IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 杭州三花▲微▼通道▲換▼▲熱▼▲器▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-空気調和システムの制御方法 図1
  • 特許-空気調和システムの制御方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】空気調和システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/41 20180101AFI20220218BHJP
   F25B 13/00 20060101ALI20220218BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
F24F11/41 240
F25B13/00 361
F25B1/00 341R
F25B1/00 351K
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019204138
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2020079695
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2019-11-11
(31)【優先権主張番号】201811338507.2
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511091818
【氏名又は名称】杭州三花▲微▼通道▲換▼▲熱▼▲器▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SANHUA(HANGHOU)MICRO CHANNEL HEAT EXCHANGER CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】#289,12th Street,Hangzhou Economic Development Area,Hangzhou,Zhejiang 310018,China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,グァンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,チァン
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-072962(JP,A)
【文献】特開2018-112378(JP,A)
【文献】特開2005-147584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 13/00
F24F 11/41
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和システムの制御方法であって、
前記空気調和システムは、少なくとも、圧縮機とマルチチャンネル熱交換器と熱膨張弁とを含み、
前記制御方法は、空気調和システムの起動段階において、前記圧縮機の運転時間をtとし、tが60sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fを60Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度VHz/s未満に制御するステップを含む、
ことを特徴とする空気調和システムの制御方法。
【請求項2】
前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fを30Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1Hz/s未満に制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和システムの制御方法。
【請求項3】
前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fが20Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを0.75Hz/s未満に制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の空気調和システムの制御方法。
【請求項4】
前記圧縮機の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.25Hz/s未満に制御し、
前記圧縮機の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1. 5Hz/s未満に制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の空気調和システムの制御方法。
【請求項5】
空気調和システムの制御方法であって、
前記空気調和システムは、少なくとも、圧縮機とマルチチャンネル熱交換器とを含み、
前記制御方法は、空気調和システムの起動段階において、前記圧縮機の運転時間をtとし、tが60sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fを75Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度V を1.25Hz/s未満に制御するステップを含み、
前記空気調和システムは電子膨張弁を含み、前記電子膨張弁の瞬時開度をPとし、前記電子膨張弁の最大開度をPmaxとし、前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.25Pmax以上であり、
前記圧縮機の運転時間tが60sより小さく、且つ30s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.15P max 以上である、
ことを特徴とする空気調和システムの制御方法。
【請求項6】
前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度V/Pを7/Pmax以下に制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の空気調和システムの制御方法。
【請求項7】
前記圧縮機の運転時間が180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度V/Pを3.5/Pmax以下に制御する、
ことを特徴とする請求項に記載の空気調和システムの制御方法。
【請求項8】
記圧縮機の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.125Pmax以上であり、
前記圧縮機の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.1Pmax以上である、
ことを特徴とする請求項に記載の空気調和システムの制御方法。
【請求項9】
前記空気調和システムは、切替装置をさらに含み、前記切替装置は、四方弁である、
ことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1つに記載の空気調和システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和システム技術の分野に関し、具体的には、空気調和システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、使用されている空気調和システムは、システム内の熱交換器がマルチチャンネル熱交換器を含む場合、マルチチャンネル熱交換器は、圧縮機の起動段階で熱交換性能が悪く、暖房運転時に熱交換器が着霜しやすく、暖房運転時のシステム能力の減衰を加速させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、従来技術に存在する技術的課題の少なくとも一つを解決することを目的とする。そのため、本発明は、システムの圧縮機の起動段階におけるマルチチャンネル熱交換器の性能を向上させ、マルチチャンネル熱交換器のシステム暖房運転時の着霜を緩和し、システムの性能を向上させることができる空気調和システムの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を実現するために、本発明の第1の態様の実施例では、空気調和システムの制御方法が提供され、前記空気調和システムは、少なくとも、圧縮機とマルチチャンネル熱交換器とを含み、前記空気調和システムの運転段階は、少なくとも、起動段階と安定段階とを含み、前記制御方法は、前記起動段階において、前記圧縮機の運転時間をtとし、前記圧縮機の運転時間tが60sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fを75Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.25Hz/s未満に制御するステップを含む。
【0005】
本発明の実施例に係る空気調和システムの制御方法は、システムの起動段階におけるマルチチャンネル熱交換器の着霜現象を緩和し、システムの信頼性を向上させることができる。
【0006】
また、本発明の上記の実施例に係る空気調和システムの制御方法は、以下の追加技術的特徴を有することもできる。
【0007】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.5Hz/s未満に制御する。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.75Hz/s未満に制御する。
【0009】
本発明の一実施例によれば、前記空気調和システムは熱膨張弁を含み、前記圧縮機の運転時間tが60sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fを60Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1Hz/s未満に制御する。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fを30Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1Hz/s未満に制御する。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記圧縮機の運転周波数Fを20Hz未満に制御し、且つ前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを0.75Hz/s未満に制御する。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.25Hz/s未満に制御し、前記圧縮機の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度Vを1. 5Hz/s未満に制御する。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記空気調和システムは電子膨張弁を含み、前記電子膨張弁の瞬時開度をPとし、前記電子膨張弁の最大開度をPmaxとし、前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.25Pmax以上である。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度V/Pを7/Pmax以下に制御する。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間が180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記圧縮機の毎秒の周波数の上昇速度V/Pを3.5/Pmax以下に制御する。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記圧縮機の運転時間tが60sより小さく、且つ30s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.15Pmax以上であり、前記圧縮機の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.125Pmax以上であり、前記圧縮機の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.1Pmax以上である。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記空気調和システムは、切替装置をさらに含み、前記切替装置は四方弁である。
【0018】
本発明の付加的な特徴及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明により明らかになり、又は本発明の実践により理解される。
【0019】
本発明の上記及び/又は付加的な態様及び利点は、以下、図面を参照した実施形態についての説明において、明らかになり、理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施例に係る空気調和システムの概略構成図である。
図2】本発明の別の実施例に係る空気調和システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本出願は、発明者が以下の事実、問題の発見及び認識に基づいてなされたものである。
関連技術では、マルチチャンネル熱交換器は、銅管フィン熱交換器に対して、内部容積が小さく、吸引現象がさらに深刻であるため、システムの起動中にさらに着霜しやすくなる。
【0022】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例における例が図面に示され、同一又は類似する符号は、常に同一又は類似する要素、或いは、同一又は類似する機能を有する要素を示す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示するものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解してはならない。
【0023】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は要素が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されることを指示又は暗示するものではないので、本発明を限定するものであると理解してならない。また、「第1」、「第2」で限定されている特徴は、少なくとも一つの当該特徴を含んでいることを、明示又は暗黙的に指定している。本発明の説明において、他の説明がない限り、「複数」とは、二つ以上を意味する。
【0024】
本発明の説明において、明確な規定及び限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。机械的な接続や、電気的な接続も可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの要素の内部が連通することや、あるいは二つの要素の間に相互作用関係があることも可能である。当業者であれば、具体的な状況によって上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施例に係る空気調和システム1の制御方法を説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、本発明の実施例に係る空気調和システム1は、少なくとも、圧縮機10とマルチチャンネル熱交換器とを含み、空気調和システム1の運転段階は、少なくとも、起動段階と安定段階とを含み、前記制御方法は、前記起動段階において、圧縮機10の運転時間をtとし、圧縮機10の運転時間tが60sより小さい場合、圧縮機10の運転周波数Fを75Hz未満に制御し、且つ圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.25Hz/s未満に制御するステップを含む。
【0027】
ここで、「起動」段階とは、前記空気調和システムが所定時間内に圧縮機の停止状態から安定運転状態まで運転する作動プロセスを指し、空気調和システムの安定運転状態とは、空気調和システムの圧縮機の運転周波数が相対的に安定しており、持続的に又は階段的に上昇しない状態を指すことを理解されたい。
【0028】
具体的には、圧縮機10が起動中に停止した場合、時間は改めてカウントされ、すなわちtはゼロにリセットされる。
【0029】
本発明の実施例に係る空気調和システム1の制御方法は、起動段階における圧縮機10の最大運転周波数を制御することによって、起動中に圧縮機10の周波数が大きすぎることを回避して、圧縮機10の起動プロセスをより安定的且つ合理的にし、圧縮機10で発生しうる吸引現象を低減させ、圧縮機10の起動中にマルチチャンネル熱交換器の着霜発生を回避することができる。
【0030】
また、起動中に圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度を制御することによって、圧縮機10の起動時の周波数の上昇速度が大きすぎることを回避し、圧縮機10の起動プロセスをより安定的且つ合理的にし、圧縮機10で発生しうる吸引現象をさらに低減させ、圧縮機10の起動中にマルチチャンネル熱交換器の着霜発生を回避することができる。
【0031】
従って、本発明の実施例に係る空気調和システム1の制御方法は、システム起動段階におけるマルチチャンネル熱交換器の着霜現象を緩和し、システムの信頼性を向上させることができる。
【0032】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例に係る空気調和システム1を説明する。
【0033】
本発明のいくつかの具体的な実施例では、図1及び図2に示すように、本発明の実施例に係る空気調和システム1は、少なくとも、圧縮機10と、マルチチャンネル熱交換器と、スロットル装置30とを含む。
【0034】
具体的には、圧縮機10の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.5Hz/s未満に制御する。これにより、起動段階で一定時間運転した後の圧縮機10の周波数上昇速度をさらに限定することができ、圧縮機10の起動中の安定性及び信頼性をさらに向上させることができる。
【0035】
より具体的には、圧縮機10の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.75Hz/s未満に制御する。これにより、起動段階で一定時間運転した後の圧縮機10の周波数の上昇速度をさらに限定することができ、圧縮機10の起動中の安定性及び信頼性をさらに向上させることができる。これにより、起動プロセスにわたって圧縮機10の周波数を制御することができ、圧縮機10の起動プロセスにおける周波数の変化をより合理的にすることができる。
【0036】
本発明の具体的な一実施例では、スロットル装置30は熱膨張弁であり、圧縮機10の運転時間tが60sより小さい場合、圧縮機10の運転周波数Fを60Hz未満に制御し、且つ圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを1Hz/s未満に制御する。熱膨張弁は自動的に調整される調節するため、熱膨張弁の開度を正確に制御することができず、しかも熱膨張弁の調節速度が相対的に遅いため、圧縮機の運転周波数を正確に限定することによって、空気調和システム1の着霜リスクを効果的に制御することができる。
【0037】
さらに、圧縮機10の運転時間tが30sより小さい場合、圧縮機10の運転周波数Fを30Hz未満に制御し、且つ圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを1Hz/s未満に制御する。これにより、圧縮機10の周波数の変化をより正確に限定し、空気調和システム1の信頼性をさらに向上させることができる。
【0038】
さらに、前記圧縮機の運転時間tが30sより小さい場合、圧縮機10の運転周波数Fを20Hz未満に制御し、且つ圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを0.75Hz/s未満に制御する。これにより、圧縮機10の周波数変化をより正確に限定し、空気調和システム1の安定性及び信頼性をさらに向上させ、着霜を回避することができる。
【0039】
具体的には、圧縮機10の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを1.25Hz/s未満に制御し、圧縮機10の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度Vを1. 5Hz/s未満に制御する。このように、起動段階全体における異なる時間帯の周波数の変化傾向を限定することによって、異なる時間帯内に圧縮機10の周波数が大きすぎることを回避すると共に、圧縮機10が十分な起動周波数を有することを確保し、圧縮機10の起動効率を確保することができる。
【0040】
本発明の別の具体的な実施例では、スロットル装置30は電子膨張弁であり、言い換えれば、前記空気調和システムは電子膨張弁を含み、前記電子膨張弁の瞬時開度をPとし、前記電子膨張弁の最大開度をPmaxとし、圧縮機10の運転時間tが30sより小さい場合、圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度V/Pを7/Pmax以下に制御し、圧縮機10の運転時間が180sより小さく、且つ60s以上である場合、圧縮機10の毎秒の周波数の上昇速度V/Pを3.5/Pmax以下に制御する。このように、圧縮機10の周波数及び周波数上昇速度を制御することによって着霜リスクを低減することができるとともに、空気調和システム1が安定して暖房する能力を向上させることができ、空気調和システム1の冷媒充填量の最適化して低減することができる。
【0041】
具体的には、圧縮機10の運転時間tが30sより小さい場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.25Pmax以上であり、圧縮機10の運転時間tが60sより小さく、且つ30s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.15Pmax以上であり、圧縮機10の運転時間tが180sより小さく、且つ60s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.125Pmax以上であり、圧縮機10の運転時間tが300sより小さく、且つ180s以上である場合、前記電子膨張弁の瞬時開度Pは0.1Pmax以上である。このように、起動段階の300秒における異なる時間帯の開度変化傾向を限定するによって、着霜リスクをさらに低減させ、安定性を向上させ、冷媒充填量を低減させることができる。
【0042】
図2は、本発明の具体的な一実施例に係る空気調和システム1を示す。図2に示すように、空気調和システム1は、切替装置をさらに含み、前記切替装置は、四方弁50であり、前記マルチチャンネル熱交換器は、室外熱交換器21と室内熱交換器22とを含み、スロットル装置30は、室外熱交換器21と室内熱交換器22との間に接続され、室外熱交換器21、室内熱交換器22、及び圧縮機10は、それぞれ四方弁50に接続され、四方弁50は、冷房状態と暖房状態との間で切り替えることができ、前記冷房状態では、四方弁50は、圧縮機10の入口と室外熱交換器21とを連通させ、圧縮機10の出口と室内熱交換器22とを連通させ、前記暖房状態では、四方弁50は、圧縮機10の入口と室内熱交換器22とを連通させ、圧縮機10の出口と室外熱交換器21とを連通させる。これにより、空気調和システム1が冷房及び暖房機能の切り替えを実現することができる。
【0043】
図1は、本発明の別の具体的な実施例に係る空気調和システム1を示す。図1に示すように、空気調和システム1の前記熱交換器は、室内熱交換器22と室外熱交換器21とを含み、室内熱交換器22の出口は圧縮機10の入口に接続され、圧縮機10の出口は室外熱交換器21の入口に接続され、室外熱交換器21の出口はスロットル装置30の入口に接続され、スロットル装置30の出口は室内熱交換器22の入口に接続される。このようにすることで、空気調和システム1の暖房効率を確保し、着霜を防止することができる。
【0044】
本発明の実施例に係る空気調和システム1の制御方法の他の構成及び動作は、当業者には既知であり、ここでは詳細に説明しない。
【0045】
本明細書の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参照した説明とは、当該実施例或いは例に結合して説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な表現は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すものではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。
【0046】
本発明の実施例を示して説明したが、当業者は、本発明の原理及び主旨から逸脱しなく、これらの実施例に対して各種の変更、修正、置き換え及び変形を行うことができる。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物により限定される。
【符号の説明】
【0047】
1 空気調和システム
10 圧縮機
21 室外熱交換器
22 室内熱交換器
30 スロットル装置
40 コントローラ
50 四方弁
図1
図2