(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】内視鏡の先端部、内視鏡挿入部、及び、内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/06 20060101AFI20220218BHJP
A61B 1/05 20060101ALI20220218BHJP
A61B 1/04 20060101ALI20220218BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20220218BHJP
【FI】
A61B1/06 531
A61B1/05
A61B1/04 530
G02B23/24 B
(21)【出願番号】P 2020540918
(86)(22)【出願日】2018-09-05
(86)【国際出願番号】 JP2018032872
(87)【国際公開番号】W WO2020049654
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2020-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大山 勝巳
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0210976(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0118549(US,A1)
【文献】特表2013-544617(JP,A)
【文献】特開2005-080713(JP,A)
【文献】特開2014-014611(JP,A)
【文献】特開2016-150214(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 - 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の高さを有する受光ユニットと、
前記第1の高さよりも低い第2の高さを有する光出射ユニットと、
前記受光ユニットを第1面に実装する受光ユニット実装部と、前記受光ユニット実装部から延出する第1延出部と、前記第1延出部に連設され前記光出射ユニットを前記第1面に実装する光出射ユニット実装部と、前記光出射ユニット実装部から延出する第2延出部と、が形成された1つのフレキシブル基板と、
前記受光ユニット実装部の前記第1面の裏面である第2面が当接配置される座面を有する台座と、
前記座面に隣接して前記台座から突出され、前記座面に隣接する内壁面に前記第1延出部の前記第2面が当接配置され、突端面に前記光出射ユニット実装部の前記第2面が当接配置され、且つ、前記内壁面と反対側の外壁面に前記第2延出部の第2面が当接配置される凸部と、
前記受光ユニット、
及び前記光出射ユニット
に対向配置される窓部を有し、前記第2延出部を前記凸部との間に挟みこみつつ前記受光ユニット、前記光出射ユニット、前記台座及び前記凸部を覆うカバー部材と、
を具備することを特徴とする内視鏡の先端部。
【請求項2】
前記受光ユニットは撮像素子であり、前記光出射ユニットは発光ダイオードであり、前記撮像素子及び前記発光ダイオードに、前記カバー部材に設けられた窓部が対向配置されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の先端部。
【請求項3】
前記受光ユニットは撮像素子及び前記撮像素子の先端側に設けられた対物レンズであり、前記光出射ユニットは発光ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の先端部。
【請求項4】
前記受光ユニットと前記光出射ユニットとの間を遮光する遮光壁を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の先端部。
【請求項5】
前記遮光壁は、前記フレキシブル基板に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡の先端部。
【請求項6】
前記遮光壁は、前記カバー部材に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡の先端部。
【請求項7】
前記遮光壁は、
前記カバー部材が、前記受光ユニット、前記光出射ユニット、前記台座及び前記凸部を覆った状態にあるとき、前記受光ユニットを前記台座に押し付けるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡の先端部。
【請求項8】
請求項1に記載の内視鏡の先端部を備えたことを特徴とする内視鏡挿入部。
【請求項9】
請求項1に記載の内視鏡の先端部を備えたことを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子及び発光素子が配置された内視鏡の先端部、内視鏡挿入部、及び、内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内視鏡は、医療分野及び工業分野において広く利用されている。内視鏡は、細長な挿入部を管路内に挿入することによって、管路内を観察することが可能となっている。被検体像をモニタ等に表示させる場合には、挿入部の先端部にCCD等の撮像素子を配設した内視鏡が知られている。
【0003】
この場合、一般に、撮像素子はフレキシブル基板(FPC)に実装され、撮像素子を実装したFPCが所望の形状に折り曲げられることにより、小型化が要求される先端部に効率よく配置される。例えば、日本国特開2010-258582号公報には、撮像素子を実装したFPC(回路基板)を、撮像素子の裏面側後方で三角形状を形成するように折り曲げて配置した構成が開示されている。
【0004】
ところで、この種の内視鏡においては、ライトガイドによって照明光を先端部に導く構成に代えて、LED等の光源素子を先端部に配置することも可能である。この場合、光源素子を、撮像素子と同一のFPC上に実装した状態にて先端部に配設することにより、先端部の構成を簡素化することができる。
【0005】
しかしながら、FPC上において、撮像素子を含んで構成される受光ユニットと、光源素子を含んで構成される光出射ユニットと、は高さが異なることが一般的であり、通常、受光ユニットが光出射ユニットよりも高くなる。従って、単に、FPCの同一平面上に撮像素子と光源素子を実装しただけの構成では、先端部の内部において、光出射ユニットが受光ユニットよりも光軸方向の後方に配置されることとなり、効率的に多くの光量を得ることができない等の不具合が発生する。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、受光ユニットと光出射ユニットとを適切な位置に配置することができる内視鏡の先端部を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態による内視鏡の先端部は、第1の高さを有する受光ユニットと、前記第1の高さよりも低い第2の高さを有する光出射ユニットと、前記受光ユニットを第1面に実装する受光ユニット実装部と、前記受光ユニット実装部から延出する第1延出部と、前記第1延出部に連設され前記光出射ユニットを前記第1面に実装する光出射ユニット実装部と、前記光出射ユニット実装部から延出する第2延出部と、が形成された1つのフレキシブル基板と、前記受光ユニット実装部の前記第1面の裏面である第2面が当接配置される座面を有する台座と、前記座面に隣接して前記台座から突出され、前記座面に隣接する内壁面に前記第1延出部の前記第2面が当接配置され、突端面に前記光出射ユニット実装部の前記第2面が当接配置され、且つ、前記内壁面と反対側の外壁面に前記第2延出部の第2面が当接配置される凸部と、前記受光ユニット、及び前記光出射ユニットに対向配置される窓部を有し、前記第2延出部を前記凸部との間に挟みこみつつ前記受光ユニット、前記光出射ユニット、前記台座及び前記凸部を覆うカバー部材と、を具備するものである。
本発明の一態様による内視鏡挿入部は、前記内視鏡の先端部を具備するものである。
本発明の一態様による内視鏡は、前記内視鏡の先端部を具備するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】受光ユニット及び光出射ユニットを実装したフレキシブル基板と先端構成部とを示す分解斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の形態を説明する。図面は本発明の一実施形態に係り、
図1は内視鏡の外観斜視図、
図2は先端部の端面図、
図3は
図2のIII-III断面図、
図4は
図2のIV-IV断面図、
図5は受光ユニット及び光出射ユニットを実装したフレキシブル基板と先端構成部とを示す分解斜視図、
図6~
図8は先端部の組立工程を示す説明図である。
【0010】
図1に示す内視鏡1は、例えば、腎盂泌尿器用の内視鏡(腎盂尿管鏡)である。この内視鏡1は、被験体の体腔内に挿入される細長形状の挿入部2と、この挿入部2の基端に設けられた操作部3と、この操作部3の基端から延出されたユニバーサルケーブル4と、を備えて構成されている。
【0011】
図1に示すように、挿入部2は、先端側に位置する先端部11と、この先端部11の基端に連設された湾曲部12と、この湾曲部12の基端に連設された可撓性を有する可撓管部13と、を備えて構成されている。
【0012】
先端部11の内部には、例えば、CCD,CMOS等の撮像素子31を備えた受光ユニット30、及び、発光ダイオード(LED)等の光源素子36を備えた一対の光出射ユニット35が設けられている(
図2~
図5参照)。
【0013】
ここで、本実施形態の受光ユニット30は、例えば、撮像素子31と、この撮像素子31の受光面側に配置された複数の対物レンズの積層体(積層レンズ)からなる対物光学系32と、を備えて構成されている。一方、本実施形態の各光出射ユニット35は、例えば、光源素子36単体によって構成されている。
【0014】
なお、本実施形態においては、一対(2つ)の光出射ユニット35を先端部11に設けているが、例えば、光出射ユニット35は1つであっても構わない。
【0015】
さらに、先端部11の内部には、チャンネル接続管16(
図4参照)が保持されている。このチャンネル接続管16の先端は、先端部11の先端面と同一面上に配置され、これにより、先端部11にはチャンネル開口部16aが形成されている(
図2,4参照)。また、チャンネル接続管16の基端側には、挿入部2内に挿通された処置具チャンネル17の先端側が接続されている。
【0016】
湾曲部12は、複数の湾曲駒21が挿入軸方向に沿って連設された湾曲駒組20を有して構成されている。この湾曲駒組20を構成する各湾曲駒21は、例えば、回動軸21aを介して、上下方向に互いに回動可能となるよう連結されている。これにより、湾曲部12は、操作部3の基端側に設けられた湾曲レバー25の回動操作に連動して、上下2方向に湾曲自在となっている。
【0017】
ここで、本実施形態において、内視鏡1の各部の上下方向及び左右方向は、撮像素子31によって撮像された画像上の上下方向及び左右方向に一致するよう定義されるものである。なお、湾曲部12の湾曲方向は、上下2方向に限定されるものではなく、左右2方向、或いは、上下左右4方向であってもよい。
【0018】
操作部3の基端側には、上述の湾曲レバー25の他に、各種内視鏡のスイッチ類26が設けられている。
【0019】
また、操作部3の先端側には、処置具チャンネル17の基端側に連通する口金27が設けられている。
【0020】
これにより、本実施形態の内視鏡1では、レーザプローブ等の各種処置具等を、口金27を介して処置具チャンネル17に挿入することが可能となっている。そして、処置具チャンネル17に挿入された処置具等は、挿入部2の先端側へと導かれ、先端部11のチャンネル開口部16aから被験体内へと突出することにより、各種処置を行うことが可能となっている。
【0021】
また、口金27には、図示しないアダプタ等を介して送液装置を接続することが可能となっている。これにより、処置具チャンネル17は、例えば、生理食塩水等の流体を流通させてチャンネル開口部16aから吐出することが可能となっている。
【0022】
ここで、挿入部2及び操作部3の内部には、処置具チャンネル17の他、受光ユニット30及び光出射ユニット35と電気的に接続する各種のケーブル38(
図3参照)、及び、湾曲レバー25の回動操作に連動して湾曲部12を湾曲動作させるためのアングルワイヤ(図示せず)等が挿通されている。
【0023】
これらのうち、ケーブル38は、さらに、ユニバーサルケーブル4の内部に挿通され、コネクタ5を介して、ビデオプロセッサに接続されている。
【0024】
次に、本実施形態における先端部11の構成について、具体的に説明する。
【0025】
図3~5に示すように、先端部11は、硬質な材料からなる先端構成部40と、この先端構成部40を被覆するカバー部材としての先端カバー41と、を有して構成されている。
【0026】
先端構成部40は、基端側から順に、湾曲駒接続部45と、湾曲駒接続部45から光軸O方向に突出する台座46と、台座46から光軸O方向に突出する一対の凸部47と、を有する。
【0027】
湾曲駒接続部45は、例えば、略円柱形状をなし、湾曲駒組20の最先端に位置する湾曲駒21が接続されている。
【0028】
また、湾曲駒21が接続される部分よりも先端側において、湾曲駒接続部45の周面には、一対の平面部45aが形成されている。これら平面部45aには、先端カバー41を係止するための係止爪45bが設けられている。
【0029】
また、湾曲駒接続部45には、チャンネル接続管16を光軸O方向に沿って挿通可能な接続管挿通孔45dが設けられている。
【0030】
台座46は、例えば、湾曲駒接続部45に形成された一対の平面部45aに連続する一対の側壁面を備えた略直方体形状に形成されている。
【0031】
この台座46の端面は、受光ユニット30を配置するための座面として第1座面46aが設定され、第1座面46aには、湾曲駒接続部45の基端側に連通するケーブル挿通孔46bが開口されている。
【0032】
各凸部47は、第1座面46aに隣接して台座46から突出されている。本実施形態において、より具体的には、各凸部47は、座面46aを挟んで互いに対向する位置に配置されている。各凸部47の突端面には、各光出射ユニット35を配置するための第2座面47aが設定されている。
【0033】
ここで、各凸部47の高さ(すなわち、第1座面46aから各第2座面47aまでの光軸O方向の距離)Hは、第1の高さである受光ユニット30の高さと第2の高さである各光出射ユニット35の高さの差ΔTと略同一、或いは、当該高さの差ΔTよりも若干低くなるように設定されている。
【0034】
また、後述する先端カバー41との間に所定の空隙を形成するため、各凸部47の外壁面(すなわち、第1座面46aに隣接して互いに対向する内壁面と反対側の壁面)は、段状の切欠部47bが形成されている。
【0035】
なお、本実施形態においては、一対(2つ)の光出射ユニット35に対応して、一対(2つ)の凸部47を設けているが、例えば、光出射ユニット35が1つの場合には、凸部47は1つとなる。
【0036】
先端カバー41は、先端が前壁部49によって閉塞された略円筒形状をなす樹脂製の部材によって構成されている。
【0037】
この先端カバー41の基端側の内面には、係止爪45bに係合する凹部41aが設けられている。
【0038】
また、先端カバー41の前壁部49には、第1座面46a及び第2座面47aに対向する窓部15が設けられている。
【0039】
このように構成された先端構成部40と先端カバー41との間には、受光ユニット30及び光出射ユニット35が、1つの(同一の)フレキシブル基板(FPC)50に実装された状態にて保持されている。
【0040】
FPC50には、一方の面である第1面に受光ユニット30を実装する受光ユニット実装部50aと、受光ユニット実装部50aから両側にそれぞれ延出する一対の第1延出部50bと、各第1延出部50bに連設され各光出射ユニット35を第1面にそれぞれ実装する一対の光出射ユニット実装部50cと、各光出射ユニット実装部50cから延出する一対の第2延出部50dと、が一体形成されている。
【0041】
ここで、各第1延出部50bの長さは、各凸部47の高さHと略一致する長さに設定されている。また、例えば、
図5に示すように、本実施形態の第1延出部50b、光出射ユニット実装部50c、及び、第2延出部50dは、一連の帯状となるよう、互いに同一幅に形成されている。
【0042】
なお、本実施形態においては、一対(2つ)の光出射ユニット35に対応して、各一対(2つ)の第1延出部50b、光出射ユニット実装部50c、及び、第2延出部50dを設けているが、例えば、光出射ユニット35が1つの場合には、第1延出部50b、光出射ユニット実装部50c、及び、第2延出部50dは各1つとなる。
【0043】
さらに、FPC50には、各第1延出部50bとは異なる方向において受光ユニット実装部50aに連設するケーブル接続部50eが一体形成されている、このケーブル接続部50eには、受光ユニット実装部50aに実装された受光ユニット30、及び、各光出射ユニット実装部50cに実装された各光出射ユニット35と電気的に接続する端子部(図示せず)が設けられ、各端子部には各種のケーブル38が電気的に接続されている。
【0044】
なお、受光ユニット実装部50aの第1面と反対側の面である第2面に、スルーホール等によって端子部を形成し、当該端子部に各ケーブル38を接続可能である場合には、FPC50からケーブル接続部50eを省略することも可能である。
【0045】
受光ユニット30及び光出射ユニット35が実装されたFPC50は、先ず、受光ユニット実装部50aの第2面とケーブル接続部50eの第2面とが重なり合うように折り曲げられた状態にて(
図6参照)、受光ユニット実装部50aの第2面側が、ケーブル接続部50eを介して、第1座面46aに固定される(
図7参照)。
【0046】
すなわち、組立作業者等が、各ケーブル38をケーブル挿通孔46bに挿入しながらケーブル接続部50eを第1座面46a上に配置することにより、受光ユニット実装部50aの第2面側は、ケーブル接続部50eを介して、第1座面46aに当接配置される。
【0047】
そして、ケーブル挿通孔46b内に接着剤が充填されることにより、受光ユニット実装部50aは、台座46の第1座面46aに固定される。
【0048】
このとき、受光ユニット実装部50aから延出する各第1延出部50bは、第1座面46aに隣接する各凸部47の内壁面によって内側(受光ユニット30側)に折り曲げられ、各第1延出部50bの第2面が各凸部47の内壁面に当接配置される。
【0049】
その後、先端構成部40が先端カバー41によって覆われることにより、光出射ユニット実装部50cの第2面側が、第2座面47aに当接配置される(
図3参照)。
【0050】
すなわち、組立作業者等が、先端構成部40に対して先端カバー41を装着する際に、先端カバー41は、FPC50の各第2延出部50dを各凸部47側に折り曲げ(
図8参照)、さらに、当該第2延出部50dを凸部47との間に挟み込みつつ、台座46及び凸部47を覆う。
【0051】
これにより、各光出射ユニット実装部50cの第2面が各凸部47の突端に設定された第2座面47aに当接配置されるとともに、各第2延出部50dの第2面が各凸部47の外壁面に当接配置される。
【0052】
より具体的には、各第1延出部50bの長さが各凸部47の高さHと略一致する長さに設定されているため、各第2延出部50dが先端カバー41によって先端構成部40の基端側に引き込まれた際に、各光出射ユニット実装部50cが各第2座面47a上に自動で位置決めされる。このとき、各第2延出部50dは、第2面が各凸部47の外壁面に当接された状態にて、当該各凸部47と先端カバー41の内周面との空隙に保持されるので、各光出射ユニット実装部50cは、接着等の作業を要することなく、第2座面47a上に保持される。
【0053】
これらにより、受光ユニット30及び光出射ユニット35は、光軸O方向における各先端面の位置(先端部11の基端側から見た高さ)が互いに略同一となるように位置決めされた状態にて、先端部11の先端面に形成された窓部15に対向される。
【0054】
このような実施形態によれば、受光ユニット30を第1面に実装する受光ユニット実装部50aと、受光ユニット実装部50aから延出する第1延出部50bと、第1延出部50bに連設され光出射ユニット35を第1面に実装する光出射ユニット実装部50cと、光出射ユニット実装部50cから延出する第2延出部50dと、が形成された1つのフレキシブル基板50と、受光ユニット実装部50aの第2面が当接配置される第1座面46aを有する台座46と、第1座面46aに隣接して台座46から突出され、内壁面に第1延出部50bの第2面が当接配置され、突端面(第2座面47a)に光出射ユニット実装部50cの第2面が当接配置され、且つ、外壁面に第2延出部50dの第2面が当接配置される凸部と、受光ユニット30及び光出射ユニット35に対向配置される窓部15を有し、第2延出部50dを凸部47との間に挟み込みつつ台座46及び凸部47を覆う先端カバー41と、を有して先端部11を構成することにより、簡単な構成により、受光ユニットと光出射ユニットとを適切な位置に配置することができる。
【0055】
すなわち、受光ユニット30を実装する基板と同一の1つのFPC50上に光出射ユニット35を実装することにより、光源素子36を備えた光出射ユニット35を先端部11に配置する場合にも基板を増加させる必要がなく、構造の簡素化を実現することができる。
【0056】
この場合、基本的には異なる高さを有する受光ユニット30と光出射ユニット35とが同一のFPC50上に実装されることとなるが、このような場合にも、台座46から所定高さ突出させた凸部47を設け、受光ユニット30の高さよりも低い光出射ユニット35を、凸部47の突端に設定した第2座面47aに配置することにより、受光ユニット30と光出射ユニット35との高さ調整を容易に行うことができる。
【0057】
特に、受光ユニット30及び光出射ユニット35をFPC50上の同一面上(第1面上)に実装することにより、受光ユニット実装部50aの第2面を第1座面に固定した後は、FPC50を略クランク形状に折り曲げるだけの簡単な作業により、光出射ユニット35を第2座面47aに配置することができる。
【0058】
また、FPC50を折り曲げる作業も、受光ユニット実装部50aを起点とし、凸部47に倣って行われるものであるため複雑な位置決め作業等を必要とせず、さらに、先端構成部40に対して先端カバー41を装着する際に、第2延出部50dが先端カバー41と凸部47との間に挟み込まれる構成とすることにより、極めて微細な先端部11の組立工程において、光出射ユニット実装部50cを第2座面47aに接着等する作業を行うことなく、光出射ユニット35を適切な位置に位置決めすることができる。
【0059】
ここで、上述の実施形態において、例えば、
図9に示すように、窓部15に、光出射ユニット35に対向する照明光学系56を設けることも可能である。
【0060】
また、受光ユニット30と光出射ユニット35との組合せとしては、例えば、
図10に示すように、撮像素子31の受光面側に対物光学系32が配置された受光ユニット30と、光源素子36の出射面側に照明光学系37が配置された光出射ユニット35と、の組合せを採用することも可能である。
【0061】
また、受光ユニット30と光出射ユニット35との組合せとしては、例えば、
図11に示すように、撮像素子31単体によって構成した受光ユニット30と、光源素子36単体によって構成した光出射ユニット35と、の組合せを採用することも可能である。この場合、窓部15に、受光ユニット30に対向する対物レンズ55を形成することが可能である。さらに、窓部15に、光出射ユニット35に対向する照明光学系56を適宜設けることも可能である。
【0062】
また、受光ユニット30と光出射ユニット35との組合せとしては、例えば、
図12に示すように、撮像素子31単体によって構成した受光ユニット30と、光源素子36の出射面側に照明光学系37が配置された光出射ユニット35と、の組合せを採用することも可能である。この場合、窓部15に、受光ユニット30に対向する対物レンズ55を、窓部15に形成することが可能である。
【0063】
また、
図13に示すように、受光ユニット30に光出射ユニット35からの光が直接入射することを防止するため、受光ユニット30と光出射ユニット35との間に遮光壁60を設けることも可能である。
【0064】
この場合、例えば、
図14に示すように、第1延出部50bに遮光壁60の一部を予め接着することにより(すなわち、FPC50に遮光壁60を予め実装することにより)、
図15,16に示すように、FPC50を折曲させながら行う先端部11の組立工程において、受光ユニット30と光出射ユニット35との間に遮光壁60を容易に配置することができる。
【0065】
また、上述の実施形態において、例えば、
図17に示すように、受光ユニット30の光軸O方向における先端面の位置(先端部11の基端側から見た高さ)が、光出射ユニット35の光軸O方向における各先端面の位置(先端部11の基端側から見た高さ)よりも先端側に位置するよう(高くなるよう)、凸部47の高さを設定することも可能である。
【0066】
或いは、例えば、
図18に示すように、受光ユニット30の光軸O方向における先端面の位置(先端部11の基端側から見た高さ)が、光出射ユニット35の光軸O方向における各先端面の位置(先端部11の基端側から見た高さ)よりも基端側に位置するよう(低くなるよう)、凸部47の高さを設定することも可能である。
【0067】
また、上述の実施形態において、例えば、
図19,20に示すように、前壁部49から先端カバー41の内部に突出する遮光壁61を設け、窓部15を、受光ユニット30に対向する領域と、光出射ユニット35に対向する領域と、に区画することも可能である。
【0068】
さらに、例えば、
図21,22に示すように、前壁部49から先端カバー41の内部に突出する遮光壁61を受光ユニット30に形成した段部30aに当接させ、この遮光壁61によって受光ユニット30を第1座面46aに押し付けることにより、接着剤等を用いることなく、受光ユニット30を台座46に固定することも可能である。
【0069】
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲内である。