(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-17
(45)【発行日】2022-02-28
(54)【発明の名称】開放検出方法及びLED表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20220218BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20220218BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20220218BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09G3/20 670B
G09G3/20 670Q
H01L33/00 L
(21)【出願番号】P 2020548938
(86)(22)【出願日】2019-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2019087483
(87)【国際公開番号】W WO2020191904
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2020-09-14
(31)【優先権主張番号】201910223997.X
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517380215
【氏名又は名称】北京集創北方科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chipone Technology (Beijing) Co.,Ltd
【住所又は居所原語表記】Building 56,No.2 North Jing Yuan Street, Beijing Economic Technological Development Area,Daxing District,Beijing 100176,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビー,チェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ゲン,ジュンチェン
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-160664(JP,A)
【文献】実開昭55-130243(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0116126(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第101964166(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102779479(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103076532(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108898989(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105825806(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズとを有するLED表示装置におけるLEDビーズに対して開放検出を行うための開放検出方法であって、
前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を、0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするステップと、
各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む
ことを特徴とする開放検出方法。
【請求項2】
前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンするステップ
は、
前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査するステップと、
存在する場合、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンすることを実行するステップと
を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の開放検出方法。
【請求項3】
前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査するステップは、
前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに短絡検査電圧を印加するステップと、
各前記列ラインにおいて電位が第3既設値より高い又は電位が前記短絡検査電圧に等しい列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の開放検出方法。
【請求項4】
前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在しない場合、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするステップと、
各前記列ラインにおいて電位が前記第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の開放検出方法。
【請求項5】
前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位の第1既設値へのプルダウンは、
前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンして解放すること、又は、
前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンし続けることによって行われる
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の開放検出方法。
【請求項6】
前記検査待ちの行ラインと電位が前記第2既設値より低い列ラインとの交差点におけるLEDビーズを開放状態のビーズとするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の開放検出方法。
【請求項7】
前記開放検出電圧が前記LEDビーズのオン電圧より大きいことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の開放検出方法。
【請求項8】
前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンするステップの前に、
開放検出指示に応答し、該開放検出指示に基づいて正常表示モードから開放検出モードに切り替えるステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の開放検出方法。
【請求項9】
複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズとを有するLED表示装置におけるLEDビーズに対して開放検出を行うための開放検出方法であって、
前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記の短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインを短絡行ラインとするステップと、
前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、前記短絡行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン及び前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするステップと、
各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む
ことを特徴とする開放検出方法。
【請求項10】
前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査するステップは、
前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに短絡検査電圧を印加するステップと、
各前記列ラインにおいて電位が第3既設値より高い又は電位が前記短絡検査電圧に等しい列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の開放検出方法。
【請求項11】
前記短絡行ラインの電位の第1既設値へのプルダウンは、
前記短絡行ラインの電位を第1既設値にプルダウンして解放すること、又は、
前記短絡行ラインの電位を第1既設値にプルダウンし続けることによって行われる
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の開放検出方法。
【請求項12】
前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在しない場合、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするステップと、
各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載の開放検出方法。
【請求項13】
前記開放検出電圧が前記LEDビーズのオン電圧より大きいことを特徴とする請求項9~12のいずれか1項に記載の開放検出方法。
【請求項14】
前記検査待ちの行ラインと電位が前記第2既設値より低い列ラインとの交差点におけるLEDビーズを開放状態のビーズとするステップをさらに含むことを特徴とする請求項9~13のいずれか1項に記載の開放検出方法。
【請求項15】
LED表示アレイと、行駆動モジュールと、列駆動モジュールと、制御装置とを有し、
前記LED表示アレイは、複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズと、を有し、
前記行駆動モジュールは、各前記行ラインのそれぞれと接続され、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンし、
前記列駆動モジュールは、各前記列ラインのそれぞれと接続され、前記検査待ちの行ラインと接続されるLEDビーズの両端間にLEDビーズを導通させる電圧差を形成するように、各前記列ラインに駆動電圧を印加し、
前記制御装置は、前記行駆動モジュール及び前記列駆動モジュールと接続され、前記行駆動モジュールが前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするように制御し、
前記制御装置は、さらに、各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する
ことを特徴とするLED表示装置。
【請求項16】
前記列駆動モジュールは、定電流源駆動モジュールであることを特徴とする請求項15に記載のLED表示装置。
【請求項17】
LED表示アレイと、行駆動モジュールと、列駆動モジュールと、制御装置とを有し、
前記LED表示アレイは、複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズと、を有し、
前記行駆動モジュールは、各前記行ラインのそれぞれと接続され、前記複数の行ラインに短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインである短絡行ラインが存在する場合、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、前記短絡行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン及び前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にし、
前記列駆動モジュールは、各前記列ラインのそれぞれと接続され、前記検査待ちの行ラインと接続されるLEDビーズの両端間にLEDビーズを導通させる電圧差を形成するように、各前記列ラインに駆動電圧を印加し、
前記制御装置は、前記行駆動モジュール及び前記列駆動モジュールと接続され、前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査し、存在する場合、短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインを短絡行ラインとし、そして、前記行駆動モジュールが前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、前記短絡行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン及び前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするように制御し、
前記制御装置は、さらに、各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する
ことを特徴とするLED表示装置。
【請求項18】
前記列駆動モジュールは、定電流源駆動モジュールであることを特徴とする請求項17に記載のLED表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、LED表示の技術分野に属し、具体的に、開放検出方法及びLED表示装置に関する。
【0002】
関連出願の交互引用
本出願は、2019年03月22日に中国専利局に提出された、出願番号が201910223997Xであり、名称が「開放検出方法及びLED表示装置」である中国出願に基づいて優先権を主張し、そのすべての内容が参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
LED(発光ダイオード、Light Emitting Diode)表示装置の開放検出は、通常、列ラインの電位の高さに基づいて(LEDビーズが開放状態になると、列ラインがいわゆる「中空」の状態になるので、列ラインが中空の状態になったか否かに基づいて)行ラインと列ラインとの制御交差点におけるLEDビーズが開放状態になったか否かを検出することによって行われる。例えば、
図1に示すように、LEDビーズ2-2が開放状態になった場合、第2行に対して開放検出を行うとき、OUT1、OUT3、OUT4のそれぞれ対応する列ラインの電位は、いずれもVout=Vdd-Vfとなる。これに対して、LEDビーズ2-2の開放でOUT2の対応する列ラインが中空状態になっているため、OUT2の対応する列ラインの電位は、Vdd-Vfよりはるかに低くなる。これによって、OUT2の対応する列ラインと第2行の行ラインとで制御されるLEDビーズが開放状態になっていることを判断することができる。ここで、Vddは、行駆動モジュールが入力する開放検出電圧であり、Vfは、LEDビーズのオン電圧である。
【0004】
しかし、LED表示装置の表示領域に短絡ビーズがあった場合、従来技術によってLED表示装置における開放状態のLEDビーズを正確に検出できず、開放検出が失敗する恐れがある。
【発明の概要】
【0005】
本出願による開放検出方法及びLED表示装置は、具体的に以下のようになる。
【0006】
一局面として、本出願の実施例による開放検出方法は、複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズを有するLED表示装置におけるLEDビーズに対して開放検出を行うための方法であって、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を、0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするステップと、各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む。
【0007】
本出願の実施例において、好ましくは、前記開放検出方法は、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンするステップの前に、前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査するステップと、存在する場合、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンすることを実行するステップとをさらに含む。
【0008】
本出願の実施例において、好ましくは、前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査するステップは、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに短絡検査電圧を印加するステップと、各前記列ラインにおいて電位が第3既設値より高い又は電位が前記短絡検査電圧に等しい列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む。
【0009】
本出願の実施例において、好ましくは、前記開放検出方法は、前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在しない場合、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするステップと、各前記列ラインにおいて電位が前記第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとをさらに含む。本出願の実施例において、好ましくは、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位の第1既設値へのプルダウンは、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンして解放すること、又は、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンし続けることによって行われる。
【0010】
本出願の実施例において、好ましくは、前記開放検出方法は、前記検査待ちの行ラインと電位が前記第2既設値より低い列ラインとの交差点におけるLEDビーズを開放状態のビーズとするステップをさらに含む。
【0011】
本出願の実施例において、好ましくは、前記開放検出電圧が前記LEDビーズのオン電圧より大きい。
【0012】
本出願の実施例において、好ましくは、前記開放検出方法は、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンするステップの前に、開放検出指示に応答し、該開放検出指示に基づいて正常表示モードから開放検出モードに切り替えるステップをさらに含む。
【0013】
もう一局面として、本出願の実施例によるその他の開放検出方法は、複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズとを有するLED表示装置におけるLEDビーズに対して開放検出を行うための開放検出方法であって、前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記の短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインを短絡行ラインとするステップと、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、前記短絡行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン及び前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするステップと、各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む。
【0014】
本出願の実施例において、好ましくは、前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査するステップは、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに短絡検査電圧を印加するステップと、各前記列ラインにおいて電位が第3既設値より高い又は電位が前記短絡検査電圧に等しい列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとを含む。
【0015】
本出願の実施例において、好ましくは、前記短絡行ラインの電位の第1既設値へのプルダウンは、前記短絡行ラインの電位を第1既設値にプルダウンして解放すること、又は、前記短絡行ラインの電位を第1既設値にプルダウンし続けることによって行われる。
【0016】
本出願の実施例において、好ましくは、前記開放検出方法は、前記LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在しない場合、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするステップと、各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断するステップとをさらに含む。
【0017】
本出願の実施例において、好ましくは、前記開放検出電圧が前記LEDビーズのオン電圧より大きい。
【0018】
本出願の実施例において、好ましくは、前記方法は、前記検査待ちの行ラインと電位が前記第2既設値より低い列ラインとの交差点におけるLEDビーズを開放状態のビーズとするステップをさらに含む。
【0019】
もう一局面として、本出願の実施例によるLED表示装置は、LED表示アレイと、行駆動モジュールと、列駆動モジュールと、制御装置とを有し、前記LED表示アレイは、複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズと、を有し、前記行駆動モジュールは、各前記行ラインのそれぞれと接続され、前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンし、前記列駆動モジュールは、各前記列ラインのそれぞれと接続され、前記検査待ちの行ラインと接続されるLEDビーズの両端間にLEDビーズを導通させる電圧差を形成するように、各前記列ラインに駆動電圧を印加し、前記制御装置は、前記行駆動モジュール及び前記列駆動モジュールと接続され、前記行駆動モジュールが前記複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするように制御し、前記制御装置は、さらに、各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する。
【0020】
本出願の実施例において、好ましくは、前記列駆動モジュールは、定電流源駆動モジュールである。
【0021】
もう一局面として、本出願の実施例によるその他のLED表示装置は、LED表示アレイと、行駆動モジュールと、列駆動モジュールと、制御装置とを有し、前記LED表示アレイは、複数の行ラインと、複数の列ラインと、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される複数のLEDビーズと、を有し、前記行駆動モジュールは、各前記行ラインのそれぞれと接続され、前記複数の行ラインに短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインである短絡行ラインが存在する場合、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、前記短絡行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン及び前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にし、前記列駆動モジュールは、各前記列ラインのそれぞれと接続され、前記検査待ちの行ラインと接続されるLEDビーズの両端間にLEDビーズを導通させる電圧差を形成するように、各前記列ラインに駆動電圧を印加し、前記制御装置は、前記行駆動モジュール及び前記列駆動モジュールと接続され、前記LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査し、存在する場合、短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインを短絡行ラインとし、そして、前記行駆動モジュールが前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、前記短絡行ラインの電位を0超かつ各前記LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、前記複数の行ラインのうちの、前記短絡行ライン及び前記検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にするように制御し、前記制御装置は、さらに、各前記列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、前記LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する。
【0022】
本出願の実施例において、好ましくは、前記列駆動モジュールは、定電流源駆動モジュールである。
【0023】
本出願の実施例による開放検出方法及びLED表示装置は、検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を0超かつ各LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンし、さらに、各列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かに基づいて検査待ちの行ラインに接続されるLEDビーズに開放問題があるか否かを判断する。これによって、LED表示装置におけるLEDビーズに対する開放検出の有効性及び正確性を向上させる。
【0024】
また、本出願による開放検出方法によって、従来技術のLED表示装置における短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を効果的に避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、本出願の実施例の技術案をより明瞭に説明するため、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本出願の一部の実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面に基づいてその他の関連図面を得ることが可能である。
【
図1】従来技術のLED表示装置に対して開放検出を行うときの電流の流れ方向の模式図である。
【
図2】従来技術の短絡ビーズのあったLED表示装置に対して開放検出を行うときの電流の流れ方向の模式図である。
【
図3】本出願の実施例による開放検出方法の模式的フローチャートである。
【
図4】本出願の実施例による短絡ビーズがあったLED表示装置に対して開放検出を行うときの電流の流れ方向の模式図である。
【
図5】本出願の実施例によるLED表示装置の作動モードの切り替えの模式図である。
【
図6】本出願の実施例によるその他の開放検出方法の模式的フローチャートである。
【
図7】本出願の実施例によるその他の開放検出方法の模式的フローチャートである。
【
図8】本出願の実施例によるLED表示装置の模式的構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本出願の実施例の目的、技術案及び利点をより明瞭にするため、以下、本出願の実施例に用いられる図面を参照しながら、本出願の実施例における技術案を明瞭且つ完全に説明し、説明される実施例が本出願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではないことは無論である。通常、ここで図面を用いて説明して示した本出願の実施例の部品は、それぞれの組み合わせで配置、設計されることが可能である。
【0027】
このため、図面に示された本出願の実施例に対する以下の詳細な説明は、本発明の選択された実施例を示すものに過ぎず、本出願の保護しようとする範囲を限定するものではない。本出願の実施例をもとに、当業者が発明能力を用いることなく得たすべてのその他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【0028】
なお、同様な符号は、図面において同様なものを示すので、1つの図面で定義された場合、その他の図面でさらに定義、解釈することが不要になる。
【0029】
従来、列ラインの電位の高さに基づいて、行ラインと列ラインとの制御交差点におけるLEDビーズが開放状態になったか否かを判断、検出する。ここで、列駆動モジュールが接地する場合、正常状態のLEDビーズの対応する列ラインの電位V1は1.3V~1.4V(該値が例示に過ぎず、以下同様)となり、短絡ビーズがなければ、開放状態のLEDビーズの対応する列ラインの電位V2は0.3V~0.4Vとなる。したがって、開放電位V0を0.6Vに設定し、列ラインの電位が開放電位V0より高い場合、LEDビーズが正常状態であると判断し、列ラインの電位が開放電位V0より低い場合、LEDビーズが開放状態であると判断する。しかし、LEDビーズに対して検査を行うとき、LED表示装置の表示領域に短絡ビーズがあった場合、短絡ビーズと異なる行に位置する開放状態のLEDビーズを正確に検出できなくなる。
【0030】
例えば、
図2に示すように、LED表示装置が正常に表示している際に開放検出を行う実施形態では、行駆動モジュールは、検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を電位Vdnにプルダウンするように制御する。ここで、Vdn>Vdd-Vfとなる。例えば、LEDビーズ2-2を開放とし、LEDビーズ1-3を短絡とし、行駆動モジュールが既設の電位Vdnにプルダウンして解放するような方法を用いる場合、第2行に対して開放検出を行うとき、第2行以外の行がいずれも電圧非印加状態であるため、検査電流の流れ方向は、
図2における点線に示すように、第2行の行ラインから流れ込み、LEDビーズ2-3、LEDビーズ1-3(導線とみなす)、LEDビーズ1-2を経由してOUT2から流れ出るようになる。したがって、OUT2の対応する列ラインの電位Vout2=Vdd-Vf(LEDビーズ2-3)-Vf(LEDビーズ1-2)となる。このとき、Vout2>V0となり、即ちOUT2の対応する列ラインが非中空状態となるので、LEDビーズ2-2の開放状態を正確に検出できず、誤判断になってしまう。
【0031】
また、例えば、
図2に示すように、LEDビーズ2-2を開放とし、LEDビーズ1-3を短絡とし、行駆動モジュールが、電位Vdnにプルダウンし続けるような方法を用いる場合、第2行に対して開放検出を行うとき、第2行以外の行がいずれもプルダウンし続ける状態であるため、検査電流の流れ方向は、
図2における点線に示すように、第2行の行ラインから流れ込み、LEDビーズ2-3、LEDビーズ1-3(導線とみなされる)、LEDビーズ1-2を経由してOUT2から流れ出るようになる。したがって、OUT2の対応する列ラインの電位Vout2=Vdn-Vf(LEDビーズ1-2)となり、Vdn>Vdd-Vfの条件に基づいて、Vout2>Vdd-Vf-Vf(LEDビーズ1-2)となる。このとき、Vout2>V0となり、即ちOUT2の対応する列ラインが非中空状態となるので、LEDビーズ2-2の開放状態を正確に検出できず、誤判断になってしまう。
【0032】
これに対して、本出願の実施例による開放検出方法及びLED表示装置は、開放検出において、ある行に対して開放検出を行うとき、当該行の行ライン以外の行の行ラインの電位をLEDビーズのオン電圧より低いようにプルダウンすることによって、開放検出失敗の問題を解決する。以下、本出願の実施例による技術案を詳細に説明する。
【0033】
本出願の実施例による開放検出方法は、LED表示装置におけるLEDビーズに対して開放検出を行うためのものである。LED表示装置は、複数の行ラインと、複数の列ラインと、複数のLEDビーズとを有し、各前記LEDビーズは、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続されている。
【0034】
図3は、開放検出方法の模式的フローチャートを示すものである。なお、本出願による開放検出方法は、
図3及び下記の具体的な順序に限定されず、本出願の開放検出方法における一部のステップの順序を必要に応じて入れ替えてもてもよいし、一部のステップを省略や削除してもよい。
図3に示すように、該開放検出方法は、下記のステップを含む。
【0035】
ステップS301は、複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、複数の行ラインのうちの、検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を、0超かつ各LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンする。
【0036】
ステップS302は、各列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する。
【0037】
ここで、第2既設値は、上記の開放電位V0の高さであり、必要に応じて自由に設定できる。本実施例では、例えば、0.5V~1.2Vを第2既設値として設定することができる。列ラインの電位が第2既設値より低いとき、該列ラインが中空状態であると判断され、中空状態の列ラインが存在すると、LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断できる。実施するとき、検査待ちの行ラインと電位が第2既設値より低い列ラインとの交差点におけるLEDビーズを開放状態のビーズとする。
【0038】
具体的に、上記のステップS301及びステップS302に係る開放検出は、既設の時間で各行ラインの対応するLEDビーズの開放状態を順に検査することが可能であるし、LED表示装置におけるある行の行ラインの対応するLEDビーズだけに対して開放検出を行うことが可能であり、本実施例では限定しない。また、複数の行ラインのうちの、検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位の第1既設値へのプルダウンは、継続プルダウンで検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンし続けることによって行われてもよいし、既設電位にプルダウンして解放することで検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンして解放することによって行われてもよく(既設電位にプルダウンして解放する場合、電位を保持する継続期間があるので、解放後から開放検出電圧が印加されるまでの期間を継続期間より短く設定することによって、開放検出においてその他の行ラインの電位が常に第1既設値にプルダウンされる状態を確保することができる)、本実施例では限定しない。また、上記の開放検出電圧の大きさは、必要に応じて設定されることができ、例えば、開放検出電圧を、LEDビーズのオン電圧より大きく又はLEDビーズのオン電圧に等しく設定することができる。
【0039】
簡単にするため、以下、
図4に示す短絡ビーズが存在するLED表示装置に対して開放検出を行うときの電流の流れ方向の模式図を参照しながら、本出願の実施例による開放検出の原理を説明する。該LED表示装置10は、行駆動モジュール11と、列駆動モジュール12と、LED表示アレイ13とを有する。LED表示アレイ13は、複数の行ライン131と、複数の列ライン132と、複数のLEDビーズ130とを有し、各LEDビーズ130は、正極が1本の行ライン131と接続され、負極が1本の列ライン132と接続されている。行駆動モジュール11が各行ライン131のそれぞれと接続され、列駆動モジュール12が各列ライン132のそれぞれと接続されている。
【0040】
図4において、例えば、LEDビーズ2-2を開放とし、LEDビーズ1-3を短絡(導線と見なされる)とし、第2行の行ライン131を検査待ちの行ラインとし、LEDビーズ130のオン電圧をVfとし、第1既設値をVdnとする場合、第2行に対して開放検出を行うとき、行駆動モジュール11が、該行ライン131に大きさがVddとなる開放検出電圧を印加するとともに、第2行以外の行(例えば、第1行の行ライン131、第3行の行ライン131等)の電位を第1既設値Vdnにプルダウンする。ここで、0<Vdn<Vfとなる。第1行の行ラインの電位Vdn<Vfとなるため、開放検出において、検査電流の流れ方向は、
図4における点線が示すようになる。つまり、LEDビーズ1-2で導通できず、OUT2の対応する列ラインの電位Vout2が開放電位V0より小さくなり、OUT2の対応する列ライン132が中空状態となるので、LEDビーズ2-2が開放状態であることが検出される。
【0041】
好ましくは、実施されるとき、LED表示装置10の作動モードは、正常表示モードと開放検出モードを含む。ここで、正常表示モードでは、列ライン132と行ライン131との間に跨がって接続されたLEDビーズ130の正負極間に、LEDビーズ130を導通させる十分の電圧差を形成するように、行駆動モジュール11の駆で行ライン131の電位が高電位にプルアップされ、列駆動モジュール12で列ライン132の電位が低電位(例えば0V~1V)にプルダウンされる。開放検出を行うとき、
図5に示すように、指示にしたがってLED表示装置10の正常表示モードから開放検出モードへの切り替えを制御する。なお、
図5に示す正常表示回路の回路構成は、開放検出回路と同様である。
【0042】
上記のように、本出願による開放検出方法は、従来の開放検出回路のもとで
図5に示す新たな開放検出モードを実現するステートマシンを増設し、行駆動モジュール11と列駆動モジュール12との協働で、従来技術のLED表示装置10における短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を避ける。そのため、本出願において、上記の開放検出方法は、ステップS301とステップS302を実行する前、開放検出指示に応答し、該開放検出指示に基づいて正常表示モードから開放検出モードに切り替えるステップをさらに含む。
【0043】
本実施例では、検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を0超かつ各LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンし、そして各列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かに基づいて、検査待ちの行ラインに接続されるLEDビーズの開放を判断する。これによって、LED表示装置のLEDビーズに対する開放検出の有効性及び正確性を向上させることができ、従来技術のLED表示装置の短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を効果的に避けることができる。
【0044】
本出願の実施例によるその他の開放検出方法は、上記の
図3に示す方法と比べて、開放検出を行う前、LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを先に検査し、存在する場合、
図3に示すステップS301とS302を実行し、存在しない場合、従来の方法で開放検出を行う。これによって、従来技術の短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を避けることができる。
【0045】
好ましくは、
図6の開放検出方法の模式的フローチャートに示すように、該開放検出方法は、下記のステップを含む。
【0046】
ステップS601は、LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査する。
【0047】
存在する場合、ステップS602~ステップS603を実行し、存在しない場合、ステップS604~ステップS605を実行する。
【0048】
上記のステップS601におけるLED表示装置10において短絡状態のLEDビーズ130が存在するか否かの判断は、
図4に示すように、短絡LEDビーズ130の状態が、LEDビーズ130の両端が導線で接続される状態に相当するため、ある行の行ライン131を検査するとき、複数の列ライン132において、電位が過度に高くなる又は電位が検査待ちの行ラインに印加される短絡検査電圧に等しくなる列ラインが存在するか否かによって行われる。電位が過度に高くなる又は電位が短絡検査電圧に等しくなる列ライン132が存在する場合、前記LED表示装置10に短絡状態のLEDビーズ130が存在していると判断する。さらに、検査している行の対応する行ライン131が短絡行ラインであり、該短絡行ラインと電位異常の列ライン132との交差点におけるLEDビーズ130が短絡ビーズであると判断する。
【0049】
上記のように、ステップS601は、具体的に、複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに短絡検査電圧を印加し、各列ラインにおいて電位が第3既設値より高い又は電位が短絡検査電圧に等しい列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置に短絡状態のLEDビーズが存在していると判断する。ここで、第3既設値は、必要に応じて設定することができ、ここで限定しない。
【0050】
ステップS602は、複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、複数の行ラインのうちの、検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を、0超かつ各LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンする。
【0051】
ステップS603は、各列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する。
【0052】
ステップS604は、複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、複数の行ラインのうちの、検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にする。
【0053】
ステップS605は、各列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する。
【0054】
本実施例では、開放検出を行う前、LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを先に検査し、存在する場合、複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、複数の行ラインのうちの、検査待ちの行ライン以外の行ラインの電位を第1既設値にプルダウンする。これによって、従来技術の短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を避ける。
【0055】
本出願の実施例による
図7に示すその他の開放検出方法は、LED表示装置におけるLEDビーズに対して開放検出を行うための方法である。LED表示装置は、複数の行ラインと、複数の列ラインと、複数のLEDビーズとを有し、各前記LEDビーズは、正極が1本の前記行ラインと接続され、負極が1本の前記列ラインと接続される。ただし、本出願による開放検出方法は、
図7及び下記の具体的な順序に限定されず、例えば、本出願による開放検出方法における一部のステップの順序を必要に応じて入れ替えてもよいし、一部のステップを省略や削除してもよい。
【0056】
図7に示すように、本実施例による開放検出方法は、下記のステップを含む。
【0057】
ステップS701は、LED表示装置において短絡状態のLEDビーズが存在するか否かを検査し、存在する場合、ステップS702~ステップS704を実行し、存在しない場合、ステップS705~ステップS706を実行する。
【0058】
ステップS702は、短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインを短絡行ラインとする。
【0059】
ステップS703は、複数の行ラインのうちの、短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、短絡行ラインの電位を0超かつ各LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、複数の行ラインのうちの、短絡行ライン及び検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にする。
【0060】
なお、短絡行ラインの電位の第1既設値へのプルダウンは、プルダウンし続けることによって行われてもよい、第1既設値にプルダウンして解放することによって行われてもよい。本実施例では説明を省略する。
【0061】
ステップS704は、各列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する。
【0062】
ステップS705は、複数の行ラインのうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、複数の行ラインのうちの、検査待ちの行ライン以外の行ラインを電圧非印加状態にする。
【0063】
ステップS706は、各列ラインにおいて電位が第2既設値より低い列ラインが存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断する。
【0064】
LED表示装置に開放状態のLEDビーズが存在していると判断した場合、検査待ちの行ラインと電位が第2既設値より低い列ラインとの交差点におけるLEDビーズを開放状態のビーズとする。
【0065】
なお、上記のステップS701~ステップS706に係る開放検出方法は、上記の
図3又は
図6における実施例による開放検出方法と同様な技術的特徴を有するため、上記のステップS701~ステップS706の詳細について、上記の実施例の詳細説明を参照でき、本実施例では説明を省略する。
【0066】
図6に示した実施例による開放検出方法に対して、本実施例による上記の開放検出方法は、LED表示装置に短絡状態のLEDビーズを検出したと、開放検出を行うとき、短絡行ラインの電位を第1既設値にプルダウンすればよい。これによって、従来技術の短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を避けることができる。
【0067】
また、本出願の実施例によるLED表示装置は、
図8に示すLED表示装置の模式的構成図に示すように、行駆動モジュール11と、列駆動モジュール12と、LED表示アレイ13と、制御装置14とを有する。
【0068】
前記LED表示アレイ13は、複数の行ライン131と、複数の列ライン132と、複数のLEDビーズ130とを有し、各前記LEDビーズ130は、正極が1本の前記行ライン131と接続され、負極が1本の前記列ライン132と接続される。
【0069】
上記の行駆動モジュール11は、各行ライン131のそれぞれと接続され、複数の行ライン131のうちの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、複数の行ライン131のうちの、検査待ちの行ライン以外の行ライン131の電位を0超かつ各LEDビーズ130のオン電圧より低い第1既設値にプルダウンする。
【0070】
上記の列駆動モジュール12は、各列ライン132のそれぞれと接続され、検査待ちの行ラインと接続されるLEDビーズ130の両端間にLEDビーズ130を導通させる電圧差を形成するように、各列ライン132に駆動電圧を印加する。列駆動モジュール12は、定電流源駆動モジュールであってもよいが、これに限定されない。
【0071】
上記の制御装置14は、行駆動モジュール11及び列駆動モジュール12と接続され、行駆動モジュール11が複数の行ライン131のうちの任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、複数の行ライン131のうちの、検査待ちの行ライン以外の行ライン131の電位を、0超かつ各LEDビーズ130のオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするように制御する。制御装置14は、さらに、各列ライン132において電位が第2既設値より低い列ライン132が存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置10に開放状態のLEDビーズ130が存在していると判断する。
【0072】
本出願の実施例によるLED表示装置は、
図8に示すLED表示装置の模式的構成図に示すように、行駆動モジュール11と、列駆動モジュール12と、LED表示アレイ13と、制御装置14とを有する。
【0073】
前記LED表示アレイ13は、複数の行ライン131と、複数の列ライン132と、複数のLEDビーズ130とを有し、各LEDビーズ130は、正極が1本の前記行ライン131と接続され、負極が1本の前記列ライン132と接続される。
【0074】
上記の行駆動モジュール11は、各行ライン131のそれぞれと接続され、複数の行ライン131に短絡状態のLEDビーズの対応する行ラインである短絡行ラインが存在する場合、前記複数の行ライン131のうちの、短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、短絡行ラインの電位を0超かつ各LEDビーズ130のオン電圧より低い第1既設値にプルダウンするとともに、複数の行ライン131のうちの、短絡行ライン及び検査待ちの行ライン以外の行ライン131を電圧非印加状態にする。
【0075】
上記の列駆動モジュール12は、各列ライン132のそれぞれと接続され、検査待ちの行ラインと接続されるLEDビーズ130の両端間にLEDビーズ130を導通させる電圧差を形成するように、各列ライン132に駆動電圧を印加する。列駆動モジュール12は、定電流源駆動モジュールであってもよいが、これに限定されない。
【0076】
上記の制御装置14は、行駆動モジュール11及び列駆動モジュール12と接続され、LED表示装置10において短絡状態のLEDビーズ130が存在するか否かを検査し、存在する場合、短絡状態のLEDビーズ130の対応する行ライン131を短絡行ラインとするとともに、行駆動モジュール11が複数の行ライン131のうちの、短絡行ライン以外の任意1つの検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加し、短絡行ラインの電位を0超かつ各LEDビーズのオン電圧より低い第1既設値にプルダウンし、複数の行ライン131のうちの短絡行ライン及び検査待ちの行ライン以外の行ライン131を電圧非印加状態にするように制御する。制御装置14は、さらに、各列ライン132において電位が第2既設値より低い列ライン132が存在するか否かを検査し、存在する場合、LED表示装置10に開放状態のLEDビーズ130が存在していると判断する。
【0077】
以上により、本出願の実施例による開放検出方法及びLED表示装置10は、検査待ちの行ラインに開放検出電圧を印加するとともに、検査待ちの行ライン以外の行ライン131又は短絡行ラインの電位を0超かつ各LEDビーズ130のオン電圧より低い第1既設値にプルダウンし、さらに、各列ライン132において電位が第2既設値より低い列ライン132が存在するか否か等に基づいて検査待ちの行ラインに接続されるLEDビーズ130に開放問題があるか否かを判断する。これによって、LED表示装置10に対する開放検出の有効性及び正確性を向上させる。
【0078】
また、本出願による開放検出方法は、従来のLED表示装置10の回路構成を変更せず、従来技術のLED表示装置10における短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を効果的に避けることができる。
【0079】
本出願の説明において、用語「設置」、「連係」、「接続」を、広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。そして、機械的な接続でもよいし、電気的な接続でもよい。また、直接に接続してもよいし、中間物を介して間接に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本出願における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することが可能である。
【0080】
上記の記載は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するものではない。当業者にとって、本出願に対して各種の変更や変化を行うことが可能である。本出願の精神及び主旨を逸脱しない限り、行われた変更、均等置き換え、改良等が、いずれも本出願の保護範囲に属する。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本出願の技術案を利用することにより、LED表示装置におけるLEDビーズに対する開放検出の有効性及び正確性を向上させ、従来技術のLED表示装置における短絡ビーズによる開放検出失敗の問題を効果的に避けることができる。
【符号の説明】
【0082】
10 LED表示装置
11 行駆動モジュール
12 列駆動モジュール
13 LED表示アレイ
130 LEDビーズ
131 行ライン
132 列ライン
14 制御装置