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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】データ変換機
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220218BHJP
【FI】
G06Q30/02 352
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020081747
(22)【出願日】2020-05-07
(62)【分割の表示】P 2016564121の分割
【原出願日】2015-04-20
(65)【公開番号】P2020123399
(43)【公開日】2020-08-13
【審査請求日】2020-06-08
(31)【優先権主張番号】14/261,485
(32)【優先日】2014-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505191869
【氏名又は名称】アール・ジエイ・レイノルズ・タバコ・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョエル・アール・セッチェル
(72)【発明者】
【氏名】エリカ・リー・カーニー
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・ハートセル
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ジェームズ・リッカート
(72)【発明者】
【氏名】コーリー・ダグラス・ダニエルズ
【審査官】阿部 陽
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0255149(US,A1)
【文献】特開2005-078323(JP,A)
【文献】特開2010-205185(JP,A)
【文献】特開2007-299369(JP,A)
【文献】特開2013-041453(JP,A)
【文献】米国特許第06932270(US,B1)
【文献】特開2005-328179(JP,A)
【文献】特開2014-067176(JP,A)
【文献】特開2014-067366(JP,A)
【文献】井上竜一郎,電子ペーパー(DMS)を利用した社内伝票の電子化のご提案,月刊自動認識,日本,日本工業出版株式会社,2010年05月10日,第23巻,第6号,P.16~18
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売時点位置におけるデバイス上の多使用クーポンのデータの視覚表現の変換およびリモートサーバにおけるクーポンの検証のためのシステムであって、
ユーザのモバイルデバイス上の多使用クーポンのデータの第1のフォーマットでの第1の表現をキャプチャするよう動作可能なスキャンコンポーネントと、
データの少なくとも一部の第2の表現を表示するよう動作可能なスクリーンであって、第1および第2の表現はバーコードである、スクリーンと、
リモートサーバと通信するように構成された通信インタフェースと、
スキャンコンポーネント、通信インタフェース、およびスクリーンと通信する少なくとも1つの回路であって、
スキャンコンポーネントで第1の表現からデータをキャプチャすることであって、データが第1の表現からのユーザアカウント情報および多使用クーポン識別を含むことと、
通信インタフェースを介してデータに基づいて多使用クーポンの使用情報およびユーザアカウント情報を通信することと、
通信インタフェースを介してリモートサーバからクーポンが有効か無効かを識別し、多使用クーポンの残りのゼロではない利用可能な使用の数を識別する使用情報を含む検証を受信することと、
多使用クーポンの有効との識別に応じてデータの少なくとも一部の第1のフォーマットとは異なる第2のフォーマットでの第2の表現を生成することと、
多使用クーポンの無効との識別に応じてクーポン無効メッセージを生成することと、
スクリーン上にデータの第2の表現またはクーポン無効メッセージ、および多使用クーポンの残りのゼロではない利用可能な使用の数を表示することと
を行うよう動作可能な、少なくとも1つの回路と、
リモートサーバであって、
通信インタフェースを介して少なくとも1つの回路、およびベンダクーポンデータベースと通信する通信インタフェースを備え、
多使用クーポンのデータの第1の表現からのデータをスキャナデバイスから受信することであって、データが多使用クーポンの使用情報およびモバイルデバイス上の多使用クーポンに関連付けられたユーザアカウントを含むことと、
多使用クーポンおよびユーザアカウントが有効か無効かを、多使用クーポンの残りの使用の数およびユーザアカウントの状態を判定することによって検証することと、
多使用クーポンの残りのゼロではない利用可能な使用の数を識別する使用情報を含む、多使用クーポンの有効の検証を、クーポンおよびユーザアカウントが有効であるときデバイスに通信することと、
多使用クーポンの無効の検証を、多使用クーポンおよびユーザアカウントが無効であるときデバイスに通信することと、
クーポンのユーザのユーザアカウント上で多使用クーポンの使用の数量を更新するためにベンダクーポンデータベースに使用情報を通信することと
を行うよう動作可能な、リモートサーバと
を備える、システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、ユーザアカウントが、モバイルデバイス上で動作するように構成されたアプリケーションによってさらにアクセス可能であり、アプリケーションが、多使用クーポンがモバイルデバイス上で利用可能にされる前に、ユーザアカウントを認証し、年齢確認を提供するように構成されている、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、デバイスの通信インタフェースが、無線通信インタフェースを備える、システム。
【請求項4】
販売時点デバイスによって読まれるデータのグラフィカルな表現の変換のためのデバイスを含むシステムであって、デバイスが検証のためにリモートサーバと通信し、システムが、
変換デバイスであって、
モバイルデバイス上のクーポン表示上の2Dバーコードをキャプチャするように動作可能な、第1の方向でスキャンするように配向された2Dバーコードスキャナと、
販売時点デバイスに面する第2の方向で1Dバーコードを表示するように動作可能なスクリーンと、
リモートサーバと通信するように構成された通信インタフェースと、
2Dバーコードスキャナ、通信インタフェース、およびスクリーンと通信する少なくとも1つの回路であって、
2Dバーコードからのユーザアカウント情報および多使用クーポン識別を含むデータを識別することと、
2Dバーコードからのユーザアカウント情報および多使用クーポン識別を含むデータを通信インタフェースを介して送信することと、
2Dバーコードで識別されたユーザアカウントについて多使用クーポンが有効か無効かを識別し、多使用クーポンの残りのゼロではない利用可能な使用の数を識別する使用情報を含む検証を、通信インタフェースを介してリモートサーバから受信することと、
第2の方向での表示のために販売時点デバイスに1Dバーコードを表示するために、多使用クーポンの有効の検証が受信されるまで待機することと、
多使用クーポンの有効との識別に応じて1Dバーコードを生成することと、
販売時点デバイスによってスキャンするために変換デバイスのスクリーン上に1Dバーコードを表示すること、および多使用クーポンの残りのゼロではない利用可能な使用の数を表示することと、
多使用クーポンの無効との検証の受領に応じて多使用クーポンが無効であると示すメッセージを第2の方向で販売店デバイスに対して生成し、変換デバイスのスクリーン上に表示することと
を行うよう動作可能な、少なくとも1つの回路と
を備える変換デバイスと、
リモートサーバであって、
変換デバイスおよびベンダクーポンデータベースと通信する通信インタフェースを備え、
多使用クーポンのデータの第1の表現からのデータを変換デバイスから受信することであって、データが多使用クーポンの使用情報および多使用クーポンに関連付けられたユーザアカウントを含むことと、
多使用クーポンおよびユーザアカウントの有効を検証することと、
クーポンおよびユーザアカウントが有効であるとき、多使用クーポンの残りのゼロではない利用可能な使用の数を識別する使用情報を含む、多使用クーポンの有効の検証を変換デバイスに通信することと、
クーポンまたはユーザアカウントが無効であるとき多使用クーポンの無効の検証をデバイスに通信することと、
クーポンのユーザのユーザアカウント上で多使用クーポンの使用を更新するためにベンダクーポンデータベースに使用情報を通信することと
を行うよう動作可能な、リモートサーバと
を備える、システム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムであって、変換デバイスが、デバイスとともに店の場所を決定するためのGPS処理をさらに備え、少なくとも1つの回路が、店の場所をリモートサーバに通信する、システム。
【請求項6】
請求項4に記載のシステムであって、通信インタフェースが、インターネット接続上でリモートサーバと通信するように構成されている、システム。
【請求項7】
請求項4に記載のシステムであって、リモートサーバが、店の場所を識別し、特定の店の場所または店の場所にある個別の小売りチェーンのために構成された1Dバーコードを生成するための情報をデバイスに通信する、システム。
【請求項8】
請求項4に記載のシステムであって、ユーザアカウントが、モバイルデバイス上で動作するように構成されたアプリケーションによってさらにアクセス可能であり、アプリケーションが、多使用クーポンがモバイルデバイス上で利用可能にされる前に、ユーザアカウントを認証し、年齢確認を提供するように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「DATA TRANSLATOR」と題された、2014年4月25日付けの米国特許出願第14/261,485号の優先権を主張するものであり、同出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は一般に、データの視覚表現を変換するためのシステムおよび方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第7,753,056号明細書
【文献】米国特許第7,836,897号明細書
【文献】米国特許第8,469,035号明細書
【文献】米国特許第8,464,726号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0042885号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0019888号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0133675号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0146075号明細書
【文献】国際公開第2012/0164077号
【文献】国際公開第2013/098380号
【文献】国際公開第2013/098405号
【文献】国際公開第2013/098410号
【文献】国際公開第2013/104914号
【文献】欧州特許出願公開第1808087号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2550879号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0303511号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0206150号明細書
【非特許文献】
【0004】
【文献】Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、小売取引での使用を目的とした、データ表現を変換し検証するためのシステムおよび方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実装形態では、デバイスは、リーダとディスプレイコンポーネントを備え得る。リーダは、データの第1の表現に対応するデータをキャプチャするよう動作可能となり得る。スクリーンは、データの第2の表現を表示するよう動作可能となり得る。データの第2の表現は、リーダおよびスクリーンと通信するプロセッサによって生成され得る。このデータは、製品の販売に関連するクーポンデータに相当し得る。いくつかの実装形態では、第1の表現はマトリックスバーコードで構成され、第2の表現はリニアバーコードで構成され得る。リーダは、本体に搭載され、第1の方向を向くよう構成され得る。スクリーンは、本体に搭載され、第2の方向を向くよう構成され得る。
【0007】
いくつかの実装形態では、データを変換するための方法が提供され得る。本方法には、クーポンの第1の表現をキャプチャすることと、同クーポンを識別するためのコードを決定することとが含まれ得る。コードは、クーポンが有効かどうかを決定するために確認され得る。コードの確認には、クーポンの有効性を識別ためにネットワーク接続を介してデータベースと通信することが含まれ得る。クーポンの使用状況に相当する使用情報もまた、データベースへ伝達され得る。使用情報には、使用された店舗および/または位置に関する識別コードが含まれ得る。さらに、クーポンの第2の表現が生成され、スクリーン上に表示され得る。クーポンの第2の表現は、リニアバーコードスキャナに対応するよう構成される。クーポンの第1および第2の表現に相当するコードには、製品に対する販売オファに対応するオファコードが含まれ得る。
【0008】
いくつかの実装形態では、システムは、データの第1の表現をキャプチャするよう動作可能なリーダと、データの第2の表現を表示するよう動作可能なスクリーンとを備え得る。本システムは、通信インタフェースと、少なくとも1つの回路とをさらに備え得る。少なくとも1つの回路は、リーダによってキャプチャおよび/または記録された第1の表現からのデータを処理するよう動作可能なものとなり得る。さらに、少なくとも1つの回路は、データに基づく使用情報を、通信インタフェースを介して伝達することができる。さらに、少なくとも1つの回路は、データの少なくとも一部の第2の表現を生成し、その第2の表現をスクリーン上に表示することができる。さらに、少なくとも1つの回路は、データに関連付けられるユーザアカウントを識別するため、通信インタフェースを介してデータを伝達するよう動作可能なものとなり得る。また、ユーザアカウントは、モバイルデバイス上で動作するアプリケーションを通じてアクセス可能なものとなり得る。モバイルデバイス上のこうしたアプリケーションは、データの第1の表現を生成するために実装され得る。
【0009】
本明細書で説明される図面は例証のみを目的としており、あらゆる意味において本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】データの視覚表現を変換するためのデバイスに関する、第1の投影図の一例である。
図1B図1Aのデバイスに関する、第2の投影図の一例である。
図2A】データの視覚表現を変換するためのデバイスに関する、第1の投影図の一例である。
図2B図2Aのデバイスに関する、第2の投影図の一例である。
図3A】データの視覚表現を変換するためのデバイスに関する、スキャンの一例を説明する図である。
図3B】データの視覚表現を変換するためのデバイスに関する、表示の一例を説明する図である。
図4】データの視覚表現を変換するためのシステムに関する、環境の一例を示す図である。
図5A】データの視覚表現を変換するための方法の一例を示す図である。
図5B図5Aから続く、データの視覚表現を変換するための方法の一例を示す図である。
図6A】無効なクーポン取引に応じて表示されるスクリーングラフィックスの一例を示す図である。
図6B】有効なクーポン取引に応じて表示されるスクリーングラフィックスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
各図面を通じて、対応する参照番号は、類似または対応する部分および特徴を示すことを理解されたい。
【0012】
図1Aは、データの視覚表現を変換するためのデバイス102を表す図の一例を示す。本デバイスは、リーダ(たとえば、スキャンコンポーネント106)を収容するよう構成された、本体104を備え得る。スキャンコンポーネント106には、データの第1の視覚表現をスキャンするよう構成された、任意の形態のデバイスが含まれ得る。たとえば、スキャンコンポーネント106は、符号化データの2次元表現、マトリックスバーコード、またはデータの任意のグラフィカルな表現をスキャンするよう構成され得る。
【0013】
バーコードは、それが付された対象に関するデータの光学機械可読表現となり得る。もともとは、平行線が持つ幅と間隔の変化によって、リニアバーコードが系統的にデータを表していた。バーコードは、パターンを形成する矩形、ドット、六角形、その他の幾何学形状などのシンボルからなるグループへと進化した。こうしたシンボルおよびパターンのサイズや間隔を2次元(2D)的に変化させて、情報を符号化することが可能である。2Dシステムは多様なシンボルを利用するが、これらも総じてバーコードと呼ばれる。
【0014】
スキャンコンポーネント106には、符号化データの2次元表現をスキャンするよう動作可能な、任意の形態のイメージャまたはスキャナが含まれ得る。簡単のため、本開示の全体を通じて、データの2次元(2D)表現(マトリックスバーコードなど)を表現する際は、2Dバーコードという用語を用いる。ただし、本明細書で言及されるスキャンコンポーネントは、データの任意の2D表現をスキャンするよう構成され得ることを理解されたい。データの2D表現には、隠された、すなわち符号化された情報を表し得る、間隔をあけて並べられた複数のシンボルが含まれ得る。符号化データの2D表現には、識字能力を有する人間が容易に識別することのできない、データの任意の2D表現も含まれ得る。
【0015】
デバイス102は、スキャナ回路110と検出器108をさらに備え得る。本デバイスは、スキャンコンポーネント106が2Dバーコードの読取りに成功したことに応答して照光し得る、インジケータも含み得る。インジケータは、スキャナがマトリックスバーコードをスキャンする準備が整ったときに信号出力するようにも構成され得る。スキャナ回路110は、スキャンコンポーネント106を制御し、そこから情報を受信するよう動作可能なものとなり得る。スキャナ回路110には、2Dバーコードのデジタル表現を生成するよう構成された、1つ以上のプロセッサまたは回路が含まれ得る。いくつかの実装形態では、無線周波数、無線周波数識別(RFID)、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(NFC)など、非接触のスキャン手法が用いられてよい。いくつかの実装形態では、スキャンコンポーネントは、こうした非接触スキャン手法のいずれか1つ、または複数の形態で、データの表現を読み取るよう動作可能なものとなり得る。非接触スキャン手法により受信した情報は、本明細書で論じる2Dバーコードと同様に処理することが可能である。
【0016】
検出器108には、スキャンコンポーネント106に近接した対象を検出するよう動作可能な、任意の形態のセンサが含まれ得る。いくつかの実装形態では、検出器108には、スキャンコンポーネント(たとえば、イメージャ、光学システムなど)の1つ以上のセンサが含まれ得る。検出器は、本体104を基準にして、スキャンコンポーネント106の外側表面に近接した対象を検出するよう構成され得る。いくつかの実装形態では、検出器108は、読取り可能なマトリックスバーコードのサーチを試行開始すべきであると回路に示すため、ユーザが自身の電話または対象(すなわち、紙のクーポン)を本デバイスにかざしたときに検出を行う、近接センサとなる。本デバイスからは可聴音が発せられてよく、これに照明応答が含まれてもよい。
【0017】
スキャナ回路110は、スキャンコンポーネント106に近接した対象を識別するための信号、または信号の変化について、検出器を監視することができる。こうした信号または信号の変化に応答して、スキャナ回路110は、スキャンコンポーネント106のスキャン動作を開始させることができる。いくつかの実装形態では、スキャン動作は、電気スイッチまたはホストデバイスからの入力によって開始されてもよい。
【0018】
検出器108によって検出される対象の近接度は変化し得る。近接度は、検出器108によって生成される電気信号の閾値に反応して検出され、スキャナ回路110によって測定され得る。いくつかの実装形態では、近接度は、1から25cmの距離範囲において検出され得る。例示的実装形態では、近接度は、少なくとも1平方センチメートルの表面積を持ち、スキャンコンポーネント106から10cm以内でこれに対面する物体に反応して検出され得る。対象の近接度検出は、多様な実装形態において大幅に異なり得る。
【0019】
スキャンコンポーネント106には、レーザスキャナ、エリアイメージャ、光学イメージャ、またはデータの2D表現をキャプチャするよう動作可能な他の任意の形態のスキャンデバイスが含まれ得る。レーザスキャナは、レーザ光線を生成し、その光線を2Dバーコード(マトリックスバーコードなど)に投射することができる。レーザ線は、2Dバーコード上で振動して、これを照光することができる。次いで、レーザスキャナの光学システムは、2Dバーコードから反射したレーザ光をキャプチャし、その光を光検出器に収束させることができる。その後、光は光検出器によって測定され、2Dバーコードのデジタル表現を生成するためのデジタルデータへと変換され得る。
【0020】
エリアイメージャは、光源(たとえば、発光ダイオード(LED)、キセノンなど)からの光を対象の2Dバーコードに投射し、この2Dバーコードから反射した光の変化を測定するよう構成され得る。次いで、2Dバーコードから反射した光は、同2Dバーコードを描画しているデジタルデータをキャプチャするため、イメージャによって測定され得る。イメージャには、ある形態の撮像デバイス(たとえば、電荷結合素子(CCD)または相補型金属―酸化膜―半導体(CMOS)センサ)が含まれ得る。その後、反射された光はイメージャによって測定され、2Dバーコードのデジタル表現を生成するためのデジタルデータへと変換され得る。いくつかの実装形態では、光源は、2Dバーコードを表示するモバイルデバイスのスクリーンからの照明によって提供され得る。モバイルデバイスのスクリーンの例の一部には、LCD、バックライト付きLCD、LEDスクリーンなどが含まれ得る。
【0021】
図1Bには、デバイス102の第2の図が示されている。デバイス本体は、スクリーン112、ディスプレイ回路114、および少なくとも1つのポート116をさらに収容し得る。スクリーン112は、スキャンコンポーネント106とスキャナ回路110によってキャプチャされたデータの第2の表現を表示するよう動作可能なものとなり得る。スクリーン112は、バーコードリーダ(たとえば、小売取引用に構成されたリニアバーコードリーダ)とのインタフェースとして機能し得る。
【0022】
スクリーン112は、スキャンコンポーネント106とは異なる方向を向くよう構成され得る。たとえば、スクリーン112が第1の方向118を向き、スキャンコンポーネント106が第2の方向120を向く場合がある。第1の方向118は、本体104を基準にして、スクリーン112の外側表面に対し垂直な表面ベクトルに沿って伸長し得る。第2の方向120は、本体104を基準にして、スキャンコンポーネント106の外側表面に対し垂直な表面ベクトルに沿って伸長し得る。
【0023】
いくつかの実装形態では、第1の方向118は、第2の方向120から45度、またはより大きい角度に向けられ得る。例示的一実装形態では、第1の方向118は、第2の方向120から90度、またはより大きい角度に向けられ得る。運用に際して、第1の方向118と第2の方向120の間の角度は、スキャンコンポーネント106へのアクセスを提供するため、同スキャンコンポーネント106が顧客に対面するよう規定され得る。2Dバーコードのスキャン後、データの変換された表現が、第1の方向に向け、スクリーン112上に表示され得る。次いで、2Dバーコードの変換された表現(たとえば、リニアバーコード122)を、店員がバーコードリーダを用いてスキャンし得る。店員が使用するバーコードリーダは、たとえば、2Dバーコードのスキャンをサポートしていなくてもよい。バーコードリーダには、リニアバーコードリーダが含まれ得る。
【0024】
スクリーン112には、データの第2の視覚表現(たとえば、リニアバーコード122)を表示するよう動作可能な、任意の形態のディスプレイが含まれ得る。たとえば、スクリーン112には、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、固体ディスプレイ、陰極線管(CRT)、その他、現在知られているか今後開発される、決定された情報を出力するためのディスプレイデバイスが含まれ得る。例示的一実装形態では、スクリーンには、電子ペーパディスプレイ(たとえば、e-paperまたはe-inkディスプレイ)が含まれ得る。スクリーン112の設計および特定タイプの表示技術は、個別の実装形態によって異なり得る。スクリーンは、リニアバーコードリーダによる識別が可能な2Dバーコードから、データの変換された表現、すなわち第2の表現を生成するよう構成され得る。変換された表現は、リニアバーコードリーダの適合性に準拠し得る。
【0025】
電子ペーパ(e-paper)ディスプレイには、ペーパ上のグラフィカルな表現の映像を模倣するよう構成された、任意の形態の電子ディスプレイが含まれ得る。e-paperの例の一部には、ジリコンディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、エレクトロウェッテイングディスプレイ、電気流体ディスプレイ、干渉変調器ディスプレイ、などが含まれ得る。e-paperをスクリーン112として利用する実装形態では、幅広いリニアバーコードリーダにより認識度が改善され得る。認識度の改善により、スクリーンは、幅広いスキャンデバイスに対応した2Dバーコードからデータの変換された表現を生成することが可能となり得る。ただし、本明細書では、e-paperディスプレイが他のグラフィカルな表現も表示するようプログラミングされ得るという可能性も考える。したがって、小売業者がリニアスキャン可能であれば、e-inkはリニアバーコードを表示することになる。加えて、スキャンする能力を持たない小売業者の場合、e-inkは具体的な命令を表示し得る(たとえば、CASHIER: ENTER CODE 1234 IN REGISTER、または、CASHIER: PRESS COUPON KEY, THEN $1)。以上のことから、e-paperディスプレイの使用には柔軟性がある。
【0026】
ディスプレイ回路114は、スクリーン112の表示を制御するよう動作可能となり得る。ディスプレイ回路114は、少なくとも1つの回路(たとえば、スキャナ回路110)と通信し得る。運用に際して、デジタルデータは、スキャナ回路110により、データの第1の表現(たとえば、2Dまたはマトリックスバーコード)からスキャンされ得る。次いで、このデータは、スキャナ回路110と通信するプロセッサによって識別され得る。その後、このデジタルデータが適用されて、プロセッサによりデータの第2の表現(たとえば、リニアバーコード122)が生成され得る。
【0027】
ディスプレイ回路114は、さらにプロセッサとも通信し得る。同ディスプレイ回路は、データの変換された表現を、スクリーン112上に表示することができる。次いで、スクリーン上に表示されたデータは、バーコードリーダ(たとえば、リニアバーコードリーダ)によってスキャンされ得る。データの第2の表現は、データの変換された表現を表し得るものであり、これをキャッシュレジスタ、または任意の他の形態の販売時点情報管理装置へ伝達することが可能である。一例として、データとは、数値または英数コード(たとえば、クーポン、UPCコード(universal purchase code)など)に相当し得るものであり、販売時点情報管理装置(たとえば、リニアバーコードリーダ)による識別が可能である。
【0028】
少なくとも1つのポート116には、電源コネクタ、通信ポート、および/またはホストインタフェースが含まれ得る。電源コネクタは、交流(AC)または直流(DC)電源からデバイス102へ、電流を提供することができる。いくつかの実装形態では、デバイス102は、持ち運んで利用するための電力を供給するバッテリも備え得る。通信ポートは、デバイス外部のデータに対し、デバイスのプロセッサまたは少なくとも1つの回路への接続性を提供することができる。通信ポートには、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、ローカルエリアネットワーク(LAN)ポート、シリアルポート、パラレルポート、IEEE1394 Firewire、などのうち、1つ以上が含まれ得る。いくつかの実装形態では、通信ポートは、2Dバーコードを検証するため、サーバ(たとえば、クーポンサーバ)と通信するよう動作可能なものとなり得る。
【0029】
ホストインタフェースは、通信ポートと同様に構成され得る。ホストインタフェースは、販売時点情報管理装置(たとえば、キャッシュレジスタ、セルフレジなど)と通信するよう動作可能なものとなり得る。いくつかの実装形態では、デバイス102のプロセッサは、販売時点情報管理装置と直接的に通信して、製品および/またはクーポン情報を提供することができる。たとえば、いくつかの実装形態では、本デバイスは、キャッシュレジスタと通信するバーコードリーダと同様に実装することができる。
【0030】
本デバイスは、無線送受信機124をさらに備え得る。無線送受信機124には、任意の形態の無線通信インタフェースが含まれ得る。たとえば、無線送受信機には、無線インタフェースへ接続するよう動作可能な、1つ以上の回路が含まれ得る。無線インタフェースには、任意の形態の無線通信(たとえば、無線信号、Bluetooth、パーソナルエリアネットワーク、IEEE802.11a、b、g、nなど)が含まれ得る。いくつかの実装形態では、無線インタフェースには、ワイドエリアネットワーク(たとえば、CDMA、LTE、GSM(登録商標)、およびWCDMA(登録商標))も含まれ得る。無線送受信機124は、2Dバーコードを検証するため、サーバと無線で通信するよう動作可能なものとなり得る。さまざまな無線インタフェースおよび通信規格を検討したが、無線インタフェースには、現在知られているか今後開発される、他の無線技術が含まれてもよい。
【0031】
いくつかの実装形態では、デバイス102は、さらに位置を格納および/または識別するよう動作可能なものとなり得る。この位置は、デバイス102の現在位置を表し得るものであり、GPS信号、またはデバイス102のメモリにプログラミングされた位置によって決定することが可能である。また、位置は特定店舗の識別子(たとえば、店舗識別番号および/またはコード)も参照し得る。次いで、デバイス102の位置をリモートサーバへ伝達し、デバイス102の使用時点(a point of use)を識別することができる。たとえば、この位置により、2Dバーコードの使用に対応した、販売時点位置の識別が可能となる。
【0032】
図2Aは、データの視覚表現を変換するためのデバイス202を表す図の一例を示す。いくつかの実装形態では、デバイス202は、少なくとも1つの垂直支持部208によって基部206へ機械的に接続された、本体204を備え得る。基部206は、自身が置かれ得る表面210に対して回転するよう構成され得る。さらに、本体204は、自身と少なくとも1つの垂直支持部208の機械的連結部に一致する、軸212の周りを回転するよう構成され得る。
【0033】
本体204、少なくとも1つの垂直支持部208、および基部206からなる、このような構成によって、デバイス202がさまざまな姿勢へと回転して、本明細書で論じるスキャンおよび表示動作を容易なものとすることが可能となり得る。たとえば、本体は、図2Aに描かれる第1の姿勢へと回転することができる。また、本デバイスは、図2Bに描かれる第2の姿勢へと回転させることも可能である。運用に際して、第1の姿勢から第2の姿勢へと回転させることにより、デバイス202のスキャン動作中は本体を顧客向きに調整し、表示動作中は本体を店員向きに調整することが可能となり得る。
【0034】
図1Aおよび図1Bで紹介したデバイス102と同様、デバイス202もスキャンコンポーネント214とスクリーン216を備え得る。スキャンコンポーネント214には、レーザスキャナ、エリアイメージャ、光学イメージャ、または2Dバーコードをキャプチャするよう動作可能な任意の他の形態のスキャンデバイスが含まれ得る。このスキャンコンポーネントは、スキャンコンポーネント106の実装形態のいずれによっても実装することが可能である。スクリーン216には、データの変換された表現(たとえば、リニアバーコード)を表示するよう動作可能な、任意の形態のディスプレイが含まれ得る。スクリーン216は、スクリーン112の実装形態のいずれによっても実装することが可能である。
【0035】
図2Bを参照すると、デバイス202が第2の姿勢で示されている。第2の姿勢において、スクリーン216は、2Dバーコードからスキャンされたデータの変換された表現を表示した状態で示されている。この例では、リニアバーコード218がスクリーン216上に表示されている。本デバイスは、無線送受信機220をさらに備え得る。無線送受信機220は、無線送受信機124と同様に実装することが可能である。図示されていないが、デバイス202もまた、デバイス102が持つ少なくとも1つのポート116と同様の、少なくとも1つのポートを備え得る。その少なくとも1つのポートには、電源コネクタ、通信ポート、および/またはホストインタフェースが含まれ得る。
【0036】
図3Aおよび図3Bは、デバイス202に関する、スキャンの一例302と表示の一例316を説明する図である。図3Aにおいて、デバイス202はスキャン姿勢、すなわち第1の姿勢で示されている。運用に際して、モバイルデバイス304は、アプリケーションを実行するよう動作可能であり得る。このアプリケーションには、特定のベンダ向け、小売店向け、または報酬プログラム向けのアプリケーションが含まれ得る。アプリケーションは、無線インタフェース308を介して、マトリックスバーコード306など、2Dバーコードの形をとるクーポンにアクセスするよう動作可能なものとなり得る。無線インタフェースは、無線送受信機124および220に関して論じたものと同様に実装することができる。図3Aおよび図3Bの例はデバイス202について説明しているが、この例はデバイス102に対しても同様に適用することが可能である。
【0037】
モバイルデバイス304には、マトリックスバーコードを格納および表示するよう構成され得る、任意の形態のデバイスが含まれ得る。モバイルデバイスの例の一部には、電話、スマートフォン、タブレット、PDA、ラップトップ、電子読取デバイス(e-reader)、などが含まれ得る。例示的一実装形態では、モバイルデバイス上で動作するアプリケーションは、通信インタフェースおよび/または無線インタフェースを介して、リモートデータベースと通信するよう構成され得る。このようにすることで、リモートデータベースからモバイルデバイス304に向けて、特定のマトリックスバーコードに関する可用性や使用情報を更新することが可能となる。さらに、本明細書では、スキャナが、モバイルデバイス上のクーポンに限定せず、さまざまな媒体から読取りを行い得る可能性も考える。スキャナは、ペーパやプラスチックなどの上のマトリックスバーコードも読み取り得る。クーポン使用状況の更新および追跡に関する詳細は、図4を参照して論じる。
【0038】
モバイルデバイス304上で動作するアプリケーションは、カウントダウンタイマ310が示すように、期間の限定されたマトリックスバーコード306を表示し得る。運用に際して、モバイルデバイス304は、デバイス202のスキャンコンポーネント214に位置合わせ(312)され得る。それにより、マトリックスバーコード306はスキャンコンポーネント214と対面する。次いで、スキャンコンポーネント214にマトリックスバーコード306をスキャンさせるという入力に応答して、同スキャンコンポーネント214のスキャン動作が手動でアクティブ化され得る。いくつかの実装形態では、検出器(たとえば、検出器111)は、対象の近接度を検出し、スキャンコンポーネント214のスキャン動作を開始することができる。
【0039】
マトリックスバーコード306のスキャン後、デバイス202のプロセッサは、このマトリックスバーコード306に相当する符号化データを識別することができる。いくつかの実装形態では、本デバイスは、無線インタフェース220を介しリモートサーバにアクセスして、符号化データの有効性を検証するよう動作可能なものとなり得る。いくつかの実施例では、本デバイスは、リモートサーバにアクセスするよう動作可能な通信ポート(たとえば、少なくとも1つのポート116)を介して、符号化データの有効性を検証するよう動作可能なものにもなり得る。マトリックスバーコードの有効性を決定する検証ステップは、特定のマトリックスバーコードに使用制限を設けることを可能にするという点において、有益なものとなり得る。さらに、検証ステップは、マトリックスバーコードの形をとるクーポンの使用状況を、ベンダ、小売店、報酬プログラムなどに報告するのにも役立ち得る。この使用状況は、インターネットやプライベートネットワークを通じて、サーバまたはクーポンサーバに報告することが可能である。
【0040】
マトリックスバーコードに相当する符号化データの検証に応答して、同符号化データは変換され、変換された表現が生成され得る。変換された表現は、スキャンデバイス(たとえば、リニアバーコードスキャナ314)による識別が可能なフォーマットを備え得る。次いで、デバイス202は、第2の姿勢316に位置決めされ得る。第2の姿勢316において、デバイス202は、店員に位置合わせされ得る。それにより、バーコードスキャナ314をディスプレイ216に向けることができる。次いで、バーコードスキャナ314がアクティブ化され、符号化データの変換された表現をスキャン316することができる。変換された形態にある符号化データは、バーコードスキャナ314による識別が可能である。その後、値引処理を完了するため、この符号化データは、ホストインタフェース318を介したキャッシュレジスタまたは小売業者の販売時点情報管理装置を用いて、復号および伝達され得る。
【0041】
図4は、データの視覚表現を変換するためのシステムに関する、環境402の一例を示す図である。管理インタフェース404は、クーポンサーバ408上の情報にアクセスし、更新を行う(406)ように構成され得る。クーポンサーバ408は、商品の売上げや小売取引に関する任意の形態の情報を、格納かつ更新するよう構成され得る。たとえば、クーポンサーバは、特別なオファ、報酬、クーポンなどに相当する情報を格納かつ追跡するよう構成され得る。さらに、クーポンサーバ408は、特定顧客によるクーポンの使用回数、および特定クーポンの有効期限が含まれる、使用情報を更新し、検証するようにも動作可能なものとなり得る。
【0042】
クーポン使用情報410は、複数のデバイス412の各々との通信リンクを通じて、クーポンサーバ408に更新され得る。たとえば、クーポンの使用情報は、複数のデバイス412のうちの1つによって処理された値引処理に応答して、通信リンク経由で更新することができる。クーポンサーバ408は、特定クーポンの有効性を識別し、そのクーポンの有効性に関する検証情報414を、複数のデバイス412のうちの1つへ伝達するようにも動作可能となり得る。いくつかの実装形態では、複数のデバイス412のうちの1つについて、マトリックスバーコードの変換された表現を表示する前に、クーポンサーバからの検証情報414を待機させることができる。このようにすることで、管理インタフェース404のオペレータは、マトリックスバーコードとして描かれたクーポンの使用を制御することが可能になる。
【0043】
複数のデバイス412は、デバイス102および202と同様のものとすることができ、販売時点情報管理装置に相当し得る。複数のデバイス412の各々は、クーポンおよび小売取引に関する特別なオファに対応した、クーポン使用情報410を伝達することができる。クーポン使用情報410は、無線インタフェースおよび/または通信インタフェースを通じて、クーポンサーバ408に伝達され得る。無線インタフェースおよび通信インタフェースの例は、たとえば、少なくとも1つのポート116や無線送受信機124など、図1を参照しながら論じたものである。
【0044】
クーポンサーバ408は、少なくとも1つのベンダクーポンデータベース418に向けて使用情報416を伝達し、更新するようさらに構成され得る。この情報は、複数のデバイス412の各々が報告する処理に応答して更新され得る。少なくとも1つのベンダクーポンデータベース418は、クーポン情報、特別なオファの情報、および報酬プログラム情報(以下、クーポン情報420)を、少なくとも1つのベンダアプリケーション422向けに、さらに更新することができる。少なくとも1つのベンダアプリケーション422は、ベンダクーポンデータベース418を通じ、少なくとも1つのベンダアプリケーション422から、更新されたクーポン情報420(たとえば、期限切れクーポンを削除し、新たなオファを追加したもの)を受信することができる。
【0045】
ベンダアプリケーションは、モバイルデバイス424上で動作するよう構成され得る。モバイルデバイスの例の一部には、電話、スマートフォン、タブレット、PDA、ラップトップ、電子読取デバイス(e-reader)、ファブレット、ウェアラブルコンピュータ(たとえば、眼鏡や腕時計)、その他、類似の機能を持つコンピューティングデバイスなどが含まれ得る。いくつかの実装形態では、ベンダアプリケーションは、無線インタフェースまたは他の通信インタフェースを介して、ユーザアカウントにアクセスするよう構成され得る。ユーザアカウントは、ベンダアプリケーション内でのユーザログインによってアクセスされ得る。また、ユーザアカウントは、モバイルデバイス424用に認証され、アクセスされ得る。この認証は、モバイルデバイスのシリアル番号、および/またはモバイルデバイス用のSIMカードとリンクし得る。いくつかの実装形態では、クーポンおよび/またはマトリックスバーコードは、たとえば、電子メール、SMSテキスト、ペーパ、プラスチックなど、他の媒体を通じて提供されてもよい。
【0046】
モバイルデバイス424上のベンダアプリケーションがユーザアカウントにアクセスすると、特定のユーザアカウントに対応するクーポン情報420は、ベンダクーポンデータベース418から更新され得る。ユーザアカウントにアクセスすることにより、マトリックスバーコード426など、2Dバーコードの形で生成されたクーポン情報は、ユーザアカウント情報も含み入れることができる。マトリックスバーコード内に符号化されたユーザアカウント情報は、同マトリックスバーコードが複数のデバイス422のうちの1デバイスによってスキャン(428)されたときに識別され得る。次いで、複数のデバイス422のうちの1デバイスは、値引処理のため、クーポンサーバ408に向けて、特定ユーザに関する使用情報を報告し、クーポン使用情報410の更新を行い得る。ユーザアカウントにアクセスすることにより、値引処理に応答して、あるユーザアカウントについての使用情報を制御し、追跡することが可能になる。
【0047】
クーポンサーバ408はさらに、ユーザアカウントについての検証情報414を検証し、ベンダクーポンデータベース418内の使用情報416を更新することができる。次いで、ベンダクーポンデータベース418が、少なくとも1つのベンダアプリケーション422内のクーポン使用状況、可用性、および有効性(たとえば、クーポン情報420)を更新し得る。このようにすることで、モバイルデバイス424のユーザは、少なくとも1つのベンダアプリケーション422内の利用可能なクーポン、期限切れのクーポン、および/または使用限界に達したクーポンの通知を受けることができる。使用限界は、管理インタフェース404を通じて、任意の回数、値、オファ、有効期限、および/または他の制限へと設定することが可能である。
【0048】
いくつかの実装形態では、モバイルデバイス424は、複数のベンダアプリケーションの実行し、かつ/または、これらへアクセスするよう動作可能なものとなり得る。モバイルデバイスが利用可能なベンダアプリケーションの数は無制限であり、モバイルデバイスの適合性および/または機能に応じたものとなり得る。たとえば、モバイルデバイス424は、第1のベンダアプリケーション430、第2のベンダアプリケーション432、および第3のベンダアプリケーション434にアクセスするよう構成され得る。ベンダアプリケーション430、432、および434の各々は、少なくとも1つのクーポンの可用性に相当するクーポン情報420を調整するために、少なくとも1つのベンダクーポンデータベースによって更新され得る。モバイルデバイス424上で動作するベンダアプリケーションが複数あることにより、複数の異なるベンダが、少なくとも1つのベンダクーポンデータベース418を通じて、カスタマイズされたユーザインタフェース、オプション、特徴、およびアクセス性を提供することが可能になる。本システムは、無線(Bluetoothや類似のものなど)通信機能を持つことができる。したがって、本システムは、本デバイスとの近接度(たとえば、地理的位置)に基づき、ユーザの電話に(電子メール、テキスト、アプリを通じて)直接オファを送信することが可能である。(たとえば、システムの2マイル以内で運転しているということが、特定ユーザへのオファの送信をトリガする。)
【0049】
場合によっては、クーポンは、製造業者、小売業者、卸売業者などの発信元から顧客へのメッセージとすることができ、通常、ユーザ側でのアクションを要求し、小売業者との間で商品やサービスと引き換えられる、値引き、報酬、プロモーション、インセンティブ、またはオファのうちの1つ以上が含まれ得る。このアクションには、アイテムの購買、またはユーザに関する特定の顧客データの提供が含まれ得る。顧客データには、ユーザを識別する情報、ユーザの財力、ユーザの嗜好、および/またはユーザの購買習慣が含まれ得る。顧客データには、購買に関連した時間、日付、場所、および価格も含まれ得る。たとえば、電子クーポンは、特定のオファ(製品、商品、またはサービスの値引きや特価など)へのアクセスとなり得る。製品は、飲料(たとえば、水またはソーダ)、スナック、たばこ製品、菓子などの、消費生活用製品となり得る。消費生活用製品は一般大衆に向けて提供され得るものであり、クーポンは、たとえばコンビニエンスストアを含む、さまざまな小売業者を通じて引換えが行われる。場合によっては、電子クーポンは、ウェブサイトへのリンク、電子メール、テキスト、または別の電子媒体の形で利用可能なものとなり得る。さらに、電子クーポンは、電子媒体を通じて配信することや、引換えのために印刷することも可能である。電子クーポンは、非紙のもの、デジタルのもの、符号化(たとえば、バーコード化)されたもの、スクランブルされたもの、受信メッセージという形をとるもの、従業員が入力するIDという形のもの、スキャンされる、またはRFIDで提供されるもの、メモリスティック、電子イメージ、その他の媒体となり得る。電子クーポンは、購買中に引き換えられ得る。購買には、商品およびサービスの取得を目的とした、貨幣の提出や物々交換が含まれ得る。
【0050】
クーポン、特別なオファ、および報酬プログラムの一部は、一定年齢を超えるユーザにのみ利用可能なものとすることができる。たとえば、アルコール、たばこ、その他年齢制限のある物質に関連した特別なオファは、未成年者(たとえば、国または連邦が定める一定年齢未満の個人)が入手可能であってはならない。こうしたオファは、以下で説明する、多種多様なたばこ製品のうちの1つ以上に対するものとなり得る。
【0051】
シガレット、葉巻、および煙管は、さまざまな形態でたばこを利用する、一般的な喫煙具である。たとえば、従来型のシガレットは、概ね円筒で棒状の構造を有し、刻みたばこなどの喫煙材(たとえば、カットフィラ形式のもの)からなるチャージ、ロール、またはカラムを含んでおり、これが巻紙で巻かれているために、いわゆる「喫煙ロッド」、「たばこロッド」、または「シガレットロッド」を形成している。通常、こうしたシガレットは、たばこロッドに対して縦に並べられた、筒状のフィルタ要素を持っている。フィルタ要素は、「プラグラップ」として知られている紙材で周囲を囲まれた、可塑化セルロースアセテートトウを備えることが好ましい。フィルタ要素は、「チップペーパ」として知られている外周巻取材を用いて、たばこロッドの一端に取り付けられることが好ましい。吸引する主流煙の希釈材を、外気とともに供給するため、チップ材とプラグラップに穴を開けることも望ましくなっている。シガレットや、その種々の構成要素に関する説明は、Tobacco Production,Chemistry and Technology、Davisら編(1999)に記載されており、同文献は参照により本明細書に組み込まれる。従来型のシガレットは、喫煙者がたばこロッドの一端に点火することで使用される。次いで、喫煙者は、火が付いているシガレットのもう一端(たとえば、フィルタ端または口端)を吸引することにより、自身の口内に主流煙を受け入れる。
【0052】
毎年、煙を上げるためにたばこの燃焼が必要な喫煙具の構成要素、構造、および性能を改善するための努力がなされている。これまで提案されている改善点の多くは、火の付いたタバコから生じる不完全燃焼物および熱分解物をそれほど排出しない、シガレット、葉巻、または煙管での喫煙に関連した感覚をもたらそうと試みているといわれている。たとえば、Borschkeらに属する、米国特許第7,753,056号で論じられる背景技術において引用される、さまざまな出典を参照されたい。同特許は参照により、本明細書に組み込まれる。
【0053】
炭素質燃料成分を使用する特定タイプのシガレットが、R.J.Reynolds Tobacco Companyから、「Premier」および「Eclipse」という銘柄で市販されている。たとえば、Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco、R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)、およびInhalation Toxicology、12:5、1-58頁(2000)に記述されている、こうしたタイプのシガレットを参照されたい。加えて、最近では日本においても、日本たばこ産業株式会社により、「STEAM HOT ONE」という銘柄で、同じタイプのシガレットが販売されている。さらに昨今では、発熱およびエアロゾル形成用の炭素質燃料成分を取り入れた、多種多様な喫煙製品が、特許文献に記載されている。たとえば、Borschkeらに属する米国特許第7,836,897号、Banerjeeらに属する同8,469,035号、およびSebastianらに属する同8,464,726号と、Stoneらに属する米国特許出願公開第2012/0042885号、Tsuruizumiらに属する同2013/0019888号、Shinozakiらに属する同2013/0133675号、およびPogetらに属する同2013/0146075号と、Gladdenらに属するPCTWO第2012/0164077号、Raetherらに属する同2013/098380号、Zuberらに属する同2013/098405号、Zuberらに属する同2013/098410号、およびWoodcockに属する同2013/104914号と、Babaらに属するEP第1808087号、およびTsuruizumiらに属する同2550879号とにおいて提案される、種々の喫煙製品を参照されたい。上記文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
近年、電力を利用して揮発性物質を加熱および気化させるか、そうでなければ、たばこを著しく燃やすことなしで、喫煙に関する感覚の多くを提供することを試みる、喫煙製品、香味発生器、および薬物吸入器が、数多く提案されている。たとえば、Robinsonらに属する米国特許第7,726,320号、Ampoliniらに属する、2013年3月14日付けの米国特許出願公開第13/826,929号、およびDavisらに属する、2013年8月28日付けの同14/011,992号で記述される背景技術に記載の、多種多様なエアロゾル生成デバイスを参照されたい。上記文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0055】
たばこは、いわゆる無煙形態においても嗜まれ得る。とりわけ、一般的な無煙たばこ製品は、何らかの形態の処理されたたばこ、またはたばこを含有する配合物を、ユーザの口内に挿入することによって利用される。たとえば、種々の代表的無煙たばこ製品、ならびに、Brinkleyらに属する米国特許出願公開第2011/0303511号、およびDugginsらに属する同2013/0206150号に記載の背景技術において言及される、さまざまな無煙たばこに関する配合物、成分、および処理方法を参照されたい。上記文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
このような場合、少なくとも1つのベンダアプリケーション422は、ユーザおよび/またはデータベース438内のユーザアカウント436を識別し、認証するよう構成され得る。データベースは、ユーザおよび/またはユーザアカウントに対する年齢確認を提供することができる。年齢制限のある物質または用具へのアクセスを提供するベンダアプリケーションは、こうした用具に成人以外がアクセスしないことを保証するため、安全対策として検証がなされてもよい。
【0057】
先に述べた通り、値引処理を開始するため、マトリックスバーコードがスキャン(428)され得る。デバイス412によるマトリックスバーコード426のスキャン(428)が済むと、リニアバーコード440が生成され、デバイス412のスクリーン上に表示(442)され得る。次いで、リニアバーコード440は、バーコードリーダ446によってスキャン(444)され得る。バーコードリーダ446は、クーポンデータをキャッシュレジスタ448へ伝達して、値引処理を完了することができる。
【0058】
上で論じた追跡およびデータキャプチャに加え、小売の場でデバイス412を実装することは、小売業者に大きな利益をもたらし得る。たとえば、小売業者は、引換えのために、クーポン使用情報450を報告することができる。従来のクーポンや特別なオファの処理では、小売業者は引換えのためにクーポンを収集し、それを製造業者へ郵送することを求められ得る。ただし、小売の場にデバイス412を実装することにより、小売業者は引換えのため、クーポンサーバ408に対し、クーポン使用情報450の更新を行うことが可能になる。小売の場でデバイス412を実装することで、クーポン引換えの効率的なシステムが実現し得る。
【0059】
小売業者への他の利益としては、クーポン利用に関する不正行為に対してのセキュリティや保護が挙げられる。デバイス412については、クーポンまたは特別なオファに関する情報を、クーポンサーバ408からの検証情報414を通じて検証するよう動作可能なものであると先に論じている。さらなるセキュリティ対策として、ある小売の場、または特定の小売チェーン向けに構成されたバーコード452をダウンロードすることも含まれ得る。特定の小売の場に提供されたバーコードは、そのコードが場所または小売チェーンに固有のものであることから、不正が行われる可能性が減少し得る。クーポンの効率的な引換えやセキュリティの増強などのインセンティブを実現することにより、デバイス412は、小売業者に大きな利益を提供することが可能である。
【0060】
クーポンサーバ408はさらに、販売取引に関連した、任意の形態の情報を追跡するよう動作可能なものとなり得る。たとえば、このクーポンサーバは、純売上高、地理情報、人口統計などに関連する情報を格納し、追跡することができる。こうした情報は、特定の小売の場や小売販売地域における、またはある小売チェーンにとっての、特定のオファやクーポンの有効性を決定する際に価値あるものとなり得る。
【0061】
図5Aおよび図5Bは、データの視覚表現を変換するための方法502の一例を説明するものである。方法502は、図4を参照しながら論じた環境402と同様の環境に関連したものとなり得る。この環境に関して、方法502は、管理インタフェースや販売時点情報管理装置(たとえば、デバイス102、202、または412)からのさまざまな入力、および種々のアプリケーション、データベース、およびサーバに関連した他の入力に応答して、さまざまな順序で発生する可能性のあるイベントに関連したものとなり得る。いくつかの実装形態では、方法502は、管理インタフェースへの入力に応答して開始し得る(504)。
【0062】
入力に応答して、管理インタフェースは、電子クーポン、特別なオファ、報酬インセンティブ、など(以下、電子クーポン)を生成することができる(506)。電子クーポンには、使い切りクーポンや使用無制限のクーポンを含むことができ、場合によっては、特定のユーザアカウント用のクーポンに関連したものとなり得る。電子クーポンは、クーポンサーバへのロード/更新が可能である(508)。電子クーポンは、クーポンサーバからベンダクーポンデータベースにロードされ得る(510)。たとえば、電子クーポンは、特定のオファ(製品、商品、またはサービスの値引きや特価など)へのアクセスとなり得る。場合によっては、電子クーポンは、ウェブサイトへのリンク、電子メール、テキスト、または別の電子媒体の形で利用可能なものとなり得る。さらに、電子クーポンは、電子媒体を通じて配信することや、引換えのために印刷することも可能である。電子クーポンは、購買中に引き換えられ得る。購買には、商品およびサービスの取得を目的とした、貨幣の提出や物々交換が含まれ得る。
【0063】
電子クーポンは、ひとたびベンダクーポンデータベースにロードされると、ユーザによる、モバイルデバイス上でのベンダアプリケーションを介したアクセスが可能になる。電子クーポンは、入力に応答してモバイルデバイスにロードし、同モバイルデバイスのスクリーン上に表示することが可能である(512)。この入力には、ユーザ入力、またはユーザからベンダアプリケーションへの、電子クーポンを表示せよという要求が含まれ得る。電子クーポンは、2Dバーコード(マトリックスバーコードなど)の形態でスクリーン上に表示することができ、この2Dバーコード内に符号化する形で、ユーザまたは特定のユーザアカウントに関する追加情報を含み入れることが可能である。モバイルデバイスのスクリーン上に2Dバーコードを表示することにより、このマトリックスバーコードを、販売時点情報管理装置のスキャンコンポーネントによってスキャンすることが可能になる(514)。
【0064】
スキャン後、販売時点情報管理装置は、2Dバーコード(マトリックスバーコードなど)からのクーポン情報を識別し、復号することができる(516)。次いで、クーポン情報は、クーポンが有効であることを確認するため、クーポンサーバに伝達され得る(518)。たとえば、クーポンの第1の表現を識別するよう構成されたコードが、そのクーポンの有効性を検証するため、サーバへ伝達され得る。クーポン情報は、さまざまな確認基準に基づいて検証され得る。確認基準には、有効期限、使用期限、ベンダアプリケーションに対するユーザアカウントの適格性、ユーザアカウントごとの使用回数、その他任意の制限が含まれ得る。クーポンサーバは、1つ以上の確認基準に応じて、クーポン情報が有効かどうかを決定することができる(520)。
【0065】
クーポン情報が無効と決定されれば、クーポンサーバは、自身から販売時点情報管理装置に向けてメッセージを伝達することにより、小売業者に同クーポンは無効であると通知することが可能である(522)。無効なクーポンに応答して送信され得るメッセージの一例が、図6Aに示されている。クーポンがクーポンサーバによって有効と決定されれば、図5Bに示す通り、処理を継続することが可能である。有効なクーポンに応答して送信され得るメッセージの一例が、図6Bに示されている。
【0066】
図5Bを参照すると、方法502には、参照番号528-540に関連して、並行または逐次的に完了され得る処理が含まれ得る。有効なクーポン情報が確認されると、販売時点情報管理装置は、スクリーン上に変換されたバーコードを表示することができる(528)。変換されたバーコードは、リニアバーコード、または小売の場で選択された任意のフォーマットの形態であってよい。たとえば、販売時点情報管理装置は、ある小売の場について要求されるかプログラムされるフォーマットに変換されたバーコードを生成するよう動作可能なものとなり得る。変換されたバーコードには、クーポンの第2の表現、さらに、同クーポンを識別するよう構成されたコードが含まれ得る。次いで、小売取引の一部として、変換されたバーコードがバーコードリーダによってスキャンされ得る(530)。キャッシュレジスタは、バーコード情報を復号し、識別することが可能である(532)。クーポン情報のスキャン後、取引に値引きを適用することが可能となり、値引処理は完了する(534)。
【0067】
先にクーポンサーバへ伝達された、クーポンに関するクーポン使用情報は、ベンダクーポンデータベースにおいて更新することが可能である(538)。ベンダクーポンデータベースは、この使用情報が自身の中で更新されたことに応答して、さらにベンダアプリケーション内の情報を更新することができる。このとき、ベンダアプリケーションには、更新された情報が表示可能となり、メッセージおよび/またはアラートを通じて、クーポン使用状況を、モバイルデバイスのユーザに通知することが可能となる(540)。小売取引とクーポンデータベースの更新の後、本方法は完了し得る。
【0068】
図6Aおよび図6Bは、無効なクーポン取引および有効なクーポン取引に応答して販売時点情報管理装置のスクリーン上に表示される、スクリーングラフィックスの例を示すものである。先に論じた通り、図6Aは、無効なクーポンに応答してクーポンサーバから送信され得る、メッセージ602の一例を示している。クーポンが無効であるということ604を伝えるため、販売時点情報管理装置のスクリーン上に、メッセージ602が表示され得る。
【0069】
図6Bは、有効なクーポンに応答してクーポンサーバから送信され得る、メッセージ606の一例を示している。メッセージには、小売取引で使用する有効なバーコード608が含まれ得る。メッセージにはさらに、クーポン残数610、およびクーポンが承認されたという通知612に関する情報が含まれ得る。図6Aおよび図6Bを参照しながら説明した情報により、値引きされた小売取引中、店員が顧客にフィードバックを行うことが可能となり得る。
【0070】
本明細書で説明された例証は、多様な実施形態の構造に関する概略的理解を提供するために意図したものである。これらの例証は、本明細書で説明された構造または方法を利用する装置、プロセッサ、およびシステムが持つ、すべての要素や特徴に関する完全な記述となることを意図したものではない。当業者であれば、本開示を精査することにより、他の実施形態も数多く明らかとなり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的かつ論理的な置換えおよび変更がなされ得るような形で、本開示を基に、その他の実施形態を利用および導出することも可能である。また、各例証は描写的なものにすぎず、スケール通りに描かれていない可能性もある。例証における特定の比率は誇張されている可能性があり、同時に別の比率が縮小されている可能性もある。したがって、本開示および各図面は、限定ではなく例示とみなされるべきものである。
【0071】
いくつかの実施形態では、本明細書に記述した1つ以上の方法を実装するため、専用のハードウェア実装形態(特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、その他のハードウェアデバイスなど)が構成され得る。さまざまな実施形態に関する装置およびシステムを含み得る応用形態には、多様な電子システムおよびコンピュータシステムが広く含まれ得る。本明細書に記述した1つ以上の実施形態は、2つ以上の相互接続された特定のハードウェアモジュールまたはデバイスを、モジュール間伝達可能な関連制御およびデータ信号とともに使用して、または特定用途向け集積回路の部分として、機能を実装することが可能である。したがって、本システムは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアによる実装形態を包含するものである。
【0072】
本開示のさまざまな実施形態によれば、本明細書に記述された方法は、コンピュータシステム上のプロセッサが実行可能なソフトウェアプログラムによって実装され得る。さらに、例示的な非限定的一実施形態では、各実装形態には、分散処理、コンポーネント/オブジェクト分散処理、および並列処理が含まれ得る。代わりに、本明細書に記述された方法または機能の1つ以上を実装するため、仮想コンピュータシステム処理が構成されてもよい。
【0073】
さらに、本明細書に記述された方法は、コンピュータ可読媒体内で具現化され得る。「コンピュータ可読媒体」という用語は、単一媒体または複数媒体(集中型または分散型データベースなど)、ならびに/あるいは、1つ以上の命令セットを格納する関連キャッシュおよびサーバを包含する。また、「コンピュータ可読媒体」という用語は、プロセッサが実行する命令セットを格納、符号化、または搬送することが可能であるか、あるいは本明細書で開示された方法または動作のうちの1つ以上をコンピュータシステムに実行させる、任意の媒体も包含するものとする。
【0074】
本明細書において、特定の実施形態を例示し、説明してきたが、同一または同様の目的を達成するよう設計された後発の配置構成により、示した特定の実施形態が置換えられてもよいことを理解されたい。本開示は、さまざまな実施形態に関する今後の改造または変形の一切を、その範囲に含むことを意図している。当業者であれば、本記述を精査することにより、上記実施形態の組合せや、本明細書には具体的に記述されない他の実施形態も明らかとなり得る。
【0075】
要約書は、請求項の範囲または意味を解釈や限定するのに使用されないという理解のもとで提供される。また、上記の発明を実施するための形態の項では、本開示を効率化する目的で、さまざまな特徴がグループ化されるか、または単一の実施形態において説明された可能性がある。請求される実施形態には、各請求項で明示的に記載される以上の特徴が必要とされるなどという意図の反映として、本開示を解釈すべきではない。むしろ、続く請求項が反映する通り、進歩性を有する発明は、開示された実施形態のいずれかが持つ特徴のすべてを対象とはし得ない。よって、以下の請求項は、発明を実施するための形態の項に組み込まれるとともに、各請求項は、個別に請求される発明を定義しながら、自身の上に立脚するものとなる。
【0076】
開示された上記の発明は、例示とみなすべきものであって、限定ではない。また、添付の請求項は、その記述の趣旨および範囲内にある、修正形態、拡張形態、および他の実施形態の一切を、その範囲に含むことを意図している。したがって、かかる範囲は、以下の請求項およびそれら均等物に関して許容される最も広い解釈により、法の認める最大範囲に定められるべきものであり、上述した詳らかな説明によって、制限または限定されるものではない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B