支払い方法の情報が後払い情報である場合には、内部にストックする商品の一覧を通常の方法により表示し、利用者が選択した商品を該利用者に対して提供すると共に、購入情報を管理サーバ10に対して送信し、商品受け取り処理を終了する(図示せず)。
【0054】
管理サーバ10は、自動販売機40から受信したユーザIDに基づき、受贈者が保有する購入済商品やその有効期限等の確認を実行し、商品の受け取り権限の有効性(商品を受け取り可能か否か)を判定する(S49)。そして、この有効性判定においてエラーが生じた場合には、管理サーバ10から自動販売機40に対してエラー情報を送信し(S50´)、自動販売機40のタッチパネル式ディスプレイ部41にエラーメッセージを表示する等の種々のエラー処理が実行される(S51´)。一方、この有効性判定において商品の受け取り権限が有効であると判定された場合には、管理サーバ10から自動販売機40に対して受贈者が保有する購入済商品の情報を含む商品の引き渡し許可が出力される(S50)。
【0055】
自動販売機40は、管理サーバ10から商品の引き渡し許可を受信すると、記憶部46に格納された商品の在庫情報を参酌し、受贈者が保有する購入済商品の引き渡しが可能か否かを判定する(S51)。そして、この判定において引き渡し可能と判定した購入済商品をタッチパネル式ディスプレイ部41に表示し(S52)、受贈者が購入済商品の受け取りを選択した場合には、該購入済商品を受贈者に対して引き渡す(S53)。一方、購入済商品の引き渡しが不能な場合(S51で「NG」の場合)、又は、受贈者が購入済商品以外の商品の受け取りを希望した場合(S52で「No」の場合)には、自動販売機40のタッチパネル式ディスプレイ部41にエラーメッセージを表示する等の種々のエラー処理が実行された上で(S52´)、商品受け取り処理を終了する。
【0056】
そして、受贈者に対する商品の引き渡しが完了すると、
図8に示すように、自動販売機40から管理サーバ10に対して、受贈者に対して引き渡された商品の情報を含む引き渡しの完了通知が送信され(S54)、管理者サーバ10から贈呈者端末20に対して引き渡しの完了通知が送信される。また、管理サーバ10は、自動販売機40から受信した引き渡し商品の情報に基づき、記憶部18に格納されている受贈者の購入済商品リストの在庫情報を更新する処理を実行する(S55)。なお、例えば、受贈者に対する商品の引渡し前(自動販売機40から商品が排出される前)に、受贈者が操作を完了させずに自動販売機40の所定範囲から離れたことを人感センサにより検知した場合には、取引を中止するようにしても良い。
【0057】
以上の工程により、任意の自動販売機40を介して、贈呈者から受贈者に対して商品の贈呈を行うことが可能となる。なお、上述した実施形態では、商品の受け取り権限を譲り受けた受贈者が自動販売機40から商品を受け取る態様を例に挙げて説明したが、本実施形態に係る商品贈呈システム1によれば、商品購入アプリケーションを介して購入した商品を自動販売機40にて自ら受け取ることも可能である。
【0058】
以上説明したように、本実施形態に係る商品贈呈システム1は、自動販売機40からの商品の受け取り権限を贈呈者から受贈者に対して移行することが可能な商品贈呈システム1であって、贈呈者が所持する贈呈者端末20と、受贈者が所持する受贈者携帯端末30と、贈呈者端末20から受贈者携帯端末30への受け取り権限の移行を管理する管理サーバ10と、受け取り権限の行使によって商品を引き渡すよう構成された自動販売機40とを備え、贈呈者端末20は、贈呈者端末20から受贈者携帯端末30への受け取り権限の移行を実行する機能が具備された商品購入アプリケーションがインストールされており、商品購入アプリケーションを介して、受け取り権限の移行要求を管理サーバ10に送信するよう構成されており、管理サーバ10は、商品購入アプリケーションがインストールされている受贈者携帯端末30に対してのみ、贈呈者端末20から移行要求を受けた受け取り権限を移行するよう構成されており、受贈者携帯端末30に商品購入アプリケーションがインストールされていない場合には、受贈者携帯端末30に対して商品購入アプリケーションのインストールを促すインストール促進処理が実行される。
【0059】
このような構成を備える商品贈呈システム1によれば、商品購入アプリケーションを介して商品の受け取り権限の移行を行うよう構成し、かつ、商品購入アプリケーションがインストールされていない受贈者携帯端末30に対してインストールを促す処理を実行するよう構成したことにより、贈呈者の贈呈者端末20だけではなく、受贈者の受贈者携帯端末30にも商品購入アプリケーションをインストールさせることが可能となる。また、これにより、商品購入アプリケーションがインストールされた贈呈者端末20によって商品が贈呈され、この商品を受贈した受贈者の受贈者携帯端末30においても商品購入アプリケーションがインストールされ、さらに該受贈者が贈呈者となって他の受贈者に対して商品を贈呈するというサイクルが形成され、このサイクルによって、商品贈呈システム1を利用した商品贈呈サービスにおける利用者の連鎖的な増加を図ることが可能となる。
【0060】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0061】
上述した実施形態では、マトリックス型二次元コードにはユーザID等の情報及び先払いか後払いかを識別する情報のみが含まれ、自動販売機40において受け取り可能な任意の商品を選択する態様を例に挙げて説明したが、これに限定されず、マトリックス型二次元コードに受け取り対象商品の商品情報が含まれ、自動販売機40において、受け取り対象商品を受ける態様(すなわち、事前に受け取り対象商品が暫定的に定まっている態様)としても良い。
【0062】
例えば、上述した実施形態では、受贈者携帯端末30の表示画面上に表示されたマトリックス型二次元コードを自動販売機40に読み込ませることで、自動販売機40から商品を受け取る態様を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、事前に、電子マネー媒体(ICチップ内蔵のICカードや携帯端末等)のID情報と購入済商品とを紐付けて管理サーバ10の記憶部18に格納しておき、自動販売機40において、電子マネー媒体からID情報を読み取って管理サーバ10に対して送信し、管理サーバ10において、該ID情報から購入済商品(受け取り可能商品)を特定すると共に、該商品の情報を自動販売機40に対して送信し、自動販売機40において、受け取り可能な商品の一覧を表示して選択を受け付けるという態様とすることも可能である。
【0063】
上述した実施形態では、一人の贈呈者が一人の受贈者に対して商品の受け取り権限を贈呈する態様を例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、一人の贈呈者が複数の受贈者に対して商品の受け取り権限を贈呈するグループシェアの態様としても良い。
【0064】
上述した実施形態では、購入済商品の引き渡しが不能な場合又は受贈者が購入済商品以外の商品の受け取りを希望した場合には、商品受け取り処理が終了されるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、購入済商品の値段以下の値段の代替商品を受け渡すようにしても良い。具体的には、例えば、自動販売機40が、購入済商品の値段以下の値段の代替商品を引き渡し可能に構成され、管理サーバ10が、購入済商品と代替商品との差額を贈呈者に対して返還する処理を実行可能に構成されるとしても良い。この差額を返還する処理としては、例えば、ポイントによる返還、他の商品の購入代金への充当による返還、金券での返還及び差額の銀行振り込みによる返還等の種々の方法を任意に採用することが可能である。
【0065】
上述した実施形態では、商品の購入時における決済可否の判定を外部の決済システム等において実行するものとして説明したが、これに限定されず、管理サーバ10において判定可能な場合には、管理サーバ10において決済可否の判定が実行されても良い。
【0066】
上述した実施形態では、受贈者携帯端末30のウェブブラウザにて商品購入アプリケーションのインストール判定が実行されるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、贈呈用URLの選択により管理サーバ10が管理するウェブページに接続され、該ウェブページにてインストール判定が実行される構成等の種々の構成を採用することが可能である。
【0067】
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0068】
1 商品贈呈システム、10 管理サーバ、20 贈呈者端末、30 受贈者携帯端末、40 自動販売機、NW 通信回線