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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220221BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019097924
(22)【出願日】2019-05-24
(65)【公開番号】P2020194226
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2020-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】504083930
【氏名又は名称】和田 治郎
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100110504
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智裕
(72)【発明者】
【氏名】和田 治郎
【審査官】塩澤 如正
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-203882(JP,A)
【文献】特開2009-043075(JP,A)
【文献】特開2013-105470(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0343039(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被管理者の氏名や連絡先などの被管理者情報を保有する名刺と、
外部通信ネットワークに通信可能に接続され、前記被管理者情報の情報データを蓄積保有する管理サーバと、
外部通信ネットワークに接続可能な情報通信端末と、を備える情報管理システムであって、
名刺は、前記情報データを記憶し且つ情報通信端末との間で近距離無線通信可能な無線タグを備え、
管理者の情報通信端末は、
前記無線タグと近距離無線通信可能な無線通信手段と、
前記名刺に管理者の情報通信端末を所定距離内まで接近させ、無線通信手段により前記名刺の無線タグから受信した被管理者情報の情報データを外部通信ネットワークを通じて管理サーバに転送させる転送機能部と、を備え、
管理サーバは、
管理者の情報通信端末から転送された被管理者情報の情報データを記憶する情報記憶部と、
情報記憶部に記憶された被管理者情報に基づいて前記被管理者の情報が掲載され、メッセージを書き込み可能なメッセージ記入欄が設けられ、前記管理者と前記被管理者との間でのみ情報が共有される情報閲覧ページを生成するページ生成機能部と、を備え、
管理者又は被管理者の情報通信端末は、管理サーバに外部通信ネットワークを通じてアクセスして前記情報閲覧ページを表示させ、前記情報閲覧ページのメッセージ記入欄に、管理者又は被管理者宛てのメッセージが投稿されると、管理サーバは、宛先に該当する管理者又は被管理者の情報通信端末に対して、メッセージの投稿がされた旨を通知又はメッセージ内容を送信する構成とした、情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報管理システムにおいて、
名刺は、管理サーバが保有する前記被管理者情報の情報閲覧ページに外部通信ネットワークを通じてアクセスするための二次元コードをさらに備え、
情報通信端末は、前記二次元コードを読み取り可能なコード読取手段を備え、
前記コード読取手段によって前記二次元コードを読み取ることで、情報通信端末にて管理サーバの該当する被管理者情報の情報閲覧ページにアクセスし、閲覧可能となる構成とした、情報管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報管理システムにおいて、
情報通信端末に記憶された前記情報データと管理サーバに記憶された前記情報データとを照合し一致させる同期機能を備える、情報管理システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報管理システムにおいて、
前記無線タグは、任意に設定された認証用のパスワードを記憶可能な記憶手段を備え、
前記パスワードにより認証された情報通信端末と名刺との間で前記情報データの送受が許可される構成とした、情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺に付与された被管理者情報を収集し管理する情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
初対面の人と会った際に、名刺交換を行うことがあるが、受け取った名刺の情報を管理する負担は大きい。そこで従来、名刺に記載された相手(被管理者)の氏名や会社名、連絡先などの被管理者情報を、専用のイメージスキャナで画像として読み取り、OCR処理により文字データに変換して自己(管理者)のコンピュータや外部サーバに蓄積し管理するように構成された情報管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-183754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の情報管理システムでは、名刺の印刷品質やイメージスキャナによる読み取り画質が悪い場合、名刺に記載された被管理者情報が誤った文字データに変換されてしまい、正確で有用な情報が得られない問題があった。しかも、このものでは、上記イメージスキャナを利用できる場所でしか名刺の読み取り作業を行うことができないから、受け取った名刺の情報がデータ化されて利用可能になるまでに時間や手間も要する。
【0005】
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたものであり、名刺に付与された被管理者情報を有効的且つ効率的に収集し利用可能な情報管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報管理システムは、
被管理者の氏名や連絡先などの被管理者情報を保有する名刺と、
外部通信ネットワークに通信可能に接続され、前記被管理者情報の情報データを蓄積保有する管理サーバと、
外部通信ネットワークに接続可能な情報通信端末と、を備える情報管理システムであって、
名刺は、前記情報データを記憶し且つ情報通信端末との間で近距離無線通信可能な無線タグを備え、
管理者の情報通信端末は、
前記無線タグと近距離無線通信可能な無線通信手段と、
前記名刺に管理者の情報通信端末を所定距離内まで接近させ、無線通信手段により前記名刺の無線タグから受信した被管理者情報の情報データを外部通信ネットワークを通じて管理サーバに転送させる転送機能部と、を備え、
管理サーバは、
管理者の情報通信端末から転送された被管理者情報の情報データを記憶する情報記憶部と、
情報記憶部に記憶された被管理者情報に基づいて前記被管理者の情報が掲載され、メッセージを書き込み可能なメッセージ記入欄が設けられ、前記管理者と前記被管理者との間でのみ情報が共有される情報閲覧ページを生成するページ生成機能部と、を備え、
管理者又は被管理者の情報通信端末は、管理サーバに外部通信ネットワークを通じてアクセスして前記情報閲覧ページを表示させ、前記情報閲覧ページのメッセージ記入欄に、管理者又は被管理者宛てのメッセージが投稿されると、管理サーバは、宛先に該当する管理者又は被管理者の情報通信端末に対して、メッセージの投稿がされた旨を通知又はメッセージ内容を送信する構成としたものである。
また、名刺は、管理サーバが保有する前記被管理者情報の情報閲覧ページに外部通信ネットワークを通じてアクセスするための二次元コードをさらに備え、
情報通信端末は、前記二次元コードを読み取り可能なコード読取手段を備え、
前記コード読取手段によって前記二次元コードを読み取ることで、情報通信端末にて管理サーバの該当する被管理者情報の情報閲覧ページにアクセスし、閲覧可能となる構成としてもよい。
また、情報通信端末に記憶された前記情報データと管理サーバに記憶された前記情報データとを照合し一致させる同期機能を備えるものとしてもよい。
また、前記無線タグは、任意に設定された認証用のパスワードを記憶可能な記憶手段を備え、
前記パスワードにより認証された情報通信端末と名刺との間で前記情報データの送受が許可される構成としてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る情報管理システムによれば、名刺に情報通信端末を近づけることで、名刺の無線タグに記憶された被管理者情報の情報データを情報通信端末にて直接取得することができるから、場所に制限されることなく、被管理者である相手の正確な被管理者情報を管理者である自己の情報通信端末にて容易に蓄積したり、閲覧したり、或いは外部通信ネットワークを通じて管理サーバに転送し蓄積させたりできる。これにより、名刺に付与された被管理者情報を有効的且つ効率的に収集し利用可能な情報管理システムを実現できる。また、上記のように名刺に情報通信端末を近づけることで、自己又は相手の情報通信端末から名刺の無線タグに追加の情報データを送信し記憶させることもできるから、両者間で容易に情報を共有できる。よって、利便性も格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る情報管理システムの一例を示す概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る情報管理システムの一例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る情報管理システムの情報通信端末にて表示させる情報閲覧ページの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1および図2に示すように、本発明の実施形態に係る情報管理システム1は、管理者P1となる自己が、名刺2に付与された被管理者P2である相手の氏名や連絡先などの被管理者情報21を収集し管理するシステムであって、主として、被管理者情報21を保有する名刺2と、外部通信ネットワークNTに通信可能に接続され、複数の被管理者情報21の情報データを蓄積保有する管理サーバ3と、外部通信ネットワークNTに接続可能な情報通信端末4とで構成される。
【0010】
名刺2は、樹脂又は紙により形成されたカードであり、表面2Aには、被管理者情報21として被管理者P2の氏名や会社名、所属部署、連絡先などの基本情報21Aと、管理サーバ3に蓄積された被管理者情報21の情報閲覧ページ300にアクセスするための二次元コード22とが印刷されている。名刺2の裏面2Bには、被管理者情報21の情報データを記憶し且つ情報通信端末4との間で近距離無線通信可能な無線タグ23が外から見えるように貼着されている。
【0011】
二次元コード22は、管理サーバ3の情報閲覧ページ300に外部通信ネットワークNTを通じてアクセスするための文字列を、所謂QRコード(登録商標)と称されるマトリクス状のドットパターンに変換したものであり、本実施形態では、名刺2に記載された被管理者P2個人の情報閲覧ページ300に直接アクセスするための文字列を変換したものである。
【0012】
無線タグ23は、専用端末(ここでは、情報通信端末4)との間で近距離無線通信により相互にデータ通信可能な所謂RFタグと称される集積回路であり、名刺2の表面2Aに記載された基本情報21Aを含む被管理者情報21の情報データを記憶する記憶手段としてのメモリ部201と、情報通信端末4の無線通信部43から発信される電波を受信して動作電力を発生させると共に、情報通信端末4との間で情報データの送受を行うアンテナ部202と、アンテナ部202による情報データの送受動作を制御する通信回路203とを備えている(図2参照)。
【0013】
無線タグ23のメモリ部201には、被管理者情報21の情報データとして、被管理者P2の氏名や会社名、所属部署、連絡先など名刺2の表面2Aに記載された基本情報21Aに加え、被管理者P2の顔写真や面談日、経歴、趣味、特技など名刺2に記載されていない他の共有情報21Bが予め記憶されている。また、メモリ部201には、情報通信端末4によって任意に設定された認証用のパスワードを記憶させることもできる。
【0014】
管理サーバ3は、情報通信端末4から転送される被管理者情報21の情報データを記憶する情報記憶部34と、外部通信ネットワークNTとの通信を行うネット通信部35と、情報記憶部34やネット通信部35など管理サーバ3全体の動作を制御するサーバ制御部36とを備えている(図2参照)。なお、本実施形態では、管理サーバ3は、管理者P1の所属会社の社内ネットワークサーバが用いられるが、被管理者P2の所属会社の社内ネットワークサーバが用いられてもよいし、本情報管理システム1を運用するサービス会社のネットワークサーバが用いられてもよい。
【0015】
情報記憶部34には、情報通信端末4から転送された被管理者情報21の情報データとして、名刺2の表面2Aに記載された基本情報21Aに加え、名刺2に記載されていない他の共有情報21Bが記憶される。また、情報記憶部34には、被管理者P2の個々の情報閲覧ページ300へのアクセスを許可するためのログインパスワードが複数記憶される。なお、本実施形態では、複数の管理者P1の情報通信端末4から一の管理サーバ3に情報データが転送され、それぞれ個別に管理される。
【0016】
図示しないが、サーバ制御部36は、ネット通信部35による外部通信ネットワークNTとの通信動作を制御するネットワーク通信制御部、情報通信端末4から転送された情報データを情報記憶部34に蓄積し管理する情報管理制御部等の制御構成を備えている。
【0017】
サーバ制御部36の情報管理制御部は、情報記憶部34に記憶された被管理者情報21に基づき、被管理者P2毎の情報閲覧ページ300を生成するページ生成機能と、情報記憶部34に記憶された被管理者情報21と情報通信端末4に記憶された被管理者情報21とを照合し一致させる同期機能と、一の被管理者P2の情報閲覧ページ300にメッセージが投稿された場合に、該当する被管理者P2の情報通信端末4に対してメッセージの投稿がなされた旨を通知する通知機能とを有している。また、上記情報管理制御部は、情報通信端末4によって入力されたログインパスワードと情報記憶部34に記憶されたログインパスワードとを照合する閲覧認証機能を有している。
【0018】
情報閲覧ページ300には、被管理者P2個人の基本情報21A及び共有情報21Bが掲載される。また、情報閲覧ページ300には、共有情報21Bとして、被管理者P2の趣味の写真や関連動画を視聴するためのリンクMや、情報を共有する相手側(管理者P1又は被管理者P2)に次回の面談予定日や面談場所、面談概要等のメッセージを書き込み可能なメッセージ記入欄Sが設けられる。即ち、サーバ制御部36の情報管理制御部は、被管理者P2個人の情報閲覧ページ300を生成する。なお、本実施形態では、管理サーバ3に情報データを転送させた管理者P1毎に専用の情報閲覧ページ300が生成される。従って、一の管理者P1が被管理者P2の情報閲覧ページ300に投稿したメッセージや他の追加情報は、その管理者P1と被管理者P2との間でのみ共有される。
【0019】
情報通信端末4は、管理者P1や被管理者P2が携帯し使用する所謂スマートフォンやタブレットPCと称される通信端末であり、操作機能及び表示機能を兼備する操作表示部41と、写真や動画の撮像、二次元コード22の読み取りが可能なコード読取手段としてのカメラ部42と、上記無線タグ23との間で近距離無線通信可能な無線通信手段としての無線通信部43とを備えている。
【0020】
また、情報通信端末4は、上記無線タグ23から受信した被管理者情報21の情報データを記憶する情報記憶部44と、外部通信ネットワークNTとの通信を行うネット通信部45と、操作表示部41やカメラ部42、無線通信部43、情報記憶部44、ネット通信部45など情報通信端末4全体の動作を制御する端末制御部46とを備えている(図2参照)。
【0021】
操作表示部41は、静電容量式や感圧式等のタッチパネルであり、操作表示部41に表示される擬似操作子をタッチ操作することで、カメラ部42による二次元コード22の読み取りを指示したり、無線通信部43による無線タグ23からの情報データの受信を許可したり、ネット通信部45による管理サーバ3へのアクセスを許可したりできる。
【0022】
無線通信部43は、所定周波数帯の電波を利用して、比較的短距離間(例えば、10cm以下)で無線タグ23とのデータ通信を行う所謂NFCと称される非接触式のデータ通信機構であり、外部に所定周波数の電波を発信させるアンテナ部402と、アンテナ部402による電波の発信や上記情報データの送受動作を制御する通信回路403とを備えている。
【0023】
情報記憶部44には、名刺2から受信した被管理者情報21の情報データとして、名刺2の表面2Aに記載された基本情報21Aに加え、名刺2に記載されていない他の共有情報21Bが記憶される。また、情報記憶部44には、操作表示部41により手動で入力された認証用のパスワードを記憶させることもできる。
【0024】
図示しないが、端末制御部46は、操作表示部41の動作を制御する操作表示制御部、カメラ部42の動作を制御するカメラ制御部、無線通信部43による無線タグ23との近距離無線通信動作を制御する近距離通信制御部、ネット通信部45による外部通信ネットワークNTとの通信動作を制御するネットワーク通信制御部、名刺2から受信した情報データや名刺2に送信する追加情報を情報記憶部44に蓄積し管理する情報管理制御部等の制御構成を備えている。
【0025】
端末制御部46のカメラ制御部は、カメラ部42で撮像された二次元コード22から文字列を判別し、その文字列に対応する管理サーバ3の情報閲覧ページ300に自動又は手動によりアクセスする二次元コード読取機能を有している。
【0026】
端末制御部46の近距離通信制御部は、無線通信部43に対して無線タグ23が所定距離内まで近接したことを検出して無線タグ23との通信状態を確立させ、自動又は手動で無線タグ23から情報データを受信し情報記憶部44に記憶させたり、情報記憶部44に記憶された追加情報を無線タグ23に送信しメモリ部201に記憶させたりする近距離無線通信機能を有している。また、上記近距離通信制御部は、無線タグ23に上記情報データの送受を許可するための認証用のパスワードを設定し記憶させたり、操作表示部41により手動入力されたパスワード又は情報記憶部44に記憶されたパスワードと無線タグ23に記憶されたパスワードとを照合したりする無線通信認証機能を有している。
【0027】
端末制御部46の情報管理制御部は、情報記憶部44に記憶された被管理者情報21に基づいて被管理者P2毎の情報閲覧ページ400を生成し、操作表示部41に表示させるページ生成機能と、名刺2から受信した被管理者情報21の情報データを管理サーバ3に転送させる転送機能と、情報記憶部44に記憶された被管理者情報21と管理サーバ3に記憶された被管理者情報21とを照合し一致させる同期機能と、一の被管理者P2の情報閲覧ページ400にメッセージが投稿された場合に、該当する被管理者P2の情報通信端末4に対してメッセージの投稿がなされた旨を通知する通知機能とを有している。
【0028】
図3に示すように、情報閲覧ページ400には、被管理者P2個人の基本情報21A及びその他共有情報21Bが掲載される。また、情報閲覧ページ400には、共有情報21Bとして、被管理者P2の趣味の写真や関連動画を視聴するためのリンクMや、被管理者P2に次回の面談予定日時や面談場所、面談概要等のメッセージを書き込み可能なメッセージ記入欄Sが設けられる。即ち、端末制御部46の情報管理制御部は、特定の管理者P1と被管理者P2との間において管理サーバ3で生成される情報閲覧ページ300と共通する内容の情報閲覧ページ400を生成する。
【0029】
次に、上記情報管理システム1による被管理者情報21の収集管理動作の一例を説明する。
名刺2に情報通信端末4が所定距離まで近づけられると、名刺2の無線タグ23と情報通信端末4の無線通信部43との間で相互に近距離無線通信可能な状態となる。なお、無線タグ23に予め認証用のパスワードが設定されている場合、情報通信端末4は、情報通信端末4側で入力又は記憶されたパスワードと無線タグ23に記憶されたパスワードとを照合し一致した場合に、無線タグ23と無線通信部43との間における上記情報データの送受を許可する。即ち、上記パスワードにより認証された情報通信端末4と名刺2との間でのみ上記情報データの送受が許可される。
【0030】
上記のように無線タグ23と無線通信部43との通信状態が確立されると、情報通信端末4は、自動で、或いは操作表示部41に表示される受信許可の擬似操作子がタッチ操作されることにより手動で、名刺2の無線タグ23から被管理者情報21の情報データを受信し、情報記憶部44に記憶保存させる。また、端末制御部46の情報管理制御部は、情報記憶部44に記憶された情報データに基づいて被管理者P2個人の情報閲覧ページ400を生成する。これにより、管理者P1は、情報通信端末4にて被管理者P2の基本情報21Aや共有情報21Bを閲覧することが可能となる。なお、被管理者P2も同様、上記のように自己の名刺2から情報通信端末4に被管理者情報21の情報データを受信させれば、情報通信端末4にて自己の基本情報21Aや共有情報21Bを閲覧することが可能となる。
【0031】
また、情報通信端末4の情報記憶部44に面談概要や自己の電子メールアドレスなど管理者P1からの追加情報が予め記憶されている場合、情報通信端末4は、上記のように無線タグ23と無線通信部43との通信状態が確立されたときに、自動で、或いは被管理者P2の承諾を得た上で手動により、無線通信部43から名刺2の無線タグ23に上記追加情報を送信し、メモリ部201に追加記憶させる。
【0032】
さらに、情報通信端末4は、上記のようにして名刺2から受信した被管理者情報21の情報データを、外部通信ネットワークNTを通じて管理サーバ3に転送し、情報記憶部34に記憶保存させる。その結果、管理サーバ3においても被管理者P2個人の情報閲覧ページ300が生成される。なお、本実施形態では、管理サーバ3及び情報通信端末4のそれぞれにおいて、情報通信端末4に記憶保存された被管理者情報21と管理サーバ3に記憶保存された被管理者情報21とが一致しているか否かの照合が適宜行われ、それら両被管理者情報21が一致していない場合は、情報通信端末4側の被管理者情報21に管理サーバ3側の被管理者情報21を一致させる同期処理が行われる。
【0033】
情報通信端末4のカメラ部42によって名刺2の二次元コード22が読み取られると、情報通信端末4は、自動で、操作表示部41に表示されるアクセス許可の擬似操作子がタッチ操作されることにより手動で、管理サーバ3に外部通信ネットワークNTを通じてアクセスし、該当する情報閲覧ページ300を操作表示部41に表示させる。これにより、管理者P1又は被管理者P2は、情報通信端末4にて情報閲覧ページ300に掲載された被管理者P2の基本情報21Aや共有情報21Bを閲覧することが可能となる。なお、情報通信端末4の操作表示部41に情報閲覧ページ300を表示させるにあたり、管理サーバ3は、情報通信端末4に対してログインパスワードの入力を要求する。そして、情報通信端末4によって入力されたログインパスワードと情報記憶部34に記憶されたログインパスワードとを照合し一致した場合に、情報通信端末4による情報閲覧ページ300の表示を許可する。
【0034】
なお、管理サーバ3の情報閲覧ページ300のメッセージ記入欄Sに、管理者P1又は被管理者P2宛てのメッセージが投稿されると、管理サーバ3は、該当する管理者P1又は被管理者P2の情報通信端末4に対してメッセージの投稿がなされた旨を通知する。情報通信端末4も同様、情報閲覧ページ400のメッセージ記入欄Sに管理者P1又は被管理者P2がメッセージを投稿すると、該当する管理者P1又は被管理者P2の情報通信端末4に対してメッセージの投稿がなされた旨を通知する。
【0035】
このように、本実施形態の情報管理システム1によれば、管理者P1は、被管理者P2である相手から名刺2が提示された際に、名刺2に自己の情報通信端末4を所定距離内まで近づけることで、名刺2の無線タグ23に記憶された被管理者情報21の情報データを情報通信端末4にて直接受信することができるから、場所に制限されることなく、例えば名刺2が提示されたその場で、相手の正確な被管理者情報21を自己の情報通信端末4にて容易に蓄積したり、閲覧したり、或いは管理サーバ3に転送し蓄積させたりできる。これにより、名刺2に付与された被管理者情報21を有効的且つ効率的に収集し利用可能な情報管理システム1を実現できる。
【0036】
しかも、このものでは、名刺2に記載された基本情報21Aに加え、被管理者P2の顔写真や趣味など名刺2に記載されていない他の共有情報21Bも名刺2から自己の情報通信端末4にて直接取得できるから、汎用性も格段に向上する。
【0037】
さらに、上記のように情報通信端末4を名刺2に所定距離内まで近づけることで、管理者P1又は被管理者P2の情報通信端末4から名刺2の無線タグ23に追加の情報データを送信し記憶させることもできるから、面談前に被管理者P2が自己の名刺2に記憶された情報データを更新したり、面談中に管理者P1が名刺2を介して被管理者P2に追加の情報データを提供したりできる。即ち、被管理者P2と管理者P1との間で容易に情報を共有できる。よって、利便性も格段に向上する。
【0038】
また、上記情報管理システム1によれば、被管理者P2は、管理者P1に被管理者情報21を提供するにあたり、名刺2を提示して管理者P1の情報通信端末4にて被管理者情報21の情報データを読み取ってもらうだけでよいから、従来の名刺のように大量に名刺2を生産して管理者P1各々に配る必要もない。従ってその分、名刺2の生産コストも低減できるし、名刺2の紛失等によって被管理者情報21が第三者に漏洩するリスクも低減できる。
【0039】
特に、上記情報管理システム1によれば、上記のように名刺2の無線タグ23と情報通信端末4の無線通信部43との間で近距離無線通信により被管理者情報21の情報データを送受するだけでなく、名刺2に設けられた二次元コード22を情報通信端末4のカメラ部42で読み取ることで、管理サーバ3の該当する情報閲覧ページ300にアクセスし、名刺2の無線タグ23に記憶された被管理者情報21と同一の被管理者情報21を閲覧することもできるから、被管理者P2と管理者P1との間でより円滑に情報を共有できる。よって、利便性が一層向上する。
【0040】
また、このものでは、情報通信端末4と管理サーバ3との間で被管理者情報21の情報データが適宜同期されるから、上記のように情報通信端末4の情報閲覧ページ400を閲覧しても、或いは管理サーバ3の情報閲覧ページ300を閲覧しても、同一の被管理者情報21が得られる。また、管理サーバ3及び情報通信端末4のそれぞれに同一の被管理者情報21が記憶保存されることで、仮に情報通信端末4の故障や動作不良、情報データの消失が生じても、管理サーバ3に記憶保存された情報データを用いて情報通信端末4側の情報データを復旧させることができる。よって、利便性がより一層向上する。
【0041】
また、上記情報管理システム1によれば、管理者P1又は被管理者P2が名刺2から被管理者情報21を読み取ったり、名刺2に追加情報を書き込んだりするにあたり、パスワードにより認証された情報通信端末4と名刺2との間でのみ上記情報データの送受を許可することもできるから、たとえ名刺2を紛失しても管理者P1及び被管理者P2以外の第三者に被管理者情報21が漏洩するのを防止できるし、名刺2に被管理者P2の許可なく不要な情報が追加されるのも防止できる。
【0042】
本発明は、上記実施形態に限定されず、以下のとおり、特許請求の範囲の記載内で様々な構成を採用することが可能である。
【0043】
例えば、上記実施の形態では、名刺2から情報通信端末4にて被管理者情報21の情報データが受信されると、その情報データに基づいて情報通信端末4の内部で情報閲覧ページ400が生成され、管理サーバ3にアクセスしなくても情報通信端末4にて被管理者情報21を閲覧可能となるものとしたが、名刺2から情報通信端末4にて被管理者情報21の情報データが受信されると、情報通信端末4の内部で情報閲覧ページ400を生成しないで、管理サーバ3の情報閲覧ページ300に外部通信ネットワークNTを通じてアクセスし、被管理者情報21を閲覧可能となるものとしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、管理サーバ3において、被管理者情報21の情報データを転送させた管理者P1毎に専用の情報閲覧ページ300が生成され、その管理者P1と被管理者P2との間でのみ情報が共有されるものとしたが、管理サーバ3に転送された被管理者情報21の情報データに基づいて、社内の特定のワークグループ内で共有する情報閲覧ページ300が生成され、そのワークグループに所属する管理者P1と被管理者P2との間で情報が共有されるものとしてもよい。これにより、一の管理者P1による被管理者P2との面談情報や行動履歴、取引条件など様々な情報をビッグデータとしてワークグループ内で有効に管理活用することができる。
【0045】
また、上記実施形態では、管理サーバ3又は情報通信端末4の情報閲覧ページ300,400にメッセージが投稿された場合に、相手側の情報通信端末4に対してメッセージが投稿された旨を通知するものとしたが、管理サーバ3又は情報通信端末4の情報閲覧ページ300,400のメッセージ記入欄Sにメッセージが記入された後、情報閲覧ページ300,400に設けられた送信ボタンを押すことで、メッセージ記入欄Sに記入されたメッセージ内容が相手側の情報通信端末4に電子メールやショートメッセージサービス等により送信されるものとしてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、情報通信端末4側の被管理者情報21と管理サーバ3側の被管理者情報21とが一致していない場合は、情報通信端末4側の被管理者情報21に管理サーバ3側の被管理者情報21を一致させる同期処理が行われるものとしたが、上記両被管理者情報21が一致していない場合は、管理サーバ3側の被管理者情報21に情報通信端末4側の被管理者情報21を一致させる同期処理が行われるものとしてもよい。
【0047】
二次元コード22は、名刺2に記載された被管理者P2個人の情報閲覧ページ300に直接アクセス可能なものとしたが、管理サーバ3に記憶保存された被管理者P2一覧のページにアクセス可能なものとしてもよい。また、二次元コード22には、QRコード(登録商標)が用いられたが、複数の線を平行に並べてなるバーコードを用いてもよいし、その他のパターンの読取コードを用いてもよい。
【0048】
また、二次元コード22は、被管理者情報21と同一面(名刺2の表面2A)に設けられたものを説明したが、被管理者情報21が印刷されていない側の面(名刺2の裏面2B)に設けられたものとしてもよい。また、二次元コード22を備えておらず、管理サーバ3へのアクセスは、情報通信端末4の無線通信部43によって無線タグ23から対応する文字列を読み込むことにより行われるようにしてもよい。
【0049】
無線タグ23は、被管理者情報21が印刷されていない側の面(名刺2の裏面2B)に貼着されたものを説明したが、被管理者情報21と同一面(名刺2の表面2A)に外から見えるように貼着されたものとしてもよいし、表面2A側の表層部と裏面2B側の表層部との層間、即ち、内層部に埋設されたものとしてもよい。なお、名刺2の内層部に無線タグ23を埋設する場合は、名刺2の表面2A又は裏面2Bにおける無線タグ23の配設位置に、無線タグ23が配設されていることを示す表示を付するか、或いは上記配設位置に透明部を設け、上記透明部から無線タグ23が見えるようにするのが好ましい。
【0050】
名刺2は、情報通信端末4の無線通信部43から発信される周波数帯の電波を遮断しない素材であれば、樹脂や紙以外の素材で形成されてもよいが、樹脂により形成されるのが好ましい。名刺2を樹脂製とすることにより、紙製に比べて高い耐久性を確保できるし、生産性にも優れる。また、名刺2は、従来の名刺やクレジットカードと同等サイズのカード状であるのが好ましいが、カード状に限らず、細長板状、棒状、円板状、手首等に巻回可能なバンド状など、携帯性を損なわない範囲内で様々な形状を適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 情報管理システム
2 名刺
3 管理サーバ
4 情報通信端末
21 被管理者情報
22 二次元コード
23 無線タグ
42 カメラ部(コード読取手段)
43 無線通信部(無線通信手段)
NT 外部通信ネットワーク
P1 管理者
P2 被管理者
図1
図2
図3