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特許7026685高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H02K 13/00 20060101AFI20220218BHJP
   H01R 39/00 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
H02K13/00 M
H01R39/00 G
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019527536
(86)(22)【出願日】2017-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 US2017064551
(87)【国際公開番号】W WO2018106611
(87)【国際公開日】2018-06-14
【審査請求日】2020-09-15
(31)【優先権主張番号】62/497,937
(32)【優先日】2016-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519177312
【氏名又は名称】シーアール フライト エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(72)【発明者】
【氏名】ウィッシャート,ランデル
(72)【発明者】
【氏名】エミ,ジョナサン
【審査官】津久井 道夫
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-168375(JP,A)
【文献】特開2008-136270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0236849(US,A1)
【文献】特表2003-527049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 13/00
H01R 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部環境と内部環境との間で電気を伝達するための選択されたアプリケーションに使用するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、
(a)中央開口部を有する非電気伝導性スピンドル部材であって、前記スピンドルがアプリケーション取付け面を含む、非電気伝導性スピンドル部材と、
(b)第1の端部および第2の端部を有する中央車軸であって、前記アプリケーション取付け面に近接する前記第1の車軸端部から前記第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、前記スピンドル中央開口部内部に延在する中央車軸と、
(c)前記スピンドルの周りに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、
(i)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記内部環境への電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、
(ii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有する少なくとも1つの電気伝導性スペーサーディスクと、
(iii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクとを備える、複数の伝導アセンブリと、
(d)複数の電気絶縁体ディスクであって、各前記絶縁体ディスクが、前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、
(e)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記車軸の第1の端部に近接して、前記支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各前記外部導体接続ディスクが前記スリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定されている、非電気伝導性導体ハウジングと、
(f)前記複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、前記スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、
(g)前記中央車軸に回転可能に固定され、かつ前記ハウジングに固定されている前記支持構造取付け部と
を備え
前記内部導体接続ディスクと前記外部導体接続ディスクの間に前記電気伝導性スペーサーディスクが挟まれており、
各前記電気伝導性スペーサーディスクが、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備える、スリップリングアセンブリ。
【請求項2】
前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備える、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項3】
前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備え、前記スペーサーディスクの前記電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクが、前記外部導体接続ディスクに接着され、動作中に前記外部導体接続ディスクと共に回転する、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項4】
前記弾性機構が1つまたは複数のばねを備える、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項5】
前記弾性機構が前記スピンドルの周りに取り付けられたウェーブワッシャを備える、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項6】
前記内部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項7】
前記外部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、請求項1に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項8】
外部環境と内部環境との間で電気を伝達するための選択されたアプリケーションに使用するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、
(a)中央開口部を有する非電気伝導性スピンドル部材であって、前記スピンドルがアプリケーション取付け面を含む、非電気伝導性スピンドル部材と、
(b)第1の端部および第2の端部を有する中央車軸であって、前記アプリケーション取付け面に近接する前記第1の車軸端部から前記第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、前記スピンドル中央開口部内部に延在する中央車軸と、
(c)前記スピンドルの周りに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、
(i)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記内部環境への電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、
(ii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有する少なくとも1つの電気伝導性の電気および潤滑多孔性/焼結型スペーサーディスクと、
(iii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクとを備える、複数の伝導アセンブリと、
(d)複数の電気絶縁体ディスクであって、各前記絶縁体ディスクが、前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、
(e)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記車軸の第1の端部に近接して、前記支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各前記外部導体接続ディスクが前記スリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定されている、非電気伝導性導体ハウジングと、
(f)前記複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、前記スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、
(g)前記中央車軸に回転可能に固定され、かつ前記ハウジングに固定されている前記支持取付け部と
を備え、
前記内部導体接続ディスクと前記外部導体接続ディスクの間に電気伝導性の前記電気および潤滑多孔性/焼結型スペーサーディスクが挟まれているスリップリングアセンブリ。
【請求項9】
前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備える、請求項に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項10】
前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備え、前記スペーサーディスクの前記電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクが前記外部導体接続ディスクに接着され、動作中に前記外部導体接続ディスクと共に回転する、請求項に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項11】
前記弾性機構が1つまたは複数のばねを備える、請求項に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項12】
前記弾性機構が前記スピンドルの周りに取り付けられたウェーブワッシャを備える、請求項に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項13】
前記内部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、請求項に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項14】
前記外部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、請求項に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項15】
外部環境と逆回転(CRM)モータとの間で電気を伝達するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、
(a)中央開口部およびCRM取付け面を含む非電気伝導性スピンドルと、
(b)第1の端部および第2の端部を有し、近接する前記CRM取付け面から前記第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、前記スピンドルの内部に延在する中央車軸と、
(c)前記スピンドルに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、
(i)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、およびCRMへの電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、
(ii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記内部導体接続ディスクに固定されている、第1の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクと、
(iii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクと、
(iv)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記外部導体接続ディスクに固定されている第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクであって、前記スリップリングアセンブリの動作中に、前記第1の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクおよび前記第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクが、互いに隣接して回転して、前記外部環境から前記CRMに電流を伝達する、第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクと
を備える複数の伝導アセンブリと、
(d)複数の電気絶縁体ディスクであって、各前記絶縁体ディスクが、前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、
(e)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記車軸の第1の端部に近接して、前記支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各前記外部導体接続ディスクが前記スリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定されている、非電気伝導性導体ハウジングと、
(f)前記複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、前記スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、
(g)前記中央車軸に回転可能に固定され、かつ前記ハウジングに固定されている前記支持構造取付け部と
を備えるスリップリングアセンブリ。
【請求項16】
前記内部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、請求項15に記載のスリップリングアセンブリ。
【請求項17】
前記外部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、請求項15に記載のスリップリングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年12月8日に出願された米国特許仮出願第62/497,937号に対する優先権およびその利益を主張し、その全体を参照により本明細書に組み入れるものとする。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究または開発の宣言の適用
適用不可
【0003】
コンピュータプログラム添付書類の参照による組み込みの適用
適用不可
【0004】
配列表の参照による組み込みの適用
適用不可
【0005】
著作権保護の対象となる資料の通知
この特許文書の内容の一部は、米国およびその他の国の著作権法に基づく著作権保護の対象となる可能性がある。米国特許商標庁の公的に入手可能なファイルまたは記録に見られるように、著作権の所有者は、特許文書または特許開示の何人によるファクシミリ複製に異議を唱えないが、それ以外はすべての著作権を留保する。著作権者は、本特許文書を機密保持のためのいかなる権利もここに放棄せず、これには、米国特許法施行規則1.14に従った権利が含まれるがこれに限定されない。
【0006】
1.発明の分野
【0007】
本件技術は、比較的高いRPM値および低い動作温度で高電流を伝導することができ、かつ逆回転(CR)モータと組み合わせて頻繁に利用されるスリップリングアセンブリに関する。より詳細には、本件技術は、CRモータで使用する場合、静止した外部環境と動作時に回転している内部環境との間で電流が通過する、共通軸線を中心として回転する、対合して電気的に絶縁された一連のディスクの対を含む。
【背景技術】
【0008】
2.関連技術の記載
【0009】
スリップリングは何十年もの間存在してきたが、既存のスリップリングには、1)それらはほとんどが比較的低いRPMシステムで利用され、2)それらは一般に比較的高い電流を伝達できないという2つの厳しい制限がある。限定された薄く平たい、または平坦なディスク状スリップリングシステムが知られている。しかしながら、これらの平坦なディスク状スリップリング構成物はディスクを含み、薄い接触部材が本質的に典型的なブラシ接触手段のようにそのディスク上で擦るので、過度に極端な磨耗問題で知られている。本発明のスリップリングアセンブリは、CRモータ(例えば、2015年10月2日に出願された仮特許出願第62/284,535号明細書および2016年9月6日に出願された、修正された原特許出願第15/330,324号明細書に開示されるようなCRモータであり、これらの両方はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)によって動作するように構成される場合に特に有用である。CRモータは反対方向に回転する電機子および固定子の両方を有するので、回転界磁コイルへの電流の供給は簡単な方法ではないが、本発明のスリップリングアセンブリは少なくとも100時間にわたって電気接点部材上に検出可能な磨耗がない状態でこの機能を達成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本件技術の目的は、高RPM値で回転しながら高電流および高電圧を供給するが、比較的低い温度で動作するスリップリングアセンブリを製造することである。
【0011】
本件技術の別の目的は、所望の電流の大きさに応じて、任意の所望のアンペア数および電圧で電流を伝導するように寸法設定されたスリップリングアセンブリを提供することである。
【0012】
本件技術のさらに別の目的は、動作中に比較的低温を維持しながら、低RPM値から高RPM値まで高アンペア数および高電圧を伝達するスリップリングアセンブリを製造することである。
【0013】
本件技術のさらに別の目的は、動作中は比較的低温を維持しながら、しばしば数十アンペア以上の高アンペア数、かつしばしば12,000RPM以上の高RPM値で電流を伝達するスリップリングアセンブリを製造することである。
【0014】
本件技術の追加の目的は、本件装置が高RPM値で回転しながら、依然として比較的冷温状態を保つ、2つの地点間に電流を供給するための様々なアプリケーションに適合可能である大量生産可能なスリップリングアセンブリを開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
外部環境と内部環境との間で電気を伝達するための選択されたアプリケーションで使用するための高RPM対応スリップリングアセンブリ、しばしば逆回転(CR)モータまたは均等物が開示され、そのスリップリングアセンブリは、アプリケーション取付けプレートと、前記アプリケーション取付けプレートから延在する車軸とを備える非電気伝導性スピンドル部材を含み、車軸は、取付けプレートに第1の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在する中央軸線を有する遠位の第2の端部とを有する。さらに、車軸に取り付けられた複数の伝導アセンブリが含まれており、各伝導アセンブリは、車軸が貫通して延在する中央開口部、および内部環境への電気接続のための手段を有する内部導体接続ディスクと、車軸が貫通して延在する中央開口部を有する電気伝導性スペーサーディスクと、車軸が貫通して延在する中央開口部、および外部環境への電気接続のための手段とを有する外部導体接続ディスクを備える複数の伝導アセンブリと、複数の電気絶縁体ディスクであって、各絶縁体ディスクが、車軸が貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置される、複数の電気絶縁体ディスクと、車軸が貫通して延在する中央開口部を有し、車軸の遠位端部に近接して配置される非電気伝導性導体ハウジングと、複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するための弾性手段とを備える。加えて、電気伝導性スペーサーディスクは、しばしばOilite(商標)を備える。さらに、内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方が、Oilite(商標)を備えることが多い。また、内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方がOilite(商標)を備え、Oilite(商標)電気伝導性スペーサーディスクが外部導体接続ディスクに接着され、動作中に外部導体接続ディスクと共に回転する。多くの場合、弾性手段は、前記車軸の周りに取り付けられた1つまたは複数のばねまたはウェーブワッシャを備える。
【0016】
本明細書に記載の技術のさらなる態様は、本明細書の以下の部分に示されるが、詳細な説明は、本件技術の好ましい実施形態を完全に開示する目的のためであり、それに限定するものではない。
【0017】
本明細書に記載の技術は、例示目的のみのための以下の図面を参照することによってより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】飛行する無人機に動力を供給する際に利用されるCRモータに取り付けられた本件のスリップリングアセンブリを示す、本件技術の第1の実施形態の斜視図である。
図1B】本件のスリップリングアセンブリの第1の実施形態の斜視図である。
図1C】本件のスリップリングアセンブリの第1の実施形態の分解図である。
図2】本件技術の第2の実施形態の分解図である。
図3A】本件技術の第3の実施形態の分解側面図である。
図3B】本件技術の第3の実施形態の分解斜視図である。
図3C】本件のスリップリングアセンブリが3相CRモータに取り付けられ、3本の接続ワイヤがCRモータと本件のスリップリングアセンブリとの間に図示されている、本件技術の第3の実施形態の斜視図である。
図4】各内部CRモータ電気接続ディスクが、2つの固定された電気伝導性要素から形成され、一方が多孔性/潤滑成分で焼結されており、各外部電気接続ディスクが、2つの固定された電気伝導性要素から形成され、一方が多孔性/潤滑成分で焼結されており、CRモータが作動すると、潤滑剤を含む2つの多孔性/焼結型ディスクが互いの上で回転する、本件技術の第4の実施形態の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
例示の目的のために、より具体的に図面を参照すると、本件技術は、図1から図4に全体的に示されているシステム内で実施される。本件のスリップリングアセンブリは、構成および構成要素の詳細に関して変更可能であり、本件技術を利用する方法は、本明細書に開示される基本概念から逸脱することなく、特定のステップおよび動作順序に関して変更可能であることを理解されたい。
【0020】
一般に、本件技術は、選択されたアプリケーションで使用するための高RPM対応のスリップリングアセンブリを備え、選択されたアプリケーションは、外部環境と内部環境との間で電気を伝達するためのCRモータまたは均等物を利用するシステムであることが多く、本件のスリップリングアセンブリは、アプリケーション取付けプレートと、前記アプリケーション取付けプレートから延在する車軸を備える非電気伝導性スピンドル部材とを含み、車軸は、取付けプレートに第1の端部(無人機アームなどのCRモータ利用装置に近接する)と、第1の端部と第2の端部との間に延在する中央軸線を有する第2の端部(本件のスリップリングアセンブリが電気を供給するCRモータに近接する)とを有する。さらに、車軸を中心として取り付けられた複数の伝導アセンブリが含まれており、各伝導アセンブリは、車軸が貫通して延在する中央開口部、および内部環境への電気接続のための手段(例えば、CRモータまでのワイヤ)を有する内部電気導体接続ディスク(鋼、様々な他の金属合金、および多くは真鍮から製造される)と、車軸が貫通して延在する中央開口部を有する少なくとも1つの、多くは2つの電気伝導性スペーサーディスクと、車軸が貫通して延在する中央開口部、および外部環境への電気接続のための手段(例えば、コントローラおよび動力電源までのワイヤ)を有する外部電気導体接続ディスク(鋼、様々な他の金属合金、および多くは真鍮から製造される)と、複数の電気絶縁体ディスクであって、各絶縁体ディスクが、車軸が貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスク(3つの隣接する伝導アセンブリに対して、これらの3つを互いから電気絶縁する2つの絶縁体ディスクがある)と、中央車軸が貫通して延在する中央開口部を有し、車軸の第1の端部(無人機アームなどのCRモータ利用装置に近接する)に近接して配置される非電気伝導性導体ハウジングと、複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するための弾性手段とを備える。加えて、各電気伝導性スペーサーディスクは、所望の粘度の潤滑剤を含有する多孔性/焼結型材料からなることが多く、市販されているOilite(商標)材料によって容易に例示される。さらに、内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方が、所望の粘度の潤滑剤を含有し、市販されているOilite(商標)材料によって容易に例示される多孔性/焼結型材料を備える。また、内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方がOilite(商標)を備え、Oilite(商標)電気伝導性スペーサーディスクが外部導体接続ディスクに接着され、動作中に外部導体接続ディスクと共に回転する。多くの場合、弾性手段は、前記車軸の周りに取り付けられた1つまたは複数のばねまたはウェーブワッシャ、および均等な機構を備える。
【0021】
より具体的には、本件技術5の第1の実施形態が、図1A図1Bおよび図1Cに示されている。限定ではなく例示のみを目的として、本件のスリップリングアセンブリが取り付けられるアプリケーションは、無人機を持ち上げるのに利用され、または同等の環境で利用されるCRモータ(CRM)である。CRMは、付随するプロペラを有する。本件のスリップリングアセンブリに関連する例示的CRモータの詳細な説明が、2015年10月2日に出願された仮特許出願第62/284,535号に記載され、次いで2016年9月6日に出願された、原特許出願第15/330,324号に変更されるが、これらの両方は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0022】
図1Aは、反対方向に回転するプロペラが反対方向に回転する固定子および電機子構成要素に取り付けられ、本件のスリップリングアセンブリ5に取り付けられているCRM(逆回転モータ)を示す。一般に、例示的で効率的な薄型CRMは、ガスを移動させるために航空機またはファンに動力を供給するために利用され、水平飛行および垂直リフトオフ航空機、またはファンハウジングに、プロペラが1つしかない従来のモータ用の取付けスペースと同様のスペース内に取り付けられ得る2つの反対方向に回転するプロペラを含む。
【0023】
より詳細には、本件のスリップリングアセンブリと共に利用される例示的なCRMは、第1の端部および第2の端部を有する中央車軸と、第1の方向に回転する中央車軸の第1の端部に近接して固定され、配置される第1の回転部材と、第1の回転部材に固定される第1のプロペラと、第2の車軸端部に向かって中央車軸の周りに嵌合される第2の回転部材と、中央車軸の周りに回転可能に取り付けられ、第2の回転部材に固定され、第1の回転方向とは反対の第2の方向に回転するスピンドルと、第2の回転部材に固定される第2のプロペラと、中央シャフトを中心とする反対方向への第1の回転部材および第2の回転部材の回転に動力を供給するために、第1の回転部材および第2の回転部材に付随する電磁手段と、外部電源から電磁手段に電気を伝達するための本件のスリップリングアセンブリであって、本件のスリップリングアセンブリが、第2の回転部材と中央車軸の第2の端部との間の中央車軸およびスピンドルの両方の周りに配置されるスリップリングアセンブリと、反対方向に回転する第1の回転部材および第2の回転部材、ならびに中央車軸を支持構造取付け機構に取り付けるために構成された機構であって、取付け機構が中央車軸に回転可能に付随し、本件のスリップリングアセンブリの後ろに、中央車軸の第2の端部に近接して配置される取付け機構とを備える。
【0024】
図1Bは本件技術5の第1の実施形態の拡大図を示し、図1Cは分解図を示す。通常Delrinなどの非電気伝導性材料から製造される回転可能なスピンドル110は、ボルト、ねじなどの標準的な手段によってCRMの第2の回転部材に解放可能に固定するCRM対向取付けプレート、およびCRM取付けプレートから離れて延在する車軸領域からなる。複数の電気伝導アセンブリ130、131および132が、車軸の周りに取り付けられる(CRM内の界磁コイルに動力を供給するために外部からCRMに入る3本の電気ワイヤを必要とする3相CRMに対して、3つの伝導アセンブリがあるが、他の数の伝導アセンブリも本開示の範囲内にあると考えられる)。各伝導アセンブリ130、131および132は、1)中央車軸およびスピンドル110が貫通して延在する中央開口部(中央車軸(具体的には図2および図3)がCRMの第1の回転部材に固定され、スピンドル110がCRMの第2の回転部材に固定されていることを想起されたい)、および電気接続機構(CRMに向かって、かつ中央車軸およびスピンドル110に平行に延在して、CRM内で界磁コイルの内部環境に電気接続するための、各接続ディスク120、121および122の中に形成される通常は突出タブ)を有する内部導体接続ディスク120、121および122と、2)中央車軸およびスピンドル110が貫通して延在する中央開口を有する電気伝導性スペーサーディスク150、155および160と、3)中央車軸とスピンドル110が貫通して延在する中央開口部、および機構(コントローラおよび電源の外部環境へ電気接続のために、スピンドル110に対して垂直に延在する各外部接続ディスク125、126および127の周囲上に形成される通常は突出するタブ)を有する外部導体接続ディスク125、126および127とを備える。
【0025】
さらに、本件スリップリングアセンブリに含まれるのは、複数の電気絶縁体ディスク169および170であり、各絶縁体ディスク169および170は、中央車軸およびスピンドル110が貫通して延在する中央開口部を有する。各絶縁体ディスク169および170は、各隣接する伝導アセンブリ130と131との間、および131と132との間に配置される。例示的な3つの伝導アセンブリ・スリップリングアセンブリでは、3つの伝導アセンブリ130、131および132を互いに電気的に絶縁するために必要な絶縁体ディスク169および170が2つだけ存在する。さらに、本件のスリップリングアセンブリ5に含まれるのは、中央車軸およびスピンドル110が貫通して延在する中央開口部を有し、遠位端に近接して配置される非電気伝導性ハウジング108である。ハウジング108は、Delrinまたは均等な非電気伝導性材料から製造されることが多く、各外部接続ディスク125、126および127上の突出タブを静止して固定するためのスロットを備えて構成される。中央車軸は、支持構造取付け部115に回転可能に固定されている(図1B参照)。
【0026】
また、本件スリップリングアセンブリ5には、本件スリップリングアセンブリ5の動作中に電気伝達を維持するために、複数の伝導アセンブリ130、131、および132を圧縮するように構成されている弾性機構109が含まれる。弾性機構は、1組のばね(図1C図3A図3Bおよび図4参照)、ウェーブワッシャ(図2参照)、または均等な構成要素とすることができる。
【0027】
図1Bおよび図1Cにおいて、構成要素150を含む125(要素120上で回転する)、155を含む126(要素121上で回転する)、および160を含む127(要素122上で回転する)のすべてが、3つの別々の一体化された単位として形成され、または製造されることができ、すなわち125/150、126/155および127/160は、別々の要素ではなく単一の部品として製造され得ることに留意することが重要である。一体化は、リベット、スポット溶接、電気伝導性接着剤、はんだ付けを含む他の均等な手段によって達成される。1つの特に有用な組み合わせは、構成要素125、126および127用に黄銅を使用し、構成要素150、155および160用に潤滑剤含有多孔性/焼結型材料(容易に入手可能なOilite(商標)など)を使用する。この手法は、本件システムの全体的な組み立ておよび組み立てプロセスを簡単にする。以下で説明され、図2図3および図4に示される他の実施形態に見られる均等な要素について、同様の単一の製造が当てはまる。図4は、125/150、126/155および127/160の対ばかりではなく、均等な構成要素120、121および122(詳細については以下参照)についても単一の製造を利用した。
【0028】
スリップリングアセンブリ5全体の各実施形態は、CRMの第1の回転部材から延在し、それに取り付けられ、スピンドル(CRMの第2の回転部材に固定される110、210および310)を貫通し、ベアリングアセンブリ(図2図3Aおよび図3Bの216および217)および固定クリップリング(均等なクリップリングについて図3Cの312を参照)においてハウジング108内で終了する中央車軸(図2の211ならびに図3Aおよび図3Bの311を参照)によって一体に保持される。
【0029】
図1A図1Bおよび図1Cに示される第1の実施形態では、内部導体接続ディスク120、121および122は、均等物、好ましくは効率的な電気伝導性のための真鍮合金の金属、金属合金であるCRM対向電気伝導性部材から製造され、かつ好ましくは多孔性/焼結型青銅、真鍮、鉄合金、あるいは他の電気伝導性金属もしくは、例えば一般に入手可能なOilite(商標)材料など油潤滑剤で一般に含浸される非金属材料である第2の中央車軸端部対向部材から製造され、電気伝導性スペーサーディスク150、155、および160はすべてがOilite(商標)から製造される。また、Oilite(商標)は、多孔性/焼結型青銅、真鍮、鉄合金、または油潤滑剤で一般に含浸され、多数の商業的供給業者から容易に入手できる他の電気伝導性金属または非金属材料であることに留意されたい。潤滑剤を吸収した焼結型真鍮は、これらの構成要素のために利用される好ましい例示的な材料であり、電気を非常に効率的に伝導する。油潤滑剤は、天然または合成のいずれであってもよい。多孔性/焼結型ディスク(市販のOilite(商標)など)は、粉末冶金を使用して形成されることが多く、その結果、金属中に小さな孔が存在する。次いで、材料の担持能力を向上させるために、孔は油で真空含浸される。この材料は、約20体積%の油を保持する。一般的な潤滑剤は、SAE30油または他の均等物である。Oilite(商標)と均等な他の材料が、本件技術と共に利用され得る。
【0030】
外部導体接続ディスク125、126および127は、通常、それぞれ接着、スポットろう付け、スポット溶接、オーブン内でのはんだ付けなどの方法によって、各隣接する各電気伝導性スペーサーディスク150、155および160に通常は接着または固定される。 内部接続ディスク120、121および122と電気伝導性スペーサーディスク150、155および160の両方のためにOilite(商標)が利用される場合、スリップリング5が動作している間、互いの上方に摺動する、Oilite(商標)面に対するOilite(商標)面(潤滑多孔性/焼結型面対潤滑多孔性/焼結型面)が存在するであろう。この構成では、各試験を100時間以上実行する場合、複数の完全な動作試験において、いずれの摺動面上にも検出可能な磨耗は観察されなかった。
【0031】
図2は、本件技術の第2の実施形態の分解図を示す。その中央車軸211を有するCRMは、図2の左端に描かれている。図2に見られる様々な構成要素は、概して図1に図示される第1の実施形態と均等であるが(均等な識別構成要素番号は、この実施形態については200番台である)、複数の相違点がある。第1に、内部接続ディスク220、221および222、ならびに外部接続ディスク225、226および227はすべて、鋼、合金、および均等物などの伝導性金属から製造される。電気伝導性スペーサーディスク250、255および260のみが、Oilite(商標)などの潤滑多孔性/焼結型材料から製造される。外部接続ディスク225、226および227は、電気伝導性スペーサーディスク150、155および160に隣接して配置されているが、それらに接着/固定されていない。加えて、ウェーブワッシャ209は、伝導アセンブリ230、231および232に圧縮を加えるための弾性機構として働く。支持構造取付け部215はハウジング208と嵌合し、中央車軸211ならびにベアリングアセンブリ216および217を取り囲む。
【0032】
図3A図3Bおよび図3Cは、本件技術の第3の実施形態を示す。図3に示される識別要素番号は、図3の要素が300番台であることを除いて、図1および図2に見られるものと同等である。図3Aおよび図3Bは、わずかに異なる視野角での第3の実施形態の分解図である。第3の実施形態は、1つの構成要素が変更された、前述の第2の実施形態を含む。第2の実施形態と図示の第3の実施形態との唯一の違いは、第3の実施形態に見られる弾性機構がハウジング308内の1組のばね309であることである(第2の実施形態のようなウェーブワッシャ209ではない)。
【0033】
図3Cは、3つの実施形態すべてに存在する外部から内部への電気接続を示すのに有用である。CRM内の3相界磁コイルに接続し、そこから延在する内部電気ワイヤ380、381および382は、コネクタ320、321および322によって本件のスリップリングアセンブリ5に取り付けられる。外部コネクタ325、326および327は、電気ワイヤ390、392および391を介して電流を受け取る。加えて、支持構造取付け部315と嵌合する、中央車軸311固定機構またはクリップリング312が図3Cに見られる。
【0034】
図4は、構成要素の構成が容易かつ迅速な組み立てに特に有用である本件技術の第4の実施形態を示す。図4に示された識別要素番号は、図4の要素が400番台にあることを除いて、図1図2および図3に見られるものと同等である。第4の実施形態では、(多くの場合CRMへの)内部電気コネクタディスク420、421および422(好ましくは鋼などに伝導性を付加するために真鍮合金から製造される)が、潤滑/油多孔性/焼結型(Oilite(商標))スペーサーディスク490、491および492にそれぞれ直接熱はんだ付けされることを除いて、全体的構成は図1図3に見られる実施形態に非常に類似している。加えて、(コントローラ/電源への)外部電気コネクタディスク425、426および427(好ましくは、鋼などへの伝導性を付加するために真鍮合金から製造される)は、潤滑/油多孔性/焼結型(Oilite(商標))スペーサーディスク450、455および460に直接熱はんだ付けされる。電気絶縁体ディスク469および470は、3つの図示された導体アセンブリ(425/450を有する420および490、426/455を有する421/および491、ならびに427/460を有する422および492)を分離する。
【0035】
内部および/または外部電気伝導部材(例えば、図1では125、126および127の外部伝導部材、図2では、220、221および222の内部伝導構成要素、ならびに225、226および227の外部伝導構成要素、図3では、320、321および322の内部伝導構成要素、ならびに325、326および327の外部伝導構成要素、図4では、420、421および422の内部伝導構成要素、ならびに425、426および427の外部伝導構成要素)の周囲の周りに外向きに延在する熱放散「フィン」が図1図4に示されていることに留意されたい。これらのフィンは長くても短くてもよく、本件スリップリングアセンブリ5の動作中に熱を放散するように機能する。望ましい場合には、フィンはいくつかの構成から欠如している可能性があるが(内部電気コネクタまたは外部電気コネクタのいずれかに接続するために利用されるそれぞれの上の1つのフィンを除く)、しかし熱が起こり得る問題であるほとんどの状況で、フィンは冷却のために存在し、図示のような様々な形状をとることができ、例示目的のためとして長方形構成であるが、限定としてではない。
【0036】
実験結果
【0037】
高電流値への参照は、数10アンペアのアンペア数を含み、高RPM値は、組み合わされた15,000RPM値以上(CRM内の反対方向に回転する回転部材の合計)までの回転速度を含む。
【0038】
図1Aに示すCRMに関連する本件のスリップリングアセンブリを用いて広範な動作試験が行われた。試験条件(表1に示す)下では、本件のスリップリングアセンブリは動作中に50℃を超えることはなかった。すべてのテストは、100時間の連続運転について実行された。試験には、一定の標準電圧/アンペア数電源を使用した。
【0039】
CRM(表1においてCRM1~2.0として示される)対スリップリングシステムの動作試験結果は、標準モータおよびスリップリング無しのアセンブリと比較して、本件スリップリングアセンブリは高RPM値(9,510~13,400トータルRPM)および低温(本件のスリップリングアセンブリおよびCRM電機子領域の両方に対して)でCRMを容易に作動させ、CRMが標準モータよりも大幅に向上した推力を有することを可能にすることを示した。
【0040】
本件のスリップリングアセンブリ技術の様々な実施形態が存在し、外部環境と内部環境との間で電気を伝達するための選択されたアプリケーションに使用するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、中央開口部を有する非電気伝導性スピンドル部材であって、スピンドルがアプリケーション取付け面を含む、非電気伝導性スピンドル部材と、アプリケーション取付け面に近接している第1の車軸端部から第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、スピンドル中央開口部内に延在する、第1の車軸端部および第2の車軸端部を有する中央車軸と、スピンドルの周りに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および内部環境への電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有する少なくとも1つの電気伝導性スペーサーディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクとを備える、複数の伝導アセンブリと、複数の電気絶縁体ディスクであって、各絶縁体ディスクが、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、車軸の第1の端部に近接して、支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各外部導体接続ディスクがスリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定される、非電気伝導性導体ハウジングと、複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、中央車軸に回転可能に固定され、かつハウジングに固定されている支持構造取付け部とを備えるスリップリングアセンブリを含む。さらに、この実施形態を備えるものは、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備える各電気伝導性スペーサーディスクを含み、かつ各内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを含む。また、内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備え、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクが外部導体接続ディスクに接着され、動作中に外部導体接続ディスクと共に回転する。加えて、スリップリングアセンブリについて、弾性機構は、スピンドルの周りに取り付けられた1つまたは複数のばねまたはウェーブワッシャを備えることができる。さらに、冷却フィンが、内部導体接続ディスクおよび外部導体接続ディスクから延在することができる。
【0041】
本件技術の別の実施形態は、外部環境と内部環境との間で電気を伝達するための選択されたアプリケーションに使用するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、中央開口部を有する非電気伝導性スピンドル部材であって、スピンドルがアプリケーション取付け面を含む、非電気伝導性スピンドル部材と、アプリケーション取付け面に近接している第1の車軸端部から第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、スピンドル中央開口部内に延在する第1の端部と第2の端部を有する中央車軸と、スピンドルの周りに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および内部環境への電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口を有する少なくとも1つの電気伝導性の電気的かつ潤滑多孔性/焼結型スペーサーディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクとを備える、複数の伝導アセンブリと、複数の電気絶縁体ディスクであって、各絶縁体ディスクが、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、車軸の第1の端部に近接して、支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各外部導体接続ディスクがスリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定される、非電気伝導性導体ハウジングと、複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、中央車軸に回転可能に固定され、かつハウジングに固定されている支持構造取付け部とを備えるスリップリングアセンブリを含む。また、内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備え、または内部導体接続ディスクおよび電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備え、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクが外部導体接続ディスクに接着され、動作中に外部導体接続ディスクと共に回転する。加えて、本件技術は、スピンドルの周りに取り付けられた1つまたは複数のばねまたはウェーブワッシャを備える弾性機構を有することができる。さらに、本件アセンブリは、内部導体接続ディスクから延在する冷却フィン、および外部導体接続ディスクから延在する冷却フィンを含むことができる。
【0042】
本件技術のさらに別の実施形態は、外部環境とCRMとの間で電気を伝達するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、中央開口部およびCRM取付け面を有する非電気伝導性スピンドルと、第1の端部および第2の端部を有し、近接するCRM取付け面から、第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部までスピンドル内に延在する中央車軸と、スピンドルの周りに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、スピンドルが貫通して延在する中央開口部、およびCRMへの電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、内部導体接続ディスクに固定されており、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有する、第1の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクとを備える、複数の伝導アセンブリと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、外部導体接続ディスクに固定されている第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクであって、スリップリングアセンブリの動作中に、第1の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクならびに第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクが、互いに隣接して回転して、外部環境からCRMに電流を伝達する、第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクと、複数の電気絶縁体ディスクであって、各絶縁体ディスクが、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、車軸の第1の端部に近接して、支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各外部導体接続ディスクが、動作中にスリップリングアセンブリの回転を防止するために固定される、非電気伝導性導体ハウジングと、複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、中央車軸に回転可能に固定され、かつハウジングに固定されている支持構造取付け部とを備えるスリップリングアセンブリである。加えて、冷却フィンが、内部導体接続ディスクおよび外部導体接続ディスクから延在することができる。
【0043】
本件技術の実施形態は、本件技術の実施形態による方法およびシステムのフローチャート図、および/またはコンピュータプログラム製品としてもやはり実装され得る手順、アルゴリズム、ステップ、演算、公式、または他の計算図を参照して本明細書で説明され得る。これに関して、フローチャートの各ブロックまたはステップ、ならびにフローチャート内のブロック(および/またはステップ)の組み合わせ、ならびに任意の手順、アルゴリズム、ステップ、演算、公式、または計算図は、コンピュータ可読プログラムコードで実施される1つまたは複数のコンピュータプログラム命令を含むハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアなど、様々な手段によって実装され得る。理解されるように、任意のそのようなコンピュータプログラム命令は、限定するものではないが、汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータ、または機械を製造するための他のプログラム可能処理装置を含む1つまたは複数のコンピュータプロセッサによって実行されることが可能であって、そのように、コンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能な処理装置で実行されるコンピュータプログラム命令は、指定された機能を実施するための手段を生成する。
【0044】
したがって、本明細書に記載のフローチャートのブロック、ならびに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、公式、または計算図は、特定の機能を実行するための手段の組み合わせ、特定の機能を実行するためのステップの組み合わせ、および特定の機能を実行するための、コンピュータ可読プログラムコード論理手段において実施されるようなプログラム命令をサポートする。本明細書に記載のフローチャート図の各ブロック、ならびに任意の手順、アルゴリズム、ステップ、演算、公式、または計算図、ならびに本明細書に記載されるそれらの組み合わせは、特定の機能またはステップ、あるいは特殊目的ハードウェアとコンピュータ読み取り可能プログラムコードの組み合わせを実施する専用ハードウェアベースのコンピュータシステムによって実装され得ることもまた理解されたい。
【0045】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードで実施されるようなこれらのコンピュータプログラム命令はまた、特定の方法で機能するようにコンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能処理装置に命令することができる1つまたは複数のコンピュータ可読メモリまたはメモリデバイス内に格納されることもまた可能であって、そのように、コンピュータ可読メモリまたはメモリデバイス内に格納された命令は、フローチャートのブロックに指定された機能を実装する命令手段を含む製品を生産する。コンピュータプログラム命令は、コンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能処理装置によってもまた実行されて、コンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能処理装置上で一連の演算ステップを実装させて、コンピュータ実行プロセスを生成させて、そのように、コンピュータプロセッサまたは他のプログラム可能な処理装置上で実行される命令が、フローチャートのブロック、手順アルゴリズム、ステップ、演算、公式または計算図で指定された機能を実装するためのステップを提供する。
【0046】
本明細書で使用される「プログラミング」または「プログラム実行可能」という用語は、本明細書で説明されるような1つまたは複数の機能を実行するために1つまたは複数のコンピュータプロセッサによって実行され得る1つまたは複数の命令を指すことをさらに理解されたい。命令は、ソフトウェアで、ファームウェアで、またはソフトウェアおよびファームウェアの組み合わせで実施され得る。命令は、一時的ではない媒体内の装置に対してローカルに格納可能であり、またはサーバ上などのリモートに格納可能であり、あるいは命令の全部または一部がローカルおよびリモートに格納可能である。リモートに格納された命令は、ユーザーが開始することによって、または1つまたは複数の要因に基づいて自動的にデバイスにダウンロード(プッシュ)され得る。
【0047】
さらに、本明細書で使用する場合、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)、およびコンピュータという用語は、命令を実行し、入出力インタフェースおよび/または周辺装置と通信することができる装置を意味するために同義として使用され、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU、およびコンピュータという用語は、単一または複数の装置、単一コアおよびマルチコア装置、ならびにそれらの変形形態を包含するように意図されているとこを理解されたい。
【0048】
本明細書の説明から、本開示は以下を含む複数の実施形態を包含するが、これに限定されないことを理解されたい。
【0049】
1.外部環境と内部環境との間で電気を伝達するための選択されたアプリケーションに使用するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、
(a)中央開口部を有する非電気伝導性スピンドル部材であって、前記スピンドルがアプリケーション取付け面を含む、非電気伝導性スピンドル部材と、
(b)第1の端部および第2の端部を有する中央車軸であって、前記アプリケーション取付け面に近接する前記第1の車軸端部から前記第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、前記スピンドル中央開口部内部に延在する中央車軸と、
(c)前記スピンドルの周りに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、
(i)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記内部環境への電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、
(ii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有する少なくとも1つの電気伝導性スペーサーディスクと、
(iii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクとを備える、複数の伝導アセンブリと、
(d)複数の電気絶縁体ディスクであって、各前記絶縁体ディスクが、前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、
(e)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記車軸の第1の端部に近接して、前記支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各前記外部導体接続ディスクが前記スリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定されている、非電気伝導性導体ハウジングと、
(f)前記複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、前記スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、
(g)前記中央車軸に回転可能に固定され、かつ前記ハウジングに固定されている前記支持構造取付け部と
を備えるスリップリングアセンブリ。
【0050】
2.各前記電気伝導性スペーサーディスクが、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0051】
3.前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態による記載のスリップリングアセンブリ。
【0052】
4.前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備え、前記電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクが、前記外部導体接続ディスクに接着され、動作中に前記外部導体接続ディスクと共に回転する、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0053】
5.前記弾性機構が1つまたは複数のばねを備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0054】
6.前記弾性機構が前記スピンドルの周りに取り付けられたウェーブワッシャを備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0055】
7.前記内部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0056】
8.前記外部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0057】
9.外部環境と内部環境との間で電気を伝達するための選択されたアプリケーションに使用するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、
(a)中央開口部を有する非電気伝導性スピンドル部材であって、前記スピンドルがアプリケーション取付け面を含む、非電気伝導性スピンドル部材と、
(b)第1の端部および第2の端部を有する中央車軸であって、前記アプリケーション取付け面に近接する前記第1の車軸端部から前記第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、前記スピンドル中央開口部内部に延在する中央車軸と、
(c)前記スピンドルの周りに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、
(i)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記内部環境への電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、
(ii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有する少なくとも1つの電気伝導性の電気および潤滑多孔性/焼結型スペーサーディスクと、
(iii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクとを備える、複数の伝導アセンブリと、
(d)複数の電気絶縁体ディスクであって、各前記絶縁体ディスクが、前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、
(e)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記車軸の第1の端部に近接して、前記支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各前記外部導体接続ディスクが前記スリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定されている、非電気伝導性導体ハウジングと、
(f)前記複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、前記スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、
(g)前記中央車軸に回転可能に固定され、かつ前記ハウジングに固定されている前記支持取付け部と
を備えるスリップリングアセンブリ。
【0058】
10.前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0059】
11.前記内部導体接続ディスクおよび前記電気伝導性スペーサーディスクの両方が、電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクを備え、前記電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクが前記外部導体接続ディスクに接着され、動作中に前記外部導体接続ディスクと共に回転する、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0060】
12.前記弾性機構が1つまたは複数のばねを備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0061】
13.前記弾性機構が前記スピンドルの周りに取り付けられたウェーブワッシャを備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0062】
14.前記内部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0063】
15.前記外部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0064】
16.外部環境と逆回転(CRM)モータとの間で電気を伝達するための高電流かつ高RPM対応スリップリングアセンブリであって、
(a)中央開口部およびCRM取付け面を含む非電気伝導性スピンドルと、
(b)第1の端部および第2の端部を有し、近接する前記CRM取付け面から前記第2の車軸端部に近接する支持構造取付け部まで、前記スピンドルの内部に延在する中央車軸と、
(c)前記スピンドルに取り付けられた複数の伝導アセンブリであって、各伝導アセンブリが、
(i)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、およびCRMへの電気接続のために構成された機構を有する内部導体接続ディスクと、
(ii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記内部導体接続ディスクに固定されている、第1の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクと、
(iii)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部、および前記外部環境への電気接続のために構成された機構を有する外部導体接続ディスクと、
(iv)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記外部導体接続ディスクに固定されている第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクであって、前記スリップリングアセンブリの動作中に、前記第1の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクおよび前記第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクが、互いに隣接して回転して、前記外部環境から前記CRMに電流を伝達する、第2の電気伝導性および潤滑多孔性/焼結型ディスクスペーサーディスクと
を備える複数の伝導アセンブリと、
(d)複数の電気絶縁体ディスクであって、各前記絶縁体ディスクが、前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、各隣接する伝導アセンブリの間に配置されている、複数の電気絶縁体ディスクと、
(e)前記スピンドルが貫通して延在する中央開口部を有し、前記車軸の第1の端部に近接して、前記支持構造取付け部に配置される非電気伝導性導体ハウジングであって、各前記外部導体接続ディスクが前記スリップリングアセンブリの動作中の回転を防止するために固定されている、非電気伝導性導体ハウジングと、
(f)前記複数の伝導アセンブリに圧縮を加えて、前記スリップリングアセンブリの動作中に電気伝達を維持するように構成された弾性機構と、
(g)前記中央車軸に回転可能に固定され、かつ前記ハウジングに固定されている前記支持構造取付け部と
を備えるスリップリングアセンブリ。
【0065】
17.前記内部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0066】
18.前記外部導体接続ディスクから延在する冷却フィンをさらに備える、前述した又は後述するあらゆる実施形態によるスリップリングアセンブリ。
【0067】
本明細書で使用されるとき、単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことができる。単数形の対象物への言及は、明示的に述べられていない限り、「1つだけ」を意味することを意図しておらず、むしろ「1つまたは複数」を意味する。
【0068】
本明細書で使用されているように、「セット」という用語は、1つまたは複数の対象物の集合を指す。したがって、例えば、対象物のセットは単一の対象物または複数の対象物を含むことができる。
【0069】
本明細書で使用されているように、「実質的に」および「約」という用語は、小さな変動を記述し、説明するために使用されている。事象または状況と併せて使用される場合、その用語は、その事象または状況が厳密に発生する場合だけでなく、その事象または状況が緊密な近似で発生する場合も指すことができる。数値と共に使用される場合、その用語は、その数値の±10%以下、例えば±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、または±0.05%以下などの変動の範囲を指すことができる。例えば、「実質的に」整列されたとは、±10°以下、例えば±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、または±0.05°以下などの範囲の角度変動を指すことができる。
【0070】
さらに、量、比率、および他の数値は、本明細書では時には範囲の形式で提示することができる。そのような範囲の形式は便宜上および簡潔さのために使用され、範囲の限界として明示的に特定された数値を含むように柔軟に理解されるべきであるが、しかし、あたかも各数値および部分範囲が明示的に特定されているかのように、その範囲内に包含されるすべての個々の数値または部分範囲も含む。例えば、約1から約200の範囲の比は、明示的に列挙された約1から約200の範囲を含むが、約2、約3、および約4などの個々の比、ならびに約10から約50、約20から約100などの部分範囲も含むと理解すべきである。
【0071】
本明細書の記載には多くの詳細が含まれるが、これらは、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではなく、現時点で好ましい実施形態のいくつかの例を提供したものにすぎない。したがって、本開示の範囲は、当業者に明らかになりうる他の実施形態をすべて包含することを認識されたい。
【0072】
当業者に知られている開示された実施形態の要素と構造的および機能的に等価のものはすべて、本明細書に参照により明確に援用されたものとされ、本特許請求の範囲に包含されるものとする。さらに、本開示にない要素、構成部品または方法ステップは、その要素、構成部品または方法ステップが特許請求の範囲に明確に記載されているか否かにかかわらず、公にされるためのものであることが意図される。本願の請求項の要素は、「~するための手段」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ミーンズ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。本願の請求項の要素は、「~するためのステップ」という表現を用いて明確に要素を記載していない限り、「ステップ・プラス・ファンクション」として解釈されるべきではない。
【表1】

図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4