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特許7026952ヒト皮膚上で併用使用するための材料を分与するデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】ヒト皮膚上で併用使用するための材料を分与するデバイス
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20220221BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20220221BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20220221BHJP
   B65D 35/54 20060101ALI20220221BHJP
   B65D 51/28 20060101ALI20220221BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
A45D34/04 555
A61K8/02
A61Q17/04
A45D34/04 550
B65D35/54
B65D51/28
B65D47/08 100
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018559729
(86)(22)【出願日】2017-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 US2017033312
(87)【国際公開番号】W WO2017201274
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】62/338,235
(32)【優先日】2016-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519395879
【氏名又は名称】サンフライ ブランズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クロイ, マイケル
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0170915(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0022008(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00-34/06
A61K 8/02
A61Q 17/04
B65D 35/54
B65D 51/28
B65D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスであって、前記デバイスは、
一次材料を含有するための一次チャンバを画定する容器であって、前記容器は、開口部を備える、容器と、
前記開口部にわたって前記容器に搭載される二重押上式キャップであって、前記二重押上式キャップは、
基部であって、前記基部を介して前記二重押上式キャップが前記容器に搭載され、前記基部を介して前記一次材料が前記容器から分与可能である、基部と、
前記基部に蝶着された中央区分であって、前記中央区分は、前記容器のための第1の押上式蓋としての役割を果たし、かつ、中央区分陥凹を画定し、前記中央区分陥凹は、(a)二次材料およびアプリケータ、または、(b)スタンプを含有するように構成され、前記アプリケータの上側部分または前記スタンプの上側部分が、前記中央区分陥凹から外向きに突出する、中央区分と、
前記中央区分に蝶着された上部区分であって、前記中央区分、前記中央区分陥凹および前記上部区分は、協働し二次チャンバを画定し、前記上部区分は、前記二次チャンバのための第2の押上式蓋としての役割を果たす、上部区分と、
を備える、二重押上式キャップと、
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記中央区分陥凹は、前記二次材料と、前記二次材料で飽和された前記アプリケータとを含有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記アプリケータは、発泡体スタンプである、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記上部区分は、上部区分陥凹をさらに備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記上部区分陥凹は、前記二次材料が含浸されたインクパッドを含有し、前記中央区分陥凹は、前記スタンプを含有する、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記基部は、開口を有するノズルを備え、前記開口を介して前記一次材料が前記一次チャンバから分与可能である、請求項1~5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項7】
前記容器は、可撓性チューブまたは瓶である、請求項1~6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項8】
前記容器は、プラスチックまたは金属から作製され、前記二重押上式キャップは、プラスチックから作製される、請求項1~6のいずれかに記載のデバイス。
【請求項9】
前記中央区分は、第1の可撓性ヒンジによって前記基部に蝶着され、前記上部区分は、第2の可撓性ヒンジによって前記中央区分に蝶着され、前記第1および第2の可撓性ヒンジは、前記第1および第2の押上式蓋の同時開放を実質的に防止するように、前記中央区分の両側に円周方向に位置する、請求項1~5のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスであって、
一次材料を含有するための一次チャンバを画定する容器であって、前記容器は、開口部を備える、容器と、
前記開口部にわたって前記容器に搭載される二重キャップアセンブリであって、前記二重キャップアセンブリは、
基部であって、前記基部を介して前記二重キャップアセンブリが前記容器に搭載され、前記基部を介して前記一次材料が前記容器から分与可能である、基部と、
前記一次チャンバ閉鎖および前記一次チャンバへのアクセス提供するように前記基部に取り外し可能に取り付けられる中央区分であって、前記中央区分は、中央区分陥凹を画定し、前記中央区分陥凹は、(a)二次材料およびアプリケータ、または、(b)スタンプを含有するように構成され、前記アプリケータの上側部分または前記スタンプの上側部分が、前記中央区分陥凹から外向きに突出する、中央区分と、
前記上部区分、前記中央区分陥凹および前記中央区分によって画定された二次チャンバ閉鎖または前記二次チャンバへのアクセス提供するように前記中央区分に取り外し可能に取り付けられる上部区分と
を備える、二重キャップアセンブリと、
を備える、デバイス。
【請求項11】
前記中央区分は、スナップ嵌合またはねじ山締結機構によって前記基部に取り外し可能に取り付けられ、前記上部区分は、スナップ嵌合またはねじ山締結機構によって前記中央区分に取り外し可能に取り付けられる、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記中央区分陥凹は、前記二次材料と、前記二次材料で飽和された前記アプリケータとを含有する、請求項10または11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記アプリケータは、発泡体スタンプである、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記上部区分は、上部区分陥凹をさらに備える、請求項10または11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記上部区分陥凹は、前記二次材料が含浸されたインクパッドを含有し、前記中央区分陥凹は、前記スタンプを含有する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記基部は、開口を有するノズルを備え、前記開口を介して前記一次材料が前記一次チャンバから分与可能である、請求項10~15のいずれかに記載のデバイス。
【請求項17】
前記容器は、可撓性チューブまたは瓶である、請求項10~15のいずれかに記載のデバイス。
【請求項18】
前記容器は、プラスチックまたは金属から作製され、前記二重キャップアセンブリは、プラスチックから作製される、請求項10~15のいずれかに記載のデバイス。
【請求項19】
請求項1~9のいずれかに記載のデバイスを使用してヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与する方法であって、前記方法は、
前記二重押上式キャップの前記蝶着された上部区分を押し上げて開放することにより、前記二次チャンバへのアクセスを提供することと、
所定量の二次材料を前記二次チャンバから分与、ユーザの皮膚の第1の部分に塗布することと、
前記二重押上式キャップの前記蝶着された上部区分を閉鎖することと、
前記二重押上式キャップの前記蝶着された中央区分を押し上げて開放することにより、前記一次チャンバへのアクセスを提供することと、
前記基部を介して、所定量の一次材料を前記一次チャンバから分与、それを前記ユーザの皮膚の第2の部分におよび皮膚の前記第1の部分に塗布される前記二次材料にわたって塗布することと、
前記二重押上式キャップの前記蝶着された中央区分を閉鎖することと、
を含む、方法。
【請求項20】
請求項10~18のいずれかに記載のデバイスを使用してヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与する方法であって
前記二重キャップアセンブリの前記上部区分を前記中央区分から分離することにより、前記二次チャンバへのアクセスを提供することと、
所定量の二次材料を前記二次チャンバから分与、ユーザの皮膚の第1の部分に塗布することと、
前記二重キャップアセンブリの前記上部区分を再度取り付けることにより、前記二次チャンバを閉鎖することと、
前記二重キャップアセンブリの前記中央区分を前記基部から分離することにより、前記一次チャンバへのアクセスを提供することと、
前記基部を介して、所定量の一次材料を前記一次チャンバから分与、それを前記ユーザの皮膚の第2の部分におよび皮膚の前記第1の部分に塗布される前記二次材料にわたって塗布することと、
前記二重キャップアセンブリの前記中央区分を前記基部に再度取り付けることにより、前記一次チャンバを閉鎖することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
技術分野
本開示は、概して、ヒトの皮膚上でともに使用するための材料を含有し、別個に分与するための方法およびデバイスに関する。特に、ヒトの皮膚上で使用するための日焼け止め剤およびUV指示剤を含有し、別個に分与するための方法およびデバイスに関し、UV指示剤は、身体の1つまたはそれを上回る小領域上で日焼け止めの真下に塗布され、ユーザに、さらに日焼け止め剤を塗布するか、またはその太陽への暴露を低減させるように視覚的に警告するために使用される。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
日焼け止めは、皮膚に到達するUV放射のレベルを低減させることによって、紫外線(UV)放射への過度の暴露を低減または防止するために広く使用されている。物理的または無機性日焼け止め剤(酸化チタンまたは酸化亜鉛を含有するもの等)は、概して、UV放射を遮断または散乱させることによって作用する一方、化学的または有機性日焼け止め剤は、概して、UV放射を吸収することによって作用する。
【0003】
多種多様な日焼け止め剤製品が、利用可能である。これらの日焼け止め剤は、典型的には、クリーム、ローション、ゲル、および液体等の流体として、またはパウダー等の固体として、商業的に入手可能である。日焼け止め剤は、典型的には、オリフィス、ノズル、ポンプ、スプレー、もしくはブラシ等のディスペンサを有する、可撓性チューブ、またはプラスチックもしくは金属のいずれかのボトル等の硬質容器内に含有またはパッケージ化される。パッケージングは、概して、日焼け止め剤によってもたらされるUV保護の強度(例えば、日焼け止め指数またはSPF値)を示し、適切な塗布および再塗布手順に関する指示を含有する。
【0004】
種々の理由から、いったん皮膚に塗布されると、日焼け止め剤は、経時的にあまり有効ではなくなる傾向にある。例えば、日焼け止め剤は、擦れ落ち得る、発汗もしくは水中への浸漬を通して除去され得、そして/または日焼け止め剤の有効性は、皮膚の中への吸収もしくは光劣化のため低減され得る。また、いくつかの日焼け止め剤は、有効期限を有し、長期貯蔵によってあまり有効ではなくなり得る。概して、ユーザは、日焼け止め剤がもはや有効または適正なUV保護を提供しなくなっとき、それを判断することができない。また、ユーザが、所望の程度のUV保護を提供するために、ユーザの皮膚への日焼け止め剤の適正なコーティングを塗布したかどうかを把握することは困難であり得る。
【0005】
UV放射への暴露に応じて色を可逆的に変化させる光発色性分子を含有する、UV指示剤が、公知である。ヒトの皮膚に直接塗布され得る、そのようなUV指示剤の調合が、現在、開発中である。そのようなUV指示剤は、身体の1つまたはそれを上回る小領域上にマーカとして日焼け止め剤の真下に塗布され、UV指示剤マーカの色の変化に基づいて、ユーザに、さらなる日焼け止め剤を塗布するか、またはユーザの太陽への暴露を低減させるように視覚的に警告するために使用される。日焼け止め剤がもはや適正なUV保護を提供しなくなると生じる色変化は、例えば、有色から無色、無色から有色、ある色から別の色であることができるか、または使用されている特定のUV指示剤に応じて、色の強度の変化であることができる。UV放射への暴露に応じて不可逆的に色を変化させる分子を含む、UV指示剤もまた、公知であって、線量計タイプの指示剤として使用され、累積UV暴露の視覚的指示を与えることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
簡単な要旨
ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスが、提供される。いくつかの実施形態では、ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスは、日焼け止め剤を含有する一次チャンバと、UV指示剤を含有する二次チャンバとを有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスは、容器と、そこに搭載される二重押上式キャップとを備える。容器は、一次材料を含有するための一次チャンバを画定し、二重押上式キャップは、容器内の開口部にわたって搭載される。二重押上式キャップは、基部であって、それを介してそれが容器に搭載され、それを介して一次材料が容器から分与され得る、基部を備える。例えば、基部は、開口を有する、ノズルを備えることができる。二重押上式キャップはさらに、基部に蝶着された中央区分を備え、中央区分は、容器のための押上式蓋としての役割を果たす。二重押上式キャップはさらに、中央区分に蝶着された上部区分を備え、中央区分および上部区分は、協働し、二次材料を含有するための二次チャンバを画定し、上部区分は、二次チャンバのための押上式蓋としての役割を果たす。一次および二次材料は、異なる組成物を有する。いくつかの実施形態では、一次材料は、日焼け止め剤であって、二次材料は、UV指示剤である。
【0008】
いくつかの実施形態では、ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスは、容器と、そこに搭載される二重キャップアセンブリとを備える。容器は、一次材料を含有するための一次チャンバを画定し、二重キャップアセンブリは、容器内の開口部にわたって搭載される。二重キャップアセンブリは、基部であって、それを介してそれが容器に搭載され、それを介して一次材料が容器から分与され得る、基部を備える。例えば、基部は、開口を有する、ノズルを備えることができる。二重キャップアセンブリはさらに、例えば、スナップ嵌合またはねじ山締結機構によって、基部に取り外し可能に取り付けられ、一次チャンバを閉鎖するか、またはそこへのアクセスを提供し得る、中央区分を備える。二重キャップアセンブリはさらに、例えば、スナップ嵌合またはねじ山締結機構によって、中央区分に取り外し可能に取り付けられ、二次チャンバを閉鎖するか、またはそこへのアクセスを提供し得る、上部区分を備える。中央区分および上部区分は、協働し、二次材料を含有するための二次チャンバを画定する。一次および二次材料は、異なる組成物を有する。いくつかの実施形態では、一次材料は、日焼け止め剤であって、二次材料は、UV指示剤である。
【0009】
上記に説明されるデバイスのいくつかの実施形態では、容器は、絞り出しチューブである。上記に説明されるデバイスの他の実施形態では、容器は、瓶である。上記に説明されるデバイスのいくつかの実施形態では、容器は、エアロゾル缶であって、基部は、スプレーノズルを備える。
【0010】
上記に説明されるデバイスのいくつかの実施形態では、二次チャンバは、UV指示剤をヒトの皮膚に塗布するためのアプリケータを含む。アプリケータは、例えば、スタンプ(またはダイ)であることができる。
【0011】
また、本明細書に説明されるデバイスの実施形態を使用して、2つの材料を分与し、ヒトの皮膚に塗布するための方法も、提供される。
【0012】
いくつかの実施形態では、ヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与するための方法は、日焼け止め剤を含有する一次チャンバと、UV指示剤を含有する二次チャンバとを有する、デバイスを取得するステップを含む。本方法は、二次チャンバを開放するステップと、所定量のUV指示剤を二次チャンバから分与するステップであって、ユーザの皮膚の第1の部分に塗布するステップと、二次チャンバを閉鎖するステップと、一次チャンバを開放するステップと、所定量の日焼け止め剤を一次容器から分与するステップであって、それをユーザの皮膚の第1の部分およびユーザの皮膚の第2の部分上のUV指示剤にわたって塗布するステップと、一次チャンバを閉鎖するステップとを含む。
【0013】
他の実施形態では、ヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与するための方法は、日焼け止め剤を含有する一次チャンバを画定する容器と、容器に搭載される二重押上式キャップとを有する、デバイスを取得するステップであって、二重押上式キャップは、UV指示剤を含有する二次チャンバを備える、ステップと、例えば、二重押上式キャップの上部区分を中央区分から部分的に係合解除することによって、二重押上式キャップの蝶着上部区分を押し上げて開放するステップであって、二次チャンバへのアクセスを提供するステップと、所定量のUV指示剤を二次チャンバから分与するステップであって、例えば、二次チャンバ内に位置するスタンプを使用して、ユーザの皮膚の第1の部分に塗布するステップと、例えば、蝶着上部区分と中央区分を再度係合することによって、二重押上式キャップの上部区分を閉鎖するステップと、例えば、中央区分を二重押上式キャップの基部から部分的に係合解除することによって、二重押上式キャップの蝶着中央区分を押し上げて開放するステップであって、一次チャンバへのアクセスを提供するステップと、基部を介して所定量の日焼け止め剤を一次チャンバから分与するステップ、およびそれをユーザの皮膚の第1の部分およびユーザの皮膚の第2の部分上のUV指示剤にわたって塗布するステップと、例えば、蝶着中央区分と基部を再度係合することによって、二重押上式キャップの中央区分を閉鎖するステップとを含む。
【0014】
なおもさらなる実施形態では、ヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与するための方法は、日焼け止め剤を含有する一次チャンバを画定する容器と、容器に搭載される二重キャップアセンブリとを備える、デバイスを取得するステップであって、二重キャップアセンブリは、UV指示剤を含有する二次チャンバを備える、ステップと、二重キャップアセンブリの上部区分を二重キャップアセンブリの中央区分から分離するステップであって、二次チャンバへのアクセスを提供するステップと、例えば、二次チャンバ内に位置するスタンプを使用して、所定量のUV指示剤を二次チャンバからユーザの皮膚の第1の部分に分与および塗布するステップと、二重キャップアセンブリの上部区分を二重キャップアセンブリの中央区分に再度取り付けるステップであって、二次チャンバを閉鎖するステップと、二重キャップアセンブリの中央区分を二重キャップアセンブリの基部から分離するステップであって、一次チャンバへのアクセスを提供するステップと、基部を介して所定量の日焼け止め剤を一次チャンバから分与するステップと、それをユーザの皮膚の第1の部分およびユーザの皮膚の第2の部分上のUV指示剤にわたって塗布するステップと、二重キャップアセンブリの中央区分を二重キャップアセンブリの基部に再度取り付けるステップであって、一次チャンバを閉鎖するステップとを含む。
【0015】
本発明のこれらおよび他の特徴ならびに利点は、添付の図面および続く発明を実施するための形態からより容易に明白となる。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスであって、
一次材料を含有するための一次チャンバを画定する容器であって、開口部を備える、容器と、
前記開口部にわたって前記容器に搭載される二重押上式キャップであって、
基部であって、それを介して前記二重押上式キャップが前記容器に搭載され、それを介して前記一次材料が前記容器から分与可能である、基部と、
前記基部に蝶着された中央区分であって、前記容器のための第1の押上式蓋としての役割を果たす、中央区分と、
前記中央区分に蝶着された上部区分であって、前記中央区分および前記上部区分は、協働し、二次材料を含有するための二次チャンバを画定し、前記上部区分は、前記二次チャンバのための第2の押上式蓋としての役割を果たす、上部区分と、
を備える、二重押上式キャップと、
を備える、デバイス。
(項目2)
前記一次チャンバは、一次材料を含有し、前記一次材料は、日焼け止め剤であって、
前記二次チャンバは、二次材料を含有し、前記二次材料は、前記日焼け止め剤と併用され、前記日焼け止め剤の有効性を示すためのUV指示剤である、
項目1に記載のデバイス。
(項目3)
前記二次チャンバは、前記二次材料をヒトの皮膚に塗布するためのアプリケータを含む、項目1および2のいずれかに記載のデバイス。
(項目4)
前記アプリケータは、スタンプである、項目3に記載のデバイス。
(項目5)
前記日焼け止め剤は、流体であって、前記UV指示剤も、流体である、項目2に記載のデバイス。
(項目6)
前記日焼け止め剤は、クリーム、ローション、ゲル、液体、およびバームから成る群から選択される、項目2に記載のデバイス。
(項目7)
前記UV指示剤は、インクである、項目2に記載のデバイス。
(項目8)
前記UV指示剤は、UV放射への暴露に応じて色を変化させる、光発色性材料を含む、項目2に記載のデバイス。
(項目9)
前記基部は、それを介して前記一次材料が前記一次チャンバから分与可能である開口を有する、ノズルを備える、項目1および2のいずれかに記載のデバイス。
(項目10)
前記容器は、可撓性チューブまたは瓶である、項目1および2のいずれかに記載のデバイス。
(項目11)
前記容器は、プラスチックまたは金属から作製され、前記二重押上式キャップは、プラスチックから作製される、項目1および2のいずれかに記載のデバイス。
(項目12)
前記中央区分は、第1の可撓性ヒンジによって前記基部に蝶着され、前記上部区分は、第2の可撓性ヒンジによって前記中央区分に蝶着され、前記第1および第2の可撓性ヒンジは、前記第1および第2の押上式蓋の同時開放を実質的に防止するように、前記中央区分の両側に円周方向に位置する、項目1および2のいずれかに記載のデバイス。
(項目13)
前記中央区分内に配置されるインクウェル陥凹であって、二次材料を含むように定寸および成形される、インクウェル陥凹をさらに備える、項目1および2のいずれかに記載のデバイス。
(項目14)
ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスであって、
一次材料を含有するための一次チャンバを画定する容器であって、開口部を備える、容器と、
前記開口部にわたって前記容器に搭載される二重キャップアセンブリであって、
基部であって、それを介して前記二重キャップアセンブリが前記容器に搭載され、それを介して前記一次材料が前記容器から分与可能である、基部と、
前記基部に取り外し可能に取り付けられ、前記一次チャンバを閉鎖し、そこへのアクセスを提供する、中央区分と、
前記中央区分に取り外し可能に取り付けられ、前記上部区分および前記中央区分によって画定された二次チャンバを閉鎖またはそこへのアクセスを提供する、上部区分であって、前記二次チャンバは、前記二次材料を含有するためのものである、上部区分と、を備える、二重キャップアセンブリと、
を備える、デバイス。
(項目15)
前記中央区分は、スナップ嵌合またはねじ山締結機構によって前記基部に取り外し可能に取り付けられ、前記上部区分は、スナップ嵌合またはねじ山締結機構によって前記中央区分に取り外し可能に取り付けられる、項目14に記載のデバイス。
(項目16)
前記一次チャンバは、一次材料を含有し、前記一次材料は、日焼け止め剤であって、
前記二次チャンバは、二次材料を含有し、前記二次材料は、前記日焼け止め剤と併用され、前記日焼け止め剤の有効性を示すためのUV指示剤である、
項目14に記載のデバイス。
(項目17)
前記二次チャンバは、前記二次材料をヒトの皮膚に塗布するためのアプリケータを含む、項目14-16のいずれかに記載のデバイス。
(項目18)
前記アプリケータは、スタンプである、項目17に記載のデバイス。
(項目19)
前記日焼け止め剤は、流体であって、前記UV指示剤も、流体である、項目16に記載のデバイス。
(項目20)
前記日焼け止め剤は、クリーム、ローション、ゲル、液体、およびバームから成る群から選択される、項目19に記載のデバイス。
(項目21)
前記UV指示剤は、インクである、項目19に記載のデバイス。
(項目22)
前記UV指示剤は、UV放射への暴露に応じて色を変化させる、光発色性材料を含む、項目19に記載のデバイス。
(項目23)
前記基部は、それを介して前記一次材料が前記一次チャンバから分与可能である開口を有する、ノズルを備える、項目14-16のいずれかに記載のデバイス。
(項目24)
前記容器は、可撓性チューブまたは瓶である、項目14-16のいずれかに記載のデバイス。
(項目25)
前記容器は、プラスチックまたは金属から作製され、前記二重キャップアセンブリは、プラスチックから作製される、項目14-16のいずれかに記載のデバイス。
(項目26)
前記中央区分内に配置されるインクウェル陥凹であって、前記二次材料を含むように定寸および成形される、インクウェル陥凹をさらに備える、項目14に記載のデバイス。
(項目27)
ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイスであって、日焼け止め剤を含有する、一次チャンバと、前記日焼け止め剤と併用され、前記日焼け止め剤の有効性を示すためのUV指示剤を含有する、二次チャンバとを備える、デバイス。
(項目28)
ヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与する方法であって、
日焼け止め剤を含有する一次チャンバを画定する容器と、前記容器に搭載される二重押上式キャップとを有する、デバイスを取得するステップを含み、前記二重押上式キャップは、
基部であって、それを介して前記二重押上式キャップが前記容器に搭載される、基部と、
前記基部に蝶着された中央区分と、
前記中央区分に蝶着された上部区分であって、前記上部区分および前記中央区分は、協働し、UV指示剤を含有する二次チャンバを画定する、上部区分と、
を備え、前記方法はさらに、
前記二重押上式キャップの蝶着上部区分を押し上げて開放するステップであって、前記二次チャンバへのアクセスを提供するステップと、
所定量の前記UV指示剤を前記二次チャンバから分与するステップであって、ユーザの皮膚の第1の部分に塗布するステップと、
前記二重押上式キャップの蝶着上部区分を閉鎖するステップと、
前記二重押上式キャップの蝶着中央区分を押し上げて開放するステップであって、前記一次チャンバへのアクセスを提供するステップと、
前記基部を介して、所定量の日焼け止め剤を前記一次チャンバから分与するステップであって、それを前記ユーザの皮膚の第1の部分および皮膚の第2の部分に塗布される前記UV指示剤にわたって塗布するステップと、
前記二重押上式キャップの蝶着中央区分を閉鎖するステップと、
を含む、方法。
(項目29)
ヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与する方法であって、
日焼け止め剤を含有する一次チャンバを画定する容器と、前記容器に搭載され二重キャップアセンブリとを備える、デバイスを取得するステップを含み、前記二重キャップアセンブリは、
基部であって、それを介して前記二重キャップアセンブリが前記容器に搭載される、基部と、
前記基部に取り外し可能に取り付けられる、中央区分と、
前記中央区分に取り外し可能に取り付けられる、上部区分であって、前記上部区分および前記中央区分は、協働し、UV指示剤を含有する二次チャンバを画定する、上部区分と、
を備え、前記方法はさらに、
前記二重キャップアセンブリの上部区分を前記中央区分から分離するステップであって、前記二次チャンバへのアクセスを提供するステップと、
所定量の前記UV指示剤を前記二次チャンバから分与するステップであって、ユーザの皮膚の第1の部分に塗布するステップと、
前記二重キャップアセンブリの上部区分を再度取り付けるステップであって、前記二次チャンバを閉鎖するステップと、
前記二重キャップアセンブリの中央区分を前記基部から分離するステップであって、前記一次チャンバへのアクセスを提供するステップと、
前記基部を介して、所定量の日焼け止め剤を前記一次チャンバから分与するステップであって、それを前記ユーザの皮膚の第1の部分および皮膚の第2の部分に塗布される前記UV指示剤にわたって塗布するステップと、
前記二重キャップアセンブリの中央区分を前記基部に再度取り付けるステップであって、前記一次チャンバを閉鎖するステップと、
を含む、方法。
(項目30)
ヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を分与する方法であって、
日焼け止め剤を含有する一次チャンバと、UV指示剤を含有する二次チャンバとを有する、デバイスを取得するステップと、
前記二次チャンバを開放するステップと、
所定量の前記UV指示剤を前記二次チャンバから分与するステップであって、ユーザの皮膚の第1の部分に塗布するステップと、
前記二次チャンバを閉鎖するステップと、
前記一次チャンバを開放するステップと、
所定量の日焼け止め剤を前記一次容器から分与するステップであって、それを前記ユーザの皮膚の第1の部分および皮膚の第2の部分に塗布される前記UV指示剤にわたって塗布するステップと、
前記一次チャンバを閉鎖するステップと、
を含む、方法。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、ヒトの皮膚上で使用するための材料を含有し、別個に分与するためのデバイスの実施形態の側面図であって、デバイスは、一次チャンバと、二次チャンバを含む二重押上式キャップとを備える。
図2図2A、2B、2C、および2Dは、図1に示される二重押上式キャップの種々の異なる図である。
図3図3Aおよび3Bは、図1に示される二重押上式キャップの基部の上面および側面切断図である。
図4-1】図4A、4B、および4Cは、図1に示される二重押上式キャップの中央区分の底面、上面、および側面図である。
図4-2】図4D、4E、および4Fは、図1に示される二重押上式キャップの上部区分の上面、底面、および側面図である。
図5図5A、5B、5C、および5Dは、図1に示される二重押上式キャップの側面図であって、蝶着区分を異なる位置に伴う。
図6図6は、容器上に搭載された二重キャップアセンブリの実施形態の断面側面図である。
図7図7は、容器上に搭載された二重キャップアセンブリの別の実施形態の断面側面図である。
図8図8は、ヒトの皮膚上での使用のための材料を含有し、別個に分与するためのデバイスの別の実施形態の側面図であって、デバイスは、スプレー缶と、スプレーノズルおよび二次チャンバを構成する、キャップアセンブリとを含む。
図9図9は、ヒトの皮膚上での使用のための材料を含有し、別個に分与するためのデバイスの別の実施形態の側面図であって、デバイスは、スプレー缶と、そこに取り外し可能に搭載される容器/アプリケータを伴う、キャップアセンブリとを備える。
図10図10は、別の実施形態による、二重押上式キャップの側面図である。
図11図11は、別の実施形態による、二重押上式キャップの側面図である。
【0017】
同様の参照番号は、図面のいくつかの図全体を通して同様の部品を指す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好ましい実施形態の詳細な説明
本明細書で使用されるように、用語「日焼け止め剤」は、例えば、UV放射を吸収、散乱、および/または遮断することによって、UV放射への皮膚の暴露を低減させ、暴露された皮膚を日焼けから保護するためにヒトの皮膚上で使用するために販売されている材料を含む。日焼け止め剤は、クリーム、ローション、液体、ゲル、スプレー、およびバーム等の流体を含み、かつパウダー等の固体も含む。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「UV指示剤」は、UV放射に暴露されると色を変化させる1つまたはそれを上回るタイプの光発色性分子を含む、材料を指す。色変化は、好ましくは、可逆的であるが、いくつかの実施形態では、不可逆的である。UV指示剤は、光発色性分子を含むか、または溶液、懸濁液、インク、もしくはゲル等の流体、または光発色性分子を含む、パウダー等の固体を含むことができる。
【0020】
図1を参照すると、ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイス10の実施形態が、示される。デバイス10は、容器14と、容器14上に搭載された二重押上式キャップ12とを備える。容器14は、図1では、可撓性の絞り出しチューブとして図示されるが、例えば、瓶または缶等の硬質の壁付き容器であることもできる。異なる実施形態では、一次容器14の壁16は、可撓性または剛性プラスチック、可撓性または剛性金属、ガラス、複合材料、もしくは他の好適な材料から作製されることができる。壁16は、日焼け止め58等の一次材料を含有する、一次チャンバ(すなわち、容器14の内部容積)を画定する。
【0021】
二重押上式キャップ12は、それを介してそれが容器14に搭載され、それを介して日焼け止め剤58が分与される、基部32を備える。キャップ12の中央区分30は、基部32に蝶着され、一次チャンバを閉鎖し、そこへのアクセスを提供するための容器14のための押上式蓋または閉鎖部としての役割を果たす。キャップ12の上部区分24は、中央区分30に蝶着される。中央区分30および上部区分24は、協働し、指示剤を含有する二次チャンバを画定する(図4および5を参照して以下にさらに詳細に示される)。上部区分24は、二次チャンバを閉鎖し、そこへのアクセスを提供するための押上式蓋または閉鎖部としての役割を果たす。二次チャンバは、UV指示剤等の二次材料を含有することができる。
【0022】
日焼け止め剤58等の一次材料が、押上式蓋としての役割を果たす中央区分30が開放されると、基部32を介して容器14内から分与されることができる。中央区分が、図1に示されるように、閉鎖位置にあるとき、容器14内の一次チャンバは、閉鎖または実質的にシールされる。UV指示剤等の二次材料が、押上式蓋としての役割を果たす上部区分24が開放されると、二次チャンバから分与されることができる。上部区分24が、図1に示されるように、閉鎖位置にあるとき、二次チャンバは、閉鎖または実質的にシールされる。基部32は、典型的には、ねじ山締結機構(図6および7参照)によって接続される容器14に搭載される。
【0023】
図2A、2B、2C、および2Dは、それぞれ、図1に示される二重押上式キャップ12の右側、左側、正面、および上面図である。可撓性ヒンジ34および36は、それぞれ、上部区分24を中央区分30に、中央区分30を基部32に取り付ける。ヒンジ34および36は、好ましくは、図2Aおよび2Bに示されるように、一方の区分(30または24)が開放位置に押し上げられると、他方の区分が同時に開放しにくい傾向を有するように、二重押上式キャップ12の両側にある。他の実施形態では、可撓性ヒンジ34、36は、キャップの同一側または相互に対してある他の位置にあり得る。二重押上式キャップ12は、典型的には、プラスチックから作製され、可撓性ヒンジ34および36は、従来通り、かつ当業者に周知のように、キャップの残りと一体的に形成される薄いプラスチックから作製されることができる。いくつかの実施形態では、上部区分24および中央区分30は、ともに形成され、基部32は、別個に形成され、これらの2つのパーツは、例えば、滑合接続を介して接続され、ヒンジ34を形成することができる。いくつかの実施形態では、基部32および中央区分30は、ともに形成され、上部区分24は、別個に形成され、これらの2つのパーツは、例えば、滑合接続を介して接続され、ヒンジ36を形成することができる。図2Cに示されるくぼみ38および40は、指が押上式蓋(それぞれ、区分24および30)を把持し、開放することができる、面積を提供する。
【0024】
図3Aおよび3Bは、それぞれ、二重押上式キャップ12の基部32の上面図および側面断面図を図示する。基部32は、突出ノズル43を備え、開口部または開口44が、それを通して形成され、それを介して日焼け止め剤58等の一次材料が、基部32が搭載される容器から分与されることができる。図3Bに示されるように、基部32は、ねじ山42と内部で螺合され、それを介して外部から螺合される容器に搭載されることができる。
【0025】
図4A-Cは、それぞれ、二重押上式キャップ12の中央区分30の底面図、上面図、および側面図を示す。中央区分30は、中央区分30が基部32に対して閉鎖位置にあるとき、基部32の突出ノズル43にわたって嵌合し、開口44を介した材料の漏出を防止する、その中に形成される陥凹46を有する。他の実施形態では、中央区分30は、中央区分が閉鎖位置にあるとき、開口44の中に挿入し、それを遮断する、プラグを備えてもよい。当業者に明白である、他の好適なシール機構も、本目的のために、中央区分30および/または基部32の中に組み込まれてもよい。中央区分30はまた、UV指示剤インク等の二次材料が含浸または浸潤され得る、スタンプ50を含有する、別の陥凹48を備える。スタンプは、ポリマー発泡体またはスポンジ状ゴムもしくは他の好適な材料から作製されることができる。これは、イメージ52等のイメージまたは設計を用いてパターン化されてもよい。図4D-Fは、それぞれ、二重押上式キャップ12の上部区分24の上面図、底面図、および側面図を示す。上部区分24は、中央区分30内の陥凹48から突出するスタンプ50にわたって嵌合し、それを収容する、陥凹54を有する。したがって、上部区分24および中央区分30は、協働し、図示される実施形態では、スタンプ50内に貯蔵されるUV指示剤インクである、二次材料を含有するために陥凹54および48によって形成される、二次チャンバ56を画定する。図示される実施形態では、陥凹48および54は、ほぼ同一寸法を有する。いくつかの実施形態では、1つの陥凹(例えば、陥凹48)内に位置する、パターン化されたスタンプと、他の陥凹(例えば、陥凹54)内に位置する、UV指示剤インクが含浸されて位置するインクパッドとが存在する。上部区分24が、閉鎖位置にあるとき、スタンプは、パッドと接触して、スタンプをインクで湿潤または装填する。いくつかの実施形態では、インクウェルが、インクパッドと流体連通するように提供されることができ、インクパッドは、図11に図示され、以下により詳細に説明されるように、スタンプをインクで湿潤または装填することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、スタンプおよび/またはインクパッドは、それらが交換または補充され得るように容易に除去可能である。いくつかの実施形態では、陥凹48および54は、異なるサイズまたは深度であって、いくつかの実施形態では、上部区分24または中央区分30のうちの1つのみ内に陥凹が存在する。
【0027】
ガスケットまたは他の好適なシール機構(図示せず)が、二次材料(UV指示剤等)が二次チャンバ56から漏出しないように、かつ二次チャンバ内のスタンプ50および/またはインクパッド(存在する場合)が乾燥しにくい傾向となるように、上部区分24が中央区分30に対して閉鎖位置にあるとき、二次チャンバ56を実質的にシールするために使用されることができる。
【0028】
図5A、5B、5C、および5Dは、異なる位置における蝶着区分を伴う、二重押上式キャップ12の図を図示する。図5Aでは、中央区分30は、基部32と係合され、上部区分24は、中央区分30と係合され、したがって、押上式蓋(区分30および24)は両方とも、閉鎖位置にある。スナップ嵌合機構または他の好適な機構も、合理的な手動での力の程度が蓋を開放するために要求され、デバイス10が使用されていないとき、それらが偶発的に開放しにくいように、使用されることができる。図5Bでは、中央区分30は、開放位置に枢動される。図5Cでは、上部区分24は、開放位置に押し上げられるか、または枢動される。図5Dでは、中央区分30および上部区分24は両方とも、開放位置に押し上げられる、または枢動される。ノズル44ならびに陥凹46、48、および54は、図5Aおよび5Cでは、点線で示される。
【0029】
図1-5に示されるような二重押上式キャップ12を有する、デバイス10の使用方法は、以下の通りである。蝶着上部区分24が、押し上げられて開放され、UV指示剤材料をその中に有する暴露されたスタンプ50が、所定量のUV指示剤を、腕、肩、または背中等の高暴露面積内の皮膚の小領域に塗布するために使用される。蝶着上部区分24は、閉鎖され、次いで、蝶着中央区分30が、上部区分24が開放された方法と反対方向にそれを押し上げることによって開放される。日焼け止め剤が、容器14内の一次チャンバから分与され、日焼け止め剤材料は、皮膚の小領域と、所望に応じて、ユーザの太陽に暴露される皮膚の他の部分とに塗布されたUV指示剤にわたって塗布される。UV指示剤は、丸いスポット等の任意の好適なマークもしくは形状として、または花、動物等の所定の設計において、塗布されてもよい。塗布されたUV指示剤は、日焼け止め剤を通したUV放射への暴露の強度および長さに基づいて、色を変化させる。デバイスは、異なる色の有意性または色飽和レベルに関する指示を含んでもよい。例えば、明るい赤色スポットは、付加的日焼け止め剤が塗布されるべきであることの警告を提供してもよい。
【0030】
上記に示されるような二重押上式キャップは、2つの蝶着区分を有する。他の好適な機構も、キャップアセンブリの種々の区分を相互に取り外し可能に取り付けるか、または締結するために使用されてもよい。キャップは、スナップ嵌合、押し込みもしくはねじ込み式区分、または取り付け機構の組み合わせを備えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、ヒンジ34および36の一方または両方は、省略され、中央区分30は、基部32に取り外し可能にスナップ嵌合し、および/または上部区分24は、中央区分30に取り外し可能にスナップ嵌合する(以下の図7に示されるように)。他の実施形態では(以下の図6に示されるように)、中央区分30は、ねじ山締結機構によって、基部32に取り外し可能に締結され、および/または上部区分24は、中央区分30に取り外し可能に締結される。一般に、ヒンジは、デバイスの使用の容易性のため、かつデバイスの構成要素をともに保つためにより便宜的である。
【0031】
したがって、図1-5に図示される二重押上式キャップ12は、単一デバイスが、相互に関連付けて使用されるために、ヒトの皮膚への塗布のための2つの材料を貯蔵および分与するために使用されることを可能にすることができる。二重押上式キャップ12は、キャップが搭載される容器14内の一次チャンバおよびキャップ12自体内の二次チャンバをシールし、そこへのアクセスを提供する便宜的方法である。二重押上式キャップは、それによって、ヒトの皮膚上での使用のための一次材料および二次材料の貯蔵および別個の分与、特に、日焼け止め剤およびUV指示剤の貯蔵および別個の分与を促進する。指示剤は、二次チャンバ内に含まれるスタンプまたは他の好適なアプリケータを使用して、皮膚に塗布されることができる。
【0032】
日焼け止め剤およびUV指示剤を貯蔵し、別個に分与するためのデバイスのいくつかの代替実施形態が、図6-11に図示される。
【0033】
図6に示される実施形態では、二重キャップアセンブリ612が、容器614(部分的にのみ図6に示される)に搭載される。二重キャップアセンブリは、基部632を備え、これは、ねじ山締結機構によって、容器614に搭載される。基部632は、日焼け止め剤を容器614から分与するためのノズル643(それを通して開口を伴う)を有する。中央区分630は、基部632上に取り外し可能にスナップ嵌合し、陥凹646が、ノズル643を収容し、容器614を閉鎖し、好ましくは、シールをノズル643内の開口にわたって形成する。上部区分624は、ねじ山締結機構によって、中央区分630上に取り外し可能に螺合する。区分624および630は、インク付きスタンプ650と、随意に、インクパッド(図示せず)とを保持する、二次チャンバを画定する。
【0034】
図7に示される実施形態では、二重キャップアセンブリ712が、容器714(部分的にのみ図7に示される)に搭載される。二重キャップアセンブリは、基部732を備え、これは、ねじ山締結機構によって、容器714に搭載される。基部732は、日焼け止め剤を容器714から分与するためのノズル743(それを通して開口を伴う)を有する。中央区分730は、基部732上に取り外し可能にスナップ嵌合し、陥凹746が、ノズル743を収容し、容器714を閉鎖し、好ましくは、シールをノズル743内の開口にわたって形成する。上部区分724は、中央区分730上にスナップ嵌合する。区分724および730は、インク付きスタンプ750と、随意に、インクパッド(図示せず)とを保持する、二次チャンバを画定する。
【0035】
図8は、ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイス800を示し、デバイス800は、その上に搭載される二重キャップアセンブリ812を有する、エアロゾルまたはポンプスプレー容器814を備える。日焼け止め剤は、二重キャップアセンブリ812を押下することによって、基部832内のノズル843を介して、容器814から分与される。二重キャップアセンブリ812はさらに、中央区分830と、上部区分824とを備える。上部区分は、上記に説明されるように、押上式蓋、ねじ込み式蓋、スナップ嵌合蓋、または同等物であることができる。中央区分830および上部区分824は、容器814内の日焼け止め剤と併用するためのUV指示剤を含有する、二次チャンバ866を画定する。中央区分は、基部832と一体的に形成されることができるか、または基部832に固定されることができるか、もしくは基部832に取り外し可能に取り付けられることができる。
【0036】
図9は、ヒトの皮膚上での使用のための2つの材料を含有し、別個に分与するためのデバイス900を示し、デバイス900は、その上に搭載されるキャップアセンブリ912を有する、エアロゾルまたはポンプスプレー容器914を備える。日焼け止め剤は、キャップアセンブリ912を押下することによって、基部932内のノズル943を介して、容器914から分与される。キャップアセンブリ912はさらに、それを介してペン990a、ブラシ990b、またはスタンプ990c等の容器/アプリケータデバイスが、基部932に取り外し可能に搭載されることができる、可撓性クリップ970を備える。容器/アプリケータデバイス990は、UV指示剤を含有し、これは、容器914内に貯蔵される日焼け止め剤と関連付けて使用するために、デバイスを使用して、ヒトの皮膚に塗布されることができる。取り外し可能なキャップ995は、使用されないとき、容器/アプリケータデバイスを閉鎖またはシールするために使用される。可撓性クリップ970は、基部932と一体的に形成されることができるか、または図9に示されるように、接着剤もしくは糊974を使用して基部932に締結されることができる。
【0037】
図10は、別の例示的実施形態による、二重押上式キャップ1112の側面図を示す。二重押上式キャップ1112は、例えば、容器14、614、714、814等の様々な容器に搭載されることができるが、これは、例証および説明を明確にするために示されていない。二重押上式キャップ1112は、概して、二重押上式キャップ12に類似するが、二重押上式キャップ1112が、部分的に中央区分1130を通して延在するインクウェル陥凹1144を含む、変形例を提供する。特に、インクウェル陥凹1144は、中央区分1130の上側表面から中央区分1130を通して延在する、陥凹1148の下方に位置する。インクウェル陥凹1144は、UV指示剤インクを受容するように定寸および成形される。このように、二次チャンバ1156は、少なくとも部分的に、上部区分1124内に配置される陥凹1154と、陥凹1148と、中央区分1130内に配置されるインクウェル陥凹1144とによって画定される。
【0038】
二重押上式キャップ1112の本実施形態では、インク浸透式UVアプリケータ1150、例えば、発泡体スタンプが、中央区分1130の陥凹1148内に位置付けられ、上側部分が、中央区分1130の陥凹1148から、上部区分1124の陥凹1154の中に外向きに突出する。インク浸透式UVアプリケータ1150の下側は、インクウェル陥凹1144に隣接して位置付けられ、インクウェル陥凹1144と流体連通する。インクウェル陥凹1144をUVアプリケータ1150と流体連通させて提供することは、UVアプリケータ1150が、使用の合間に再飽和されることを可能にし、計測された体積のインクを提供する。計測された体積のインク材料は、概して、比較的に一貫した厚さのインク層がユーザの皮膚上に堆積される結果をもたらし、これは、UV指示剤インク、例えば、フォトクロミック染料が、UV放射に暴露されると、知覚された深度の色変化に確実に寄与する。例えば、中央区分1130のリムの上方へのUVアプリケータ1150の突出は、UVアプリケータ1150の再飽和およびUVアプリケータ1150の標準化された圧縮に応じて、ほぼ類似する量のインクの堆積をもたらすことができる。
【0039】
さらに、インク浸透式UVアプリケータ1150をインクウェル陥凹1144に隣接して位置付け、その中に配置されるUV指示剤インクと流体連通させることは、インク浸透式UVアプリケータ1150の再飽和を可能にする。例えば、インクウェル陥凹1144およびインク浸透式UVアプリケータは、毛細管力が、インクウェル陥凹1144内に配置されるUV指示剤インクをインク浸透式UVアプリケータ1150に向かって引動または引出し、UVアプリケータ1150を再飽和させることを可能にするように定寸および成形される。いくつかの事例では、毛細管力を介したUVアプリケータ1150の再飽和は、重力と連動することができる。例えば、容器に結合された二重押上式キャップ1112を有する、デバイスが、上部区分1124の外部表面が水平または傾斜表面に対面または当接した状態で位置付けられると、重力が、毛細管力とともに、UV指示剤インクをUVアプリケータ1150に向かって指向または引出し、UVアプリケータ1150を再飽和させることができる。いくつかの事例では、デバイスの右側または左側が水平または傾斜表面に対面または当接するように、デバイスが水平または傾斜表面上に位置付けられると、重力が、毛細管力とともに、UV指示剤インクをUVアプリケータ1150に向かって指向または引出し、UVアプリケータ1150を再飽和させることができる。再び、このように、インクウェル陥凹1144を提供し、インクウェル陥凹1144をUVアプリケータ1150に隣接して位置付けることは、有利なことに、UVアプリケータ1150の再飽和を可能にし、これは、中央区分1130のリムの上方に延在し、ユーザの皮膚に対して圧接されるとき標準化された量だけ圧縮される(中央区分1130の上側リムとユーザの皮膚との接触が圧縮量を決定する)UVアプリケータ1150と併せて、複数の使用の間およびデバイスの寿命を通して、ユーザの皮膚上に堆積されるインク層の比較的に一貫した調量を可能にする。
【0040】
さらに、上記に説明されるインク浸透式UVアプリケータ1150は、様々なデバイス内に提供されることができる。例えば、図6に図示されるデバイス614は、中央区分内630に配置されるインクウェル陥凹を含むことができ、インクウェル陥凹内に配置されるUV指示剤インクは、UV指示剤インクを引動または引出し、UVアプリケータ1150を再飽和させる。同様に、対応する二重キャップアセンブリ712およびデバイス800の中央区分730、830もまた、インクウェル陥凹を含み、UV指示剤インクを引動または引出し、UVアプリケータ1150を再飽和させることができる。
【0041】
図11は、別の例示的実施形態による、二重押上式キャップ2112を図示する。二重押上式キャップ2112は、1つの陥凹(例えば、中央区分2030の陥凹2048)内に位置するスタンプ2050と、別の他の陥凹(例えば、上部区分2024の陥凹2054)内に位置するUV指示剤インクが含浸されたインクパッド2070とを含む、変形例を提供する。二重押上式キャップ2112はまた、UV指示剤インクを含み、インクパッド2070と流体連通する、上部区分2024内に位置する、インクウェル2071を含む。上部区分2024が閉鎖位置にあるとき、スタンプ2050は、インクパッド2070と接触して、スタンプ2050をインクで湿潤または装填する。インクウェル2071内のUV指示剤インクは、インクパッド2070を飽和または再飽和させることができる。
【0042】
詳細における多くの修正、変形例、および変更が、本発明の説明される実施形態に行われることができるため、前述の説明にあって、付随の図面に示される全ての事項が、例証的として解釈され、限定的意味ではないことが意図される。したがって、本発明の範囲は、添付の請求項およびその法的均等物によって判定されるべきである。
【0043】
上記に説明される種々の実装、実施例、および実施形態は、それぞれ、さらなる実装、実施例、および実施形態を提供するために組み合わせられることができる。それらが本明細書の具体的教示および定義と矛盾しない範囲において、本明細書で参照され、および/またはアプリケーションデータシート内に列挙される、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は全て、参照することによって本明細書に組み込まれ、限定ではないが、2016年5月18日に出願された米国仮特許出願第62/338,235号を含む。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
図11