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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】ペプトイド親和性リガンド
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/06 20060101AFI20220218BHJP
   C07K 1/22 20060101ALI20220218BHJP
   C07K 17/00 20060101ALI20220218BHJP
   B01J 20/281 20060101ALI20220218BHJP
   B01J 20/286 20060101ALI20220218BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20220218BHJP
【FI】
C07K7/06
C07K1/22
C07K17/00
B01J20/281 R
B01J20/286
C07K16/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018567016
(86)(22)【出願日】2017-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 US2017021660
(87)【国際公開番号】W WO2017156324
(87)【国際公開日】2017-09-14
【審査請求日】2019-11-06
(31)【優先権主張番号】62/305,831
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/305,835
(32)【優先日】2016-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518322403
【氏名又は名称】マイク-アン、エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MIKE-ANN,LLC
【住所又は居所原語表記】2137-A, Suite B,Quail Run Drive,Baton Rouge,Louisiana 70808,USA
(74)【代理人】
【識別番号】100110249
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 昭
(74)【代理人】
【識別番号】100113022
【弁理士】
【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジェイ マーフィー
(72)【発明者】
【氏名】ティー ボーデロン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル クラパンザノ
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-515739(JP,A)
【文献】国際公開第2013/043669(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/179714(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/194073(WO,A1)
【文献】Cell,2011年,Vol.144,pp.132-142
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2005年,Vol.48, No.13,pp.4224-4230
【文献】Journal of the American Chemical Society,2005年,Vol.127,pp.8254-8255
【文献】Tetrahedron Letters,2012年,Vol.53,pp.2341-2344
【文献】ACS Combinatorial Science,2015年,Vol.17,pp.152-155
【文献】Molecular Biosystems,2006年,Vol.2,pp.568-579
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00-19/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる群から選択されるペプトイド親和性リガンドであって、該ペプトイド親和性リガンドが、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に対する結合親和性を有する、親和性リガンド。
【化9】
【化12】
【化15】
【化16】
【請求項2】
前記ペプトイド親和性リガンドが、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に対して、0.05x10-6~50x10-6モルの平衡解離定数(K)を有する、請求項1に記載のペプトイド親和性リガンド。
【請求項3】
前記ペプトイド親和性リガンドが、結合し、つづいてpH3~7において、結合した免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質を放出する、請求項1に記載のペプトイド親和性リガンド。
【請求項4】
免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質がIgMを含む、請求項1に記載のペプトイド親和性リガンド。
【請求項5】
前記ペプトイド親和性リガンドが、IgMに対して0.05×10-6~50×10-6モルの平衡解離定数(K)を有する、請求項に記載のペプトイド親和性リガンド。
【請求項6】
前記免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質が哺乳動物、鳥類又は軟骨魚類由来である、請求項1に記載のペプトイド親和性リガンド。
【請求項7】
請求項1に記載のペプトイド親和性リガンドが固体支持体に結合した結合体であって、該固体支持体が粒子、無機材料、有機ポリマー材料、又は膜繊維を含む、結合体
【請求項8】
前記ペプトイド親和性リガンドが、アミノ結合によって前記固体支持体に結合している、請求項7に記載の結合体



【請求項9】
前記ペプトイド親和性リガンドが、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に対して、チオール結合を有するペプトイド親和性リガンドよりも少なくとも10%優れた結合親和性を有する、請求項1に記載のペプトイド親和性リガンド。
【請求項10】
前記ペプトイド親和性リガンドが複数の精製サイクルに適していて、前記ペプトイド親和性リガンドが、免疫グロブリンに結合するタンパク質ベースのリガンドよりも50%以上タンパク質分解に耐性である、請求項1に記載のペプトイド親和性リガンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2016年3月9日に出願された米国仮特許出願第62/305,831号及び2016年3月9日に出願された米国仮特許出願第62/305,835号の優先権及びその利益を主張し、その全体が参照されて本明細書に組み込まれる。
本明細書中に開示されるのは、ペプトイド親和性リガンドを含むペプトイドとその関連連化合物である。また、ペプトイド親和性リガンドを製造する方法及びこれを用いて、免疫グロブリン及びその関連化合物に結合させ、これを精製し、及び/又はこれを単離するための方法も開示される。
【背景技術】
【0002】
モノクローナル抗体及びFc融合タンパク質は、癌、自己免疫疾患、免疫不全、皮膚障害及び神経学的障害などの多くの未解決の疾患の治療のための治療用タンパク質の重要なクラスとして浮上している。これらの製品は、2011年に、医薬品市場全体の40%を占めており、350億ドルになっている。
しかし、抗体に基づいた治療は、患者にとって非常に高価である。この高価であることは、部分的には、これらの生体分子を単離及び精製することが高コストであることによるものである。この高い精製コストは、主に、プロテインA又はプロテインGアフィニティークロマトグラフィー捕捉工程のユビキタスな使用に起因する。これらのタンパク質リガンドは、IgGに対する高い選択性にもかかわらず、高いコストと低い化学的及び生化学的安定性に悩まされている。プロテインA/Gベースのクロマトグラフ媒体の平均コストは、樹脂1リットル当たり約8,000~約15,000ドルの範囲である。さらに、タンパク質リガンドは、不純物を除去するために日常的に適用され、規制ガイドラインによって要求される、アルカリ(0.1~1.0M NaOH)を用いた洗浄及び衛生化操作に対して一般的に耐薬品性が低い。さらに、これらは、供給流中に存在する酵素によってタンパク質分解されがちである。化学薬剤と酵素薬剤のいずれも、リガンド分解及び樹脂からのリガンド断片の漏出を引き起こす可能性があり、その結果、これらは、それぞれ、カラムの短寿命化と、生成物の主流中に毒性及び免疫原性浸出液の存在をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、抗体に対する高い親和性及び選択性を有しながら、安価で堅牢なリガンドが必要とされている。抗体、Fc融合体及び関連する治療用タンパク質を効果的に単離及び精製することができる改良されたリガンドは、免疫療法の費用対効果をより高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明において、ペプトイドとして一般に特徴付けられている親和性リガンドが提供される。ペプトイドは、親和性精製用途に理想的な特性を有している。
第1に、いくつかの実施形態において、ペプトイド上の官能基の表示は、ペプチドのものに似ており、このことはペプトイドが、ペプチドリガンドのレベルに匹敵するレベルの親和性及び選択性で設計又は選択することができることを意味している。さらに、ペプトイドは、一級アミンを用いる、いわゆる「サブモノマー」合成プロトコルにより、天然アミノ酸を含むタンパク質リガンドやペプチドに可能な化学的多様性よりもはるかに広い化学的多様性を探索することができる。本発明においては、特異性及び親和性のより高い目標を達成するために、ペプトイドの組成を微調整する能力の理解が示される。最後に、ペプトイドはタンパク質分解に対して完全に耐性であり、したがって、全血漿及び細胞培養物、植物及び他の生物のその画分又は溶解物のような。活性酵素を含有する流体から抗体を精製するのに有利である。したがって、ペプトイドは、プロテインAの経済的な代替品である。これらのリガンドは、バイオ医薬品の精製の他、診断やプロセス制御などの分野でのさらなる用途を見つけることができる。
【0005】
したがって、本発明の第1の態様は、IgG等の抗体、及び/又は抗体のFc断片、及び/又はFc融合タンパク質に特異的に結合するペプトイドリガンドである。このようなペプトイドリガンドの長さは、いくつかの実施態様において、3~9残基又はモノマーである。このようなペプトイドリガンドは、任意にしかしいくつかの実施態様において好ましくは、固体支持体に結合される。
【0006】
したがって、ペプトイド骨格を形成する連続して結合したペプトイド残基からなり、該ペプトイド骨格のペプトイド残基の窒素原子に1又はそれ以上の官能基が付加された、ペプトイド化合物を含有するペプトイド親和性リガンドであって、該1又はそれ以上の官能基が、任意の順序であるが、該ペプトイド骨格上の連続したペプトイド残基に結合し、少なくとも2個の芳香族官能基と塩基性又は酸性の官能基のいずれかとを含み、(i)塩基性残基、(ii)芳香族残基、及び(iii)塩基性残基又は親水性残基の官能基を有する3個のペプトイド残基の連続部分を含むペプトイド親和性リガンドはそれらから除外されることを条件とする、ペプトイド親和性リガンドが提供される。
【0007】
また、ペプトイド骨格を形成する連続して結合したペプトイド残基からなり、該ペプトイド骨格のペプトイド残基の窒素原子に1又はそれ以上の官能基が付加された、ペプトイド化合物を含有するペプトイド親和性リガンドであって、該1又はそれ以上の官能基が、少なくとも2個の芳香族官能基と少なくとも1個の塩基性又は酸性官能基とを含み、該ペプトイド骨格のN末端からC末端へ、(i)塩基性残基、(ii)芳香族残基、及び(iii)塩基性残基又は親水性残基の官能基を有する3個のペプトイド残基の連続部分を含むペプトイド親和性リガンドはそれらから除外されることを条件とするペプトイド親和性リガンドが提供される。
【0008】
また、本発明のペプトイド化合物は、ペプトイド骨格のN末端からC末端へ、及びN末端位置に、(i)塩基性残基、(ii)芳香族残基、及び(iii)塩基性残基又は親水性残基の官能基を有する3個のペプトイド残基の連続部分を含むペプトイド親和性リガンドはそれらから除外されることを条件とすることができる。
【0009】
このペプトイド親和性リガンドは、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に特異的に結合し、該免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質がIgG、IgA、IgE、IgD、IgM又はIgYのうちの1又はそれ以上である。
【0010】
本発明のさらなる態様は、抗体若しくは抗体のFc断片又はFc融合タンパク質を含有する液体組成物から、抗体若しくは抗体のFc断片又はFc融合タンパク質に結合するための方法であって、(a)ここに開示されたこれらに結合するペプトイドリガンドを含む固体支持体を提供する段階、(b)抗体又はFc断片が、この化合物に結合するように、この組成物をこの固体支持体に接触させる段階、及び(c)この抗体又はFc断片がこの固体支持体に結合しているこの液体組成物を、この固体支持体から分離する段階、を含む方法である。また、この方法は、(d)結合した抗体及び/又は免疫グロブリンを、化合物/固体支持体から溶出又は分離する段階を含むことができる。
【0011】
本発明の上記の及び他の目的及び態様は、以下の明細書において詳細に説明される。
上記の本発明の実施態様、及び本明細書中に開示された発明によって全体的又は部分的に達成される本発明の実施形態は、以下に最もよく説明されている実施例を参照して説明が進むにつれて、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、以下の図を参照することにより、よりよく理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、ここに開示されている本発明の原理(しばしば概略的に)を例証することに重点を置いている。これらの図面において、同様の参照符号は、異なる図を通して対応する部分を示す。ここに開示された本発明は、添付図面に示された実施形態を参照することによってさらに理解することができる。図示された実施形態は、本明細書に開示された本発明を実施するためのシステムの単なる例示に過ぎないが、本明細書に開示された本発明の構成と操作方法の両方は、図面及び以下の説明を参照することよって、一般的に、その更なる目的と利点と共に、より容易に理解されるであろう。これらの図面は、特許請求の範囲に詳細に特に記載されている、本明細書に開示された本発明の範囲を限定することを意図したものではなく、単に本発明を明確に例示するものである。
【0013】
ここで開示される本発明のより完全な理解のために、以下の図面を参照されたい。
図1】クロマトグラフィー支持体上のペプトイド第一級アミンをグアニジニル基へ変換することの概略図である。
図2】リン酸緩衝生理食塩水(PBS)の溶液に溶解したポリクローナルヒトIgGが、表面に結合したペプトイドリガンドを有するクロマトグラフィー樹脂に結合する、吸着等温線である。
図3】ペプトイド親和性樹脂を用いた正常ウサギ血清から精製したウサギ抗体のpH4.0溶出物のクマシー染色されたポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)図である。
図4AB】IgAに対する本発明のペプトイドの結合親和性と収率を示す図である。図4Aは、SDS-PAGE分析画像であり、図4Bは、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)による精製されたIgAの収率のヒストグラムである(明るい灰色の棒はフロースルーを示し、黒色の棒は溶出を示す。)。
図5AB】IgMに対する本発明のペプトイドの結合親和性と収率を示す図である。図5Aは、SDS-PAGE分析画像であり、図5Bは、ELISAによる精製されたIgMの収率のヒストグラムである(中抜き棒はフロースルーを示し、黒塗り棒は溶出を示す。)。
図6AB】IgYに対する本発明のペプトイドの結合親和性と収率を示す図である。図5Aは、SDS-PAGE分析画像であり、図5Bは、ELISAによる精製されたIgYの収率のヒストグラムである(中抜き棒はフロースルーを示し、黒塗り棒は溶出を示す。)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明はより完全に記載される。そこでは、本発明のいくつかしかし全てではない実施形態が記載される。実際、本発明は、多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。そうではなく、これらの実施形態は、本発明が適用可能な法的要件を満たすように提供されたものである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、別途定義されない限り、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有することが意図される。本明細書で採用される技術への言及は、当技術分野で一般に理解されている技術を指すものであり、当業者に明らかなこれらの技術の変形又は同等技術の置換を含む、以下の用語は、当業者によって十分に理解されると考えられるが、本明細書に開示される本発明の説明を容易にするために、以下の定義が示される。
本発明を説明する際に、多くの技術及び段階が開示されることが理解されるであろう。これら技術や段階の各々は個々の利益を有し、各技術や段階は他の開示された技術の1又はそれ以上又は場合によってはそれら全てと共に使用することもできる。
したがって、明瞭化のために、以下の説明は、個々の段階の可能な組み合わせを不要な方法ですべて繰り返すことをしない。それにもかかわらず、本明細書と特許請求の範囲は、このような組み合わせが完全に本発明の範囲及び特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
【0015】
長年にわたる特許法の慣習に従い、「一個の(a, an)」及び「その(the)」という用語は、特許請求の範囲を含む本特許出願で使用される場合、「1又はそれ以上」という意味である。したがって、例えば、「一個のツール(a tool)」への言及は、複数のツール(tools)を含み、その他も同様である。
他に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分の量や反応条件などを表す全ての数字は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、反対の意味であると示されない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られることが求められる所望の特性によって変化し得る近似値である。
【0016】
本明細書中で使用される場合、「約」という用語が値、又は組成物、質量、重量、温度、時間、容量、濃度、百分率などの量を指す場合は、特定された量の、いくつかの実施態様において±20%、いくつかの実施態様において±10%、いくつかの実施態様において±5%、いくつかの実施態様において±1%、いくつかの実施態様において±0.5%、いくつかの実施態様において±0.1%であり、このような変動は、開示された方法を実行するために、又は開示された組成物を採用するために適切である。
【0017】
「を含む(including)」、「を含有する」、又は「によって特徴付けられる」と同義である「から成る(comprising)」は、包括的又は無制限であり、引用されない追加の要素又は方法ステップを除外しない。「から成る」は、特許請求の言語で使用される専門用語であり、名前を挙げた要素が存在するが、他の要素が追加されてもよく、依然として特許請求の範囲内の構築物又は方法を形成することを意味する。
本明細書で使用される場合、「のみから成る(consisting of)」という語句は、特許請求の範囲内に明記されないいかなる要素、ステップ、又は成分も除外する。「のみから成る」という語句が、前文の直後ではなく、特許請求の範囲の本文の条項に出現する場合、それは、その条項内に説明される要素のみを限定し、他の要素は特許請求の範囲全体からは除外されない。
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という語句は、特許請求の範囲を、明記される材料又はステップ、ならびに主張される主題の基本的及び新規の特徴(複数可)に実質的な影響を与えないものに限定する。
「から成る」、「のみから成る」、及び「から本質的になる」という用語に関して、これら3個の用語のうちの1つが本明細書で使用される場合、本開示の主張される主題は、その他の2個の用語のいずれかの使用を含み得る。
【0018】
本明細書で使用される場合、実体を列挙する文脈で使用される時、「及び/又は」は、単独又は組み合わせで存在する実体を指す。したがって、例えば、「A、B、C、及び/又はD」という語句は、A、B、C、及びDを個々に含むが、また、A、B、C、及びDの任意ならびに全ての組み合わせ及び部分組み合わせも含む。
【0019】
本明細書で使用する「ペプトイド」は、1又はそれ以上の官能基及び/又は機能的残基を有するポリ-N置換グリシンを指す。本明細書に開示されるペプトイド及びペプトイド化合物は、ペプトイド骨格を形成する連続して結合したペプトイド残基から成ってもよく、アルファ炭素原子(C)ではなく、ペプトイド骨格のペプトイド残基の窒素原子(N)に付加される1又はそれ以上の官能基を有する。本明細書に開示するように、用語「ペプトイド」、「ペプトイド化合物」及び/又は「ペプトイド親和性リガンド」は、交換可能に使用されることができる。
【0020】
本明細書で使用される「官能基」又は「官能性残基」は、水素原子、線状及び環状のアルキル、アルケニル及びアルキニルを含むがこれらに限定されない任意の適切な基又は置換基であってもよく、これらは、アルコキシ、ハロ、メルカプト、アジド、シアノ、ホルミル、カルボキシル、ヒドロキシル、ニトロ、アシル、アリールオキシ、アルキルチオ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアルキルアミノ、置換アミノ、 アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、チオエステル、カルボン酸チオエステル、エーテル、アミド、アミジノ、スルフェート、スルホキシル、スルホニル、スルホニル、スルホン酸、スルホンアミド、尿素、アルコキシルアシルアミノ、アミノアシルオキシ、グアニジノ、アルデヒド、ケト、イミン、ニトリル、ホスフェート、チオール、エポキシド、過酸化物、チオシアネート、アミジン、オキシム、ニトリル、ジアゾなどの基で置換され、及び/又は機能化されてもよい。これらは、これらの基の組み合わせ(例えば、アルキル化された基)を含み、以下でさらに議論される。
本明細書において単独で使用される、又は別の基の一部として使用される「複素環式」は、その環の構成部分として少なくとも2個の異なる元素の原子を有する環状化合物を指す。
【0021】
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「アルキル」は、1又は2から10又は20個又はそれ以上の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖又は環状の飽和又は不飽和の炭化水素を指す。アルキルの代表例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「低級アルキル」は、アルキルのサブセットであり、いくつかの好ましい実施形態では、1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖の炭化水素基を指す。低級アルキルの代表例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。用語「アルキル」又は「低級アルキル」は、特に明記しない限り、置換及び非置換アルキル又は低級アルキルの両方を含むことが意図され、これらの基は、ハロ(例えば、ハロアルキル)、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ(それによってポリエチレングリコールのようなポリアルコキシを生成する。)、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロシクロオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、メルカプト、アルキル-S(O)m、ハロアルキル-S(O)m、アルケニル-S(O)m、アルキニル-S(O)m、シクロアルキル-S(O)m、シクロアルキルアルキル-S(O)m、アリール-S(O)m、アリールアルキル-S(O)m、ヘテロシクロ-S(O)m、ヘテロシクロアルキル-S(O)m、アミノ、カルボキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ハロアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、二置換アミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、尿素、アルコキシアシルアミノ、アミノアシルオキシ、ニトロ又はシアノ(上記式中m = 0,1,2又は3である。)から選択される基で置換されていてもよい。アルキルは、飽和又は不飽和であってもよいので、アルキル置換基が1又はそれ以上の不飽和結合を含む場合、本明細書で使用する用語「アルキル」は、アルケニル及びアルキニルを含む(例えば、例えば、1又は2の二重結合又は三重結合を含む。)。このアルキル基は、任意に、1又はそれ以上のヘテロ原子(例えば、O、S及びNR 'から独立して選択される1、2又は3以上のヘテロ原子であり、このR'は、アルキル置換基に関して上記に記載したような任意の適切な置換基である。)を含有して、以下に具体的に記載するような直鎖状のヘテロアルキル基又はヘテロ環基を形成してもよい。
【0022】
本明細書で使用される「アルケニル」は、その中の2個の炭素原子の間に少なくとも1個の二重結合を含む上記のようなアルキル基を指す。
本明細書で使用される「アルキニル」は、その中の2個の炭素原子の間に少なくとも1個の三重結合を含む上記のようなアルキル基を指す。
本明細書で使用される「アルキレン」は、1個の末端水素が除去されて2価の置換基が形成された上記のようなアルキル基を指す。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「芳香族」は、その環を形成する結合の相互作用によって安定化された平面状の不飽和原子環を含む基を指す。このような化合物は、場合によっては、ベンゼン及びその誘導体に代表されることがある。芳香族の官能基又は他の置換基を、アリール基と呼ぶこともできる。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「ヘテロ芳香族」は、その環に少なくとも1個の非炭素原子を有し、芳香族化合物又はアリール基の特性を有するものをいう。
【0023】
本明細書で単独又は別の基の一部として使用される「複素環基」又は「ヘテロシクロ」は、脂肪族(例えば、完全は又は部分飽和のヘテロシクロ)又は芳香族(例えば、ヘテロアリール)の単環系又は二環系をいう。単環系は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から独立して選択される1,2,3又は4個のヘテロ原子を含む任意の5又は6員環によって例示される。この5員環は0~2個の二重結合を有し、この6員環は0~3個の二重結合を有する。この単環系の代表的な例として、アゼチジン、アゼピン、アジリジン、ジアゼピン、1,3-ジオキソラン、ジオキサン、ジチアン、フラン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソキサゾール、イソキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、オキサジアゾール、オキサジアゾリン、オキサジアゾール、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、テトラジン、テトラゾール、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、チアゾール、アゾリン、チアゾリジン、チオフェン、チオモルホリン、チオモルホリンスルホン、チオピラン、トリアジン、トリアゾール、トリチアン、等が挙げられるが、これらに限定されない。この二環系は、上記の単環系が、本明細書で定義されるアリール基、本明細書で定義されるシクロアルキル基、又は本明細書で定義される別の単環系に融合したもので例示される。二環系の代表例としては、例えば、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチオピラン、ベンゾジオキシン、1,3-ベンゾジオキソール、シンノリン、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、ナフチリジン、イソベンゾフラン、イソベンゾチオフェン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、フタラジン、プリン、ピラノピリジン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、キナゾリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、チオピラノピリジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらの環には、その四級化誘導体が含まれ、任意に、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルコキシ、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルキルオキシ、アリールオキシ、アリールアルキルオキシ、ヘテロシクロアルコキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、メルカプト、アルキル-S(O)m、ハロアルキル-S(O)m、アルケニル-S(O)m、アルキニル-S(O)m、シクロアルキル-S(O)m、シクロアルキルアルキル-S(O)m、アリール-S(O)m、アリールアルキル-S(O)m、ヘテロシクロ-S(O)m、ヘテロシクロアルキル-S(O)m、アミノ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ハロアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、アリールアミノ、アリールアルキルアミノ、ヘテロシクロアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、二置換アミノ、アシルアミノ、アシルオキシ、エステル、アミド、スルホンアミド、尿素、アルコキシアシルアミノ、アミノアシルオキシ、ニトロ又はシアノ(上記式中m = 0,1,2又は3である。)から選択される基で置換されていてもよい。
【0024】
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アリール」は、単環の炭素環系又は1若しくはそれ以上の芳香族環を有する二環の炭素縮合環系をいう。アリールの代表例には、アズレニル、インダニル、インデニル、ナフチル、フェニル、テトラヒドロナフチルなどが含まれる。用語「アリール」は、他に示されない限り、置換及び非置換の両方のアリールを含むことが意図され、これらの基は、上記のアルキル及び低級アルキルに関連して説明したのと同じ基で置換されてもよい。
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「アリールアルキル」は、本明細書で定義されるアルキル基を介して親分子部分に結合した、本明細書で定義されるアリール基を指す。
アリールアルキルの代表例には、ベンジル、2-フェニルエチル、3-フェニルプロピル、2-ナフト-2-イルエチルなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ヘテロアリール」は、上記のヘテロシクロに関連して記載された通りである。
【0025】
本明細書で単独で又は別の基の一部として使用される「アルコキシ」は、オキシ基(-O-)を介して親分子部分に結合した、上記で定義のアルキル基又は低級アルキル基(したがってポリアルコキシのような置換変形をも含む。)を指す。アルコキシの代表例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ハロ」は、-F、-Cl、-Br及びIを含む任意の適切なハロゲン原子を指す。
本明細書中で単独で又は別の基の一部として使用される「アシル」は、-C(O)R基(式中、Rはアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル又は本明細書に記載の他の適切な置換基などの任意の適切な置換基を表す。)を指す。
【0026】
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アルキルチオ」は、本明細書で定義されるチオ部分を介して親分子部分に付加された本明細書で定義のアルキル基を指す。アルキルチオの代表例としては、メチルチオ、エチルチオ、tert-ブチルチオ、ヘキシルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アルキルアミノ」は、-NHR(式中、Rはアルキル基を表す。)で表される基を意味する。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アリールアルキルアミノ」は、-NHR(式中、Rはアリールアルキル基を表す。)で表される基を意味する。
本明細書中で単独又は別の基の一部として使用される「二置換アミノ」は、-NRaRb(式中、Ra及びRbは、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される基を表す。)で表される基を意味する。
【0027】
本明細書中で単独で又は別の基の一部として使用される「アシルアミノ」は、-NRaRb(式中、Raは、本明細書で定義されるアシル基を表し、Rbは、水素原子、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロシクロアルキルから成る群から選択される基を表す。)で表される基を意味する。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アシルオキシ」は、-OR(式中、Rは本明細書で定義されるアシル基を表す。)で表される基を意味する。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「エステル」は、-C(O)OR(式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールのような任意の適切な置換基を表す。)で表される基を意味する。
本明細書中で単独で又は別の基の一部として使用される「アミド」は、-C(O)NRaRb又はN(Ra)C(O)Rb(式中、Ra及びRbは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールのような任意の適切な置換基を表す。)で表される基を意味する。
【0028】
本明細書で使用される「スルホキシル」は、-S(O)R(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基を表す。)で表される化合物を指す。
本明細書で使用される「スルホニル」は、-S(O)(O)R(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基を表す。)で表される化合物を指す。
本明細書で使用される「スルホネート」は、-S(O)(O)OR(式中、Rはアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基を表す。)で表される化合物を指す。
本明細書で使用される「スルホン酸」は、-S(O)(O)OHで表される化合物を指す。
【0029】
本明細書中で単独又は別の基の一部として使用される「スルホンアミド」は、-S(O)2NRaRb(式中、Ra及びRbは、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基を表す。)で表される基を指す。
本明細書中で単独で又は別の基の一部として使用される「尿素」は、-N(Rc)C(O)NRaRb(式中、Ra、Rb及びRcは、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基を表す。)で表される基を指す。
本明細書中で単独又は別の基の一部として使用される「アルコキシアシルアミノ」は、-N(Ra)C(O)ORb(式中、Ra及びRbは、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基を表す。)で表される基を指す。
本明細書において単独で又は別の基の一部として使用される「アミノアシルオキシ」は、-OC(O)NRaRb(式中、Ra及びRbは、水素原子、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールなどの任意の適切な置換基を表す。)で表される基を指す。
【0030】
本明細書で使用する「固体支持体」は、有機材料(例えば、有機ポリマー)、金属(例えば、チタン)、無機材料(例えば、シリカ)及びそれらの複合体を含む任意の適切な材料から成ってもよい。この固体支持体は、膜ファイバーやフィルム(例えば、再生セルロース)、マイクロタイタープレートウェル等の容器(例えば、床及び/又はその壁)、クロマトグラフィーカラムパッキング等の粒子(例えば、天然又は合成のポリマー、ガラス又はシリカなどの無機材料又はそれらの複合体から形成された樹脂又はビーズなど)を含む、任意の適切な形状又はフォームであってもよい。
本明細書で使用される「結合基」は、親分子又は介在するリンカー基(例えば、アルキル、アリール、アリールアルキル、又はアルキルアリールアルキル基などの脂肪族、芳香族、又は脂肪族/芳香族混合基である。)によって直接的に示される、アルケン、アルキン、アルコール、チオール、セレニル、ホスホノ、カルボン酸、ホルミル、ハロゲン化物又はアミン基などの、任意の適切な反応基であってもよい。
【0031】
ここで、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片及び/又はその免疫グロブリン融合タンパク質に特異的に結合するように構成されたペプトイド親和性リガンドが開示される。本発明のペプトイドは、いくつかの実施形態において、限定ではなく一例として、天然及び組換えの両方の(キメラを含む)抗体、操作されたマルチボディ、単一ドメイン抗体、及びそれらの組み合わせ(例えば、二価抗体及びラクダ科免疫グロブリン)、及びモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方、又はFc融合タンパク質を含む、任意のタイプの抗体又は抗体断片(例えば、Fc断片、Fab断片及びscFV断片)に結合し、これらを回収し、これらを精製し、これらを固体表面上に固定化するなどのために使用することができる。この抗体は、哺乳類(ウサギ、マウス、ラット、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、ラクダ、アルパカなど)、鳥類(例えば、ニワトリ、アヒル、七面鳥など)、軟骨魚類(サメIgNARなど)などを含む、任意の起源の種の又は任意の被験体由来のものであってもよく、上記のように、これらの断片、キメラ 及びそれらの組み合わせを含む。
【0032】
本明細書で使用される「被験体」という用語は、任意の無脊椎動物又は脊椎動物種のメンバーを指す。従って、「被験体」という用語は、脊索動物門(例えば、クラスオシチチアエス(骨魚)、両生類(両生類)、爬虫類(爬虫類)、アヴェス(鳥類)、哺乳動物(哺乳動物)綱のメンバー)、及びこれらに包含される全ての目と科を含む、動物界の全てのメンバーをその範囲とする。限定ではなく一例として、このような「被験体」には、ヒト及び他の霊長類が含まれ、同様に、絶滅の危機に瀕している重要な哺乳類(シベリアトラなど)、経済的に重要な哺乳類(ヒトが消費するために農場で飼育された動物及び/又はヒトにとって社会的に重要な哺乳類(ペットや動物園の動物)が含まれ、例えば、ヒト以外の肉食動物(ネコやイヌなど)、豚(ブタ、イノシシなど)、反芻動物(ウシ、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソン、ラクダなど)、げっ歯類(例えば、マウス、ラット及びウサギ)、有袋類、馬が含まれる。このような被験体は、また、鳥類も含み、これには絶滅の恐れがあり、動物園に飼われている鳥類、さらには家禽類、例えば、七面鳥、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、モルモットなどの肉食用の鳥が含まれる。これらは人間にとって経済的にも重要である。
【0033】
この抗体は、任意のタイプの免疫グロブリンであってもよく、IgG、IgA、IgE、IgD、IgM、IgY(鳥類)などが含まれる。また、この抗体は、任意のアイソタイプ、例えば、IgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4など、又は他のサブクラス、ならびに任意の他の種、例えば、ラット、マウス、ヤギ、ラマ、などのものも含む。
いくつかの実施態様において、この抗体又はFc断片(その融合タンパク質を含む)は、血液又は血液画分(例えば、血液血清、血漿)、卵黄及び/又はアルブミン、組織又は細胞増殖培地 、組織溶解物又はホモジネートなどの生体液中に保持される。
【0034】
本発明のペプトイド親和性リガンド又はペプトイドは、いくつかの態様において、以下の式I~V(化1~5)の化合物を含むことができる:
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
及び
【化5】
【0035】
式中:
Rは、結合部分(例えば、Rは-OH、-NH2、-NHR''、-OR''、-OOR''などであり、R''はアルキルなどを表す。)又はZ-R'を表す。式中、Zは結合基を表し、R'は固体支持体を表す。
例えば、Zは、-NH-、-O-NH-、-O-R''-S-、-NH-R''-S-、O-NH-R''-S-、-O-R''-SS-、-NH-R''-SS-、-O-NH-R''-S-S-、エーテル(-O-)、チオエーテル(-S-)、チオエステル、カーバメート、カーボネート、アミド、エステル、二級/三級アミン(例えば、還元的アミノ化カップリング反応によって得られる。)、アルキル(例えば、メタセシスカップリング反応によって得られる。)、アルケニル、ホスホジエステル、ホスホエーテル、オキシム、イミン、ヒドラゾン、アセタール、ヘミアセタール、セミカルバゾン、ケトン、ケテン、アミナール、ヘミアミナール、エナミン、エノール、ジスルフィド、スルホン、システアミン、システイン、リシン、2-アジドグリシン、2-アルキニルグリシン等である。
R1', R2', R3', R4', R5', R6', 及びR7'は、それぞれ独立して、不存在又はC1~C4アルキレン基である。
R1, R2, R3, R4, R5, R6, 及びR7は、それぞれ独立して、本明細書に記載のように、得られたペプトイドが、本明細書に記載のような1又はそれ以上の免疫グロブリンに対して結合親和性を有するように、本明細書に記載の任意の順序で配列した1又はそれ以上の官能基又は機能的残基を含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、このようなペプトイド親和性リガンドは、ペプトイド骨格を形成する連続して結合したペプトイド残基からなり(例えば、式I~V(化1~5)で示される。)、該ペプトイド骨格のペプトイド残基の窒素原子に1又はそれ以上の官能基(例えば、式I~V(化1~5)で表されるR1, R2, R3, R4, R5, R6, 及びR7)が付加された、ペプトイド化合物を含有することができる。いくつかの実施態様においては、このペプトイド骨格は環化されてもよい。
【0037】
本発明のいくつかの実施態様において、ペプトイド化合物及びペプトイド親和性リガンドは、少なくとも1個のα炭素(C)官能基を有するペプトイド骨格から成る。すなわちペプトイド中の窒素(N)ではなく炭素(C)に結合した官能基を有する真のペプチド結合を含む。すなわち、ペプトイド骨格を形成する連続して結合したペプトイド残基の中に、ペプトイド骨格中のペプチド結合のアルファ炭素に結合した少なくとも1個の官能基が存在する。いくつかの実施態様において、本明細書に記載されているような1若しくはそれ以上の又は複数の官能基を骨格の1又はそれ以上のアルファ炭素に結合させて、ペプトイド様化合物又はペプチド様化合物を形成することができ、これは、純粋なペプトイド(すべての官能基が骨格上の窒素に結合している)と純粋なペプチド(すべての官能基が骨格上の炭素に結合している)との間のハイブリッドとして機能する。いくつかの実施態様において、このようなハイブリッド構造は、ほとんど又は実質的にペプトイド又はペプトイド様でありうる、すなわち、実質的にすべてペプトイド残基でありうるが、いくつかの実施態様において、このようなハイブリッド構造は、ほとんど又は実質的にペプチド又はペプチド様、すなわち実質的にすべてペプチド残基でありうる。いくつかの実施態様において、ハイブリッドペプトイドは、約50%のペプトイド残基が及び約50%のペプチド残基から成ることができる。以下の表2において、ペプトイド骨格内のアルファ炭素に結合した官能基を星印で示す。
これらの官能基又はR基は、本明細書中に例示されるが任意の側鎖、アミン、化学構造などを含み得るが、本明細書に開示され、考察され又は示される例に必ずしも限定されない。
【0038】
表1に、限定ではなく一例として、本発明のペプトイド及びペプトイド親和性リガンドの例示的なR基又は官能基を示す。
【表1】
【0039】
いくつかの実施形態において、1又はそれ以上の官能基は、任意の順序であるが、ペプトイド骨格上の連続したペプトイド残基に結合し、少なくとも2個の芳香族官能基と塩基性又は酸性の官能基のいずれかとを含む。このような官能基、例えば、少なくとも2個の芳香族官能基と塩基性又は酸性の官能基のいずれかは、それらが連続するペプトイド残基に結合され、ペプトイドがその免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に特異的に結合する限り、どのような方向に配向していてもよく、又はスクランブルされていてもよい。ここにおいて、この免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質は、IgG、IgA、IgE、IgD、IgM又はIgYの1又はそれ以上である。いくつかの局面において、芳香族官能基は、複素芳香族官能基を含む。
【0040】
このようなペプトイド及びペプトイド親和性リガンドは、表2([表2-1]~[表2-3])に示される配列及び構造の1又はそれ以上を含むことができる。これらは、例として示すものであり限定するものではない。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0041】
いくつかの実施形態において、1又はそれ以上の官能基は、任意の順序であるが、ペプトイド骨格のペプトイド残基のいずれかの窒素原子に位置し又は付加された、少なくとも2個の芳香族官能基と塩基性又は酸性の官能基のいずれかとを含む。このような官能基、例えば、少なくとも2個の芳香族官能基と塩基性又は酸性の官能基のいずれかは、ペプトイドがその免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に特異的に結合する限り、どのような方向に配向していてもよく、又はスクランブルされていてもよい。ここにおいて、この免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質は、IgG、IgA、IgE、IgD、IgM又はIgYの1又はそれ以上である。いくつかの局面において、芳香族官能基は、複素芳香族官能基を含む。
【0042】
いくつかの実施態様において、本発明のペプトイド及びペプトイド親和性リガンドは、官能基の特定の配列を必要とするか又は完全にランダムである若しくは散乱しているかに関わらず、(i)塩基性残基、(ii)芳香族残基、及び(iii)塩基性残基又は親水性残基の官能基を有する3個のペプトイド残基の連続部分を含むペプトイド親和性リガンドを含まない。いくつかの局面において、本発明のペプトイドから除外されるのは、ペプトイド骨格のN末端からC末端へ、及びN末端位置に、(i)塩基性残基、(ii)芳香族残基、及び(iii)塩基性残基又は親水性残基の官能基を有する3個のペプトイド残基の連続部分を含むペプトイド親和性リガンドである。
いくつかの実施態様において、官能基は、D-アミノ酸及びβアミノ酸を含む非天然アミノ酸官能基を含む。
いくつかの実施態様において、本発明のペプトイド及びペプトイド親和性リガンドは、例えば、3~10個のペプトイド残基、3~9個のペプトイド残基、3~8個のペプトイド残基、3~7個のペプトイド残基などを含む、3~15個又はそれ以上のペプトイド残基を含むペプトイド骨格を形成する連続的に結合したペプトイド残基を含むことができる。
【0043】
本発明のペプトイド親和性リガンドは、免疫グロブリンに対して高い結合親和性を有するように構成されており、したがって、効果的で効率的な精製用リガンドとして役立ち得る。限定ではなく一例として、本発明のペプトイド親和性リガンドは、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に対して、約0.5x10-6~約10x10-6モル、約0.5x10-6~約5x10-6モル、約0.5x10-6~約1x10-6モル、を含む、約0.05x10-6~約50x10-6モルの平衡解離定数(K)を有することができる。
【0044】
いくつかの実施態様において、本発明のペプトイド親和性リガンドは、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に結合し、つづいて他の親和性リガンド(例えば、タンパク質ベースのリガンド)に必要とされるよりも高いpH(例えば、酸性度が低い)で、結合した免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質を放出する。例えば、結合した免疫グロブリン又は他の標的抗原は、例えば、約4~約6、約4~約5、約3~約5又は約4~約7のpHを含む、約3~約7のpHで放出され得る。より高いpHで、又はより低酸性及びより中性で、結合した免疫グロブリンを放出させるこのようなリガンドは、いくつかの局面において、リガンドの安定性及び/又は再利用性を高めることができる。さらに、酸性度が低い条件下で溶出した免疫グロブリンには、利点が付与される。特に、より穏やかなpHは、溶出された免疫グロブリン、特にpH感受性免疫グロブリンの安定性を増し、いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体にとってさらに有利である。それらは理論的には均一な免疫グロブリンの集団であるからである。
【0045】
本発明のペプトイド及びペプトイド親和性リガンドの一側面は、高い親和性及び特異性で免疫グロブリンに結合する能力であるが、その一方で、ペプトイド自体の分解又は変性に対して抵抗性である。このように、いくつかの実施態様において、本発明のペプトイド及び関連親和性するリガンドは、免疫グロブリンに結合するタンパク質ベースのリガンドよりも少なくとも50%又はそれ以上タンパク質分解に対してより耐性であり得る。いくつかの実施態様において、これらは、免疫グロブリンに結合するタンパク質ベースのリガンド、例えば、プロテインA又はGよりも、タンパク質分解に対して約10%、20%、30%、40%、50%又はそれ以上及びその範囲で耐性でありうる。この強力な特性及びタンパク質分解に対する抵抗性に基づいて、本発明のペプトイド及びペプトイド親和性リガンドは、複数の精製サイクル、すなわち繰り返しの使用に適していることができる。このように、本発明のリガンドは、既存のリガンドよりも効率と費用有効性において利点を提供することができる。
【0046】
いくつかの実施態様において、本発明のペプトイド及びペプトイド親和性リガンドは、いくつかの実施形態において、既存のリガンド及び結合性化合物よりも実質的に高い親和性で、IgMに有効で効率的に結合するように構成される。本発明のペプトイド親和性リガンドは、IgMに対して、約0.5×10-6~約10×10-6モル、約0.5×10-6~約5×10-6モル、及び約0.5×10-6~約1×10-6モルを含む、約0.05×10-6~約50×10-6モルの平衡解離定数(K)を有することができる。
本発明のペプトイドを用いて結合され、単離され又は精製されることができる免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質は、例えば、哺乳類、鳥類、軟骨魚類などを含む任意の生物由来の免疫グロブリンなどを含むことができる。
いくつかの局面において、本発明のペプトイド親和性リガンドは、固体支持体に結合していてもよい。この固体支持体には、例えば、粒子、無機材料、及び/又は有機ポリマー材料が含まれるが、これに限定されない。いくつかの実施態様において、このような固体支持体は、例えば、再生セルロースを含む膜繊維又はフィルムから成ってもよい。このような固体支持体は、膜クロマトグラフィーなどの様々な用途において有用であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、この固体支持体は、粒子(例えば、クロマトグラフィー樹脂の真珠のような多孔性ポリマービーズのようなビーズ)から成る。いくつかの実施態様において、この固体支持体は、無機材料(例えば、シリカ、チタニア、ジルコニアなど)から成る。いくつかの実施態様において、この固体支持体は、有機ポリマー材料(例えば、ポリエーテルスルホン、PMMAなど)から成る。
いくつかの実施形態において、このペプトイド親和性リガンドは、チオール結合以外の結合、好ましくはアミノ結合によって固前記体支持体に結合していてもよい。ペプトイドにチオール結合以外の結合を提供することにより、このペプトイドは、いくつかの実施形態において、チオール結合を有するペプトイド親和性リガンドよりも、少なくとも約10%~約20%優れた免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質に対する結合親和性を有することができる。任意の特定の理論又は作用機序に拘束されることなく、このような結合は、1又はそれ以上の免疫グロブリンに対する結合親和性を最適化及び/又は向上させるように、1又はそれ以上の官能基を配向又は配置させることができる。
【0048】
いくつかの実施態様において、本発明のペプトイドの例が、以下の表3に提供される。このようなペプトイドは、ペプトイド骨格上に3~9個のペプトイド残基を含み、表3に示す対応する官能基又は残基(R1~R9)を有する。これらの官能基(R1~R9)は、上記の表1のコード又は残基表示に対応する。
【表3】
【0049】
表中のアスタリスク(*)は、官能基が窒素ではなく主鎖の炭素から出ている、非伝統的な官能基を含むペプトイド配列中の残基を示す。
式I~Vで表される化合物及び表1~3の化合物などの本発明のペプトイド化合物は、以下の文献の記載を含むがこれらに限定されない既知の技術に従って調製することができる:N.J. Brown, J. Johansson, and A.E. Barron, Acc. Chem. Res. 41, 1409-1417 (2008); N.P. Chongsiriwatana, J.A. Patch, A.M. Czyzewski, M.T. Dohm, A. Ivankin, D. Gidalevitz, R.N. Zuckermann, and A.E. Barron, PNAS 105, 2794-2799 (2008); K.E. Drexler, Peptide Science 96, 537-544 (2011); B.C. Gorske, B.L. Bastian, G.D. Geske, and H.E. Blackwell, J. Am. Chem. Soc. 129, 8928-8929 (2007); T. Hara, S.R. Durell, M.C. Myers, and D.H. Appella, J. Am. Chem. Soc. 128, 1995-2004 (2006); R.D. Haynes, R.J. Meagher, J.-I. Won, F.M. Bogdan, and A.E. Barron, Bioconjugate Chem. 16, 929-938 (2005); K. Kirshenbaum, A.E. Barron, R.A. Goldsmith, P. Armand, E.K. Bradley, K.T.V. Truong, K.A. Dill, F.E. Cohen, and R.N. Zuckermann, PNAS 95, 4303-4308 (1998); Y.-U. Kwon and T. Kodadek, J. Am. Chem. Soc. 129, 1508-1509 (2007); G. Maayan, M.D. Ward, and K. Kirshenbaum, PNAS 106, 13679-13684 (2009); S.M. Miller, R.J. Simon, S. Ng, R.N. Zuckermann, J.M. Kerr, and W.H. Moos, Drug Development Research 35, 20-32 (1995); P. Mora, I. Masip, N. Cortes, R. Marquina, R. Merino, J. Merino, T. Carbonell, I. Mingarro, A. Messeguer, and E. Perez-Paya, J. Med. Chem. 48, 1265-1268 (2005); J.E. Murphy, T. Uno, J.D. Hamer, F.E. Cohen, V. Dwarki, and R.N. Zuckermann, PNAS 95, 1517-1522 (1998); K.T. Nam, S.A. Shelby, P.H. Choi, A.B. Marciel, R. Chen, L. Tan, T.K. Chu, R.A. Mesch, B.-C. Lee, M.D. Connolly, C. Kisielowski, and R.N. Zuckermann, Nature Materials 9, 454-460 (2010); J.T. Nguyen, M. Porter, M. Amoui, W.T. Miller, R.N. Zuckermann, and W.A. Lim, Chem. Biol. 7, 463-473 (2000); P.E. Nielsen, ed., Pseudo-peptides in Drug Discovery, 1st ed. (Wiley-VCH, 2004); S.H. Park and I. Szleifer, J. Phys. Chem. B 115, 10967-10975 (2011); J.A. Patch and A.E. Barron, J. Am. Chem. Soc. 125, 12092-12093 (2003); I. Peretto, R.M. Sanchez-Martin, X. Wang, J. Ellard, S. Mittoo, and M. Bradley, Chem. Commun. 2312-2313 (n.d.); M.C. Pirrung, K. Park, and L.N. Tumey, J. Comb. Chem. 4, 329-344 (2002); M.M. Reddy and T. Kodadek, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 102, 12672-12677 (2005); M.M. Reddy, R. Wilson, J. Wilson, S. Connell, A. Gocke, L. Hynan, D. German, and T. Kodadek, Cell 144, 132-142 (2011); T.J. Sanborn, C.W. Wu, R.N. Zuckermann, and A.E. Barron, Biopolymers 63, 12-20 (2002); T. Schroder, N. Niemeier, S. Afonin, A.S. Ulrich, H.F. Krug, and S. Brase, J. Med. Chem. 51, 376-379 (2008); N.H. Shah, G.L. Butterfoss, K. Nguyen, B. Yoo, R. Bonneau, D.L. Rabenstein, and K. Kirshenbaum, J. Am. Chem. Soc. 130, 16622-16632 (2008); A. Statz, J. Kuang, C. Ren, A. Barron, I. Szleifer, and P. Messersmith, Biointerphases 4, FA22-FA32 (2009); A.R. Statz, J.P. Park, N.P. Chongsiriwatana, A.E. Barron, and P.B. Messersmith, Biofouling 24, 439-448 (2008); P.A. Wender, D.J. Mitchell, K. Pattabiraman, E.T. Pelkey, L. Steinman, and J.B. Rothbard, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 97, 13003-13008 (2000); C.W. Wu, S.L. Seurynck, K.Y.C. Lee, and A.E. Barron, Chem. Biol. 10, 1057-1063 (2003); R.N. Zuckermann, J.M. Kerr, S.B.H. Kent, and W.H. Moos, J. Am. Chem. Soc. 114, 10646-10647 (1992); R.N. Zuckermann, E.J. Martin, D.C. Spellmeyer, G.B. Stauber, K.R. Shoemaker, J.M. Kerr, G.M. Figliozzi, D.A. Goff, and M.A. Siani, J. Med. Chem. 37, 2678-2685 (1994).
【0050】
本発明のペプトイドは、天然及び組換えの両方の(キメラを含む)抗体、操作されたマルチボディ、単一ドメイン抗体、及びそれらの組み合わせ(例えば、二価抗体及びラクダ科免疫グロブリン)、及びモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体の両方、又はFc融合タンパク質を含む、任意のタイプの抗体又は抗体断片(例えば、Fc断片、Fab断片及びscFV断片)に結合し、これらを回収し、これらを精製し、これらを固体表面上に固定化するなどのために使用することができる。この抗体は、哺乳類(ウサギ、マウス、ラット、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ラマ、ラクダ、アルパカなど)、鳥類(例えば、ニワトリ、七面鳥など)、サメなどを含む、任意の起源のものであってもよく、上記のように、これらの断片、キメラ 及びそれらの組み合わせを含む。この抗体は、IgG、IgA、IgE、IgD、IgM、IgY(鳥類)などを含むがこれらに限定されない任意のタイプの免疫グロブリンであってもよい。
いくつかの実施態様において、この抗体又はFc断片(その融合タンパク質を含む)は、血液又は血液画分(例えば、血液血清、血漿)、卵黄及び/又はアルブミン、組織又は細胞増殖培地、組織溶解物又はホモジネートなどのような、生体液中に保持される。
【0051】
より詳細には、いくつかの実施態様において、免疫グロブリンに結合する方法が提供される。このような方法は、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質を含む液体組成物から、これらに結合することを可能にすることができる。このような方法は、本発明のペプトイド親和性リガンドを含む固体支持体を提供する段階、及び免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質が、この固体支持体のペプトイド親和性リガンドに結合するように、該組成物を該固体支持体に接触させる段階、を含むことができる。続いて、固体支持体のペプトイド親和性リガンドに結合した免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質を有する該液体組成物を、該固体支持体から分離することができる。更に、この免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質を、該固体支持体のペプトイド親和性リガンドから分離し又は溶出することができる。いくつかの実施態様において、この接触させる段階及び分離する段階は、連続式又はバッチ式で行われることができる。
【0052】
いくつかの局面において、このペプトイド親和性リガンドから、免疫グロブリン、免疫グロブリン断片、又はそれらの免疫グロブリン融合タンパク質を分離する段階は、pH約3~約7、好ましくはpH約4~約5で行われる。例えば、結合した免疫グロブリン又は他の標的抗原は、例えば、約4~約6、約4~約5、約3~約5又は約4~約7のpHを含む、約3~約7のpHで放出されることができる。
【0053】
それから免疫グロブリン又は抗体が精製される液体組成物は、少なくとも1個のタンパク質分解酵素を含むことができ、いくつかの態様では生物学的液体であることができる。例えば、この液体組成物、試料又はアリコートは、血液、血液血清、血漿、組織又は細胞培養培地、細胞溶解物、植物抽出物、又は組換え生物によって産生及び/又は分泌された液体を含むことができる。
【0054】
この方法は、プロテインAを使用する方法と同様の方法、又は当業者には明らかであるそれらの変形方法によって実施することができる。例えば、その接触及び分離段階を、連続的に(例えば、カラムクロマトグラフィーにより)、又は静的に(例えば、バッチモードによって)実施することができ、その後、分離段階を、公知の技術を用いて(例えば、溶出によって)行うことができる。
【0055】
いくつかの実施態様において、それから抗体又はFc断片又はFc融合タンパク質を回収する液体組成物が、生物学的流体を含む場合などでは、この液体組成物は更に少なくとも1個のタンパク質分解酵素を含む。本明細書で論じられるように、本発明のペプトイド結合リガンドは、タンパク質分解酵素による分解に対して有利に耐性である。
さらに、上記の全ての標的抗体/免疫グロブリンの光親和性標識を、このペプトイドの側鎖残基のいずれかをベンゾフェノン基のような光反応性基で置換することによって行うことができる。
【実施例
【0056】
以下の実施例は、本明細書に開示された本発明の様々な実施形態をさらに例証するために用意されたものである。しかし、当業者は、本発明を参照して、開示された特定の実施形態において多くの変更を行うことができ、ここに開示の精神及び範囲から逸脱することなく、同様の又は類似の結果を得ることができることを認識すべきである。
【0057】
実施例1
ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体の精製のためのペプトイドリガンドの固相合成及び精製
公知の方法(Fara et al. Tet. Lett. 2006 47, 1011-1014; Olivos et al. Org. Lett. 2002, 4(23), 4057-4059)を利用して、マイクロ波補助下でBiotage (R) Alstra自動ペプチド合成装置を用いて、ペプトイドリガンドを調整した。このペプトイドを、システアミン2-クロロトリチル樹脂を含む固相ペプチド合成(SPPS)用のポリスチレン系樹脂上で合成した。合成前に、この樹脂を70℃でDMF中で20分間膨潤させた。N-Fmoc-グリシン及びN-Fmoc-N-メチルグリシンのような保護されたモノマーとして添加された残基を、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)及びOxymaをカップリング剤として用いて支持体に結合した。各カップリング段階は、75℃で5分間のDMF中で行われ、続いて室温で20%ピペリジンのDMF中でFmoc脱保護された。このペプトイド残基以外の残基を、従来のサブモノマーアプローチを介して加えた。まず、クロロ酢酸をDMF中のDICを用いて40℃で15分間カップリングさせた。次いで、適切な一級アミンを添加して、DMF中の末端塩化物の求核置換を60℃で15分間行った。このペプトイド合成で使用されたアミン及び対応するR基を表1に示す。合成されて試験に使用されたペプトイドの構造を表2, 3及び4に示す。
【0058】
これらのペプトイドを、トリフルオロ酢酸、フェノール、水及びトリイソプロピルシランの混合物(92.5/2.5/2.5/2.5)を用いて合成樹脂から切断した。この粗ペプトイドをエーテル中で沈殿させ、次いで低圧逆相クロマトグラフィー(C18, 0.1%酢酸を含む10%-100%アセトニトリル/水勾配)で精製した。この精製したペプトイドを凍結乾燥して乾燥粉末とし、生成物の質量をLC/MSで確認した。
必要に応じて、保護されたジアミンを使用して、このペプトンイドをその骨格配列の合成後にさらに官能基化した。直交保護基は、ペプトイド合成の条件下でも存続するように選択されたが、合成された樹脂から完成したペプトイド骨格を切断する際に脱保護された。次いで、樹脂からぺプトイドを切断した後、これらのアミンを変換した。第1級アミンからウレイド基への変換は、10当量のカリウムイソシアネートを含む氷酢酸中にぺプトイドを50mg/mLの濃度で溶解し、次いで60℃で2時間インキュベートすることによって行われた。これらのアミンからグアニジニル基への変換は、このリガンドをクロマトグラフィー樹脂に結合させた後に達成された。ウレイド基の付加をLC/MSにより確認した。
【0059】
実施例2
ペプトイド親和性リガンドのクロマトグラフィー支持体への結合
ペプトイドをクロマトグラフィー支持体に結合させて、抗体精製のための親和性吸着剤を調製した。このペプトイドを、ペンダントであるエポキシ、ブロモアセチル、トレシル又はブロモヒドリン基で活性化されたセファロース又はアガロースである、トヨパール(R)アミノAF-650-Mのような、クロマトグラフィー樹脂に結合させた。このペプトイドをエタノールに30mg/mLで溶解し、次いでペプトン系リガンド0.02ミリモルを、等量の0.2M K2CO3 (pH10)中に懸濁した活性化樹脂1mLに添加した。この懸濁液を室温で終末端運動で一晩攪拌した。次いで、この樹脂を濾過し、メタノール、0.1Mグリシン(pH2.5)、次いでリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。回収した上清及び洗浄画分を280nm又は260nmで分光光度分析して、溶液中のペプトイドの初期量に対する結合度を決定した。次いで、この樹脂を移動させて、0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS中で50v/v%スラリーとして保存した。
この樹脂にペプトイドを結合した後、選択されたリガンドの3番目の残基の第1級アミノ基をグアニジニル基に変換した(図1)。この樹脂をpH9の0.2M K2CO3緩衝液に懸濁し、次いで10当量の1H-ピラゾール-1-カルボキサミジン塩酸塩を添加した。この懸濁液を60℃で3時間撹拌した。インキュベーション後、この樹脂をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で順次洗浄し、次に0.05%アジ化ナトリウムを含むPBS中で50v/v%スラリーとして保存した。
【0060】
実施例3
ペプトイド親和性樹脂に対するポリクローナルヒトIgGの親和性
ペプトイド-樹脂の組み合わせについての親和性を、ポリクローナルヒトIgGに対する各樹脂の吸着等温線を測定することによって決定した(Pakimna et al., J Applied Sci., 12(11): 1136-1141, 2012)。簡単に記すと、50%樹脂スラリー0.050mLを、96ウェルフィルタープレート(0.45ミクロン、PVDF、Harvard Apparatus)の6個の各ウェルにピペットで入れた。この樹脂を真空マニホールドを用いて2×250μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。各ウェルに、異なる濃度(10, 5, 2.5, 1.25, 0.625及び0.3125mg/mL)のヒトポリクローナルIgG溶液0.25mLを添加した。この樹脂/IgG懸濁液を、ロッキングテーブル上で30分間穏やかに攪拌した。次いで、この液体を真空によって回収し、この樹脂をリン酸緩衝生理食塩水(PBS) 0.25mLで洗浄した。次いで、ろ液及び洗浄液を、BCAアッセイによって分析して、この溶液の出発濃度に対する残留IgG濃度を決定した。
次いで、平衡濃度を用いて、各IgG濃度における樹脂の容量(q)を、以下の式を使用して決定した:
q = サンプルの体積×(初期濃度-平衡濃度)/樹脂の体積
qに対する平衡濃度のプロットを作成し、データを双曲線に当てはめて、以下の式に従って、親和定数(Kd)及び最大容量(qmax)を決定した。ここで、Cは溶液中の抗体の平衡濃度である。
q = qmax × C / (Kd + C)
典型的な吸着等温線を図2に示し、Kd及びqmaxデータを表2に示す。
【0061】
実施例4
正常ウサギ血清由来IgGに対するペプトイド親和性樹脂の選択性
96ウェルフィルタープレート(PVDF、0.45ミクロンフィルター)中の各ウェルに、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の50%スラリーとして0.025mLの樹脂を分注した。この樹脂を0.25mLのPBS、0.25mLの0.1Mグリシン(pH2.5)、次いで0.25mLのPBSで2回洗浄した。次いで、濾過していないウサギ血清(0.2mL)を、PBSにカプリル酸ナトリウムを50mg/mLで溶解した溶液0.05mLで希釈した。次いで樹脂を洗浄し、0.25mLの希釈血清で処理した。このプレートをプラスチック接着フィルムでシールし、ボルテックスし、30分間揺動させた。血清洗浄液を樹脂からろ過し、次いでこの樹脂を、PBSにカプリル酸ナトリウムを50mg/mLで溶解した溶液0.25mLで3回洗浄した。次に、この抗体を、pH4.0の0.1M酢酸ナトリウム緩衝液0.25mLを用いて、溶出した。次いで、この溶出液の純度を、クマシー色素で染色したポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)ゲルを還元することによって分析した(図3)。
【0062】
実施例5
IgAに対するペプトイド親和性樹脂の選択性
50mgの樹脂18-59及びPV-19-1B(構造を下式に示す。)をスピンカラムに添加し、18CV(10mg/mLアジピン酸/0.8M NaCl pH5.8)で平衡化した。樹脂1mlあたり10.0mgのヒトIgAのサンプル負荷量を、CHOコンディショニング培地の存在下で負荷した。非結合タンパク質を18CVの平衡/洗浄緩衝液を用いてカラムから洗浄した。0.1M酢酸ナトリウムを含む18CV(pH4.0)を用いて生成物溶出を行った。
結果を図4A及び4Bに示す。図4Aは、フロースルー及び溶出画分のポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)(還元条件)を示す。図中、「MM」は分子量マーカー、「SL」は サンプル負荷、「FT」はフロースルー画分、「EL」は溶出画分を示す。図4Bは、フロースルー及び溶出画分の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)の結果を示す。ヒトIgA ELISA定量キットにより、回収した画分中のIgAの量を定量した。IgAの収率は、負荷された全IgAに対する溶出されたIgAの比として計算した。図中、「FT」はフロースルー画分、「EL」は溶出画分を示す。
【化22】


【0063】
実施例6
IgMに対するペプトイド親和性樹脂の選択性
50mgの樹脂18-59及びPV-19-1Bをスピンカラムに添加し、18CV(10mg/mLアジピン酸/0.8M NaCl pH5.8)で平衡化した。樹脂1mlあたり10.0mgのヒトIgMのサンプル負荷量を、CHO細胞コンディショニング培地の存在下で負荷した。非結合タンパク質を18CVの平衡/洗浄緩衝液を用いてカラムから洗浄した。0.1M酢酸ナトリウムを含む18CV(pH4.0)を用いて生成物溶出を行った。
結果を図5A及び5Bに示す。図5Aは、フロースルー及び溶出画分のポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)(還元条件)を示す。図中、「MM」は分子量マーカー、「SL」は サンプル負荷、「FT」はフロースルー画分、「EL」は溶出画分を示す。図5Bは、フロースルー及び溶出画分の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)の結果を示す。ヒトIgM ELISA定量キットにより、回収した画分中のIgMの量を定量した。IgMの収率は、負荷された全IgMに対する溶出されたIgMの比として計算した。図中、「FT」はフロースルー画分、「EL」は溶出画分を示す。
【0064】
実施例7
IgYに対するペプトイド親和性樹脂の選択性
50mgの樹脂18-59及びPV-19-1Bをスピンカラムに添加し、18CV(10mg/mLアジピン酸/0.8M NaCl pH5.8)で平衡化した。樹脂1mlあたり20.0mgのチキンIgYのサンプル負荷量を、CHO無血清培地の存在下で負荷した。非結合タンパク質を18CVの平衡/洗浄緩衝液を用いてカラムから洗浄した。0.1M酢酸ナトリウムを含む18CV(pH4.0)を用いて生成物溶出を行った。
結果を図6A及び6Bに示す。図6Aは、フロースルー及び溶出画分のポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)(還元条件)を示す。図中、「MM」は分子量マーカー、「SL」は サンプル負荷、「FT」はフロースルー画分、「EL」は溶出画分を示す。図6Bは、フロースルー及び溶出画分の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)の結果を示す。チキンIgY ELISA定量キットにより、回収した画分中のIgYの量を定量した。IgYの収率は、負荷された全IgYに対する溶出されたIgYの比として計算した。図中、「FT」はフロースルー画分、「EL」は溶出画分を示す。
【0065】
すべての特許、特許出願及びそれらの刊行物、科学雑誌記事、及びデータベースエントリーを含むがこれらに限定されない本明細書に列挙された全ての参考文献は、ここで採用された方法、技術、及び/又は組成物を補足し、説明し、その背景を提供し、教示する限り、本明細書に組み込まれる。
ここに開示された本発明の様々な詳細は、本発明の範囲から逸脱することなく変更され得ることが理解されるであろう。さらに、以上の説明は、単に本発明を例証するためのものであって、本発明の限定を目的とするものではない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B