(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】美容器
(51)【国際特許分類】
A61H 15/00 20060101AFI20220218BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
A61H15/00 310D
A61H23/02 354
(21)【出願番号】P 2020102987
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2020-06-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0094475
(32)【優先日】2019-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ウン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ウォン・パク
【審査官】菊地 牧子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-038890(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0006374(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108670771(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 15/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の回転体と、
一側がハンドルに固定設置され、他側が前記一対の回転体のホールに挿入される1対のシャフトと、
前記1対の回転体に振動を伝達する1対の振動モータと、を含み、
前記1対の振動モータのそれぞれは、
前記1対のシャフトのそれぞれに内蔵され
、振動を発生さる軸が前記1対の回転体に位置して前記1対の回転体に振動を伝達し、
前記一対の回転体と前記1対のシャフトは、金属材質からなり、
前記1対のシャフトは、前記一対の回転体に微細電流を伝達することを特徴とする美容器。
【請求項2】
前記1対のシャフトは、
前記ハンドルの前端部の内側の中心線に沿って一定大きさに形成された隔壁を挟んで1つずつ独立して設けられて電気的に分離されることを特徴とする請求項1に記載の美容器。
【請求項3】
前記シャフトは、
前記
1対の回転体の
前記ホールに挿入される円柱状の軸部材と、
前記軸部材から板状に延長され前記ハンドルに固定結合する固定部材と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の美容器。
【請求項4】
前記軸部材は、
前記振動モータが挿入設置される設置空間が設けられることを特徴とする請求項3に記載の美容器。
【請求項5】
前記ハンドルの内部に設けられ、電気を供給するバッテリーと、
前記ハンドルの内部に設けられ、前記振動モータによる振動マッサージ機能及び微細電流モジュールによる微細電流マッサージ機能が具現できるように構成される回路基板と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の美容器。
【請求項6】
前記微細電流モジュールは、
前記バッテリーの「+」電流が前記1対のシャフトのうち何れか1つのシャフトとベアリングを介して前記1対の回転体のうち何れか1つの回転体に流れるようにして前記何れか1つの回転体が「+」電極になるようにし、前記バッテリーの「-」電流が前記1対のシャフトの他の1つのシャフトとベアリングを介して前記1対の回転体のうち他の1つの回転体に流れるようにして前記他の1つの回転体が「-」電極になるように構成されることを特徴とする請求項5に記載の美容器。
【請求項7】
前記微細電流モジュールは、
「+」電極である前記何れか1つの回転体と「-」電極である前記他の1つの回転体が皮膚に同時に接触すると、前記バッテリーを中心として閉回路が構成されて皮膚に微細電流が伝達されることを特徴とする請求項6に記載の美容器。
【請求項8】
前記回路基板は、
メインコントロールユニットと、
ボタンの操作により選択されたモード信号情報を前記メインコントロールユニットに伝達するモード選択部と、
前記メインコントロールユニットから伝達される前記モード信号情報に応じて現在のモードがどのような状態であるかをLEDランプを介してアラームするLED発生部と、
前記メインコントロールユニットから伝達される前記モード信号情報に応じて
前記1対の回転体を回転可能にする
前記1対のシャフトに内蔵された振動モータが駆動されるようにするモータ駆動部と、
前記メインコントロールユニットから伝達される前記モード信号情報に応じて微細電流を発生させて前記
1対のシャフトを介して前記1対の回転体に流れるようにする微細電流発生部と、を含むことを特徴とする
請求項5に記載の美容器。
【請求項9】
前記モード選択部は、
前記ボタンを1回押すことによって選択されるソフトモード信号情報、及び前記ボタンを2回押すことによって選択されるパワーモード信号情報を前記メインコントロールユニットに伝達することを特徴とする請求項8に記載の美容器。
【請求項10】
前記メインコントロールユニットは、
前記バッテリーの充電及び放電状態を認知して前記LED発生部に充電/放電状態情報を提供し、
前記LED発生部は、
前記メインコントロールユニットから前記ソフトモード信号情報が伝達されると、前記LEDランプが緑色に点灯するようにし、
前記メインコントロールユニットから前記パワーモード信号情報が伝達されると、前記LEDランプが青色に点灯するようにし、
前記メインコントロールユニットから前記バッテリーの放電状態情報が伝達されると、 前記LEDランプが赤色に点灯するようにすることを特徴とする請求項9に記載の美容器。
【請求項11】
前記モータ駆動部は、
前記メインコントロールユニットから前記ソフトモード信号情報が伝達されると、前記振動モータが定格の60%~80%のレベルで駆動されるようにし、
前記メインコントロールユニットから前記パワーモード信号情報が伝達されると、前記振動モータが定格レベルで駆動されるようすることを特徴とする請求項9に記載の美容器。
【請求項12】
前記微細電流発生部は、
前記メインコントロールユニットから前記ソフトモード信号情報が伝達されると、25μA~35μAの電流が発生されるようにし、
前記メインコントロールユニットから前記パワーモード信号情報が伝達されると、90μA~110μAの電流が発生されるようにすることを特徴とする請求項9に記載の美容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は美容器に関し、より詳細には、回転体の回転軸の役割をするシャフト部分に振動モータが内蔵されるようにすることで、振動モータの振動が回転体に直接伝達されることができ、振動効率を増大させることができある美容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に球状のボール(ball)を用いて顔、腕などの皮膚をマッサージする美容器は、基本的な構成としてハンドルと、ハンドルの一端に設けられる1対の回転体(ローラーなど)とが備えられ、ハンドルを手で把持した後、皮膚に回転体を押しながら移動させると、皮膚が回転体の間に挟まれて毛穴が収縮したり、開きながら毛穴の汚れを除去することができる。
【0003】
当該美容器は1対の回転体がハンドルに回転可能に装着される構成であり、回転体の基端側のみに穴を有し、回転体は支持軸であるシャフトにベアリング部材を媒介として支持されるように構成するのが一般的である。
【0004】
このような一般的な構成に加えて、皮膚組織の弛緩、収縮を助けて化粧品の有効成分が効果的に吸収されるように回転体を振動させる振動モータが備えられた美容器製品が提示され使用されている。
【0005】
しかし、従来の振動モータが備えられた美容器は、振動モータが回転体ではなく、手で把持するハンドル側に設けられており、振動モータの振動が回転体に直接伝達されずハンドル側にも分散されて回転体の振動効率が低減する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は振動モータの振動が回転体に直接伝達されるようにする美容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面による美容器は、ハンドルに固定設置される1対のシャフトと、上記1対のシャフトに回転可能に支持結合される1対の回転体と、上記1対の回転体に振動を伝達する1対の振動モータと、を含み、上記1対の振動モータのそれぞれは、上記1対のシャフトのそれぞれに内蔵されるように設けられることを特徴とする。
【0008】
具体的に、上記1対のシャフトは、上記ハンドルの前端部の内側の中心線に沿って一定大きさに形成された隔壁を挟んで1つずつ独立して設けられて電気的に分離されてもよい。
【0009】
具体的に、上記シャフトは、上記回転体のホールに挿入される円柱状の軸部材と、上記軸部材から板状に延長され上記ハンドルに固定結合する固定部材と、を含んでもよい。
【0010】
具体的に、上記軸部材は、上記振動モータが挿入設置される設置空間が設けられてもよい。
【0011】
具体的に、上記ハンドルの内部に設けられ、電気を供給するバッテリーと、上記ハンドルの内部に設けられ、上記振動モータによる振動マッサージ機能及び微細電流モジュールによる微細電流マッサージ機能が具現できるように構成される回路基板と、をさらに含んでもよい。
【0012】
具体的に、上記微細電流モジュールは、上記バッテリーの「+」電流が上記1対のシャフトのうち何れか1つのシャフトとベアリングを介して上記1対の回転体のうち何れか1つの回転体に流れるようにして上記何れか1つの回転体が「+」電極になるようにし、上記バッテリーの「-」電流が上記1対のシャフトの他の1つのシャフトとベアリングを介して上記1対の回転体のうち他の1つの回転体に流れるようにして上記他の1つの回転体が「-」電極になるように構成されてもよい。
【0013】
具体的に、上記微細電流モジュールは、「+」電極である上記何れか1つの回転体と「-」電極である上記他の1つの回転体が皮膚に同時に接触すると、上記バッテリーを中心として閉回路が構成されて皮膚に微細電流が伝達されることができる。
【0014】
本発明の他の側面による美容器は、メインコントロールユニットと、ボタンの操作により選択されたモード信号情報を上記メインコントロールユニットに伝達するモード選択部と、上記メインコントロールユニットから伝達される上記モード信号情報に応じて現在のモードがどのような状態であるかをLEDランプを介してアラームするLED発生部と、上記メインコントロールユニットから伝達される上記モード信号情報に応じて回転体を回転可能にするシャフトに内蔵された振動モータが駆動されるようにするモータ駆動部と、上記メインコントロールユニットから伝達される上記モード信号情報に応じて微細電流を発生させて上記回転体に流れるようにする微細電流発生部と、を含むことを特徴とする。
【0015】
具体的に、モード選択部は、上記ボタンを1回押すことによって選択されるソフトモード信号情報、及び上記ボタンを2回押すことによって選択されるパワーモード信号情報を上記メインコントロールユニットに伝達することができる。
【0016】
具体的に、上記メインコントロールユニットは、バッテリーの充電及び放電状態を認知して上記LED発生部に充電/放電状態情報を提供し、上記LED発生部は、上記メインコントロールユニットから上記ソフトモード信号情報が伝達されると、上記LEDランプが緑色に点灯するようにし、上記メインコントロールユニットから上記パワーモード信号情報が伝達されると、上記LEDランプが青色に点灯するようにし、上記メインコントロールユニットから上記バッテリーの放電状態情報が伝達されると、上記LEDランプが赤色に点灯するようにすることができる。
【0017】
具体的に、上記モータ駆動部は、上記メインコントロールユニットから上記ソフトモード信号情報が伝達されると、上記振動モータが定格の60%~80%のレベルで駆動されるようにし、上記メインコントロールユニットから上記パワーモード信号情報が伝達されると、上記振動モータが定格レベルで駆動されるようすることができる。
【0018】
具体的に、上記微細電流発生部は、上記メインコントロールユニットから上記ソフトモード信号情報が伝達されると、25μA~35μAの電流が発生されるようにし、上記メインコントロールユニットから上記パワーモード信号情報が伝達されると、90μA~110μAの電流が発生されるようにすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による美容器は、回転体の内部に挿入されるシャフトの軸部材に振動モータが内蔵されるようにすることで、振動モータの振動が回転体に直接伝達されることができ、振動効率を増大させることができるだけでなく、振動がハンドルを介して手に伝達されないため、使用者の満足度はもちろんのこと、製品の品質を向上させることができる。
【0020】
また、本発明による美容器は、振動モータがハンドル部分ではない回転体の部分に設けられることにより、従来の振動モータがハンドル部分に設けられるものに比べて、ハンドル部分に余裕空間が設けられて空間活用度を高めるか、余裕空間分だけ小型化することができる。
【0021】
また、本発明による美容器は、シャフトの軸部材から板状に延長される固定部材を形成することにより、スクリューを用いて固定部材をハンドルに容易に組み立てて固定させることができ、シャフトを固定するための部品が単純化できるだけでなく、スクリューに電線を連結することによって微細電流がシャフトを介して回転体まで流れるようにし、微細電流マッサージ機能を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施例による美容器の全体平面図である。
【
図2】本発明の一実施例による美容器の内部部分の拡大図である。
【
図3】本発明の一実施例による美容器の部分断面図である。
【
図4】本発明の一実施例による美容器の部分分解図である。
【
図5】本発明の一実施例による美容器の作動を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明と好ましい実施例からより明確になるだろう。本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されたとしても可能な限り同じ番号を付していることに留意すべきである。また、本発明を説明するに当たり、係わる公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施例による美容器の全体平面図であり、
図2は本発明の一実施例による美容器の内部部分の拡大図であり、
図3は本発明の一実施例による美容器の部分断面図であり、
図4は本発明の一実施例による美容器の部分分解図であり、
図5は本発明の一実施例による美容器の作動を説明するためのブロック図である。
【0026】
図1~
図5を参照すると、本発明の一実施例による美容器1は、圧迫マッサージ機能、刮さマッサージ機能、振動マッサージ機能、微細電流マッサージ機能を遂行することができ、ハンドル10と、回転体20a、20bと、シャフト30a、30bと、振動モータ40a、40bと、バッテリー50と、回路基板60と、ボタン70と、LEDランプ80と、を含む。
【0027】
ハンドル10は使用者の把持が容易になるよう所定の長さ及び厚さを有し、前端部に1対の回転体20a、20bが回転可能に結合された構造を有する。1対の回転体20a、20bは、ハンドル10の中心線から所定の角度で分岐された形状に結合されてもよい。使用者がハンドル10を握って回転体20a、20bを身体の部位に接触した状態で、ハンドル10の中心線に沿って往復運動をすると、回転体20a、20bによって皮膚が引っ張られるとき、引き締められたり解れたりすることが繰り返し行われるようになる。
【0028】
ハンドル10は、前端部の両側部から突出した1対の前端突起11と、前端部の反対である後端部の両側部から突出した1対の後端突起12と、を含む。ハンドル10の前端部には回転体20a、20bが位置し、1対の回転体20a、20bの左右両側に各前端突起11が位置する構造であってもよい。ハンドル10の後端部は1対の後端突起12が傾斜した角度で分岐された構造であってもよい。後端突起12を用いて美容器1の後端で刮さマッサージ機能を具現することができる。
【0029】
回転体20a、20bに隣接する前端突起11の内側部13は、回転体20a、20bに対応する形状であってもよい。例えば、回転体20a、20bが球状である場合、平面上で見たとき、前端突起11の内側部13は半球状であってもよい。また、前端突起11の内側部13は、回転体20a、20bの回転動作を干渉しないように回転体20a、20bから所定の間隔離隔されてもよい。
【0030】
前端突起11は、回転体20a、20bの少なくとも一部を取り囲みながら上方に突出した形状を有するが、前端突起11の突出した高さは回転体20a、20bの回転軸を干渉しない高さであることができ、具体的には、回転体20a、20bの回転軸上に位置するキャップ91を隠さない高さであってもよい。これは、回転体20a、20bにキャップ91を結合する組立作業の工程が容易に行われるようにするためである。
【0031】
また、前端突起11は、後端突起12のように刮さマッサージ機能を具現することができ、1対の回転体20a、20bのそれぞれの外側部分ができる限り多く露出するように前端突起11の突起の高さを最小限に抑えて構成することができるが、これは、振動マッサージ機能のとき、1対の回転体20a、20bを同時に利用することが不便な部位に1対の回転体20a、20bのうち何れか1つだけで容易にマッサージできるようにするためである。
【0032】
前端突起11と後端突起12はハンドル10と一体に製作され、剛体からなってもよく、または、前端突起11において皮膚に接する面や後端突起12において皮膚に接する面にはゴムなどの弾性体が覆われて過度の圧力が皮膚に加わることを防止することができる。
【0033】
ハンドル10は側面から見ると、緩やかに曲がった形状であってもよい。この場合、ハンドル10がまっすぐな形状である場合よりグリップ感が向上し、使用者が手で把持してマッサージするのが容易であることができる。
【0034】
平面上で見たとき、ハンドル10の外側部14は曲線状であってもよい。使用者はハンドル10の外側部14を利用して脇腹、背中、太ももなどの広い身体部位に対して効果的にマッサージすることができる。
【0035】
ハンドル10の一部または全体の材料は、合成樹脂及び金属材料の何れか1つまたはこれらの組み合わせから選択されてもよく、本発明はこれにより限定されない。
【0036】
ハンドル10の内部には回路基板60とバッテリー50が内蔵されてもよく、ハンドル10の外部にはボタン70とLEDランプ80が設けられてもよい。また、ハンドル10の前端部の内側には中心線に沿って一定大きさの隔壁15が形成されてもよいが、この隔壁15は微細電流マッサージ機能に寄与する1対のシャフト30a、30bを電気的に分離させるためのものである。
【0037】
回転体20a、20bは、ハンドル10の前端部において回転軸としてのシャフト30a、30bに回転可能に支持結合され、使用者が回転体20a、20bを皮膚に接触させた状態でハンドル10を動かすと、回転体20a、20bが転がりながら皮膚をマッサージする圧迫マッサージ機能をする。
【0038】
また、回転体20a、20bは、振動マッサージ機能のとき、振動モータ40a、40bから振動が伝達されて振動することができる。
【0039】
また、回転体20a、20bは、微細電流マッサージ機能のとき、何れか1つの回転体20aが「+」電極の役割をし、他の1つの回転体20bが「-」電極の役割をすることができる。「+」電極の回転体20aと「-」電極の回転体20bが皮膚に同時に接触すると、バッテリー50を中心として閉回路が構成されて皮膚に微細電流が伝達される。本実施例では、バッテリー50を中心とした1対の回転体20a、20b、そして皮膚が閉回路を成して微細電流が皮膚に伝達されることを説明したが、これに限定されず、ハンドル10に電極(不図示)を設けて使用者がハンドル10を握ったときに電極部分と接触して、バッテリー50を中心とした1対の回転体20a、20bのうち少なくとも何れか1つの回転体、手、そして皮膚が閉回路を成して微細電流が皮膚に伝達されることができることは言うまでもない。この場合、1対の回転体20a、20bのうち何れか1つだけでも微細電流マッサージ機能を具現することができる。
【0040】
回転体20a、20bは1対の前端突起11の間に位置してもよく、各回転体20a、20bの回転軸はハンドル10の中心線からY字状に分岐された構造であってもよい。何れか1つの回転体20aと他の1つの回転体20bの各回転軸の間の角度は、回転体20a、20bの開放角度αと称する。当該回転体20a、20bの開放角度αは90度~110度であることが好ましい。この場合、頬、口元、目元などの顔の部位に対するマッサージが効果的であることができる。本実施例において、回転体20a、20bの開放角度αは99度である。
【0041】
また、1対の回転体20a、20bの外周面間の最短距離wは8mm~9mmであることが好ましく、1対の回転体20a、20bのそれぞれの直径dは21mm~27mmであることが好ましい。回転体20a、20b間の最短距離wと回転体20a、20bの直径dが上記のような範囲を有する場合、目元や口元などの狭い部分の皮膚の摘み上げ効果が適切に現れてマッサージ効果が一層向上することができる。本実施例において、回転体20a、20b間の最短距離wは8.75mmで、回転体20a、20bの直径dは24mmである。
【0042】
上記した回転体20a、20bの形状は、球状、楕円球状、またはこれらの形状を組み合わせた形状であってもよい。回転体20a、20bは、その表面に様々な形状による凹凸や突起が設けられてもよい。回転体20a、20bは適度の硬度を有するシリコン、金属またはプラスチック材質からなってもよいが、微細電流マッサージ機能を具現するために何れか1つの回転体20aが「+」電極の役割を、他の1つの回転体20bが「-」電極の役割をしなければならないため、導電性を有する金属材質で形成することが好ましい。
【0043】
上記したように、本実施例では、回転体20a、20bが2つで構成されることを例示したが、3つまたは4つであってもよく、回転体20a、20bが互いに独立して回転しながら回転体20a、20bの間で皮膚を引き締める圧迫マッサージ機能、振動マッサージ機能、微細電流マッサージ機能を具現することができるのであれば、回転体20a、20bの個数や配置などは特に限定されない。
【0044】
シャフト30a、30bはハンドル10に固定設置されて回転体20a、20bをハンドル10に結合させて回転されるようにすることができ、回転体20a、20bと同様に1対で備えられてもよい。
【0045】
1対のシャフト30a、30bは、後述するが、微細電流マッサージ機能を具現する1つの構成要素として寄与するため、電導性に優れた金属材質で形成され、電気的に分離されるようにハンドル10の前端部の内側の中心線に沿って一定大きさで形成された隔壁15を挟んで1つずつ独立して設けられる。
【0046】
1対のシャフト30a、30bはハンドル10の前端部において中心線を基準として外側に向かって開くように設けられ、回転体20a、20bと結合する円柱状の軸部材31と、軸部材31から板状に延長されハンドル10に結合する固定部材32と、で構成されてもよい。
【0047】
シャフト30a、30bの軸部材31は、回転体20a、20bのホール(図面符号不図示)に挿入される。軸部材31は、回転体20a、20bのホールの内周面に設けられるベアリング92に嵌合結合されてもよい。これにより、回転体20a、20bはシャフト30a、30bの軸部材31に結合された状態で独立して回転できるように構成される。
【0048】
回転体20a、20bのホールに挿入される軸部材31には、振動モータ40a、40bが挿入設置される設置空間33が設けられてもよい。設置空間33は、振動モータ40a、40bの大きさ及び形状に対応するように設けられてもよい。これにより、振動モータ40a、40bは、シャフト30a、30bの軸部材31に内蔵された状態で回路基板60のモータ駆動部64によって駆動されるようになる。
【0049】
シャフト30a、30bの固定部材32はハンドル10に固定結合されてもよい。固定部材32は、スクリュー34によってハンドル10に組み立てられて固定されてもよい。
【0050】
スクリュー34は固定部材32を固定する役割だけでなく、電線(不図示)を連結する役割をして微細電流がシャフト30a、30bを介して回転体20a、20bまで流れるようにする。また、スクリュー34は、固定部材32に締結したとき、端部が回路基板60の微細電流発生部65と連動するように回路基板60を構成することにより、電線なしに微細電流がスクリュー34を介してシャフト30a、30bに流れるようにすることができる。
【0051】
振動モータ40a、40bは、シャフト30a、30bの軸部材31に形成された設置空間33に挿入設置されてもよく、シャフト30a、30bの軸部材31に内蔵された状態で回路基板60のモータ駆動部64によって駆動されることができる。これにより、振動モータ40a、40bは、回転体20a、20bに直接振動を伝達することができる。
【0052】
無論、振動モータ40a、40bは回転体20a、20bのホールに挿入されたシャフト30a、30bの軸部材31の何れか1つにだけ設けられてもよい。
【0053】
振動モータ40a、40bは、回路基板60のモード選択部62の選択に応じてソフトモードとパワーモードで駆動することができる。ソフトモードが選択される場合、振動モータ40a、40bは定格の70%のレベルである10,500RPMで駆動し、パワーモードが選択される場合には、振動モータ40a、40bは定格レベルである15,000RPMで駆動することができる。
【0054】
バッテリー50はハンドル10の内部に設けられてもよい。バッテリー50はUSBポート51を通じて充電することができ、充電された電気を回路基板60を介して振動モータ40a、40b、LEDランプ80などの電気が必要なところに電気を供給することができる。
【0055】
回路基板60はハンドル10の内部に設けられてもよく、ボタン70を押すことによって活性化(美容器1の作動ONの状態)または非活性化(美容器1の作動OFFの状態)になることができる。回路基板60は、美容器1が振動マッサージ機能及び微細電流マッサージ機能を具現することができるように、メインコントロールユニット61、モード選択部62、LED発生部63、モータ駆動部64、微細電流発生部65を含んでもよい。また、回路基板60には、微細電流発生部65と連結される第1コネクタ端子66と、モータ駆動部64と連結される第2コネクタ端子67とが設けられてもよい。
【0056】
メインコントロールユニット61は、既設定のプログラムに応じてモード選択部62とモード信号情報を送受信することができ、送受信したモード信号情報に応じてLED発生部63、モータ駆動部64、微細電流発生部65を制御することができる。また、メインコントロールユニット61は、バッテリー50の充電及び放電状態を認知してLED発生部63に充電/放電状態情報を提供することができる。
【0057】
モード選択部62は、ボタン70の操作により選択されたモード信号情報をメインコントロールユニット61に伝達することができる。ここで、モード選択部62はメインコントロールユニット61の一部であってもよいが、本実施例では説明の便宜のために分けて説明する。
【0058】
具体的には、モード選択部62は、美容器1の電源オフの状態でボタン70を長く押すと(約1秒間)、電源が入ると同時にソフトモードを選択し、ソフトモード信号情報がメインコントロールユニット61に伝達されると、メインコントロールユニット61はソフトモード信号情報に基づいてLED発生部63、モータ駆動部64、微細電流発生部65を制御することができる。
【0059】
また、モード選択部62は、ソフトモード状態でボタン70を2回押すと、パワーモードを選択し、パワーモード信号情報がメインコントロールユニット61に伝達されると、メインコントロールユニット61はパワーモード信号情報に基づいてLED発生部63、モータ駆動部64、微細電流発生部65を制御することができる。
【0060】
また、モード選択部62は、パワーモード状態でボタン70を1回押すと、再びソフトモードを選択し、ソフトモード信号情報がメインコントロールユニット61に伝達されると、メインコントロールユニット61は再びソフトモード信号情報に基づいてLED発生部63、モータ駆動部64、微細電流発生部65を制御することができる。
【0061】
また、モード選択部62は、ボタン70の操作が一定時間、例えば、3分程ない場合、操作情報をメインコントロールユニット61に伝達し、メインコントロールユニット61は操作情報に基づいて自動的に全ての電源がオフになるように制御することができる。
【0062】
また、モード選択部62は、美容器1の使用中に電源を消したいときには、ボタン70を長く押すと(約1秒程度)、その操作情報がメインコントロールユニット61に伝達され、メインコントロールユニット61は操作情報に基づいて自動的に全ての電源がオフになるように制御することができる。
【0063】
LED発生部63は、メインコントロールユニット61から伝達されるモード信号情報に応じて、使用者が肉眼で現在のモードがどのような状態なのか確認できるようにLEDランプ80を介してアラームすることができる。
【0064】
具体的には、LED発生部63は、メインコントロールユニット61からソフトモード信号情報が伝達されると、LEDランプ80が緑色に点灯するようにし、メインコントロールユニット61からパワーモード信号情報が伝達されると、LEDランプ80が青色に点灯するようにし、メインコントロールユニット61からバッテリー50の放電状態情報が伝達されると、LEDランプ80が赤色に点灯するようにする。
【0065】
モータ駆動部64は、メインコントロールユニット61から伝達されるモード信号情報に応じて振動モータ40a、40bが駆動されるようにすることができる。
【0066】
具体的には、モータ駆動部64は、メインコントロールユニット61からソフトモード信号情報が伝達されると、振動モータ40a、40bが定格の60%~80%レベルである9,000RPM~12,000RPMで駆動するようにし、メインコントロールユニット61からパワーモード信号情報が伝達されると、振動モータ40a、40bが定格レベルである15,000RPMで駆動するようにすることができる。本実施例では、メインコントロールユニット61からソフトモード信号情報が伝達されると、振動モータ40a、40bが70%のレベルである10,500RPMで駆動するようにする。
【0067】
微細電流発生部65は、メインコントロールユニット61から伝達されるモード信号情報に応じて微細電流を発生させ、微細電流モジュールを介して回転体20a、20bに微細電流が流れるようにすることができる。ここで、微細電流モジュールは、特定の1つの構成ではなく、バッテリー50の「+」電流がシャフト30a、30bのうち何れか1つのシャフト30aとベアリング92を介して回転体20a、20bのうち何れか1つの回転体20aに流れるようにして何れか1つの回転体20aが「+」電極になるようにし、バッテリー50の「-」電流がシャフト30a、30bのうち他の1つのシャフト30bとベアリング92を介して回転体20a、20bのうち他の1つの回転体20bに流れるようにして他の1つの回転体20bが「-」電極になるように構成されたものである。
【0068】
このような微細電流モジュールは、「+」電極である何れか1つの回転体20aと「-」電極である他の1つの回転体20bが皮膚に同時に接触すると、バッテリー50を中心として閉回路が構成されて皮膚に微細電流が伝達される。また、上述したように、ハンドル10に電極(不図示)が設けられる場合、電極部分に手が接触し、1対の回転体20a、20bのうち少なくとも何れか1つが皮膚に接触すると、バッテリー50を中心として閉回路が構成されて皮膚に微細電流が伝達される。
【0069】
具体的には、微細電流発生部65は、メインコントロールユニット61からソフトモード信号情報が伝達されると、25μA~35μAの電流を発生させて回転体20a、20bに微細電流が流れるようにし、メインコントロールユニット61からパワーモード信号情報が伝達されると、90μA~110μAの電流を発生させて回転体20a、20bに微細電流が流れるようにすることができる。本実施例では、微細電流発生部65はメインコントロールユニット61からソフトモード信号情報が伝達されると、30μAの電流を発生させ、メインコントロールユニット61からパワーモード信号情報が伝達されると、100μAの電流を発生させるようにする。
【0070】
このように、本実施例では、回転体20a、20bの内部に挿入されるシャフト30a、30bの軸部材31に振動モータ40a、40bが内蔵されるようにすることで、振動モータ40a、40bの振動が回転体20a、20bに直接伝達されることができ、振動効率を増大させることができるだけでなく、振動がハンドル10を介して手に伝達されないため、使用者の満足度はもちろんのこと、製品の品質を向上させることができる。
【0071】
また、本実施例では、振動モータ40a、40bがハンドル10の部分でない回転体20a、20bの部分に設けられることにより、既存の振動モータがハンドルの部分に設けられることに比べて、ハンドル10の部分に余裕空間が設けられて空間活用度を高めるか、余裕空間分だけ小型化することができる。
【0072】
また、本実施例は、シャフト30a、30bの軸部材31から板状に延長される固定部材32を形成することにより、スクリュー34を利用して固定部材32をハンドル10に容易に組み立てて固定することができ、シャフト30a、30bを固定するための部品が単純化できるだけでなく、スクリュー34に電線を連結することによって微細電流がシャフト30a、30bを介して回転体まで流れるようにして微細電流マッサージ機能を具現することができる。
【0073】
以上では、本発明の実施例を中心に本発明を説明したが、これは単なる例示であって本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施例の本質的な技術内容から外れない範囲内で実施例に例示されていない様々な組み合わせまたは変形と応用が可能であることが分かるだろう。従って、本発明の実施例から容易に導出できる変形と応用に係る技術内容は本発明に含まれると解釈すべきである。