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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】微粒化された果肉の形態にある飲料成分
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20220218BHJP
   A23L 33/22 20160101ALI20220218BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20220218BHJP
   A23L 2/52 20060101ALN20220218BHJP
【FI】
A23L19/00 Z
A23L19/00 A
A23L33/22
A23L2/02 C
A23L2/02 A
A23L2/00 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019570856
(86)(22)【出願日】2017-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2017066386
(87)【国際公開番号】W WO2019001746
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2020-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】502360042
【氏名又は名称】トロピカーナ プロダクツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】オシュマリナ,インナ
(72)【発明者】
【氏名】ファンタイコヴァ,ユリア
(72)【発明者】
【氏名】ネチャエンコ,アレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ブリアーゼ,ウラジーミル
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-506758(JP,A)
【文献】特開平06-335371(JP,A)
【文献】国際公開第2015/146880(WO,A1)
【文献】特開平10-210956(JP,A)
【文献】国際公開第2011/063386(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/067740(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仁果類の微粒化された搾りかすからなる微粒化された果肉の形態にある飲料成分において、該微粒化された果肉が、
(i)4から10質量%の全固形分;
(ii)2から6質量%の総食物繊維含量;および
(iii)粒径分布であって、全粒子が2100μm以下の範囲内のサイズを有し;粒子の90%が1700μm未満の粒径を有し;粒子が580から960μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し;粒子が470から980μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する;粒径分布、
を有する飲料成分。
【請求項2】
前記仁果類がリンゴである、請求項1記載の飲料成分。
【請求項3】
前記微粒化された果肉が、粒子の10%が300μm未満の粒径を有する粒径分布を有する、請求項1または2記載の飲料成分。
【請求項4】
前記微粒化された果肉が、1000~9000cPの範囲内の粘度を有する、請求項1から3のいずれか1項記載の飲料成分。
【請求項5】
前記微粒化された果肉が、前記微粒化された搾りかす、および水と果汁の少なくとも一方またはそのブレンドを含む、請求項1から4のいずれか1項記載の飲料成分。
【請求項6】
記微粒化された搾りかす、および水と果汁の少なくとも一方またはそのブレンドが、1:3から1:4.5の質量比にある、請求項5記載の飲料成分。
【請求項7】
i.請求項1記載の飲料成分を10から50体積%、および
ii.少なくとも1種類の果汁を50から90体積%、
含み、
各体積%の値が、前記飲料成分および前記少なくとも1種類の果汁の総質量に基づく、飲料。
【請求項8】
i.請求項1記載の飲料成分を1から50体積%、
ii.少なくとも1種類の果汁を10から90体積%、および
iii.少なくとも1種類の果実ピューレを1から30体積%、
含み、
各体積%の値が、前記飲料成分、前記少なくとも1種類の果汁および前記少なくとも1種類の果実ピューレの総質量に基づく、飲料。
【請求項9】
前記果実ピューレが、前記微粒化された搾りかすと同じ果実からなる、請求項8記載の飲料。
【請求項10】
前記果汁が、前記微粒化された搾りかすと同じ果実からなる、請求項7記載の飲料。
【請求項11】
飲料成分を製造する方法において、
i.仁果類の搾りかすであって、15から40質量%の全固形分、5mm以下の最大粒径、および8から20質量%の総食物繊維含量を有する搾りかすを提供する工程、
ii.前記搾りかすを、水と果汁の少なくとも一方、またはそのブレンドと混合して、4から10質量%の全固形分、5mm以下の最大粒径、および2.0から6.0質量%の総食物繊維含量を有する搾りかす混合物を提供する工程、および
iii.前記搾りかす混合物中の固形物の粒径を減少させて、微粒化された搾りかすからなる微粒化された果肉を提供する工程であって、該微粒化された果肉が、4から10質量%の全固形分、2.0から6.0質量%の総食物繊維含量、および粒径分布であって、全粒子が2100μm以下の範囲内のサイズを有し;粒子の90%が1700μm未満の粒径を有し;粒子が580から960μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し;粒子が470から980μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する;粒径分布を有する工程、
を有してなる方法。
【請求項12】
前記仁果類がリンゴである、請求項11記載の方法。
【請求項13】
工程iiiにおける前記微粒化された果肉が、粒子の10%が300μm未満の粒径を有する粒径分布を有する、請求項11記載の方法。
【請求項14】
工程iiiにおける前記微粒化された果肉が、1000~9000cPの範囲内の粘度を有する、請求項11記載の方法。
【請求項15】
工程iにおいて、前記搾りかすが、18から28質量%の全固形分を有する、請求項11記載の方法。
【請求項16】
工程iにおいて、前記搾りかすが、8から16質量%の総食物繊維含量を有する、請求項11記載の方法。
【請求項17】
工程iにおける前記搾りかすおよび工程iiにおける前記搾りかす混合物が、4mm以下の最大粒径を有する、請求項11記載の方法。
【請求項18】
工程iiにおいて、前記搾りかすが、65から85℃の温度を有し、水と果汁の少なくとも一方またはそのブレンドと混合された後、前記搾りかす混合物が、30から50℃の温度を有する、請求項11記載の方法。
【請求項19】
工程iiにおいて、前記搾りかす、および水と果汁の少なくとも一方またはそのブレンドが、1:3から1:4.5の質量比にある、請求項11記載の方法。
【請求項20】
工程iiにおいて、前記搾りかすが100%果汁と混合される、請求項11記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料成分、および飲料成分を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
より栄養のある製品を消費者に提供することが、飲料の技術分野において一般的に必要とされている。具体的には、フルーツジュースおよびフルーツネクターの分野において、元の新鮮な果実のものにできるだけ近い栄養素含有量を有する加工果実製品を消費者に提供する必要がある。フルーツジュースおよびフルーツネクターを製造するための従来の加工過程は、元の果実よりも低い栄養素含有量、例えば、より少ない繊維含量を有する最終製品を提供する傾向にある。消費者は、従来のフルーツジュースおよびフルーツネクターが、元の果実よりも栄養が少ないと気付いており、ある消費者市場では、この認識のために、フルーツジュースおよびフルーツネクター製品の需要が低下または減少する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、現在入手できるフルーツジュース製品と比べて、より高い栄養素含有量、特に、より高い繊維含量を有する、果実から製造された飲料成分を提供することを目標とする。その飲料成分を果汁および必要に応じて、果実ピューレと混ぜ合わせたときに、得られたブレンドは、消費者が、従来のジュース製品よりも高く、元の果実のものに近い栄養素含有量を有すると認識するであろうフルーツジュース製品を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明は、仁果類の微粒化された搾りかすからなる微粒化された果肉の形態にある飲料成分において、その果肉が、
(i)4から10質量%の全固形分;
(ii)2から6質量%の総食物繊維含量;および
(iii)粒径分布であって、全粒子が2100μm以下の範囲内のサイズを有し;粒子の90%が1700μm未満の粒径を有し;粒子が580から960μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し;粒子が470から980μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する;粒径分布
を有する飲料成分を提供する。
【0005】
本発明はさらに、本発明による飲料成分;および少なくとも1種類の果汁、および必要に応じて、少なくとも1種類の果実ピューレを含む飲料であって、その飲料成分が、その飲料内で、少なくとも0.6質量%の総食物繊維含量を与える、飲料を提供する。
【0006】
その飲料は、必要に応じて、果実または野菜から得られ、それゆえ、その地域の法律と条例に応じて、「100%果実」、または「100%野菜」、もしくは「100%ジュース」、「100%果実ピューレ」、「100%果実または野菜繊維」とラベル表示されることがある食材のみを含有する。
【0007】
本発明はさらに、飲料成分を製造する方法において、
i.仁果類の搾りかすであって、15から40質量%の全固形分、5mm以下の最大粒径、および8から20質量%の総食物繊維含量を有する搾りかすを提供する工程、
ii.その搾りかすを、水と果汁の少なくとも一方、またはそのブレンドと混合して、4から10質量%の全固形分、5mm以下の最大粒径、および2.0から6.0質量%の総食物繊維含量を有する搾りかす混合物を提供する工程、および
iii.その搾りかす混合物中の固形物の粒径を減少させて、微粒化された搾りかすからなる微粒化された果肉を提供する工程であって、その微粒化された果肉が、4から10質量%の全固形分、2.0から6.0質量%の総食物繊維含量、および粒径分布であって、全粒子が2100μm以下の範囲内のサイズを有し;粒子の90%が1700μm未満の粒径を有し;粒子が580から960μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し;粒子が470から980μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する;粒径分布を有する工程、
を有してなる方法を提供する。
【0008】
本発明のこれらの態様の全ての好ましい特徴が、それぞれの従属請求項に定義されている。
【0009】
本明細書において、「搾りかす」という用語は、果実を圧搾して果汁/果実ピューレをそこから抽出した後の仁果類の固体残留物を意味する;搾りかすは、果肉を含んでいるが、上流の分離過程において果実の固体残留物から取り除かれている果実の種子、茎や柄、および他の非食用部分は含まない。その搾りかすは、果実からの残留水分を含有する固体の果肉の形態にある。
【0010】
本明細書において、「微粒化された」という用語は、粒径が、1000μm未満である、体積平均直径の平均粒径D[4,3]を提供するように減少していることを意味する。
【0011】
本明細書において、微粒化された果肉の粘度は、スピンドル番号H04を有するBrookfield DV2THA No M13-167-B0614粘度計を使用して、50rpmおよび20℃で測定される。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態は、搾りかすの果肉から製造され、従来のまたは現行の市販の果実飲料よりも繊維含量が高い新規の飲料成分を提供することができる。
【0013】
その飲料成分は、従来のまたは現行の市販の果実飲料と比べて、高い果実含有量、元の果実のものと同程度の高い栄養素含有量、および高い繊維含量を有する果実系飲料を製造するために使用することができる。
【0014】
その飲料成分は、搾りかす、例えば、リンゴおよび/または西洋ナシの搾りかすから継続的に調達される。
【0015】
その飲料成分は、果実ピューレまたは果汁加工ラインにおける副産物として生成される搾りかすから製造することができる。次に、その飲料成分は、果汁、および必要に応じて、それに加え、果実ピューレと混ぜ合わせて、現在市販されているフルーツジュース製品と比べて、元の果実に近い栄養素含有量、および繊維含量を有する果実飲料を提供することができる。
【0016】
本発明は、食材の搾りかすの果肉を効果的に使用する。この果肉は、果汁または果実ピューレを生産するための多くの従来の果実加工ラインにおいて、果実系食品または飲料中に含まれない廃棄物として処理される。本発明において、搾りかすの果肉が回収され、加工されて、選択された範囲の全固形分および繊維含量を有し、少なくとも1種類の果汁、および必要に応じて、少なくとも1種類の果実ピューレと混ぜ合わせることによって、果実飲料に容易に含ませられる高繊維飲料成分が形成される。
【0017】
現在、搾りかすは、主に、動物の飼料として、または肥料として、もしくはそこから抽出すべきポリフェノールなどの生物活性化合物の供給源として、商業的に使用されている。
【0018】
本発明は、飲料成分中に含ませて、公知のジュース製品よりも高い果実含有量および高い食物繊維含量を有する飲料成分を提供することができる搾りかすの継続的な高価値の使用を提供する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態では、飲料成分を製造するための生の食材として搾りかすを利用する。
【0020】
本発明により製造された飲料は、小売りの環境に適合する、消費者に受け入れられる小売形態、例えば、典型的に密封され、典型的に無菌包装された、ボトルまたはカートンなどのパッケージで提供されることが好ましい。
【0021】
本明細書において、総食物繊維(TDF)は、Official Test Method AOAC991.43において、米国メリーランド州、ロックビル所在のAOAC Internationalにより規定された手順を使用して測定される。
【0022】
本明細書において、全固形(TS)分は、「Determination of total dry matter」に関して、IFU Method #61に定義されている通りに(DIN EN 12145(1996-10)にも定義されている)、仏国パリ所在のthe International Fruit and Vegetable Juice Association(IFU)により立案されたプロトコルを使用して測定される。
【0023】
本明細書において、粒径および粒径分布は、Malvern Mastersizer 2000分析機器を使用して測定される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態による、飲料成分を製造する方法の流れ図
図2A】本発明の実施の形態による飲料成分の体積に対する粒径分布を示すグラフ
図2B】比較の果実ピューレの体積に対する粒径分布を示すグラフ
図2C】本発明の実施の形態による第1の飲料の体積に対する粒径分布を示すグラフ
図2D】本発明の実施の形態による第2の飲料の体積に対する粒径分布を示すグラフ
図2E】市販の果実飲料の体積に対する粒径分布を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0025】
ここで、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して、ほんの一例として記載する。
【0026】
添付図面の図1を参照すると、飲料成分を製造する方法の実施の形態が、概略示されている。
【0027】
工程iにおいて、仁果類の搾りかすが提供される。典型的に、仁果類はリンゴであるが、西洋ナシなどのどの他の仁果類を、単独または任意の他の仁果類との組合せのいずれで、使用してもよい。
【0028】
上述したように、搾りかすは、果実を圧搾してそこから果汁を抽出した後の仁果類の固体残留物である;「搾りかす」は、果肉を含んでいるが、上流の篩操作において果実の固体残留物から取り除かれている果実の種、茎や柄、および他の非食用部分は含まない。その搾りかすは、果実からの残留水分を含有する固体の果肉の形態にある。
【0029】
本発明の1つの実施の形態において、その搾りかすは、果実ピューレ加工ラインの副産物であることがある。そのようなラインにおいて、リンゴなどの新鮮な果実は、圧搾され、次に、廃棄物固体が篩い分けされる第1の精製過程に施される。その廃棄物固体は、果実の種子、茎や柄、および他の非食用部分を含む。その篩は、典型的に、1.5~4.0mmの篩開口サイズを有する。篩い分けされた廃棄物固体は回収され、その濾液、すなわちピューレ原料が、続いて加工されて、本発明の飲料成分および果実ピューレが製造される。
【0030】
その後、得られた最初に精製された原料に、例えば、65から95℃の温度に加熱することによって、酵素的不活性化を施す。あるいは、酵素的不活性化工程は、第1の精製過程の前に行ってもよい。
【0031】
次に、ピューレ原料に第2の精製過程を施し、そこで、果肉固形物を含む生の搾りかすが、ピューレ原料から篩い分けられる。その果肉固形物は、典型的に、リンゴ原料の1から10質量%を占める。その篩は、典型的に、0.4~0.8mmの篩開口サイズを有する。
【0032】
本発明によれば、第2の精製過程で篩い分けされた果肉固形物は、さらに加工されて、公知のジュース製品より高い食物繊維含量を有する飲料成分が製造される。
【0033】
次に、ピューレ原料を含む、第2の精製過程からの濾液は低温殺菌され、次いで、そのピューレは、その後の使用または加工のために、無菌包装または貯蔵される。
【0034】
得られた篩い分けされた搾りかすは、果実からの残留水分を含有する固体の果肉の形態にある。その搾りかすは、典型的に、約20から40質量%の全固形分、例えば、22から28質量%の全固形分を有する。その搾りかすは、8から20質量%、例えば、12から16質量%の総食物繊維含量も有する。その搾りかすは、5mm以下の最大粒径、例えば、3~5mm以下、例えば、4mm以下の最大粒径も有する。その搾りかすは、リンゴの搾りかすである場合、典型的に4.2未満、より典型的に3.9未満のpHを有する。
【0035】
色補正のために、1種類以上の酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸をその搾りかすに添加しても差し支えない。
【0036】
典型的に、第2の精製過程からの搾りかすは、65から85℃、例えば、65から70℃の温度を有する。その搾りかすは、果実ピューレ加工ラインからの生の副産物であり、典型的に、果実ピューレ加工ラインに供給される新鮮な果実、例えば、リンゴの1から10質量%を占める。
【0037】
その後、工程iiにおいて、搾りかすは、65から85℃の温度で、水と果汁の少なくとも一方、またはそのブレンドと混合されて、均一な搾りかす混合物が提供される。その搾りかすは、ピューレ加工ラインから直接使用されてもよい。しかしながら、その搾りかすは、前もって収集され、冷凍/冷蔵条件で貯蔵されており、その後、解凍されるか、または水との混合のために他のやり方で準備されるであろう。その搾りかすは、水または100%果汁、もしくは水と果汁との任意のブレンドと混合してよい。典型的に、水は10から25℃の温度である。工程iiにおいて搾りかすを水と混合した後、その搾りかす混合物は、30から50℃の温度を有する。その搾りかすおよび水と果汁の少なくとも一方、またはそのブレンドは、1:2から1:5、例えば、1:3から1:4.5の質量比で混合されている。その搾りかすおよび水と果汁の少なくとも一方、またはそのブレンドは、混合されている。その混合は、所望の粒子分布を達成するためのどの適切な混合装置、例えば、ダイナミックミキサ内で行ってもよい。
【0038】
工程iiで製造された搾りかす混合物は、4から10質量%、例えば、4.5から6.5質量%の全固形分を有する。工程iiで製造された搾りかす混合物は、5mm以下、例えば、3~5mm以下、例えば、4mmの、初期搾りかすと同じ最大粒径を有する。工程iiで製造された搾りかす混合物は、2から6質量%、例えば、2.3から3.2質量%の総食物繊維含量を有する。
【0039】
本発明の別の実施の形態において、搾りかすは、果汁加工ラインの副産物であることがある。そのようなラインにおいて、リンゴなどの新鮮な果実は、例えば、ベルトプレス、ブッヒャープレス(bucher press)、デカンターなどを使用して、典型的な果汁分離過程に施される。
【0040】
本発明によれば、得られたリンゴ製品に、廃棄物固体が篩い分けされる第1の精製過程が施される。その廃棄物固体は、果実の種子、茎や柄、および他の非食用部分を含む。その篩は、典型的に、1.5~4.0mmの篩開口サイズを有する。篩い分けされた廃棄物固体は回収され、その濾液、すなわち果汁原料が、続いて加工されて、本発明の飲料成分および果汁が製造される。
【0041】
その後、得られた最初に精製された原料に、例えば、65から80℃の温度に加熱することによって、酵素的不活性化を施す。
【0042】
あるいは、酵素的不活性化工程は、第1の精製過程の前に行ってもよい。
【0043】
次に、果汁原料に第2の精製過程を施し、そこで、果肉固形物を含む生の搾りかすが、果汁原料から篩い分けられる。その果肉固形物は、典型的に、リンゴ原料の10から30質量%を占める。その濾液が加工されて、果汁が製造される。
【0044】
得られた搾りかすは、果実からの残留水分を含有する固体の果肉の形態にある。その搾りかすは、典型的に、約15から40質量%の全固形分、例えば、18から28質量%の全固形分を有する。その搾りかすは、8から20質量%、例えば、8から14質量%の総食物繊維含量も有する。その搾りかすは、5mm以下の最大粒径、例えば、3~5mm以下、例えば、4mmの最大粒径も有する。その搾りかすは、リンゴの搾りかすである場合、典型的に4.2未満、より典型的に3.9未満のpHを有する。典型的に、第2の精製過程からの搾りかすは、65から85℃、例えば、65から70℃の温度を有する。その搾りかすは、果汁加工ラインからの生の副産物であり、典型的に、果汁加工ラインに供給される新鮮な果実、例えば、リンゴの10から30質量%を占める。ピューレの実施の形態について先に記載したように、その搾りかすに1種類以上の酸化防止剤を添加してもよい。
【0045】
その後、同様にピューレの実施の形態について先に記載したように、工程iiにおいて、搾りかすは、65から85℃の温度で、水と果汁の少なくとも一方、またはそのブレンドと混合されて、4から10質量%、例えば、4.5から6.5質量%の全固形分を有する搾りかす混合物が提供される。工程iiにおいて製造された搾りかす混合物は、5mm以下、例えば、3~5mm以下、例えば、4mmの、初期搾りかすと同じ最大粒径を有する。工程iiで製造された搾りかす混合物は、2から6質量%、例えば、2.3から3.2質量%の総食物繊維含量を有する。
【0046】
各実施の形態において、ピューレまたは果汁加工ラインのいずれにおいても、搾りかす混合物は、本発明による飲料成分を形成するためのその後の加工向けの原料を含む。
【0047】
その後、工程iiiにおいて、搾りかす混合物は、微粒化工程に施されて、微粒化された搾りかすからなる微粒化された果肉が提供される。その微粒化工程は、コロイドミル、微粒化装置/分散機、回転式推進装置、一段および多段式回転子/固定子対、粉砕機、スロット(メッシュ)分散機、高圧プランジャー式ホモジナイザ、または微粒化された果肉を提供するために搾りかす混合物について先に記載された組成および性質を有するまたはそれに似た混合物を微粒化するのに適した当該技術分野で公知の任意の他の装置などの装置内で行うことができる。微粒化された果肉は、工程iiにおいて製造された搾りかす混合物と同じ全固形分および総食物繊維含量を有する。言い換えると、その全固形分は、4から10質量%、例えば、4.5から6.5質量%であり、総食物繊維含量は、2から6質量%、例えば、2.3から3.2質量%である。
【0048】
典型的に、微粒化された果肉は、1000~9000cPの範囲内の粘度を有する。
【0049】
その微粒化された果肉は、微粒化工程の結果として、搾りかす混合物よりも小さい粒径を有する。その微粒化された果肉は、粒子が580から960μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有する粒径分布を有する。その粒径分布において、全粒子が2100μm以下の範囲内のサイズを有する。それに加え、粒子の90%が1700μm未満の粒径を有する。その粒子は、470から980μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する。その粒径分布において、粒子の10%が300μm未満の粒径を有することが好ましい。
【0050】
微粒化工程iiiの後、工程ivにおいて、微粒化された果肉が高温で殺菌される。その殺菌された微粒化果肉は、公知のジュース製品よりも高い食物繊維含量を有する飲料成分を含む。その微粒化果肉は、微粒化された搾りかすおよび水および/または果汁を含むまたはそれからなる。
【0051】
その飲料成分は、飲料を製造するために、その後使用される。
【0052】
1つの実施の形態において、その飲料成分は、少なくとも1種類の果汁と混合されて、飲料を提供する。その混合比は、その飲料成分が飲料において少なくとも0.6質量%の総食物繊維含量を与えるように選択されることがある。それに加え、その混合比は、粒子の90%が1100μm未満の粒径を有し、全粒子が1900μm未満の粒径を有する粒径分布をその飲料が有するように選択されることがある。好ましい実施の形態において、各体積%の値が飲料成分と少なくとも1種類の果汁の総質量に基づいている、10から50体積%の飲料成分および50から90体積%の少なくとも1種類の果汁を含む飲料が提供される。典型的に、その飲料成分および少なくとも1種類の果汁は、飲料の95から100体積%、最も典型的に100体積%を占める。典型的に、その果汁は、微粒化された搾りかすと同じ果実、例えば、リンゴからなる。
【0053】
その飲料は、必要に応じて、果実または野菜から得られ、それゆえ、その地域の法律と条例に応じて、「100%果実」、または「100%野菜」、もしくは「100%ジュース」、「100%果実ピューレ」、「100%果実または野菜繊維」とラベル表示されることがある食材のみを含有する。
【0054】
一例において、その飲料は、10から40体積%の搾りかす由来の飲料成分、および60から90体積%の果汁を含む。
【0055】
別の好ましい実施の形態において、各体積%の値が飲料成分、少なくとも1種類の果汁、および少なくとも1種類の果実ピューレの総質量に基づいている、1から50体積%の飲料成分、10から90体積%の少なくとも1種類の果汁、および1から30体積%の少なくとも1種類の果実ピューレを含む飲料が提供される。典型的に、飲料成分、少なくとも1種類の果汁、および少なくとも1種類の果実ピューレが、その飲料の95から100体積%、最も典型的に100体積%を占める。
【0056】
一例において、その飲料は、10から40体積%の搾りかす由来の飲料成分、50から80体積%の果汁、および10から40体積%の果実ピューレを含む。
【0057】
典型的に、その果実ピューレは、微粒化された搾りかすと同じ果実からなる、および/またはその果汁は、微粒化された搾りかすと同じ果実、例えば、リンゴからなる。その果実ピューレは、粒子の少なくとも90%が1200μm未満の粒径を有する粒径分布を有することがある。その果実ピューレは、体積平均直径D[4,3]が300から570μmの範囲内にある粒径分布を有することがある。
【0058】
全粒子が1900μm未満の粒径を有し、粒子の90%が1100μm未満の粒径を有し、粒子が270から570μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し、粒子が225から430μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する粒径分布をその飲料が有することが好ましい。さらに、その粒子が、粒子の10%が130μm未満の粒径を有する粒径分布を有することが好ましい。
【0059】
元の果実と類似の全果実の高栄養価の飲料製品と考えられるように所望の高い繊維および栄養素含有量を維持するのに十分に小さい濃度の水、糖類などの甘味料、およびクエン酸などの酸味料等の他の成分をその飲料に添加してもよい。栄養添加物、例えば、ビタミン、調味料、例えば、果実片、果汁、ピューレまたはエキス、着色料、香味料などの他の成分を飲料に添加してもよいことが当業者に明白であろう。しかしながら、主目的は、全果実の栄養価を与えると記載できる天然果汁製品を提供することであるので、どの添加成分も、典型的に、人工添加物ではなく、天然添加物である。
【実施例
【0060】
ここで、以下の非限定実施例を参照して、本発明をさらに説明する。
【0061】
実施例1
この実施例により、ピューレ加工ラインにおいてリンゴ搾りかす製品を製造した。
【0062】
固体の果肉の形態にあるリンゴ搾りかすを、ピューレ加工ラインにおいて先に記載したように、本発明にしたがって加工した。圧搾したリンゴに最初の篩い分け工程を施して、果実の食べられない種子、茎や柄、および他の非食用部分を除去し、次いで、リンゴに第2の篩い分け工程を施して、果肉の形態にある搾りかすを製造した。これをその後、下記に記載されるように加工して、飲料成分、およびリンゴピューレ製品を製造するために使用されるピューレ原料を製造した。
【0063】
そのリンゴ搾りかすは、24質量%の全固形分、12.5質量%の総食物繊維含量、および5mm以下の最大粒径を有した。80℃の温度のこの搾りかすを、ミキサ内で1:3.5から1:4の質量比で15℃からの温度の水と混合して、粒径分布を確実に均一にした。この搾りかすと水の混合物の温度は43℃であった。この搾りかすと水の混合物は、5.5質量%の全固形分、初期の搾りかすと同じ、5mm以下の最大粒径、および約2.5質量%の総食物繊維含量を有した。
【0064】
この搾りかすと水の混合物に、上述したような微粒化工程を施して、微粒化された搾りかすからなる微粒化された果肉を提供した。この微粒化された果肉は、搾りかすと水の混合物と同じ全固形分および総食物繊維含量を有する。この微粒化された果肉は、微粒化工程の結果として、搾りかすと水の混合物よりも小さい粒径を有した。
【0065】
その微粒化された果肉の粒径分布を測定した。得られた分布が図2Aに示されており、その図は、体積%とμmで表された粒径との間の関係を示している。その分布は、1つのピークを有する比較的狭い分布を形成し、そのピークより小さい粒径では、比較的徐々に上昇し、そのピークより大きい粒径では、比較的急に降下するのが分かるであろう。
【0066】
その微粒化された果肉は、全粒子が2100μm以下の範囲内のサイズを有し、粒子の90%が1700μm未満の粒径を有し、その粒子は、580から960μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し、その粒子は、470から980μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する粒径分布を有した。
【0067】
実施例1において製造された微粒化された果肉の粒径分布が、表1に示されている。表1において、粒径パラメータD(v,0.9)は、それぞれのサイズ範囲内の粒子の体積による、本明細書では百分率で表された比率を定義する。
【0068】
【表1】
【0069】
微粒化された果肉は、加熱によって殺菌した。
【0070】
微粒化された果肉は、図2Bに示され、表1に比較例1として示されるような粒径分布を有する果実ピューレから区別することができる。
【0071】
ピューレにおいて、そのピューレの粒径分布が、全粒子が1780μm以下の範囲内のサイズを有し、粒子の90%が1200μm未満の粒径を有し、その粒子は、300から570μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し、その粒子は、230から500μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有するわずかに広い分布を形成したことが分かるであろう。
【0072】
微粒化された果肉とピューレの混合物を試験したときに、図2Bに示されたような、飲料成分とピューレとのブレンドの結果として得られた粒径分布が作成された。微粒化された果肉とピューレの混合物の分布は、2つの個別の分布を組み合わせることによって、広がっていることが分かるであろう。
【0073】
従来のフルーツジュース製品と置き換えるように許容される粘度および注ぎ特性を有する飲料製品を提供するために果汁を添加したときに、その新規の飲料は少なくとも0.6質量%の総食物繊維含量を有し、その粒子の少なくとも90%は1100μm未満の粒径を有した。この粒径分布は、消費者試験において、栄養価の高い全果実製品を摂取しているという印象を与える魅力的な感覚を与えることが分かった。この飲料成分を果汁と混ぜ合わせたときに、得られたブレンドは、消費者が、従来のジュース製品よりも高く、元の果実のものに近い栄養素含有量を有すると知覚するであろうフルーツジュース製品を提供することが分かった。また、消費者は、新たな飲料が、本物の自家製の果汁プロファイル、新鮮なリンゴの味、栄養満点の健康的な製品を有することに気付いた;多くの試験者が、質感が特に気に入ったと主張した。
【0074】
具体的に、消費者試験において、試験者は、飲料製品に関する以下の基準に平均を上回るスコアを与えた:高品質製品;ビタミン/栄養素の良好な供給源;味と健康の良好なバランス;本物の果実自体に近い味;健康的な製品;および天然食材で製造されたこと。これらの結果は、その製品が、消費者に天然で健康的であると知覚されることを示している。
【0075】
実施例2
この実施例により、果汁加工ラインにおいてリンゴ搾りかす製品を製造した。
【0076】
固体の果肉の形態にあるリンゴの搾りかすを、果汁加工ラインにおいて、先に記載したように、本発明にしたがって加工した。圧搾したリンゴに最初の篩い分け工程を施して、果実の食べられない種子、茎や柄、および他の非食用部分を除去し、次いで、リンゴに第2の篩い分け工程を施して、果肉の形態にある搾りかすを製造した。これをその後、下記に記載されるように加工して、飲料成分、およびリンゴジュース製品を製造するために使用される果汁原料を製造した。
【0077】
その搾りかすは、20質量%の全固形分、10質量%の総食物繊維含量、および5mm以下の最大粒径を有した。65℃の温度のこの搾りかすを、ミキサ内で1:3の質量比で15℃からの温度の水と混合して、粒径分布を確実に均一にした。この搾りかすと水の混合物の温度は38℃であった。
【0078】
この搾りかすと水の混合物は、5.5質量%の全固形分、初期の搾りかすと同じ、5mm以下の最大粒径、および約2.3質量%の総食物繊維含量を有した。
【0079】
この搾りかすと水の混合物に、実施例1について上述したように、微粒化工程を施して、飲料成分を形成した。この飲料成分は、実施例1に関するのと同じ粒径分布を有した。
【0080】
実施例3
下記の表2に列挙された食材を有する果汁飲料を調製した。そのような飲料は、粒子の90%が1100μm未満の粒径を有し、全粒子が1900μm未満の粒径内にある粒径分布を有した。その粒子は、270から530μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し、その粒子は、225から430μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する。
【0081】
【表2】
【0082】
対照的に、果実ピューレを含有する従来の飲用の果汁系製品は、粒子の90%が440μm未満の粒径を有し、全粒子が800μm未満の粒径内にある粒径分布を有する。
【0083】
従来の飲料と比べて、実施例3の飲料の粒径分布の粒径が大きいほど、全果実製品の印象を与える知覚経験が得られる。それに加え、搾りかす食材は、実施例3の飲料に増強された食物繊維含量を与える。
【0084】
リンゴ果汁、リンゴピューレおよび実施例1において製造された飲料成分を含む飲料の粒径分布が、図2Cおよび表1に示されている。
【0085】
実施例4
実施例1において製造された飲料成分を、表3に列挙された組合せの果汁の混合物およびピューレの混合物とブレンドして、フルーツネクターの形態にある飲料を得た。
【0086】
【表3】
【0087】
結果として得られた粒径分布が、表1および図2Dに示されている。そのような飲料は、粒子の90%が1100μm未満の粒径を有し、全粒子が1900μm未満である粒径分布を有した。その粒子は、270から530μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]を有し、その粒子は、225から430μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)を有する。
【0088】
この粒径分布は、消費者試験において、栄養価の高い全果実製品を摂取しているという印象を与える魅力的な感覚を与えることが分かった。
【0089】
対照的に、果実ピューレを含有する従来の飲用の果汁系製品は、粒子の90%が440μm未満の粒径を有し、全粒子が800μm未満の粒径内にある粒径分布を有する。
【0090】
実施例1において製造された微粒化された果肉を含むネクターの粒径分布が、図2Dおよび表1に示されている。
【0091】
比較例3
果汁/果実ピューレブレンドを含む市販の果実飲料(フルーツジュースまたはフルーツネクターとして調製された)を試験して、粒径分布を決定した。これも、表1に示されている。市販の果実飲料は、140から250μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]、125から210μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)、および260から440μmの範囲内のD(v,0.9)を有し、最大粒径が800μmであることが表1から分かる。
【0092】
この粒径分布は、消費者試験において、栄養価の高い全果実製品を摂取しているという印象を与えないことが分かった。
【0093】
実施例1の飲料中に搾りかす由来の飲料成分を提供することによって、実施例3および4の結果として得られた飲料における粒径分布が、270から530μmの範囲内の体積平均直径D[4,3]、225から430μmの範囲内の体積平均直径D(v,0.5)、および560から1100μmの範囲内のD(v,0.9)を有することが表1から分かる。
【0094】
両方の組成物がフルーツジュースおよびフルーツネクターであるにもかかわらず、これらの粒径範囲の全ては、比較例3の市販の果実飲料製品のそれぞれの範囲よりも高く、比較例3の飲料製品は、果汁および果実ピューレのみを含んでいる。
【0095】
実施例3および4の粒径分布は、比較例3の市販の果実飲料製品と比べて改善された知覚経験を与える。実施例1の飲料成分を果汁および果実ピューレと混ぜ合わせたときに、実施例3および4の結果として得られたブレンドは、果汁、およびピューレ/果肉を含む市販のジュース製品よりも高く、元の果実のものに近い栄養素含有量を有すると消費者が知覚するフルーツジュース製品を提供することが分かった。
【0096】
それに加え、実施例3および4の飲料中に実施例1の搾りかす由来の飲料成分を与えることによって、より高い食物繊維含量も与えられた。
【0097】
比較例3において結果として得られた粒径分布が、表1および図2Eに示されている。
【0098】
実施例5および6
西洋ナシの搾りかすから形成される飲料成分を、実施例1および2について先に記載した工程段階を使用して調製した。その飲料成分は、本発明の範囲内に入る粒径分布を有した。
【0099】
本発明に対する様々な他の改変が、当業者に容易に明白であろう。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E