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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-02-18
(45)【発行日】2022-03-01
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220221BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017177438
(22)【出願日】2017-09-15
(65)【公開番号】P2019053529
(43)【公開日】2019-04-04
【審査請求日】2020-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】藤本 浩章
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-184269(JP,A)
【文献】特開2001-344545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者がサービスの提供を受ける場合に前記利用者が所持する個人識別媒体から識別情報を取得する媒体処理装置から、前記識別情報を含み且つ前記利用者に対する前記サービスの提供の可否の判断を要求する利用要求を受信する通信インタフェースと、
前記利用要求を受信した場合、前記識別情報に予め対応付けられた媒体利用可否情報に基づき、前記個人識別媒体が有効であるか無効であるかを判断し、前記判断の結果に基づいて、前記個人識別媒体を所持する前記利用者に対する前記サービスの提供の可否を、前記通信インタフェースを介して前記媒体処理装置に通知する制御部と、
を具備し、
前記識別情報に前記サービスの種類毎に提供の可否を示すサービス利用可否情報が予め対応付けられており、
前記制御部は、
前記利用要求を解析して前記サービスの種類を認識し、
認識した前記サービスの種類と、前記識別情報に予め対応付けられた前記サービス利用可否情報とに基づき、前記サービスの提供が可能であるか否かを判断し、
前記個人識別媒体が有効であり、且つ前記サービスの提供が可能であると判断した場合、前記個人識別媒体を所持する前記利用者に対する前記サービスの提供が可能であることを、前記通信インタフェースを介して前記媒体処理装置に通知する情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記通信インタフェースを介して受信した情報に基づいて、前記識別情報に予め対応付けられた前記媒体利用可否情報を有効と無効とで切り替える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記通信インタフェースを介して受信した情報に基づいて、前記識別情報に予め対応付けられた前記サービス利用可否情報におけるサービス毎の提供の可否を切り替える請求項に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記識別情報に決済を行う為の決済用情報が予め対応付けられており、
前記制御部は、
前記利用要求を解析して決済額を認識し、
認識した前記決済額の決済が可能であるか否かを前記決済用情報に基づいて判断し、 前記個人識別媒体が有効であり、且つ前記決済が可能であると判断した場合、前記個人識別媒体を所持する前記利用者に対する前記サービスの提供が可能であることを、前記通信インタフェースを介して前記媒体処理装置に通知する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記通信インタフェースを介して受信した情報に基づいて、前記識別情報を二次元コードに変換し、前記二次元コードを前記通信インタフェースを介して出力する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
媒体処理装置と、前記媒体処理装置と通信する情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記媒体処理装置は、
利用者がサービスの提供を受ける場合に前記利用者が所持する個人識別媒体から識別情報を取得する媒体リーダと、
前記識別情報を含み且つ前記利用者に対する前記サービスの提供の可否の判断を前記情報処理装置に要求する利用要求を前記情報処理装置に送信する第1の通信インタフェースと、
を具備し、
前記情報処理装置は、
前記媒体処理装置から、前記利用要求を受信する第2の通信インタフェースと、
前記利用要求を受信した場合、前記識別情報に予め対応付けられた媒体利用可否情報に基づき、前記個人識別媒体が有効であるか無効であるかを判断し、前記判断の結果に基づいて、前記個人識別媒体を所持する前記利用者に対する前記サービスの提供の可否を、前記第2の通信インタフェースを介して前記媒体処理装置に通知する制御部と、
を具備し、
前記識別情報に前記サービスの種類毎に提供の可否を示すサービス利用可否情報が予め対応付けられており、
前記制御部は、
前記利用要求を解析して前記サービスの種類を認識し、
認識した前記サービスの種類と、前記識別情報に予め対応付けられた前記サービス利用可否情報とに基づき、前記サービスの提供が可能であるか否かを判断し、
前記個人識別媒体が有効であり、且つ前記サービスの提供が可能であると判断した場合、前記個人識別媒体を所持する前記利用者に対する前記サービスの提供が可能であることを、前記第2の通信インタフェースを介して前記媒体処理装置に通知する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
利用者が所持する個人識別媒体から識別情報を取得し、取得した識別情報と予め登録された情報(アカウント)とに基づいて、利用者にサービスを提供するか否か判断するシステムがある。システムは、例えば、駅などの交通機関に用いられるシステム、及び店舗などに用いられる決済の為のシステムなど種々のシステムが実現されている。また、異なるシステム間で共通する個人識別媒体が利用できるシステムが実現されている。
【0003】
例えば利用者が個人識別媒体を紛失した場合、上記のようなシステムにおける個人識別媒体の利用を制限する必要がある。この為に、各システムでは、個人識別媒体から識別情報を取得する装置に、使用不可能な個人識別媒体の識別情報のリストを予め記憶させることにより、特定の個人識別媒体の利用を制限する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-300605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなシステムでは、各システムがそれぞれ使用不可能な個人識別媒体の識別情報のリストを保持する必要がある。また、各システムは、他のシステムとの間で使用不可能な個人識別媒体の識別情報のリストを同期する必要がある。この為、同期のタイミングによっては、個人識別媒体を利用できるシステムと個人識別媒体を利用できないシステムとが存在する可能性があるという課題がある。
【0006】
本発明は、利便性を向上させることができる情報処理装置及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る情報処理装置は、通信インタフェースと制御部とを具備する。通信インタフェースは、利用者がサービスの提供を受ける場合に前記利用者が所持する個人識別媒体から識別情報を取得する媒体処理装置から、前記識別情報を含み且つ前記利用者に対する前記サービスの提供の可否の判断を要求する利用要求を受信する。制御部は、前記利用要求を受信した場合、前記識別情報に予め対応付けられた媒体利用可否情報に基づき、前記個人識別媒体が有効であるか無効であるかを判断し、前記判断の結果に基づいて、前記個人識別媒体を所持する前記利用者に対する前記サービスの提供の可否を、前記通信インタフェースを介して前記媒体処理装置に通知する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係る情報処理システムの構成例について説明する為の説明図である。
図2図2は、一実施形態に係る媒体処理装置の構成例について説明する為の説明図である。
図3図3は、一実施形態に係る情報処理装置の構成例について説明する為の説明図である。
図4図4は、一実施形態に係る情報処理装置が作成するデータベースの例について説明する為の説明図である。
図5図5は、一実施形態に係る情報処理装置の動作の例について説明する為の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら情報処理装置及び情報処理システムについて詳細に説明する。
まず、情報処理システム1について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す。情報処理システム1は、利用者が所持する個人識別媒体2の識別情報と、予め登録されたアカウントとに基づき、利用者にサービスを提供するか否か判断する。
【0010】
個人識別媒体2は、固有の識別情報を含む媒体である。個人識別媒体2は、サービスの提供を受ける利用者により所持される。個人識別媒体2は、例えば、識別情報を記憶し、ICカードリーダと通信することにより、識別情報をICカードリーダに送信するICカードとして構成される。また、個人識別媒体2は、例えば、生体認証用の端末に、識別情報としての生体情報を与える人体の一部(生体)として構成されていてもよい。
【0011】
情報処理システム1は、例えば、第1の媒体処理装置3A、第2の媒体処理装置3B、第3の媒体処理装置3C、及び情報処理装置4などを備える。第1の媒体処理装置3A、第2の媒体処理装置3B、及び第3の媒体処理装置3Cと、情報処理装置4とは、ネットワーク5を介して接続されている。なお、第1の媒体処理装置3A、第2の媒体処理装置3B、及び第3の媒体処理装置3Cは、同様の構成である為、単に媒体処理装置3と称して説明する。
【0012】
次に、媒体処理装置3について説明する。
図2は、媒体処理装置3の構成の例について説明する為の説明図である。媒体処理装置3は、個人識別媒体2から識別情報を取得する。媒体処理装置3は、取得した識別情報を含み、識別情報を取得した個人識別媒体2を所持する利用者に対するサービスの提供の可否の判断を情報処理装置4に要求する利用要求を、情報処理装置4に送信する。これにより、媒体処理装置3は、利用者に対するサービスの提供の可否を示す情報を情報処理装置4から受け取る。媒体処理装置3は、利用者に対するサービスの提供の可否を、利用者または媒体処理装置3を操作するオペレータに通知する。
【0013】
図2に示されるように、媒体処理装置3は、CPU11、ROM12、RAM13、第1の通信インタフェース14、及び第2の通信インタフェース15を備える。
【0014】
CPU11は、演算処理を実行する演算素子(たとえば、プロセッサ)を備える。CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムなどのデータに基づいて種々の処理を行う。CPU11は、ROM12に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行可能な制御部16として機能する。
【0015】
ROM12は、読み出し専用の不揮発性メモリである。ROM12は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。
【0016】
RAM13は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM13は、CPU11の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、RAM13は、CPU11が実行するプログラムを一時的に格納する。
【0017】
第1の通信インタフェース14は、媒体処理装置3以外の他の機器と通信する為のインタフェースである。第1の通信インタフェース14は、媒体リーダ21と通信する為の通信規格、表示装置22と通信する為の通信規格、操作部材23と通信する為の通信規格、及びストレージ24と通信する為の通信規格などに対応した端子及び回路を備える。第1の通信インタフェース14は、制御部16の制御に基づいて、媒体リーダ21、表示装置22、操作部材23、及びストレージ24などと通信する。
【0018】
第2の通信インタフェース15は、ネットワーク5を介して情報処理装置4と通信する為のインタフェースである。第2の通信インタフェース15は、ネットワーク5に接続する為の通信回路を備える。第2の通信インタフェース15は、制御部16の制御に基づいて、ネットワーク5を介して情報処理装置4と通信する。
【0019】
媒体リーダ21は、個人識別媒体2から識別情報を取得する。例えば、個人識別媒体2が識別情報を記憶したICカードである場合、媒体リーダ21は、ICカードと通信することにより、ICカードから識別情報を取得するICカードリーダとして構成される。また、例えば、個人識別媒体2が生体である場合、媒体リーダ21は、生体から識別情報として利用可能な生体情報を読み取る生体認証リーダとして構成される。
【0020】
表示装置22は、表示用の画面データに基づいて画面を表示するディスプレイを備える。表示装置22は、媒体処理装置3から供給された画面を表示する。
【0021】
操作部材23は、媒体処理装置3の各種の操作を行うための操作部材である。操作部材は、例えば、タッチセンサ、キーボード、及びテンキーなど如何なるものであってもよい。なお、タッチセンサは、上記の表示装置22のディスプレイと一体にタッチパネルとして構成されることにより、ディスプレイに表示された画面上のタッチされた位置を示す信号を媒体処理装置3に入力する。
【0022】
ストレージ24は、種々の情報を記憶可能な記憶装置である。ストレージ24は、例えば、半導体メモリ、または他の記憶装置である。ストレージ24は、メモリカードなどの記憶媒体を挿入可能なカードスロットなどのメモリインタフェースにより構成されていてもよい。
【0023】
次に、情報処理装置4について説明する。
図3は、情報処理装置4の構成の例について説明する為の説明図である。情報処理装置4は、媒体処理装置3が個人識別媒体2から取得した識別情報と、予め登録されたアカウントとに基づき、利用者へのサービスの提供の可否を判断する。情報処理装置4は、利用者へのサービスの提供の可否の判断結果を媒体処理装置3に送信する。
【0024】
図3に示されるように、情報処理装置4は、CPU31、ROM32、RAM33、第1の通信インタフェース34、及び第2の通信インタフェース35を備える。
【0025】
CPU31は、演算処理を実行する演算素子(たとえば、プロセッサ)を備える。CPU31は、ROM32に記憶されているプログラムなどのデータに基づいて種々の処理を行う。CPU31は、ROM32に格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行可能な制御部36として機能する。
【0026】
ROM32は、読み出し専用の不揮発性メモリである。ROM32は、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。
【0027】
RAM33は、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAM33は、CPU31の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、RAM33は、CPU31が実行するプログラムを一時的に格納する。
【0028】
第1の通信インタフェース34は、情報処理装置4以外の他の機器と通信する為のインタフェースである。第1の通信インタフェース34は、ストレージ41と通信する為の通信規格などに対応した端子及び回路を備える。第1の通信インタフェース34は、制御部36の制御に基づいて、ストレージ41と通信する。
【0029】
第2の通信インタフェース35は、ネットワーク5を介して媒体処理装置3と通信する為のインタフェースである。第2の通信インタフェース35は、ネットワーク5に接続する為の通信回路を備える。第2の通信インタフェース35は、制御部36の制御に基づいて、ネットワーク5を介して媒体処理装置3または他の端末と通信する。
【0030】
ストレージ41は、種々の情報を記憶可能な記憶装置である。ストレージ41は、例えば、半導体メモリ、または他の記憶装置である。ストレージ41は、メモリカードなどの記憶媒体を挿入可能なカードスロットなどのメモリインタフェースにより構成されていてもよい。ストレージ41は、アカウントをデータベース42として記憶する。なお、ストレージ41は、情報処理装置4内に設けられていてもよい。
【0031】
次に、アカウントについて説明する。
図4は、データベース42の例について説明する為の説明図である。図4のデータベースは、識別情報、個人情報、媒体利用可否情報、サービス利用可否情報、決済用情報、及び通知先情報などが対応付けられて構成されたアカウントを複数記憶している。
【0032】
識別情報は、特定の個人のアカウントを識別する為の情報である。識別情報は、アカウントごとに固有である。識別情報は、例えばICカードのカードID、または生体認証に用いられる生体情報などである。
【0033】
個人情報は、アカウントに対応する個人に関する情報である。個人情報は、例えば、氏名、性別、生年月日、及び住所などである。
【0034】
媒体利用可否情報は、アカウント(個人識別媒体2)が利用可能であるか否かを示す情報である。媒体利用可否情報は、アカウントの利用が可能である「OK」と、アカウントの利用が不可能である「NG」とのいずれかの状態を示す情報である。例えば、媒体利用可否情報は、「OK」と、「NG」とのいずれかを示すフラグとして構成される。
【0035】
サービス利用可否情報は、利用者へのサービスの提供が可能であるか否かを、サービスの種類毎に示す情報である。サービス利用可否情報は、例えば利用者へのサービスの提供が可能である「OK」と、利用者へのサービスの提供が不可能である「NG」とのいずれかの状態を、サービスの種類毎に示す情報である。例えば、サービス利用可否情報は、サービスの種類毎に、「OK」と、「NG」とのいずれかを示すフラグとして構成される。
【0036】
決済用情報は、サービスの提供の為にある金額(決済額)の決済が必要な場合に用いられる情報である。決済用情報は、バリュー情報、クレジット情報、及び口座情報のいずれかまたは複数を備える。
【0037】
バリュー情報は、決済に利用可能な金額(残額)を示す情報である。バリュー情報は、利用者が現金またはクレジットなどにより支払を行うことによりチャージ(加算)される。バリュー情報は、決済が行われる場合、決済額が残額から減算される。残額が決済額未満である場合、決済の結果がNGとなる。
【0038】
クレジット情報は、クレジットカードに関する情報である。決済が行われる場合、クレジット情報に基づき、決済額をクレジットカード会社に請求する為の請求情報がクレジットカード会社のサーバに送信される。これに対し、クレジットカード会社のサーバからは、承認と非承認とのいずれかのレスポンスが返る。
【0039】
口座情報は、決済に利用可能な銀行口座を示す情報である。決済が行われる場合、口座情報に基づき、決済額を銀行口座から引き落とす為の請求情報が銀行のサーバに送信される。これに対し、銀行のサーバからは、承認と非承認とのいずれかのレスポンスが返る。
【0040】
なお、バリュー情報の残額に代用可能なポイントが決済用情報としてアカウントにさらに対応付けられていてもよい。
【0041】
通知先情報は、アカウントの利用結果の通知先を示す情報。通知先情報は、例えばメールアドレス、電話番号、及びアプリケーションにおける識別情報のいずれかまたは複数である。アカウントの利用結果は、サービスが利用された旨、サービス利用がNGであった旨、バリュー情報、クレジット情報、口座情報を利用した決済の結果などである。
【0042】
次に、情報処理システム1において提供されるサービスについて説明する。
上記のように構成された情報処理システム1は、種々のサービスの利用者への提供を総括する。種々のサービスは、例えばモバイルサービス、決済サービス、及び交通サービスなどがある。また、第1の媒体処理装置3Aがモバイルサービスを利用者に提供する構成であり、第2の媒体処理装置3Bが決済サービスを利用者に提供する構成であり、第3の媒体処理装置3Cが交通サービスを利用者に提供する構成であるとして説明する。
【0043】
モバイルサービスは、個人識別媒体2から取得した識別情報に基づき、携帯端末を介して利用が可能なサービスである。具体的には、モバイルサービスは、ポータルサイトの利用(ポータルサービス)、アプリケーションの利用、オンラインショップの利用(ネットショップ支払)、及びアカウントに紐付けられたバリュー情報のチャージであるネットチャージなどのサービスがある。
【0044】
例えば、第1の媒体処理装置3Aは、例えばスマートフォンなどの携帯端末として構成される。第1の媒体処理装置3Aは、利用者の操作に基づき、サービスの提供を行う場合、個人識別媒体2から識別情報を取得し、識別情報とサービスの種類を示す情報(サービス種別)とを含む利用要求を情報処理装置4に送信する。これにより、第1の媒体処理装置3Aは、利用者に対するサービスの提供の可否を示す情報を情報処理装置4から受け取る。第1の媒体処理装置3Aは、利用者に対するサービスの提供が可である場合、利用者に対するサービスの提供を許可する。
【0045】
決済サービスは、個人識別媒体2から取得した識別情報に基づき、決済額の決済が行われることにより、利用者に提供されるサービスである。即ち、決済サービスは、例えば、バリュー情報、クレジット情報、または口座情報を利用し、決済額を決済された場合に、利用者に提供されるサービスである。具体的には、決済サービスは、店舗での物販、ロッカー利用、自動販売機などの利用などのサービスである。
【0046】
例えば、第2の媒体処理装置3Bは、店舗のPOS端末、ロッカーに設けられた決済装置、自動販売機に設けられた決済装置として構成される。第2の媒体処理装置3Bは、利用者が物販、ロッカーの利用、自動販売機の利用などのサービスを受ける場合、個人識別媒体2から識別情報を取得し、識別情報とサービス種別とを含む利用要求を情報処理装置4に送信する。これにより、第2の媒体処理装置3Bは、利用者に対するサービスの提供の可否を示す情報を情報処理装置4から受け取る。第2の媒体処理装置3Bは、利用者に対するサービスの提供が可である場合、利用者に対するサービスの提供を許可する。
【0047】
交通サービスは、個人識別媒体2から取得した識別情報に基づき判定が行われることによって、利用が可能になる交通機関などのサービスである。具体的には、交通サービスは、電車の利用、及びバスの利用などのサービスである。
【0048】
例えば、第3の媒体処理装置3Cは、例えば駅に設置された改札機、またはバスに搭載された車載決済装置などとして構成される。第3の媒体処理装置3Cは、利用者が交通サービスの提供を受ける場合、個人識別媒体2から識別情報を取得し、識別情報とサービス種別とを含む利用要求を情報処理装置4に送信する。これにより、第3の媒体処理装置3Cは、利用者に対するサービスの提供の可否を示す情報を情報処理装置4から受け取る。第3の媒体処理装置3Cは、利用者に対するサービスの提供が可である場合、利用者に対するサービスの提供を許可する。
【0049】
上記したように、いずれのサービスにおいても、媒体処理装置3は、利用者の所持する個人識別媒体2から識別情報を取得し、識別情報とサービス種別とを含む利用要求を情報処理装置4に送信する。さらに、媒体処理装置3は、利用者に対するサービスの提供の可否を示す情報を情報処理装置4から受け取り、利用者に対するサービスの提供が可である場合、利用者に対するサービスの提供を許可する。
【0050】
次に、情報処理装置4の動作について説明する。
図5は、情報処理装置4の制御部36は、媒体処理装置3から利用要求を受信する(ステップS11)。
【0051】
制御部36は、受信した利用要求を解析し、識別情報を認識する(ステップS12)。
【0052】
制御部36は、データベース42を参照し、ステップS12で認識した識別情報に対応付けられた媒体利用可否情報を確認する(ステップS13)。
【0053】
制御部36は、媒体利用可否情報の確認の結果に基づいて、利用要求を送信した媒体処理装置3が識別情報を取得した個人識別媒体2に対応するアカウントの利用の可否を判断する(ステップS14)。制御部36は、ステップS12で認識した識別情報に対応付けられた媒体利用可否情報が「OK」を示す場合、個人識別媒体2に対応するアカウントの利用が可であると判断する。制御部36は、ステップS12で認識した識別情報に対応付けられた媒体利用可否情報が「NG」を示す場合、個人識別媒体2に対応するアカウントの利用が不可であると判断する。
【0054】
制御部36は、個人識別媒体2に対応するアカウントの利用が可であると判断した場合(ステップS14、YES)、ステップS11で受信した利用要求を解析し、サービス種別を認識する(ステップS15)。これにより、制御部36は、利用者が利用しようとしているサービスの種類を認識する。
【0055】
制御部36は、データベース42を参照し、ステップS12で認識した識別情報に対応付けられたサービス利用可否情報を確認する(ステップS16)。
【0056】
制御部36は、サービス利用可否情報の確認の結果に基づいて、利用者が利用しようとしているサービスの提供の可否を判断する(ステップS17)。制御部36は、ステップS12で認識した識別情報に対応付けられたサービス利用可否情報において、ステップS15で認識したサービスの種類が「OK」に設定されているか「NG」に設定されているかを確認する。制御部36は、ステップS15で認識したサービスの種類が「OK」を示す場合、サービスの提供が可であると判断する。制御部36は、ステップS15で認識したサービスの種類が「NG」を示す場合、サービスの提供が不可であると判断する。
【0057】
制御部36は、利用者が利用しようとしているサービスの提供が可であると判断した場合(ステップS17、YES)、利用者に対するサービスの提供を許可する(ステップS18)。この場合、制御部36は、利用者に対するサービスの提供が可であることを示す情報を、利用要求を送信した媒体処理装置3に対して通知し(ステップS19)、処理を終了する。
【0058】
また、制御部36は、ステップS17で、利用者が利用しようとしているサービスの提供が不可であると判断した場合(ステップS17、NO)、またはステップS14で、個人識別媒体2に対応するアカウントの利用が不可であると判断した場合(ステップS14、NO)、利用者に対するサービスの提供を不許可と判定する(ステップS20)。この場合、制御部36は、利用者に対するサービスの提供が不可であることを示す情報を、利用要求を送信した媒体処理装置3に対して通知し(ステップS21)、処理を終了する。
【0059】
上記したように、情報処理システム1では、個人識別媒体2から識別情報を取得する媒体処理装置3が、使用不可能な個人識別媒体の識別情報のリストを保持するのではなく、媒体処理装置3からサービスの利用要求を受け取る情報処理装置4が、媒体利用可否情報を確認することにより、個人識別媒体2に対応するアカウントの利用が利用可能であるか否かを判断する。さらに、情報処理装置4は、異なる種類のサービスを提供する複数の媒体処理装置3からの利用要求に応じて、個人識別媒体2に対応するアカウントの利用が利用可能であるか否かを判断する。即ち、情報処理装置4は、複数のサービスにおいて個人識別媒体2の利用が可能であるか否かを総括して判断する。これにより、利用者にサービスを提供するシステム毎に、使用不可能な個人識別媒体の識別情報のリストを保持する必要がなくなる。また、情報処理装置4は、異なる複数のサービスにおいて、個人識別媒体が使用不可能になるタイミングを同時にすることができる。
【0060】
また、上記したように、情報処理装置4は、利用者へのサービスの提供が可能であるか否かをサービスの種類毎に示すサービス利用可否情報に基づいて、利用要求が示す種類のサービスの利用の可否を判断する。このような構成によると、情報処理装置4は、個人識別媒体2に対応するアカウントが利用できるか否かを、サービスの種類ごとに判断することができる。
【0061】
また、情報処理装置4の制御部36は、第2の通信インタフェース35を介して入力された情報に基づいて、データベース42の書換えを行う。即ち、制御部36は、第2の通信インタフェース35を介して入力された情報に基づいて、識別情報、個人情報、媒体利用可否情報、サービス利用可否情報、決済用情報、及び通知先情報などの書換えを行う。
【0062】
例えば、制御部36は、第2の通信インタフェース35を介して、特定の個人識別媒体2に対応するアカウントの有効と無効とを切り替える旨を示す情報を受信した場合、特定された個人識別媒体2に対応するアカウントの媒体利用可否情報を「OK」と「NG」とで切り替える。これにより、情報処理装置4は、特定の個人識別媒体2を使用可能な状態と使用不可能な状態とで切り替えることができる。
【0063】
また、例えば、制御部36は、第2の通信インタフェース35を介して入力された情報に基づいて、特定の個人識別媒体2に対応するアカウントのサービス利用可否情報を書き換える。具体的には、制御部36は、入力された情報で指定された個人識別媒体2に対応するアカウントのサービス利用可否情報の、入力された情報で指定されたサービスの「OK」と「NG」とを切り替える。これにより、情報処理装置4は、特定の個人識別媒体2を特定のサービスで使用可能な状態と使用不可能な状態とで切り替えることができる。
【0064】
また、制御部36は、媒体処理装置3から受信した利用要求が示すサービスが、決済額の決済が必要なサービスである場合、ステップS17で決済が可能であるか否かをさらに判断する構成であってもよい。具体的には、制御部36は、利用要求を解析することにより、決済額及び決済方法を認識する。決済方法は、決済にバリュー情報を用いるか、クレジット情報を用いるか、口座情報を用いるかを示す情報である。制御部36は、例えば、決済方法がバリュー情報を用いることを示す場合、バリュー情報の残額>決済額である場合、決済が可能であると判断し、残額から決済額を減算する。また、例えば、制御部36は、決済方法がクレジット情報を用いることを示す場合、決済額に基づき請求情報を生成し、クレジットカード会社のサーバに送信する。制御部36は、請求情報が承認された場合、決済が可能であると判断する。また、例えば、制御部36は、決済方法が口座情報を用いることを示す場合、決済額に基づき請求情報を生成し、銀行のサーバに送信する。制御部36は、請求情報が承認された場合、決済が可能であると判断する。
【0065】
このような構成によると、制御部36は、ステップS17でサービス利用可否情報において、利用要求が示すサービスが「OK」に設定されており、且つ決済が可能であると判断した場合、サービスの提供が可であると判断する。また、制御部36は、ステップS17でサービス利用可否情報において、利用要求が示すサービスが「OK」に設定されていたとしても、決済が不可であった場合、サービスの提供が不可であると判断する。
【0066】
また、データベース42において、アカウントの識別情報に、交通サービスを利用可能な区間及び有効期限などを示す定期情報が対応付けられていてもよい。この場合、制御部36は、ステップS17で、利用要求に応じて利用者の乗車区間を認識し、認識した乗車区間と定期情報とに基づき通行判定を行う。制御部36は、ステップS17でサービス利用可否情報において、利用要求が示すサービスが「OK」に設定されており、且つ通行判定が可であると判断した場合、サービスの提供が可であると判断する。また、制御部36は、ステップS17でサービス利用可否情報において、利用要求が示すサービスが「OK」に設定されていたとしても、通行判定が不可であった場合、サービスの提供が不可であると判断する。
【0067】
またさらに、制御部36は、第2の通信インタフェース35を介して入力された情報(確認要求)に基づいて、個人識別媒体2の利用の可否、及びサービスの提供の可否などを利用者に認識させる為の情報を、第2の通信インタフェース35を介して接続された他の端末に送信する構成であってもよい。確認要求は、特定の個人識別媒体2に対応するアカウントの状態の確認を情報処理装置4に要求する旨、及び個人識別媒体2の識別情報を含む情報である。確認要求は、利用者が操作する端末から送信される。例えば、携帯端末から、個人識別媒体2の識別情報を含む確認要求が入力された場合、制御部36は、確認要求に含まれる識別情報に基づいてデータベース42からアカウントを特定する。さらに、制御部36は、特定したアカウントの媒体利用可否情報、及びサービス利用可否情報などに基づき、個人識別媒体2の利用の可否、及びサービスの提供の可否などを示す画面を携帯端末に表示させる為のデータを生成する。制御部36は、生成したデータを第2の通信インタフェース35を介して携帯端末に送信することにより、特定の個人識別媒体2の利用の可否、及びサービス毎の提供の可否を携帯端末に通知することができる。
【0068】
また、制御部36は、第2の通信インタフェース35を介して入力された情報(チャージ要求)に基づいて、個人識別媒体2に対応するアカウントの決算用情報の内のバリュー情報の残額をチャージ(加算)する。チャージ要求は、特定の個人識別媒体2に対応するアカウントのバリュー情報の残額を増加させる旨、増加させる金額(チャージ金額)、及び個人識別媒体2の識別情報を含む情報である。チャージ要求は、携帯端末、駅務機器、及び店舗のPOS端末などから送信される。制御部36は、チャージ要求を受け取った場合、チャージ要求が示す識別情報に基づいて、データベース42からアカウントを特定する。さらに、制御部36は、特定したアカウントのバリュー情報の残額に対してチャージ金額を合算する。
【0069】
さらに、制御部36は、バリュー情報の残額に代用可能なポイントが決算用情報に含まれている場合、第2の通信インタフェース35を介して入力された情報に基づき、ポイントをバリュー情報の残額に変換する構成であってもよい。
【0070】
また、制御部36は、データベース42のアカウントの情報に基づき、一時的に利用可能な二次元コードを発行する構成であってもよい。例えば、制御部36は、第2の通信インタフェース35を介してワンタイムコード発行要求を受信した場合、一時的に利用可能な二次元コードであるワンタイムコードを発行する。
【0071】
ワンタイムコード発行要求は、ワンタイムコードの発行を要求する旨、及び個人識別媒体2の識別情報を含む情報である。ワンタイムコード発行要求は、駅務機器(例えば駅の係員が操作する窓口端末)などから送信される。具体的には、ワンタイムコード発行要求は、駅の係員が利用者の所持する個人情報及び身分証明書を確認し、窓口端末を操作することにより、情報処理装置4に送信される。
【0072】
制御部36は、ワンタイムコード発行要求を受け取った場合、ワンタイムコード発行要求の識別情報に基づいて、データベース42からアカウントを特定する。さらに、制御部36は、特定したアカウントの識別情報に基づいて二次元コードを生成する。制御部36は、生成した二次元コードを、ワンタイムコード発行要求を送信した端末に送信する。また、制御部36は、生成した二次元コードを、特定したアカウントの通知先情報が示す通知先に送信する構成であってもよい。これにより、二次元コードが表示される端末を、一時的に個人識別媒体として利用することが可能になる。なお、制御部36は、二次元コードの発行履歴と、媒体処理装置3で読み取られた二次元コードとを突合することにより、発行履歴のない二次元コードを受け付けないように情報処理装置4を制御する。また、制御部36は、利用可能なサービスが限定された二次元コードを発行する構成であってもよい。
【0073】
なお、制御部36は、特定したアカウントの識別情報に基づいて二次元コードを生成するのではなく、特定したアカウントのバリュー情報に基づき、バリュー情報が示す残額の全額または一部を二次元コードに変換する構成であってもよい。
【0074】
情報処理装置4がネットワーク5を介して接続されている例について説明したが、この構成に限定されない。情報処理装置4は、いずれかの媒体処理装置3に含まれる構成であってもよい。即ち、第1の媒体処理装置3A、第2の媒体処理装置3B、及び第3の媒体処理装置3Cのいずれかが情報処理装置4または情報処理装置4に相当する機能を備えていてもよい。この場合、情報処理装置4または情報処理装置4に相当する機能を備える媒体処理装置3が、他の媒体処理装置3からの利用要求に応じて、個人識別媒体2の利用の可否、及びサービスの提供の可否を判断する。
【0075】
なお、上述の各実施の形態で説明した機能は、ハードウエアを用いて構成するに留まらず、ソフトウエアを用いて各機能を記載したプログラムをコンピュータに読み込ませて実現することもできる。また、各機能は、適宜ソフトウエア、ハードウエアのいずれかを選択して構成するものであっても良い。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…情報処理システム、2…個人識別媒体、3…媒体処理装置、3A…第1の媒体処理装置、3B…第2の媒体処理装置、3C…第3の媒体処理装置、4…情報処理装置、5…ネットワーク、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…第1の通信インタフェース、15…第2の通信インタフェース、16…制御部、21…媒体リーダ、22…表示装置、23…操作部材、24…ストレージ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…第1の通信インタフェース、35…第2の通信インタフェース、36…制御部、41…ストレージ、42…データベース。
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