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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】マーカを設けられた機械的導波路
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20220218BHJP
   B06B 3/00 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
A61B17/22
B06B3/00
【請求項の数】 50
(21)【出願番号】P 2019506561
(86)(22)【出願日】2017-04-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 IB2017052387
(87)【国際公開番号】W WO2017187347
(87)【国際公開日】2017-11-02
【審査請求日】2020-03-19
(31)【優先権主張番号】62/326,890
(32)【優先日】2016-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/424,014
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517370906
【氏名又は名称】レ ソルシオン メディカール サウンドバイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リエル,ルイ-フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ディオン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ブルイエット,マルタン
(72)【発明者】
【氏名】コーニッシュ,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】シャルルボワ-メナール,マニュエル
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-508957(JP,A)
【文献】特表平08-503634(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0222286(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
B06B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広帯域パルスの機械的波動を伝達することによって血管内の病変を処置するための装置であって、
細長い形状を有し、近位端と遠位端との間に延在する機械的導波路を備え、前記機械的導波路における少なくとも一区画は、前記血管内に挿入される大きさおよび形状であり、前記近位端は、前記広帯域パルスの機械的波動を前記近位端から前記遠位端まで伝搬するために機械的波動パルス発生器に動作可能に結合されており、前記機械的導波路は、前記遠位端に隣接して前記機械的導波路の外面から突出する少なくとも2つの突出部を有し、前記装置はさらに、
前記機械的導波路に対して前記機械的導波路の前記遠位端に隣接して固定された、放射線不透過性マーカを備え、前記放射線不透過性マーカの一部は、中空であり、前記2つの突出部の間で前記機械的導波路の上に位置決めされ、
前記広帯域パルスの機械的波動の漏れを最小限にするように前記放射線不透過性マーカが前記2つの突出部の間に位置決めされ且つ前記機械的導波路の前記一区画に対して変形されると、前記放射線不透過性マーカの前記一部の内寸は、前記2つの突出部の間における前記機械的導波路の区画の外寸よりも大きくなる、装置。
【請求項2】
前記機械的導波路は、前記遠位端に隣接する陥凹区画を含み、前記放射線不透過性マーカは、前記陥凹区画の少なくとも一部の上に位置決めされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記放射線不透過性マーカは、前記放射線不透過性マーカに沿って延在する陥凹受け入れ開口を備え、前記陥凹区画は、前記放射線不透過性マーカの前記陥凹受け入れ開口内に少なくとも部分的に延在する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記機械的導波路は、各々が前記陥凹区画に隣接する近位区画および遠位区画を備え、前記遠位区画は前記機械的導波路の前記遠位端を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記放射線不透過性マーカは、第1の端部と第2の端部との間に延在し、前記第1の端部は、前記遠位区画および前記近位区画のうちの1つに当接する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の端部は、前記遠位区画および前記近位区画のうちのもう1つに当接する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記機械的導波路は円筒形の形状を有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記遠位区画は、前記陥凹区画に隣接して増加する直径を有する第1の遠位部分と、一定の直径を有し、前記機械的導波路の前記遠位端まで延在する第2の遠位部分とを含み、前記放射線不透過性マーカの前記第2の端部は、前記遠位区画の前記第1の遠位部分に当接する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記近位区画は、前記陥凹区画に隣接して低減する直径を有する第1の近位部分と、実質的に一定の直径を有する第2の近位部分とを含み、前記放射線不透過性マーカの前記第1の端部は、前記近位区画の前記第1の近位部分に当接する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記近位区画は、直径が増大する第3の近位部分をさらに備え、前記第2の近位部分は、前記第1の近位部分と前記第3の近位部分との間に位置する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記放射線不透過性マーカは、前記陥凹区画の周りに巻かれたコイルを含む、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記コイルの内径は、前記機械的導波路の前記陥凹区画の直径に実質的に等しい、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記コイルの内径は、前記機械的導波路の前記陥凹区画の直径より大きく、前記近位区画および前記遠位区画の最大直径よりも小さい、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記コイルは、複数のループを含み、前記コイルの遠位端および前記コイルの近位端の少なくとも1つは、前記複数のループのうちの隣接するループに固定される、請求項11~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記コイルは複数のループを含み、前記複数のループの少なくとも2つの隣接するループはともに固定される、請求項11~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記コイルが単層コイルである、請求項11~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記コイルが多層コイルである、請求項11~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記放射線不透過性マーカは、タングステン、白金、金、金合金およびドープされたポリマーのうちの1つから作製され、かつ、1つによってコーティングされる、請求項1~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記機械的導波路は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニチノールおよび溶融石英のうちの1つから作製される、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記チタン合金は、Ti-6Al-4VおよびTi-11.5Mo-6Zr-4.5Sn(ベータIIIチタン)のうちの1つを含む、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記機械的導波路の少なくとも一部は、親水性コーティングおよび疎水性コーティングのうちの1つでコーティングされる、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記機械的導波路の少なくとも一部は、ポリテトラフルオロエチレンでコーティングされる、請求項1~20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
広帯域パルスの機械的波動を伝達することによって血管内の病変を処置するためのアセンブリであって、
近位端と遠位端との間で第1の長手方向軸に沿って延在する第1の細長い構造を備える機械的導波路を備え、前記近位端は、機械的波動パルス発生器に動作可能に結合されており、前記機械的導波路における少なくとも一区画は、前記血管内に挿入される大きさおよび形状であり、前記機械的導波路には、前記遠位端に隣接して前記機械的導波路の外面から突出する少なくとも2つの突出部が設けられ、前記2つの突出部は、前記第1の長手方向軸に沿って所定の距離だけ離間しており、前記アセンブリはさらに、
放射線不透過性材料から作製され、第2の長手方向軸に沿って延在する第2の細長い構造を含む放射線不透過性マーカを備え、前記第2の細長い構造は、前記2つの突出部の間で前記第1の細長い構造の周りに位置決めされるように中空であり、前記第2の細長い構造を前記2つの突出部の間に維持するために内寸が縮小されるように変形可能であり、
前記放射線不透過性マーカの内寸は、前記広帯域パルスの機械的波動の漏れを最小限にするように、変形されて前記2つの突出部の間に位置決めされると前記2つの突出部の間に含まれる前記第1の細長い構造の区画の外寸よりも大きくなる、アセンブリ。
【請求項24】
前記第1の細長い構造および前記第2の細長い構造は、実質的に同じ断面形状を有する、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記第1の細長い構造および前記第2の細長い構造は、異なる断面形状を有する、請求項23に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記第1の細長い構造は円筒形状を有し、前記第2の細長い構造は管状構造を有し、前記第2の細長い構造の内径は前記2つの突出部のうちの少なくとも1つの横方向寸法よりも小さい、請求項23または24に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記2つの突出部は、前記第1の細長い構造の円周の一部分に沿って延在する、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記2つの突出部のうちの少なくとも1つは、前記第1の細長い構造の全周に沿って延在する、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記2つの突出部は、前記長手方向軸に沿って整列している、請求項23~28のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記2つの突出部の各々は、台形、半球形、立方体形状およびピラミッド形状のうちの1つを有する、請求項23~29のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記第2の細長い構造は、金および白金のうちの1つから作製される、請求項23~30のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記第2の細長い構造は、近位端から遠位端まで長手方向に延在するスロットを備える、請求項23~31のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記放射線不透過性マーカの周りに挿入可能なチューブをさらに備える、請求項32に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記チューブは熱収縮性材料から作製される、請求項33に記載のアセンブリ。
【請求項35】
血管内の病変を処置するために広帯域パルスの機械的波動を伝達するように適合される機械的導波路構造を作製するための方法であって、
第1の長手方向軸に沿って延在する第1の細長い構造を備える機械的導波路を提供するステップを含み、前記第1の細長い構造は、機械的波動パルス発生器に動作可能に結合されており、前記機械的導波路には、前記機械的導波路の外面から突出する少なくとも2つの突出部が設けられ、前記2つの突出部は、前記第1の長手方向軸に沿って所与の距離だけ離間しており、前記機械的導波路における少なくとも一区画は、前記血管内に挿入される大きさおよび形状であり、前記方法はさらに、
放射線不透過性材料から作製され、第2の長手方向軸に沿って延在し、前記所与の距離以下である長さを有する第2の細長い構造を含む放射線不透過性マーカを提供するステップであり、前記第2の細長い構造は、前記2つの突出部の間で前記第1の細長い構造の周りに位置決めされるように中空であり、前記第2の細長い構造を前記2つの突出部の間に維持するために内寸が縮小されるように変形可能である、放射線不透過性マーカを提供するステップと、
前記第2の細長い構造を、前記2つの突出部の間で前記第1の細長い構造の周りに位置決めするステップと、
前記第2の細長い構造を、前記内寸が前記2つの突出部の横方向寸法よりも小さくなるように機械的に変形させるステップであり、結果、前記2つの突出部の間で前記放射線不透過性マーカが前記第1の細長い構造に固定され、前記機械的変形の後の前記放射線不透過性マーカの前記内寸は、前記2つの突出部の間に含まれる前記第1の細長い構造の区画の外寸よりも大きくなる、機械的に変形させるステップとを含む、方法。
【請求項36】
前記第1の細長い構造および前記第2の細長い構造は、実質的に同じ断面形状を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の細長い構造および前記第2の細長い構造は、異なる断面形状を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記第1の細長い構造は円筒形状を有し、前記第2の細長い構造は管状構造を有し、前記第2の細長い構造の内径は前記2つの突出部のうちの少なくとも1つの横方向寸法よりも小さい、請求項35または36に記載の方法。
【請求項39】
前記2つの突出部は、前記第1の細長い構造の円周の一部分に沿って延在する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記2つの突出部のうちの少なくとも1つは、前記第1の細長い構造の全周に沿って延在する、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記2つの突出部は、前記長手方向軸に沿って整列している、請求項35~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記2つの突出部の各々は、半球形、立方体形状およびピラミッド形状のうちの1つを有する、請求項35~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記放射線不透過性マーカは、金および白金のうちの1つから作製される、請求項35~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記機械的に変形させるステップは、前記第2の細長い構造を圧着するステップおよびスエージ加工するステップのうちの1つを含む、請求項35~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記第2の細長い構造が、近位端から遠位端まで長手方向に延在するスロットを含む、請求項35~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記機械的に変形するステップは、前記スロットの幅を縮小するステップを含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記スロットの前記幅を縮小する前記ステップは、前記スロットの対向する側面が互いに当接するまで行われる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記スロットの対向する両側面を共に固定するステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記放射線不透過性マーカの上に保持チューブを位置決めするステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記保持チューブは熱収縮性材料から作製され、前記方法は前記保持チューブを加熱するステップをさらに含む、請求項49に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、機械的導波路の分野に関し、より詳細には医療用途のための機械的導波路の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
低侵襲医療装置は、低侵襲医療装置の挿入前に被験者に形成する必要がある切開部が小さいため、魅力的である。いくつかの低侵襲装置は、被験者の体外に配置された機械的波動源を使用し、機械的波動は、身体内において低侵襲装置を用いて処置されるべき病変へと搬送される。これを達成するために、低侵襲装置は、機械的波動を病変まで送達するための機械的導波路または伝達部材を含む。
【0003】
しかしながら、低侵襲性装置のユーザが、病変を処置しながら機械的導波路、より具体的には機械的導波路の遠位端を視覚化できることが有益であろう。
【0004】
したがって、病変を処置するためのシステムに使用される改善された機械的導波路が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
第1の広い態様によれば、機械的波動を伝達するための装置であって、細長い形状を有し、近位端において結合される機械的波動を遠位端まで伝搬するために近位端と遠位端との間に延在する機械的導波路と、機械的導波路に対してその遠位端に隣接して固定される放射線不透過性マーカとを備える、装置が提供される。
【0006】
一実施形態では、機械的導波路は、遠位端に隣接する陥凹区画を含み、放射線不透過性マーカは、陥凹区画の少なくとも一部の上に位置決めされる。
【0007】
一実施形態では、放射線不透過性マーカは、それに沿って延在する陥凹受け入れ開口を備え、陥凹区画は、放射線不透過性マーカの陥凹受け入れ開口内に少なくとも部分的に延在する。
【0008】
一実施形態では、機械的導波路は、各々が陥凹区画に隣接する近位区画および遠位区画を備え、遠位区画は機械的導波路の遠位端を含む。
【0009】
一実施形態では、放射線不透過性マーカは、第1の端部と第2の端部との間に延在し、第1の端部は、遠位区画および近位区画のうちの1つに当接する。
【0010】
一実施形態では、第2の端部は、遠位区画および近位区画のうちのもう1つに当接する。
【0011】
一実施形態では、機械的導波路は円筒形の形状を有する。
一実施形態では、遠位区画は、陥凹区画に隣接して増加する直径を有する第1の遠位部分と、一定の直径を有し、細長い部材の遠位端まで延在する第2の遠位部分とを含み、放射線不透過性マーカの第2の端部は、遠位区画の第1の遠位部分に当接する。
【0012】
一実施形態では、近位区画は、陥凹区画に隣接して低減する直径を有する第1の近位部分と、実質的に一定の直径を有する第2の近位部分とを含み、放射線不透過性マーカの第1の端部は、近位区画の第1の近位部分に当接する。
【0013】
一実施形態では、近位区画は、直径が増大する第3の近位部分をさらに備え、第2の近位部分は、第1の近位部分と第3の近位部分との間に位置する。
【0014】
一実施形態では、放射線不透過性マーカは、陥凹区画の周りに巻かれたコイルを含む。
一実施形態では、コイルの内径は、機械的導波路の陥凹区画の直径に実質的に等しい。
【0015】
一実施形態では、コイルの内径は、機械的導波路の陥凹区画の直径より大きく、近位区画および遠位区画の最大直径よりも小さい。
【0016】
一実施形態では、コイルは、複数のループを含み、コイルの遠位端およびコイルの近位端の少なくとも1つは、複数のループのうちの隣接するループに固定される。
【0017】
一実施形態では、コイルは複数のループを含み、複数のループの少なくとも2つの隣接するループはともに固定される。
【0018】
一実施形態では、コイルは単層コイルである。
別の実施形態では、コイルは多層コイルである。
【0019】
一実施形態では、放射線不透過性マーカは、タングステン、白金、金、金合金およびドープされたポリマーのうちの1つから作製され、それらのうちの1つによってコーティングされる。
【0020】
一実施形態では、機械的導波路は、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、ニチノールおよび溶融石英のうちの1つから作製される。
【0021】
一実施形態では、チタン合金は、Ti-6Al-4VおよびTi-11.5Mo-6Zr-4.5Sn(ベータIIIチタン)のうちの1つを含む。
【0022】
一実施形態では、細長い部材の少なくとも一部は、親水性コーティングおよび疎水性コーティングのうちの1つでコーティングされる。
【0023】
一実施形態では、細長い部材の少なくとも一部はポリテトラフルオロエチレンでコーティングされる。
【0024】
第2の広い態様によれば、アセンブリであって、近位端と遠位端との間で第1の長手方向軸に沿って延在し、遠位端に隣接してその外面から突出する少なくとも2つの突出部を設けられた第1の細長い構造を備える機械的導波路であり、2つの突出部は、第1の長手方向軸に沿って所定の距離だけ離間している、機械的導波路と、放射線不透過性材料から作製され、第2の長手方向軸に沿って延在する第2の細長い構造を含む放射線不透過性マーカであり、第2の細長い構造は、2つの突出部の間で第1の細長い構造の周りに位置決めされるように中空であり、第2の細長い構造を2つの突出部の間に維持するためにその内寸が縮小されるように変形可能であり、放射線不透過性マーカの内寸は、変形されて2つの突出部の間に位置決めされると2つの突出部の間に含まれる第1の細長い構造の区画の外寸よりも大きくなる、放射線不透過性マーカとを備える、アセンブリが提供される。
【0025】
一実施形態では、第1の細長い構造および第2の細長い構造は、実質的に同じ断面形状を有する。
【0026】
一実施形態では、第1の細長い構造および第2の細長い構造は、異なる断面形状を有する。
【0027】
一実施形態では、第1の細長い構造は円筒形状を有し、第2の細長い構造は管状構造を有し、第2の細長い構造の内径は2つの突出部の少なくとも1つの横方向寸法よりも小さい。
【0028】
一実施形態では、2つの突出部は、第1の細長い構造の円周の一部分に沿って延在する。
【0029】
一実施形態では、2つの突出部のうちの少なくとも1つは、第1の細長い構造の円周全体に沿って延在する。
【0030】
一実施形態では、2つの突出部は、長手方向軸に沿って整列される。
一実施形態では、2つの突出部の各々は、台形、半球形、立方体形状およびピラミッド形状のうちの1つを有する。
【0031】
一実施形態では、第2の細長い構造は、金および白金のうちの1つから作製される。
一実施形態では、第2の細長い構造は、その近位端からその遠位端まで長手方向に延在するスロットを備える。
【0032】
一実施形態では、アセンブリは、放射線不透過性マーカの周りに挿入可能なチューブをさらに備える。
【0033】
一実施形態では、チューブは熱収縮性材料から作製される。
別の広い態様によれば、機械的導波路構造を作製するための方法であって、第1の長手方向軸に沿って延在し、その外面から突出する少なくとも2つの突出部を設けられた第1の細長い構造を備える機械的導波路を提供するステップであり、2つの突出部は、第1の長手方向軸に沿って所定の距離だけ離間している、機械的導波路を提供するステップと、放射線不透過性材料から作製され、第2の長手方向軸に沿って延在し、所与の距離以下である長さを有する第2の細長い構造を含む放射線不透過性マーカを提供するステップであり、第2の細長い構造は、2つの突出部の間で第1の細長い構造の周りに位置決めされるように中空であり、第2の細長い構造を2つの突出部の間に維持するためにその内寸が縮小されるように変形可能である、放射線不透過性マーカを提供するステップと、第2の細長い構造を、2つの突出部の間で第1の細長い構造の周りに位置決めするステップと、第2の細長い構造を、その内寸が2つの突出部の横方向寸法よりも小さくなるように機械的に変形させるステップであり、結果、2つの突出部の間で放射線不透過性マーカが第1の細長い構造に固定され、上記機械的変形の後の放射線不透過性マーカの内寸は、2つの突出部の間に含まれる第1の細長い構造の区画の外寸よりも大きくなる、機械的に変形させるステップとを含む、方法が提供される。
【0034】
一実施形態では、第1の細長い構造および第2の細長い構造は、実質的に同じ断面形状を有する。
【0035】
一実施形態では、第1の細長い構造および第2の細長い構造は、異なる断面形状を有する。
【0036】
一実施形態では、第1の細長い構造は円筒形状を有し、第2の細長い構造は管状構造を有し、第2の細長い構造の内径は2つの突出部の少なくとも1つの横方向寸法よりも小さい。
【0037】
一実施形態では、2つの突出部は、第1の細長い構造の円周の一部分に沿って延在する。
【0038】
一実施形態では、2つの突出部のうちの少なくとも1つは、第1の細長い構造の円周全体に沿って延在する。
【0039】
一実施形態では、2つの突出部は、長手方向軸に沿って整列される。
一実施形態では、2つの突出部の各々は、半球形、立方体形状およびピラミッド形状のうちの1つを有する。
【0040】
一実施形態では、放射線不透過性マーカは、金および白金のうちの1つから作製される。
【0041】
一実施形態では、上記機械的に変形させるステップは、第2の細長い構造を圧着するステップおよびスエージ加工するステップのうちの1つを含む。
【0042】
一実施形態では、第2の細長い構造は、その近位端からその遠位端まで長手方向に延在するスロットを備える。
【0043】
一実施形態では、上記機械的に変形するステップは、スロットの幅を縮小するステップを含む。
【0044】
一実施形態では、上記スロットの幅を縮小するステップは、スロットの対向する側面が互いに当接するまで行われる。
【0045】
一実施形態では、方法は、スロットの対向する両側面を共に固定するステップをさらに含む。
【0046】
一実施形態では、方法は、放射線不透過性マーカの上に保持チューブを位置決めするステップをさらに含む。
【0047】
一実施形態では、保持チューブは熱収縮性材料から作製され、方法は保持チューブを加熱するステップをさらに含む。
【0048】
本明細書の目的のために、機械的波動は、任意の振幅、持続時間、波形、周波数などを有する信号として理解されるべきである。例えば、機械的波動は、大きい/小さい振幅、短い/長い持続時間、異なる波形、および任意の周波数成分を有することができる。
【0049】
本明細書の目的のために、機械的パルスは、持続時間の短い機械的波動として理解されるべきである。機械的パルスの持続時間は1/fc程度であり、fcは機械的パルスの中心周波数であり、これは典型的には約500kHzであり、典型的には100kHzから1MHzの範囲内、またはより一般的には20kHz~5MHzの範囲内である。
【0050】
さらに、機械的導波路は、その長さに沿って機械的波動またはパルスを伝搬するように適合された導波路として理解されるべきである。本明細書において、「導波路」、「機械的導波路」および「伝達部材」という表現は互換的に使用することができる。機械的導波路に沿って機械的波動およびパルスが伝搬することができる限り、形状、寸法、材料などの特性は変化してもよい。例えば、機械的導波路は、円筒形状を有することができる。機械的導波路の直径は、その長さに沿って一定であってもよい。代替的に、導波路の直径は、例えば、テーパまたは逆のプロファイルに対応するように、その長さに沿って変化してもよい。一例では、機械的導波路は、機械的波動の伝搬速度が伝搬モードおよびその周波数成分に依存する分散導波路であってもよい。代替的に、機械的導波路は非分散型であってもよい。
【0051】
「放射線不透過性マーカ」という表現は、被験者を撮像するために使用される放射線に対して不透過性である、すなわち少なくとも部分的に放射線の伝搬を妨げる本体または装置を指す。したがって、適切な放射線を使用して被験者を撮像する間、放射線不透過性マーカが画像上に見える。放射線撮影、磁気共鳴映像法、超音波撮像、断層撮影などのいくつかの異なる医用画像技法を、被験者を撮像するために使用することができる。放射線不透過性マーカが作製される材料のような放射線不透過性マーカの特性の少なくともいくつかは、放射線不透過性マーカが、選択された医用画像技法使用して撮影された被験者の画像上に見えるように、選択される医用画像技法に応じて選択されることを理解されたい。
【0052】
図面の簡単な説明
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面と組み合わせて取り上げられる、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】従来技術による、血管内に位置する病変を処置するためのシステムを示すブロック図である。
図2】一実施形態による、一定の直径を有し、それに固定された放射線不透過性マーカを有する円筒形の機械的導波路を示すブロック図である。
図3】一実施形態による、コイル状の放射線不透過性マーカがその上に固定された伝達部材を示す図である。
図4】一実施形態による、コイル状の放射線不透過性マーカが省略されており、2つの突出部の間に位置するコイル受け入れ部分を含む、遠位端に隣接する図3の伝達部材の断面図である。
図5】コイル状の放射線不透過性マーカがその上に固定された図3の伝達部材の遠位端を示す図である。
図6】第1の実施形態による、放射線不透過性マーカを受け入れるための凹部を上に設けられた伝達部材の遠位区画を示す図である。
図7】第2の実施形態による、放射線不透過性マーカを受け入れるための凹部を上に設けられた伝達部材の遠位区画を示す図である。
図8】一実施形態による、機械的導波路と、独立した放射線不透過性マーカから形成されるアセンブリの、これら2つを共に固定する前の図である。
図9】放射線不透過性マーカが機械的導波路に固定されたときの図8のアセンブリを示す図である。
図10】一実施形態による、スロット付き管状放射線不透過性マーカを示す図である。
図11】第1の実施形態による、直径が変化する凹部およびそれに固定された放射線不透過性マーカを有する円筒形機械的導波路を示す図である。
図12】第2の実施形態による、直径が変化する凹部およびそれに固定された放射線不透過性マーカを有する円筒形機械的導波路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
添付の図面全体を通して、同様の特徴は同様の参照符号によって識別されることに留意されたい。
【0055】
発明を実施するための形態
以下では、近位端と遠位端との間に延在する細長い本体を備える機械的導波路または伝達部材が記載される。機械的導波路は、細長い本体の遠位端に隣接する位置において、細長い本体に固定された放射線不透過体をさらに備える。
【0056】
図1は、放射線不透過性マーカが設けられた本発明の機械的導波路が使用され得る例示的なコンテキストを説明するために、病変102を処置するための例示的なシステム100を示す。システム100は、機械的波動またはパルスを生成するためのパルス発生器104と、パルス発生器104によって生成された機械的波動またはパルスを病変102まで伝搬するための伝達部材106とを備える。
【0057】
一実施形態では、パルス発生器104は、大きい振幅および短い持続時間のパルスを生成するように適合される。パルス発生器104は、少なくとも1つの広帯域パルス源および/または少なくとも1つの狭帯域パルス源を備えることができる。狭帯域パルス源または広帯域パルス源は、電気機械変換器であってもよい。パルス発生器104は、生成されたパルスをその中に結合するように伝達部材106の近位端が位置する焦点ゾーンに向かって少なくとも1つのパルス源の出力を集束させる空間コンセントレータを備えることができる。
【0058】
本発明の機械的導波路のような伝達部材106は、パルス発生器104に動作可能に接続される第1の端部または近位端と、第2の端部または遠位端との間に延在する。伝達部材106は、その近位端において機械的パルスまたは波動を受け取り、機械的パルスをその遠位端まで伝搬するように適合される。遠位端に達すると、機械的パルスは、その周囲の媒体に少なくとも部分的に送信されて、伝達部材106の外側に伝搬する伝達パルスを生成する。パルスの一部はまた、遠位端によって反射され得、その近位端に向かって伝達部材106内に伝搬することが理解されるべきである。伝達された機械的パルスは、伝達部材106の遠位端を取り囲む媒体内で病変102まで伝搬する機械的パルスに対応する。伝達パルスはさらに病変102内に伝搬し、病変102内に亀裂を生じさせ、最終的に病変102を裂開または破壊して破片にする。
【0059】
伝達部材106の遠位端が病変102に当接する実施形態では、伝達部材106は、病変102を破壊し、および/または病変102に穴を開けるためにさらに使用することができる。伝達部材106の遠位端における機械的パルスの伝達は、伝達部材106の遠位端を運動させる。この運動は、伝達部材106の長手方向軸に沿ったものであり得る。代替的に、運動は、長手方向軸に垂直であってもよく、または、伝達部材の長手方向軸に沿った運動と、伝達部材の長手方向軸に垂直な運動の両方の組み合わせであってもよい。この運動の間、伝達部材106の遠位端は、名目上最初に病変102に向かって運動し、その後、その初期位置に戻る。伝達部材106の遠位端に到達する機械的パルスの極性に応じて、運動が反転されてもよい(すなわち、遠位端が最初に病変102から外方に運動し、その後、病変102に向かって運動してもよい)ことを理解されたい。複数の別個の機械的パルスが伝達部材106の遠位端において連続的に伝達されるとき、遠位端の運動は、病変102を処置するために使用され得るジャックハンマー運動として見ることができる。
【0060】
医療処置中に病変102を視覚化するために、通常、医用画像が使用される。伝達部材は、X線画像上で処置されるべき病変2に対して機械的導波路の遠位端を位置特定するために、機械的導波路の遠位端に隣接して固定される、後述するような放射線不透過性マーカを含む。
【0061】
一実施形態では、放射線不透過性マーカを備えた機械的導波路または伝達部材は、血管閉塞を処置するために、すなわち血管内に存在する閉塞を横切るために使用され得る。この場合、伝達部材の少なくとも一区画は、その遠位端が閉塞に隣接するように、被験者の血管内に位置決めされる。例えば、伝達部材の遠位端は、閉塞と物理的に接触していてもよい。機械的パルスが伝達部材の遠位端に到達すると、遠位端は閉塞に衝突し、機械的パルスを閉塞自体に伝達する。伝達部材の遠位端が閉塞と物理的に接触していない場合、機械的パルスは、例えば、血液、生理食塩水、造影液などの、閉塞と遠位端との間に存在する媒体内に伝達され、伝達された機械的パルスは、閉塞まで伝搬することができる。機械的パルスは、閉塞の裂開、侵食劈開、掘削および/または破壊を可能にし、さらに、遠位端が血管内でより遠くに運動するときに伝達部材の遠位端が閉塞を横切ることを可能にする。
【0062】
図2は、機械的波動および/またはパルスを伝搬するように適合された細長い本体の形状の機械的導波路152を備える機械的導波路アセンブリ150の一実施形態を示す。機械的導波路152は、近位端154と遠位端156との間を長手方向に延在し、円筒形状を有する。機械的導波路152の遠位端154は機械的波動またはパルスを受け取るように適合され、機械的波動またはパルスはその後、機械的導波路152に沿ってその遠位端156まで伝搬される。図示の実施形態では、機械的導波路152の直径は、近位端154と遠位端156との間のその長さに沿って一定である。
【0063】
機械的導波路アセンブリ150は、管状または環状の形状を有し、機械的導波路の遠位端156に隣接して機械的導波路152に取り付けられた放射線不透過性マーカ158をさらに備える。放射線不透過性マーカ158は、機械的導波路152の近位端154に面する近位端160と機械的導波路152の遠位端156に面する遠位端162との間を長手方向に延在する。
【0064】
放射線不透過性マーカ158は、機械的導波路152が患者の体内に挿入され、患者の画像が撮影されている間に、機械的導波路152の遠位端156の位置特定を可能にする。このようなマーカは、例えば、閉塞に対して機械的導波路152の遠位端156を視覚化することを可能にする。マーカ158の位置は、機械的導波路152の遠位端156の位置に対して既知であるため、マーカ158を視覚化することにより、ユーザは、機械的導波路152の遠位端156の位置を知る、または、判定することができる。
【0065】
例えば、被験者を撮像するためにX線が使用される場合、マーカ158は、そこを通るX線の伝搬を阻止または制限することによって、X線画像上で見えるように選択される。この場合、マーカ158は、タングステン、白金、金、金合金、ドープされたポリマーなどのような緻密な材料から作製され得るか、またはその材料でコーティングされ得る。
【0066】
放射線不透過性マーカ158を機械的導波路152に固定するための任意の適切な方法を使用することができることを理解されたい。例えば、接着剤が使用されてもよい。別の例では、放射線不透過性マーカ158は機械的導波路152に溶接されてもよい。さらなる実施例では、以下に説明するように、機械的導波路152から突出した突出部または機械的導波路152内に形成された凹部を使用して、機械的導波路152に固定された放射線不透過性マーカを保持することができる。
【0067】
一実施形態では、機械的導波路152は、ステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンもしくはTi-6Al-4VもしくはTi-11.5Mo-6Zr-4.5Sn(ベータIIIチタン)のようなチタン合金、ニチノール、石英ガラス等のような、機械的波動の減衰を最小限にするように適合された材料から作製することができる。
一実施形態では、アニーリングなどの熱処理を、機械的導波路152の少なくとも一部分に適用することができる。
【0068】
機械的導波路152の円周全体に沿って延在している間に、放射線不透過性マーカ158は、機械的導波路152の円周の一区画のみに沿って延在することができる。放射線不透過性マーカ158は、機械的導波路152に動かないように固定されてもよい。代替的に、放射線不透過性マーカ158は、機械的導波路152に可動に固定されてもよい。例えば、放射線不透過性マーカ158は、単一の自由度を有することができる。例えば、機械的導波路152に固定されたとき、放射線不透過性マーカ158は、機械的導波路152の長手方向軸に沿った並進、または、横軸、すなわち、長手方向軸に直交する軸に沿った並進のような任意の他の運動をしないようにしながら、機械的導波路152の長手方向軸を中心として機械的導波路152の周りを回転することができる。
【0069】
図示された実施形態では、放射線不透過性マーカ158の遠位端162は、機械的導波路152の遠位端156から所定の距離に配置されているが、放射線不透過性マーカ158の遠位端162および遠位端機械的導波路152の遠位端156は同一平面上にあってもよい。
【0070】
図示の実施形態では、放射線不透過性マーカ158の内径は、機械的導波路152の外径に実質的に対応するが、放射線不透過性マーカ158の内径は、機械的導波路の外径より大きくてもよいことは理解されたい。この場合、たとえば放射線不透過性マーカ158を機械的導波路152に固定するためにねじを使用することができる。
【0071】
以下で説明するように、放射線不透過性マーカ158の形状、サイズおよび位置は、機械的導波路の遠位端156に隣接して機械的導波路152に固定され得る限り、変化してもよい。
【0072】
機械的導波路152は、その長さに沿って一定の直径を有するが、他の構成も可能であることを理解されたい。例えば、機械的導波路は、機械的導波路がそれに沿って陥凹区画に隣接する2つの区画の直径よりも小さい直径を有する陥凹区画を含むことができる。放射線不透過性マーカは、機械的導波路の陥凹区画の上に取り付けることができる。別の例では、機械的導波路は、所与の距離だけ離間した少なくとも2つのバンプまたは突出部、すなわち、近位突出部および遠位突出部を備えることができる。2つの突出部の間に含まれる機械的導波路の部分は、2つの突出部に対する陥凹区画として見ることができる。すなわち、2つの突出部の間に含まれる部分の直径は各突出部の最大直径より小さく、同時に、存在する場合は、残りの機械的導波路、すなわち、近位突出部の近位にある機械的導波路の区画および遠位突出部が遠位にある機械的導波路の区画の直径に等しくしてもよく、より大きくてもよく、または小さくてもよい。機械的導波路が陥凹区画を含む例では、陥凹区画の直径はそれに沿って一定であってもよい。別の例では、陥凹区画の直径はそれに沿って変化してもよい。
【0073】
機械的導波路152は円形断面を有するが、機械的導波路の断面は、楕円形、正方形、長方形などの他の適切な形状を有してもよいことを理解されたい。この場合、機械的導波路の横方向寸法、すなわちその長手方向軸に直交する方向の機械的導波路の寸法は、機械的導波路の長さにわたって一定であってもよい。別の例では、機械的導波路の横方向寸法は変化してもよく、機械的導波路は、その遠位端に隣接する陥凹区画を含んでもよい。このとき、マーカは、機械的導波路の陥凹区画の上に位置決めすることができる。陥凹区画は、機械的導波路の所与の長さに沿って長手方向に延在し、機械的導波路の近位区画と遠位区画との間に含まれる。遠位区画は、機械的導波路の陥凹区画と遠位端との間に延在する。近位区画は、陥凹区画に隣接し、陥凹区画から機械的導波路の近位端に向かって延在する。陥陥凹区画の横方向寸法は、近位部分および遠位部分の横方向寸法よりも小さく、すなわち、陥陥凹区画の断面の表面積は、凹部を形成するように、遠位区画の断面の表面積および近位区画の断面の表面積よりも小さい。
【0074】
近位区画の最大横方向寸法は、マーカが近位区画上を通過できないように、マーカの近位端の内部横方向寸法よりも大きいことを理解されたい。同様に、遠位区画の最大横方向寸法は、マーカが遠位区画上を通過できないように、マーカの遠位端の内部横方向寸法よりも大きいことを理解されたい。
【0075】
一実施形態では、陥凹区画の断面の表面積は、陥凹区画に沿って一定である。別の実施形態では、陥凹区画の断面の表面積は、陥凹区画の最大断面表面積が遠位区画の最大断面表面積および近位区画の最大断面表面積未満である限り、陥凹区画に沿って変化してもよい。
【0076】
同様に、陥凹区画に隣接する遠位区画および/または近位区画の断面表面積は、陥凹区画の最大断面表面積が遠位区画の最大断面表面積および近位区画の最大断面表面積未満である限り、それに沿って変化してもよい。例えば、円筒形の近位区画は、3つの部分、すなわち、増加する直径を有する第1の部分または近位部分、減少する直径を有する第2の区画または遠位区画、および、一定の直径を有し、第1の部分と第2の部分との間に含まれる第3の部分または中間部分を含むことができる。
【0077】
図3は、単列コイルまたは単層コイルの形状を有するコイル状マーカ202を備えた円筒形伝達部材200の一実施形態を示す。伝達部材200は、第1の区画204と、その間にテーパ状移行部を有する第2の区画206とを備える。第1の区画204の直径は、第2の区画206の直径よりも大きい。第1の区画204の近位端208は、そこから機械的パルスを受け取るために機械的パルス源に接続可能であり、図3に示すものとは異なる形状を有してもよい。機械的パルスは、テーパ状区画に伝搬する前に、その近位端208から遠位端214まで第1の区画204に沿って伝搬する。第2の区画206の近位端212は、テーパ状部分から機械的パルスを受け取り、機械的パルスは、第2の区画206の遠位端214まで伝搬する。
【0078】
第2の区画206は、伝達部材200の遠位端214から延在する遠位区画218と、近位区画216と、これらの間の陥凹区画217とを含む。陥凹区画217の直径は、近位区画216および遠位区画218の直径よりも小さく、その結果、区画216および218は、陥凹区画217に対する突出部またはバルブに見える。区画216および218は各々、伝達部材200の全周に沿って、伝達部材200から半径方向外向きに突出している。
【0079】
図4に示すように、近位区画216は、3つの部分、すなわち、第1の部分または近位部分220、第2の部分または遠位部分222および第3の部分または中間部分224を含む。近位部分220は、陥凹区画217の方向において、それに沿って直径が大きくなるテーパ状部分である。中間部分224は、それに沿って実質的に一定の直径を有する。遠位部分222は、陥凹区画217の方向において直径が小さくなるテーパ状部分である。
【0080】
遠位区画218は、2つの部分、すなわち、第1の部分または近位部分230および第2の部分または遠位部分232を含む。近位部分230は、遠位端214の方向に沿って直径が大きくなるテーパ状部分であり、遠位部分232は、実質的に一定の直径を有する。
【0081】
図示の実施形態では、それに沿って実質的に一定であるが、陥凹区画217の最大直径が近位区画216の最大直径および遠位区画218の最大直径よりも小さい限り、陥凹区画217の直径は変化してもよいことは理解されたい。
【0082】
図3に示すように、コイル状マーカ202は、近位区画216と遠位区画218との間で陥凹区画206の上に巻かれている。マーカ202は、近位端240と遠位端242との間に延在している。マーカ202の長さおよび内径は、陥陥凹区画217の上に位置決めされたとき、マーカ202の近位端240が近位区画216に当接するように、すなわち、テーパ状部分222の壁に当接するように、かつ、遠位端242が遠位区画218に当接するように、すなわちテーパ状部分230の壁に当接するように選択される。マーカ202の端部240および242がテーパ状部分222,230に当接する結果として、コイル状マーカ202は伝達部材200に固定され、伝達部材200に対して固定された位置を有する。すなわち、マーカ202は、それに固定された伝達部材200に沿って並進することができない。マーカ202は、固定されると、伝達部材200の長手方向軸を中心として、伝達部材200に対して回転することができることを理解されたい。
【0083】
一実施形態では、コイル状マーカ202の内径は、陥凹区画206の直径と実質的に等しい。別の実施形態では、コイル状マーカ202の内径は、陥凹区画206の直径よりも大きく、同時に、近位区画216および遠位区画218の最大直径よりも小さく、結果、コイル状マーカ202は、伝達部材200に対して回転可能であると同時に、近位区画216および遠位区画218との間に保持される。
【0084】
一実施形態では、マーカ202の長さおよび内径は、コイル状マーカ202が伝達部材200に可動に固定されるように、すなわちコイル状マーカ202が伝達部材200に沿って近位区画216と遠位区画218との間で並進することができ、伝達部材200の長手方向軸を中心として回転することができるように、選択される。例えば、陥凹区画217の長さに以下の長さおよび陥凹区画217の直径よりも大きい内径を有する場合、マーカ202は伝達部材に可動に固定することができ、近位区画216と遠位区画218との間で伝達部材200の遠位端の一区画に沿って並進することができる。
【0085】
図示の実施形態では、近位区画216の中央部分224の直径は、遠位区画218の部分232の直径と等しいが、マーカ202の最大内径が、近位区画216および遠位区画218の最大直径よりも小さい限り、他の構成も可能であり得ることは理解されたい。同様に、陥凹区画217の直径は、近位区画216と近位端212との間に位置する伝達部材200の区画234の直径と実質的に等しい。例えば、陥凹区画217の直径は、区画234の直径より小さくてもよい。別の実施形態では、陥凹区画217の直径は、近位区画216および遠位区画218の最大直径よりも小さい限り、区画234の直径よりも大きくてもよい。
【0086】
2つ以上のマーカが陥凹区画217上に位置決めされてもよいことを理解されたい。例えば、2つのマーカが、陥凹区画217の長さに沿って並んで位置決めされてもよい。
【0087】
伝達部材200は、伝達部材200の遠位区画206に沿った異なる位置において2つ以上のコイル状マーカを伝達部材200に固定するために、2つ以上の陥凹区画を備えることができることを理解されたい。一実施形態では、異なる陥凹区画および異なるマーカは、異なる直径および/または異なる長さのような異なる寸法を有することができる。
【0088】
一実施形態では、コイル状マーカ202は、近位区画216と遠位区画218との間に含まれる陥凹区画206の少なくとも一部分の周りでその上にコイル状に巻き付けられた放射線不透過性ワイヤを含む。放射線不透過性ワイヤは、タングステン、白金、金、金合金、ドープされたポリマーなどのような放射線不透過性材料から作製され得るか、またはその材料でコーティングされ得る。
【0089】
一実施形態では、コイル状マーカ202は、近位区画216に隣接する近位ループと遠位区画218に隣接する遠位ループとの間に延在する所定の数のループを含む。図5に示すように、遠位ループ242の端部240、すなわちコイル202を形成するワイヤの遠位自由端240は、遠位ループ242に隣接する最後から2番目のループ244に固定されてもよい。例えば、遠位ループ242の自由端240は、最後から2番目のループ244にスポット溶接することができる。同様に、近位ループの自由端(すなわち、最初のループ)を第2のループに固定することができる。遠位ループおよび近位ループの自由端を固定することによって、使用中にコイルが解けるのを防止し、コイルの縁部を平滑化することが可能であり、それによって、伝達部材200を被験者の体内に挿入している間に血管の解剖学的構造を保護する。近位ループおよび遠位ループ以外のループも隣接するループに固定されてもよいことを理解されたい。
【0090】
近位区画216および遠位区画218の形状および寸法は、マーカ202を伝達部材200に固定するようにそれらの間のマーカ202の位置を維持することができる限り、変化し得ることを理解されたい。例示された実施形態では、突出部216は、3つの部分、すなわち、増加する直径を有する近位部分220、減少する直径を有する遠位部分222、および近位部分220と遠位部分222との間に位置し、一定の直径を有する中間または中央部分224を含む。近位部分220内で、近位区画216の直径は、その長さに沿って伝達部材200の区画234の直径から突出部216の最大直径まで増加する。中央部分224の直径は、その長さに沿って実質的に一定であり、近位区画216の最大直径に対応する。遠位部分222内で、突出部216の直径は、その長さに沿って突出部216の最大直径から陥凹区画217の直径まで減少する。近位部分220および遠位部分222の勾配は直線的であるが、他の構成も可能であり得ることを理解されたい。例えば、近位区画および遠位区画の勾配は湾曲していてもよく、または、急激、すなわち段状であってもよい。
【0091】
図示の実施形態では、遠位区画218は、2つの部分、すなわち、増加する直径を有する近位部分230、および、伝達部材200の陥凹区画217と遠位端214との間に位置する遠位部分232を含む。近位部分230内で、遠位区画218の直径は、陥凹区画217の直径から遠位区画218の最大直径まで増大する。遠位部分232内の伝達部材200の直径は、実質的に一定であり、遠位区画218の最大直径に対応する。
【0092】
図示の実施形態では、近位区画216の近位部分220は、遠位区画218の近位部分230と実質的に同一であり、近位区画216の中央部分224は遠位区画218の中央部分232と実質的に同一であるが、他の構成も可能であり得ることは理解されたい。例えば、近位区画216の最大直径は、遠位区画218の最大直径より大きくても小さくてもよい。
【0093】
一実施形態では、伝達部材200の区画204の直径は実質的に0.33mmに等しく、陥凹区画217の直径は実質的に0.404mmに等しい。近位区画216および遠位区画218の最大直径は、実質的に0.432mmに等しい。近位区画216の近位部分220、中間部分224および遠位部分222の長さは各々、0.5mmに実質的に等しい。遠位区画218の近位部分230および遠位部分232の長さは各々、0.5mmに実質的に等しく、結果、マーカ202の遠位端は、伝達部材200の端部214から約1mmのところに位置決めされる。マーカ202の長さは実質的に10mmに等しい。
【0094】
一実施形態では、伝達部材200の区画204の直径は実質的に0.43mmに等しく、陥凹区画217の直径は実質的に0.22mmに等しい。近位区画216および遠位区画218の最大直径は、実質的に0.28mmに等しい。近位区画216の近位部分220、中間部分224および遠位部分222の長さは各々、0.5mmに実質的に等しい。遠位区画218の近位部分230および遠位部分232の長さは各々、0.5mmに実質的に等しく、結果、マーカ202の遠位端は、伝達部材200の端部214から約1mmのところに位置決めされる。マーカ202の長さは実質的に10mmに等しい。
【0095】
図示された実施形態では、近位区画216および遠位区画218は、伝達部材の区画234に対して突出部に見えるが、他の構成も可能であり得ることを理解されたい。例えば、図6は、陥凹区画217’を含む伝達部材200’の一実施形態を示す。伝達部材は、陥凹区画217’に隣接し、伝達部材200’の陥凹区画217’と近位端208’との間に位置する近位区画216’を含む。伝達部材は、陥凹区画217’に隣接し、伝達部材200’の陥凹区画217’と遠位端214’との間に位置する遠位区画218’を含む。伝達部材200’は、近位区画216’と近位端208’との間に位置する区画234’をさらに含む。この実施形態では、近位区画216’は、近位部分220などの近位部分を含まず、一定直径の中央部分224’および直径が減少する遠位部分222’のみを含む。近位区画216’の最大直径は、区画234’の直径と同一の部分224’の直径に対応する。遠位区画218’は、直径が増加する近位部分230’および直径が一定の遠位部分232’を含む。遠位区画218’の最大直径は、区画234’の直径と同一の部分遠位部分232’の直径に対応する。その結果、伝達部材200’は、すべて伝達部材200’の他の区画の直径よりも小さい直径を有する陥凹区画217’、近位区画216’の遠位部分222’および遠位区画218’の近位部分230’を除いて、その長さに沿って一定の直径を有するように見える。
【0096】
遠位区画218’の遠位部分232’の直径は、近位区画216’の部分224’および区画234’の直径と等しいが、他の構成も可能であり得ることを理解されたい。例えば、遠位区画218’の遠位部分232’の直径は、近位区画216’の部分224’および区画234’の直径よりも大きくてもよい。
【0097】
一実施形態では、直径が減少する部分222,222’および直径が増加する部分230,230’は、伝達部材200,200’に沿って伝搬する機械的波動またはパルスの伝搬損失を低減することを可能にする。
【0098】
図4および図6は、直径が減少する部分222,222’を有する近位区画216,216’および直径が増大する部分230,230’を有する遠位区画218,218’を示しているが、他の構成も可能であることが理解されるべきである。例えば、図7は、近位端304と遠位端306との間に延在する細長い本体302を含む伝達部材300を示す。細長い本体302は、遠位端306に隣接する陥凹区画317と、陥凹区画317に隣接し、陥凹区画317と近位端304との間に位置する近位区画316と、陥凹区画317に隣接し、陥凹区画317と遠位端306との間に位置する遠位区画318とを含む。
【0099】
この実施形態では、近位区画316は、陥凹区画317の直径より大きく、陥凹区画317の上に挿入されるマーカの近位端の内径よりも大きい直径を有する単一の部分を備える。遠位区画318は、同じく陥凹区画317の直径より大きく、陥凹区画317の上に挿入されるマーカの近位端の内径よりもさらに大きい直径を有する単一の部分を備える。遠位区画318の直径は、近位区画316の直径よりも大きいが、他の構成も可能であり得ることを理解されたい。
【0100】
一実施形態では、伝達部材200はTi-11.5Mo-6Zr-4.5Sn(ベータIIIチタン)から作製され、伝達部材の区画204の少なくとも一部はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)でコーティングされ、一方、伝達部材200の区画206の少なくとも一部分は、解剖学的構造を通じた運動を可能にし、装置が伝達部材200の上を容易にスライドすることを可能にするために、親水性材料または疎水性材料でコーティングされてもよい。一実施形態では、伝達部材200の遠位区画206はコーティングを有していなくてもよい。マーカはまた、任意の適切なコーティングまたはコーティングの組み合わせでコーティングされてもよいことを理解されたい。
【0101】
凹部217は伝達部材200の全周に沿って延在しているが、凹部217は伝達部材200の円周の一区画のみに沿って延在していてもよいことを理解されたい。
【0102】
一実施形態では、遠位区画218の増大した直径は、増大した穿孔直径を提供すること、および、マーカ202の位置を維持することという少なくとも2つの機能を提供する。
【0103】
図3図7は、円形の断面を有する伝達部材を参照しているが、他の構成も可能であることを理解されたい。例えば、伝達部材は、近位端と遠位端との間に延在し、正方形または長方形の断面を有する細長い部材からなっていてもよい。
【0104】
図3は、コイル形状を有するマーカ202を参照しているが、マーカが陥凹区画217の上に装着可能な細長い中空体からなり、細長い中空体によって形成される内部空洞の遠位端および近位端が、その隣接する近位区画および遠位区画のものよりも小さい横方向寸法または断面寸法を有する限り、マーカ202に他の形状を与えてもよい。例えば、マーカ202は、管状形状を有してもよく、伝達部材200を取り囲んでもよい。一実施形態では、管状マーカ202は、管状マーカ202を伝達部材200の周りに位置決めするために、その長さに沿って開口を有することができる。管状マーカ202もまた、伝達部材200の上に成形またはねじ止めすることができる。管状マーカが開口を含まない場合、管状マーカ202は、突出部218が形成される前に伝達部材の周りに挿入されてもよい。例えば、突出部218は、その後、溶接、鍛造などを使用して作製することができる。
【0105】
別の例では、マーカは、その全長にわたって延在する開口を画定する細長い本体から構成されてもよい。開口は、その中に伝達部材の陥凹区画の少なくとも一部分を受け入れるための大きさおよび形状である。開口の断面は、開口の少なくとも1つの横方向寸法または断面寸法が陥凹区画に隣接する遠位区画および近位区画の横方向寸法よりも小さい限り、円形、正方形、長方形などの任意の適切な形状を有してもよい。例えば、開口の遠位端および近位端の横方向寸法がそれぞれ遠位区画および近位区画の横方向寸法よりも小さい限り、開口の横方向寸法は、マーカの長さに沿って変化してもよい。
【0106】
マーカ202がコイル形状を有する実施形態では、マーカ202と伝達部材200との間の接触面積は、例えば、マーカ202が管状である構成に対して低減することができる。その結果、コイル状マーカ202を使用した場合、機械的パルスの伝搬損失を低減することができる。
【0107】
別の実施形態では、マーカ202は、スリーブの長さが増加するにつれて内径が減少する編組スリーブを含むことができる。
【0108】
マーカ202がコイル形状を有する実施形態では、マーカ202は、その機械的完全性を改善するために、伝達部材200に動かないように固定することができる。例えば、コイル状マーカ202を伝達部材200に固定するために、接着、はんだ付け、溶接などを用いてもよい。
【0109】
一実施形態では、伝達部材200は、近位端208から遠位端214まで機械的波動またはパルスを伝達することができる合金から作製される。遠位区画206は、近位区画204よりも可撓性であってもよい。遠位区画206の可撓性は、伝達部材200の直径の低減および/または適切な材料の選択によって達成され得る。直径の低減は、遠位区画206のための増大した柔軟性を得るために、単一のテーパまたは一連のテーパを使用して達成することができる。近位区画216および遠位区画218の長さおよび/または直径は、近位区画216および遠位区画218が遠位区画206の柔軟性を著しく低下させないように選択される。一実施形態では、遠位区画206の可撓性は、その断面の一方向においてのみ増加され得る。これは、可撓性の増大が所望される遠位区画206の断面の方向のみにおける寸法の減少を介して達成することができる。
【0110】
コイル状マーカ202は単一の列/層を含むが、他の構成も可能であることを理解されたい。例えば、マーカ202は、連続ワイヤから作製され、陥凹区画217の周りに交互の方向に巻かれた少なくとも2つの列または層のコイルを含むことができる。この場合、コイルの両方の自由端は、マーカ202の同じ端部に配置され、それらをともに溶接してコイルを閉じることができる。別の例では、コイルは、陥凹区画の周りに第1の端部から第2の端部まで巻かれた連続ワイヤから作製することができ、第2の端部で最後のループを形成した後、連続ワイヤは、連続ワイヤの2つの自由端が位置する第1の端部まで、連続ワイヤをコイルの下に挿入することができる。コイルの第1の端部に位置する2つの自由端は、共に固定することができる。別の例では、マーカ202は、その長さに沿って異なるピッチ角を有するコイルを含むことができる。さらなる例では、コイルは、機械的導波路の陥凹区画の周りに第1の端部から第2の端部まで巻かれた連続的なワイヤから作製されてもよい。第2の端部において最後のループを形成した後、連続ワイヤは、既存のコイルの上または既存のコイルの内に、連続ワイヤの2つの自由端が位置する第1の端部に巻き戻される。コイルの第1の端部に位置する2つの自由端は、その後、共に固定することができる。この場合、Uターンが第2の端部において実施され、結果、ワイヤがその後、第2の端部から第1の端部へ機械的導波路の周りに巻き付けられる。
【0111】
機械的波動またはパルスが伝達部材200に沿って伝搬するとき、何らかの機械的エネルギーが伝達部材200から周囲の媒体に漏れることがある。一実施形態では、伝達部材200と周囲の媒体との間に位置するマーカ202が、周囲の媒体に漏れる機械的エネルギーを防止または最小限に抑えることができる。
【0112】
一実施形態では、マーカ202の材料、サイズおよび形状は、マーカ202が伝達部材の遠位先端を成形するのに十分なほど柔軟であるように選択される。
【0113】
上述の機械的導波路200および300は、機械的導波路200および330の全周に沿って延在する突出部216,218および318を含むが、図8に示すように他の構成も可能である。
【0114】
図8は、伝達部材または機械的導波路400および放射線不透過性マーカ404から形成された機械的導波路アセンブリの一実施形態を示す。図8では、機械的導波路400に固定される前の放射線不透過性マーカ404が図示されており、それゆえ、機械的導波路400から独立して分離されている。図9は、機械的導波路400に固定されたときの放射線不透過性マーカ404を示す。
【0115】
機械的導波路400は、局所的な外側横方向寸法h3、すなわちこの実施形態では局所的外径h3を有する円筒形または管状の形状を有し、近位端と遠位端との間で長手方向軸に沿って延在する。機械的導波路400が機械的波動を伝搬するために使用される場合、機械的導波路400の少なくとも一区画は、機械的波動を病変まで伝搬させるために、その遠位端が処置されるべき病変に隣接して位置決めされるように、被験者の血管内のように、被験者内に挿入されるように適合される。
【0116】
機械的導波路400の外面には、そこから半径方向外向きに突出する少なくとも2つの突出部またはバンプ402および403が設けられている。2つのバンプ402および403は、長手方向軸に沿って距離L1だけ離間している。図示の実施形態では、バンプ402および403は各々、半球形状を有する。
【0117】
第1のバンプ402の横方向寸法、すなわちバンプ402の頂点と機械的導波路400の対向面との間の、長手方向軸に直交する横軸に沿った距離をh1と定義する。同様に、第2のバンプ403の横方向寸法、すなわちバンプ403の頂点と機械的導波路400の対向面との間の、長手方向軸に直交する横軸に沿った距離をh2と定義する。
【0118】
機械的導波路400の長手方向軸に沿ったバンプ402および403の位置は変化し得ることを理解されたい。一実施形態では、バンプ403は、機械的導波路400の遠位端に隣接して配置される。
【0119】
上述したように、アセンブリは、管状形状を有する放射線不透過性マーカ404をさらに備える。放射線不透過性マーカ404は、長手方向軸に沿って直線的に延在する。放射線不透過性マーカ404には、内部横方向寸法h4、すなわち、図示の実施形態における内径h4、外部横方向寸法h5、すなわち図示の実施形態における外径h5、および長さL2が与えられている。
【0120】
機械的導波路400が放射線不透過性マーカ404に挿入されるように、放射線不透過性マーカの内径または内側直径h4は、それぞれ第1のバンプ402および第2のバンプ403の横方向寸法h1およびh2より大きくなるように選択される。放射線不透過性マーカ404の長さL2は、2つのバンプ402と403との間の距離L1よりも小さくなるように選択される。
【0121】
放射線不透過性マーカ404は、放射線不透過性材料から作製され、放射線不透過性マーカ404の厚さおよび材料は、放射線不透過性マーカ404が延性または変形可能であるように選択される。
【0122】
機械的導波路400上に放射線不透過性マーカ404を固定するために、放射線不透過性マーカ404は機械的導波路400の周りに挿入され、バンプ402と403との間に位置するまで機械的導波路400の長手軸に沿ってスライドされる。適所に配置されると、放射線不透過性マーカ404は、その外面から圧着またはスエージ加工によって機械的に変形されて、その内寸h4が横方向寸法h1およびh2未満の値に縮小される。その結果、変形された放射線不透過性マーカ404は、図9に示すように機械的導波路400に固定される。放射線不透過性マーカ404の最終的な内寸h4は第1のバンプ402の横方向寸法h1よりも小さいため、放射線不透過性マーカ404は第1のバンプ402上を通過することができない。同様に、放射線不透過性マーカ404の最終的な内寸h4は第2のバンプ403の横方向寸法h2よりも小さいため、放射線不透過性マーカ404は第2のバンプ403上を通過することができない。その結果、2つのバンプ402と403との間に放射線不透過性マーカ404が維持される。
【0123】
一実施形態では、放射線不透過性マーカ404の長さL2は、放射線不透過性マーカ404が機械的導波路400に固定されているときに、放射線不透過性マーカ404の近位端が第1のバンプ402の遠位面に当接し、放射線不透過性マーカ404の遠位端が、第2のバンプ403の近位面に当接するように選択される。この場合、放射線不透過性マーカ404は、2つのバンプ402と403との間に一旦固定されると、機械的導波路400に沿ってスライドまたは並進することができない。
【0124】
別の実施形態では、放射線不透過性マーカ404の長さL2は、機械的導波路400に固定されたときに放射線不透過性マーカ404が2つのバンプ402および403の間でスライドするように、すなわち、機械的導波路400に固定されたときに放射線不透過性マーカ404がバンプ402および403の両方に当接しないように、選択される。この場合、機械的導波路400と放射線不透過性マーカ404との間の接触は最小であり、したがって、機械的導波路400と放射線不透過性マーカ404との間の機械的エネルギー漏れが防止される。
【0125】
一実施形態では、機械的導波路400に一旦固定された放射線不透過性マーカの最終的な内寸h4は、機械的導波路400に対する放射線不透過性マーカ404の横方向運動が可能でないように、機械的導波路400の直径h3に実質的に等しい。
【0126】
別の実施形態では、放射線不透過性マーカ404の最終的な内寸h4は、機械的導波路400の直径h3よりも大きく、それによって、機械的導波路400に対する放射線不透過性マーカ404の横方向運動が可能である。この場合、機械的導波路400と放射線不透過性マーカ404との間の接触は最小であり、したがって、機械的導波路400と放射線不透過性マーカ404との間の機械的エネルギー漏れが防止される。
【0127】
図示された実施形態では、バンプ402および403は各々半球形状を有するが、任意の他の適切な形状がバンプに与えられてもよいことを理解されたい。例えば、バンプ402および403は、台形、ピラミッド形状または立方体形状を有することができる。また、バンプ402と403とは異なる形状を与えてもよいことも理解されたい。
【0128】
図示の実施形態では、バンプ402および403は、機械的導波路400の円周に沿って同じ角度位置に配置されているが、他の構成も可能であることを理解されたい。例えば、バンプ402および403は、機械的導波路400の反対側から突出していてもよい。
【0129】
図示された実施形態では、バンプ402および403は各々、機械的導波路400の円周の一部分に沿って延在するが、少なくとも1つのバンプ402,403が機械的導波路400の全周に沿って延在し、それによってリングを形成してもよいことは理解されたい。この場合、バンプの横方向寸法は、リングの外径に対応する。
【0130】
一実施形態では、放射線不透過性マーカ404は、医用画像上での良好な視認性および製造可能性を保証するために、十分に放射線不透過性で延性のある材料から作製される。例えば、放射線不透過性マーカ404は、金または白金から作製することができる。
【0131】
図示された実施形態では、機械的導波路400および放射線不透過性マーカ404は円筒形または管状の形状を有するが、機械的導波路400および放射線不透過性マーカ404は異なる幾何学的形状を有してもよいことを理解されたい。例えば、機械的導波路400および放射線不透過性マーカは各々、実質的に長方形または正方形の断面形状を有してもよい。
【0132】
図示された実施形態では、機械的導波路400およびマーカ404は各々、実質的に同じ形状、すなわち円筒形または管状の形状を有するが、他の構成も可能であることを理解されたい。例えば、機械的導波路400は、円筒形状を有してもよく、一方で、放射線不透過性マーカ404は、長方形または正方形の断面形状を有してもよい。
【0133】
機械的導波路400に固定する前の放射線不透過性マーカ404の形状および内寸は、放射線不透過性マーカ404が機械的導波路400の周りで少なくとも1つのバンプ402,403の上に挿入されて、バンプ402とバンプ403との間に位置決めされ得る限り、変化してもよいことを理解されたい。例えば、放射線不透過性マーカ404の内寸は、第2のバンプ403の横方向寸法よりも大きく、第1のバンプ402の横方向寸法よりも小さくてもよい。この場合、放射線不透過性マーカ404は、機械的導波路400の周りにその遠位端から挿入され、第2のバンプ403上をスライドして、2つのバンプ402と403との間に位置決めされる。別の例において、放射線不透過性マーカ404の内寸は、第1のバンプ402の横方向寸法よりも大きく、第2のバンプ403の横方向寸法よりも小さくてもよい。この場合、放射線不透過性マーカ404は、機械的導波路400の周りにその近位端から挿入され、第1のバンプ402上をスライドして、2つのバンプ402と403との間に位置決めされる。さらなる例では、放射線不透過性マーカ404の内寸は、上述したように第1のバンプ402と第2のバンプ403の両方の横方向寸法より大きくてもよい。
【0134】
また、2つのバンプの間にいったん位置決めされた放射線不透過性マーカ404は、最終的な最大内寸が2つのバンプ402および403の横方向寸法よりも小さい限り、任意の適切な方法で変形されてもよいことも理解されるべきである。一実施形態では、放射線不透過性マーカ404の最終的な内寸は、変形された放射線不透過性マーカ404と機械的導波路400との間の接触を最小にするように選択される。
【0135】
放射線不透過性マーカのほぼ管状の初期形状は、完全であってもよく、またはセグメント化されていてもよい。例えば、放射線不透過性マーカ404は、均一のまたは変化する個々の長さの、すべてが概して同じ断面形状をした、複数の個別のまたは接合されたリングを含むことができる。マーカはまた、コイルとして巻かれたワイヤを含んでもよく、または別個のまたは接合されたチューブ、別個のまたは接合されたリング、およびコイルの組み合わせを含んでもよい。
【0136】
1つの実施形態では、圧着またはスエージ加工されると、放射線不透過性マーカ404は、規則的で滑らかな内面および/または外面を有することができ、または例えば、折り目または隆起部などの特徴を含む不規則な内面および/または外面この不規則な最終表面は、予め形成された折り目または隆起部を有する放射線不透過性マーカ404を製造することによって促進され得、これは、圧着またはスエージ加工を受けて、例えばより大きい折り目、隆起またはプリーツに増幅される。この幾何学的形状は、放射線不透過性マーカと機械的導波路400との間の接触を最小にするのに有用であり得る。
【0137】
図10は、スロット付き放射線不透過性マーカ430の実施形態を示す。放射線不透過性マーカ404と同様に、放射線不透過性マーカ430は、管状の形状を有し、長手方向軸に沿って延在している。放射線不透過性マーカ430はまた、放射線不透過性マーカ430の長手方向軸に沿ってその近位端から遠位端に直線的に延在するスロットまたは開口部432を備える。スロット432の幅は、機械的導波路400の横方向寸法よりも大きくなるように選択され、それによって、放射線不透過性マーカ430が機械的導波路400上でその側面から滑ることを可能にする。バンプ402と403との間に配置されると、スロット432は、放射線不透過性マーカ430が機械的導波路400の側面から滑り出ることを防止するために圧着またはスエージ加工によって閉じられる。圧着またはスエージ加工された放射線不透過性マーカ430の最終的な幾何学的形状は、放射線不透過性マーカ430が機械的導波路400上の2つのバンプ402と403との間のその位置から軸方向に滑り落ちるのも防止し、同時に放射線不透過性マーカ430と機械的導波路400との間の物理的接触が最小限に抑えられるようなものである。
【0138】
一実施形態では、このスロット付き管状マーカが機械的導波路400の上で所定位置に配置されると、スロット432の最終幅が、放射線不透過性マーカ432が機械的導波路400の側面から滑り出るのに十分なほど広くないように、スロット432が部分的に閉じられる。
【0139】
別の実施形態では、スロット432は完全に閉じられている。閉じたスロット432は、スロット432の両側を互いに当接させることによって、または両側を互いに重ねることによって達成され得る。
【0140】
スロット432が再び開くのを防止するために、開放または閉鎖スロット432は、例えば溶接、ろう付けまたは接着によって部分的または完全に接合することができる。スロット432が再び開くのを防止する別の方法は、放射線不透過性マーカ430の外周を、放射線不透過性マーカ430の外寸と同じ内径の保持チューブまたはスリーブで覆うことにある。この保持チューブは、例えば、放射線不透過性マーカ430への溶接、ろう付けまたは接着によって適所に固定することができる。保持チューブは熱収縮性材料から作製することもでき、熱の適用により、保持チューブが放射線不透過性マーカ430に堅固に取り付けられることが保証される。
【0141】
放射線不透過性マーカ430は、完全であってもセグメント化されていてもよい。例えば、放射線不透過性マーカ430は、均一のまたは変化する個々の長さの、すべてが概して同じ断面形状をした、複数の個別のまたは接合されたスロット付きリングを含むことができる。放射線不透過性マーカ430は、別個のまたは接合されたスロット付きチューブおよびリングの組み合わせを含むこともできる。
【0142】
陥凹区画が設けられた上述の機械的導波路では、陥凹区画は一定の横方向寸法、例えば陥凹区画の長さに沿った一定の直径を有するが、陥凹区画の横方向の寸法は、図11および図12に示すように、それに沿って変化してもよい。
【0143】
図11は、機械的導波路502と、機械的導波路502に固定されたコイル状放射線不透過性マーカ504とを含む機械的導波路アセンブリ500の一実施形態を示す。機械的導波路502は、略円筒形状を有し、すなわち、機械的導波路502の断面は円形である。機械的導波路502は、近位端(図示せず)と遠位端506との間に延在し、近位区画508、遠位区画512、および近位区画508と遠位区画512との間に位置する陥凹区画510を含む。近位区画508は、その長さに沿って一定の直径D1を有し、遠位区画512も、その長さに沿って一定の直径D2を有する。陥凹区画510の直径D3は、その近位端からその遠位端にかけて小さくなっている。近位端における陥凹区画510の直径D3は、近位区画508の直径D1に等しく、一方、遠位端における陥凹区画510の直径D3は、遠位区画512の直径D2より小さい。遠位区画512の直径D2は、陥凹区画510の遠位端における直径D3よりも大きい限り、近位区画508の直径D1と等しくてもよく、より小さくてもよく、またはより大きくてもよい。
【0144】
放射線不透過性マーカ504は、陥凹区画510の周りに巻かれたコイルを含み、実質的に管状の形状を有する。放射線不透過性マーカ504は、近位端と遠位端との間に延在し、放射線不透過性マーカ504の長さは、陥凹区画510の長さよりも短い。放射線不透過性マーカ504が機械的導波路500に固定され、その長さに沿った放射線不透過性マーカ504の各点について、放射線不透過性マーカ504の内径は、陥凹区画の直径D3と実質的に等しい。放射線不透過性マーカ504の遠位端、すなわちコイルの遠位ループは、遠位区画512の近位壁514に当接する。放射線不透過性マーカ504の長さは、陥凹区画510の長さよりも小さいため、近位端における放射線不透過性マーカ504の直径は、近位区画508の直径D1より小さい。
【0145】
放射線不透過性マーカ504の遠位端は、遠位区画512の近位壁514に当接し、放射線不透過性マーカ504の近位端の直径は、陥凹区画510の最大直径、すなわち直径D1よりも小さいため、放射線不透過性マーカ504は機械的導波路502に固定され、機械的導波路502の長手方向軸に沿って並進することはできない。一実施形態では、放射線不透過性マーカ504は、固定されると機械的導波路502の長手方向軸を中心として回転することができる。
【0146】
放射線不透過性マーカ504の寸法は、その長さが陥凹区画510の長さよりも短く、その近位の長さにおける直径が陥凹区画の最大直径、すなわち、直径D1より小さく、その遠位端におけるその直径が、遠位区画512の直径D2より小さい限り、変化してもよいことは理解されたい。例えば、放射線不透過性マーカ504の長さに沿った各点について、放射線不透過性マーカ504の近位端の直径がD1よりも小さく、放射線不透過性マーカ504の遠位端の直径がD2よりも小さい限り、放射線不透過性マーカ504の直径は、陥凹区画510の直径よりも大きくてもよい。
【0147】
図12は、機械的導波路602と、機械的導波路602に固定されたコイル状放射線不透過性マーカ604とを含む機械的導波路アセンブリ600の一実施形態を示す。機械的導波路602は、略円筒形状を有し、すなわち、機械的導波路602の断面は円形である。機械的導波路602は、近位端(図示せず)と遠位端606との間に延在し、近位区画608、遠位区画612、および近位区画608と遠位区画612との間に位置する陥凹区画610を含む。近位区画608は、その長さに沿って一定の直径D1を有する。遠位区画612は、近位部分614および遠位部分616を含む。近位部分614の直径は、陥凹区画610から遠位部分616まで増加し、遠位部分606は、その長さに沿って一定の直径D2を有する。陥凹区画610の直径D3は、その近位端からその遠位端にかけて小さくなっている。近位端における陥凹区画610の直径D3は、近位区画608の直径D1に等しく、一方、遠位端における陥凹区画610の直径D3は、遠位部分616の直径D2より小さい。遠位部分616の直径D2は、陥凹区画610の遠位端における直径D3よりも大きい限り、近位区画608の直径D1と等しくてもよく、より小さくてもよく、またはより大きくてもよい。
【0148】
放射線不透過性マーカ604は、陥凹区画610の周りに巻かれたコイルを含み、実質的に管状の形状を有する。放射線不透過性マーカ604は、近位端と遠位端との間に延在し、放射線不透過性マーカ604の長さは、陥凹区画610の長さよりも短い。放射線不透過性マーカ604が機械的導波路600に固定され、その長さに沿った放射線不透過性マーカ604の各点について、放射線不透過性マーカ604の内径は、陥凹区画の直径D3と実質的に等しい。放射線不透過性マーカ604の遠位端、すなわちコイルの遠位ループは、遠位区画612の近位部分614に当接する。放射線不透過性マーカ604の長さは、陥凹区画610の長さよりも小さいため、近位端における放射線不透過性マーカ604の直径は、近位区画608の直径D1より小さい。
【0149】
放射線不透過性マーカ604の遠位端は、遠位区画612の近位部分614に当接し、放射線不透過性マーカ604の近位端の直径は、陥凹区画610の最大直径、すなわち直径D1よりも小さいため、放射線不透過性マーカ604は機械的導波路602に固定され、機械的導波路602の長手方向軸に沿って並進することはできない。一実施形態では、放射線不透過性マーカ604は、固定されると機械的導波路602の長手方向軸を中心として回転することができる。
【0150】
放射線不透過性マーカ604の寸法は、その長さが陥凹区画610の長さよりも短く、その近位の長さにおける直径が陥凹区画の最大直径、すなわち、直径D1より小さく、その遠位端におけるその直径が、遠位部分616の直径D2より小さい限り、変化してもよいことは理解されたい。例えば、放射線不透過性マーカ604の長さに沿った各点について、放射線不透過性マーカ604の近位端の直径がD1よりも小さく、放射線不透過性マーカ604の遠位端の直径がD2よりも小さい限り、放射線不透過性マーカ604の直径は、陥凹区画610の直径よりも大きくてもよい。
【0151】
一実施形態では、突出部216,218,318,402および403のような突出部の長さは、進行する機械的波動もしくはパルスの回折および/または伝搬損失を最小にするために、機械的波動または機械的導波路または伝達部材を伝搬するパルスの波長と比較して短くなるように選択される。例えば、機械的導波路の長手方向軸に沿った突出部の長さは、機械的導波路内を伝搬する機械的波動またはパルスの波長の1/10未満であってもよい。
【0152】
上述した本発明の実施形態は、単なる例示であることが意図されている。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12