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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】注射器
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/315 20060101AFI20220221BHJP
【FI】
A61M5/315 514
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020043041
(22)【出願日】2020-03-12
(62)【分割の表示】P 2015514516の分割
【原出願日】2013-05-30
(65)【公開番号】P2020116400
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2020-04-10
(31)【優先権主張番号】12170628.7
(32)【優先日】2012-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ブライアント,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ビュートゲン,ハインリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】パプスト,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ピッチ,マリー
【審査官】鈴木 洋昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-313369(JP,A)
【文献】国際公開第2011/006877(WO,A1)
【文献】特開2000-14779(JP,A)
【文献】特開2003-265607(JP,A)
【文献】特表2006-528044(JP,A)
【文献】特表2009-508593(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0078219(US,A1)
【文献】国際公開第2009/154107(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/125475(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/315
A61F 9/007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、ストッパと、プランジャとを備える、最終的に滅菌済みの注射器であって、前記最終的に滅菌済みの注射器は、パッケージ内に封止された製品を滅菌することにより得られ、前記本体が、一端部にある出口を備え、前記ストッパが、前記ストッパの前面と前記本体とが可変容量チャンバを画定するように前記本体内部に配置され、前記可変容量チャンバから、前記出口を通して流体を押し出すことができ、前記プランジャが、第1の端部にあるプランジャ接触面と、前記プランジャ接触面と後部との間に延在するロッドとを備え、前記プランジャ接触面が、前記ストッパに接触するが、前記ストッパに結合はしないように構成され、それにより、前記ストッパを前記本体の前記一端部に向けて押し進めて前記可変容量チャンバの前記容量を減少するために前記プランジャを使用することができるが、前記一端部から離れる向きに前記ストッパを移動させるために前記プランジャを使用することができず、前記注射器は眼科用注射に適しており、前記可変容量チャンバが、注射可能な薬剤を含み、前記注射可能な薬剤は、ラニビズマブの10mg/ml溶液、投薬体積は0.05mlまたは0.03mlであり、または、前記注射可能な薬剤は、アフリベルセプトの40mg/ml溶液、投薬体積は0.05mlであり、前記ロッドが、前記一端部とは逆向きの少なくとも1つのロッドショルダを備え、前記注射器が、前記本体の後部に配置されたバックストップを含み、前記バックストップが、前記一端部に向いたバックストップショルダを含み、前記ロッドショルダと協働して、前記バックトップショルダとロッドショルダが接触するときに前記一端部から離れる向きへの前記プランジャロッドの移動を防止する
滅菌済みの注射器。
【請求項2】
前記ストッパは、液密シールを用いて可変容量チャンバの後部を画定することによって封止機能を提供し、前記液密シールは、滅菌性シールも提供する請求項1に記載の注射器。
【請求項3】
前記ストッパに結合しない前記プランジャが、使用者が前記プランジャおよび前記プランジャに接続されたストッパを移動させること、滅菌していない空気または他の流体を前記注射器内に引き込むこと、または滅菌していない領域に前記ストッパを移動させることを防止する請求項1または2に記載の注射器。
【請求項4】
前記出口から離れる向きへの前記ロッドの移動は制約される請求項1から3のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項5】
前記ストッパは1つまたは複数の円周リブを含む請求項1から4のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項6】
前記可変容量チャンバは、3mmから6mmの内径を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項7】
前記注射器の本体の長さは、70mm未満である請求項1から6のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項8】
前記注射器は、シリコーンを含まない請求項1から7のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項9】
前記本体は、プラスチックまたはガラスからなる請求項1から8のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項10】
0.4ml以上0.6ml以下の公称最大容量を有するように寸法設定される請求項1から9のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項11】
0.5mlの公称最大充填容量を有する請求項1から10のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項12】
前記注射器は、4.5mmから4.8mmの内径を有する請求項1から11のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項13】
前記出口は、封止デバイスにより可逆的に封止される請求項1から12のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項14】
前記プランジャ接触面と前記ストッパが接触した状態で配置され、前記可変容量チャンバがその公称最大充填容量であるとき、前記ロッドショルダと前記バックストップショルダとの間に2mm以下の間隙が存在する請求項1から13のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項15】
前記ラニビズマブは、脈絡膜新生血管、加齢黄斑変性、網膜静脈分枝閉塞症(bRVO)と網膜中心静脈閉塞症(cRVO)の両方を含む、網膜静脈閉塞症(RVO)に続発する黄斑浮腫、病的近視(PM)に続発する脈絡膜新生血管、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、糖尿病性網膜症、および増殖網膜症から選択される眼病の治療のために用いられる、請求項1から14のいずれか一項に記載の注射器。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の最終的に滅菌済みの注射器を組み立てる方法であって、前記最終的に滅菌済みの注射器は、パッケージ内に封止された製品を滅菌することにより得られ、前記方法は、以下のステップ:
i)本体およびストッパを提供するステップであって、前記本体が、一端部にある出口を備え、前記ストッパが、前記ストッパの前面と前記本体とが可変容量チャンバを画定するように前記本体内部に配置され、前記可変容量チャンバから、前記出口を通して流体を押し出すことができ、前記出口が解放可能に封止され、前記可変容量チャンバが薬剤を含むステップと、
ii)第1の端部にあるプランジャ接触面と、前記プランジャ接触面と後部との間に延在するロッドとを備えるプランジャを提供し、前記プランジャを前記ストッパに結合させずに、前記プランジャ接触面と前記プランジャの少なくとも一部とを前記本体内部に配置するステップと
iii)前記本体内部に前記ストッパと前記プランジャとを配置した後に、滅菌するステップと
を含み、
前記ロッドが、前記一端部とは逆向きの少なくとも1つのロッドショルダを備え、前記注射器が、前記本体の後部に配置されたバックストップを含み、前記バックストップが、前記一端部に向いたバックストップショルダを含み、前記ロッドショルダと協働して、前記バックトップショルダとロッドショルダが接触するときに前記一端部から離れる向きへの前記プランジャロッドの移動を防止する
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射器に関し、特に、眼科用注射に適した注射器など小さい容量の注射器に
関する。また、本発明は、そのような注射器を組み立てる方法も含む。
【背景技術】
【0002】
多くの薬剤が注射器で患者に送達され、使用者は、注射器から薬剤を分注することがで
きる。薬剤が注射器で患者に提供される場合、しばしば患者または介護者が薬剤を注射す
ることが可能である。感染またはその他の患者に対する危険を回避するために、注射器お
よびその注射器の内容物が十分に滅菌されていることが、患者安全性および薬剤完全性の
面で重要である。滅菌は、典型的には関連のパッケージング内に既にある組立て済みの製
品が熱または滅菌ガスを使用して滅菌される最終滅菌によって実現することができる。
【0003】
小容量注射器、例えば約0.1ml未満の液体が注射されることが意図される眼科用注
射のための注射器に関して、滅菌は、より大きな注射器には必ずしも伴わない問題を生じ
得る。注射器の内外の圧力の変化により、注射器の一部分が予測不可能に移動することが
あり、これは、封止特性を変え、場合によっては滅菌性を損なうことがある。また、注射
器の組立てを含め、誤った取扱いは、製品滅菌性へのリスクを生じることもある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、本体と、ストッパと、プランジャとを備える注射器であって、本体が、一端部(以下、出口端部ともいう)にある出口を備え、ストッパが、ストッパの前面と本体とが可変容量チャンバを画定するように本体内部に配置され、可変容量チャンバから、出口を通して流体を押し出すことができ、プランジャが、第1 の端部にあるプランジャ接触面と、プランジャ接触面と後部との間に延在するロッドとを備え、プランジャ接触面が、ストッパに接触するが、ストッパに結合はしないように構成され、それにより、ストッパを本体の出口端部に向けて押し進めて可変容量チャンバの容量を減少するためにプランジャを使用することができるが、出口端部から離れる向きにストッパを移動させるためにプランジャを使用することができない注射器を提供する。
【0005】
ストッパに結合しないプランジャを提供することが、注射器の誤った取扱いの可能性を
減少させる。なぜなら、出口端部から離れる向きにストッパを移動させることなくプラン
ジャを注射器から引き出すことができるからである。これは、使用者が誤ってプランジャ
(したがってそこに接続されたストッパ)を移動させる、滅菌していない空気(または他
の流体)を注射器内に引き込む、または滅菌していない領域にストッパを移動させるのを
防止する。また、組立て中に、例えばねじ作用または圧入作用を使用してプランジャとス
トッパの接続を形成することは、ストッパを予測不可能な形で歪ませることがあり、これ
は、最終製品の封止および/または滅菌性を損なうことがあり、または可変容量チャンバ
内の圧力を増加させることがあり、それにより出口端部からの流体漏れが生じるおそれが
あることが分かっている。
【0006】
注射器の本体は、実質的に円筒形のシェルでよく、または非円形の外形を有する実質的
に円筒形の穴を含んでいてもよい。本体の出口端部は出口を含み、前記チャンバの容量が
減少されるときに、出口を通して、可変容量チャンバ内に収容されている流体を押し出す
ことができる。出口は、出口端部からの突出部を備えることがあり、突出部を通って、可
変容量チャンバの直径よりも小さい直径を有するチャネルが延在する。出口は、例えばル
アーロックタイプの接続によって、注射針、または可変容量チャンバを封止することが可
能な封止デバイスなど他の付属品に接続されるように適合されることがあるが、可変チャ
ンバの封止を解除して注射針など別の付属品に注射器を接続できるように操作する、また
は取り外すこともできる。そのような接続は、注射器と付属品の間で直接行うことも、封
止デバイスを介して行うこともできる。本体は、出口端部から後端部まで第1の軸に沿っ
て延在する。
【0007】
本体は、プラスチック、ガラス、または任意の他の適切な材料からなることがあり、そ
の表面に、注射の手引きとなるように印を含む。
【0008】
ストッパは、ゴム、シリコーン、または他の適切な弾性変形可能な材料から形成するこ
とができる。ストッパは、液密シールを用いて可変容量チャンバの後部を画定することに
よって封止機能を提供し、液密シールは、滅菌性シールも提供する。ストッパは、実質的
に円筒形でよく、ストッパの外面の周りに1つまたは複数の円周リブを含むことがあり、
ストッパとリブは、リブが注射器本体の内面と実質的に液密のシールを形成するように寸
法設定される。ストッパの前面は、任意の適切な形状、例えば実質的に平坦または実質的
に円錐形でよい。ストッパは、実質的に中実でよく、または凹部を含むこともある。スト
ッパの後面は、実質的に中心の凹部を含むことがあり、凹部は、ストッパの封止機能が損
なわれないという条件の下で任意の形状でよい。前記中心の凹部は、実質的に円筒形状で
よく、または前記中心の凹部は、第1の直径を有する開始穴を含むことがあり、開始穴は
、後面からストッパ内に延び、第2の直径を有する内側凹部まで通じ、第2の直径は、第
1の直径よりも大きい。そのような中心の凹部を使用して、既知のようにして、スナップ
嵌め機構を使用してプランジャをストッパに接続することができる。そのような設計は、
実質的に標準的なストッパ設計を使用できるようにし、これは、注射器に関する部品コス
トを減少させることができる。また、ストッパが必要とされるように機能するために材料
が必要とされないストッパの中央部分から材料を除去することは、ストッパの重量を減少
させ、ストッパを製造するのに必要とされる材料の量も減少させることに留意されたい。
ストッパは、ストッパを通る軸の周りで実質的に回転対称でよい。
【0009】
プランジャは、プランジャ接触面と、プランジャ接触面から後部まで延在するロッドと
を備える。後部は、注射実施中に使用者が触れるために適合された使用者接触部分を含む
ことがある。使用者接触部分は、実質的にディスク形状の部分を備えることがあり、ディ
スクの半径は、ロッドが沿って延びる軸に実質的に垂直に延在する。使用者接触部分は、
任意の適切な形状でよい。ロッドが沿って延びる軸は、第1の軸でよく、または第1の軸
と実質的に平行でよい。
【0010】
プランジャ接触面は、ストッパの後面と接触するが、後面と結合はしないように適合さ
れる。プランジャ接触面は、実質的に平坦でよく、実質的に円形でよい。プランジャ接触
面は、本体の内径よりも小さい外径を有して、実質的に円形でよい。プランジャ接触面の
直径は、プランジャ接触面が接触することになるストッパの後面の直径に実質的に等しく
てよい。プランジャ接触面は、ストッパの後面に対して実質的に回転対称の面を提供する
ように適合することができる。なぜなら、これは、使用中に、再現可能であり一様に分散
された力をストッパに提供する一助となるからであり、歪みを防止する一助となり得る。
プランジャ接触面は、平坦でなくてもよく、外縁部に、または外縁部に隣接してストッパ
に接触するために環状接触面を備えることがある。プランジャ接触面は、複数のアームを
備えることがあり、アームは、プランジャロッドから延在して、ストッパと接触する。プ
ランジャ接触面は、上記の実施形態または他の実施形態の任意のものにおいて実質的に回
転対称でよい。
【0011】
ロッドは、円形または十字形断面を有することがある。十字形断面は、ロッドの少なく
とも一部に沿って延在するリブから形成されることがある。リブは、ロッドが沿って延び
る軸と実質的に平行に延在することがある。十字形の断面は、製造の複雑さを大幅に高め
ることなく、ロッドに剛性を提供する。
【0012】
ロッドは、任意の適切な材料または材料の組合せから製造することができ、一実施形態
ではプラスチック材料から形成される。ロッドは、予想される使用条件下で実質的に剛性
でよい。プランジャ内での材料のいくらかの撓みは、バルク製造される製品では避けられ
ないが、撓みは予測不可能な投薬結果をもたらすことがあるので、特に小さい容量の正確
な注射に関しては、使用中にロッドが大幅には撓み得ないことが有利である。
【0013】
注射器は、本体の後部に配置されたバックストップを含むことができる。バックストッ
プは、注射器から取外し可能でよい。注射器本体が、出口とは反対側の端部に端部フラン
ジを含む場合、出口端部およびバックストップは、本体の端部フランジを実質的に挟持す
るように構成されることがある。なぜなら、これにより、第1の軸に平行な方向でのバッ
クストップの移動が防止されるからである。
【0014】
ロッドは、出口端部とは逆向きの少なくとも1つのロッドショルダを備えることがあり
、バックストップは、出口端部に向いたバックストップショルダを含むことがあり、ロッ
ドショルダと協働して、バックトップショルダとロッドショルダが接触するときに出口端
部から離れる向きへのロッドの移動を実質的に防止する。出口端部から離れる向きへのロ
ッドの移動の制約は、最終滅菌操作中、または可変容量チャンバ内部またはチャンバ外部
の圧力が変わることがある他の操作中に滅菌性を維持する一助となり得る。そのような操
作中、可変容量チャンバ内部に捕捉された任意のガス、または可変容量チャンバ内の液体
中に生じることがある泡が容量を変え、それによりストッパを移動させることがある。出
口から離れる向きへのストッパの移動は、ストッパによって形成される滅菌性区域の破壊
をもたらすことがある。これは、構成要素サイズの公差がかなり小さく、ストッパの融通
性がより低い、小容量注射器に特に重要である。本明細書で使用するとき、用語「滅菌性
区域」は、注射器の両端部からのアクセスからストッパによって封止された注射器内部の
領域を表す。これは、ストッパのシール、例えば出口に最も近い円周方向リッジと、スト
ッパのシール、例えば出口から最も遠い円周方向リッジとの間の領域であり得る。ストッ
パが滅菌性環境内で注射器筒体内に設置されるので、これら2つのシール間の距離がスト
ッパの滅菌性区域を画定する。
【0015】
上述したように、最終滅菌プロセスを使用して物品全体を滅菌することができ、そのよ
うなプロセスは、エチレンオキシドまたは過酸化水素滅菌プロセスなど既知のプロセスを
使用することができる。
【0016】
ストッパ上に1つまたは複数の円周リブを含むことで、ストッパを静止位置から移動さ
せるのに必要な力を変えることができ、また、ストッパの封止特性を変えることもできる
。上述した操作中に滅菌性を維持するさらなる一助となるように、ストッパは、少なくと
も前側円周リブと後側円周リブを備えることができ、それらのリブは、少なくとも3mm
、少なくとも3.5mm、少なくとも3.75mm、または4mm以上、第1の軸に沿っ
た方向で離隔されることがある。前側リブと後側リブとの間に、1つまたは複数の追加の
リブ(例えば、2、3、4、または5個の追加のリブ、または1~10個、2~8個、3
~6個、または4~5個の追加のリブ)が配置されることもある。一実施形態では、合計
で3つの円周リブが存在する。
【0017】
また、そのような滅菌性が向上した区域を有するストッパは、最終滅菌プロセス中に注
射可能な薬剤を保護することもできる。いくつかの薬剤、例えば生物学的薬剤は、エチレ
ンオキシドへの露出によって損なわれることがある。ストッパ上のより多くのリブ、また
は前側リブと後側リブとの間のより大きな距離は、滅菌剤への薬剤の露出の可能性を減少
させることができる。
【0018】
ロッドショルダはロッドの外径の内側に配置されることがあり、またはロッドの外径の
外側に配置されることもある。ロッドの外径を越えて広がるが、それでも本体内部に嵌ま
るショルダを提供することによって、ショルダは、第1の軸に垂直なロッドの移動を減少
させることにより、本体内部のロッドの移動を安定させる一助となり得る。ロッドショル
ダは、ロッド上に任意の適切なショルダ形成要素を備えることができるが、一実施形態で
は、ロッドショルダは、ロッド上に実質的にディスク形状の部分を備える。
【0019】
注射器の一実施形態では、プランジャ接触面とストッパが接触した状態で配置され、可
変容量チャンバがその所期の最大容量であるとき、ロッドショルダとバックストップショ
ルダとの間に約2mm以下のギャップ(gap)が存在する。いくつかの実施形態では約1.5mm未満、またいくつかの実施形態では約1mm未満のギャップが存在する。この距離は、(出口端部から離れる向きへの)ストッパの余剰の後方移動を実質的に制限または防止するように選択される。
【0020】
一実施形態では、可変容量チャンバは、3mmまたは4mmよりも大きく、5mmまた
は6mm未満の内径を有する。内径は、3mm~6mmの間、または4mm~5mmの間
でよい。別の実施形態では、注射器は、約0.25ml~0.75mlの間、または0.
4ml~0.6mlの間の容量の公称最大充填容量を有するように寸法設定される。注射
器の本体の長さは、70mm未満、60mm未満、または50mm未満でよい。一実施形
態では、注射器本体の長さは、45mm~50mmの間であり、内径は、4mm~5mm
の間であり、充填容量は、液体に関して0.1ml~0.3mlの間である。
【0021】
一実施形態では、注射器は、眼科用注射に適しており、したがって適切に小さい容量を
有する。注射器は、眼科用注射に適合されることがある。また、注射器は、シリコーンを
含まない、または実質的にシリコーンを含まないことがあり、または潤滑剤として少量の
シリコーンを含むことがある。一実施形態では、注射器は、USP789に適合すること
がある。
【0022】
注射器の可変容量チャンバには、任意の適切な注射可能な液体または薬物、例えば注射
可能な薬剤を充填することができる。一実施形態では、可変容量チャンバが、眼病の治療
に適した活性剤を含む注射可能な薬剤を充填される。そのような眼病の例は、脈絡膜新生
血管、加齢黄斑変性(滲出型と萎縮型の両方)、網膜静脈閉塞症(RVO)に続発する黄
斑浮腫(網膜静脈分枝閉塞症(bRVO)と網膜中心静脈閉塞症(cRVO)の両方を含
む)、病的近視(PM)に続発する脈絡膜新生血管、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、糖尿
病性網膜症、および増殖網膜症を含む。一実施形態では、薬剤は、生物学的活性物質を含
む。生物学的活性物質は、抗体(もしくは抗体のフラグメント)または非抗体タンパク質
でよい。一実施形態では、薬剤は、VEGF拮抗薬を含む。適切なVEGF拮抗薬として
は、ラニビズマブ(ルセンティス(商標))、ベバシズマブ(アバスチン(商標))、ア
フリベルセプト(アイリーア(商標)、VEGF-Trap Eye(アフリベルセプト
硝子体内注射液)としても知られている)、コンベルセプト(conbercept)(
参照により本明細書に組み込む国際公開第2005/121176号にFP3として述べ
られているChengdu Kanghong Biotechnologies Co
.LtdからのKH902)、および関連の糖型KH906またはパゾパニブ(Glax
oSmithKlineからのもの)が挙げられる。
【0023】
一実施形態では、注射器は、約0.01ml~約2ml(例えば、約0.05ml~約
1mlの間、約0.1ml~約0.5mlの間)の注射可能な薬剤を充填される。当然、
典型的には、注射器は、患者に投与すべき所要投薬量よりも多く充填されて、注射器およ
び注射針内部の「デッドスペース」による損失を考慮に入れる。したがって、一実施形態
では、注射器は、約0.01ml~約2ml(例えば、約0.05ml~約1mlの間、
約0.1ml~約0.5mlの間)の注射可能な薬剤の投薬体積(すなわち、患者に送達
することを意図された薬剤の体積)を充填される。例えば、ルセンティスに関して、投薬
体積は、10mg/mlの注射可能な薬剤溶液について0.05mlまたは0.03ml
(0.5mgまたは0.3mg)であり、アイリーアに関して、投薬体積は、40mg/
mlの注射可能な薬剤溶液について0.05mlである。
【0024】
上述したように、注射器が薬剤溶液を含むとき、出口は、薬剤の滅菌性を保つために可
逆的に封止されることがある。この封止は、当技術分野で知られている封止デバイスの使
用により実現することができる。例えば、Vetter Pharma Interna
tional GmbHから市販されているOVS(商標)システムである。出口の封止
は、ストッパが移動されて滅菌性シールを破壊する時点または出口が封止解除される時点
まで、可変容量チャンバの内容物の滅菌性を維持することができるようなものにすべきで
ある。
【0025】
ストッパと結合していないプランジャを提供することによって、新規の組立て方法が可
能になり、したがって、本発明は、さらに、注射器を組み立てる方法であって、
i)本体およびストッパを提供するステップであって、本体が、出口端部にある出口を
備え、ストッパが、ストッパの前面と本体とが可変容量チャンバを画定するように本体内
部に配置され、可変容量チャンバから、出口を通して流体を押し出すことができ、出口が
解放可能に封止され、可変容量チャンバが薬剤を含むステップと、
ii)第1の端部にあるプランジャ接触面と、プランジャ接触面と後部との間に延在す
るロッドとを備えるプランジャを提供し、プランジャをストッパに結合させずに、プラン
ジャ接触面とプランジャの少なくとも一部とを本体内部に配置するステップと
を含む方法を提供する。
【0026】
この方法は、注射器の可変容量チャンバを充填する追加のステップ、すなわちステップ
iii)をさらに含むことがあり、注射器には、任意の適切な注射可能な薬剤を充填する
ことができる。一実施形態では、可変容量チャンバが、眼病の治療に適した注射可能な薬
剤を充填される。そのような眼病の例は、脈絡膜新生血管、加齢黄斑変性(滲出型と萎縮
型の両方)、網膜静脈閉塞症(RVO)に続発する黄斑浮腫(網膜静脈分枝閉塞症(bR
VO)と網膜中心静脈閉塞症(cRVO)の両方を含む)、病的近視(PM)に続発する
脈絡膜新生血管、糖尿病性黄斑浮腫(DME)、糖尿病性網膜症、および増殖網膜症を含
む。一実施形態では、薬剤は、生物学的活性物質を含む。生物学的活性物質は、抗体(も
しくは抗体のフラグメント)または非抗体タンパク質でよい。一実施形態では、薬剤は、
VEGF拮抗薬を含む。適切なVEGF拮抗薬としては、ラニビズマブ(ルセンティス(
商標))、ベバシズマブ(アバスチン(商標))、アフリベルセプト(アイリーア(商標
)、VEGF-Trap Eye(アフリベルセプト硝子体内注射液)としても知られて
いる)、コンベルセプト(conbercept)(参照により本明細書に組み込む国際
公開第2005/121176号にFP3として述べられているChengdu Kan
ghong Biotechnologies Co.LtdからのKH902)、およ
び関連の糖型KH906またはパゾパニブ(GlaxoSmithKlineからのもの
)が挙げられる。
【0027】
上のステップii)とiii)は、いずれの順序で行われてもよいことに留意すべきで
ある。したがって、この方法は、順に、ステップi)、ii)、iii)、またはステッ
プi)、iii)、ii)、またはステップiii)、i)、ii)を含むことがある。
【0028】
この方法は、組み立てられた注射器を、実質的に封止されたパッケージ内にパッケージ
ングするステップiv)をさらに含むことがある。この方法は、パッケージング後の最終
滅菌ステップ、すなわちステップv)をさらに含むことがある。最終滅菌ステップは、過
酸化水素滅菌またはエチレンオキシド滅菌など既知の技法を含むことがある。
【0029】
また、本発明は、実質的に本明細書で述べるような予め充填された滅菌済みの注射器を
含む封止パッケージも含む。
【0030】
ロッドが、上述したようにロッドショルダを備え、注射器が、上述したように取外し可
能なバックストップを含む場合、バックストップは、プランジャが本体内に配置された後
に注射器本体に結合されることがあり、ロッドショルダは、出口端部とバックストップシ
ョルダとの間に配置される。バックストップがデバイスに結合されるときに出口端部とバ
ックストップショルダとの間にロッドショルダが配置されることを保証することによって
、バックストップを注射器に結合した後にバックストップショルダを超えてロッドショル
ダが移動できるようにするための複雑なメカニズムが不要になる。
【0031】
一実施形態では、ステップi)およびiii)は、滅菌性または実質的に滅菌性の環境
で行われる。充填ステップと、最終アセンブリがパッケージ内に封止されるステップとの
間のある時点で、注射器は、滅菌性または実質的に滅菌性の環境から取り出される。次い
で、パッケージングされた製品に対して最終滅菌ステップを行うことができる。
【0032】
この方法の一実施形態では、プランジャロッドは、注射器本体内に落下される。これは
単純な操作であり、自動組立て機器を使用せずに、重力を利用する。ロッドがストッパと
結合するために操作される、または力を加えられる必要がないので、これは重力の利用が
可能になる。
【0033】
また、本発明は、上述した注射器または方法で使用するのに適したプランジャを提供す
る。
【0034】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通じて、文脈上別段の解釈を必要としない限り
、語「備える」またはその活用形は、指定の整数もしくはステップ、または整数もしくは
ステップのグループの包含を示唆することを理解すべきである。用語「備える」は、「含
む」および「からなる」を包含する。例えば、Xを「備える」組成は、Xのみからなって
いても、またはなんらかの追加を含んでいてもよい(例えば、X+Y)。また、物理的に
不可能でない限り、一実施形態に関連して述べた特徴を単独で使用することも、同じ実施
形態あるいは1つまたは複数の他の実施形態に関連して述べた1つまたは複数の特徴と組
み合わせて使用することもできることを理解すべきである。数値xに関する用語「約」は
、任意選択であり、例えば、x±10%を意味する。
【0035】
次に、以下の図面を参照して、単に例として本発明をさらに述べる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】注射器の側面図である。
図2】注射器の上面断面図である。
図3】プランジャを示す図である。
図4】プランジャを通る断面図である。
図5】ストッパを示す図である。
図6】組立てプロセスの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本体2と、プランジャ4と、バックストップ6と、封止デバイス8とを備える
注射器1の側面図を示す。
【0038】
図2は、図1の注射器1を通る上からの断面を示す。注射器1は、眼科用注射での使用
に適している。注射器1は、本体2と、ストッパ10と、プランジャ4とを備える。注射
器1は、第1の軸Aに沿って延在する。本体2は、出口端部14に出口12を備え、スト
ッパ10は、ストッパ10の前面16と本体2とが可変容量チャンバ18を画定するよう
に本体2内部に配置される。可変容量チャンバ18は、ラニビズマブを含む注射可能な薬
剤20を含む。注射可能な流体20は、ストッパ10を出口端部14に向けて移動させ、
それにより可変容量チャンバ18の容量を減少させることによって、出口12を通して押
し出すことができる。プランジャ4は、第1の端部24にあるプランジャ接触面22と、
プランジャ接触面22と後部25との間に延在するロッド26とを備える。プランジャ接
触面22は、ストッパ10に接触するが、ストッパ10に結合はしないように構成され、
したがって、ストッパ10を本体2の出口端部14に向けて移動させるためにプランジャ
4を使用することができる。そのような移動は、可変容量チャンバ18の容量を減少させ
、出口を通してチャンバ内部の流体を押し出す。しかし、プランジャ4がストッパ10に
結合されないので、出口端部14から離れる向きにストッパ10を移動させるためにプラ
ンジャ4を使用することは可能でない。
【0039】
バックストップ6は、本体2の端部フランジ28に結合することによって、本体2に取
り付けられる。バックストップ6は、挟持部分30を含み、挟持部分30は、本体2の端
部フランジ28の少なくともいくらかを実質的に挟持するように適合される。バックスト
ップ6は、バックストップ6を注射器2に嵌めることができるようにバックストップ6の
片側を開いておくことによって、側方から本体2に結合されるように適合される。
【0040】
本体2は、穴半径を有する実質的に円筒形の穴36を画定する。ロッド26は、出口端
部14とは逆向きのロッドショルダ32を備える。ロッドショルダ32は、第1の軸Aか
らロッドショルダ半径まで広がり、このロッドショルダ半径は、穴36内部にショルダが
嵌まるように、穴半径よりもわずかに小さい。バックストップ6は、出口端部14に向い
たバックストップショルダ34を含む。ショルダ32、34は、バックストップショルダ
34とロッドショルダ32が接触するときに、出口端部14から離れる向きへのロッド2
6の移動を実質的に防止するように協働するように構成される。バックストップショルダ
34は、穴半径外から、ロッドショルダ半径よりも小さい半径まで広がり、したがって、
ロッドショルダ32は、第1の軸Aに沿って移動することによってバックストップショル
ダ34を通ることができない。この場合、ロッドショルダ32は、実質的にディスクまた
はリング形状であり、バックストップショルダ34は、本体2の後端部38の周りの円弧
状部分を含む。
【0041】
また、バックストップ6は、2つのフィンガ突出部40を含み、これら2つのフィンガ
突出部40は、使用中に注射器1を手で取り扱いやすくするために、第1の軸Aと実質的
に垂直であり本体2から離れる方向に互いに逆向きに延在する。
【0042】
この例では、注射器は、0.5mlの本体2、すなわち約0.5mlの公称最大充填容
量を有する本体を備え、ラニビズマブを含む注射可能な溶液を10mg/mlで含む約0
.1~0.3mlの間の注射可能な薬剤20を充填される。注射器本体2は、約4.5m
m~4.8mmの間の内径と、約45mm~50mmの間の長さとを有する。
【0043】
さらなる図面を参照して、プランジャ4およびストッパ10をより詳細に述べる。
【0044】
図3は、図1のプランジャ4の斜視図を示し、プランジャ4の第1の端部24にあるプ
ランジャ接触面22を示す。ロッド26は、第1の端部24から後部25まで延在する。
後部25は、使用者がデバイスを取り扱いやすくするために、ディスク形状のフランジ4
2を含む。フランジ42は、使用者が触れるために、ロッド26の露出した端部よりも大
きい表面積を提供する。
【0045】
ロッド26は、ロッド26に沿って延在するリブ44を備え、リブは、さらなる図でよ
り詳細に示されるように、ロッド26に関する十字形の断面を形成する。ロッド26は、
ディスク形状部分46を備え、ディスク形状部分46は、リブ44を越えて半径方向に延
在し、またロッドショルダ32を形成する。
【0046】
リブ44は、実質的に中実でよく、または隙間48を含んでいてもよい。ディスク部分
46は、中実でよく、または隙間50を含んでいてもよい。隙間48、50を使用して、
滅菌または他の目的に必要な場合には、本体2内部へのガス流を促進することができる。
【0047】
図4は、注射器本体2およびロッド26を通る断面を示す。ロッド26は、4つの長手
方向リブ44を含み、リブ間の角度は90°である。
【0048】
図5は、ストッパ10の詳細図を示し、円錐形状の前面16と、実質的に円筒形の本体
58の周りの3つの円周リブ52、54、56とを示す。最初のリブ52と最後のリブ5
6との間の軸方向間隙は、約3mmである。ストッパ10の後面60は、実質的に中心の
凹部62を含む。中心の凹部62は、第1の直径を有する開始穴64を含む。開始穴64
は、後面60からストッパ10内に延び、第2の直径を有する内側凹部66に通じ、第2
の直径は、第1の直径よりも大きい。
【0049】
図6は、注射器1の組立てに関する流れ図を示す。ステップ1で、予め充填された本体
2が提供される。予め充填された本体は、ラニビズマブを含む注射可能な薬剤20を充填
された本体2を備えるが、追加または代替として他の薬剤を使用することもでき、あるい
はプラシーボ溶液を使用することもできる。ストッパ10は、本体2内に配置されて可変
容量チャンバ18を形成し、出口12は、封止デバイス8で封止される。
【0050】
ステップ2で、プランジャ4が本体2内に配置される。一実施形態では、プランジャ4
は、本体2内に落下される。これは重力のみによるものでよく、あるいは、機械を使用し
て、または手作業で本体2内にプランジャを配置し、次いで本体の向きを変えて、プラン
ジャ接触面22がストッパ10と接触するまでプランジャ4を本体2内に落下させること
もできる。
【0051】
ステップ3で、バックストップ6が本体の端部フランジ28と結合される。バックスト
ップ6およびロッドは、ロッドショルダ32が本体の出口端部とバックストップショルダ
34との間に位置されるように配置される。
【0052】
ステップ4で、注射器がパッケージ内に封止され、ステップ5で、パッケージおよびそ
の内容物が最終滅菌プロセスで滅菌される。最終滅菌プロセスは、エチレンオキシドまた
は過酸化水素滅菌プロセスなど既知のプロセスを使用することができる。
【0053】
本発明は、単に例として上述されており、特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく詳細に修正を施すことができることを理解すべきである。
本発明は、以下の発明を含む。
[発明1]
本体と、ストッパと、プランジャとを備える注射器であって、前記本体が、前記本体の一端部にある出口を備え、前記ストッパが、前記ストッパの前面と前記本体とが可変容量チャンバを画定するように前記本体内部に配置され、前記可変容量チャンバから、前記出口を通して流体を押し出すことができ、前記プランジャが、第1の端部にあるプランジャ接触面と、前記プランジャ接触面と後部との間に延在するロッドとを備え、前記プランジャ接触面が、前記ストッパに接触するが、前記ストッパに結合はしないように構成され、それにより、前記ストッパを前記本体の前記出口端部に向けて押し進めて前記可変容量チャンバの前記容量を減少するために前記プランジャを使用することができるが、前記出口端部から離れる向きに前記ストッパを移動させるために前記プランジャを使用することができない注射器。
[発明2]
前記プランジャ接触面が、平坦なディスクであり、前記プランジャ接触面が、前記ストッパの後面に接触する発明1に記載の注射器。
[発明3]
前記ロッドが、前記出口端部とは逆向きの少なくとも1つのロッドショルダを備え、前記注射器が、前記本体の後部に配置されたバックストップを含み、前記バックストップが、前記出口端部に向いたバックストップショルダを含み、前記ロッドショルダと協働して、前記バックトップショルダとロッドショルダが接触するときに前記出口端部から離れる向きへの前記プランジャロッドの移動を防止する発明1または2に記載の注射器。
[発明4]
前記ロッドショルダが、前記ロッドの前記外径の内側に配置される発明1から3のいずれか一項に記載の注射器。
[発明5]
前記ロッドショルダが、前記ロッド上でディスク形状の部分を備える発明1から4のいずれか一項に記載の注射器。
[発明6]
前記バックストップが、前記注射器から取外し可能である発明3から5のいずれか一項に記載の注射器。
[発明7]
前記バックストップが、前記本体の端部フランジを挟持するように構成される発明6に記載の注射器。
[発明8]
前記プランジャ接触面と前記ストッパが接触した状態で配置され、前記可変容量チャンバがその所期の最大容量であるとき、前記ロッドショルダと前記バックストップショルダとの間に2mm以下のギャップが存在する発明3から7のいずれか一項に記載の注射器。
[発明9]
前記可変容量チャンバが、4mm以上5mm以下の内径を有する発明1から8のいずれか一項に記載の注射器。
[発明10]
0.4ml以上0.6ml以下の公称最大容量を有するように寸法設定される発明1から9のいずれか一項に記載の注射器。
[発明11]
前記注射器が、眼科用注射器であり、前記可変容量チャンバが、眼病の治療に適した薬剤を含む注射可能な薬剤で充填され、前記出口が可逆的に封止される発明1から10のいずれか一項に記載の注射器。
[発明12]
封止パッケージと、発明1から11のいずれか一項に記載の滅菌済み注射器とを備える注射器パック。
[発明13]
注射器を組み立てる方法であって、
i)本体およびストッパを提供するステップであって、前記本体が、前記本体の一端部にある出口を備え、前記ストッパが、前記ストッパの前面と前記本体とが可変容量チャンバを画定するように前記本体内部に配置され、前記可変容量チャンバから、前記出口を通して流体を押し出すことができ、前記出口が解放可能に封止され、前記可変容量チャンバが薬剤を含むステップと、
ii)第1の端部にあるプランジャ接触面と、前記プランジャ接触面と後部との間に延在するロッドとを備えるプランジャを提供し、前記プランジャを前記ストッパに結合させずに、前記プランジャ接触面と前記プランジャの少なくとも一部とを前記本体内部に配置するステップと
を含む方法。
[発明14]
前記可変容量チャンバが、眼病の治療に適した薬剤を含む注射可能な薬剤を含む発明13に記載の方法。
[発明15]
前記ロッドが、前記プランジャ接触面とは逆向きの少なくとも1つのロッドショルダを備え、バックストップが提供され、前記バックストップが、前記出口端部に向いたバックストップショルダを含み、前記バックストップが、前記プランジャが前記本体内に配置された後に前記注射器本体に結合され、前記ロッドショルダが、前記出口端部と前記バックストップショルダとの間に配置される発明13または14に記載の方法。
[発明16]
前記プランジャロッドが、前記注射器本体内に落下される発明13から15のいずれか一項に記載の方法。
[発明17]
発明1から11のいずれか一項に記載の注射器または発明13から16のいずれか一項に記載の方法で使用されるプランジャ。
【符号の説明】
【0054】
1 注射器
2 本体
4 プランジャ
6 バックストップ
8 封止デバイス
10 ストッパ
12 出口
14 出口端部
16 前面
18 可変容量チャンバ
20 薬剤
22 プランジャ接触面
24 第1の端部
25 後部
26 ロッド
28 端部フランジ
30 挟持部分
32 ロッドショルダ
34 バックストップショルダ
36 穴
38 後端部
40 フィンガ突出部
42 フランジ
44 リブ
46 ディスク形状部分
48 隙間
50 隙間
52 円周リブ
54 円周リブ
56 円周リブ
58 本体
60 後面
62 中心の凹部
64 開始穴
66 内側凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6