IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大森機械工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図1
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図2
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図3
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図4
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図5
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図6
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図7
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図8
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図9
  • 特許-組立装置、箱詰め装置および組立方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】組立装置、箱詰め装置および組立方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/26 20060101AFI20220221BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20220221BHJP
   B65B 7/22 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
B65B43/26 B
B25J13/00 Z
B65B7/22
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018112000
(22)【出願日】2018-06-12
(65)【公開番号】P2019214399
(43)【公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】平澤 勝人
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-295301(JP,A)
【文献】特開平09-249201(JP,A)
【文献】特許第5943401(JP,B1)
【文献】特開2005-1304(JP,A)
【文献】特開2014-124798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/26
B25J 13/00
B65B 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み状態の箱体を搬送しながら組み立てる組立装置であって、
前記箱体を保持可能な保持部を3次元空間で移動させることが可能なロボットと、
前記箱体の搬送経路途中に固定され、前記箱体を当接させることが可能なガイド手段と、を備え、
前記箱体は、本体部と、底部および/または蓋部となるフラップ部と、該フラップ部に連続する差し込み部とを有し、
前記ロボットは、立体化した前記本体部を保持した状態で前記ガイド手段に前記差し込み部の外面を当接させて該差し込み部と前記フラップ部との間に折り癖を形成し、該ガイド手段に該差し込み部の外面を当接させながら前記本体部を移動させることで該差し込み部と該フラップ部とのなす角の大きさを鋭角に減少させて該差し込み部の差し込み動作を行う、
ことを特徴とする組立装置。
【請求項2】
前記ロボットは、単腕であり、
前記差し込み動作は、前記差し込み部を前記ガイド手段に当接させて前記差し込み部を前記ガイド手段に当接させた状態で前記フラップ部が前記本体部に対して開く方向に前記本体部を移動した後に、前記開く方向とは逆の閉じる方向に前記本体部を移動させて前記差し込み部を前記本体部に差し込む動作である
ことを特徴とする請求項1に記載の組立装置。
【請求項3】
前記差し込み部が当接している前記ガイド手段は、前記差し込み部の先端部以外の部位と当接している、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組立装置。
【請求項4】
前記保持部は、前記本体部の隣り合う2つの壁部を保持する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の組立装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の組立装置を備えた箱詰め装置。
【請求項6】
折り畳み状態の箱体をロボットによって搬送しながら組み立てる組立方法であって、
前記箱体は、本体部と、底部および/または蓋部となるフラップ部と、該フラップ部に連続する差し込み部とを有し、
折り畳み状態の前記箱体を立体化する工程と、
前記ロボットが、立体化した前記箱体の前記本体部を保持しつつ前記差し込み部の外面をガイド手段に当接させて、該差し込み部と前記フラップ部との間に折り癖を形成する動作を行う工程と、
前記ロボットが、前記ガイド手段前記差し込み部の外面を当接させながら前記本体部を移動させることで差し込み部と前記フラップ部とのなす角の大きさを鋭角に減少させて該差し込み部の差し込みを行う工程と、を有する、
ことを特徴とする組立方法。
【請求項7】
前記ロボットは、一の前記ガイド手段のみに前記箱体を当接させるものであり、
前記フラップ部が前記本体部に対して開く方向に前記本体部を移動させる動作を行う工程と、
前記開く方向とは逆の閉じる方向に前記本体部を移動させて前記差し込み部を前記本体部に差し込む動作を行う工程と、を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットによって差し込み部を有する箱を組み立てる組立装置、箱詰め装置および組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を収容する箱体として、4枚の周壁部からなる本体部と、底面部および/または蓋部となるフラップ部と、そのフラップ部に連続する差し込み部を有し、立体化された本体部に対してフラップ部を差し込んで物品を収容するように構成された箱体(以下、差し込み式箱という)がある。
【0003】
そして、このような差し込み式箱に物品を箱詰めするラインでは、組立て前の折り畳み状態の差し込み式箱を、ハンド部を有するロボットが保持し、立体的に組み立てて下流工程に搬送する。そして、下流工程の供給手段などによって差し込み式箱の内部に物品が収容される。
【0004】
例えば、従来では、多関節型双腕ロボットの左腕のハンドと右腕のハンドの作動によって、フラップ部を本体部に差し込む技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許5943401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、多関節型双腕ロボットは導入費用がかかり、また双腕の制御が複雑化するため、組立装置(および箱詰め装置)としてのコストが嵩む問題がある。また、装置の占有面積も十分確保する必要がある上、メンテナンス等にかかる作業工程も増加する問題がある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、組立装置のコストを抑え、占有面積を縮小できるとともに、メンテナンス等にかかる作業工程も低減可能な組立装置、箱詰め装置および組立方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、折り畳み状態の箱体を搬送しながら組み立てる組立装置であって、前記箱体を保持可能な保持部を3次元空間で移動させることが可能なロボットと、前記箱体の搬送経路途中に固定され、前記箱体を当接させることが可能なガイド手段と、を備え、前記箱体は、本体部と、底部および/または蓋部となるフラップ部と、該フラップ部に連続する差し込み部とを有し、前記ロボットは、立体化した前記本体部を保持した状態で前記ガイド手段に前記差し込み部の外面を当接させて該差し込み部と前記フラップ部との間に折り癖を形成し、該ガイド手段に該差し込み部の外面を当接させながら前記本体部を移動させることで該差し込み部と該フラップ部とのなす角の大きさを鋭角に減少させて該差し込み部の差し込み動作を行う、ことを特徴とする組立装置である。
【0009】
また、本発明は、上記の組立装置を備えた箱詰め装置である。
【0010】
また、本発明は、折り畳み状態の箱体をロボットによって搬送しながら組み立てる組立方法であって、前記箱体は、本体部と、底部および/または蓋部となるフラップ部と、該フラップ部に連続する差し込み部とを有し、折り畳み状態の前記箱体を立体化する工程と、前記ロボットが、立体化した前記箱体の前記本体部を保持しつつ前記差し込み部の外面を前記ガイド手段に当接させて、該差し込み部と前記フラップ部との間に折り癖を形成する動作を行う工程と、前記ロボットが、前記ガイド手段前記差し込み部の外面を当接させながら前記本体部を移動させることで差し込み部と前記フラップ部とのなす角の大きさを鋭角に減少させて該差し込み部の差し込みを行う工程と、を有する、ことを特徴とする組立方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、組立装置のコストを抑え、占有面積を縮小できるとともに、メンテナンス等にかかる作業工程も低減可能な組立装置、箱詰め装置および組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態の組立装置及び箱詰め装置の概要を示す図である。
図2】本実施形態の箱体を示す図であり(a)平面図、(b)~(e)斜視図である。
図3】本実施形態の組立装置による箱体の組み立ての様子を示す図である。
図4】本実施形態の組立装置(箱詰め装置)による箱体の組み立ての様子を示す図である。
図5】本実施形態の組立装置による箱体の組み立ての様子を示す図である。
図6】本実施形態の組立装置による箱体の組み立ての様子を示す図である。
図7】本実施形態の固定ガイドの他の例および組立装置による箱体の組み立ての様子を示す図である。
図8】本実施形態の固定ガイドの他の例および組立装置による箱体の組み立ての様子を示す図である。
図9】本実施形態の固定ガイドの他の例を示す図であり、(a)側面図、(b)側面図、(c)側面図、(d)上面図、(e)側面図である。
図10】本実施形態の固定ガイドの他の例および組立装置による箱体の組み立ての様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る組立装置10および箱詰め装置100の構成について説明する。図1は、組立装置10および箱詰め装置100の動作を時系列で示す概略図であり、同図(a)~同図(d)が組立装置10の正面図、同図(e)が箱詰め装置100の正面図である。なお、本図および以降の各図においては、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。また本図および以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0014】
図1を参照して、本実施形態の組立装置10および箱詰め装置100の全体構成について説明する。本実施形態の組立装置10は、箱体YA1の組み立てるラインや、箱詰め装置100にて物品を箱詰めするラインなどで用いられ、ロボット12と、ガイド手段13と、を有し、組立て前の折り畳み状態の差し込み式箱YA1を立体的に組み立てる。ロボット12は保持部(ハンド)15を3次元空間内に自在に移動させることができ、保持部(ハンド)15によって差し込み式箱YA1の保持および組み立てを行うことが可能である。
【0015】
図1(a)に示すように、本実施形態のロボット12は、一例として、単数(1つ)のアーム部11を有するロボット(単腕ロボット)である。アーム部11は、例えば、複数の関節軸を備える多軸(多関節)アームであり、3次元空間を移動可能となっている。ロボット12は、アーム部11の先端に設けられたエンドエフェクタを用途に応じて付け替えることで、様々な作業に利用することができる。この例では、アーム部11の先端には、エンドエフェクタとしてハンド15が取り付けられている。
【0016】
この例のハンド15は、例えば2つの保持手段17を備える。保持手段17は例えば吸着部17A,17Bであり、少なくとも一方の吸着部(例えば、吸着部17B)は他方の吸着部(例えば、吸着部17A)に対してその吸着面(吸着部)の高さや姿勢(角度など)を変位可能に構成されている(図1(c)、図3(b)参照)。例えば、吸着部17A,17Bの少なくとも一方は、エアシリンダ等からなるアクチュエータ(不図示)や関節(不図示)などによって独立して昇降及び/または回動自在に構成されている。
【0017】
図1(c)~同図(e)に示すようにガイド手段13は、ロボット12によって差し込み式箱YA1が下流工程に搬送される途中(搬送途中)の被固定部16(例えば、ステージ、搬送面、床面、壁面、天面(天井)など)上に固定されたガイド部材(固定ガイド13)であり、搬送途中において差し込み式箱YA1の底部Bおよび/または蓋部Fの完成を介助する。
【0018】
これら組立装置10の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0019】
図2を参照して、本実施形態の組立装置10で組み立てる差し込み式箱YA1について説明する。同図(a)が組み立て前の折り畳んだ状態の差し込み式箱YA1の外観図であり、同図(b)~同図(d)が組み立て途中の外観斜視図であり、同図(e)が組立後の外観斜視図である。
【0020】
図2に示すように差し込み式箱YA1は、4枚のパネル状の周壁部Sを筒状に連続させた本体部201と、例えば、筒状の軸方向両端の開放部分をそれぞれ覆う2枚のフラップ部202と、フラップ部202に連続し、本体部201に差し込むことでフラップ部202を本体部201に係止する差し込み部205と、それぞれのフラップ部202の内側において開放部分の一部を覆う内フラップ部203を有する。ここでは一例として2枚のフラップ部202はいずれも本体部201を構成する1枚の(同じ)パネルに連続している。また、2枚のフラップ部202は、それぞれ、差し込み式箱YA1の底部Bおよび蓋部Fを構成する。なお、同図(b)~同図(d)においては、底部Bとなるフラップ部202を組み立てる様子を示しており、蓋部Fとなるフラップ部202および内フラップ部203の一部又は全部の記載を省略している。
【0021】
本体部201は、同図(a)に示す折り畳んだ状態において山折りされている、対向する側部Tを矢印の方向に寄せる(近接させる)ようにすると、周壁部Sが立体化し、筒状となる。
【0022】
その後、筒状部両端の開放部分を覆うように内フラップ部203を内側へ折りこみ(同図(b))、フラップ部202を折り曲げ(同図(c))、差し込み部205を本体部201の内側へ差し込んで(同図(d))、フラップ部202を本体部201に係止する。これにより、差し込み式箱YA1の底部Bが形成される(同図(e))。
【0023】
なお、記載を省略している蓋部F側の内フラップ部203フラップ部202の係止の動作も同図(b)~同図(d)と同様である。
【0024】
本実施形態の組立装置10は、ロボット12と固定ガイド13によって図2に示す差し込み式箱YA1の組み立てを行う。
【0025】
再び図1を参照して、一例として、組立装置10の上流部に差し込み式箱YA1のストッカー(不図示)が設けられ、折り畳まれた状態の差し込み式箱YA1が収容されている。
【0026】
ロボット12はアーム部11を移動させ(同図(a))、アーム部11に設けられた保持部17で吸着するなどして、ストッカーから差し込み式箱YA1を一枚ずつ取り出して周壁部Sを保持する(同図(b))。その後、差し込み式箱YA1の周壁部Sを立体化して本体部201を形成する。周壁部Sの立体化については後述する。
【0027】
その後ロボット12は、搬送経路途中の所定位置で待機する固定ガイド13(ステージ16などに固定された固定ガイド13)の位置までアーム部11を移動させ、固定ガイド13に差し込み部205を当接させて本体部201に差し込み部205を差し込み(同図(d))、係止する。これにより本体部201の一方の開放部分はフラップ部202にて覆われ、差し込み式箱YA1の例えば底部Bが形成される(同図(e))。
【0028】
この組立装置10は、同図(e)に示すように本体部201に物品XA1が収容された後に蓋部Fとなるフラップ部202の差し込み部205を本体部201に係止する工程に利用でき、つまり箱詰め装置100として使用することもできる。
【0029】
この場合、同図(c)から同図(d)の方法で底部Bを形成した後、あるいは別途の工程(方法)で底部Bを形成し、同図(e)に示すように本体部201に物品XA1を収容した後、本体部201の他方の開放部分を蓋部Fとなるフラップ部202で覆う。
【0030】
この例では、壁部16などに固定された他の固定ガイド13を利用して、本体部201に差し込み部205を差し込み、本体部201に差し込み部205を係止する。これにより本体部201の他方の開放部分もフラップ部202(蓋部F)にて覆われ、物品XA1が箱詰めされる。
【0031】
図3および図4を参照して、ロボット12による組立動作および箱詰め動作について更に詳細に説明する。なお、以降の図においては、ロボット12およびアーム部11の図示を省略し、ハンド15および/または吸着部17のみを抜き出して示している。
【0032】
まず図3を参照して差し込み式箱YA1の組立動作を説明する。ロボット12は、例えば、図3(a)に示すように、各吸着部17A、17Bの吸着面を略同一平面に位置させて、カートンストッカー(不図示)等に収容されている折り畳まれた状態の差し込み式箱YA1を吸着・保持する。この場合、吸着部17Aは周壁部Sの一つ(例えば、図2(e)に示す組み立てた状態で前面となる周壁部S1)を吸着し、吸着部17Bは周壁部S1に隣り合う他の周壁部S(例えば、図2(e)に示す組み立てた状態で側面となる周壁部S2)を吸着する。
【0033】
そして、同図(b)に示すように、各吸着部17A,17Bにより差し込み式箱YA1の両面を吸着した状態で、吸着部17Aの吸着面に対して吸着部17Bの吸着面が異なる方向となるように(具体的には垂直となるような方向に)吸着部17Bを変位させ(移動し)、折り畳まれた状態の差し込み式箱YA1の周壁部Sを立体化(起函)する。
【0034】
この場合、例えばステージ16などに固定された補助手段14を用いて、当該補助手段に一方の側部Tを当接させるなどして立体化する。また補助手段14に代えて固定ガイド13を用いてもよい(固定ガイド13を立体化の補助手段と共用してもよい)。また補助手段14を利用せずに別の吸着手段(不図示)を用いて立体化を行ってもよい。
【0035】
周壁部Sが起函し、筒状の本体部201が形成された後に、底部B側の内フラップ部203を折り込む。すなわちロボット12はハンド15を例えば固定ガイド13の位置まで移動し、同図(c)に示すように内フラップ部203の一部を固定ガイド13の例えばW方向における一方の端部の側部に当接させた状態で、ハンド15を固定ガイド13に向かうW方向(図示の左方向)に移動させる。これにより、同図(c)の破線で示すように内フラップ部203が内側に折り込まれる。またロボット12は同様の方法により、底部B側の他方の内フラップ部203も内側に折り込む。なお、内フラップ部203の折り込みは、固定ガイド13以外の手段(例えば、同図(b)に示す補助手段14など)を利用してもよい。
【0036】
その後ロボット12は、同図(d)に示すように、底部Bとなるフラップ部202の例えば表面(外面)側を固定ガイド13に当接させてフラップ部202の折り目BN1(フラップ部202と周壁部Sの境界となる折り目BN1)からフラップ部202を折り曲げる。フラップ部202は、本体部201(周壁部S)のいずれの面とも異なる面に位置するように折り曲げられて折り癖が形成される。また、ロボット12は、同図(e)に示すように、差し込み部205の例えば表面(外面)側を固定ガイド13に当接させて差し込み部205の折り目BN2(差し込み部205とフラップ部202の境界となる折り目BN2)から差し込み部205を折り曲げる。差し込み部205はフラップ部202の面に対して略垂直方向の面に位置するように折り曲げられて折り癖が形成される。なお、同図(d)に示すフラップ部202の折り曲げは、同図(e)に示す差し込み部205の折り曲げと同時に(同図(e)の工程で)行なってもよい。
【0037】
また、同図(c)に示す内フラップ部203の折り込みや、同図(d)および同図(e)に示すフラップ部202および差し込み部205の折り曲げ(折り癖の形成)は、固定ガイド13とは別の他のガイド(補助手段)を用いてもよい。
【0038】
次にロボット12は、同図(f)に示すように差し込み部205を固定ガイド13に当接させ、立体化した本体部201に差し込み部205差し込む。ここで、固定ガイド13の厚みd(差し込み部205の差し込み深さ方向(図示の上下方向)の厚み)は、差し込み部205の高さD(差し込み深さ方向の高さ)よりも小さく設定されている。この動作については後に更に詳述する。これにより、同図(g)に示すように、差し込み部205が本体部201に係止され、本体部201の一方の開放部分がフラップ部202によって覆われる(封止される)、この例では底部Bが形成される。
【0039】
図4は、底部Bが形成された箱YA1に物品XA1を収容して蓋部Fとなるフラップ部202で封止する組立動作(箱詰め動作)を示す図である。この例では、図3(c)~同図(g)に示すように本体部201の下方の開放部分がフラップ部202によって覆われ(封止され)、底部Bが形成されている例を示すが、底部Bは他の方法(別途の工程)によって形成されるものであってもよい。
【0040】
図3に示す状態から連続して箱YA1内に物品XA1を収容する場合、ロボット12はハンド15で箱YA1を保持したまま、当該箱YA1の蓋部Fとなるフラップ部202(底部Bに対向するフラップ部202)が上方、または、側方、更にまたは、傾斜するように箱YA1の向きを変更して物品XA1を収容する。
【0041】
そして、ロボット12は、図4(a)に示すように物品XA1が収容された差し込み式箱YA1を保持し、本体部201の開放部分(図4では上方の開放部分)をフラップ部202によって覆う。
【0042】
この例では、搬送経路途中における箱YA1(本体部201)に対して上方の例えば、天面16などに設けた固定ガイド13を利用する。ロボット12は、同図(b)に示すように、蓋部F側の内フラップ部203の一部を固定ガイド13の例えば側部に当接させた状態で、ハンド15を図示の左方向に移動させる。これにより、同図(b)の破線で示すように内フラップ部203が内側に折り込まれる。またロボット12は同様の方法により、蓋部F側の他方の内フラップ部203も内側に折り込む。なお、固定ガイド13の位置は、本体部201の上方に限らず、他の位置にあってもよい。また、固定ガイド13は、補助手段14と兼用であってもよい。
【0043】
その後ロボット12は、同図(c)に示すように、フラップ部202の例えば表面(外面)側を固定ガイド13に当接させてフラップ部202の折り目BN1からフラップ部202を折り曲げる。フラップ部202は、本体部201(周壁部S)のいずれの面とも異なる面に位置するように折り曲げられて折り癖が形成される。また、ロボット12は、同図(d)に示すように、蓋部F側の差し込み部205の例えば表面(外面)側を固定ガイド13に当接させて差し込み部205の折り目BN2から差し込み部205を折り曲げる。差し込み部205はフラップ部202の面に対して略垂直方向の面に位置するように折り曲げられて折り癖が形成される。なお、同図(c)に示すフラップ部202の折り曲げと同図(d)に示す差し込み部205の折り曲げを、同図(d)に示す1度の工程(動作)で行なってもよい。
【0044】
また、同図(b)に示す内フラップ部203の折り込みや、同図(c)および同図(d)に示すフラップ部202および差し込み部205の折り曲げ(折り癖の形成)は、固定ガイド13とは別の他のガイド(補助手段)を用いてもよい。
【0045】
次にロボット12は、同図(e)に示すように差し込み部205を固定ガイド13に当接させ、立体化した本体部201に差し込み部205差し込む。この固定ガイド13の厚みd(差し込み部205の差し込み深さ方向(図示の上下方向)の厚み)も、蓋部Fとなる差し込み部205の高さD(差し込み深さ方向の高さ)よりも小さく設定されている。
【0046】
これにより、同図(f)に示すように、差し込み部205が本体部201に係止され、本体部201の他方の開放部分が蓋部となるフラップ部202によって覆われ(封止され)、蓋部Fが形成されて物品XA1が箱詰めされる。
【0047】
このように、本実施形態のロボット12は、立体化した本体部201を保持した状態で差し込み部205を固定ガイド13に当接させて差し込み部205とフラップ部202との間に折り癖を形成し、差し込み部205を固定ガイド13に当接させた状態でフラップ部202が本体部201に対して開く方向に本体部201を移動した後に、開く方向とは逆の閉じる方向に本体部201を移動させて差し込み部205を本体部201に差し込む動作を行う。
【0048】
このように本実施形態によれば、ロボット12による組立を行なう場合に、例えば、単腕ロボットを使用することができる。その場合、双腕ロボットの場合と比較して導入費用を削減できるとともに、アームの制御も簡素化することができる。したがって、組立装置(および箱詰め装置)としてのコストを抑え、装置の占有面積も小さく出来る上、メンテナンス等にかかる作業工程も簡素化することができる。
【0049】
図5を参照して、図3(e)~同図(f)に示すロボット12による差し込み部205の差し込み方法について詳細に説明する。なお、図4(d)~同図(e)の差し込み部205の差し込み方法も上下が反転するのみで同様である。また、図5以降は図3(および図4)の部分拡大図であり、ハンド15(保持部17)の記載を省略している。
【0050】
既に述べているように、本実施形態の組立装置10(および箱詰め装置100)は、ロボット12が単数のアーム部11を有し(単腕ロボットであり)、ハンド15と、搬送経路上に固定された固定ガイド13とによって差し込み部205の差し込みを行なう。
【0051】
図5(a)は、図3(e)に続く状態を示す図であり、フラップ部202と差し込み部205とが例えば固定ガイド13に押し付けられて、フラップ部202の折り目BN1と差し込み部205の折り目BN2で折り曲げられた(折り癖が形成された)状態である。
【0052】
ロボット12は、図5(a)に示すように折り癖を形成した後、同図(b)に示すように、差し込み部205の表面(本体部201に差し込んだ場合に本体部201の内側と対向する面)側を固定ガイド13に当接させた状態を維持したまま、フラップ部202が本体部201に対して開く方向に立体化した本体部201を移動し、本体部201と差し込み部205とを離間させる。
【0053】
例えばこの例では、ロボット12は本体部201を矢印のように僅かに上昇させるとともに、本体部201を固定ガイド13方向(図示の左方向)に移動させ、開放部分の直下に差し込み部205の先端(この場合上端)が位置するように、本体部201を移動させる。
【0054】
このようにロボット12は、折り癖を形成する際に差し込み部205とフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように、本体部201を移動させる。
【0055】
これにより、差し込み部205はフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように折り曲げられ(同図(b))、その状態で本体部201の開放部分の直下に位置する。
【0056】
固定ガイド13の厚みd(差し込み部205の差し込み深さ方向(図示の上下方向、本体部201の周壁部Sの起立方向)の厚み)は、差し込み部205の高さD(差し込み深さ方向の高さ)よりも小さく設定されており、同図(a)、同図(b)に示すように、差し込み部205が固定ガイド13に当接した状態ではその先端(上端)は、固定ガイド13よりも突出している(固定ガイド13の上端部が差し込み部205の先端(上端)より下方に位置している)。換言すると、差し込み部205が当接している固定ガイド13は、当該差し込み部205の先端部以外の部位と当接している。
【0057】
そして、ロボット12は、同図(b)では本体部201が差し込み部205の先端(上端)よりも上方に位置するように一旦本体部201と差し込み部205とを離間させ、本体部201の開放部分の直下に差し込み部205の先端(この場合上端)を位置させる。その後、ロボット12は同図(c)に示すように、フラップ部202が本体部201に対して閉じる方向(開く方向とは逆の方向)に本体部201を移動し、本体部201と差し込み部205を再び近接させる。このとき差し込み部205はフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように折り曲げられた状態が維持されている。例えば、同図(b)、同図(c)の動作中は、差し込み部205の折り目BN2を固定ガイド13の端部などに当接させた状態を維持すると差し込み部205の移動が抑制されて望ましい。
【0058】
この例では、本体部201の開放部分の直下に差し込み部205の先端(この場合上端)を位置させた状態で、ロボット12が本体部201を下降させ、差し込み部205の先端を本体部201に差し込む(同図(c)、図3(f))。
【0059】
差し込み部205の先端を本体部201に差し込まれた後は、ロボット12は、箱YA1の底部Bを固定ガイド13の上面に押し当てて、差し込み部205を本体部201に差し込んで係止させる(同図(d)(図3(g))。このとき、固定ガイド13の上面は、箱YA1の底部Bよりも大きいことが望ましい。固定ガイド13の上面が箱YA1の底部Bよりも小さい場合、固定ガイド13が当接していない箱YA1の底部Bがよれてしまうためである。
【0060】
このように、本実施形態の組立方法は、折り畳み状態の箱体YA1をロボット12によって搬送しながら組み立てる組立方法であって、箱体YA1は、本体部201と、底部Bおよび/または蓋部Fとなるフラップ部202と、該フラップ部202に連続する差し込み部205とを有し、折り畳み状態の箱体YA1を立体化する工程と、ロボット12が、立体化した箱体YA1の本体部201を保持しつつ差し込み部205を固定ガイド13に当接させて、差し込み部205とフラップ部202との間に折り癖を形成する動作を行う工程と、ロボット13が、差し込み部205を固定ガイド13に当接させた状態でフラップ部202が本体部201に対して開く方向に本体部201を移動させる動作を行う工程と、ロボット12が、開く方向とは逆の閉じる方向に本体部201を移動させて差し込み部205を本体部201に差し込む動作を行う工程と、を有するものである。
【0061】
また、折り癖を形成する際にはロボット12が、差し込み部205とフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように本体部201を移動させる、ものである。
【0062】
図6は、差し込み動作の他の例を示す図である。
【0063】
図6(a)は、図3(e)に続く状態を示す図であり、フラップ部202と差し込み部205とが固定ガイド13に押し付けられてフラップ部202の折り目BN1と差し込み部205の折り目BN2で折り曲げられた(折り癖が形成された)状態である。固定ガイド13の構成は、図5に示す固定ガイド13と同様である。
【0064】
ロボット12は、図6(a)に示すように折り癖を形成した後、同図(b)および同図(c)に示すように、差し込み部205の表面側を固定ガイド13に当接させた状態を維持したまま、立体化した本体部201と差し込み部205とを離間させる。例えばこの例では、ロボット12は本体部201を僅かに上昇させるとともに、例えば差し込み部205の折り目BN2を中心に本体部201が固定ガイド13(差し込み部205)から離間する方向(図示の時計回りの方向)に回動させ、本体部201の開放部分の下方に差し込み部205の先端(この場合上端)が位置するように、本体部201を移動させる。
【0065】
これにより、差し込み部205はフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように折り曲げられ(同図(c))、その状態で、本体部201の開放部分の直下に位置する。
【0066】
この例でも、固定ガイド13の厚みd(差し込み部205の差し込み深さ方向の厚み)は、差し込み部205の高さD(差し込み深さ方向の高さ)よりも小さく設定されており、同図(a)、同図(b)に示すように、差し込み部205が固定ガイド13に当接した状態ではその先端(上端)は、固定ガイド13よりも突出している(固定ガイド13の上端部が差し込み部205の先端(上端)より下方に位置している)。
【0067】
そして、ロボット12は、同図(b)では本体部201が差し込み部205の先端(上端)よりも上方に位置するように一旦本体部201と差し込み部205とを離間させ、本体部201の開放部分の下方に差し込み部205の先端(この場合上端)を位置させた後に、本体部201と差し込み部205を再び近接させる。このとき差し込み部205はフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように折り曲げられた状態が維持されている。例えば、同図(b)~同図(d)の動作中は、差し込み部205やその折り目BN2を固定ガイド13の端部などに当接させた状態を維持すると差し込み部205の移動が抑制される。
【0068】
この例では、本体部201の開放部分の下方に差し込み部205の先端(この場合上端)を位置させた状態で、ロボット12が本体部201を、例えば差し込み部205の折り目BN2を中心に固定ガイド13に近接する方向(図示の反時計回りの方向)に回ながら下降させ、差し込み部205の先端を本体部201に差し込む(同図(d)、図3(f))。
【0069】
その後ロボット12は、本体部201を固定ガイド13から離間させながら(例えば図示の右方向に本体部201を移動させながら下方にも押し込み、同図(e)(図3(g))に示すように、差し込み部205を本体部201に差し込んで係止させる。このとき、固定ガイド13に押し当てて係止してもよい。
【0070】
図7は、固定ガイド13の他の例と、差し込み部205の差し込みの動作の他の例を示す図である。
【0071】
本実施形態では、ロボット12は、差し込み部205を固定ガイド13に当接させて差し込み部205とフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように折り曲げて、本体部201と差し込み部205と一旦を離間させた後、差し込み部205とフラップ部202とのなす角αを鋭角に維持した状態で近接させ差し込み部205を本体部201に差し込む動作を行なう構成であればよい。また、固定ガイド13は、好適には固定ガイド13の厚みd(差し込み部205の差し込み深さ方向の厚み)は、差し込み部205の高さD(差し込み深さ方向の高さ)よりも小さく設定されるとよい。
【0072】
すなわち図7に示すように、固定ガイド13の形状は、壁部16などに固定され、差し込み部205の一部に局所的に当接可能な棒状部材であってもよい。
【0073】
この場合、事前に固定ガイド13に当接して内フラップ部203が折り曲げられ、まず、同図(a)に示すように、フラップ部202に連続する周壁部S(例えば背面側の周壁部S)が壁部16などと対向し、例えばフラップ部202が固定ガイド13の先端と対向するように箱YA1を保持し、箱YA1を固定ガイド13に近接する方向(図示の左方向)に移動する。そして固定ガイド13の先端部にフラップ部202を当接させて押し込み、折り目BN1を形成する。
【0074】
その後、同図(b)に示すように、箱YA1を水平方向に反転させ(例えば、前面側の周壁部Sが壁部16と対向するように反転させ)、固定ガイド13から離れる方向(右方向)に移動する。
【0075】
次に同図(c)に示すように箱YA1を下方に移動して固定ガイド13の先端部に差し込み部205を当接させて押し下げ、折り目BN2を形成する。
【0076】
その後、ロボット12は、同図(d)に示すように、固定ガイド13の先端部に差し込み部205の先端部以外を当接させた状態で本体部201を固定ガイド13に対して垂直方向で離れる方向(上方向)および水平方向で近づく方向(図示の左方向)に移動させて差し込み部205を鋭角に折り曲げて、差し込み部205を本体部201の開放部分の直下に位置させる。
【0077】
引き続き同図(e)に示すように、本体部201を固定ガイド13から水平方向で離れる方向(図示の右方向)および垂直方向で近づく方向(下方向)に移動させて、差し込み部205を本体部201に差し込む。
【0078】
図8はさらに固定ガイド13の他の例を示す概要図である。
【0079】
固定ガイド13は、同図(a)~同図(e)に示すように、段差SPまたは凹部を有する形状であってもよい。この場合固定ガイド13の厚みdは、段差SPの下段の上面から上段の上面までの厚みとする。
【0080】
同図(a)および同図(b)に示す例では、段差SPの角部に差し込み部205の折り目BN2を当接させて、固定ガイド13の段差SPの一つの面(図示の垂直方向の面、段差SPの上段の側面)に差し込み部205が面接触する場合を示している。この場合ロボット12は、本体部201を固定ガイド13に対して上下および左右方向に移動させて、差し込み部205を本体部201の開放部分の直下に位置させ、差し込みを行なう。
【0081】
また、同図(c)~同図(e)に示す例では、段差SPの下段と上段に差し込み部205が線接触する場合を示している。具体的には段差SPの下段の上面に差し込み部205の折り目BN2が当接し、上段の角部に差し込み部205が線接触する。この場合ロボット12は、本体部201を差し込み部205の折り目BN1を中心に時計回り及び反時計回りに回動させて、差し込み部205を本体部201の開放部分の下方に位置させ、差し込みを行なう。
【0082】
また、同図(f)~同図(i)に示すように、固定ガイド13の形状は、鋭角な角度βを有するV字状の溝形状であってもよい。この場合、予め折り癖が形成された差し込み部205の折り目BN2から差し込み部205を折り曲げてV字状の溝に沿わせる(同図(g))。これにより、差し込み部205とフラップ部202とのなす角αが鋭角になるように折り曲げられる。
【0083】
そして、本体部201を固定ガイド13に対して上下および左右方向に移動させて、差し込み部205を本体部201の開放部分の直下に位置させ(同図(h))、差し込みを行なう(同図(i))。
【0084】
なお、固定ガイド13は、山型の突起にしてもよい。この場合、山の傾斜部に折り目BN2を当接させた状態でロボットで箱YA1を移動して、差し込み部205を本体部201に差し込むようにしてもよい。
【0085】
また、固定ガイド13の厚みdは、差し込み部205の高さDよりも大きく設定してもよい。この場合、固定ガイド13に折り目BN2を当接させた状態でロボットで保持する箱YA1を移動して差し込み部205を本体部201に差し込む。
【0086】
また、図8(f)~同図(i)に示すV字溝形状の固定ガイド13は、固定ガイド13の側面、または、傾斜面に設けてもよい。差し込み動作において、固定ガイドの滑り性が問題になり、溝の表面に滑り止め加工(例えば、ゴム等の滑りにくい材質を貼着する、または、表面に微小な凹凸を設ける等)を施した場合には、高さDを厚みdよりも大きく設定してもよい。または、固定ガイド13の形状は、鈍角な角度βを有するV字状の溝形状であってもよい。
この場合、折り目BN2を傾斜面に当接させてロボットで保持されている箱YA1の本体部201を移動して差し込み部205を本体部部201に差し込む。
【0087】
図9は、固定ガイド13の変形例を示す図である。同図(a)~同図(c)はそれぞれ固定ガイド13の他の例を示す側面図であり、同図(d)は更に別の固定ガイド13を示す上面図であり、同図(e)は同図(d)の側面図である。
【0088】
同図(a)~同図(c)に示すように、固定ガイド13は、片持ち構造としてもよい。
【0089】
また、同図(d)および同図(e)に示すように、固定ガイド13は、凹状の溝形状であってもよい。
【0090】
具体的には、同図(d)の上面図に示すように、固定ガイド13は、W幅方向において、複数に分割されてL方向に延びるスリットが形成された櫛歯状に構成される。このスリットには、製函時に折り曲げられる前(製函前)のフラップが挿入される。この固定ガイド13は、側面視においては例えばT字状を有している(同図(e))。
【0091】
また、このスリットは、溝でもよい。これにより、サイズの異なる品種(箱YA1)への切換えに柔軟に対応可能となる。また、製函時、ロボットで保持している箱YA1の移動量(移動距離)を減少させることで、サイクルタイムを短縮できる。
【0092】
図10は、溝形状の固定ガイド13の他の例を示す図である。
【0093】
同図(a)に示すように、固定ガイド13は、側面視において凹状の溝形状であってもよく、また固定ガイド13は側面(同図(a))、または傾斜面に設けてもよい。
【0094】
また同図(b)に示すように固定ガイド13の溝形状は、角部に逃げを設けてもよい。
【0095】
また、差し込み部205を本体部201に差し込む際、フラップ部202を湾曲させて差し込んでもよい。
【0096】
以上、本実施形態では、筒状の本体部201の軸方向の両端が開放部分となる差し込み式箱YA1を例に説明したが、折り畳み状態から周壁部Sを立体化することによって底部Bが組み合わせられるように構成されている箱体(ワンタッチ箱(ワンタッチ底、ワンタッチ底箱、ワンタッチカートンなどともいう))であってもよい。ワンタッチ箱YA1は、4枚の組み合わせにした底面の2か所を貼り合わせるなどし、折り畳み状態から周壁部Sを立体化することによって底部Bが自動的に組み上がる。この場合、蓋部Fのみがフラップ部202および差し込み部205となっており、上述の組立装置10および箱詰め装置100は、当該蓋部Fの組立(差し込み部205の本体部201への差し込みおよび係止、およびフラップ部202による封止)を行なう。
【0097】
また、周壁部Sは、上記の例以外の既知の方法により立体化が行われるものであってもよい。
【0098】
また、保持部17は、吸着手段に限らず、把持手段等であってもよい。
【0099】
また、箱詰め装置100は、差し込み式箱YA1の周壁部Sを立体化し、開放部分が側方となるように横倒しにした状態で物品XA1を箱YA1内に供給してもよい。すなわち、上述の実施形態では、固定ガイド13は蓋部Fとなるフラップ部202で封止するための差し込み部205の形成用と底部Bとなるフラップ部202で封止するための差し込み部205の形成用とにそれぞれ対応させて上下方向に2つ設ける例を説明した(図3および図4)。しかしこれに限らず、本体部201の開放部分が側方となるように横倒しにした状態で物品XA1を箱内YA1に収容する構成にあっては、蓋部Fおよび底部Bのそれぞれのフラップ部202が水平方向に位置するようにロボット12が差し込み式箱YA1を保持してもよく、その場合は、(箱YA1内に収容した物品XA1の落下を考慮しなくてよいため)固定ガイド13は1箇所でもよい。
【0100】
また、周壁部S(本体部201)の立体化の工程において、補助手段14(図1参照)に代えて、差し込み部205の差し込みに利用する固定ガイド13を用いてもよい(固定ガイド13を共用してもよい)。
【0101】
また、上記の実施形態ではロボット12が単腕ロボットである場合を例に説明したが、ロボット12は複数のアームを有するロボット(例えば双腕ロボット)であって複数のアームを協動させて箱体YA1を保持する構成であってもよい。なおその場合であっても、差し込み部は、上述のとおり固定ガイドを利用して差し込み動作を行なう。
【0102】
以上、本発明は上記実施形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0103】
10 組立装置
11 アーム部
12 ロボット
13 ガイド手段(固定ガイド)
14 補助手段
15 ハンド
16 被固定部
17 保持手段(保持部、吸着部)
100 箱詰め装置
201 本体部
202 フラップ部
203 内フラップ部
205 差し込み部
B 底部
F 蓋部
XA1 物品
YA1 箱体、差し込み式箱、ワンタッチ箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10