(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】無線通信装置及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04B 5/00 20060101AFI20220221BHJP
B61B 1/02 20060101ALI20220221BHJP
【FI】
H04B5/00 A
B61B1/02
(21)【出願番号】P 2017057561
(22)【出願日】2017-03-23
【審査請求日】2020-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水沼 正文
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 誉之
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-054406(JP,A)
【文献】特開平09-035547(JP,A)
【文献】特開平11-335070(JP,A)
【文献】実開昭48-044498(JP,U)
【文献】特開2007-060061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 5/00-5/06
B61B 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口部を有する第1の電波遮蔽部材に収容されたケーブル型アンテナを有する第1の無線通信装置と
、
各々が前記第1の開口部と対向する位置に第2の開口部を有する第2の電波遮蔽部材内に配置されたアンテナを有する
複数の第2の無線通信装置と
を備え
、
前記ケーブル型アンテナは、プラットホームの下の線路に沿った一方の側から他方の側に至る領域内に、前記第1の開口部が上となるように配置された前記第1の電波遮蔽部材に収容されており、
複数の前記第2の無線通信装置の各々のアンテナは、前記ケーブル型アンテナと前記プラットホームを挟んで対向する前記プラットホーム上の位置に、前記第2の開口部が下となるように配置された前記第2の電波遮蔽部材内に配置されており、
前記第2の電波遮蔽部材は、前記プラットホーム上に配置されたホームドアの筐体であり、前記第2の開口部は、前記ホームドアの筐体の底面に設けられている
無線通信システム。
【請求項2】
第1の開口部を有する第1の電波遮蔽部材に収容されたケーブル型アンテナを有する第1の無線通信装置と
、
各々が前記第1の開口部と対向する位置に第2の開口部を有する第2の電波遮蔽部材内に配置されたアンテナを有する
複数の第2の無線通信装置と
を備え
、
前記ケーブル型アンテナは、前記第1の開口部が下となるようにプラットホームの上方に設けられた天井に配置された前記第1の電波遮蔽部材に収容されており、
複数の前記第2の無線通信装置の各々のアンテナは、前記ケーブル型アンテナと対向する前記プラットホーム上の位置に配置された前記第2の電波遮蔽部材内に配置されており、
前記第2の電波遮蔽部材は、前記プラットホーム上に配置されたホームドアの筐体であり、前記第2の開口部は、前記ホームドアの筐体の上面に設けられている
無線通信システム。
【請求項3】
前記第1の無線通信装置は、前記第1の開口部を塞ぐ電波を遮蔽しないカバーを有する
請求項
1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の無線通信装置は、前記第2の開口部を塞ぐ電波を遮蔽しないカバーを有する
請求項1
乃至3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
広いエリアに散在する複数の通信装置を無線通信によりネットワークに接続させる場合、アクセスポイントのアンテナから遠い位置に配置される通信装置とアクセスポイントとの間で送受信される電波の強度が不足する場合がある。電波強度の不足が生じないように通信装置が散在するエリア内に複数のアクセスポイントを配置すれば、アクセスポイント間で送受信する電波の干渉が生じる等の問題がある。
【0003】
上記の問題を解決する一手段として、ケーブル型アンテナを用いる技術が提案されている。現在、実用化されているケーブル型アンテナとしては、漏洩同軸ケーブルが知られている。
【0004】
通常の同軸ケーブルは、中心部に配置される棒状の導体(以下、中心導体という)と、中心導体の周りを被う絶縁体と、絶縁体の周りを被う導体(以下、外部導体という)と、外部導体の周りを被う保護被覆を備える。漏洩同軸ケーブルは、通常の同軸ケーブルが備える外部導体にスロット(又はスリット)と呼ばれる孔を一定間隔で設けた構造をしている。
【0005】
漏洩同軸ケーブルを無線通信のアンテナとして用いると、漏洩同軸ケーブルの複数のスロットの各々において電波の送受信を行うことが可能となる。すなわち、アンテナとして無線通信装置に接続した漏洩同軸ケーブルは、一定間隔で配置された多数のアンテナの役割を果たす。
【0006】
漏洩同軸ケーブルを用いた技術を開示する特許文献として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、サービス提供エリアに配線した漏洩同軸ケーブルを有線ネットワークに接続することで、漏洩同軸ケーブルの近傍の極めて狭い範囲に無線通信サービスを提供する仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
エリア内に配置された通信装置が、当該エリア内に配置されたケーブル型アンテナに接続された通信装置との間で無線通信を行う場合、ケーブル型アンテナの周囲に電波を発する装置があると、当該装置が発する電波によってケーブル型アンテナの送受信する電波が干渉を受けて、エリア内に配置されている通信装置間の通信の速度が低下する場合がある。特に、エリア内を人が往来するような場合、往来する人が携帯するスマートフォン等が発する電波の干渉を受けて、エリア内に配置されている通信装置間の通信速度が安定しない場合がある。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑み、ケーブル型アンテナを用いた無線通信における通信速度の安定を確保する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、第1の開口部を有する第1の電波遮蔽部材に収容されたケーブル型アンテナを有する第1の無線通信装置と、各々が前記第1の開口部と対向する位置に第2の開口部を有する第2の電波遮蔽部材内に配置されたアンテナを有する複数の第2の無線通信装置とを備え、前記ケーブル型アンテナは、プラットホームの下の線路に沿った一方の側から他方の側に至る領域内に、前記第1の開口部が上となるように配置された前記第1の電波遮蔽部材に収容されており、複数の前記第2の無線通信装置の各々のアンテナは、前記ケーブル型アンテナと前記プラットホームを挟んで対向する前記プラットホーム上の位置に、前記第2の開口部が下となるように配置された前記第2の電波遮蔽部材内に配置されており、前記第2の電波遮蔽部材は、前記プラットホーム上に配置されたホームドアの筐体であり、前記第2の開口部は、前記ホームドアの筐体の底面に設けられている無線通信システムを第1の態様として提供する。
【0011】
上記の第1の態様に係る無線通信システムによれば、第1の電波遮蔽部材及び第2の電波遮蔽部材によって、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置の間で送受信される電波と周囲の電波との干渉が低減される。その結果、ケーブル型アンテナを用いた無線通信における通信速度の安定が確保される。また、第1の無線通信装置とプラットホーム上に配置されたホームドアとの間で行われる無線通信における通信速度の安定が確保される。その際、ケーブル型アンテナがプラットホームの上を通行する人の邪魔にならない。
【0012】
また、本発明は、第1の開口部を有する第1の電波遮蔽部材に収容されたケーブル型アンテナを有する第1の無線通信装置と、各々が前記第1の開口部と対向する位置に第2の開口部を有する第2の電波遮蔽部材内に配置されたアンテナを有する複数の第2の無線通信装置とを備え、前記ケーブル型アンテナは、前記第1の開口部が下となるようにプラットホームの上方に設けられた天井に配置された前記第1の電波遮蔽部材に収容されており、複数の前記第2の無線通信装置の各々のアンテナは、前記ケーブル型アンテナと対向する前記プラットホーム上の位置に配置された前記第2の電波遮蔽部材内に配置されており、前記第2の電波遮蔽部材は、前記プラットホーム上に配置されたホームドアの筐体であり、前記第2の開口部は、前記ホームドアの筐体の上面に設けられている無線通信システムを第2の態様として提供する。
【0013】
上記の第2の態様に係る無線通信装置によれば、第1の電波遮蔽部材及び第2の電波遮蔽部材によって、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置の間で送受信される電波と周囲の電波との干渉が低減される。その結果、ケーブル型アンテナを用いた無線通信における通信速度の安定が確保される。
【0014】
上記の第1又は第2の態様に係る無線通信装置において、前記第1の無線通信装置は、前記第1の開口部を塞ぐ電波を遮蔽しないカバーを有する、という構成が第3の態様として採用されてもよい。
【0015】
上記の第3の態様に係る無線通信装置によれば、電波遮蔽部材の開口部が下方に開口する場合であっても、ケーブル型アンテナの配置が可能である。
【0016】
上記の第1乃至第3のいずれかの態様に係る無線通信装置において、前記第2の開口部を塞ぐ電波を遮蔽しないカバーを有する、という構成が第4の態様として採用されてもよい。
【0017】
上記の第4の態様に係る無線通信装置によれば、第2の無線通信装置が配置された第2の電波遮蔽部材内への粉塵等の侵入が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】一実施形態に係る無線通信システムの構成を示した図。
【
図2】一実施形態に係る無線通信システムの構成を示した図。
【
図3】一実施形態に係る電波遮蔽部材及びカバーの斜視図。
【
図4】一変形例に係る無線通信システムの構成を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態に係る無線通信システム1を説明する。
図1及び
図2は、駅のプラットホームに配置された無線通信システム1の構成を示した図である。
図1は平面図であり、
図2は
図1に示すA-A線における断面図である。ただし、
図1及び
図2において、プラットホームやホームドア等の構成のうち無線通信システム1の説明に不要な部分は図示を省略している。
【0022】
無線通信システム1は、無線アクセスポイントの役割を果たす無線通信装置11(第1の無線通信装置の一例)と、無線通信装置11を介して上位装置2との間で通信を行う1以上の無線通信装置12-1、12-2、・・・、12-n(ただし、nは任意の自然数)(第2の無線通信装置の一例)を備える。以下、無線通信装置12-1、12-2、・・・、12-nを無線通信装置12と総称する。
【0023】
無線通信装置12-1、12-2、・・・、12-nは、プラットホームPの線路L側の縁辺に沿って配置されたホームドアG-1、G-2、・・・、G-nが備える無線通信装置である。以下、ホームドアG-1、G-2、・・・、G-nをホームドアGと総称する。
【0024】
なお、本願においてホームドアは、プラットホームと線路L側の空間の間の人の往来を規制する状態と当該規制が解除された状態を切替可能な装置を意味する。すなわち、ホームドアには、ホーム柵等の他の名称で呼ばれる装置も本願におけるホームドアに含まれる。また、ホームドアが人の往来を規制する規制部材は、板状のもの、ロープ状のもの等のいずれであってもよい。従って、ロープ昇降式ドア等の名称で呼ばれる装置もまた、本願におけるホームドアに含まれる。
【0025】
ホームドアGは、無線通信装置12を用いて、上位装置2に対しドアの開閉状態等の状態を通知したり、上位装置2からドアの開閉等の指示を受けたりする。
【0026】
無線通信装置12は、無線通信の制御を行う制御ユニット121と、制御ユニット121の制御下で電波の送受信を行うアンテナ122と、アンテナ122を被う電波遮蔽部材123(第2の電波遮蔽部材の一例)と、電波遮蔽部材123が有する開口部O2(第2の開口部の一例)を塞ぐ電波を遮蔽しないカバー124を備える。
【0027】
本実施形態において、電波遮蔽部材123はホームドアGの筐体である。ただし、ホームドアGの筐体が電波を遮蔽しない場合、電波遮蔽部材123がホームドアGの筐体と別の部材として構成されてもよい。電波遮蔽部材123の素材は、無線通信装置12が送受信する周波数帯の電波を遮蔽する素材であれば、金属、カーボン等のいずれであってもよい。また、樹脂等の電波を遮蔽しない素材内に網状の金属を内包させた複合素材等が電波遮蔽部材123の素材として採用されてもよい。
【0028】
上述したように、電波遮蔽部材123は開口部O
2を有する。
図2に示されるように、開口部O
2は電波遮蔽部材123の底面に設けられ、アンテナ122は開口部O
2のすぐ上に配置されている。すなわち、電波遮蔽部材123は、無線通信装置12の通信相手である無線通信装置11のケーブル型アンテナ112に対向する位置に開口部O
2を有することになる。そして、アンテナ122は主として、
図2の2本の二点鎖線R
2で示される領域(アンテナ122から下方に向かい円錐状に拡がる狭い領域)に電波を送信し、また、当該領域を行き交う電波を送受信する。
【0029】
カバー124は、ホームドアGの筐体への粉塵等の浸入を軽減するために配置されている。従って、ホームドアGの筐体への粉塵等の浸入があっても問題が生じない場合、カバー124は不要である。カバー124の素材は、無線通信装置12が送受信する周波数帯の電波を遮蔽しない素材であれば、樹脂、木材、それらの複合素材等のいずれであってもよい。
【0030】
無線通信装置11は、無線通信の制御を行う制御ユニット111と、制御ユニット111の制御下で電波の送受信を行うケーブル型アンテナ112と、ケーブル型アンテナ112を被う電波遮蔽部材113(第1の電波遮蔽部材の一例)と、電波遮蔽部材113が有する開口部O1(第1の開口部の一例)を塞ぐ電波を遮蔽しないカバー114を備える。
【0031】
本実施形態において、ケーブル型アンテナ112は漏洩同軸ケーブルである。ただし、漏洩同軸ケーブル以外の紐状の素材でアンテナとして利用可能な素材があれば、その素材がケーブル型アンテナ112として採用されてもよい。
【0032】
ケーブル型アンテナ112は、プラットホームPの線路L側の縁辺に沿って、プラットホームPの一方の端部付近から他方の端部付近に至る位置に配置されている。
【0033】
電波遮蔽部材113は、長手方向の垂直面における断面が「コ」の字形状の長尺部材である。
図3は、電波遮蔽部材113及びカバー114の斜視図である。なお、ケーブル型アンテナ112の長さが1本の電波遮蔽部材113よりも長い場合、複数本の電波遮蔽部材113が用いられる。電波遮蔽部材113の素材は、無線通信装置11が送受信する周波数帯の電波を遮蔽する素材であれば、金属、カーボン等のいずれであってもよい。また、樹脂等の電波を遮蔽しない素材内に網状の金属を内包させた複合素材等が電波遮蔽部材113の素材として採用されてもよい。
【0034】
電波遮蔽部材113は、プラットホームPの下に、プラットホームPの線路L側の縁辺に沿って配置されている。電波遮蔽部材113は、例えばネジSにより、プラットホームPを下方から支持する基礎Bの側面上に取り付けられている。なお、電波遮蔽部材113を取り付ける方法はネジSによるものに限られず、例えば接着テープ等により取り付けが行われてもよい。
【0035】
上述したように、電波遮蔽部材113の断面形状は「コ」の字であり、開口部O
1を有する。
図2に示されるように、電波遮蔽部材113は開口部O
1が上となるように基礎Bに取り付けられている。すなわち、電波遮蔽部材113は、無線通信装置11の通信相手である無線通信装置12のアンテナ122に対向する位置に開口部O
1を有することになる。そして、電波遮蔽部材113に収容されるケーブル型アンテナ112は、主として、
図2の2本の一点鎖線R
1で示される領域(ケーブル型アンテナ112の各スロットら上方に向かい円錐状に拡がる狭い領域)に電波を送信し、また、当該領域を行き交う電波を送受信する。
【0036】
カバー114は、電波遮蔽部材113内への雨水、粉塵等の浸入を軽減するために配置されている。従って、電波遮蔽部材113内への雨水、粉塵等の浸入があっても問題が生じない場合、カバー114は不要である。カバー114の素材は、無線通信装置11が送受信する周波数帯の電波を遮蔽しない素材であれば、樹脂、木材、それらの複合素材等のいずれであってもよい。
【0037】
図2に示す例では、カバー114は電波遮蔽部材113の開口部O
1付近の内側面上に長手方向に沿って設けられた溝に填め込まれた状態で電波遮蔽部材113に固定される。電波遮蔽部材113に対するカバー114の固定方法はこれに限られない。例えば、蓋状のカバー114が電波遮蔽部材113の開口部O
1付近の外側面上に被せられた状態で電波遮蔽部材113に固定されてもよい。
【0038】
上述した無線通信システム1によれば、無線通信装置11と無線通信装置12の間の無線通信は、電波遮蔽部材113の開口部O1から開口方向である上方に向かい拡がる狭い領域と、電波遮蔽部材123の開口部O2から開口方向である下方に向かい拡がる狭い領域との重なり合う領域を行き交う電波によってのみ影響を受け、それ以外の領域を行き交う電波の影響を受けない。従って、スマートフォン等の電波を発する装置を携帯した人がプラットホームP上を往来しても、無線通信装置11と無線通信装置12の間の無線通信における通信速度が低下することはない。
【0039】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施されてもよい。以下に上述した実施形態の変形例を示す。また、以下の変形例は各々組み合わされてもよい。
【0040】
(1)ケーブル型アンテナ112、電波遮蔽部材113及びカバー114の配置される位置は、プラットホームPの下に限られない。
図4は、ケーブル型アンテナ112、電波遮蔽部材113及びカバー114が、プラットホームPの上方に設けられた天井Cの下面に配置された例を示した図である。この場合、電波遮蔽部材113は開口部O
1が下となるように天井Cに取り付けられ、カバー114がケーブル型アンテナ112を下方から支持する役割を果たす。また、電波遮蔽部材123の開口部O
2はホームドアGの筐体の上面(天板)に設けられ、そのすぐ下にアンテナ122が配置される。
【0041】
図4の例では、スマートフォン等の電波を発する装置を携帯した人が、プラットホームPと列車の間を往来する際に、一瞬、無線通信装置11と無線通信装置12の間の無線通信が電波干渉により妨げられる可能性があるが、そのような電波干渉の発生は、ホームドアGによる往来の規制が解除されている時間内に限られる。
【0042】
(2)無線通信システム1の配置場所はプラットホーム周辺に限られない。ビルのロビー、通路等のいずれに配置されてもよい。従って、無線通信装置12の配置もホームドアG内に限られない。
【0043】
(3)無線通信装置11に接続されるケーブル型アンテナ112の数は2以上であってもよい。例えば、2以上のケーブル型アンテナ112の各々を用いて異なる2以上の周波数帯の電波で通信を行うことにより、無線通信装置11が無線通信装置12と行う通信の帯域を拡げることができる。
【0044】
(4)電波遮蔽部材113、電波遮蔽部材123、カバー114、カバー124等の形状、サイズ等は図示したものに限られない。例えば、電波遮蔽部材113の断面形状が半円形状であってもよい。
【0045】
(5)カバー114は、電波遮蔽部材113の開口部O1の全てを被う必要はない。例えば、開口部O1のうち、ホームドアGの近傍(すなわち、電波遮蔽部材123の開口部O2の近傍)の部分は電波を遮蔽しないカバー114で被い、それ以外の部分は電波を遮蔽するカバーで被う構成が採用されてもよい。この場合、ケーブル型アンテナ112が受ける電波の干渉の影響がより低減される。
【符号の説明】
【0046】
1…無線通信システム、2…上位装置、11…無線通信装置、12…無線通信装置、111…制御ユニット、112…ケーブル型アンテナ、113…電波遮蔽部材、114…カバー、121…制御ユニット、122…アンテナ、123…電波遮蔽部材、124…カバー